fc2ブログ

ロシア海軍黒海艦隊司令官ヴィクトール・ソコロフは大将に昇進した

23-0512d.jpg
『タス通信』より
2023年6月6日23時39分配信
【プーチンは黒海艦隊司令官ヴィクトール・ソコロフに大将の階級を授与した】
モスクワ、6月6日/タス通信

ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、ロシア連邦黒海艦隊司令官ヴィクトール・ソコロフへ大将の軍事階級を授与する法令へ署名した。
対応する法令は火曜日に法的情報公式ポータルサイトで公表された。

更に、海軍副総司令官ウラジーミル・カサトノフへ大将の階級が授与された。

ソコロフは2020年からクズネツォフ記念海軍大学校を率いており、2022年8月19日に黒海艦隊司令官代理に任命され、このポストに在ったイーゴリ・オシポフ大将と交代した。



ヴィクトール・ニコラエヴィチ・ソコロフは、1962年4月4日にモルダヴィア・ソヴィエト社会主義共和国ベンデルィで生まれ、1982年8月1日にM.V.フルンゼ記念海軍高等学校へ入学し、1985年6月30日に卒業しました。
22-0819i.jpg
1985年8月~1987年8月に太平洋艦隊警備艦SKR-61の水雷戦闘班長、1987年8月~1989年10月に海洋掃海艦「ヤコリ」水雷戦闘班長、1989年10月~1990年12月に基地掃海艦BT-51水雷戦闘班長、1990年12月~1991年12月に海洋掃海艦「ヤコリ」副長、1992年9月~1993年9月に海洋掃海艦「ザリャド」艦長を務めました。
1993年9月~1994年9月に太平洋艦隊第187掃海艦大隊参謀長、1994年9月~1995年8月に第81掃海艦大隊司令を務めました。

1995年9月1日にN.G.クズネツォフ記念海軍大学校へ入学し、1998年7月30日に卒業しました。

1998年8月~2000年6月に太平洋艦隊作戦管理部長、2000年6月~2002年9月に第165水上艦旅団参謀長、2002年9月~2004年9月に第165水上艦旅団司令を務めました。

2004年9月にロシア連邦軍参謀本部アカデミーへ入学し、2006年7月に卒業しました。

2006年8月~2010年8月に沿海地方多種戦力小艦隊副司令官、2010年8月~2012年9月に沿海地方多種戦力小艦隊司令官を務めました。

この間、2009年1月~4月には太平洋艦隊第1次アデン湾派遣海賊対処部隊指揮官を務めました。
[ロシア海軍第2次ソマリア遠征]

2011年に少将へ昇進しました。

2012年9月~2013年8月には北方艦隊コラ多種戦力小艦隊司令官を務めました。

2013年8月~2019年12月に北方艦隊副司令官を務め、2014年には中将に昇進しました。

2016年10月~2017年2月には重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする「空母機動部隊」の指揮官として地中海遠征を行ない、シリア空爆作戦の指揮を取りました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2020年1月~2022年8月初頭までN.G.クズネツォフ記念海軍大学校校長を務めました。

2022年8月10日付でイーゴリ・オシポフ大将に代わり黒海艦隊司令官代行に任命されました。
[ヴィクトール・ソコロフ中将はロシア海軍黒海艦隊司令官代行に任命された]

2022年9月には正式に黒海艦隊司令官に任命され、10月7日にはセヴァストーポリの艦隊司令部で司令官旗の授与式典が開催されました。
[ヴィクトール・ソコロフ中将は正式にロシア海軍黒海艦隊司令官に就任した]

2023年6月6日付で大将に昇進しました。


ソコロフ提督以外にも、同日付でロシア海軍副総司令官(2019年12月13日から)ウラジーミル・リヴォヴィチ・カサトノフ中将(1962年6月17日生まれ)も大将に昇進しました。
23-0607a.jpg
スポンサーサイト



ロシア海軍太平洋艦隊のコルベットはインドネシアの国際海軍演習『コモド-2023』へ参加する


『タス通信』より
2023年6月6日11時15分配信
【ロシア海軍艦船支隊はインドネシアで国際演習『コモド-2023』へ参加する】
モスクワ、6月6日/タス通信

ロシア太平洋艦隊艦船支隊は、インドネシア海域で実施される多国間海軍演習『コモド-2023』へ参加する。
ロシア連邦国防省は発表した。

「コルベット"グロームキー"、"ソヴェルシェーンヌイ"、中型海洋給油船ペチェンガで構成される太平洋艦隊艦船支隊は、6月5日から8日までインドネシア沖で実施される国際多国間演習『コモド-2023』へ参加します。
演習は沿岸部門と海上部門で構成されます」

当局は指摘した。
23-0606b.jpg
23-0606c.jpg
月曜日にロシア艦インドネシアスラウェシ島マカッサル港泊地へ到着し、そこでは演習参加艦の海上パレードが開催された事が明らかにされた。
30ヶ国以上からの船員は、インドネシア大統領ジョコ・ウィドドに出迎えられた。

国防省は、軍事演習の目的は海上でのパートナーシップの強化である事を説明した。
「合同行動の過程で、人道的任務の遂行及び自然災害や自然大変動時の支援の提供における各国の戦闘艦の乗組員の間の連携の問題に特別な注意を払うことが計画されています」
ロシア連邦国防省
は付け加えた。



ロシア太平洋艦隊コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333、2017年7月20日就役)と「グロームキー」(335、2018年12月25日就役)は、2023年5月10日にピョートル大帝湾艦載ヘリコプターKa-27の着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」はピョートル大帝湾でヘリコプターの着艦訓練を実施した]

その後、中型海洋給油船「ペチェンガ」と共に日本海を南下し、5月12日に対馬海峡を通過して東シナ海へ入り、5月14日には与那国島西表島の間の海域を通過しました。
23-0517h.jpg
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」はアジア・太平洋地域への遠距離航海へ出発した]

その後、南シナ海へ移動し、5月16日には戦闘演習を行ないました。
23-0517i.jpg
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」は南シナ海で戦闘演習を実施した]

「グロームキー」は5月下旬にシンガポール海峡を通過し、5月24日にマラッカ海峡へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」はマラッカ海峡へ入った]

