ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツは東南アジア遠征を終えてウラジオストクへ帰投した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年6月15日7時11分配信
【大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」と「アドミラル・トリブツ」は遠距離航海からウラジオストクへ戻ってきた】
本日(6月15日)、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」及び「アドミラル・トリブツ」、中型海洋給油船「イルクト」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、アジア-太平洋地域における遠距離航海任務の遂行後にウラジオストクへ戻った。
太平洋艦隊主要基地では戦闘艦支隊の歓迎式典が開催され、太平洋艦隊副司令官デニス・ベレゾフスキー少将が出席した。
戦闘艦支隊指揮官セルゲイ・アランチェフ1等海佐は、遠距離航海から帰投した艦の機器は好調であり、必要な物資を補充した後、用途上の行動を行なう準備が整うと艦隊副司令官へ報告した。
デニス・ベレゾフスキー少将は、艦隊軍事評議会に代わり、与えられた任務を成功裏に果たした乗組員を祝福した。
伝統により、船員へ子豚の丸焼きが贈られた。
航海から帰投した艦へ捧げられる会合には、退役将兵、社会組織の代表、船員の家族及び親戚が参加した。
演説では、戦闘艦の乗組員が、海上において、自身の最も良い側面を発揮し、自信をもって正しく行動した事が指摘された。
歓迎式典は、太平洋艦隊水上艦連合部隊の将兵全員の行進で完了した。
太平洋艦隊戦闘艦支隊は、2019年4月1日から遠海ゾーンへの遠距離航海任務を遂行した。
遠距離航海中に艦はフィリピン、ベトナム、中国の港への寄港を行ない、ロシア-中国海軍国際演習『海洋協同-2019』へ参加した。

2019年4月1日、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)と「アドミラル・トリブツ」(564、1986年2月15日就役、2014~2016年に近代化改装)、そして中型海洋給油船「イルクト」(1975年12月就役)で構成される太平洋艦隊艦船支隊は、アジア太平洋地域への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは東南アジアへの遠距離航海へ出発した]
太平洋艦隊艦船支隊は、4月2日午後11時以降に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年4月3日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
4月8日、太平洋艦隊艦船支隊はフィリピンのマニラ港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はフィリピンのマニラへ入港した]
マニラ滞在中、大型対潜艦2隻は一般公開されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフはマニラで一般公開された]
太平洋艦隊艦船支隊は4月13日にマニラを出航し、フィリピン海軍と合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はマニラを去り、フィリピン海軍と合同演習を実施した]
4月16日にベトナムのカムラン港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はベトナムのカムラン港へ到着した]


4月21日にカムラン港を出航し、中国へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はベトナムのカムラン港を去り、中国へ向かった]
2019年4月末から5月初頭まで中国海軍との合同演習『海洋協同-2019』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]
合同演習が終わった後も、この3隻は他の演習参加艦のようにウラジオストクへは戻らず、再び東シナ海へ向かい、5月14日には艦載ヘリコプターの飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は東シナ海で艦載ヘリコプターの飛行訓練を行なった]
6月3日に宮古島北東海域を南進してフィリピン海へ入り、6月8日には同海域を北上して東シナ海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年6月11日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

この間、6月7日に「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」(1989年11月4日就役)と「ニアミス」を起こしました。
[アメリカ海軍のミサイル巡洋艦チャンセラーズビルは東シナ海でロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフの進路を妨害した]
この海域ではアメリカ海軍の空母打撃群が行動しており、太平洋艦隊艦船支隊は、その動向を監視し、追跡していたようです。
6月12日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年6月13日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
太平洋艦隊艦船支隊は、6月15日にウラジオストクへ帰投しました。
帰投した太平洋艦隊艦船支隊を出迎えた太平洋艦隊副司令官デニス・ベレゾフスキー少将(1974年7月14日生まれ)は、2014年3月初頭までウクライナ海軍総司令官を務めていましたが、その後、ウクライナを離反しました。

[前ウクライナ海軍総司令官ベレゾフスキー提督はロシア黒海艦隊副司令官に任命された]
2015年にはロシア連邦軍参謀本部アカデミーで研修を行ない、その後、太平洋艦隊副司令官に任命されました。
なお、同日、太平洋艦隊艦船支隊が帰投する数時間前には、6月10日からウラジオストクを訪問していた日本海上自衛隊の護衛艦「すずなみ」が出航しています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年6月15日2時39分配信
【日本海上自衛隊の戦隊水雷艦「すずなみ」はウラジオストク訪問を完了した】
ウラジオストク出航後、護衛艦「すずなみ」はピョートル大帝湾で太平洋艦隊の艦船と合同捜索救助演習を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年6月15日10時10分配信
【太平洋艦隊と日本海上自衛隊の艦は、海上での合同捜索救助演習『サレックス-2019』を実施した】
ロシア側からは、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(「すずなみ」訪問時のホストシップ)、救助曳船「アラタウ」、大型水路調査艇BGK-2151が参加しました。
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