本日・2023年5月13日、プロジェクト20380コルベット「水星」(メルクーリイ)はロシア連邦海軍へ就役しました。
『タス通信』より
2023年5月13日17時45分配信
【ロシア連邦国防省は最新ロケットコルベット「メルクーリイ」の海軍への加入を発表した】モスクワ、5月13日/タス通信造船工場『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)が
黒海艦隊の為に建造した最新の
プロジェクト20380コルベット「水星」(メルクーリイ)は
ロシア海軍へ引き渡された。
土曜日に
ロシア連邦国防省は報道機関へ伝えた。
「本日・5月13日、バルチースク市で新たなプロジェクト20380コルベット"メルクーリイ"の海軍への受け入れ及び親衛アンドレイ旗掲揚の式典が開催されました」国防省は話した。
式典は、
ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の主催下で
黒海艦隊創設240周年記念日に開催された事が指摘された。
「これは、高い航行性能と現代の打撃兵器を組み合わせた艦であり、内海及び大洋ゾーンでロシアの国益を確実に保護する目的で、グループの一員として、または単独でコルベットの効果的な任務遂行を可能にします。
設計者と、コルベットを作った造船所に感謝します」海軍総司令官は新たな艦の品質について話した。
国防省は、
コルベット「メルクーリイ」は
バルト海で全ての段階の試験を経た事を指摘した。
以前の5月11日、
海軍総司令官は、試験が成功裏に完了した証となる艦の
受領証書を承認した。
[コルベットについて]
「メルクーリイ」の名は、
ロシア船員の勇気と技能の象徴となった伝説の
ブリッグに敬意を表し、
海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の指示により、2021年10月に
コルベットへ命名された。
ブリッグは
セヴァストーポリで1819年に起工され、1年後に進水した。
それは
カフカースの沿岸を保護し、巡視勤務へ就き、偵察を行なう為に意図された。
1820年~1827年に
黒海で勤務に就いた。
1829年5月14日には
A.I.カザルスキー大尉の指揮下で
ロシア-トルコ戦争(1828年~1829年)へ参加し、
ブリッグの乗組員は、砲門数で10倍の優位を持つ2隻の
トルコの
戦列艦「セリミエ」及び
「リアル・ベイ」との不利な戦闘で勝利を収めた。

現代の
「メルクーリイ」は、
『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)が
プロジェクト20380により建造した第5の
コルベットであり、
中央海洋設計局『アルマーズ』により開発された。
これまでに4隻のコルベット~
「ステレグーシチー」、
「ソーブラジテルヌイ」、
「ボイキー」、
「ストイーキー」が
バルト艦隊で勤務に就いている。
プロジェクト20380多目的コルベットは、敵の
潜水艦及び
水上艦を探知、破壊し、
揚陸部隊の上陸を支援し、そして更に近海ゾーンで様々な任務を果たす為に意図されている。
艦には、
砲兵器、
対ミサイル兵器、
対潜兵器、
水中音響複合体(ソナー)と
電波位置測定複合体(レーダー)、
ヘリコプターKa-27の為の格納庫が配置されている。
サンクトペテルブルクの
『北方造船所』で建造される
プロジェクト20380コルベットとしては5番艦となる
「リェチーヴイ」(
「熱心な」という意味の形容詞)は、2015年2月20日に起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"と"ストローギー"はサンクトペテルブルクで起工された]複合材料製の上部構造物は
サンクトペテルブルクの
『中部ネヴァ川造船工場』で製造され、2016年8月に完成し、
『北方造船所』へ引き渡されました。
[ロシア海軍のプロジェクト20380コルベットの為の複合材料製上部構造物はサンクトペテルブルクで製造された]2018年3月までに
ディーゼルエンジンが設置されました。

2020年3月12日に進水しました。


[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"はサンクトペテルブルクで進水した]
2021年10月5日に造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月5日9時35分配信
【コルベット「リェチーヴイ」の係留試験が始まった】2021年10月中旬、
「リェチーヴイ」は
ロシア海軍にとっては伝統的な名前である
「メルクーリイ」(水星)(1928~1829年の
ロシア-トルコ戦争において、1829年2月9日に2隻の
トルコ戦列艦と戦って勝利した
ブリッグ)へ改名される事になりました。
[ロシア海軍の新型コルベット"リェチーヴイ"と"メルクーリイ"は改名された]2022年5月21日、
「メルクーリイ」は
サンクトペテルブルクを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新コルベット「メルクーリイ」洋上試験開始(2022年5月21日)]
5月26日に
クロンシュタットへ帰港しました。
「メルクーリイ」は5月末に出航し、6月1日に
クロンシュタットへ帰港しました。