「グロームキー」インド洋新造砕氷船「エヴパチー・コロヴラト」と合流し、同船をエスコートしてマラッカ海峡シンガポール海峡を通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」はマラッカ海峡とシンガポール海峡を通過する新造砕氷船エヴパチー・コロヴラトをエスコートした]

その後、「ソヴェルシェーンヌイ」及び「ペチェンガ」と合流してジャワ海へ入り、6月2日には消火(ダメージコントロール)訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」はジャワ海で消火訓練を実施した]

6月5日、国際海軍演習『コモド-2023』へ参加する為、インドネシアマカッサル港へ到着しました。



6月5日~8日にインドネシア沖で実施される国際演習『コモド-2023』には、主催国インドネシアを始め、ロシア、中国、アメリカ、イギリス、日本、韓国など36ヶ国が参加します。

大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはロシア海軍太平洋艦隊の大規模演習へ参加する

『ズヴェズダーテレビ』より
2023年6月6日0時0分配信
【太平洋艦隊船員は10キロメートル離れた敵の捕捉が可能な複合体の動作を示した】

太平洋艦隊の軍人は海上演習の準備を始めた。砲兵は戦闘複合体の状態を確認し、偵察兵は極限に近い条件下での仮想砲火へ対処した。


ウラジオストク金角湾太平洋艦隊の主要基地の係留岸壁は空いている。
そしてこれは、戦闘艦支隊が次の遠洋航海へ出発する事を意味している。

太平洋艦隊の艦はグループ全体の一員として大規模海上演習へと向かう。
今年の開催ゾーンは広大である~それはアジア太平洋地域全体である。

艦がウラジオストクの狭い海域に居る間、航海士の肩には大きな責任が掛かっている。
彼らは航行期間中、民間船、コンテナ船、小型艇が居る中で最適な移動コースを計画しなければならない~この作業はよく知られているが、常に最も意味あるものである。

大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」の砲手も又、海上演習実施海域への移動中でさえ、手を休める事は無い。
彼らは毎日兵器及び機器設備の状態を点検し、戦闘演習中の必要な時点で単一機構が故障しないように心掛けている。

「複合体の全ての動作性能を点検しております。
全てのメカニズムは戦闘ですぐに使用できるように準備しております。
ここでは全てが重要です。
1つのメカニズムが機能しなければ、砲塔も戦闘準備が整いません。
射撃が出来ませんから。
油圧装置が無ければ、十分な圧力を得られません」

砲塔長ゲオルギー・ガビドゥリンは話した。

砲手がAK-100砲塔の状態を点検している間、偵察兵は防寒着を着用している。
艦上でのダメージコントロールの技量は、自動的になるまで洗練されなければならない。

筋書きの下、区画の1つで仮想火災が発生した。
偵察チームの任務は、煙と火災の発生源を迅速に特定する事である。

条件は可能な限り極限状態に近付けられる。
部屋には電気が供給されず、視界は殆どゼロになる為、偵察兵の作業は複雑になる。
携帯照明を使用して火災源を探さなければならない。

艦の乗組員の演習準備の詳細は、『ズヴェズダー』特派員マキシム・ニズコドゥボフのレポートを参照されたい。


これに先立ち、太平洋艦隊の艦は日本海オホーツク海で演習を開始した。
演習は、2023年6月5日から20日まで続く。



ロシア太平洋艦隊は、6月5日から大規模演習を開始しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2023年6月5日~20日まで日本海とオホーツク海で大規模演習を実施する]

大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」も演習へ参加します。

ロシア海軍バルト艦隊は2023年6月5日~15日までバルト海で大規模演習を実施する

23-0605aa.jpg
『インテルファクス軍事ニュース出張所』より
2023年6月5日10時7分配信
【ロシア連邦バルト艦隊は約40隻の艦船、25機の航空機とヘリコプターが参加する演習を開始した】
モスクワ、6月5日、インテルファクス

約40隻の艦船、25機の航空機ヘリコプター、3500名以上の軍人は、6月5日から15日までカリーニングラード州で演習を実施する。
艦隊広報サービスは月曜日に発表した。

「演習の枠組みで、バルト艦隊の戦術艦グループは駐留所から出航し、バルト海の指定海域で演習任務を遂行する為、艦隊の艦グループの展開を行ないました」
声明では、こう述べられた。

軍によると、演習には40隻の水上艦艇、支援船、3500名以上の軍人、25機の航空機ヘリコプター、500両の軍用及び特殊車両が関わる。

「演習の枠組みで、海上交通線と艦隊駐留所の保護及び防衛の任務へ取り組みます」
広報サービスは伝えた。

バルト艦隊によると、演習の目的は、艦隊の軍事統制組織の即応性の水準の向上、「連携、艦の乗組員の海上技量、艦隊の沿岸部隊の要員の実地技量の改善、そして更に部隊を指揮する司令官と参謀の実地訓練」に在る。

「演習開始までに、バルト艦隊は全ての種類の支援の為の一連の特別演習を実施し、そして更にバルト艦隊の軍部隊の戦闘準備段階を高める問題へ取り組みました」
バルト艦隊
は伝えた。

広報サービスによると、2023年の計画に沿って、6月5日から15日まで、バルト艦隊司令官ウラジーミル・ヴォロビョフ中将の指揮下でバルト海及びカリーニングラード州で作戦演習が始まった。

先だって月曜日に太平洋艦隊は、日本海及びオホーツク海で60隻以上の艦船と11000人以上の軍人が参加する大規模演習の開始を発表した。



記事の最後で触れられていますが、ロシア太平洋艦隊も6月5日から大規模演習を開始しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2023年6月5日~20日まで日本海とオホーツク海で大規模演習を実施する]

ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭潜水艦ウファは2023年秋に極東へ回航される

『イズベスチヤ』より
2023年6月5日0時1分配信
【太平洋の為の静音:太平洋艦隊へ新たな無騒音潜水艦「ウファ」が増強される】

潜水艦は北方海上航路(北極海航路)を利用してバルト海から太平洋へ移動できる
22-1116j.jpg

太平洋艦隊「ブラックホール」が増強される~専門家は、今年秋に太平洋艦隊へ加わるプロジェクト636.3ディーゼル潜水艦「ウファ」をこう呼んでいる。
潜水艦は昨年に海軍へ引き渡されたが、未だバルト海に在る。
現在、潜水艦の恒久駐留場所への移動が計画されている。
特に、北方海上航路(北極海航路)を横断する選択肢が検討されている。
プロジェクト636.3潜水艦は、その超低騒音のお陰により、この綽名が付けられた。
専門家によると、この地域の状況に鑑み、このクラスの艦は太平洋で必要とされている。

[全てを北方海上航路で]
『イズベスチヤ』
軍当局の情報筋が話したように、潜水艦「ウファ」太平洋艦隊への艦隊間移動は既に計画されている。
それは秋に予定されている。
北方海上航路を含め、幾つかのルートの選択肢が検討されている。
航海中、乗組員は艦、そして更に海上航空隊航空機と共に何度かの演習を行なう。

プロジェクト636.3潜水艦は、北方海上航路を含む北極での行動に適合していると認識されている。
この判断は、ロシア北東部におけるこのシリーズの潜水艦の行動を分析した後、昨年の晩秋に下された。
点検は、複合北極探検『ウムカ-2022』の枠組みで行なわれた。
試験には潜水艦「マガダン」が参加した。
それは北方海上航路を通過して太平洋へ入った。
この航海において、艦は北極緯度で戦闘演習任務を遂行した。


「北方艦隊には、強力な分岐支援システムが構築されました」
潜水艦艦長でロシア英雄フセヴォロド・フムイロフ『イズベスチヤ』へ話した。
21-0322e.jpg
「唯一、このような移動の為には、複殻式船体の構造的な強化が必要です。
艦は、艦隊間移動を行なう計画へ十分に対応できます。
これには船員の技量、人員の訓練が必要です。
ですが、これらは全て計画されたものです。
そして、今日の支援システムにおいては、そこに如何なる特殊性も見当たりません」


[艦隊に必要]
太平洋
ディーゼルエレクトリック潜水艦は、オホーツク海原子力水中ロケット艦の戦闘行動海域を護る為を含め使用されている。
軍事専門家ワシーリー・カシン『イズベスチヤ』へ話した。
21-0331r.jpg
「このような潜水艦は、我々のロケット艦にとって脅威となる可能性が有る潜在敵の原子力潜水艦の侵入を阻止する為、クリル諸島の間の海峡を監視する為に使用されています」
彼は説明した。

「これに加え、現在の状況下では、このような潜水艦はミサイル"カリブル"を使用でき、それに応じて、地域の様々な目標へのミサイル攻撃の為に必要なロシアの非核戦略抑止システムとして使用される事も有り得ます。
アジア太平洋地域は、主として中国とアメリカ合衆国といった大国間の対立の場となっている事からも、これは重要です。
従いまして、太平洋艦隊は目に見える更新と言う点において特別な立場に有ります。
それは一定の水準に維持する必要があります」


当初、636シリーズ艦は、ワルシャワ条約機構加盟国への輸出の為に開発された。
1990年代後半以降、中華人民共和国、アルジェリア、ベトナムの為の潜水艦が、同プロジェクト及びその改正型の下で建造された。
その後、ロシア海軍の為、この潜水艦の購入が決定された。
それは、近代化ヴァージョン636.3の下で作成された。
これらの潜水艦は、より優れた航行特性、低減された騒音レベル、自動制御システム、最新の航法複合体の存在により基礎ヴァージョンとは異なる。

プロジェクト636.3潜水艦は、世界で最も静かな潜水艦の1つと考えられており、そのため海軍では「ブラック・ホール」と呼ばれている。
これらの潜水艦は、水上及び水中の目標の破壊、哨戒あるいは偵察の実施といった広範囲の任務を遂行できる。

プロジェクト636.3潜水艦6隻から成る最初のシリーズは2014年~2016年に建造され、これらの艦は全て黒海での勤務の為に向かった。
2016年9月、太平洋艦隊の為の更なる6隻の潜水艦の契約へ署名された。
現在、シリーズの4隻が建造されている。
「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は2019年に艦隊へ引き渡され、2020年には「ヴォルホフ」が引き渡され、2021年には潜水艦「マガダン」海軍へ加わった。
「ウファ」は昨年に海軍へ加入した。
プロジェクト636.3潜水艦の排水量は3900トン以上、全長74メートル、速力20ノット。
それは45日間に渡って海上へ滞在できる。
艦内へ533mm魚雷発射管6門を搭載し、魚雷及び機雷、そして更に有翼ミサイル「カリブル-PL」を使用できる。

[『イズベスチヤ』参照]
長期に渡り新たな艦を受け入れていなかった太平洋艦隊は、近年、大幅に更新されている。
2020年末、プロジェクト20385のトップ艦であり、ミサイル「カリブル」「オーニクス」を使用できるコルベット「グレミャーシチー」が就役した。
同時に、プロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」が加入した。
更に、大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の高度な近代化も完了した。
対艦ミサイル及び有翼ミサイルを搭載し、対空防衛の強化の後、旧対潜艦は専門を変更し、フリゲートへ再分類された。
これに加え、2020年には新たな基地掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」太平洋艦隊へ加わった。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の4番艦(黒海艦隊向けを含めた06363潜水艦全体では通算10番艦)B-588「ウファ」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で2019年11月1日に起工されました。
B588Ufa.jpg
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦マガダンとウファはサンクトペテルブルクで起工された]

2022年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト06363潜水艦ウファはサンクトペテルブルクで進水した]

2022年6月25日に洋上試験の第1段階である工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト06363潜水艦ウファはバルト海で洋上試験を行なっている]
[ロシア海軍バルト艦隊は最新潜水艦ウファとクロンシュタットの洋上試験をサポートする]
[ロシア海軍の最新潜水艦ウファとクロンシュタットはバルト海で潜航試験を行なう]

工場航行試験は9月下旬に終了し、一旦『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
0929-6363.jpg

2022年10月初頭から最終洋上試験となる国家試験を開始し、10月5日には深度190メートルまでの潜航試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト06363潜水艦ウファはバルト海で潜航試験を行なった]

