ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南極調査を終えてウラジオストクへ帰投した
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年6月15日6時15分配信
【太平洋艦隊の水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南極探検からウラジオストクへ戻ってきた】
ウラジオストクで、遠距離航海を終えた太平洋艦隊の水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」の歓迎式典が開催された。
南極発見200周年及びイワン・クルゼンシュテールン提督生誕250周年記念日へと捧げられる航海はロシア地理学協会の支援下で行なわれ、3ヶ月以上続いた。
探検中に船は22000海里を航行し、乗組員は19000キロメートルの航路を測定し、パプアニューギニア島海域での海洋調査作業を含む700以上の水文気象観測を行なった。
「マルシャル・ゲロヴァーニ」は、デュルヴィル海で地球の南磁極地域へ到達した太平洋艦隊の初めての船となり、この30年間で初めてバルト艦隊の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と協同で南磁極の正確な地点を特定する為の現地測定を行なった。
更に、この30年間で初めて太平洋艦隊の船はオーストラリアへの寄港を行なった。
遠距離航海からの探検からの帰還へ敬意を表し、ウラジオストクの艦船埠頭岸壁では、太平洋艦隊艦船連合部隊及び水路調査船の乗組員の隊列行進が行なわれた。
太平洋艦隊司令部を代表して艦隊副司令官デニス・ベレゾフスキー中将が参加者に挨拶した。
伝統により、彼は船の船長イーゴリ・サドフへ子豚の丸焼きを手渡した。

航海を成功裏に完了した太平洋艦隊将兵を、ロシア連邦軍水文気象サービス部長ウラジーミル・ウドリシュ大佐と艦隊の退役将兵が祝福した。
歓迎式典は、太平洋艦隊水上艦連合部隊の将兵の隊列の通過で完了した。
プロジェクト862水路調査船の16番船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は、ポーランドのグダニスク造船所で建造され、1983年7月29日に就役しました。
就役後は、太平洋艦隊へ配備され、現在に至っております。

この数年間はウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれ、2020年2月中旬に艦隊へ復帰しました。
現役復帰後の「マルシャル・ゲロヴァーニ」の最初の任務は、南極遠征となり、2020年3月3日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南極調査航海へ出発した]
「マルシャル・ゲロヴァーニ」は3月18日にインドネシアのジャカルタへ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはインドネシアを訪問した]
3月25日にジャカルタを出航し、南極へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはインドネシアを去り、南極へ向かった]
4月9日、南極沖へ到着し、バルト艦隊の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と合流しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア海軍情報供給グループ発表
2020年4月9日16時27分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南極で合流した】
デュルヴィル海で「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南磁極の測定を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南磁極を調査した]

その後、南極を離れ、4月26日にはオーストラリアのタウンズビル港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはオーストラリアのタウンズビル港を訪れた]


4月28日にタウンズビル港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはオーストラリアを去り、太平洋へ向かった]
その後、「マルシャル・ゲロヴァーニ」は、5月8日までパプアニューギニア周辺海域で各種調査を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはパプアニューギニア周辺海域の海洋調査を完了した]

5月15日、「マルシャル・ゲロヴァーニ」は、再びオーストラリアのタウンズビル港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは再びオーストラリアのタウンズビル港を訪れた]
タウンズビル港で物資を補充した「マルシャル・ゲロヴァーニ」は5月17日に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはオーストラリアのタウンズビル港を去った]
そして6月15日にウラジオストクへ帰投しました。

「マルシャル・ゲロヴァーニ」と共に南極遠征を行なったバルト艦隊の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、昨年12月3日に南極へ向けて出航し、今年1月末から2月末まで南極のべリングスハウゼン基地に滞在して各種調査を行ないました。

[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極を去り、ウルグアイへ向かった]
「アドミラル・ウラジーミルスキー」は2月末に一旦南極を離れ、ウルグアイのモンテビデオへ寄港した後、3月16日に南極沖へ到着しています。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは再び南極へ到着した]

その後、南極を離れ、4月25日にはセーシェル諸島へ到着しました。
(4月30日に出航)
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはセーシェル諸島へ到着した]
5月15日には喜望峰沖を通過しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは喜望峰沖を通過した]
「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、2020年6月8日にクロンシュタットへ帰投しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極遠征を終えてクロンシュタットへ帰投した]
記事中にロシア海軍の探検家提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン(イワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン)の名前が出てきますが、同氏は1770年11月19日生まれですから、今年(2020年)が生誕250周年になります。

この航海は南極発見200周年を記念するものでもありますが、ロシアでは、海軍軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・べリングスハウゼン(ファッデイ・ファッデーイヴィチ・べリンスガウゼン)が1820年1月28日に南極大陸を最初に発見したとされています。
(この他にも2名の候補が居る)

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