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ロシア海軍の新型フリゲートの建造は停滞する

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『タス通信』より
2015年6月3日9時37分配信
【ロゴージン:一連の艦の建造は、ウクライナ製コンポーネントの不足が故に一時停止する】
オムスク、6月3日/タス通信

ロシアは、ウクライナからのガスタービンユニットの供給停止に関連し、海軍のニーズの為の一連の艦の建造を完了させることが出来ない。
副首相ドミトリー・ロゴージンは、オムスクでの談話において表明した。

「(ガスタービンユニットの)供給終了が故に、僕達は、海軍の為の水上艦を完成させる事が出来ないんですよね」
ロゴージン
は話した。

彼によると、ロシアの輸入代替計画の枠組において、以前にはウクライナで生産されていた186製品の生産を進展させる予定である。
「主なものはガスタービンユニットです」
副首相は強調した。

「僕達は、この作業(輸入代替の為の)を2018年までに完了させる予定です」
彼は説明した。

ウクライナ製ガスタービン装置は、特に、「アドミラル・グリゴロヴィチ」型フリゲート(プロジェクト11356)「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲート(プロジェクト22350)に装備されている。

[「アドミラル・グリゴロヴィチ」が引き渡される時]
以前、「統合造船業営団」広報サービスは、沿バルト造船工場「ヤンターリ」で建造されたプロジェクト11356警備艦のトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」が2015年8月に海軍へ引き渡されると発表した。

プロジェクト11356のトップ艦は2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水した。
国防省と署名した2つの契約の下で、「ヤンターリ」「北方計画設計局」により開発されたプロジェクト11356警備艦シリーズを6隻建造する。
現時点では、このシリーズの6隻の内の5隻が起工されており、2番艦「アドミラル・エッセン」は2014年11月7日に進水し、それ以外の船体は船台上で形成されている。


今回、ロゴージン氏は、建造が停滞する事になるロシア海軍水上艦の具体的なタイプを挙げていませんが、現在、ロシア海軍向けに建造中の水上艦ウクライナ製ガスタービンを搭載しているのは、プロジェクト22350大型警備艦プロジェクト11356R警備艦しか在りません。
[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]

プロジェクト22350フリゲートに関しては、1番艦と2番艦のガスタービン機関は供給されましたが、3番艦以降の分の供給は途絶えました。

プロジェクト22350ガスタービンM90FRは、ロシアウクライナの共同開発であり、主な部品はロシアで製造していますが、ガスタービンエンジンの最終組立はウクライナで行なわれていました。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

この体制が昨年からのウクライナ危機により瓦解した為、M90FRの最終組立もロシア国内で行なう事になり、現在、その為の生産体制を構築中です。
M90FRの生産が軌道に乗るのは2018年以降になります。
[ロシアは2018年から艦艇用ガスタービンを量産する]

プロジェクト11356Rガスタービンは、1番艦から3番艦までの分は供給されましたが、4番艦以降の分の供給は途絶えました。
こちらも、ロシア製ガスタービンで代替する事になります。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]

つまり、ロゴージン氏が言っているのは、より具体的には、プロジェクト22350フリゲートの3番艦以降(アドミラル・ゴロフコ、アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ)、プロジェクト11356Rフリゲートの4番艦以降(アドミラル・ブタコフ、アドミラル・イストミン)の建造工事が、今後数年は停滞するという事です。


これ以外にも、この件(ウクライナ製ガスタービンの供給途絶)での直接の影響は有りませんが、早ければ2017年末には1番艦が起工されるロシア海軍将来駆逐艦「リデル」級は、以前にはガスタービン推進艦原子力推進艦の2ヴァージョンの設計が並行して進められていましたが、最近、原子力推進のみに絞られ、ガスタービン推進は断念されています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級は原子力推進となる]


なお、ロゴージン氏は、今回の発言について、ツイッター上で補足しています。
【ドミトリー・ロゴージン氏のツイート】
「これは、幾つかのタイプの水上艦についてのみの話であってね。
それ以外のプロジェクトの作業は、計画通りに進んでいるよ」