国家試験は10月11日までに完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト06363潜水艦ウファは洋上試験を完了した]

2022年11月16日、『アドミラルティ造船所』「ウファ」への聖アンドレイ旗初掲揚式典(正式なロシア海軍への就役式典)が開催され、太平洋艦隊へ編入されました。
[プロジェクト06363潜水艦ウファはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
22-1116p.jpg
22-1116k.jpg
22-1116q.jpg
22-1116o.jpg

就役後もバルト海で乗組員の慣熟訓練を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭潜水艦ウファはバルト海で乗組員の慣熟訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭潜水艦ウファはバルト海で沈底訓練を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭潜水艦ウファはバルト海で訓練を続けている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭潜水艦ウファはバルト海で潜航訓練を実施した]

この他に、バルト艦隊の艦の各種訓練の相手役も務めています。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ボイキー」と小型対潜艦ウレンゴイはバルト海で太平洋艦隊の潜水艦ウファを相手に対潜戦闘演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の深海救難艇AS-30はバルト海で救助訓練を実施した]

「ウファ」は2023年秋に極東方面(常駐基地となるウラジオストクウリス湾)への移動を開始します。

ただ、その移動ルートが、1番艦・2番艦と同じインド洋経由か、3番艦のような北極海経由になるのかは未だ最終的には決まっていないようです。


ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦は6隻が起工され、4隻が就役しています。

B-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」
Б-274 «Петропавловск-Камчатский»(工場番号01614)
2017年7月28日起工/2019年3月28日進水/2019年11月25日就役

B-603「ヴォルホフ」Б-603 «Волхов»(工場番号01615)
2017年7月28日起工/2019年12月26日進水/2020年10月24日就役

B-602「マガダン」Б-602 «Магадан»(工場番号01616)
2019年11月1日起工/2021年3月26日進水/2021年10月12日就役

B-588「ウファ」Б-588 «Уфа»(工場番号01617)
2019年11月1日起工/2022年3月31日進水/2022年11月16日就役

「モジャイスク」«Можайск»(工場番号01618)
2021年8月23日起工/2023年4月27日進水/2023年末就役予定

「ヤクーツク」«Якутск»(工場番号01619)
2021年8月23日起工/2024年進水予定/2024年就役予定

ロシア海軍太平洋艦隊は2023年6月5日~20日まで日本海とオホーツク海で大規模演習を実施する


『インテルファクス軍事ニュース出張所』より
2023年6月5日5時0分配信
【太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で大規模演習を開始した】
モスクワ、6月5日、インテルファクス

太平洋艦隊の60隻以上の艦船、1万1000人以上の軍人は、6月5日から20日まで日本海及びオホーツク海で実際のミサイル及び砲射撃を伴う演習を行なう。
艦隊広報サービスは月曜日に発表した。

「太平洋艦隊のグループ戦力演習には、60隻以上の戦闘艦と艦隊の支援船、約35機の海上航空隊の飛行装置(航空機・ヘリコプター)、沿岸部隊、1万1000人以上の軍人が関与します」
声明では、こう述べられた。

「現在、艦隊の部隊は指定海域へ展開しており、演習計画の下で任務への実際の取り組みへ着手しています」
艦隊広報サービスは述べた。

太平洋艦隊によると、演習中、軍は仮想敵潜水艦を捜索・追跡し、実際のミサイル及び砲射撃による水上及び空中の目標に対する戦闘訓練演習を行なう。

更に、演習中、戦術艦グループ海上航空隊と連携し「艦船支隊の組織的な対空防衛、そして更に海上での組織的な物資-装備供給の問題へ取り組みます」と伝えられた。

広報サービスによると、太平洋艦隊は2023年の計画に沿って、6月5日から6月20日まで、艦隊司令官ヴィクトール・リーナ大将の指揮下で日本海及びオホーツク海での大規模演習を開始した。



2023年5月末、ロシア太平洋艦隊の主力水上艦がウラジオストクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はアジア太平洋地域で演習を実施する]
これらの艦も今回の演習へ参加するようです。

ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」はジャワ海で消火訓練を実施した

22-0314aa.jpg
22-0314bb.jpg
『インテルファクス極東ニュース』より
2023年6月2日4時38分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はジャワ海でダメージコントロール訓練を実施した】
ウラジオストク、6月2日、インテルファクス-極東

太平洋艦隊艦船支隊は、アジア-太平洋地域への遠距離航海中にジャワ海でダメージコントロール訓練を実施した。
太平洋艦隊広報サービスは発表した。

支隊の構成には、コルベット「グロームキー」、「ソヴェルシェーンヌイ」、中型海洋給油船「ペチェンガ」が含まれる。
ジャワ海へ入る前に艦船は南シナ海を越えた。
23-0602f.jpg
「訓練の筋書きの下、海上においてコルベットの1隻で模擬火災が発生しました。
緊急事態班の要員は火災元を排除し、艦のダメージコントロールの絶えの行動への取り組みへ着手しました」

声明では、こう述べられた。

この時、第2のコルベットの乗組員は「損害を受けた」艦を警備し、危機的状況が解消されるまで空中と水上から艦をカバーした。
給油船「ペチェンガ」の乗組員は消火システムを起動し、火災監視装置を使用して模擬火災を消化した。



ロシア太平洋艦隊コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333、2017年7月20日就役)と「グロームキー」(335、2018年12月25日就役)は、2023年5月10日にピョートル大帝湾艦載ヘリコプターKa-27の着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」はピョートル大帝湾でヘリコプターの着艦訓練を実施した]

その後、中型海洋給油船「ペチェンガ」と共に日本海を南下し、5月12日に対馬海峡を通過して東シナ海へ入り、5月14日には与那国島西表島の間の海域を通過しました。
23-0517h.jpg
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」はアジア・太平洋地域への遠距離航海へ出発した]

その後、南シナ海へ移動し、5月16日には戦闘演習を行ないました。
23-0517i.jpg
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」は南シナ海で戦闘演習を実施した]

「グロームキー」は5月下旬にシンガポール海峡を通過し、5月24日にマラッカ海峡へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」はマラッカ海峡へ入った]

