ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2023年夏に大洋多目的システム(原子力水中無人機)ポセイドンの最初の発射試験を実施する
- カテゴリ:大洋多目的システム「ポセイドン」

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2023年6月23日3時8分配信
【「ポセイドン」の原子炉は試験を実施していると情報筋は述べた】
クロンシュタット、6月23日-ロシア通信社ノーボスチ
「ポセイドン」の原子炉は、試験台での試験を実施し、安全性が確認され、作業の準備は整っている。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、クロンシュタットの国際海軍サロン(IMDS-2023)会場で軍事産業企業体の情報筋より伝えられた。
「ポセイドン」の開発は、2018年の連邦教書演説でウラジーミル・プーチンが初めて公表した。
大統領によると、この無人機は、通常弾頭または核弾頭を装備でき、航空母艦グループ、沿岸防御施設及びインフラを含む広範囲の目標の撃破が可能である。
「ポセイドンの原子炉自体は準備が整っております:それは試験台での試験を実施し、その動作性能と安全性は確認されております。
それは意図された動作の準備が整っております」
対談者は話した。
ドローンの最初の海上試験は、今夏に計画されている事を彼は明らかにした。
「ポセイドン」を搭載するのは、2023年に海軍へ軍備採用されなければならない実験原子力潜水艦「ベルゴロド」(プロジェクト09852)と、そして更に、セヴェロドヴィンスクの工場『セヴマシュ』で建造中の標準(搭載)原子力潜水艦「ハバロフスク」である。
公開情報源によると、「ポセイドン」(以前は「スタトゥース-6」として知られており、NATOコード名は「カニヨン」)は、ロシアの核動力装置を搭載した無人水中装置のプロジェクトである。
実質的にこれは核魚雷であり、敵の沿岸で使用すれば、津波を引き起こす可能性もある。
「ポセイドン」の全長は20メートル、直径-1.8メートル、重量-100トン。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2023年6月23日3時35分配信
【情報筋は無人機「ポセイドン」の最初の試験の計画について話した】
クロンシュタット、6月23日-ロシア通信社ノーボスチ
水中無人機「ポセイドン」の最初の試験は、海上搭載艦~原子力潜水艦「ベルゴロド」で今夏に計画されている。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、クロンシュタットの国際海軍サロン(IMDS-2023)会場で軍事産業企業体の情報筋より伝えられた。
木曜日にロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将が『ロシア通信社ノーボスチ』へ伝えたように、海上無人機「ポセイドン」を搭載する実験原子力潜水艦「ベルゴロド」は、2023年に海軍へ軍備採用される。
「ポセイドン自体の試験は、今年夏に計画されております」
対談者は話した。
彼によると、まず第一に、試験は「ポセイドン」の核動力装置の動作に関係するものとなる。
公開情報源によると、「ポセイドン」(以前は「スタトゥース-6」として知られており、NATOコード名は「カニヨン」)は、ロシアの核動力装置を搭載した無人水中装置のプロジェクトである。
実質的にこれは核魚雷である:装置の主な任務は、潜在敵の指定沿岸へ核兵器を送り届け、その経済の重要な沿岸要素を破壊する目的で、放射能汚染、津波、核爆発による他の破壊的影響が及ぶ広範囲のゾーンを作りだし、領域へ確実に容認できない損害を与える事に在る。
「ポセイドン」の全長は20メートル、直径-1.8メートル、重量-100トン。
[大洋多目的システム「ポセイドン」]
2018年3月1日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は教書演説を行ない、この中で、ロシアが開発中の各種新兵器に言及しました。
『タス通信』より
2018年3月1日18時25分配信
【プーチンが話したロシアの超兵器はどのようなものか】
この演説の中でプーチン大統領は、ロシア海軍の「無人水中装置」について話しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月1日13時36分配信
【プーチンは水中システムの為の新たな原子力推進について話した】
プーチン大統領の教書演説の後、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将が「無人水中装置」について記者団へ説明しました。
[ロシア海軍の為の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)の開発は進められている]
コロリョーフ提督は、この原子力推進の「無人水中装置」を「大洋多目的システム」と呼んでおり、原子力潜水艦に搭載され、敵の領域付近で使用されると述べています。
この「大洋多目的システム」が、以前から開発が噂されていた大洋多目的システム「スタトゥース6」です。
これは、2015年11月10日のプーチン大統領とロシア連邦軍首脳の会議について報じたニュース映像の中で「偶然」映った図面に描かれていたのが発端でした。
(動画の1:45から大洋多目的システム「スタトゥース6」の説明図が映っている)

