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ロシア海軍北方艦隊第10次北極遠征部隊の航跡(2021年8月10日~10月14日)

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ロシア北方艦隊は、2012年以降、毎年北極圏への遠距離航海を行なっています。

2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]

2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]

2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」


2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]

演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。


2016年8月30日~10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]

2017年8月10日~10月4日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]

2018年8月8日~10月11日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
この時にはオホーツク海まで進出し、極東のロシア連邦軍大演習『ヴォストーク-2018』にも参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月)]

2019年8月5日~9月30日には、前回同様大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が、8度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]

2020年8月5日~10月20日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が9度目の北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2019年8月-10月)]


そして、通算10度目となる北極圏への遠距離航海は2021年8月10日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は10回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年2019年2020年北極遠征と同様、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


8月16日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、フランツ・ヨシフ諸島南方でロシア境界線警備隊プロジェクト22100境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」(2016年12月15日就役)と合同演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはフランツ・ヨシフ諸島沖で境界線上警備艦ポリャールナヤ・ズヴェズダーと合同演習を行なった]

境界線警備隊との演習終了後にフランツ・ヨシフ諸島沖を離れ、ノルウェー海北東で演習を行なっているNATO海軍部隊を監視しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海北東でNATO海軍部隊の行動を監視している]

その後、北極遠征部隊は東進し、9月初頭には北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」テロリストから防衛する為の演習を実施しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月6日12時15分配信
【バレンツ海で北方艦隊の艦・支援船支隊はロシア経済活動の安全を保障する演習を実施した】

その後、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセツ」が合流した北極遠征部隊エニセイ川を南下し、9月7日にドゥディンカ港へ到着しました。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月7日16時0分配信
【北方艦隊北極グループはドゥディンカへ到着した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月7日22時0分配信
【ドゥディンカで北方艦隊船員は歓迎された】

北極遠征部隊の旗艦・大型対潜艦「セヴェロモルスク」ドゥディンカで一般公開されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月8日20時0分配信
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」はタイミル住民が訪れる為に開放された】

9月9日にはテロリストに占拠されたドゥディンカ港を解放するという想定下の演習が実施されました。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月9日22時30分配信
【北方艦隊将兵は北極の海上港の解放へ取り組んだ】

9月12日には北方艦隊チーム地元チームホッケーの試合が行なわれました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月12日16時0分配信
【北方艦隊将兵はタイミルのチームとホッケー競技を行なった】

9月13日には北方艦隊合唱団によるコンサートが開催されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月13日16時51分配信
【北方艦隊の歌と踊りのアンサンブルはドゥディンカ住民の為のコンサートを開催した】

一方、ドゥディンカ港では停泊する艦船を水中工作員から防衛する演習が行なわれました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月13日18時25分配信
【北方艦隊北極グループの戦闘泳者はエニセイ川で対水中工作演習を行なった】

ドゥディンカで一般公開された大型対潜艦「セヴェロモルスク」には地元住民3000名以上が訪れました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月14日11時0分配信
【3000名以上のタイミル沿岸住民がドゥディンカの大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上へ到着した】

9月15日にドゥディンカ港を出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月15日14時23分配信
【北方艦隊艦支隊はドゥディンカ港から出た】

9月18日にはラプテフ海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月18日22時10分配信
【北方艦隊の艦・支援船支隊はラプテフ海へ入った】

9月21日にノヴォシビルスク諸島へ到着し、コテリヌイ島沖に投錨停泊しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月21日14時30分配信
【北方艦隊北極グループはノヴォシビルスク群島へ到着した】

9月25日~27日にはコテリヌイ島への上陸演習を行ないました。
同時に、コテリヌイ島に駐留する地対艦ミサイル部隊(バスチオン)高射部隊(パーンツィリ-S1)の迎撃演習も行なわれました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月25日14時45分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海エリアの島嶼を保護する為の特殊戦術絵集を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月27日12時15分配信
【北方艦隊北極グループはヤクーチア沿岸で演習を実施した】

9月29日にはサハ共和国(ヤクーチア)チクシ村海軍歩兵部隊の上陸演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月29日12時50分配信
【北方艦隊北極グループはヤクーチアへ海上揚陸部隊を上陸させた】

