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ロシア海軍は深海捜索救助装置(バチスカーフ)の近代化を進めている

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア海軍情報供給グループ発表
2020年10月16日9時30分配信
【「捜索救助保障コンセプト」実現の枠組みで海軍は自律救助深海装置の修理及び近代化プログラムを実行する】

「捜索救助保障コンセプト」実現の枠組みで海軍総司令部は、ロシア海軍の捜索・緊急救助作業艦隊の軍備として在る自律水中捜索救助深海装置「プリズ」型及び「べステル」の修理、近代化及び保守整備プログラムを実行している。

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現在、サンクトペテルブルク『カノネルスキー艦船修理工場』、黒海艦隊の捜索・緊急救助作業サービスの為の救助深海装置「AS-28」(「プリズ」型)の修理と近代化を完了する。
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装置は一連の試験を経て、近日中にはセヴァストーポリへの配送を開始する。

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2021年に『カノネルスキー工場』北方艦隊自律救助深海水中装置「AS-36」の近代化と修理を完了する。
現在、工場の作業所の1つでは、装置の一連のシステムの更新の為の活発な作業は進められており、その特性の効率性は大幅に高められ、遭難した潜水艦へ援助を与える能力は拡張される。

自律深海水中捜索救助装置は、高度な近代化と修理が行なわれた。
これは、新たな位置測定システム、水中音響捜索システム、テレビ監視システム、更には、捜索救助作業実施の効率を大幅に向上させる生命保障システムの更新についての話である。
救助深海装置の乗組員は特殊訓練を経ており、その操作の為の実地経験を有している。



現在、ロシア海軍には6隻の深海救助装置(バチスカーフ)が在籍しています。
ソ連海軍時代の1980年代後半に建造された4隻のプロジェクト1855「プリズ」は、2008年~2016年に近代化改装が行なわれ、プロジェクト18551にアップグレードされました。

[北方艦隊]
・AS-36(プロジェクト18270)
:1996年就役/2021年に近代化改装完了予定
母船:救助船「ミハイル・ルドニツキー」(プロジェクト05360、1978年12月就役)

・AS-34(プロジェクト18551):1989年11月30日就役/2016年4月に近代化改装完了
母船:救助船「ゲオルギー・チトフ」(プロジェクト05361、1982年12月就役)

[太平洋艦隊]
・AS-40(プロジェクト18271)
2016年2月1日就役
母船:救助船「イーゴリ・べロウソフ」(プロジェクト21300S、2015年12月就役)

・AS-30(プロジェクト18551):1988年11月12日就役/2013年8月に近代化改装完了
母船:救助船「アラゲズ」(プロジェクト537、1989年1月就役)

[黒海艦隊]
・AS-28(プロジェクト18551)
:1986年8月12日就役/2008年3月に近代化改装完了
母船:救助船「コムーナ」(1915年7月就役)

[バルト艦隊]
・AS-26(プロジェクト18551)
:1987年11月25日就役/2010年9月に近代化改装完了
母船:救助船SS-750(プロジェクト141S、1990年6月就役)


現在は、北方艦隊プロジェクト18270深海捜索救助装置AS-36の近代化改装が進められており、2021年末までの完了が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の深海捜索救助装置(バチスカーフ)AS-36の近代化改装は2021年に完了する]

更には、プロジェクト1855「プリズ」の中で一番最初に近代化改装されたAS-28が、2019年12月から『カノネルスキー艦船修理工場』でオーバーホールを行なっています。

ロシアの無人深海潜水艇ヴィーチャズィ-Dはマリアナ海溝へ潜航した

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月12日9時11分配信
【ロシアの「ヴィーチャズィ」はマリアナ海溝を征服した】

最新のロシア製自動無人水中科学研究装置「ヴィーチャズィ-D」は、太平洋艦隊の救助船「フォーチー・クルイロフ」船上からマリアナ海溝の底へ潜航した。
この装置を開発した海洋工学中央設計局『ルビーン』広報サービスが伝えたように、降下は大祖国戦争の戦勝75周年に合わせられた。