当然ながら、ガスタービン推進では無いロシア海軍の新造艦には、全く関係の無い話です。

ロシアは2018年から艦艇用ガスタービンを量産する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年5月29日13時58分配信
【ロゴージン:ロシアは海軍の為のウクライナ製ガスタービンを2018年に代替する】
モスクワ、5月29日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアは、海軍の艦の為のガスタービンエンジンの大量生産を2018年にはものにする。
金曜日、副首相ドミトリー・ロゴージンは、ウラジーミルスキー経済フォーラムで、こう話した。

以前、ロシア連邦海軍の為のガスタービンエンジンは、ウクライナニコラエフ工場「ゾーリャ-マシプロイェクト」で生産されていた。

「僕達は、2017年末には生産をものにしており、2018年には既に我が海軍の為の大量生産へと入っているでしょう」
ロゴージン
は表明した。

彼によると、昨年(2014年)7月、ウクライナの防衛産業企業体からの186項目の輸入代替製品プログラムが承認された。
その中で最も困難と認められるのは、海軍の為のガスタービンエンジンと、航空機およびヘリコプターの為の航空機用エンジンの作成である。


ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」ウクライナ「ゾーリャ-マシプロイェクト」が関わっており、エンジンの最終組立は「ゾーリャ-マシプロイェクト」で行なわれていました。

ロシア海軍新世代水上艦の為のガスタービン(M90FR)も、ロシアウクライナの共同開発でした。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化しました。
2014年3月末には、「ゾーリャ・マシプロイェクト」社ロシアへのガスタービン機関供給を継続していましたが、その後、供給は途絶えました。
[ウクライナ防衛産業は依然としてロシアとの契約を忠実に履行している]

そこで、ガスタービンエンジンの最終組立までを全てロシア国内で行なう事になり、その為の生産体制の構築が進められています。
[ロシア海軍の艦艇には完全国産のガスタービンエンジンが提供される]
[ロシアのサトゥルン社は2017年までにウクライナ製ガスタービンを完全に代替する]
[ロシアは艦艇用ガスタービンの製造を全面的に国内へと切り替える]

今回のロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージン氏の発言によると、ロシア国内でのガスタービン生産体制が完全に整うのは2017年末になるとの事です。

ロシアは水上艦用のエンジン供給を拒否したドイツとウクライナの企業を訴える

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『タス通信』より
2015年3月23日22時35分配信
【統合造船業営団は2400万ユーロのエンジン供給契約の挫折によりドイツのMTUを提訴する】
モスクワ、3月23日/タス通信

統合造船業営団は、ロシアコルベットの為の2400万ユーロのエンジンの供給を拒否したドイツMTU社に対する訴状を提出する。
月曜日、同社総裁アレクセイ・ラフマノフは発表した。

「我々は、幾つかの機器の供給を拒否されました。
それは、ドイツのMTU社です」

彼は、『エコー・モスクワ』の生放送に主演し、こう話した。
「我々へのエンジン供給の拒否のみならず、我々へ前払い金を返そうともしません。
私達は裁判所を通じて処罰へ取り掛かろうとしております」
ラフマノフ
は明らかにした。

「今、適切な訴状は準備されています。
私共は、断じて、このままには致しません」

営団のトップは話した。
ラフマノフによると、挫折した契約の総額は2400万ユーロであり、統合造船業営団にとっては比較的小規模である。

ドイツの動力装置は、国内製造者に置き換えられる。
「我々は既に解決策を見出しております。
これらの動力ユニットの使用を止め、国産へと移行します。
コルベットのシリーズは、我々の動力へと戻ります」

彼は述べた。

MTU社の動力装置は、プロジェクト20385コルベットへの設置が計画されていた。

3月16日に中央海洋設計局「アルマーズ」総取締役アレクサンドル・シリャフテンコが発表したように、コルベット20385へ設置されるディーゼルは、「コロムナ工場」に決定された。

[統合造船業営団はウクライナの「ゾーリャ・マシプロイェクト」社からの金銭の返還を試みる]
更にアレクセイ・ラフマノフは、統合造船業営団が4月1日に裁判所を通じて戦闘艦の為の動力の為に「ゾーリャ・マシプロイェクト」社へ支払った金の返還を試みると述べた。