その後、北極遠征部隊北極海を西進し、支援船2隻(「セルゲイ・オシポフ」「パミール」)は10月14日に帰投しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月14日15時29分配信
【北方艦隊水上部隊の10回目の北極航海は完了した】
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ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海北東でNATO海軍部隊の行動を監視している

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年8月20日16時15分配信
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」はフランツ・ヨシフ諸島から南西へ進路を取った】

北極で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」と合同演習を実施したフランツ・ヨシフ諸島沿岸から南西へ進路を取った。
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北方艦隊の部隊と手段は、北極北東でのNATO連合海軍部隊の艦の行動を監視する活動を続けている。

以前、NATO連合海軍部隊の何隻かの艦は、サンクトペテルブルク及びクロンシュタット主要海軍パレードへ参加し、恒久駐留所へ移動する段階の北方艦隊の艦への関心の高まりを示した。

大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、現在、ノルウェー海北東部で計画外の合同対空防衛演習を行なっているNATO連合海軍部隊の監視を行なっている。

この演習には更に、8月10日から16日まで駐屯基地ロタ(スペイン)からノルウェー海への移動を行なったアメリカ合衆国海軍誘導ロケット駆逐艦「アーレイ・バーク」も参加している。
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北極におけるロシア連邦の利益の保護へ指向される複合活動実行の枠組みでの大型対潜艦「セヴェロモルスク」の今次北極航海は、8月10日に始まった。
航海は約2ヶ月間続き、北方海上航路海域を含む北氷洋の海の通行が計画されている。

北方艦隊将兵は、北極ロシア及び大陸を防衛する幾つかの演習へ参加し、北極ゾーンにおけるロシア連邦の海上船舶航行及び他の種類の海上経済活動の安全を保障する。



通算10度目となる北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2021年8月10日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は10回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年2019年2020年北極遠征と同様、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


8月16日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、フランツ・ヨシフ諸島南方でロシア境界線警備隊プロジェクト22100境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」(2016年12月15日就役)と合同演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはフランツ・ヨシフ諸島沖で境界線上警備艦ポリャールナヤ・ズヴェズダーと合同演習を行なった]

その後、フランツ・ヨシフ諸島沖を離れ、ノルウェー海北東で演習を行なっているNATO海軍部隊を監視しています。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはフランツ・ヨシフ諸島沖で境界線上警備艦ポリャールナヤ・ズヴェズダーと合同演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年8月16日15時0分配信
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」と境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」は北極圏で合同演習を実施した】

北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」ロシア連邦保安庁境界線部隊境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」の乗組員は、バレンツ海フランツ・ヨシフ諸島南方の西北極海域で合同演習を実施した。
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北方艦隊艦支隊指揮官アレクサンドル・イェゼーエフ1等海佐が指摘したように、西北極海域におけるロシア連邦保安庁境界線部隊との合同演習では、ロシア連邦の主権の拡張海域で外国の艦船の無許可通行を防ぐ戦術演習のエピソードへ取り組んだ。

活動中、大型対潜艦「セヴェロモルスク」境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」の乗組員は、北方艦隊艦船支隊の一員として行動している救助曳船「パミール」が役割を演じた仮想侵犯船の行動を防ぐ為の合同行動を改善した。
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演習計画によると。外国船ロシア境界線へ向かい、問いかけには応答せず、軍及び境界線部隊の要求に答えなかった。

空中偵察を行ない、仮想侵犯船の位置を明確にする為、大型対潜艦「セヴェロモルスク」境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」の艦上から2機のヘリコプターKa-27が上がった。
ロシア連邦境界線側への移動停止の要求を「侵犯船」が相変わらず無視した後、ロシア船員境界線警備隊は、移動コースへの警告砲撃で「侵犯者」を強制的に停止させた。

演習の枠組みにおいて北方艦隊将兵は更に、大型対潜艦「セヴェロモルスク」から「侵犯船」高速艇臨検グループを差し向ける行動へ取り組んだ。

北方艦隊船員は、北極海の航海中、定期的に境界線警備隊の同僚との連携へ取り組む。
合同活動中、ロシア連邦の経済施設の安全を保障し、更には危機的状況が発生した場合の解決という問題へ特別な注意が払われる。

