ロシア黒海・太平洋艦隊合同任務部隊は12月にソマリア沖で海賊対処任務に就く


11月8日、ロシア連邦国防省は、太平洋艦隊及び黒海艦隊の艦船をソマリア沖へ派遣すると発表しました。
[ロシア太平洋艦隊及び黒海艦隊の艦船はソマリア沖へ行く]
その続報。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
【黒海艦隊及び太平洋艦隊の艦船はソマリア沖で海賊対処任務を開始する】
モスクワ、11月12日-ロシア通信社ノーボスチ
黒海艦隊及び太平洋艦隊の合同艦船グループは、12月にソマリア沖で海賊対処任務に参加するだろう。
月曜日、ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部の代理人は記者団に伝えた。
「12月に、2つの艦隊の艦船はアデン湾とアフリカの角及びアデン湾エリアにおける海軍の存在任務を合同で実施します」
軍当局の代理人は話した。
彼によると、黒海艦隊戦闘艦戦術グループ(親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」及び大型揚陸艦「サラトフ」で構成される)は、黒海海峡ゾーンのボスポラス-ダータネルスを(11月6日及び11日に順番に)通過後、エーゲ海で任務遂行を開始する。
「艦船は合同連携機動、航行中の対空防衛当直任務を遂行し、更に、黒海艦隊独立海軍歩兵旅団の将兵は、艦上で対テロリスト訓練を行ないます」
ロシア連邦国防省の代理人は話した。
彼は、警備艦「スメトリーヴイ」と海洋曳船MB-304が、イタリアのタラント港で行われるロシア-イタリア海軍演習「イオネスク-2012」終了後にグループへ参加すると付け加えた。
地中海の活動エリアには、既に大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」が滞在しており、近い内に、グループには、今は黒海で任務を遂行している大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」が参加する。
太平洋艦隊戦闘艦船支隊(大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」、中型海洋給油船「イルクト」、救助曳船「アラタウ」で構成される)は、現在、アラビア海へ移動している。
艦は、12月初頭のアフリカの角への到着が予定されている。
「航路の途中、艦船支隊は、インド共和国海軍との共同演習の為、ムンバイへ寄港する予定です。
更に艦船は、タイ、南朝鮮、セイシェル諸島の港を訪問します」
軍当局の代理人は話した。
アデン湾及びアフリカの角エリアは、ソマリア海賊の活発な行動により危険である。
彼らは定期的に船舶を乗っ取り、身代金を要求している。
海賊攻撃の回数が多い特徴を有するエリアへのロシア海軍艦船の定期滞在は、海軍力を使用する2011年の計画により提供される。
(2012年11月12日14時17分配信)
[ロシア海軍のアデン湾(ソマリア沖)海賊対処活動]
[ロシア海軍のソマリア海賊対策(旧ブログ)]
記事中で触れられているように、ロシア太平洋艦隊の大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」を中核とするアデン湾海賊対処部隊は、既に出航しています。
[ロシア海軍第14次アデン湾海賊対処部隊はウラジオストクを出港した]
これに加え、黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」を中核とする黒海艦隊の任務部隊がソマリア沖へ向かいます。

最終的に、ソマリア沖に集結するロシア海軍合同海賊対処部隊の陣容は、以下のようになります。
[ロシア黒海・太平洋艦隊合同海賊対処任務部隊]
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(黒海艦隊)
大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」(太平洋艦隊)
警備艦「スメトリーヴイ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「サラトフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」(黒海艦隊)
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊)
中型海洋給油船「イルクト」(太平洋艦隊)
救助曳船「アラタウ」(太平洋艦隊)
海洋曳船MB-304(黒海艦隊)
これは、ロシア海軍が2008年10月にソマリア沖での海賊対処任務を開始して以来、最大規模の海賊対処任務部隊です。
これまでのロシア海軍海賊対処任務では、黒海艦隊は保障船(給油船及び海洋曳船)しか派遣しませんでしたが、今回、初めて水上戦闘艦をソマリア沖へ派遣します。
今回、初めてソマリア沖へ派遣される親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は、1982年12月に就役しました。
当初の艦名は「スラーヴァ」でした。


1995年6月22日、先代の対潜巡洋艦から名前を受け継ぎ、「モスクワ」と改名されました。
1998年5月13日、除籍される親衛警備艦「クラースヌイ・カフカース」から親衛称号を受け継ぎました。