近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンは2023年7月に試験を開始し、10月~11月に復帰する
- カテゴリ:ロシアの揚陸艦

『タス通信』より
2023年6月23日10時16分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」は7月に航行試験へ着手する】
クロンシュタット、6月23日/タス通信
『クロンシュタット海洋工場』で修理と近代化が行なわれているプロジェクト775大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」は、今年10月にバルト艦隊の戦闘編制へ復帰する為、7月に航行試験へ着手する。
『タス通信』は防衛産業企業多の情報筋より伝えられた。
「承認されたスケジュールに沿って、大型揚陸艦シャバリンは7月に係留試験へ入り、その後に航行試験を開始します。
その後、艦はバルト艦隊の戦闘編制への移管の為に国家委員会へ提示されます」
対談者は国際海軍サロン(IMDS-2023)海上で話した。
彼によると、プロジェクト775揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」のバルト艦隊の戦闘編制への移管は、今年の10月~11月に行なわれなければならない。
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
現在、ロシア海軍には15隻のプロジェクト775艦が在る。
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」は、グダニスク(ポーランド)の造船所で建造され、1985年に進水し、1986年1月14日にソヴィエト社会主義共和国連邦海軍旗が掲揚され、BDK-60と命名され、バルト艦隊へ加わった。
1986年には、ソヴィエト連邦英雄2度授与のアレクサンドル・シャバリン少将に敬意を表し、「アレクサンドル・シャバリン」の名が与えられた。


[サロンについて]
『IMDS-2023』は6月21日から25日までクロンシュタットで開催される。

行事はロシア連邦産業・貿易省が主催する。
初めて、観光・レクリエーションクラスタ『フォルトフ島』の領域に在る『海軍栄光博物館』及び『会議・展示センター』が開催場所となった。

造船所及び造船産業企業の展示会では、250を超えるロシア及び外国の参加者がプレゼンテーションを行なう。
『タス通信』は、『IMDS-2023』の戦略メディアパートナーである。
プロジェクト775大型揚陸艦BDK-60はポーランドの『グダニスク造船所』で建造され、1985年6月11日に進水し、同年12月31日にソ連海軍へ納入されました。
翌1986年1月14日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
1986年11月12日、「アレクサンドル・シャバリン」と命名されました。
就役後、1980年代末に2回アンゴラ人民共和国への遠距離航海を行なった以外はバルト海で行動していました。

2012年12月17日にバルチースクを出航して地中海東部へ向かい、2013年1月のロシア海軍3艦隊合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]
ノヴォロシースクで貨物を積み込む「アレクサンドル・シャバリン」(2013年8月)
ノヴォロシースクの埠頭を離れる「アレクサンドル・シャバリン」(2013年10月)
ボスポラス海峡を通過する「アレクサンドル・シャバリン」(2013年11月23日)

その後は黒海沿岸ノヴォロシースクとシリアのタルトゥースを往復する物資輸送任務に就き、2014年1月14日に帰投しました。
[バルト艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンは地中海から母港バルチースクへ帰ってきた]
2014年7月末のロシア海軍の日の観艦式へ参加する「アレクサンドル・シャバリン」
2015年に再び地中海東部へ派遣され、2015年5月中旬に中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』(第1段階)へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]
セヴァストーポリに停泊する「アレクサンドル・シャバリン」(2015年2月24日)

2015年6月上旬に地中海東部でエジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加した後にバルチースクへ戻りました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]
2015年7月末のロシア海軍の日の観艦式へ参加する「アレクサンドル・シャバリン」
2016年7月にバルチースクを出航して地中海東部へ向かい、2016年8月末から同年12月末まで黒海沿岸とシリアを往航する貨物輸送任務(シリア・エクスプレス)へ6回従事しました。
セヴァストーポリから出航する「アレクサンドル・シャバリン」(2016年8月24日)

2017年1月29日にバルチースクへ帰投しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンは地中海東部から帰投した]
2018年7月末のロシア海軍の日の観艦式へ参加する「アレクサンドル・シャバリン」
2019年8月上旬にバルト海で行なわれたロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。

[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]
2019年12月に『クロンシュタット海洋工場』へ回航され、本格的なオーバーホールが始まりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンはクロンシュタットでオーバーホールを行なう]

2021年9月末の「アレクサンドル・シャバリン」


「アレクサンドル・シャバリン」のオーバーホールは2021年末の完了が予定されていましたが、2021年中にも、そして2022年中にも完了しませんでした。
「アレクサンドル・シャバリン」は2023年7月中旬から工場の岸壁で係留試験を行ない、その後に洋上試験を行ない、10月~11月にバルト艦隊への復帰が予定されています。
現在、ロシア海軍には、ソヴィエト時代に建造された大型揚陸艦(プロジェクト1171とプロジェクト775)が計18隻在籍しており、既に艦齢は30年を超える艦が大半ですが、この「アレクサンドル・シャバリン」のようにオーバーホールが行なわれ、維持されています。
スポンサーサイト