「既に申し上げましたが、主な問題と頭痛の種は、ガスタービンユニットを阻止したニコラエフのゾーリャ・マシプロイェクトです。
そして、4月1日に私共は、我々の法的訴追に取り掛かります。
一般的には第1クオーター(1月~3月)までは責任は生じません。
ですが、その時期(4月1日)から後には責任が伴うでしょう」

彼は話した。

「我々は、金銭か、或いはタービンを引き出す為に全力を尽くして闘う事になるでしょう。
ですが、私共は、近い内に、それ(タービン)を受け取る可能性を予見できるのかと言えば、事実上無いでしょう」

彼は付け加えた。

「ゾーリャ・マシプロイェクト」は、ロシア「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲート(プロジェクト22350)及び「アドミラル・グリゴロヴィチ」型フリゲート(プロジェクト11356)の主動力装置を供給していた。


記事中で触れられているように、ロシア海軍の為に建造されるプロジェクト20385コルベットには、ドイツMTU社製のディーゼルエンジンが装備される予定でしたが、昨年からのヨーロッパ諸国対ロシア制裁により、その供給は途絶えました。
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]

この為、代わりにロシア製ディーゼルエンジンが搭載される事になりました。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

そして、ロシア造船業の総元締である「統合造船業営団」総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、前払い金を取り戻す為、MTU社への訴訟を起こす意向を明らかにしました。
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更に、ロシア海軍新型フリゲート用のガスタービンエンジンは、ウクライナ「ゾーリャ・マシプロイェクト」から供給されていましたが、こちらも昨年4月以降は供給が途絶えました。

この為、これまではウクライナで行なっていたガスタービンエンジンの最終組立を、ロシア国内へ移行する事になりました。
[ロシア海軍の艦艇には完全国産のガスタービンエンジンが提供される]


そして、こちらも、供給されなかったガスタービンへ前もって支払われていた金を取り戻す為、訴訟が起こされる事になりました。

ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年1月27日12時42分配信
【「ネウストラシムイ」のタービンはサマーラの航空機工場で修理される】

警備艦「ネウストラシムイ」のタービン動力装置(ウクライナで製造された)は、サマーラの航空機工場で修理されなければならない。

警備艦第1タービン動力装置は、サマーラの航空機工場で修理される。
バルト艦隊新聞『バルトの守護者』は報じた。
タービンは1月に企業へ送られたと報じられている。

「実施される修理の完璧さとクオリティを確認する為、艦隊委員会と第5戦闘部の艦の専門技術者が到着する。
何しろ、サマーラの工場は、このような特異な発注を初めて実行するのであるから」

新聞は記した。

以前には修理作業はウクライナニコラエフ市の工場で実行されていた。

数日前、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフは、ロシア防衛産業複合企業の為のウクライナ製品の輸入代替問題は解決されると表明した。

警備艦「ネウストラシムイ」は、1年以上に渡り「ヤンターリ」工場で修理中である。


バルト艦隊警備艦「ネウストラシムイ」(1993年就役)は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰港しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]

その後はカリーニングラードヤンターリ造船所へ回航され、修理が行なわれています。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]

その「ネウストラシムイ」ガスタービン機関は、サマーラ工場で修理されることになりました。
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「ネウストラシムイ」(プロジェクト11540警備艦)ガスタービン機関は、巡航用M-70(10000馬力)1基と高速航行用M-90(18500馬力)1基から成るタービンユニット2組で構成されています。

「サマーラの航空機工場」というのは、「クズネツォフ」社(N.D.クズネツォフ記念サマーラ科学技術複合体)の事でしょう。
同社は主に大型航空機用のジェットエンジンなどを製造しています。
(ロシア空軍戦略爆撃機Tu-95、Tu-160など)
【公開株式会社『クズネツォフ』公式サイト】
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これまでロシア海軍艦艇用ガスタービン機関の製造(ユニットの最終組立)や修理に関してはウクライナ(「ゾーリャ・マシプロイェクト」社)に依存していましたが、2014年3月以降、ウクライナとの関係が悪化し、もはやウクライナに頼る事は出来なくなりました。