任務中、海底地図の作成とビデオ録画、海洋環境パラメータの調査が行なわれたと『ルビーン』の代理人は付け加えた。

複合体「ヴィーチャズィ-D」作成の為の作業は2017年9月に始まり、この時に『ルビーン』『高等研究財団』と共同でロボット水中複合体の実験室を形成した。
「ヴィーチャズィ-D」は、以前には人間が到達し得なかったものを含め、世界の大洋のあらゆる海域で超深海潜航を実施し、科学研究を行なう為に意図されている。

海洋工学中央設計局『ルビーン』広報サービスは、プロジェクトの実施中、必要な強度特性と浮力を保障する新たな建設材料、自動超深海装置、航法及び通信機器、有効積載量の制御に必要な機器が作成された事を指摘した。

複合体「ヴィーチャズィ-D」の構成には、自動無人装置(ANPA SGP)、深海底ステーション(GDS SN)、そして制御所機器が含まれている。
艦載機器複合体は、水中音響チャンネルを介し、搭載船から水中装置と海底ステーションとのリアルタイムモードでの情報交換を保障する。
複合体は、完全に国内製造のセットで構成されている事を『ルビーン』は指摘した。

ANPA SGP「ヴィーチャズィ-D」は、浮力ゼロの透過性構造で構成されており、動力基盤はチタン合金で製造されている。
外部輪郭は球状プラスチックから成り、装置の過剰な重量を補い、流線型形状を提供する。
装置は、4基の推進器と10基の操舵電動機により駆動する。

「ヴィーチャズィ-D」の積載物には、音響測探機、水中音響装置、航法及び通信機器、側面観察水中探知機、ビデオカメラ、更には他の科学研究機器が含まれる。
これらの装置を装備しているお陰で、海域の調査探索と水深測量、底土の上層構造の調査の為のサンプル採取、底部地形の水中音響調査、海洋環境の水文物理学パラメーターの測定を実行できる。
装置は、制御システムの人工知能要素を使用し、限られた空間からの離脱を含めたコース内の障害物の個別回避が可能であると『ルビーン』広報サービスは付け加えた。



自動無人水中装置「ヴィーチャズィ-D」は、ロシア海軍潜水艦を設計している海洋工学中央設計局『ルビーン』により開発されました。

2020年5月8日22時34分(モスクワ時間)、太平洋艦隊救助曳船「フォーチー・クルイロフ」に搭載された「ヴィーチャズィ-D」は、マリアナ海溝の底(深度10028メートル)へ到達しました。
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救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
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「ヴィーチャズィ-D」
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ロシア海軍北方艦隊の深海捜索救助装置(バチスカーフ)AS-36の近代化改装は2021年に完了する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア海軍情報供給グループ発表
2020年4月2日18時45分配信
【海軍は深海捜索救助装置「プリズ」及び「べステル」の近代化・修理プログラムを完了する】

ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将主催下の作業部会のビデオ会議が行なわれ、ロシア海軍捜索-事故救助作業艦隊の軍備として在る深海自律水中捜索救助装置「プリズ」型及び「べステル」型の修理及び近代化の進行状況が討議された。

特に、ニコライ・エフメノフ大将は、海軍の捜索救助保障コンセプトの第1段階実行の枠組みで、ロシア海軍捜索-事故救助作業艦隊の軍備として在る自律水中捜索救助装置「プリズ」及び「べステル」の修理・近代化プログラムは完了するとの報告を受けた。

4隻の水中装置「プリズ」は、『クラースノエ・ソルモヴォ』社及び『カノネルスキー工場』で中間修理及び近代化を実施した後、海軍へ復帰している。
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水中装置AS-28黒海艦隊へ、AS-26バルト艦隊へ、AS-30太平洋艦隊へ、AS-34北方艦隊へ復帰した。
2021年に『カノネルスキー工場』北方艦隊水中装置AS-36「べステル」の近代化と修理を完了しなければならない。

