ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクは極東で近代化改装を行なう

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年12月15日8時8分配信
【メディアはもう1隻の「アンテイ」の近代化を知った】
太平洋艦隊のプロジェクト949A(「アンテイ」)多目的原子力潜水艦「トムスク」は、『極東造船・造修センター』の企業の1つで修理と近代化を行なう。
『タス通信』は造船業界の情報筋より伝えられた。
対談者は作業量は明らかにしなかったが、このタイプの2隻の潜水艦が極東工場『ズヴェズダー』で修理とプロジェクト949AMへの近代化を行なっている事を知らせた。
極東工場『ズヴェズダー』は、プロジェクト949A潜水艦「チェリャビンスク」の修理とプロジェクト949AMへの近代化を行なっている。
『タス通信』は、原子力潜水艦「トムスク」についての公式な情報は持っていない。
以前、潜水艦の修理は2014年に極東工場『ズヴェズダー』で完了した。
「トムスク」は1997年に運用へ入った。
潜水艦の排水量は24000トン、船体の長さは154メートル、幅18メートル以上。
潜水艦は32ノットの水中速力を発揮し、深度600メートルまで潜航する。
「アンテイ」の主な用途は、敵航空母艦連合部隊の破壊である。
基礎兵装は有翼ミサイルP-700「グラニート」と6門の魚雷発射管である。
プロジェクト949A巡洋潜水艦の11番艦K-150は、セヴェロドヴィンスクの「セヴマシュ」造船所で1991年8月27日に起工されました。
1992年4月28日、原子力水中巡洋艦へ種別変更されました。
1993年4月13日、「トムスク」と命名されました。
1996年7月20日に進水し、1996年12月30日にロシア海軍へ納入されました。
1997年3月17日に赤旗北方艦隊の第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。
「トムスク」の次の949A12番艦「ベルゴロド」は特殊用途原子力潜水艦として完成した為、「トムスク」が949Aの最終艦となりました。
1998年に太平洋艦隊へ転属し、カムチャツカ半島のヴィリュチンスクへ回航されました。
2008年11月、定期修理を行なう為、沿海地方ボリショイ・カーメニ市の艦船修理工場「ズヴェズダー」へ到着しました。
2013年9月16日4時30分頃(モスクワ時間)、修理中に火災が発生しました。
[オスカーII級原潜トムスク火災事故]
[オスカーII級原潜トムスク火災事故・続報]
2014年6月12日に進水しました。
[オスカーII級原潜トムスクは進水した]
2014年12月25日に海軍へ引き渡された後、カムチャツカに向かいました。
12月27日に宗谷海峡を東へ通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2014年12月28日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
この「オスカーII級巡航ミサイル原子力潜水艦」が「トムスク」です。
2014年12月31日にヴィリュチンスク基地へ到着しました。
その後の動向は公表されませんでしたが、2015年12月には長期航海を終えてヴィリュチンスク基地へ戻っています。
おそらくは、オホーツク海のパトロール任務を遂行していたのでしょう。
2016年7月27日、「トムスク」は、任務遂行後にヴィリュチンスク基地へ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクは任務を終えてカムチャツカへ帰港した]
この時の「任務」は、オホーツク海のパトロールと、更には、カムチャツカに駐留する太平洋艦隊航空隊の迎撃戦闘機MiG-31の超音速有翼ミサイル迎撃訓練の為の「グラニート」発射だったようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]
2017年7月12日、「トムスク」は、オホーツク海からカムチャツカ半島のクラ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクはカムチャツカ半島の地上目標へ巡航ミサイル"グラニート"を発射した]

2017年10月9日、オホーツク海で太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と共に海上目標への有翼ミサイル発射訓練を行ないました。
(「トムスク」は対艦ミサイル「グラニート」、「ワリャーグ」は対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射)
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月9日3時47分配信
【巡洋艦「ワリャーグ」及び潜水艦「トムスク」は水上標的への有翼ミサイル射撃を実施した】
2018年7月23日にはオホーツク海で海上目標へ有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクはオホーツク海で対艦ミサイル"グラニート"を発射した]
2022年7月15日、同型艦「トムスク」と共に3ヶ月間の洋上行動を終えてヴィリュチンスク基地へ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスク、トムスク、原子力巡洋潜水艦クズバスは太平洋で3ヶ月間行動した後にカムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ帰投した]
この2隻は公式には太平洋で行動していたとしか発表されておらず、具体的に太平洋の何処で何をしていたのかといった詳細は全く公表されていませんが、2022年春と初夏の北極海での演習にも参加していたようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦は2022年春~初夏に北極海で演習を行なった]
「トムスク」は、『極東造船・造修センター』傘下の工場の1つ(おそらくはボリショイ・カーメニ市の艦船修理工場『ズヴェズダー』)で修理と近代化改装が行なわれる事になりました。
「トムスク」の近代化改装の内容までは明らかにされていませんが、同型艦「イルクーツク」と「チェリャビンスク」は『ズヴェズダー』で対艦ミサイルを換装する大規模な近代化改装を行なっています。


[近代化改装される原子力水中巡洋艦イルクーツクは2023年末にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦チェリャビンスクの近代化改装の本格的な作業は2022年に始まる]
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