ボスポラス海峡北方海域でウクライナ軍の小型無人艇の攻撃を撃退したロシア海軍黒海艦隊の中型偵察艦イワン・フルスの乗組員は勲章を授与された
『タス通信』より
2023年5月27日17時49分配信
【軍艦「イワン・フルス」乗組員の軍人は軍表彰を授与された】
モスクワ、5月27日/タス通信
ボスポラス海域で無人水上装置の攻撃を撃退した「イワン・フルス」の乗組員の軍人は、軍表彰を授与された。
ロシア国防省は土曜日に報道機関へ伝えた。
「偵察艦イワン・クルスへのテロ攻撃へ参加した無人艇を破壊した黒海艦隊の軍人は、軍事国家勲表彰を授与されました」
軍当局の声明では、こう述べられた。

ロシア国防省が説明したように、高速目標が艦への攻撃を試みた時、任務遂行海域の水上状況を監視する当直には、砲術チーム長エフゲニー・シチェルバ准尉、マキシム・パネージン化学軍曹、ダニール・ネステロフ放射線測定上等兵、ワレンチン・ネイマン上級信号上等水兵が就いていた。
彼らは、ロシア連邦の艦へ接近する目標を適時に発見した。
「艦長イーゴリ・タラン3等海佐の命令により、ウクライナ軍の無人艇は安全距離で標準兵装からの射撃により破壊されました。
軍務の遂行で示された勇気と勇敢さに対して、軍人には『海軍功労勲章』と『ウシャコーフ勲章』が授与されました」
当局は話した。
5月24日、ボスポラス海峡の北東140キロメートルで「イワン・フルス」はウクライナの3隻の無人高速艇に攻撃され、艦の標準兵装~14.5mm機関銃塔からの射撃により破壊した。
プロジェクト18280中型偵察艦の2番艦「イワン・フルス」は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]
起工から3年半後の2017年5月16日に進水しました。
[ロシア海軍の為の新世代偵察艦イワン・フルスはサンクトペテルブルクで進水した]
「イワン・フルス」は2017年5月末から造船所の岸壁で係留試験を開始し、2018年2月7日に工場航行試験へと出発しました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは洋上試験を開始した]
それから2ヶ月以上経った4月20日の時点で、工場航行試験は80パーセントが完了していました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスはバルト海で洋上試験を行なっている]
「イワン・フルス」は4月27日までにサンクトペテルブルクの『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは工場航行試験を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]
その後、5月中旬から最終試験となる国家受領試験が始まり、6月18日までに完了しました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは全ての試験を完了した]
そして6月25日、「イワン・フルス」は、『北方造船所』で正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト18280偵察艦の2番艦イワン・フルスはロシア海軍へ就役した]
「イワン・フルス」は、2017年4月27日にトルコ沖で民間船と衝突して沈没した偵察艦「リマン」の代わりとして、黒海艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦リマンはイスタンブール沖で民間船と衝突し沈没した]
「イワン・フルス」は就役後も暫くはバルト海に留まっていましたが、2018年12月末に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ回航されました。

2019年初頭からは、黒海へ進入するアメリカ海軍の軍艦の監視任務に就きました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスと哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海へ進入したNATOのフリゲートを監視する]
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォと偵察艦イワン・フルスは黒海へ進入したアメリカ海軍のミサイル駆逐艦ドナルド・クックを監視する]
その後も黒海でのみ活動していた「イワン・フルス」でしたが、2019年11月28日にセヴァストーポリを出航し、11月30日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭偵察艦イワン・フルスは地中海へ入った]
その後、「イワン・フルス」はスエズ運河を通過して紅海へ入り、アラビア海へ進出しました。
2020年1月9日、アラビア海で行動中の「イワン・フルス」は、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦「ファラガット」と異常接近しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスはアラビア海でアメリカ海軍駆逐艦と異常接近した]
その後もインド洋や地中海でアメリカやNATOの軍艦を監視していたようですが、4月21日には黒海へ入り、4月30日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスはセヴァストーポリへ帰投した]
2020年7月26日の『ロシア海軍の日』にはセヴァストーポリの観艦式へ参加しました。

その後の動向は明らかにされていませんが、度々黒海へ出航していたようです。
おそらくは、黒海で行動するNATO軍の艦艇を監視していたのでしょう。
2020年10月19日

2020年11月16日

2020年11月19日

2021年1月初頭から浮きドックへ入渠し、2月下旬までに出渠しました。


2021年3月30日、ボスポラス海峡を南下し、その後にダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。

[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスは地中海へ向かった]
2021年4月10日には紅海沿岸のポートスーダンへ寄港しました。

【『Asian OSINT』の2021年4月11日のツイート】
2021年8月30日にボスポラス海峡を北上し、その後セヴァストーポリへ帰投しました。

以後は黒海で行動しています。

2023年5月24日、ボスポラス海峡の北東140キロメートルの海域で行動していた「イワン・フルス」は、ウクライナ軍の3隻の小型無人艇の攻撃を受けましたが、撃退に成功しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の中型偵察艦イワン・フルスはボスポラス海峡北方海域でウクライナ軍の小型無人艇の攻撃を撃退した]
しかしウクライナ側は、「イワン・フルス」は小型無人艇の攻撃により大破し、修理には少なくとも6ヶ月掛かり、浸水の危険が有るなどというフェイクニュースを流布しました。
『クリミアニュース』より
2023年5月26日12時55分配信
【フェイク:ロシアの偵察艦イワン・フルスは無人機による攻撃の後に深刻な損傷を受けた】
しかも、2000年10月のアメリカ駆逐艦襲撃事件の際に損傷した「コール」の写真を、「ウクライナ軍の無人艇の攻撃で損傷したロシアの偵察艦イワン・フルス」などと偽って拡散させるという悪質さです。

5月26日午前、「イワン・フルス」はセヴァストーポリへ無事帰投しました。
当然ながら船体には損傷は全く無く、ウクライナ側のフェイクニュースがバレただけという結末に終わりました。
[ボスポラス海峡北方海域でウクライナ軍の小型無人艇の攻撃を撃退したロシア海軍黒海艦隊の中型偵察艦イワン・フルスはセヴァストーポリへ帰投した]
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