「グロームキー」インド洋新造砕氷船「エヴパチー・コロヴラト」と合流し、同船をエスコートしてマラッカ海峡シンガポール海峡を通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」はマラッカ海峡とシンガポール海峡を通過する新造砕氷船エヴパチー・コロヴラトをエスコートした]

その後、「ソヴェルシェーンヌイ」及び「ペチェンガ」と合流してジャワ海へ入り、6月2日には消火(ダメージコントロール)訓練を行ないました。

退役したロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)はセヴェロドヴィンスクで保管される

23-0602e.jpg
『タス通信』より
2023年6月2日9時35分配信
【情報筋は原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」の不沈性と生存性は保障されていると述べた】
モスクワ、6月2日/タス通信

重原子力水中ロケット巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」の不沈性と生存性は、削減された技術要員により保障されている。
『タス通信』ロシア海軍に近い情報筋より伝えられた。

「巡洋艦は艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』に在ります。
その不沈性と生存性は、艦に乗っている削減された技術要員により保障されています」

彼は話した。

彼によると、巡洋艦では如何なる作業も行なわれておらず、活性領域(炉心)は取り出されていない。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

以前に『タス通信』の情報筋は、「ドミトリー・ドンスコイ」の戦闘勤務の終了は、その原子炉の活性領域(炉心)の劣化により引き起こされたと述べた。

『北方艦隊の日』(6月1日)の木曜日、『ロシースカヤ・ガゼータ』編集部は、世界で最も強力なプロジェクト941原子力潜水艦の戦闘勤務完了へ捧げるドキュメンタリー映画『ドミトリー・ドンスコイ:夢をありがとう』の先行上映会を主催した。

[「ドミトリー・ドンスコイ」について]
「ドミトリー・ドンスコイ」
は、中央海洋工学設計局『ルビーン』が設計し、造船所『セヴマシュ』(現在は『統合造船業営団』へ加入)が建造した6隻の重原子力水中ロケット巡洋艦(TAPRK)シリーズのトップである。

原子力艦は1980年9月29日に進水し、1981年12月29日に海軍へ加入した。
当初、巡洋艦の主要兵装は大陸間弾道ミサイル複合体D-19だった。
2002年に巡洋艦プロジェクト941UMの下での近代化が行なわれ、その後、ミサイル複合体「ブラヴァー」の試験に関わった。
2017年夏、巡洋艦バルト海への艦隊間移動を行ない、主要海軍パレードへ参加した。

海軍の為の合計6隻のプロジェクト941潜水艦が建造された。
全ての艦は、北方艦隊ザーパドナヤ・リツァ(ニェールピチャ湾)に駐留していた。
現在までに、この内の3隻はアメリカ合衆国の資金で解体された。
2隻~「アルハンゲリスク」「セヴェルスターリ」海軍から除籍され、処分を待っている。
23-0602g.jpg



941-5.jpg
16-0621c.jpg
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト941「アクラ」(NATOコード名「タイフーン」)】
プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦(タイフーン級)は、1981年~1989年に6隻が就役しましたが、既に3隻が解体されています。

21-0115b.jpg
プロジェクト941巡洋原子力潜水艦の1番艦TK-208は、セヴェロドヴィンスクセヴマシュ造船所で1976年6月30日に起工されました。
21-0115k.jpg
21-0115l.jpg
21-0115n.jpg
21-0115m.jpg

21-0115r.jpg
1980年9月27日に進水し、1981年6月から8月まで工場航行試験を行ない、1981年11月から12月末まで国家試験を行ないました。
1981年12月27日には、初めて弾道ミサイルR-39の発射に成功しました。

1977年7月25日付でプロジェクト941「重戦略用途ロケット水中巡洋艦」に類別変更されました。

1981年12月29日に受領証書へ署名されてソ連海軍へ納入されましたが、翌1982年10月までは弾道ミサイルR-39(SS-N-20)の発射試験に従事し、総計で18回の発射に成功しました。
R-39.jpg

R-39の戦力化の目途が立った事を受け、1982年12月14日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にソ連海軍へ就役し、北方艦隊第18潜水艦師団へ編入されました。
同年12月21日に母港となるザーパドナヤ・リツァニェールピチャ基地へ到着しました。
21-0115c.jpg

その後は戦闘勤務(戦略核パトロール任務)や弾道ミサイルR-39の発射試験に従事しました。

1988年9月20日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』へ到着し、新型弾道ミサイル「バルク」を搭載するプロジェクト941U改装が行なわれる事になり、翌1989年1月20日には予備役に編入されました。

しかし、1991年12月のソ連邦解体により資金供給は止まり、TK-208の工事はストップしました。

1992年6月3日付で「重戦略用途原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。

その後、弾道ミサイル「バルク」の開発は中止され、新たにモスクワ熱技術研究所が開発する「ブラヴァー」を搭載する事になった為、今度はプロジェクト941UM改装を受ける事になりました。
21-0115g.jpg

2000年10月7日に「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。

2002年6月26日に再進水し、6月30日から係留試験を開始し、翌2003年に洋上試験を行ないました。
21-0115j.jpg

洋上試験は2004年12月初頭に完了し、ロシア海軍へ再就役しました。
21-0115h.jpg

2005年から2010年まで潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験に従事しました。
21-0115i.jpg
2010年10月29日の発射試験を最後に「ブラヴァー」発射試験艦としての任務を解かれました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]

その後は洋上試験を行なう新型潜水艦のサポート(試験のモニタリング)を行なう事になりました。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]
21-0115s.jpg

2013年には新造原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」「セヴェロドヴィンスク」の洋上試験をサポートしました。
[タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする]

2014年にも、新造原子力潜水艦の洋上試験の支援任務の為に何度か出航しています。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは出航した]
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは帰港した]
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイと共に出航した]

2015年6月26日から7月16日まで白海へ出航しました。
[ロシア海軍のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出航した]
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは3週間の航海を終えて帰港した]

2015年9月3日から10日まで、再び白海へ出航しました。
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出た]
[ロシア海軍の重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]


その後、暫く動向が報じられなかった「ドミトリー·ドンスコイ」ですが、2017年5月27日にセヴェロモルスクへ到着しました。
17-0530g.jpg
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動した]

