ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦イワン・グレンはコラ湾沿岸で装甲兵員輸送車の積載訓練を行なった
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年5月21日15時38分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の乗組員は沿岸からの海軍歩兵の戦闘車両の積載へ取り組んだ】
北方艦隊の大型揚陸艦「イワン・グレン」の乗組員は、沿岸からの海軍歩兵の戦闘車両の積載へ取り組んだ。
演習はバレンツ海のコラ湾のグリャズナヤ入り江で行なわれた。
それには、北方艦隊の独立海軍歩兵旅団の装甲兵員輸送車BTR-80及びBTR-82Aが関わった。

大型揚陸艦「イワン・グレン」は沿岸へ接近し、「支点」方式で車両の積載を行ない、これらの装甲兵員輸送車は艦首傾斜路を通過して後進で艦の船倉へ乗り入れた。

演習中、装甲兵員輸送車の運転手は、艦の中甲板への乗り入れと、そこから沿岸への退出へ何度か取り組んだ。

揚陸部隊の積載後、「イワン・グレン」はバレンツ海へ入り、そこで乗組員は艦の防衛行動へ取り組み、高速ボートに乗った仮想敵破壊工作部隊の攻撃を撃退した。
1ヶ月前、大型揚陸艦「イワン・グレン」は北方艦隊海軍歩兵との合同演習へ参加し、仮想過激派に乗っ取られた北極の経済活動の為のロシア海上施設(曳航プラットフォーム)を解放する作戦が行なわれた。
この活動は、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の総指揮の下で実施された北極の危機的状況を解決する為の兵種間指揮参謀演習の最終段階に行なわれた。
海軍歩兵部隊は、警報を発し、揚陸艦へ到着し、仮想海上施設へ乗り移り、臨検作戦と武装した仮想過激派の無力化へ取り組んだ。
プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]
進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]
ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]
「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]
「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期され、2016年5月末開始予定も延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]
6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]
6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]
6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]
8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。



その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]
フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」はバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]
しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。
「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。
「イワン・グレン」は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。

2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動し、6月上旬に洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]
その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。
7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]
その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海でAK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】
10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】
11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】
その後、国家試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】
12月22日までにバルト海で30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲と30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】
「イワン・グレン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、艦の後進の制御に問題が有る事が判明した為、またもや引き渡しが延期されました。
[最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年春以降になる]
2018年4月3日、「イワン・グレン」は国家試験を再開する為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは洋上試験再開の為にバルト海へ出航した]
5月4日までに試験は完了し、カリーニングラード造船所へ戻ってきました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は完了した]
その後は造船所で検査が行なわれ、6月2日に完了しました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ引き渡す前の検査を完了した]
そして2018年6月20日、「イワン・グレン」はロシア海軍へ納入され、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催されました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
2018年10月22日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
「イワン・グレン」は北方艦隊の第121揚陸艦旅団へ編入されました。
その後の動向は明らかにされていませんが、2021年4月にはポリャールヌイの『第10艦船修理工場』で修理が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新大型揚陸艦イワン・グレンは修理を行なう]
修理を終えた「イワン・グレン」は4月24日にバレンツ海へ出航し、対テロ演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバレンツ海で対テロ演習を行なった]
就役時には「イワン・グレン」の舷側番号は「135」でしたが、最近「010」に変更されました。

2021年5月21日にはコラ湾のグリャズナヤ入り江(サフォノヴォ)で装甲兵員輸送車の積載訓練を行ないました。


2番艦「ピョートル・モルグノフ」は2015年6月11日に起工され、2018年5月25日に進水、2020年12月23日にロシア海軍へ引き渡され、北方艦隊の第121揚陸艦旅団へ編入されました。
[プロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
2021年1月30日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
以前にはプロジェクト11711の建造は「イワン・グレン」と「ピョートル・モルグノフ」の2隻で終了する予定でしたが、その後、一転して2隻が追加建造される事になりました。
[ロシア海軍の為に2隻のプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)が追加建造される]
そして2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」と「ワシーリー・トルシン」の2隻が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]
この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する]
「ウラジーミル・アンドレーエフ」と「ワシーリー・トルシン」は太平洋艦隊へ配備されます。
『イズベスチヤ』より
2019年6月5日0時1分配信
【太平洋からクリルへ:新たな「揚陸艦」は極東の境界を強化する】