北氷洋海域における北方艦隊北極グループの次の10回目の航海は8月10日に始まった。
北方艦隊将兵は、北極ロシア及び大陸を防衛する幾つかの演習へ参加し、北極ゾーンにおけるロシア連邦の海上船舶航行及び他の種類の海上経済活動の安全を保障する。



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ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。

2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]

2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]

2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」


2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]

演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。


2016年8月30日~10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]

2017年8月10日~10月4日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]

2018年8月8日~10月11日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
この時にはオホーツク海まで進出し、極東のロシア連邦軍大演習『ヴォストーク-2018』にも参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月)]

2019年8月5日~9月30日には、前回同様大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が、8度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]

2020年8月5日~10月20日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が9度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2020年8月-10月)]

北方艦隊は2021年1月1日からロシア連邦軍軍管区となりました。
[ロシア海軍北方艦隊は2021年1月1日からロシア連邦軍の軍管区となった]


そして2021年8月10日、10度目となる北極圏への遠距離航海が始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は10回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年、2019年、2020年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
gorbev.jpg

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


8月16日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、フランツ・ヨシフ諸島南方でロシア境界線警備隊プロジェクト22100境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」(2016年12月15日就役)と合同演習を行ないました。
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ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は10回目の北極圏航海へ出発した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年8月10日14時45分配信
【北方艦隊の北極グループは北氷洋の海への航海に出発した】

北方艦隊北極グループは、北氷洋の海への航海に出発した。
この活動は10年間連続で実施されている。
航海は、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将の将旗の下で行なわれる。

午前、北極航海へ参加する部隊の北方艦隊主要基地セヴェロモルスクからの出航はコラ多種戦力小艦隊掃海艦グループにより保障され、コラ湾を通過し、バレンツ海で航行隊列を形成した。
更に、艦・支援船支隊は北へ進路を取った。

北極航海の第1段階では、艦・支援船支隊の一員として大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船「パミール」給油船「セルゲイ・オシポフ」が行動する。

航海へ出るまでの数日間、艦船の乗組員はバレンツ海で整然とした合同行動へ取り組んだ。
船員は通信演習を行ない、そして更には一連の物資-技術支援、遭難した船へ援助を与える演習を行なった。
これに加え艦船の乗組員は、海上移動及び無防備の泊地での支隊の対空、対潜、対水中工作防衛の課題へ取り組んだ。

北方艦隊の艦と支援船の今次北極航海は、北極におけるロシア連邦の利益の防護の保障へと指向される複合活動実行の枠組みで行なわれる。
航海の様々な段階では、大型揚陸艦を含む8隻の艦及び支援船が北方艦隊支隊の一員として行動する。

北方艦隊艦・支援船支隊の航海は、約2ヶ月間続き、北方海上航路海域を含む北氷洋の海の通行が計画されている。

北方艦隊将兵は、北極ロシア及び大陸を防衛する幾つかの演習へ参加し、北極ゾーンにおけるロシア連邦の海上船舶航行及び他の種類の海上経済活動の安全を保障する。



18-0808c.jpg
ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。

2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]

2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]

2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」


2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]

演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。


2016年8月30日~10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]

2017年8月10日~10月4日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]

2018年8月8日~10月11日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
この時にはオホーツク海まで進出し、極東のロシア連邦軍大演習『ヴォストーク-2018』にも参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月)]

2019年8月5日~9月30日には、前回同様大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が、8度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]

2020年8月5日~10月20日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が9度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2020年8月-10月)]

北方艦隊は2021年1月1日からロシア連邦軍軍管区となりました。
[ロシア海軍北方艦隊は2021年1月1日からロシア連邦軍の軍管区となった]


そして2021年8月10日、10度目となる北極圏への遠距離航海が始まりました。
指揮官は、2018年、2019年、2020年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


出航時にはこの3隻でしたが、今後、北方艦隊大型揚陸艦などが合流します。