原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはカルスキエボロタ海峡を通過した

2012年9月12日、ロシア北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」はセヴェロモルスクを出港し、北極圏へ向かいました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは北極圏へ行く]
その続報。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍西方軍管区広報サービス発表
2012年9月14日17時12分配信
【重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」はカルスキエボロタ海峡を通過した】
本日(9月14日)、北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、ノヴァヤ・ゼムリャ島とヴァイガチ島の間のカルスキエボロタ海峡を通過し、カラ海南西エリアへ向かった。
北緯度で航行の安全を保障するのは「ピョートル・ヴェリキー」搭載のヘリコプターKa-27乗員であり、彼らは何度か発艦して結氷状況と艦の進路を監視した。
現在、北極圏エリアの北海航路の洋上に居る原子力巡洋艦乗組員は、戦闘訓練計画に基づく一連の戦闘訓練任務を実施する
北方艦隊独立海軍歩兵連隊所属部隊は、巡洋艦の艦上において常時戦闘即応体制に在り、海洋航空隊のヘリコプター乗員と合同で既に訓練を開始している。
特に「黒ベレー」は、特殊なウインチを使用してヘリコプターから航行中の艦への乗艦を果たす。
9月12日、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」はセヴェロモルスクを去り、カラ海へ進路を取った。
最初の2日で同艦は600海里以上を航行した。
巡洋艦の航海は、世界の大洋の戦略的に重要な海域におけるロシア海軍の艦船の常時滞在を復活させる我が国(ロシア)の海洋ドクトリンの枠組みにおいて実施される。
重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、これまでにも何度か遠距離航海を行なった事が有ります。
2008年9月-2009年3月には、カリブ海へ行った後に喜望峰経由でインド洋へ抜け、インド西岸を訪れた後にアデン湾へ行きました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征(旧ブログ)]
この間、アデン湾ではソマリア海賊を拘留しました。
[ロシア海軍原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、3隻の海賊船を拘留]
2010年春~初夏には、極東の戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加する為、遥々極東の沿海地方までやって来ました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年5月17日発表)】
2010年5月16日午後11時頃、「ピョートル・ヴェリキー」は、ツシマ海峡を北上し、日本海へ入りました。
「ピョートル・ヴェリキー」は、2010年7月初頭から実地戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【実地戦略演習「ヴォストーク-2010」纏め】
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年7月26日発表)】
2010年7月24日正午頃、「ピョートル・ヴェリキー」は、ツシマ海峡を南下、日本海を去りました。
それから2年後、今度は、北極圏のカラ海へ向かいました。
カラ海でロシア連邦海軍の水上艦が行動するのは初めてのケースです。
ソヴィエト連邦時代を含めても、1942年(つまり第2次世界大戦中)7月-10月に、太平洋艦隊の駆逐艦が北極海経由で北方艦隊基地へ回航された事が一度だけ有りました。
極東から出発前の嚮導駆逐艦「バクー」(1942年7月)

北極海を移動中のソ連駆逐艦(1942年8月頃)

北海へ到着した駆逐艦「ラズームヌイ」(1942年10月頃)
