ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは遠距離航海を終えて母港セヴェロモルスクへ帰投した
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年12月1日19時45分配信
【遠距離航海任務の遂行を完了した北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はセヴェロモルスクへ到着した】
北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は遠距離航海任務の遂行を完了し、本日(12月1日)午前に恒久駐留所~セヴェロモルスク市へ到着した。
コラ湾への進入と艦の埠頭への係留は、強い風と波という困難な水文気象条件下で行なわれた。
乗組員と係留チームは泊地曳船と共に埠頭で整然と行動し、北方艦隊の軍楽隊の演奏下で安全に艦を係留した。
航海指揮官スタニスラフ・ワリク1等海佐が北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ大将へ与えられた任務の遂行に関して報告する式典は午後に行なわれた。
艦隊司令官は祖国の基地へ到着した船員を祝福し、艦長スタニスラフ・ロシュチュプキン2等海佐へ伝統的な子豚の丸焼きを贈り、更には顕著な功績を挙げた大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船」「アルタイ」と中型海洋給油船「アカデミック・パシン」の乗組員代表を表彰した。
遠距離航海の終了へ捧げられる会合には、閉鎖行政区域セヴェロモルスクのトップの予備2等海佐オレグ・プラソフ、地元の戦闘行動・軍勤務退役軍人評議会の代表、更には艦の婦人評議会の代表が参加した。
式典の終わりに、コラ多種戦力小艦隊の連合部隊の将兵が北方艦隊司令官の前で行進を行なった。
5ヶ月間続いた遠距離航海中、5人の女の子と4人の男の子が将兵の9家庭で誕生した。
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の上級水兵ドミトリー・コスタイリョフには娘が生まれ、多くの子供の父親となった。
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の遠距離航海は、セヴェロモルスクから出航した6月28日に始まった。
艦の乗組員はクロンシュタットの主要海軍パレードへ参加し、その完了後、大西洋での北方艦隊の軍部隊管理の指揮参謀演習中に実地行動の各々のエピソードへ取り組んだ。
8月18日から9月23日まで北方艦隊将兵は、地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として任務を遂行した。
この間、彼らはアルジェリア、シリア、キプロスを訪問し、更に海上移動中に艦支隊の様々な種類の一連の防衛演習を行ない、仮想敵潜水艦の捜索へ取り組んだ。
10月に北方艦隊将兵は、大西洋のギニア湾のアフリカ沿岸で民間船舶航行の安全を保障した。
彼らは何隻かの民間船を検査し、パナマのコンテナ船「ルチア」の先導の安全を保障し、海賊がウクライナ、ロシア、ルーマニアの市民から成る乗組員を捕える試みを阻止した。
基地から出航して以来、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は28000海里以上を航行し、5ヶ所の外国港を訪れた。
ロシア北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役/2010年12月7日再就役)は、2021年6月中旬にバレンツ海で戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対空戦闘訓練を実施した]
その後、北方艦隊の最新鋭大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」(2020年12月23日就役)と共にバレンツ海へ出航し、各種訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは海軍歩兵部隊の乗船訓練を実施し、バレンツ海へ出航した]
2021年6月28日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を含む北方艦隊艦船部隊は、『ロシア海軍の日』(7月の最終日曜日)にクロンシュタット泊地で行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、セヴェロモルスクを出航し、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の水上艦はバルト海へ向かった]
7月11日にクロンシュタットへ到着しました。
[2021年7月25日のクロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する北方艦隊の大型水上艦は現地へ到着した]
7月25日の『ロシア海軍の日』にクロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。
観艦式が終わった後、北方艦隊の艦はクロンシュタットを去り、バルト海を出て北東大西洋へ入りました。
8月4日から北方艦隊の指揮-参謀訓練が始まり、クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加し、基地へ戻る途中の北方艦隊の水上艦も北東大西洋で演習へ参加しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加した北方艦隊の水上艦は北東大西洋で演習を開始した]
主要海軍パレード及び指揮-参謀訓練へ参加した北方艦隊の水上艦~ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は、8月11日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットとサンクトペテルブルクの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加した北方艦隊の水上艦は母港セヴェロモルスクへ帰投した]
しかし、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と支援船(救助曳船「アルタイ」と給油船「アカデミック・パシン」)はセヴェロモルスクへ戻らず、グレートブリテン島北東のマレー湾に投錨停泊しました。

