ロシア海軍の第5世代戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「アルクトゥル」は水中無人艇を搭載する

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2023年6月21日9時45分配信
【開発者は将来の水中無人機の製造について話した】
モスクワ、6月21日-ロシア通信社ノーボスチ、セルゲイ・サフロノフ
水中無人機は、より隠密性を高める為の将来原子力潜水艦「アルクトゥル」の遠隔通信アンテナとなる。
『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、海洋工学中央設計局『ルビーン』総取締役イーゴリ・ヴィリニトは語った。
海洋工学中央設計局『ルビーン』は、ロシアの戦略潜水艦、非核(通常動力)潜水艦、そして更に海上無人機の主要開発者である。
「アルクトゥル」は、ロシア連邦海軍の為の将来潜水艦プロジェクトである。
「無人装置は遠隔通信アンテナとなり、潜水艦は隠密性を失う恐れのある作戦から空間的及び時間的な距離を置く事が可能となります。
絶え間ない騒音への対処では他の手段も提案されており、最も注目されるのは、完全な電気推進の推進軸無しの動力装置です」
ヴィリニトは話した。
ソ連/ロシア海軍の戦略原子力潜水艦(戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦)の設計を手掛けてきた海洋工学中央設計局『ルビーン』は、現在建造が進められている第4世代の戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの次世代(第5世代)の戦略原子力潜水艦の開発を2010年頃から水面下で進めていました。
[ロシアは第5世代潜水艦の設計作業を始めている]
第5世代戦略原子力潜水艦の開発作業の成果は、2012年から建造が始まった改「ボレイ」級(「ボレイ-A」)の設計にも取り入れられています。
これまでは殆ど情報の無かった第5世代戦略原子力潜水艦ですが、2022年8月15日から21日までモスクワ州クビンカの『愛国者公園』で開催された国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』で初めて概要が明らかにされました。
[ロシア海軍の将来第5世代戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦概念設計案「アルクトゥル」]
[中央設計局『ルビーン』はロシア海軍の将来第5世代戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「アルクトゥル」の開発を進めている]
アルクトゥルАрктурは、アークトゥルス(うしかい座α星)の事です。

開発元の『ルビーン』は、第5世代戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「アルクトゥル」は排水量が20パーセント少なくなると言っておりますが、これは「ボレイ-A」(水中排水量25000トン)と比べての話なので、水中排水量は2万トン程度になるようです。

「ボレイ」シリーズと同様にスクリューでは無くポンプジェット推進になり、機関は原子力ターボ・エレクトリック方式になるようです。
全長も「ボレイ-A」より約30メートル短い134メートル、幅15.7メートル、乗組員は約100名になります。
弾道ミサイルも、「ボレイ-A」の16基よりは少なくなるようです(12基)

「アルクトゥル」は弾道ミサイルの他に水中無人艇の搭載も可能であり、場合によっては水中無人艇母艦としても活動できるようです。

「アルクトゥル」は、現在開発中のリチウムイオン電池無人潜水艇「スロッガート-V」などを搭載し、遠隔通信アンテナとしても使用できます。
[ロシア海軍の将来リチウムイオン電池無人潜水艇スロッガート-V]
「アルクトゥル」が実際に建造されるのは早くても2030年代後半になるようです。
[ロシア海軍の第5世代戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「アルクトゥル」は2030年代後半以降に登場する]
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