自律深海水中捜索救助装置は、高度な近代化と修理が行なわれた。
これは、新たな位置測定システム、水中音響捜索システム、テレビ監視システム、更には、捜索救助作業実施の効率を大幅に向上させる生命保障システムの更新についての話である。

ニコライ・エフメノフ大将は、海軍捜索救助作業サービス部長ダミール・シャイフトジノフ1等海佐へ、水中捜索救助装置の計画修理時期へ常に注意を払う課題を課した。
新たな短期修理スケジュールは、2019年12月に海軍総司令官により承認された。

更に、テレビ通信会議でニコライ・エフメノフ大将は、太平洋艦隊救助船「イーゴリ・べロウソフ」の標準捜索手段に含まれている最新の水中捜索救助装置AS-40「ベステル-1」は、技術的準備の必要な水準に維持されているとの報告を受けた。




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プロジェクト18270「べステル」深海救助装置AS-36は、1989年4月にニジニ・ノヴゴロド市クラースノエ・ソルモヴォ造船所で起工され、1991年春に進水しました。
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1994年8月25日には北方艦隊の基地へ到着し、同年9月20日から11月4日まで白海で工場航行試験と国家受領試験が実施されました。

1994年11月15日にロシア海軍へ納入され、1996年8月9日にセヴェロモスク基地へ到着し、プロジェクト05361救助船「ゲオルギー・チトフ」(1982年12月就役)へ搭載される事になりました。
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しかし、ソ連邦解体後の極度の財政難により満足に稼働できず、2000年8月の原潜「クルスク」爆沈事故の際に出動したものの、何の成果も得られませんでした。

その後も北方艦隊に在籍していました。

2014年6月初頭のAS-36


2017年3月20日にはバレンツ海での捜索救助演習へ参加しました。


2017年4月にも捜索救助演習へ参加しました。
この時には、プロジェクト05360救助船「ミハイル・ルドニツキー」(1978年12月就役)を母船としました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月9日13時58分配信
【救助水中装置AS-36はコラ湾で特殊任務へ取り組んだ】

近代化改装の話は2013年から出ていましたが、2017年12月からサンクトペテルブルク『カノネルスキー工場』で実行に移される事になりました。
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AS-36の近代化改装は2019年末に完了する予定でしたが、結局完了せず、2021年に延期される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊のバチスカーフAS-36の近代化改装は2019年に完了する]

今回、ロシア海軍総司令官エフメノフ提督が「水中捜索救助装置の計画修理時期へ常に注意を払う課題を課した」というのは、要するに、(AS-36の)修理完了時期がこれ以上遅れないように注意しろという事でしょう。

近代化改装されたAS-36は、太平洋艦隊へ配備されている改良型のプロジェクト18271「べステル-1」と同様の能力を有する事になります。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊基地へ到着した]


現在、ロシア海軍には6隻の深海救助装置(バチスカーフ)が在籍しています。
ソ連海軍時代の1980年代後半に建造された4隻のプロジェクト1855「プリズ」は、2008年~2016年に近代化改装が行なわれ、プロジェクト18551にアップグレードされました。

[北方艦隊]
・AS-36(プロジェクト18270)
:1996年就役/2021年に近代化改装完了予定
母船:救助船「ミハイル・ルドニツキー」(プロジェクト05360、1978年12月就役)

・AS-34(プロジェクト18551):1989年11月30日就役/2016年4月に近代化改装完了
母船:救助船「ゲオルギー・チトフ」(プロジェクト05361、1982年12月就役)

[太平洋艦隊]
・AS-40(プロジェクト18271)
2016年2月1日就役
母船:救助船「イーゴリ・べロウソフ」(プロジェクト21300S、2015年12月就役)

・AS-30(プロジェクト18551):1988年11月12日就役/2013年8月に近代化改装完了
母船:救助船「アラゲズ」(プロジェクト537、1989年1月就役)

[黒海艦隊]
・AS-28(プロジェクト18551)
:1986年8月12日就役/2008年3月に近代化改装完了
母船:救助船「コムーナ」(1915年7月就役)