この「原子力無人水中装置」(ポセイドン)の全長は20メートル、直径は1.8メートル程度と推測されています。
大洋多目的システムは、敵の海軍基地や、航空母艦グループなどを撃破する為の兵器であり、その開発は1980年代末に始まりました。
[ロシア海軍の原子力水中無人機ポセイドン]
その後、ロシア国防省は、この「原子力無人水中装置」などの公式に名前が付いていない新兵器の愛称を公募しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月23日4時27分配信
【ロシアは新たな国産兵器の為の名前を公表した】
その結果、原子力無人水中装置は「ポセイドン」と命名されました。
その他の候補には「アヴローラ」、「プリボイ」などが有りました。
大洋多目的システム(原子力無人水中装置)「ポセイドン」は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発が進められています。
「ポセイドン」の搭載艦は、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造される原子力潜水艦になります。
[大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、ロシア海軍へ採用される]
「ポセイドン」は2メガトンの核弾頭を搭載できるようです。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは2メガトンの核弾頭を搭載する]
大洋多目的システム「ポセイドン」の動力には、液体金属(鉛ビスマス合金)冷却原子炉が使用される可能性も有ります。
[ロスアトムはロシア軍(海軍)の為の新たな液体金属冷却原子炉を開発する]
「ポセイドン」の動力となる原子力機関の海上での試験は2018年後半に始まりました。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの試験は進められている]
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの水中試験は始まっている]
試験潜水艦「サロフ」(2008年8月7日就役)と救助曳船「ズヴェズドーチカ」(2010年7月24日就役)も試験に従事しているようです。
[ロシア海軍の試験潜水艦サロフは水中ロボットの試験に従事する]
試験潜水艦「サロフ」

救助曳船「ズヴェズドーチカ」
(曳航しているのは「ポセイドン」の試験台)

「ポセイドン」の水中速力は時速200キロメートル(約110ノット)以上になり、ソヴィエト連邦時代に開発された超高速ロケット魚雷「シクヴァル」と同様のスーパーキャビテーション技術が使われるようです。
[ロシア海軍のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの水中速力は110ノット以上となる]
2019年2月2日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、「ポセイドン」の試験の最も重要な段階が完了したと述べました。
それ以上具体的な事には言及していませんが、おそらくは、動力となる原子力推進装置に関する試験でしょう。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの試験の重要な段階が完了した]
「ポセイドン」は完全自立制御システムを有する一種の水中ロボットであり、敵の対潜防御線や機雷源なども回避できるとの事です。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンは自立して敵の防護システムを回避できる]
「ポセイドン」の動力となる原子力推進装置の水中試験において、その所定性能~事実上無制限の航続距離と時速200キロメートル(110ノット)以上の最大速力は確認されました。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの原子力推進装置の所定性能が確認された]
「ポセイドン」システムを搭載可能なプロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」(プロジェクト949A原子力水中巡洋艦の未完成艦を流用)はセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』で2012年12月20日に再起工され、2019年4月23日に進水し、2022年7月8日に就役しました。
[プロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはロシア海軍へ就役した]

「ベルゴロド」は未だ「ポセイドン」の実弾の発射試験は行なっていませんが、2022年末までに「ポセイドン」のモックアップの射出試験は完了しました。
[ロシア海軍の最新特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは原子力水中無人機ポセイドンのモックアップの投射試験を完了した]
2023年1月中旬には「ポセイドン」の実弾の第1号の製造が完了し、「ベルゴロド」へ搭載されます。
[大洋多目的システム(原子力水中無人機)ポセイドンの製造が始まった]
「ポセイドン」の実弾の最初の発射試験は、2023年夏に実施されるようです。
「ベルゴロド」に次いで「ポセイドン」システムを搭載可能なプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」(2014年7月27日起工)が『セヴマシュ』で建造されていますが、工事は後回しにされているらしく(『セヴマシュ』は戦略原子力潜水艦と多目的原子力潜水艦も建造している)、進水も予定より大幅に遅れています。
[ロシア海軍の原子力水中無人機ポセイドン搭載特殊用途原子力潜水艦ハバロフスクは2021年秋に進水する]
将来的には、既に就役している「ベルゴロド」と、今後就役する「ハバロフスク」は太平洋艦隊へ配備され、カムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地に駐留する事になります。
[ロシア海軍太平洋艦隊に原子力水中無人機ポセイドン搭載原子力潜水艦の新たな師団が編成される]
「ポセイドン」搭載原子力潜水艦駐留の為のヴィリュチンスク基地のインフラは2024年の完成が予定されており、その後、2024年12月~2025年前半には「ポセイドン」搭載原子力潜水艦の新たな潜水艦師団が編成されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中無人機ポセイドン搭載原子力潜水艦駐留の為のカムチャツカ半島のインフラは2024年に完成する]
[2025年にロシア海軍太平洋艦隊へ原子力水中無人機ポセイドン搭載原子力潜水艦の新たな潜水艦師団が編成される]
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