ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で機雷掃討訓練を実施した
- カテゴリ:ネウストラシムイ型警備艦

『PortNews』より
2023年6月11日12時9分配信
【警備艦「ネウストラシムイ」はバルト海で浮遊機雷の回避と破壊へ取り組んだ】
戦闘訓練計画に沿って、バルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」はバルト海の海上射爆場で一連の戦闘演習任務を遂行している。
西方軍管区広報サービスは発表した。
演習の第1段階の枠組みで、乗組員は浮遊機雷の回避と、砲複合体の助力によるその破壊へ取り組んだ。
次の段階で艦は、海上目標への砲射撃を行ない、更には対空防衛へ取り組む。
これに加え、海上への出航の枠組みで、乗組員は艦のダメージコントロール、海上訓練、対機雷防護、無防備の泊地へ停泊中の艦の保護と防衛の要素へ取り組む。


プロジェクト11540警備艦の1番艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で1987年3月25日に起工され、1988年5月25日に進水し、1990年12月28日にソ連海軍へ納入されました。
1991年3月14日にバルト艦隊へ編入されましたが、正式な就役式典となる海軍旗初掲揚式典が開催されたのは、ソ連邦解体後の1993年1月24日でした。
就役前の「ネウストラシムイ」(1991年11月)

就役後、1994年、2002年、2004年、2006年、2007年にNATO海軍との合同演習『BALTOPS』へ参加しました。
2003年にはロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンのイギリス訪問に同行し、ロンドンを訪れました。
2004年8月~9月には、初の地中海遠征を行ない、この間にフランス、スペイン、ポルトガルを訪問しました。
警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。

[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]
2008年のアデン湾海賊対処任務の際に「ネウストラシムイ」が捕獲したソマリア海賊のボート

そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]
2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。


[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]
2011年6月にはデンマークのコペンハーゲンを訪問しました。
2012年7月から9月に掛けて北方艦隊の大型揚陸艦と共に地中海へ派遣されました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]
その後、オーバーホールが行なわれました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は長期航海の為に修理を実施する]
「ネウストラシムイ」は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰投しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]

その後、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所へ回航され、修理および部分的な近代化改装(一部の電子機器の換装)が始まりました。
ガスタービン機関は、サマーラの工場で修理されました。
[ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される]
当初、「ネウストラシムイ」は2015年末までに復帰する計画でしたが、2016年末、そして2017年11月と何度も延期される事になりました。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2016年末に復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2017年11月に復帰する]
「ネウストラシムイ」の舷側番号は、就役以来「712」でしたが、2017年春頃に「772」へ変更されました。

2018年2月14日14時30分頃(モスクワ時間)、『ヤンターリ』で修理中の「ネウストラシムイ」で火災が発生しました。
火災は同日16時31分に鎮火しました。
消火には54名の消防隊員と15両の消防車が参加し、負傷者は居ませんでした。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日20時54分配信
【緊急事態省:警備艦「ネウストラシムイ」の火災は2時間で消し止められた】
「ネウストラシムイ」の修理完了は、2019年に延期される事になりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を完了する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を終えて復帰する]
そして結局、2019年中の修理完了も実現せず、翌2020年に延期される事になりました。
[修理中の警備艦ネウストラシムイは2020年にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する]
しかし、2020年中の復帰も実現せず、翌2021年に延期されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの近代化改装は2021年に完了する]
2021年8月18日、ようやく「ネウストラシムイ」の係留試験(造船所の岸壁で各機器の動作点検)が始まりました。

[近代化改装中のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの係留試験が始まった]
係留試験完了後、洋上試験の準備の為、2021年12月28日に『ヤンターリ』からバルチースク基地へ移動しました。


[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは洋上試験の準備を行なう]
2022年2月15日、「ネウストラシムイ」はバルト海へ出航し、洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で洋上試験を開始した]
2月下旬にバルチースクへ戻り、2月23日の『祖国防衛者の日』にはナヒーモフ幼年学校の生徒が訪れました。






その後、洋上試験を再開し、3月末~4月初頭に艦載砲(AK-100 100mm単装砲)、高射ミサイル砲複合体「コールチク」、魚雷の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で兵装射撃試験を実施した]
4月20日には高射ミサイル「キンジャール」発射試験を行ないました。
『タス通信』より
2022年4月20日20時30分配信
【バルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」は複合体「キンジャール」のミサイル射撃を実行した】
5月25日にはソナーの動作試験を行ないました。
[近代化改装後のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイ、バルト海でソナーの動作試験実施(2022年5月下旬)]
7月19日に再び高射ミサイル「キンジャール」の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは艦対空ミサイルを発射した]
2022年7月31日の『ロシア海軍の日』の「ネウストラシムイ」
12月16日に「ネウストラシムイ」はバルト海で最終洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で最終洋上試験を開始した]
洋上試験は12月28日までに完了しました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海での最終洋上試験を完了した]
2023年1月16日、「ネウストラシムイ」にバルト艦隊司令部、各部隊の幹部、艦長が集合し、艦隊の訓練計画についての会合が行なわれました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは乗組員の錬成訓練を行なう]
2023年1月24日に海軍旗初掲揚式典(正式なロシア海軍への就役式典)から30周年を迎え、1月30日に記念式典が開催されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは就役30周年を迎えた]
「ネウストラシムイ」は2023年2月中にバルト艦隊への復帰が予定されていましたが、ガスタービンエンジンに不具合が生じた為、1ヶ月以上延期される事になりました。
[近代化改装された警備艦ネウストラシムイは2023年2月にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する]
[近代化改装された警備艦ネウストラシムイのロシア海軍バルト艦隊への復帰は延期された]
2023年4月18日、全ての工事を完了した「ネウストラシムイ」はバルト艦隊へ引き渡されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは近代化改装を終えて復帰した]
カリーニングラード州に駐留するバルト艦隊の艦船部隊は2023年6月5日から15日までバルト海で大規模演習を行なっており、「ネウストラシムイ」も参加しています。
[ロシア海軍バルト艦隊は2023年6月5日~15日までバルト海で大規模演習を実施する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で実弾射撃演習を実施する]
6月11日には機雷掃討訓練を行ないました。
今後は対水上・対空の実弾射撃訓練などを行ないます。
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