ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海でワルシャワンカ級潜水艦と対戦方式の演習を実施した


『インテルファクス極東ニュース』より
2023年6月30日3時39分配信
【ロシア艦「アドミラル・トリブツ」は日本海で対潜演習を実施した】
ウラジオストク、6月30日、インテルファクス-極東
太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の乗組員は、日本海で仮想敵潜水艦を捜索、破壊する演習へ参加した。
太平洋艦隊広報サービスは発表した。
「敵の役割は、太平洋艦隊の沿海地方多種戦力小艦隊のプロジェクト636.3"ワルシャワンカ"ディーゼル潜水艦の1隻が演じました」
声明では、こう述べられた。
演習中、艦及び潜水艦の乗組員の対戦が用意された。
軍艦「アドミラル・トリブツ」は潜水艦を探知し、それを魚雷及び深海噴射推進爆雷で攻撃した。
その次に、潜水艦は艦へ魚雷による打撃を与えた。
大型対潜艦の乗組員は、対潜防衛、潜水艦の捜索及び対艦攻撃手段から逃れる為の戦闘操艦の複合活動を実行した。
演習中に与えられた課題は完遂された。
プロジェクト1155大型対潜艦の4番艦「アドミラル・トリブツ」は、1980年4月19日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)のA.A.ジダーノフ記念造船工場(現「北方造船所」)で起工され、1983年3月26日に進水し、1986年2月15日に就役し、太平洋艦隊へ配備されました。
[ウダロイ型6番艦「アドミラル・トリブツ」]
1986年から1990年までインド洋及びペルシャ湾で行動し、1987年11月18日~23日にはイエメンのアデン、1990年5月16日~21日にはマレーシアのペナンを訪問しました。

1992年12月5日から1993年5月23日までペルシャ湾における平和維持活動に従事しました。

1990年代半ば以降はウラジオストクでオーバーホールが行なわれ、復帰したのは2001年になりました。
2001年9月8日から12日まで日本の佐世保を訪問し、2004年2月には大韓民国の仁川を訪問しました。

2005年10月~11月にインド洋への遠距離航海を行ない、10月14日から20日までインド海軍との合同演習『インドラ-2005』へ参加しました。
その後、10月28日にインドネシアのタンジュンプリオク、11月4日にシンガポールのチェルギ、11月15日にタイのサッタヒープ、11月27日にベトナムのダナンを訪問しました。
2009年6月29日から11月16日まで初のソマリア海賊対処任務の為、アデン湾へ派遣されました。
[ロシア海軍第4次ソマリア遠征]
2011年12月10日から2012年5月3日まで2度目のソマリア海賊対処任務の為、アデン湾へ派遣されました。
アデン湾から帰港途中に中国海軍との合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊第7次海賊対処部隊はウラジオストクへ戻った]
2014年からウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装が始まりました。
ガスタービンエンジンはクロンシュタット海洋工場で修理されました。
[ロシア海軍艦艇のガスタービンエンジンの修理はクロンシュタットで行なわれる]


「アドミラル・トリブツ」の近代化改装は電子機器の交換がメインであり、新たに汎用射撃管制システム「バギラ-M」、戦闘情報管理システム「シグマ」、航海レーダーMR-231、MR-231-3が搭載されました。
汎用射撃管制システム「バギラ-M」

【戦闘情報管理システム「シグマ-E」】
【航海レーダーMR-231】
【航海レーダーMR-231-3】
これに伴い、ディーゼル発電機も、従来の200kw×1基から300kw×2基に換装されました。
近代化改装を終えた「アドミラル・トリブツ」は、改装後の試験を兼ねて出航し、2016年6月20日に他の艦艇と共に宗谷海峡を東へ通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦艇、宗谷海峡通過(2016年6月20日)]
2016年7月に太平洋艦隊へ復帰しました。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]
2016年9月4日にウラジオストクを出航して中国へ向かい、中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加し、10月5日に帰港しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]
2016年10月15日にウラジオストクを出航し、インド洋へ向かいました。
12月14日から21日までインドを訪れ、インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』(2016年12月)]
インドからの帰路にフィリピン、韓国、日本を訪問し、2017年1月25日にウラジオストクへ帰港しました。
2017年2月上旬に日本海で戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは戦闘機Su-35Sと対空戦闘訓練を行なった]
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2017年6月15日には沿海地方のニコラエフカ基地に駐留する艦上対潜ヘリコプターKa-27PL及び艦上捜索救助ヘリコプターKa-27PSの発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]
2017年9月下旬には、日本海とオホーツク海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]
2017年9月24日には他の合同演習参加艦船と共にラペルーズ海峡を東へ通過し、オホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年9月25日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
合同演習終了後もオホーツク海・カムチャツカ方面に留まり、10月28日にラペルーズ海峡を西へ通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年10月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
2018年1月と2月にピョートル大帝湾で演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で演習を行なった]
2018年3月下旬の太平洋艦隊演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対空戦闘訓練を行ない、短距離艦対空ミサイルを発射した]
2018年5月7日から7月12日まで東南アジアへの遠距離航海を行ない、日本にも寄港しました。
[ロシア太平洋艦隊東南アジア遠洋航海(2018年5月-7月)]
2018年8月下旬の太平洋艦隊演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の40隻以上の艦船は日本海及びオホーツク海で演習を行なう]
2018年9月11日から17日までロシア極東部で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加しました。
[演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の掃海艦艇は太平洋及びオホーツク海で掃海演習を行なった]
2019年3月下旬に日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは日本海で5日間に渡る演習を行なった]
2019年4月1日から6月15日まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[ロシア太平洋艦隊の東南アジア遠征(2019年4月-6月)]
この間、2019年4月29日~5月4日に黄海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2019』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]
2019年8月末からオホーツク海で行なわれた太平洋艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船はオホーツク海での演習を終えて母港へ戻る]
2020年3月末~4月末の太平洋艦隊のオホーツク海演習へ参加し、5月5日にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]
2020年5月26日、「アドミラル・トリブツ」は、対潜ヘリコプターKa-27PL及び捜索救助ヘリコプターKa-27PS(第7062航空基地所属、普段は沿海地方のニコラエフカ飛行場に駐留)の発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはヘリコプターの発着訓練を行なった]
6月3日からウラジオストク沖のピョートル大帝湾へ出航し、翌6月4日には、100mm単装砲AK-100による対空、対水上、対機雷砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]
2020年6月末には日本海で行なわれた潜水艦捜索演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の対潜艦部隊と対潜哨戒機は日本海で潜水艦捜索演習を行なった]
2020年7月後半には同型艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」と共に日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは日本海で砲撃訓練を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対潜戦闘演習を行なった]
2020年8月1日から9月30日まで同型艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」と共にインド洋への遠距離航海を行ない、インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊インド遠征(2020年8月-9月)]
2021年2月16日にピョートル大帝湾で砲撃などの洋上訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で砲撃訓練を実施した]
2月25日には対水上砲撃やヘリコプターの着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海で砲撃訓練を実施した]
3月4日には他の太平洋艦隊の水上戦闘艦と共にピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"、大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった]
2021年4月末から6月下旬まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは東南アジアへの遠距離航海からウラジオストクへ帰投した]
2021年12月末(26日前後)、太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」と共に遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはセーシェル諸島へ向かった]
当初は、セーシェル諸島へ行くと発表されていました。
艦船支隊は12月29日に対馬海峡を通過して東シナ海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年1月4日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
2022年1月11日にマラッカ海峡を通過してインド洋へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはマラッカ海峡を通過してインド洋へ入った]
1月13日にインド南西部のコーチ港へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインドのコーチ港を訪れた]
1月14日にインド海軍とのPASSEX(Passing Exercise、編隊航行訓練)を行ないました。