[バルト艦隊]
・AS-26(プロジェクト18551)
:1987年11月25日就役/2010年9月に近代化改装完了
母船:救助船SS-750(プロジェクト141S、1990年6月就役)

ロシア海軍は新型深海作業用バチスカーフを購入する

『タス通信』より
2019年1月10日0時37分配信
【情報筋:(ロシア)海軍は特殊操作を行なう為のバチスカーフの購入を計画している】
モスクワ、1月9日/タス通信

ロシア連邦海軍は、6隻の特殊水中操作を行なう為の透明なバチスカーフの購入を計画している。
水曜日に『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

深海有人装置は、情報提供者によると、『ガスプロム』の発注の下で2022年までに設計局『マラヒート』が作成し、基礎ヴァージョンは海底パイプラインの故障の検査及び除去の為に意図されている。
「ですが、装置にはロシア連邦国防省深海調査管理総局が関心を示しており、このバチスカーフを特殊水中操作を行なう為の手段として見ております」
対談者は話した。

彼によると、「海軍へ引き渡される装置は、3つの艦隊~北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊で任務を遂行する」予定である。
「これらの各艦隊は、少なくとも2隻の装置を受け取ります」
対談者は説明した。

情報提供者は、装置の為の作業は今年に開始されなければならないと述べた。
バチスカーフは様々なマニピュレータを装備し、2500mまでの深度で作業を遂行でき、その乗組員は3名から成る。
「装置は球形であり、透明な船体はアクリル及びチタンであり、電気で動き、最低限一昼夜に渡る作業継続を保障します。
装置を搭載するのは、事実上あらゆる民間船及び軍用船で可能です」

対談者は説明した。

バチスカーフの開発費用は、10億ルーブル以上になる。



今回の記事で取り上げられているバチスカーフは、元々は民間用であり、『ガスプロム』が発注し、『マラヒート』設計局が開発します。

【『ガスプロム』公式サイト】

【『マラヒート』サンクトペテルブルク海洋機械製造局公式サイト】

これにロシア国防省(ロシア海軍)が目を付け、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊向けに計6隻を購入する意向を示しているようです。

新型バチスカーフがどのようなものになるかは現時点では分かりませんが、以前の「ミール」(「ミール-1」「ミール-2」)のようなものになるかもしれません。
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ロシア海軍北方艦隊のバチスカーフAS-36の近代化改装は2019年に完了する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年3月15日15時40分配信
【(ロシア)海軍は軍備として在る全ての救助深海装置の近代化プログラムを完了する】

海軍総司令部は、海軍捜索救助部隊の装備の充実と並行して続けられている捜索・緊急救助業務サービスの軍備として在る全ての救助深海装置の近代化プログラムを殆ど完了している。
この作業の結果、救助深海装置は高度の近代化及び修理を実施し、15年に渡る高レベルの効率の運用が可能となる。

近代化のラインの最後は、近代化作業実施の最終段階に在る救助深海装置プロジェクト18270「べステル」であり、それは2019年に北方艦隊へ引き渡される。

救助深海装置「べステル」は、海底に横たわっている深度720メートルまでの遭難した潜水艦の乗組員へ援助を与えて救助し、更には水中物体の調査と水中技術作業の実施の為に意図されている。

サンクトペテルブルク『カノネルスキー工場』での近代化により、救助深海装置「べステル」の特性は、太平洋艦隊捜索・緊急救助業務サービスへ加わっている同シリーズの第2の装置~プロジェクト18271「べステル-1」が有する特性と同様となる。

ロシア海軍緊急救助支隊の目標の大部分は、現代的な船、艇、深海装置を装備する事に有り、2020年には総数の70パーセント以上に達する。



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プロジェクト18270「べステル」救助深海装置AS-36は、1989年4月にニジニ・ノヴゴロド市クラースノエ・ソルモヴォ造船所で起工され、1991年春に進水しました。