2017年7月中旬、「ドミトリー・ドンスコイ」は、クロンシュタット『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にバルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはバルト海へ向かった]


「ドミトリー・ドンスコイ」「ピョートル・ヴェリキー」は、2017年7月25日にクロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットへ到着する]

2017年7月30日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルククロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
21-0115e.jpg
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の他に、潜水艦「ウラジカフカス」クロンシュタットの観艦式へ参加しました。


「ドミトリー・ドンスコイ」「ピョートル・ヴェリキー」は、主要海軍パレード終了後の翌7月31日にクロンシュタットを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットを去った]

北方艦隊艦船部隊は、8月7日までに北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船は北海へ入った]

その後、北方艦隊艦船部隊バレンツ海で演習を行なった後、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]

「ドミトリー·ドンスコイ」は、暫くの間セヴェロモルスクに留まっていましたが、9月初頭に出航し、9月4日に母港セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ帰港しました。
[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]

2017年9月には北方艦隊の演習へ参加しました。
[タイフーン級戦略原潜ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

2017年12月15日には就役35周年記念式典が開催されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月15日10時4分配信
【世界最大の潜水艦は35周年を迎えた】

2018年~2019年にはオーバーホールを行ない(2018年初頭から6月までロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠)、2019年6月20日から白海で航行試験を行ない、深度200メートルまで潜航しました。
21-0115q.jpg
21-0115p.jpg
21-0115o.jpg

セヴェロドヴィンスクへ帰投する「ドミトリー・ドンスコイ」(2019年7月23日)
2019-0723.jpg

2021年6月20日、白海セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)に駐留する小型対潜艦の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海で対潜戦闘訓練へ参加した]

7月15日にも白海海軍基地小型対潜艦2隻の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海で小型対潜艦の訓練の敵役を務めた]


2021年8月23日に起工されたプロジェクト955A(ボレイ-A)戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の内の1隻は、「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]

これに伴い、今の「ドミトリー・ドンスコイ」は、「名無し」のTK-208として現役に留まる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は2020年代半ばまで現役に留まる]
(2022年7月下旬に一部メディアで同艦が退役すると報じられたが、8月中旬にロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ提督が否定した)

TK-208は2022年6月末~7月初頭頃に出航し、約1ヶ月間の海上行動を終えて7月26日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ帰投しました。
TK-208は、新造潜水艦2隻~「クラスノヤルスク」「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」白海での洋上試験の支援任務に就いていたようです。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は約1ヶ月間の洋上行動を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

8月1日、TK-208白海海軍基地から出航しました。
目的は「戦闘演習任務」としか言われていませんが、おそらくは新造原子力潜水艦の洋上試験の支援でしょう。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海へ出航した]

9月中旬も「クラスノヤルスク」「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」バレンツ海で洋上試験を続けており、TK-208アメリカ原子力潜水艦がこの2隻に近付かないように監視していたようです。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)はバレンツ海で新造原子力潜水艦クラスノヤルスクとゲネラリーシムス・スヴォーロフの洋上試験の支援任務に就いている]

ロシア連邦軍の新年度は12月1日から始まりますが、その2022年12月上旬、『全ロシア海軍支援運動』会長ウラジーミル・マリツェフ氏は、TK-208は乗組員を削減し、退役を準備していると述べました。

2022年12月14日には就役40周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は就役40周年を迎えた]

TK-208は2023年2月初頭にロシア海軍の戦闘編制から除外され、退役しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は退役した]

その直接の原因は、原子炉炉心、つまり核燃料の寿命が尽きて交換時期に差し掛かったが、その交換はコスト的に割に合わないと判断された事でした。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は原子炉の炉心の寿命の為に退役した]

退役後、TK-208セヴェロドヴィンスク艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』で保管され、残された保守要員が艦を維持します。


この10年間ほどTK-208は、新造原子力潜水艦の洋上試験の各種支援任務に従事していましたが、その任務は北方艦隊プロジェクト671RTMK原子力潜水艦(「オブニンスク」「タンボフ」が現役)へ引き継がれます。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦タンボフは近代化改装後の洋上試験を開始した]


ただし、TK-208の処分・解体の時期は未だ決まっていません。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)の処分・解体の時期は決まっていない]
解体される場合、『ロスアトム』社が公開入札を行ない、それを落札した企業と契約を締結し、実行に移される事になりますが、そのような具体的な動きは今の所全く有りません。

ロシア海軍のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイは船体の形成を進めている

23-0602c.jpg
『タス通信』より
2023年6月2日1時22分配信
【プロジェクト955A原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」はもうすぐ進水する】
モスクワ、6月1日/タス通信

近代化プロジェクト955A「ボレイ-A」戦略原子力水中ロケット巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」の建造は計画通りに進んでおり、艦はもうすぐ進水する。
重原子力水中ロケット巡洋艦TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」艦長オレグ・ツィビン1等海佐は述べた。
23-0602d.jpg

「計画によると、巡洋艦はもうすぐ進水し、試験が始まります。
我々の艦はその役目を果たしましたが、ドミトリー・ドンスコイという輝かしい名前は残ります。
誇り高いドミトリー・ドンスコイの名の下で艦は海上へ出て海軍旗を掲げます」

木曜日に『ロシースカヤ・ガゼータ』メディアセンターで行われたドキュメンタリー映画『ドミトリー・ドンスコイ、夢をありがとう』の先行上映会でツィビンは話した。

次に、『セヴマシュ』社の軍事造船管理部副部長エフゲニー・スロボディアンも、プロジェクト955A「ボレイ-A」原子力艦「ドミトリー・ドンスコイ」の建造はスケジュール通りに進んでいる事を指摘した。
「今日においては良い状況であり、ドミトリー・ドンスコイは新たな姿で船台に在ります。
既に主船体は形成されており、大型設備はほぼ準備が整っております。
近い将来には御引き渡しし、我々の祖国を護ります。
これは良い事であり、この艦の名前は、我々と共に永遠に残るでしょう」
スロボディアン
は話した。

