ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はクリミア半島の地対艦ミサイル部隊と共に演習を行なった
- カテゴリ:クリミア(ウクライナ)情勢
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2021年5月26日3時0分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」乗組員は沿岸対艦複合体「バル」及び「ウチョス」との合同演習を実施した】
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」乗組員は、沿岸対艦複合体「バル」及び「ウチョス」との合同演習実施中に高射ミサイル複合体「シチーリ」のミサイル射撃を成功裏に実施した。
演習は、黒海艦隊の戦闘訓練計画に沿って黒海エリアで行なわれた。
数段階で行なわれた戦闘射撃の最中、10回以上の艦上及び沿岸複合体からのミサイル発射が行なわれた。
演習計画の下、沿岸ミサイル複合体の戦闘班へ任務が与えられた:水上艦の捜索を行ない、探知後、海上目標へ数回のミサイル「プログレス」及び「ウラン」のミサイル射撃を行なう。
次に、フリゲートの乗組員は空中目標を探知し、そのコースを追尾し、艦にとっての安全な距離及び高度で高射ミサイル複合体「シチーリ」を使用し、それを成功裏に撃破した。
ミサイル射撃実施の結果、対艦ミサイル複合体「ウチョス」及び「バル」の飛翔軌道と、艦載高射ミサイル複合体による撃破は、黒海艦隊の対空防衛・海上航空隊の無人飛行装置により記録された。
ミサイル射撃が行なわれた海上射爆場と隣接海域は、船舶航行の為の為に閉鎖された。
海域閉鎖の任務は、黒海艦隊の約30隻の戦闘艦及び補助船により遂行された。
プロジェクト11356Rフリゲート1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)は、2020年12月下旬にセヴァストーポリを出航、12月24日にボスポラス海峡を南下し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部(シリア沖)へ行く]
2021年1月11日に地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]
2021年1月下旬にはシリアのタルトゥース港で乗組員の各種訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークはシリアのタルトゥース港で乗組員の錬成訓練を行なった]


その後、プロジェクト22160哨戒艦の2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」(375、2019年6月11日就役)及びプロジェクト22870救助曳船SB-739(2017年3月7日就役)と合流した「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、パキスタン主催の多国籍海軍演習『AMAN-2021』へ参加する為、スエズ運河を通過して紅海、アデン湾、アラビア海を抜け、2月11日にはパキスタンのカラチ港へ到着しました。
[パキスタン沖で実施される国際海軍演習『AMAN-2021』へ参加するロシア海軍黒海艦隊の艦船はカラチ港へ到着した]
2月12日、カラチ港で多国籍海軍演習『AMAN-2021』の開会式が開催されました。
[ロシア海軍黒海艦隊が参加するパキスタン主催の多国籍海軍演習『AMAN-2021』が始まった]
2月13日、パキスタン海軍参謀総長はフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」を視察しました。
[パキスタン海軍参謀総長はロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"を視察した]
2月15日、ロシア海軍を含め、演習へ参加する艦船はカラチ港から出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊が参加するパキスタン主催の多国籍海軍演習『AMAN-2021』の海上フェーズが始まった]
パキスタン沖(アラビア海)での洋上演習は2月16日に終了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊が参加するパキスタン主催の多国籍海軍演習『AMAN-2021』は終了した]
2月28日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はスーダンのポートスーダン港を訪れました。


[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はスーダンを訪問した]
3月初頭には地中海東部へ入りました。

3月下旬にはクレタ島付近でアメリカ海軍の原子力空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」を中核とする機動部隊を追跡しました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海のクレタ島沖でアメリカ海軍の原子力空母ドワイト・D・アイゼンハワーを追跡している]
その後も地中海東部に留まっていましたが、5月8日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

5月18日、黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)と共に黒海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワとフリゲート アドミラル・グリゴロヴィチは黒海で対潜戦闘訓練を実施した]
「敵役」は、潜水艦「コルピノ」(2016年11月24日就役)が務めました。

5月20日には、黒海艦隊航空隊の多用途複座戦闘機Su-30SMが「敵役」を務める対空防衛戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワとフリゲート アドミラル・グリゴロヴィチは黒海で対空戦闘訓練を実施した]
演習終了後、5月22日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワとフリゲート アドミラル・グリゴロヴィチは黒海での演習を終えてセヴァストーポリへ帰投した]
5月25日にはクリミア半島の地対艦ミサイル「ウチョス」及び「バル」と合同演習を行ないました。
沿岸(地下)固定式ミサイル複合体「ウチョス」(秘匿名「オブィエクト-100」)は、東西冷戦時代にクリミア半島(セヴァストーポリ軍港周辺)防衛用として特別に建設された地下サイロ方式の地対艦ミサイルです。
ミサイルは艦対艦ミサイルP-35「プログレス」(SS-N-3シャドック)が使用されました。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【沿岸固定ミサイル複合体「ウチョス」】
ソ連邦解体後は放棄されていましたが、2014年3月にクリミア半島がロシア連邦へ編入された後に修復が始まり、2016年11月までに復活しました。
将来的には、超音速対艦ミサイル「バスチオン」(オーニクス)へ換装されます。
[クリミア半島へロシア海軍の地対艦ミサイル"バスチオン"のサイロ発射型が配備される]
沿岸ミサイル複合体「バル」は、対艦ミサイル「ウラン」の地上発射ヴァージョンです。
黒海艦隊では、2014年3月からクリミア半島へ配備されています。
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