1994年8月25日には北方艦隊の基地へ到着し、同年9月20日から11月4日まで白海で工場航行試験と国家受領試験が実施されました。

1994年11月15日にロシア海軍へ納入され、1996年8月9日にセヴェロモスク基地へ到着し、プロジェクト05361救助船「ゲオルギー・チトフ」(1982年12月就役)へ搭載される事になりました。
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しかし、ソ連邦解体後の極度の財政難により満足に稼働できず、2000年8月の原潜「クルスク」爆沈事故の際に出動したものの、何の成果も得られませんでした。

その後も北方艦隊に在籍していました。

2014年6月初頭のAS-36


2017年3月20日にはバレンツ海での捜索救助演習へ参加しました。


2017年4月にも捜索救助演習へ参加しました。
この時には、プロジェクト05360救助船「ミハイル・ルドニツキー」(1978年12月就役)を母船としました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月9日13時58分配信
【救助水中装置AS-36はコラ湾で特殊任務へ取り組んだ】

近代化改装の話は2013年から出ていましたが、2017年12月からサンクトペテルブルク『カノネルスキー工場』で実行に移される事になりました。

AS-36は、2019年に北方艦隊へ復帰します。

近代化改装されたAS-36は、太平洋艦隊へ配備されている改良型のプロジェクト18271「べステル-1」と同様の能力を有する事になります。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊基地へ到着した]


現在、ロシア海軍には6隻の救助深海装置(バチスカーフ)が在籍しています。
ソ連海軍時代の1980年代後半に建造された4隻のプロジェクト1855「プリズ」は、2008年~2016年に近代化改装が行なわれ、プロジェクト18551にアップグレードされました。

[北方艦隊]
・AS-36(プロジェクト18270)
:1996年就役/2019年に近代化改装完了予定
母船:救助船「ミハイル・ルドニツキー」(プロジェクト05360、1978年12月就役)

・AS-34(プロジェクト18551):1989年11月30日就役/2016年4月に近代化改装完了
母船:救助船「ゲオルギー・チトフ」(プロジェクト05361、1982年12月就役)

[太平洋艦隊]
・AS-40(プロジェクト18271)
2016年2月1日就役
母船:救助船「イーゴリ・べロウソフ」(プロジェクト21300S、2015年12月就役)

・AS-30(プロジェクト18551):1988年11月12日就役/2013年8月に近代化改装完了
母船:救助船「アラゲズ」(プロジェクト537、1989年1月就役)

[黒海艦隊]
・AS-28(プロジェクト18551)
:1986年8月12日就役/2008年3月に近代化改装完了
母船:救助船「コムーナ」(1915年7月就役)

[バルト艦隊]
・AS-26(プロジェクト18551)
:1987年11月25日就役/2010年9月に近代化改装完了
母船:救助船SS-750(プロジェクト141S、1990年6月就役)

ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊の救助船アラゲズへ受け入れられた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年2月2日10時44分配信
【新たな深海装置「ベステル-1」は太平洋艦隊救助部隊の兵器庫へ補充された】

救助深海装置「ベステル-1」AS-40は、2月1日に「アラゲズ」船上へ送り届けられ、太平洋艦隊第79緊急救助支隊の技術的兵器庫へ補充された。
その乗組員は、専門訓練の全過程を経た6名で構成される。

新世代のユニークな「救助者」は、ロシア北西で試験を行なった後、2016年1月初頭にウラジオストクへ到着した。
それは工場製造者及び海軍救助隊の専門家により、ここで組み立てられ、操作へ入った。

新たな救助船「イーゴリ・ベロウソフ」太平洋艦隊へ到着するまで、装置は「アラゲズ」で使用される事が想い起される。

プロジェクト18271「ベステル-1」救助深海装置の作業潜航深度は700メートルである。
その特徴には、最新の装置制御システム、深海での位置決定及び航法の精度、単一自動制御システムの存在、より強力かつ全く新しい推進操舵複合体、新たな誘導システム、遭難した潜水艦への据え付けと結合、潜水艦からの緊急脱出口を通じ、45度までの傾斜でも人員を避難させる事を可能にする現代的な区画への接合方法が含まれる。