近代化プロジェクト955A「ボレイ-A」原子力巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」は、2021年8月23日に『セヴマシュ』社で起工された。
その建造契約は2020年に署名された。
北方艦隊で勤務する事になる巡洋艦の引き渡しは、2026年末に予定されている。



プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、計10隻が起工され、この内の5隻が就役しています。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。

[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ユーリー・ドルゴルーキーは就役10周年を迎えた]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦アレクサンドル・ネフスキーは長期洋上任務を終えてヴィリュチンスクへ帰投した]

3番艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフは長期航海を終えてカムチャツカ半島の基地へ帰投した]


4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2017年11月17日に進水、2020年6月12日に就役し、、北方艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ到着した]

5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工され、2020年7月17日に進水、2021年12月21日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはカムチャツカ半島の原潜基地ヴィリュチンスクへ到着した]

6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工され、2022年1月11日に進水し、2022年12月29日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフはカムチャツカ半島への移動準備を進めている]

7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工され、2022年12月29日に進水しました。
[最新戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は2023年6月に洋上試験を開始し、同年末にロシア海軍へ就役する]
就役は2023年に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2024年に予定されており、北方艦隊へ配備されます。

955「ボレイ」955A「ボレイ-A」は、セイルや艦尾の形状が異なっています。
(上が「ボレイ」、下が「ボレイ-A」)
955-955A.jpg


当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了する筈でしたが、その後に追加建造が決まり、「ボレイ-A」2隻の建造契約が2020年8月にモスクワ州愛国者公園で開催される軍事機器展示会『アルミヤ-2020』の会場で締結されました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の建造契約は2020年8月に締結される]

9番艦「ドミトリー・ドンスコイ」と10番艦「クニャージ・ポチョムキン」は2021年8月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]

9番艦の艦名は、プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(2023年2月に退役)から引き継がれました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は原子炉の炉心の寿命の為に退役した]

「ドミトリー・ドンスコイ」は2026年、「クニャージ・ポチョムキン」は2027年の就役が予定されています。

ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は原子炉の炉心の寿命の為に退役した

23-0602a.jpg
『タス通信』より
2023年6月1日21時42分配信
【情報筋は巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」の戦闘勤務の終了について説明した】
モスクワ、6月1日/タス通信

重原子力水中ロケット巡洋艦(TAPRK)「ドミトリー・ドンスコイ」の戦闘勤務の終了は、その原子炉の活性領域(炉心)の劣化により引き起こされた。
『タス通信』は木曜日にロシア海軍に近い情報筋より伝えられた。

「ドミトリー・ドンスコイは、原子炉の活性領域の劣化に関連して、これ以上戦闘勤務へ就く事が出来なくなりました」
対談者は話した。

彼によると、劣化した活性領域を新しいものと交換する事は「作業コストが非常に高額となるが故に、不適当であると認識されました」
これに加え、北方艦隊における巡洋艦の40年間の勤務も考慮された。

情報筋は、近年に「ドミトリー・ドンスコイ」が新たな「ボレイ」、「ボレイ-A」、「ヤーセン」、「ヤーセン-M」級原子力潜水艦の試験を支援していた事を想い起こした。
「今後、この機能はプロジェクト671RTM原子力潜水艦が遂行します」
彼は付け加えた。
23-0602b.jpg

『北方艦隊の日』(6月1日)の木曜日、『ロシースカヤ・ガゼータ』編集部は、世界で最も強力なプロジェクト941原子力潜水艦の戦闘勤務完了へ捧げるドキュメンタリー映画『ドミトリー・ドンスコイ:夢をありがとう』の先行上映会を主催した。

[「ドミトリー・ドンスコイ」について]
「ドミトリー・ドンスコイ」
は、中央海洋工学設計局『ルビーン』が設計し、造船所『セヴマシュ』(現在は『統合造船業営団』へ加入)が建造した6隻の重原子力水中ロケット巡洋艦(TAPRK)シリーズのトップである。

原子力艦は1980年9月29日に進水し、1981年12月29日に海軍へ加入した。
当初、巡洋艦の主要兵装は大陸間弾道ミサイル複合体D-19だった。
2002年に巡洋艦プロジェクト941UMの下での近代化が行なわれ、その後、ミサイル複合体「ブラヴァー」の試験に関わった。
2017年夏、巡洋艦バルト海への艦隊間移動を行ない、主要海軍パレードへ参加した。

海軍の為の合計6隻のプロジェクト941潜水艦が建造された。
全ての艦は、北方艦隊ザーパドナヤ・リツァ(ニェールピチャ湾)に駐留していた。
現在までに、この内の3隻はアメリカ合衆国の資金で解体された。
2隻~「アルハンゲリスク」「セヴェルスターリ」海軍から除籍され、処分を待っている。
23-0602g.jpg



941-5.jpg
16-0621c.jpg
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト941「アクラ」(NATOコード名「タイフーン」)】
プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦(タイフーン級)は、1981年~1989年に6隻が就役しましたが、既に3隻が解体されています。

21-0115b.jpg
プロジェクト941巡洋原子力潜水艦の1番艦TK-208は、セヴェロドヴィンスクセヴマシュ造船所で1976年6月30日に起工されました。
21-0115k.jpg
21-0115l.jpg
21-0115n.jpg
21-0115m.jpg

21-0115r.jpg
1980年9月27日に進水し、1981年6月から8月まで工場航行試験を行ない、1981年11月から12月末まで国家試験を行ないました。
1981年12月27日には、初めて弾道ミサイルR-39の発射に成功しました。

1977年7月25日付でプロジェクト941「重戦略用途ロケット水中巡洋艦」に類別変更されました。

1981年12月29日に受領証書へ署名されてソ連海軍へ納入されましたが、翌1982年10月までは弾道ミサイルR-39(SS-N-20)の発射試験に従事し、総計で18回の発射に成功しました。
R-39.jpg

R-39の戦力化の目途が立った事を受け、1982年12月14日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にソ連海軍へ就役し、北方艦隊第18潜水艦師団へ編入されました。
同年12月21日に母港となるザーパドナヤ・リツァニェールピチャ基地へ到着しました。
21-0115c.jpg