この為、ガスタービンエンジンは完全にロシア国内で製造される事になりました。
[ロシア海軍の艦艇には完全国産のガスタービンエンジンが提供される]

ガスタービンエンジンの修理に関しても、今回の記事の通り、ロシア国内のジェットエンジンメーカーで行なわれる事になるようです。

ロシア海軍の艦艇には完全国産のガスタービンエンジンが提供される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年7月16日14時44分配信
【統合機関製造営団:ロシア海軍の艦は輸入代替問題に左右されない】
モスクワ、7月16日-ロシア通信社ノーボスチ

既存及び将来のロシア戦闘艦並び戦闘艇には、国産エンジンが提供される。
水曜日(7月16日)、ロシア通信社ノーボスチは「統合機関製造営団」の代理人より伝えられた。

6月中旬、ウクライナ大統領ピョートル・ポロシェンコは、ロシアとのあらゆる軍事技術協力を禁止した。
先のこの禁止は、2重用途の製品、例えば軍用及び民間用として使用できるヘリコプターのエンジンには影響を及ぼさない。
ロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージンは、ロシアが既にウクライナ製の軍用製品の輸入代替プランを有していると答えた。

「海洋ガスタービンエンジンの分野において、我々は輸入代替プログラムを作動させなければなりません。
具体的には、既に最大出力7000馬力のM75RUエンジンと最大出力14000馬力のM70FRUエンジンを作成しており、これらは非常に経済的な第4世代自動化船舶用ガスタービンエンジンです」
統合機関製造営団
の代理人は話した。

彼は、これら(のガスタービン機関)が、様々な組み合わせにより、海軍及び連邦保安庁境界線警備隊の艦及び艇の装備のニーズが完全に提供される事を強調した。

統合機関製造営団の代理人は、「ゾーリャ-マシプロイェクト」(ニコラーエフ、ウクライナ)ロシア連邦海軍の為のエンジン製造の協同作業に関わっていた事を想い起した。


実際には、ロシア-ウクライナ合同企業・非公開株式会社「トゥルボルス」は、ロシア連邦海軍の為の海洋ガスタービンエンジンの開発、供給、修理、そしてアフターサービスに従事していた。
特に、プロジェクト22350フリゲートの為の最大出力27500馬力のガスタービンエンジンM90FR、更には、ディーゼル-ガスタービン集合体M55Rが在る。
(ウクライナの)「ゾーリャ-マシプロイェクト」はガス発生器と減速機を、ロシア科学生産合同「サトゥルン」はパワータービンを生産する。
自動管理システムは(ロシアの)科学生産合同「アヴローラ」が造る。

「更に、ルイビンスクでは海洋ガスタービンエンジンの為の試験台の建造が全力全開で進められております。
これは、海軍用のフルサイズの試験集合体の為のロシア領内の特殊な基盤となります」
統合機関製造営団
の代理人は話した。


【公開株式会社『統合機関製造営団』公式サイト】

ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」ウクライナ「ゾーリャ-マシプロイェクト」が関わっており、エンジンの最終組立は「ゾーリャ-マシプロイェクト」で行なわれていました。

【科学生産合同「サトゥルン」公式サイト】
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【『科学製造合同アヴローラ』公式サイト】
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【国営企業ガスタービン製造科学工業複合体「ゾーリャ-マシプロイェクト」公式サイト】
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なお、ロシアカルーガ市に在る非公開株式会社「科学製造国内企業トゥルボコン」は、公式サイトを持っていません。
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ソヴィエト連邦時代、ガスタービン搭載艦は、ニコラーエフ市61コムーナ造船所カリーニングラード州ヤンターリ造船所ゼレノドリスクゴーリキー造船所などで建造されていました。
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特に、ウクライナ61コムーナ造船所では大型のガスタービン推進艦が建造されていました。
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プロジェクト61大型対潜艦/警備艦(1962-1973年に15隻建造、他にレニングラードで5隻建造)
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プロジェクト1134B大型対潜艦(1971-1979年に7隻建造)
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プロジェクト1164ロケット巡洋艦(1982-1989年に3隻建造、1隻未完成)
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ですから、ニコラーエフ市ガスタービンエンジンの最終組立工場が在った方が輸送などの面で都合が良かったわけです。
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しかし、1991年末のソ連邦解体後、ガスタービン機関の部品を製造する会社と最終組立を行なう会社が別々の国に分かれてしまう事になり、何かと不都合が生じました。

