ロシア海軍向けに建造中のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ポジャールスキーは艦内の電気設備工事を開始した

『タス通信』より
2023年6月21日16時17分配信
【『セヴマシュ』は巡洋艦「クニャージ・ポジャールスキー」の電気設備工事へ着手した】
クロンシュタット、6月21日/タス通信
『北方機械製造事業』(『セヴマシュ』、『統合造船業営団』へ加入)は、近代化プロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)の下で建造されている最新の原子力水中ロケット巡洋艦「クニャージ・ポジャールスキー」の電気設備工事へ着手した。
『タス通信』は造船所のトップ、ミハイル・ブドニチェンコより伝えられた。
「船台での期間に在る原子力水中巡洋艦クニャージ・ポジャールスキーは、電気設備工事へ着手しました」
彼は国際海軍サロン(IMDS-2023)の最中に話した。
彼によると、船台での建造工事完了後、巡洋艦は造船台から出渠し、艤装と試験の為に進水する。
「クニャージ・ポジャールスキー」は、プロジェクト955の8番艦艦であり、改善プロジェクト955Aの下で建造された5隻目である。
艦の起工は2016年12月23日に行なわれた。
現在、ロシア海軍には、3隻の基礎プロジェクト955「ボレイ」潜水艦~「ユーリ・ドルゴルーキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」、「アレクサンドル・ネフスキー」と、更に3隻の近代化プロジェクト955A「ボレイ」~「クニャージ・ウラジーミル」、「クニャージ・オレグ」、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」が在籍している。
更に4隻の「ボレイ-A」シリーズ~「インペラートル・アレクサンドルIII」、「クニャージ・ポジャールスキー」、「ドミトリー・ドンスコイ」、「クニャージ・ポチョムキン」が様々な建造段階に在る。
『IMDS-2023』は6月21日から25日までクロンシュタットで開催される。

行事はロシア連邦産業・貿易省が主催する。
初めて、観光・レクリエーションクラスタ『フォルトフ島』の領域に在る『海軍栄光博物館』及び『会議・展示センター』が開催場所となった。

造船所及び造船産業企業の展示会では、250を超えるロシア及び外国の参加者がプレゼンテーションを行なう。
『タス通信』は、『IMDS-2023』の戦略メディアパートナーである。
プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、計10隻が起工され、この内の6隻が就役しています。
1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ユーリー・ドルゴルーキーは就役10周年を迎えた]
2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦アレクサンドル・ネフスキーは長期洋上任務を終えてヴィリュチンスクへ帰投した]
3番艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフは長期航海を終えてカムチャツカ半島の基地へ帰投した]
4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2017年11月17日に進水、2020年6月12日に就役し、、北方艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ到着した]
5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工され、2020年7月17日に進水、2021年12月21日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。
[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはカムチャツカ半島の原潜基地ヴィリュチンスクへ到着した]
6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工され、2022年1月11日に進水し、2022年12月29日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフはカムチャツカ半島への移動準備を進めている]
7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工され、2022年12月29日に進水しました。
[最新戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は2023年6月に洋上試験を開始し、同年末にロシア海軍へ就役する]
就役は2023年に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。
8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
2023年6月に電気設備工事を開始しているので、船体はほぼ完成しているようです。
「クニャージ・ポジャールスキー」の就役は2024年に予定されており、北方艦隊へ配備されます。
955「ボレイ」と955A「ボレイ-A」は、セイルや艦尾の形状が異なっています。
(上が「ボレイ」、下が「ボレイ-A」)

当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了する筈でしたが、その後に追加建造が決まり、「ボレイ-A」2隻の建造契約が2020年8月にモスクワ州の愛国者公園で開催される軍事機器展示会『アルミヤ-2020』の会場で締結されました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の建造契約は2020年8月に締結される]
9番艦「ドミトリー・ドンスコイ」と10番艦「クニャージ・ポチョムキン」は2021年8月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]
9番艦の艦名は、プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(2023年2月に退役)から引き継がれました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は原子炉の炉心の寿命の為に退役した]
「ドミトリー・ドンスコイ」は2025年に進水し、2026年の就役が予定されています。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイは2025年に進水し、2026年にロシア海軍へ就役する]
なお、9番艦以降(つまり「ドミトリー・ドンスコイ」と「クニャージ・ポチョムキン」)は原子力蒸気タービンエンジンが改良され、静粛性が向上します。
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