その後は戦闘勤務(戦略核パトロール任務)や弾道ミサイルR-39の発射試験に従事しました。

1988年9月20日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』へ到着し、新型弾道ミサイル「バルク」を搭載するプロジェクト941U改装が行なわれる事になり、翌1989年1月20日には予備役に編入されました。

しかし、1991年12月のソ連邦解体により資金供給は止まり、TK-208の工事はストップしました。

1992年6月3日付で「重戦略用途原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。

その後、弾道ミサイル「バルク」の開発は中止され、新たにモスクワ熱技術研究所が開発する「ブラヴァー」を搭載する事になった為、今度はプロジェクト941UM改装を受ける事になりました。
21-0115g.jpg

2000年10月7日に「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。

2002年6月26日に再進水し、6月30日から係留試験を開始し、翌2003年に洋上試験を行ないました。
21-0115j.jpg

洋上試験は2004年12月初頭に完了し、ロシア海軍へ再就役しました。
21-0115h.jpg

2005年から2010年まで潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験に従事しました。
21-0115i.jpg
2010年10月29日の発射試験を最後に「ブラヴァー」発射試験艦としての任務を解かれました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]

その後は洋上試験を行なう新型潜水艦のサポート(試験のモニタリング)を行なう事になりました。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]
21-0115s.jpg

2013年には新造原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」「セヴェロドヴィンスク」の洋上試験をサポートしました。
[タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする]

2014年にも、新造原子力潜水艦の洋上試験の支援任務の為に何度か出航しています。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは出航した]
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは帰港した]
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイと共に出航した]

2015年6月26日から7月16日まで白海へ出航しました。
[ロシア海軍のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出航した]
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは3週間の航海を終えて帰港した]

2015年9月3日から10日まで、再び白海へ出航しました。
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出た]
[ロシア海軍の重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]


その後、暫く動向が報じられなかった「ドミトリー·ドンスコイ」ですが、2017年5月27日にセヴェロモルスクへ到着しました。
17-0530g.jpg
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動した]

2017年7月中旬、「ドミトリー・ドンスコイ」は、クロンシュタット『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にバルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはバルト海へ向かった]


「ドミトリー・ドンスコイ」「ピョートル・ヴェリキー」は、2017年7月25日にクロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットへ到着する]

2017年7月30日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルククロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
21-0115e.jpg
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の他に、潜水艦「ウラジカフカス」クロンシュタットの観艦式へ参加しました。


「ドミトリー・ドンスコイ」「ピョートル・ヴェリキー」は、主要海軍パレード終了後の翌7月31日にクロンシュタットを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットを去った]

北方艦隊艦船部隊は、8月7日までに北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船は北海へ入った]

その後、北方艦隊艦船部隊バレンツ海で演習を行なった後、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]

「ドミトリー·ドンスコイ」は、暫くの間セヴェロモルスクに留まっていましたが、9月初頭に出航し、9月4日に母港セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ帰港しました。
[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]

2017年9月には北方艦隊の演習へ参加しました。
[タイフーン級戦略原潜ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

2017年12月15日には就役35周年記念式典が開催されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月15日10時4分配信
【世界最大の潜水艦は35周年を迎えた】

2018年~2019年にはオーバーホールを行ない(2018年初頭から6月までロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠)、2019年6月20日から白海で航行試験を行ない、深度200メートルまで潜航しました。
21-0115q.jpg
21-0115p.jpg
21-0115o.jpg

セヴェロドヴィンスクへ帰投する「ドミトリー・ドンスコイ」(2019年7月23日)
2019-0723.jpg

2021年6月20日、白海セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)に駐留する小型対潜艦の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海で対潜戦闘訓練へ参加した]

7月15日にも白海海軍基地小型対潜艦2隻の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海で小型対潜艦の訓練の敵役を務めた]


2021年8月23日に起工されたプロジェクト955A(ボレイ-A)戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の内の1隻は、「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]

これに伴い、今の「ドミトリー・ドンスコイ」は、「名無し」のTK-208として現役に留まる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は2020年代半ばまで現役に留まる]
(2022年7月下旬に一部メディアで同艦が退役すると報じられたが、8月中旬にロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ提督が否定した)

TK-208は2022年6月末~7月初頭頃に出航し、約1ヶ月間の海上行動を終えて7月26日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ帰投しました。
TK-208は、新造潜水艦2隻~「クラスノヤルスク」「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」白海での洋上試験の支援任務に就いていたようです。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は約1ヶ月間の洋上行動を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

8月1日、TK-208白海海軍基地から出航しました。
目的は「戦闘演習任務」としか言われていませんが、おそらくは新造原子力潜水艦の洋上試験の支援でしょう。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海へ出航した]

9月中旬も「クラスノヤルスク」「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」バレンツ海で洋上試験を続けており、TK-208アメリカ原子力潜水艦がこの2隻に近付かないように監視していたようです。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)はバレンツ海で新造原子力潜水艦クラスノヤルスクとゲネラリーシムス・スヴォーロフの洋上試験の支援任務に就いている]

ロシア連邦軍の新年度は12月1日から始まりますが、その2022年12月上旬、『全ロシア海軍支援運動』会長ウラジーミル・マリツェフ氏は、TK-208は乗組員を削減し、退役を準備していると述べました。

2022年12月14日には就役40周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は就役40周年を迎えた]

TK-208は2023年2月初頭にロシア海軍の戦闘編制から除外され、退役しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は退役した]

その直接の原因は、原子炉炉心、つまり核燃料の寿命が尽きて交換時期に差し掛かったが、その交換はコスト的に割に合わないと判断された事でした。


この10年間ほどTK-208は、新造原子力潜水艦の洋上試験の各種支援任務に従事していましたが、その任務は北方艦隊プロジェクト671RTMK原子力潜水艦(「オブニンスク」「タンボフ」が現役)へ引き継がれます。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦タンボフは近代化改装後の洋上試験を開始した]


ただし、TK-208の処分・解体の時期は未だ決まっていません。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)の処分・解体の時期は決まっていない]
解体される場合、『ロスアトム』社が公開入札を行ない、それを落札した企業と契約を締結し、実行に移される事になりますが、そのような具体的な動きは今の所全く有りません。