プロジェクト18270「ベステル」深海捜索救助装置の2番艇AS-40は、1993年頃にニジニ・ノヴゴロド「クラースノエ・ソルモーヴォ」造船所で起工されました。

しかし、ソ連邦解体後の極度の財政難により1995年には建造工事は中止されました。
(1番艇AS-36は1996年に竣工し、北方艦隊へ配備)

2000年8月の原潜「クルスク」爆沈事故の後、改良型のプロジェクト18271「ベステル-1」として建造が再開される事になり、2000年代前半にサンクトペテルブルクアドミラルティ造船所へ移送され、2009年11月に進水しました。

2013年には係留試験が開始されました。

2014年にはバルト艦隊救助船SS-750で試験が行われ、2015年には本来の母船となる救助船「イーゴリ・ベロウソフ」で本格的な海洋試験が実施され、大西洋へ進出しました。
[ロシア海軍最新救助船(潜水艦救難艦)イーゴリ・ベロウソフは工場航行試験を完了した]

2015年12月25日、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」と共にロシア海軍へ就役しました。
[最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはロシア海軍へ就役した]

2016年1月初頭、輸送機極東へ運ばれ、母船よりも一足先に太平洋艦隊基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊基地へ到着した]
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そして2016年2月1日、AS-40太平洋艦隊救助船「アラゲズ」へ搭載されました。
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「イーゴリ・ベロウソフ」は2016年春にウラジオストクへ回航されますが、それまでは「アラゲズ」AS-40の母船となります。
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ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊基地へ到着した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年1月6日12時15分配信
【捜索-救助装置「ベステル-1」は太平洋艦隊へ送り届けられた】
モスクワ、1月6日-ロシア通信社ノーボスチ

ユニークなロシア深海捜索-救助装置「ベステル-1」は、太平洋艦隊の常時駐屯所へ送り届けられた。
ロシア海軍捜索・事故救助作業サービス部長ダミール・シャイフトジノフ1等海佐は発表した。

深海捜索-救助装置「ベステル-1」は空路で艦隊へ送り届けられた後、ロシア海軍救助船において、遭難した潜水艦乗員の援助の為に使用できる。

「ユニークな深海捜索-救助装置ベステル-1は、国家受領試験を成功裏に経た後、航空隊の軍用輸送機でサンクトペテルブルクから太平洋艦隊へ送り届けられ、太平洋艦隊の捜索・事故救助作業サービスの一員として含まれます」
シャイフトジノフ
の談話をロシア国防省広報サービス・情報管理部は引用した。

彼は、最新船「イーゴリ・ベロウソフ」太平洋艦隊へ回航されるまで、その特性において世界に同じものが無い「ベステル-1」は、太平洋艦隊救助船「アラゲズ」に搭載されて任務を遂行すると説明した。

「深海捜索-救助装置ベステル-1が海軍捜索救助支援部隊の一員として受け入れられた事は、緊急事態に在る潜水艦乗員への援助の可能性を大幅に拡大します」
シャイフトジノフ
は締め括った。

ユニークな深海捜索-救助装置の乗組員は6名で構成される:3名は救助船の船首に在る管理所で潜航する装置を支援し、3名は、潜航及び深海作業中に「ベステル-1」を直接操作する。


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プロジェクト18270「ベステル」深海捜索救助装置の2番艇AS-40は、1993年頃にニジニ・ノヴゴロド「クラースノエ・ソルモーヴォ」造船所で起工されました。

しかし、ソ連邦解体後の極度の財政難により1995年には建造工事は中止されました。
(1番艇AS-36は1996年に竣工し、北方艦隊へ配備)

2000年8月の原潜「クルスク」爆沈事故の後、改良型のプロジェクト18271「ベステル-1」として建造が再開される事になり、2000年代前半にサンクトペテルブルクアドミラルティ造船所へ移送され、2009年11月に進水しました。

2013年には係留試験が開始されました。

2014年にはバルト艦隊救助船SS-750で試験が行われ、2015年には本来の母船となる救助船「イーゴリ・ベロウソフ」で本格的な海洋試験が実施され、大西洋へ進出しました。
[ロシア海軍最新救助船(潜水艦救難艦)イーゴリ・ベロウソフは工場航行試験を完了した]

