空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月~2008年2月)
2008年1月11日のロシア空母「アドミラル・クズネツォフ」
遠征に参加した将兵達は、勲章を授与された

2008年4月30日、先の北東大西洋・地中海遠征に参加したロシア海軍艦艇打撃グループの将兵に対し、勲章が授与されました。
ロシア連邦国防省公式サイトより。
【北方艦隊の最良の将兵達に、国から勲章と報酬が与えられる】
国家の防衛力および軍の警戒態勢の維持と増強の為に貢献した北方艦隊の将兵は、ロシア大統領令により、ロシア連邦から勲章と報酬を与えられた。
北方艦隊司令官ニコライ・マクシーモフ海軍中将は、「第4等"軍における祖国への奉仕に対する"勲章」を授与された。
艦上戦闘機航空連隊司令イーゴリィ・マトコフスキー大佐には、「ロシア連邦英雄」の称号が与えられた。
胸の「金星」勲章は、2008年4月29日、クレムリンのエカチェリーナ・ホールにおいて、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの手で留められた。
「勇敢さに対する勲章」は、パイロットのユーリー・デニソフ中佐、ボリス・カリムツスキー、ウラジーミル・コクーリン、ユーリー・レベデフ、セルゲイ・ペチェネフ、セルゲイ・サウシュキン、アレクサンドル・スレサレフ、アンドレイ・チュルーシンに授与された。
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」艦長ウラチェスラフ・ロジオノフ1等海佐は、「海上における功績に対する勲章」を授与され、副長イーゴリィ・ニキーチン2等海佐、および北方艦隊の他の将校数名は、「軍隊における功績に対する勲章」を授与された。
セルゲイ・ザコリチノフ大佐、セルゲイ・ネフロトフ大佐、ウリャチェスラフ・トロヤン1等海佐、セルゲイ・テフヤシェフ1等海佐、ウラジーミル・プレスカチェ軍医中佐、パーヴェル・クズネツォフ2等海佐は、名誉勲章を授与され、オレグ・プラソフ2等海佐は、友愛勲章を授与された。
14人の水兵は「第1等"祖国への奉仕に対する"勲章」及び「第2等"祖国への奉仕に対する"勲章」を授与され、5名の将校はウシャコフ勲章を、1名はネステロフ勲章を授与された。
ロシア連邦国防省公式サイト・2008年4月30日
上記の「艦上戦闘機航空連隊」は、Su-33艦上戦闘機を擁する
「ソヴィエト連邦英雄2回受賞ボリス・サフォーノフ名称記念・第279艦上戦闘機航空連隊」を指しております。
連隊司令の他に、8名のパイロットの名前が挙げられていますが、彼らは、Su-33乗りでしょう。
誤解
2008年1月18日17時28分に撮影されたアメリカ海軍イージス巡洋艦CG-56サン・ジャシントと
ロシア海軍艦艇打撃グループの駆逐艦アドミラル・チャバネンコ

「ロシア空母部隊は補給を受けた(1月23日)」
にあるように、ロシア海軍は、
「地中海のトゥーロンから出港した後、大西洋の訓練海域に到達するまで、ロシア艦艇部隊は、20~50kmの間隔を維持しながら米国海軍巡洋艦「サン・ジャシント」に追尾された。」
と発表しました。
しかし、『世界の艦船』2008年4月号では、アメリカ海軍からの情報として、アドミラル・チャバネンコとサン・ジャシントが「共同訓練」をしたなどと書かれています。
確かに、上の写真は、一見すれば、アドミラル・チャバネンコとサン・ジャシントが「共同訓練」をしたようにも見えるでしょうし、この写真の出所は、アメリカ海軍です。
しかし、本当に「共同訓練」をしたのなら、ロシア側は、そう発表しますよ。
「追尾された」などとは言わないでしょう。
ロシア海軍艦艇打撃グループの駆逐艦アドミラル・チャバネンコ

「ロシア空母部隊は補給を受けた(1月23日)」
にあるように、ロシア海軍は、
「地中海のトゥーロンから出港した後、大西洋の訓練海域に到達するまで、ロシア艦艇部隊は、20~50kmの間隔を維持しながら米国海軍巡洋艦「サン・ジャシント」に追尾された。」
と発表しました。
しかし、『世界の艦船』2008年4月号では、アメリカ海軍からの情報として、アドミラル・チャバネンコとサン・ジャシントが「共同訓練」をしたなどと書かれています。
確かに、上の写真は、一見すれば、アドミラル・チャバネンコとサン・ジャシントが「共同訓練」をしたようにも見えるでしょうし、この写真の出所は、アメリカ海軍です。
しかし、本当に「共同訓練」をしたのなら、ロシア側は、そう発表しますよ。
「追尾された」などとは言わないでしょう。
地中海のロシア空母部隊(2008年1月)
地中海と大西洋の空母クズネツォフ
セヴェロモルスクに帰港したロシア海軍空母部隊
ロシア連邦国防省公式サイトより。
2ヶ月に及ぶ北東大西洋・地中海遠征を終えてセヴェロモルスクに帰ってきたロシア海軍北方艦隊の空母部隊
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」

