ロシア黒海艦隊の揚陸艦はシリアではなくノヴォロシースクへ到着した

6月21日にセヴァストーポリを出港したロシア黒海艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、6月22日午後に黒海沿岸のノヴォロシースクに入港しました。
[大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはノヴォロシースクへの輸送任務に就いた]
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【黒海艦隊揚陸艦はノヴォロシースクへ到着し、シリアへの寄港は無い】
セヴァストーポリ/ノヴォロシースク、6月22日-ロシア通信社ノーボスチ
前日に軍用装備を積んでセヴァストーポリを出港したロシア黒海艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、金曜日午後、ノヴォロシースクへ到着した。
同艦隊の公式代理人ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐はロシア通信社ノーボスチに伝えた。
以前、複数の西側(欧米)及びロシアのメディアは、黒海艦隊の大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」及び「ニコライ・フィリチェンコフ」が、タルトゥース港のロシア基地の安全を保障する為、軍事貨物と海軍歩兵支隊を乗せてシリア沿岸への遠距離航海の準備を完了したと報じた。
「本日、大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはノヴォロシースクへ到着しました。
同艦は、計画定期整備作業を受けなければならない軍用機器を配達しました」
トルハチェフは述べた。
更に彼は、同艦は機器を降ろした後にセヴァストーポリへ戻ると述べた。
出港は6月24日に予定されている。
トルハチェフもまた、大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」がセヴァストーポリに居る事を強調した。
「黒海艦隊の全ての艦船は、司令部の計画により、黒海エリアで日常の戦闘訓練任務を遂行しております」
黒海艦隊の代理人は、黒海艦隊艦船のシリア沿岸への航海計画が有るのかというロシア通信社ノーボスチの質問に対し、こう答えた。
(2012年6月22日16時08分配信)
ロシア黒海艦隊所属の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」を巡る「馬鹿騒ぎ」の発端は、このニュースでした。
【ロシア軍艦船がシリアへ出航、兵器や兵士積み 米国が追跡】
この記事によると、6月7日に黒海艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」がシリアへ向けて出港したとの事です。
無論、これは全くのデタラメであり、ロシア側の複数の関係者から否定されました。
その中には、渦中の「ニコライ・フィリチェンコフ」乗員も含まれます。
[大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフは出動態勢にない]
[大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアへ向かっていない]
[ロシア黒海艦隊艦艇はシリアへの航海を準備する]
確かに、「ニコライ・フィリチェンコフ」は、軍用装備を積み込んで6月21日に出港しました。
しかしそれは、「外国」であるウクライナのセヴァストーポリ周辺に駐留するロシア海軍部隊(海軍歩兵部隊や海軍航空隊)の軍用装備を、ロシア本国でメンテナンスする為、ノヴォロシースクへ運んでいたのです。
『黒海艦隊公式サイト』より
【大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」】
最後に、こう書かれています。
「現在、大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフは第197揚陸艦旅団に所属し、艦隊の戦闘訓練及び演習に活用されている」
「ニコライ・フィリチェンコフ」は、この10数年間は黒海から出ていません。
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