『イズベスチヤ』より
2023年1月16日0時1分配信
【コンテナの移送:ロシア海軍は新たな潜水艦救助システムを受け取った】特別な複合体は曳船からフェリーまで事実上あらゆる船へ配置できる
ロシア海軍の救助手段の在庫には、遭難した艦、船、そして
潜水艦にさえ援助を提供できる新たな複合体が補充された。
その全ての機器は、通常の
海上輸送コンテナに搭載されている。

それは必要に応じて、適切な船の甲板や準備の整っていない海岸へ配置できる。
複合体は、水を汲み上げる為の特殊システム、消火救助機器、そして更には深海作業の為の必要な全てで構成されている。
専門家によると、これは、被災地での専用の
救助船の存在に依存せず、船員へ必要な全ての援助を迅速に提供する事を可能にする。
[3個のコンテナ]最新救助システムの
ロシア海軍部隊への引き渡しは昨年秋に始まったと軍当局の情報筋は
『イズベスチヤ』へ話した。
最初の複合体は、既に
北方艦隊と
太平洋艦隊へ受け入れられている。
新製品には、救助機器が設置された複数の
海上コンテナが含まれる。
最初の
コンテナには、遭難した艦船や
潜水艦からの水の汲み上げが可能なシステムが装備されている。
第2には、消火システムと救助作業実施に必要な道具が装備されている。
第3の
コンテナには、
潜水艦の深海作業の為の機器が有る。
対談者によると、既に
艦隊は、新たな
救助システムへ習熟する為の演習を何度か行なっている。
特に、コンテナは通常の船、そして更には
戦闘艦へ配置された。
それらは、道路、鉄道、そして更に航空輸送により運ばれた。
「ロシアとソヴィエト連邦は、残念な事に、注目を集めた潜水艦の緊急事態から学びました」軍事歴史家
ドミトリー・ボルテンコフは
『イズベスチヤ』へ話した。
「クルスクの件は今でも覚えています。
従いまして、潜水艦と水上艦の捜索救助支援の任務は、我々にとって非常に重要です。
コンテナの利点は、例えば、現在建設中の曳船やクレーンを備えたフェリータイプの船など、適切な寸法の展開場所を持つあらゆる船へ積載できる事です。
専門の船を持つ必要は有りません(それは必要な時点で修理中、或いは他の海域に居るかもしれない)。
遥かに効果的なのは、モジュールコンテナと、手元にある船で海上へ出航できる救助チームです。
これは、将来性のある最先端の開発方法です」[発見し、救助する]このようなシステムは
艦隊にとって関連すると元
海軍総参謀長
ワレンチン・セリヴァノフ提督は
『イズベスチヤ』へ話した。
「とは言え、私自身が勤務していた頃には、艦上で緊急時にどのように救助するのかは考えておりませんでした。
潜水艦を沈め、航空母艦と戦う事のみを考えておりました。
ですが、国、艦隊、そして設計者は、艦が損傷した場合、乗組員は救助隊に頼る事が出来るように注意しなければなりません。
特に重要なのは、新たなシステムは、コンテナを事実上あらゆる船へ設置できる事です」彼は強調した。
同様に
潜水艦には、現在、
特殊浮上救助室が装備されている事を
ワレンチン・セリヴァノフは想い起こした。
しかし、緊急事態の条件下で乗組員はそれを使用する機会は常に有るわけでは無い。
「従いまして、現在発明されている全ての革新は、乗組員にとって非常に重要です」彼は締め括った。
近年、
海軍は遭難した
潜水艦に援助を与えるシステムを変更している。
現在、緊急事態サービス船のみならず、
潜水艦の乗組員を救助する為の作戦には、全ての可能な手段が関与している。
事故に遭った
潜水艦の捜索には、
対潜艦、掃海艦、対破壊工作艇が関わる。
潜水艦「クルスク」事故の後、
ロシアの造船業者は、海底に横たわる、或いは水上位置に在る事故
潜水艦の乗組員を救助する為の特殊船を開発する課題を与えられた。
こうして設計されたのが
プロジェクト21300S「デリフィン」シリーズである。
トップ船~
大洋クラス救助船「イーゴリ・べロウソフ」は2005年に起工され、2012年に進水した。
現在、同船は
太平洋艦隊で勤務に就いている。

2018年~2027年の
国家軍備プログラムにおいて、4隻の
「デリフィン」の建造が計画されていると以前に報じられたが、公開情報源では作業の進捗に関する情報はない。
「イーゴリ・べロウソフ」は、その機能で世界に類似するものが無い。
それは事故
潜水艦の乗組員の避難のみならず、艦内へ空気、電気、救助手段の供給を用意できる。
有人及び無人の
水中装置「デリフィン」の助力を得て事故物体の捜索と調査を行なえる。
船の救助装備の基礎は、
深海潜水複合体GVK-450である。

深度450メートルまで潜航し、事故
潜水艦から船員を水面まで上げることができ、同時に60名の潜水夫へ圧力室内での減圧を提供する。
複合体には、5つの圧力室、潜水鐘、深度720メートルでの動作が可能な
水中救助深海装置「べステル-1」が含まれる。
太平洋艦隊では
「イーゴリ・ベロウソフ」に加え、
ソヴィエト時代に建造された
救助船「アラゲズ」が勤務に就いている。
黒海艦隊では、
「エプロン」が昨年(2022年)に60周年を迎えた。

現在、
ロシア海軍には最古の
「コムーナ」(1915年就役)から最新の
「イーゴリ・べロウソフ」(2015年就役)まで計9隻の
潜水艦救助船が在籍しています。
[プロジェクト21300S救助船]
「イーゴリ・べロウソフ」:2015年12月25日就役、太平洋艦隊
[プロジェクト537救助船]
「アラゲズ」:1989年1月28日就役、太平洋艦隊
[プロジェクト05360/05361救助船]
「ミハイル・ルドニツキー」:1978年12月23日就役、北方艦隊
「ゲオルギー・コジミン」:1979年10月31日就役、太平洋艦隊
「ゲオルギー・チトフ」:1982年12月24日就役、北方艦隊
「サヤヌイ」:1983年11月24日就役、黒海艦隊
[プロジェクト527M救助曳船]
「エプロン」:1959年10月27日就役、黒海艦隊
[プロジェクト141S救助船]
SS-750:1990年6月30日就役、バルト艦隊
救助船「コムーナ」:1915年7月14日就役、黒海艦隊現在の所、新たな
救助船の具体的な建造計画は未だ無く、当面の間は、これらの
救助船を使用し続ける事になります。

以前から
ロシア海軍向けとして、
水上戦闘艦へ搭載する為の
汎用戦闘モジュールコンテナの開発が進められていますが、この
モジュールコンテナ(海上コンテナ)に救助・事故対処装備一式を載せた3点セット(排水装備、消火・救助用装備、深海作業用装備)が開発され、2022年秋以降に
北方艦隊と
太平洋艦隊へ配備されています。
この3点セット
コンテナは、ある程度の大きさの艦船であれば搭載できるので、この
コンテナを載せれば、如何なる艦船も
救助船の機能を果たす事が可能となり、当面の間は、これを
救助船新規建造の代替措置にするつもりのようです。