そこで1993年、旧ソ連ガスタービン製造に関わっていた「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、「ゾーリャ-マシプロイェクト」が集まり、合同企業「トゥルボルス」が設立されました。
【非公開株式会社『トゥルボルス』公式サイト】

ロシア海軍新世代水上艦の為のガスタービン(M90FR)も、ロシアウクライナの企業の共同開発でした。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化しました。

2014年3月末には、「ゾーリャ・マシプロイェクト」社ロシアへのガスタービン機関供給を継続していましたが、その後、供給は途絶えました。
[ウクライナ防衛産業は依然としてロシアとの契約を忠実に履行している]

この為、ガスタービンの生産を全面的にロシア国内へと切り替える事になりました。
[ロシアは艦艇用ガスタービンの製造を全面的に国内へと切り替える]
[ロシアのサトゥルン社は2017年までにウクライナ製ガスタービンを完全に代替する]

記事中で触れられていますが、既に「完全なロシア製」(つまりゾーリャ-マシプロイェクトが関わっていない)の艦艇用ガスタービン「サトゥルン」社により開発・生産されています。
【ガスタービンエンジンM75RU/M70FRU】

これに続き、以前はウクライナで最終組立が行なわれていた新世代ガスタービンエンジンM90FRや、既存のガスタービンエンジンも、完全にロシア国内での製造へ移行します。
【ガスタービンエンジンM90FR】

記事末尾で名前が出ているルイビンスク市には「サトゥルン」社、「トゥルボルス」社が在り、ここが艦艇用ガスタービンエンジン製造の中核となります。
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ロシアのサトゥルン社は2017年までにウクライナ製ガスタービンを完全に代替する

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『イタルタス』より
2014年7月14日13時24分配信
【科学生産合同「サトゥルン」は2017年までのロシア海軍艦の為のウクライナ製エンジンの代替を計画している】
モスクワ、7月14日/イタルタス特派員エフゲニー・ニキーチン

科学生産合同「サトゥルン」は、2017年までにロシア戦闘艦へ装備されている輸入のウクライナ製海洋ガスタービンエンジンの代替を完全に提供する。
イタルタス特派員は同社の広報サービスより伝えられた。

「当社は、輸入代替プログラムを全力全開で推進しております。
我々は、ウクライナにおける我が方の需要分を、全て当方で生産いたします。
無論、我々は、ウクライナの専門家がやってくる事を望んでおります」

「サトゥルン」取締役イリヤ・フョードロフは話した。

彼によると、2017年、同社は、M90FRエンジン(27000馬力)と、これに基づく集合体の作成に関し「完全な生産サイクルの確保の為の全ての指示された課題」を責任を以て遂行しているだろう。
更に「サトゥルン」は、ロシア海軍の為のガスタービンエンジンの試験の為の基盤を用意する。
広報サービスは、既にM75RUエンジン(7000馬力)とM70FRUエンジン(14000馬力)が作成されている事を指摘した。

「我々は確信しております。
2017年までには、科学生産合同サトゥルンの前に置かれた課題は実行に移されており、私達の艦が動力が無いまま停泊している事など、全くありません。
今日の問題である輸入代替については、国家安全保障の為の重要性に鑑み、既に私共の為の最初のプランが出されております」
「サトゥルン」
のトップは強調した。

ロシア連邦海軍の最新戦闘艦、特にプロジェクト22350フリゲートプロジェクト11356フリゲートには、ニコラエフ「ゾーリャ・マシプロイェクト」の動力装置が装備されている。