2015年12月25日、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」と共にロシア海軍へ就役しました。
[最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはロシア海軍へ就役した]
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そして2016年1月初頭、輸送機極東へ運ばれ、母船よりも一足先に太平洋艦隊基地へ到着しました。

「イーゴリ・ベロウソフ」は2016年春にウラジオストクへ回航されますが、それまでAS-40太平洋艦隊救助船「アラゲズ」で運用されるとの事です。

ロシア海軍太平洋艦隊のバチスカーフAS-30は深海試験を完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2014年6月6日13時23分配信
【日本海における深海救助装置AS-30の試験は完了した】

太平洋艦隊捜索救助部隊へ加入している深海救助装置AS-30は、日本海における試験を成功裏に実施した。
深度1000メートルで乗組員は全ての計画活動一式を遂行した。

AS-30は最近、サンクトペテルブルクカノネルスキー造船工場で定期修理と近代化が実施された。
工場での作業中、旧式化した特殊機器は、デジタル世代のシステムと完全に入れ替えられた。

太平洋艦隊緊急救助支隊指揮官リフ・グルシェンコ1等海佐によると、水中物体の捜索及び発見の効率は大幅に増加した。
更に、AS-30の操縦性、処理システム及び救助船の船上へのデータ転送システムは改善された。

深海救助装置AS-30は、遭難した潜水艦の乗組員の救助の為に設計されており、1000メートルまでの深度で様々な作業を遂行する。


ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト1855/18551 AS-30】

プロジェクト1855深海救助装置(バチスカーフ)AS-30ニジニ・ノヴゴロド市クラースノエ・ソルモヴォ造船所で1987年7月に起工され、1988年7月26日に進水、同年12月11日にソ連海軍へ引き渡されました。

就役後は太平洋艦隊へ配備され、救助船「アラゲズ」を母船として活動していました。
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AS-30は、2009年11月6日にタタール海峡で消息を絶ったロシア太平洋艦隊対潜哨戒機Tu-142M3の捜索に参加しています。
[Tu-142墜落事故]

その後、2011年から2013年までサンクトペテルブルクカノネルスキー造船所で近代化改装が行なわれました。
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太平洋艦隊へ配備されている同型のバチスカーフAS-28は、2008年4月に近代化改装を終えています。
[小型潜水艇AS-28、現役復帰]

ロシア海軍は潜水救助機器での遅れを取り戻した

5月5日はロシア海軍「潜水夫の日」です。
1882年5月5日、皇帝アレクサンドル3世の勅命によりクロンシュタット潜水夫学校が創設されました。
その「潜水夫の日」を迎えるに当たり、ロシア通信社ノーボスチは、ロシア海軍の救助作業部門の責任者であるダミール・シャイフトジノフ氏へインタビューを行ないました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年5月4日11時13分配信
【ロシア連邦海軍は救助手段での西側への遅れを殆ど克服した】
モスクワ、5月4日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍は、救助部隊及び事故潜水艦乗員の支援のための手段に関し、高度な西側機器に対する遅れを事実上克服した。
海軍捜索・事故救助作業サービス部長ダミール・シャイフトジノフ1等海佐は、ロシア通信社ノーボスチのインタビューに対し、こう述べた。

10年以上前の原子力潜水艦「クルスク」沈没は、海軍の救助機器が非常に遅れている事を示した。
海軍指導部は、海外の深海遠隔操縦装置「ヴェノム」「タイゲル」の購入と共に、国内の開発者による独自プロジェクトの救助船及び深海装置の作成を決定した。

「救助機器の開発は実用化に向かっており、僕達は、幾つかの遅れていた分野で世界的基準のレベルに達しております。
更なる技術サンプルとして外国の深海潜水複合体が使用されます。
例えば、新たなに建造される救助船イーゴリ・ベロウソフには、DIVEX社の深海潜水複合体が有ります」