『MarineTraffic.com』より
【アカデミック・パシン】
8月11日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と支援船はマレー湾を去り、遠距離航海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはグレートブリテン島北東沖から去り、遠距離航海へ出発した]
8月12日には、同じく主要海軍パレードへ参加した後にバルト海から出た太平洋艦隊のプロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」(2020年12月29日就役)及び黒海艦隊のプロジェクト12700対機雷防衛艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」(2019年12月28日就役)が合流し、8月13日に英仏海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフと太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"と黒海艦隊の対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフは英仏海峡へ入った]

8月18日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
「グレミャーシチー」と「ウラジーミル・イェメリヤノフ」については触れられていませんが、おそらくは一緒に地中海へ入ったようです。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
8月23日にアルジェリアのアルジェ港を訪問しました。


[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェ港を訪れた]
8月25日にアルジェ港を出港し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェ港を去り、地中海東部へ向かった]


その後は地中海東部で行動し、9月中旬にキプロスのリマソール港へ物資補充の為に寄港し、9月16日に出航しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月16日8時50分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はキプロスで備蓄を補充した】

更にシリアのタルトゥース港へ寄港した後、地中海を西進し、9月23日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月23日15時8分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は大西洋へ入った】
9月25日には大西洋上で潜水艦の捜索訓練を行いました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月25日12時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は大西洋上で潜水艦の捜索へ取り組んだ】


その後、大西洋中部に位置する島国カーボベルデへ寄港し、10月1日に出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月1日20時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はカーボベルデへの業務寄港を完了した】
なお、2014年3月のウクライナ危機の際に日本でも有名になったナタリヤ・ポクロンスカヤは、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」が出航した後の2021年10月13日にカーボベルデのロシア連邦特命全権大使に任命されています。
カーボベルデは、2016年11月にロシアと艦船寄港簡略化協定を締結しています。
つまり、ロシア海軍の艦船は何時でも自由にカーボベルデへ寄港できます。
[ロシア海軍艦船のカーボベルデへの寄港手続きは簡略化される]
「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」支隊は大西洋を南下し、10月5日にはアフリカ沖で捜索救助演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月5日22時15分配信
【北方艦隊将兵はアフリカ沿岸で救助演習を実施した】
10月6日にギニア湾へ入り、同海域のパトロールを開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月6日18時45分配信
【北方艦隊将兵はギニア湾で船舶航行の安全を保障する】
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月11日19時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はアフリカ沿岸で船舶航行の安全保障を開始した】
10月13日には海賊に乗っ取られた船を解放する訓練を行ないました。
給油船「アカデミック・パシン」が乗っ取られた船を演じました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月13日11時30分配信
【北方艦隊将兵はギニア湾で海賊に乗っ取られた船を解放する演習を実施した】


10月19日に赤道ギニアのマラボ港へ寄港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月19日19時55分配信
【北方艦隊艦船支隊はマラボ港~赤道ギニア首都への業務寄港を行なった】
そして10月26日にギニア湾で海賊に乗っ取られたパナマ船籍のコンテナ船を解放しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ、ギニア湾で海賊に乗っ取られたコンテナ船を解放(2021年10月26日)]
11月1日にギニア湾を去りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月1日16時45分配信
【北方艦隊艦船支隊はギニア湾での対海賊任務を完了した】
その後、再びカーボベルデへ寄港し、11月8日に出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日22時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」率いる北方艦隊艦船支隊はプライア港への業務寄港を完了した】
11月12日には大西洋上で対空戦闘訓練を行いました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月12日19時30分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は大西洋で仮想敵の攻撃を撃退した】
11月16日にはビスケー湾を通過しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月16日19時30分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は遠距離航海の最終段階へ着手した】
11月17日には英仏海峡(ラ・マンシュ海峡)へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月17日23時30分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はラ・マンシュ海峡へ入った】
11月19日に北海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月19日15時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」率いる北方艦隊の艦・支援船支隊は北海へ入った】
その後、ノルウェー海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月22日23時10分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は嵐の条件下でノルウェー海の通行を行なった】
「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」に同行していた救助曳船「アルタイ」は、一足先に11月26日にセヴェロモルスクへ帰投しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月26日21時0分配信
【救助曳船「アルタイ」は大西洋の遠距離航海からセヴェロモルスクへ戻ってきた】
11月28日、給油船「アカデミック・パシン」がムルマンスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月28日21時30分配信
【給油船「アカデミック・パシン」乗組員は大西洋の遠距離航海からムルマンスクへ到着した】
一方、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はノルウェー海で戦闘訓練を行なっており、その完了後、11月30日にバレンツ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはノルウェー海での戦闘訓練を終えてバレンツ海へ入った]
翌12月1日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
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