7月31日の
『ロシア海軍の日』には
サンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
[最新鋭コルベット「メルクーリイ」は7月31日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式に参加する]観艦式が終わった後、
「メルクーリイ」の洋上試験(工場航行試験)は再開されました。
[プロジェクト20380コルベット「メルクーリイ」はロシア海軍への引き渡しを準備する][ロシア海軍の最新鋭コルベット「メルクーリイ」はバルト海で洋上試験を続けている]2022年12月初頭には
工場航行試験の最終段階を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海で工場航行試験の最終段階を開始した]工場航行試験は12月中旬までに終了し、12月15日から最終洋上試験となる
国家試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海で最終洋上試験(国家試験)を開始した]12月25日には水上目標への砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海での洋上公試中に対水上砲撃を実施した]2023年1月21日にも水上目標への砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海での洋上公試中に100mm単装砲を発射した]2月28日には
高射ミサイル「リドゥート」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海での洋上公試中に高射ミサイル「リドゥート」を発射した]5月4日から
バルト海で
ヘリコプターの着艦試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「メルクーリイ」はバルト海で艦上ヘリコプターの着艦試験を行なう]国家試験終了後に
造船所で艦の最終点検が行なわれ、2023年5月11日に
受領証書への署名が行なわれて
ロシア海軍へ納入されました。
[最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はロシア海軍へ納入された]2023年5月13日、
カリーニングラードの
バルチースクで
聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催され、正式に
ロシア海軍へ就役しました。
記事中では
「親衛聖アンドレイ旗」と書かれていますが、写真を見る限り
「ゲオルギー海軍旗」なので、
黒海艦隊の
大型揚陸艦「アゾフ」(2021年11月28日授与)と同様、この
海軍旗が授与されたようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦アゾフはゲオルギー海軍旗を授与された]
「メルクーリイ」は
黒海艦隊へ編入されました。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【コルベット「メルクーリイ」】
新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(
プロジェクト20380)は、現在までに計12隻が起工され、このうち7隻が
ロシア海軍へ引き渡されています。
20380は、
サンクトペテルブルクの
『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)と
コムソモリスク・ナ・アムーレの
『アムール造船工場』で建造されています。
[『北方造船所』建造艦]「ステレグーシチー」Стерегущий(建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/
2007年11月14日納入/
2008年2月27日就役バルト艦隊に配備(艦番号550)
「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役
バルト艦隊に配備(艦番号531)
「ボイキー」Бойкий(建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/
2013年5月16日納入・就役バルト艦隊に配備(艦番号532)
「ストイーキー」Стойкий(建造番号1004)
2006年11月10日起工/
2012年5月30日進水/
2014年7月18日納入/2014年7月27日就役
バルト艦隊に配備(艦番号545)
「リェチーヴイ」Ретивый/
「メルクーリイ」Меркурий(建造番号1007)
2015年2月20日起工/
2020年3月12日進水/2023年5月13日就役
黒海艦隊に配備予定(艦番号535)
「ストローギー」Строгий(建造番号1008)
2015年2月20日起工/2023年以降就役予定
黒海艦隊に配備予定
[『アムール造船工場』建造艦]「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(建造番号2101)
2006年6月30日起工/
2015年5月22日進水/
2017年7月20日就役太平洋艦隊に配備(艦番号333)
「グロームキー」Громкий(建造番号2102)
2012年4月20日起工/
2017年7月28日進水/
2018年12月25日就役太平洋艦隊に配備(艦番号335)
「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(建造番号2103)
2015年7月22日起工/
2019年9月12日進水/
2020年12月25日就役太平洋艦隊に配備(艦番号339)
「リェーズキー」Резкий(建造番号2104)
2016年7月1日起工/
2021年7月1日進水/2023年7月末就役予定
太平洋艦隊に配備予定(艦番号343)
「グローズヌイ」Грозный(建造番号2105)
2021年8月23日起工太平洋艦隊に配備予定
「ブラーヴイ」Бравый(建造番号2106)
2021年9月29日起工太平洋艦隊に配備予定