帰港した空母部隊将兵を出迎えるロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー


帰港した空母部隊将兵






空母部隊将兵の家族


クズネツォフ艦上のSu-33






大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」「アドミラル・レフチェンコ」
2ヶ月に及ぶ北東大西洋・地中海遠征を終えてセヴェロモルスクに帰ってきたロシア海軍北方艦隊の空母部隊
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」

帰港した空母部隊将兵を出迎えるロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー


帰港した空母部隊将兵






空母部隊将兵の家族


クズネツォフ艦上のSu-33






大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」「アドミラル・レフチェンコ」

大西洋のクズネツォフ(2008年1月下旬)
ロシア海軍総司令官は、空母部隊将兵を表彰した

ロシア連邦国防省公式サイトより
【北方艦隊の艦艇打撃グループは、大西洋および地中海への航海を成功裏に完了した】
2008年2月3日、北方艦隊の主要基地セヴェロモルスクで、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー海軍大将は、大西洋および地中海への遠征の任務を成功裏に達成した北方艦隊の艦艇打撃グループ(KUG)艦船を出迎えた。
海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー海軍大将の将旗を掲げた送迎艇は、艦艇打撃部隊の大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」「アドミラル・チャバネンコ」、支援艦「セルゲイ・オシポフ」「ニコライ・チケル」を査閲した後、係留されている重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」へ接舷した。
艦艇打撃グループの乗組員は、上甲板で整列した。
海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー海軍大将は、北方艦隊司令官ニコライ・マクシーモフ海軍中将が出迎える中、ムルマンスク州知事ユーリー・エフドキモフ、国家海上政治委員会議長ヴャチェスラフ・ポポフと共に、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の艦上を訪れ、ロシア連邦国防相アナトーリー・セルジュコフからのメッセージを読み上げた。
艦上での厳粛な表彰式において、北方艦隊艦艇打撃グループの12名の将校および准士官は、アパートを取得した。
モスクワ市およびモスクワ州から、30名の水兵に報奨金が与えられた。
10名の水兵は、ロシア連邦国防相に代わり、海軍総司令官から素晴らしい報奨を贈られた。
海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー海軍大将は、栄光ある艦艇打撃グループの重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」乗組員は、課せられた任務を遂行した事を指摘した。
ウラジーミル・ヴィソツキー海軍大将によると、艦(クズネツォフ)は定期整備と出撃準備が行われた後、先に完了した遠征よりも価値が小さくない新たな任務を遂行するだろう。
海軍総司令官によると、ロシア軍艦は、我が国の国益に関わる場所で、我が国の意志を示した。
北方艦隊の艦艇打撃グループの航海は2007年12月5日に始まった。
航海の目的は、世界の海洋の国益上重要な海域において、ロシア海軍存在を示す事である。
航海の指揮は、北方艦隊司令官ニコライ・マクシーモフ海軍中将が執った。
航海中、艦上航空機は飛行活動を遂行し、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の戦闘機は、離艦および着艦、計20回の飛行操作、約400回の出撃(100回以上に及ぶ)を遂行した。
航海時、艦艇打撃グループは、黒海艦隊の艦船との相互運用を含む全ての示された課題を成功裏に遂行し、15,000海里以上を走破した。
また、北方艦隊の艦艇打撃グループは、フランスおよびイタリア海軍艦艇と幾度かの合同演習を行なった。
北方艦隊の艦船は、チュニジア、フランスおよびイタリアの港へ寄港した。
ロシア連邦国防省公式サイト・2008年2月4日
ウラジーミル・ヴィソツキー総司令官の発言を見ると、ロシア海軍は、今年中にもう一度、空母クズネツォフの遠征を実行するつもりのようです。
ロシア連邦国防相セルジュコフのメッセージ(ロシア連邦国防省公式サイト)

セルジュコフ国防相から遠征を終えたロシア空母部隊将兵へ宛てられたメッセージの全文
【ロシア連邦国防相A.E.セルジュコフから北方艦隊将兵への訓示】
北方艦隊の僚友諸君!
我が国の最新の歴史では、偉大な将来へのロシア市民の心からの信頼を、より一層生じさせる出来事が起こっている。
そのような出来事に、北東大西洋および地中海におけるロシア海軍の大規模な演習は、正当に加えられるべきである。
この遠征は、ロシアと国際社会にとって、主要海軍国の内の1つとして世界の海洋への回帰を決定的なものとするロシア連邦の真剣な要求として認知されるだろう。
それは、北方艦隊将兵の大きな功績である。
栄光ある北方艦隊の艦艇打撃グループは、1万5000海里以上を走破し、全ての難問を実行した。
艦艇と艦載機により実施された演習においては、フランス及びイタリア海軍との協力を含め、乗員の戦闘訓練の高い水準が実証された。
アンドレイ旗は、立派に外国の港で我が国の存在を示した。
今後、それ(アンドレイ旗)は、高らかに世界の海洋の広い範囲で翻るであろう事を確信する。
心から私は、艦隊司令官と、全ての将兵が、遠征を成功裏に成し遂げた事に対し、御祝いを申し上げる!
私は、諸氏の力強い健康、最善、忍耐力、そして新たなる海での水平線を望む!
ロシア連邦国防省公式サイト・2008年2月3日