『タス通信』より
2019年11月14日14時57分配信
【情報筋:ロシアはバルト海の潜水艦戦力の強化を計画している】モスクワ、11月14日/タス通信バルト艦隊は、
黒海艦隊と
太平洋艦隊の後に、
有翼ミサイル「カリブル」で武装する
プロジェクト636.3潜水艦のシリーズ建造の3番目となるかもしれない。
『タス通信』は木曜日に
造船分野の2名の情報提供者より伝えられた。
「海軍総司令部は、バルト艦隊の為のプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦のシリーズ建造の問題を検討しております」対談者の1人は話した。
彼は
「バルト艦隊へのカリブル搭載潜水艦の登場は、バルト海におけるロシア連邦の打撃潜在力を大幅に高めるでしょう」と付け加えた。
他の
『タス通信』への情報提供者は
「バルト艦隊の為のシリーズは、他の艦隊の為のような6隻の潜水艦では無く、少数になるかもしれません」と指摘した。
海軍総司令部は、
『タス通信』が情報提供者から提示された情報にコメントしなかった。
以前、
『アドミラルティ造船所』(『統合造船業営団』へ加入)は、
黒海艦隊の為に6隻の
プロジェクト636.3潜水艦を建造した。
太平洋艦隊の為の更なる6隻の同タイプの
潜水艦は、様々な建造及び設計段階に在る。
全ての
プロジェクト636.3潜水艦は、
ミサイル複合体「カリブル-PL」を装備する。
黒海艦隊の同型の
潜水艦は、
地中海から
シリアの
テロリスト施設へ
ミサイル打撃を与えた。
現在、
太平洋艦隊の為の
636.3潜水艦シリーズの1隻目
「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は国家試験を完了している。
海軍への引き渡しは今年末までに実行されなければならない。
[プロジェクト636.3について]
プロジェクト636.3潜水艦(NATO分類-
改キロII)は74メートルの全長を有し、(水中)満載排水量は3900トン以上である。
堅牢な船体は、
潜水艦の作業深度240メートル及び限界深度300メートルを保障する。
636.3の航続距離は7500海里である。
潜水艦の主要兵装は、
有翼ミサイルと同名の
ミサイル複合体「カリブル-PL」であり、水中位置から
魚雷発射管を通して発射される。
[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]ロシア海軍の為の
プロジェクト06363潜水艦は、現在、
黒海艦隊向けの6隻が2014年~2016年に就役しています。
全て
サンクトペテルブルクの
『アドミラルティ造船所』で建造されています。
プロジェクト06363は、
プロジェクト877(キロ級)の輸出型
プロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される
第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果も一部取り入れられています。
プロジェクト06363潜水艦は、
有翼ミサイル「カリブル」を標準装備しています。
(
533mm魚雷発射管から発射する)
黒海艦隊の
06363は、既に
シリアで
有翼ミサイル「カリブル」を実戦使用しています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]そして
太平洋艦隊向けにも6隻の
06363潜水艦が
『アドミラルティ造船所』で建造される事になり、建造契約は2016年9月7日に締結されました。
[サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造契約を締結した]2017年7月28日に最初の2隻~
「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」と
「ヴォルホフ」が同時に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはサンクトペテルブルクで起工された]B-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年3月28日に進水しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはサンクトペテルブルクで進水した]その後、8月下旬から10月上旬に掛けて航行試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは最終洋上試験を完了した]「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年12月末までに
ロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]2番艦
「ヴォルホフ」は2019年12月の進水が予定されています。
2019年11月1日、
太平洋艦隊向けの
06363潜水艦の3番艦
「マガダン」と4番艦
「ウファ」が同時に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦マガダンとウファはサンクトペテルブルクで起工された]
そして今度は
バルト艦隊向けに
06363潜水艦を建造するという話が出てきました。
現時点では未だ検討段階であり、正式に決定されてはいないようですが、実現する可能性は低くはないでしょう。
ただ、
黒海艦隊や
太平洋艦隊と同様に6隻が建造される可能性は無さそうですが・・・
(おそらくは半分程度)
現在、
バルト艦隊には
ソ連邦時代に就役した2隻の
877潜水艦が在籍しており、この他、
黒海艦隊所属の
B-871「アルローサ」に寿命延長工事を行なって
バルト艦隊へ転属させる事が計画されています。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサはセヴァストーポリの浮きドックへ入った]新たに建造されるかもしれない
06363は、外見こそ
877と大して変わりませんが、中身は、ほぼ別物と言っても良いでしょう。