シャイフトジノフは話した。

彼によると、この事は、深海潜水の分野において完全に外国へ依存する事を意味しない。
彼は、外国製機器をベースにする事により、海軍が予定している国産複合体の作成を促進し、全ての艦隊が最新の救助手段を装備する過程においてコストが削減される事を指摘した。

「現在、有人潜水装置の国内開発は遅れてはおりませんし、幾つかの点においては外国のカウンターパートより先んじております。
今年には、最新救助潜水装置ベステル-1(公開株式会社「中央設計局ラズリート」が設計し、「アドミラルティ造船所」で建造)の試験が開始されます。
それは、外国のカウンターパートよりも優れた潜水作業能力を有しております」

シャイフトジノフは強調した。
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世界基準に劣っていない例として、シャイフトジノフは国産の潜水機材SVU-5を挙げた。
その作成には、外国製機器の運用経験がフィードバックされており、現在、海軍へ採用されている。


記事中で触れられていますが、北方艦隊原子力潜水艦「クルスク」は2000年8月12日に艦首魚雷室で爆発事故を起こして沈没しました。
118名の乗員を救助する事は出来ませんでした。
[原潜クルスク追悼]
[巡航ミサイル原潜「クルスク」]
[解体されるオスカーII級原潜クルスク]

この件でロシア海軍の潜水艦乗員救助体制の不備が明らかになり、以後、各種の対策が講じられる事になりました。

まず最初に、外国製の深海作業用無人機が幾つか購入されました。

深海遠隔操縦装置「ヴェノム」
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深海遠隔操縦装置「タイゲル」(タイガー)

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今回の記事には名前が出ていませんが、この他に「パンテラ-プリュス」(パンサー・プラス)も購入されました。
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これらの深海遠隔操縦装置は、ロシア海軍各艦隊の潜水艦救助船に配備されました。

太平洋艦隊の救助船「アラゲズ」
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黒海艦隊の救助船「コムーナ」

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その一方で、新たな潜水艦救助船の建造も開始されました。
[新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水]

「タイゲル」「パンテラ-プリュス」は、2009年11月の対潜哨戒機Tu-142墜落事故においてタタール海峡で使用されています。
[Tu-142墜落事故(旧ブログ)]

2012年1月初頭には黒海艦隊救助船支隊が創設されました。
[黒海艦隊に救助船部隊が創設された]

記事の最後に登場する「潜水機材SVU-5」は、潜水服です。
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ダミール・シャイフトジノフ氏は、今年末までに10隻の救助船、救助艇、救助曳船ロシア海軍へ引き渡されると述べています。
並行してロシア海軍現用深海潜水艇の近代化も実施されています。
[ロシア海軍は2013年に10隻の救助船と救助艇を受領する]

原子力潜水艦「クルスク」爆沈事故から10年以上の歳月を経て、ロシア海軍の努力は実を結びつつあります。
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北方艦隊の救助訓練

深海潜水艇(バチスカーフ)AS-12

ソ連/ロシア海軍プロジェクト1839救助深海装置(バチスカーフ)AS-12
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[ロシア/ソ連のバチスカーフ(深海潜水艇)と幻(妄想)の海底戦車]

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト1839・AS-12】

1977年2月、ゴーリキー(現ニジニ・ノヴゴロド)造船工場「クラースノエ・ソルモヴォ」で起工。
1979年1月30日に進水、1979年6月29日にソヴィエト連邦海軍へ引き渡されました。

1980年12月10日に赤旗太平洋艦隊の編制へ加入し、救助船「ゲオルギー・コジミン」を母船としてウラジオストク南端のウリス湾に配備されました。

救助船「ゲオルギー・コジミン」
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1983年には大韓航空機撃墜事件で撃墜され、海底200メートルに沈んだ大韓航空ボーイング747旅客機の探索に参加しました。

2004年、ロシア海軍の編制から除籍されました。


そして、2009年以降はウリス湾の岸壁で放置されています。
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AS-12が置かれているのは、ウリス湾のこの場所(画面の真ん中)です。
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ウリス湾には、ディーゼル潜水艦などが駐留しています。
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[ウリス湾(ウラジオストク)近影]

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