その後にコーチ港を去り、1月18日にイランのチャーバハール港へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはイランのチャーバハール港を訪れた]
太平洋艦隊艦船支隊は、オマーン湾で1月18日から22日まで実施されたロシア・中国・イランの3ヶ国合同海軍演習『CHIRU-2022』へ参加しました。
[オマーン湾でロシア・中国・イランの3ヶ国合同海軍演習が始まった]
[オマーン湾でロシア・中国・イランの3ヶ国合同海軍演習『CHIRU-2022』が実施された]
その後にイランを去り、1月25日にアラビア海西部で中国海軍との合同演習『平和の海-2022』へ参加しました。
[ロシア海軍と中国海軍はアラビア海西部で合同演習『平和の海-2022』を実施した]
その後、太平洋艦隊艦船支隊は地中海へ向かい、2022年2月2日にスエズ運河を通過して地中海東部へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊及び太平洋艦隊の艦船部隊は地中海へ入った]
2月15日、地中海東部に滞在する北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊の15隻以上の艦船と、ロシア航空宇宙軍の30機以上の航空機が参加する海軍演習が始まり、当然ながら太平洋艦隊艦船支隊も参加しました。
[地中海東部でロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同演習が始まった]
[地中海東部でロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同演習は続いている]
地中海東部演習は2月25日に完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊・北方艦隊・太平洋艦隊合同艦船部隊の地中海東部演習は完了した]
演習終了後、太平洋艦隊艦船部隊は3月末までに地中海を離れる予定でしたが、結局、それ以降も同海域へ留まる事になりました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフとワリャーグは地中海東部に滞在している]
4月2日には北方艦隊艦船部隊と合同で潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊と太平洋艦隊の艦は地中海東部で潜水艦捜索訓練を実施した]
2022年8月下旬には地中海中央部のアドリア海へ進出し、NATO艦隊と対峙しました。
[ロシア海軍の軍艦はアドリア海に居る]
2022年10月中旬頃に地中海を離れ、11月1日にはスリランカ南方海域へ到達しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは地中海を去り、ウラジオストクへの帰路に就いている]
その後、マラッカ海峡を通過し、11月7日には南シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはマラッカ海峡を通過して南シナ海へ入った]
11月11日に南シナ海で対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは南シナ海で対空防衛演習を実施した]
11月13日に東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは東シナ海へ入った]
11月15日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと大型対潜艦アドミラル・トリブツは対馬海峡を通過して日本海へ入った]
11月18日に母港ウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと大型対潜艦アドミラル・トリブツは地中海からウラジオストクへ帰投した]
その後はウラジオストクの艦船修理工場で長期航海後のオーバーホールを行なっていたようですが、2023年春に復帰し、2023年4月24日に日本海で演習を行なう為にウラジオストクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海で対潜戦闘演習を実施する]
2023年5月末、ロシア太平洋艦隊の主力水上艦と共にウラジオストクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はアジア太平洋地域で演習を実施する]
「アドミラル・トリブツ」を含む太平洋艦隊の約60隻の艦船は、2023年6月5日から20日まで日本海とオホーツク海で実施された大規模演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2023年6月5日~20日まで日本海とオホーツク海で大規模演習を実施する]
「アドミラル・トリブツ」は他の主力水上艦と共にオホーツク海へ入り、実弾射撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で実弾射撃演習を行なっている]
6月16日に宗谷海峡を西進して日本海へ入り、その後、ウラジオストクへ帰投しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2023年6月19日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
6月30日には日本海で636.3潜水艦(「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」、「ヴォルホフ」、「マガダン」)の内の1隻と「対戦」する演習を行ないました。
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