ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはオーバーホールを行ない、2021年末に復帰する

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年12月22日9時31分配信
【情報筋:駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」の北方艦隊への復帰が決定された】
ロシア連邦国防省は、北方艦隊のプロジェクト956駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」を更に数年間維持するという原則的決定を下した。
12月22日・火曜日に『イズベスチヤ』が軍当局の情報提供者の談話の引用して報じたように、艦は修理の後、2021年末には海上へ復帰しなければならない。
2018年の航海の後、技術的問題が発生したが故に「アドミラル・ウシャコーフ」の運用は停止された事が想い起こされる。
その除籍の話さえ有った。
駆逐艦の修理は、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の専門技術者により行なわれる。
同艦は、エンジン、主要ユニット、機構を更新しなければならない。
『イズベスチヤ』によると、電子システムも部分的に交換される。
駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」は1988年にレニングラードのジダーノフ記念第190造船工場(現『北方造船所』)において、「ベッストラーシヌイ」の名で起工された。
1991年に進水し、1993年に艦は艦隊へ加わった。
2004年には「アドミラル・ウシャコーフ」の名を受けた。
プロジェクト956駆逐艦の満載排水量は7940トン、最大長-156.5メートル、吃水-5.96メートル。
兵装構成は、130mm砲及び30mm砲、対艦ミサイル及び高射ミサイル、魚雷発射管と深海爆弾である。
艦上にはヘリコプターKa-27が駐留する。
[ソブレメンヌイ級17番艦アドミラル・ウシャコーフ(旧ベッストラーシヌイ)]
ソ連/ロシア海軍向けのプロジェクト956駆逐艦の最終艦(17番艦)となった「ベッストラーシヌイ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)のジダーノフ記念造船工場(現『北方造船所』)で1988年4月16日に起工され、1991年12月28日に進水、1994年4月17日に就役、北方艦隊の第7大西洋作戦戦隊の第56駆逐艦旅団へ編入されました。
1995年5月6日から9日までノルウェーのオスロを訪問しました。
1995年12月21日から翌1996年3月22日まで行なわれた重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征へ同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第1次地中海遠征(1995年12月-1996年3月)]



1997年9月下旬にイギリスのポーツマスを訪問しました。

1998年5月1日には第43ロケット艦師団へ転属しました。
1998年夏に荒天下の海上を航行中、蒸気タービン機関のボイラーが故障しました。
2000年から2004年までセヴェロドヴィンスクの艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』でオーバーホールが行なわれました。

2004年6月29日付で「アドミラル・ウシャコーフ」と改名されました。
2004年10月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の北東大西洋遠征へ同行しました。
以後は遠距離航海には参加していませんが、時々バレンツ海へ出て演習を行なっていました。
2015年7月初頭にバレンツ海で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で砲撃演習を行なう]
2016年6月8日からバレンツ海で砲撃訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で砲撃訓練を実施した]
2016年8月15日にも砲撃訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦と大型対潜艦はバレンツ海で砲撃訓練を行なった]
2017年8月24日、「アドミラル・ウシャコーフ」はバレンツ海で130mm砲による対空射撃及び機雷掃討訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で130mm砲の射撃訓練を行なった]
2017年8月26日には沿岸目標への対地砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフは対地砲撃訓練を実施した]
2017年9月14日から始まった北方艦隊の演習にも参加しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]
2017年9月15日には、北方艦隊の艦上戦闘機Su-33が「敵役」となり、Su-33の航空攻撃を撃退する演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海の演習で艦上戦闘機Su-33の攻撃を撃退した]
2017年9月18日、「ピョートル・ヴェリキー」と共にルイバチー半島近辺で海上標的と沿岸目標へ130mm砲による砲撃を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはルイバチー半島付近で130mm砲の砲撃訓練を行なった]
2017年9月19日にはバレンツ海の海上標的へ対艦ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の水上艦と原子力潜水艦はバレンツ海で超音速対艦ミサイルを発射した]
2017年9月20日には高射ミサイル及び艦砲によりミサイル標的を撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海の演習で対艦ミサイルを撃墜した]
北方艦隊の水上艦部隊は2018年4月にバレンツ海で演習を実施しましたが、この時には「アドミラル・ウシャコーフ」は参加しませんでした。
2018年5月26日、「アドミラル・ウシャコーフ」はバレンツ海へ出航し、AK-130 130mm連装砲による対空砲撃及び機雷掃討訓練などを実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で130mm連装砲を発射した]
2018年5月28日にはバレンツ海の沿岸目標へ2基のAK-130 130mm連装砲(合計4門)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフは地上目標へ130mm連装砲を発射した]
その後、2018年6月13日から始まった北方艦隊の大演習へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大演習がバレンツ海で始まった]
[ロシア海軍北方艦隊の大演習はバレンツ海で続けられている]
2018年6月22日、小型ロケット艦から発射されたミサイル標的を高射ミサイル複合体「ウラガーン」により撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で高射ミサイルを発射した]
2018年6月23日、「アドミラル・ウシャコーフ」はバレンツ海で超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で超音速対艦ミサイル"モスキート"を発射した]
2018年7月29日の『ロシア海軍の日』には、セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
2018年8月18日にバレンツ海で砲撃訓練を行ない、AK-130 130mm連装砲及びAK-630M 30mmガトリング砲を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で130mm連装砲と30mm機関砲の実弾射撃を行なった]
その後は海上へ出る事は無く、2019年春には、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の傘下に在るムルマンスクの『第35艦船修理工場』の岸壁へ回航されました。

しかし、『第35艦船修理工場』では重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事が優先された為か、「アドミラル・ウシャコーフ」の修理は棚上げされました。
2020年12月下旬になって、ようやく「アドミラル・ウシャコーフ」を修理後に現役復帰させる事が決まりました。