ウクライナからの供給への依存を避ける為、(ロシア)海軍総司令部は2000年代に、ガスタービンエンジン及び海軍水上艦の集合体の使用並びに作成の概念、ルイビンスク科学生産合同「サトゥルン」が統合供給機能を担う事を承認した。

6月、「統合造船業営団」総裁アレクセイ・ラフマノフは、一時的にロシア艦ウクライナ製動力装置を代替する為の「興味深い選択肢」は幾つか存在するものの、最終目標は、主要集合体生産のロシアへの移転であると表明した。


旧ソ連・ロシア海軍艦艇のガスタービン機関は、ウクライナで製造されていました。

【国営企業ガスタービン製造科学工業複合体「ゾーリャ-マシプロイェクト」公式サイト】

ソ連邦解体後、ウクライナ及びロシアガスタービン製造に関わる企業4社が集まり、合同企業「トゥルボルス」が設立され、ここを窓口としてウクライナからロシアへのガスタービン機関の「輸出」は継続されていました。

ロシア海軍新世代水上艦の為のガスタービンも、ロシアウクライナの企業の共同開発であり、最終組立はウクライナ「ゾーリャ・マシプロイェクト」社で行なわれていました。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化しました。

2014年3月末には、「ゾーリャ・マシプロイェクト」社ロシアへのガスタービン機関供給を継続していましたが、その後、供給は途絶えました。
[ウクライナ防衛産業は依然としてロシアとの契約を忠実に履行している]

そこで、ガスタービンの生産を全面的にロシア国内へと切り替える事になりました。
[ロシアは艦艇用ガスタービンの製造を全面的に国内へと切り替える]

具体的には、ウクライナ「ゾーリャ・マシプロイェクト」社で行なわれていたガスタービンユニットの最終組立をロシア国内で行なうという事です。

ロシアでの艦艇用ガスタービンの開発と生産は、「サトゥルン」社が担当する事になります。
【科学生産合同「サトゥルン」公式サイト】

「サトゥルン」社は、既に幾つかの艦艇用ガスタービンを開発、生産しております。
【ガスタービンエンジンM75RU/M70FRU】

これに続き、ロシア海軍向けに新造されているプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト11356Rフリゲートの為のガスタービンエンジンの生産もウクライナに代わって行う事になります。
【ガスタービンエンジンM90FR】

ロシアは艦艇用ガスタービンの製造を全面的に国内へと切り替える

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年6月20日12時53分配信
【ロシア連邦は2016年までに戦闘艦の為のガスタービンの試験を実施する】
モスクワ、6月20日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアは2016年末までには戦闘艦の為のガスタービン集合体の試験を実施し、独自プロジェクトの生産及び供給開始の準備が整う。
「統合造船業営団」総裁アレクセイ・ラフマノフテレビ局『ロシア24』のインタビューに対し、こう述べた。

これに先立ち、ロシア連邦産業・貿易相デニス・マントゥロフは、ロシア防衛産業の為のウクライナからの機器の供給、特に、ロシア造船企業の為のガスタービンの供給が滞っていると表明した。

「私共の最大の懸念は、我々の水上艦へ載せられるガスタービン集合体に関するものです。
私が思いますに、既に採択された決定については、大統領から明らかにされております-我々は、輸入の代替に向かいます。
2016年末にはロシアで生産された最初のガスタービン集合体が試験され、独自のプロジェクトを実行する為の準備が整っているものと承知しております」
ラフマノフ
は話した。

彼によると、ロシアにはガスタービン製造の経験が無いなどと言われているのは間違いである。
ガスタービン集合体の製造者は、既に決められている-それは「サトゥルン」社になる。

「その能力により海洋ガスタービン集合体、機械部品の生産が展開され、サンクトペテルブルクの企業、特にズヴェズダー工場が、それに従事します」
ラフマノフ
は付け加えた。


旧ソ連・ロシア海軍艦艇のガスタービン機関は、ウクライナで製造されていました。

【国営企業ガスタービン製造科学工業複合体「ゾーリャ-マシプロイェクト」公式サイト】

ソ連邦解体後、ウクライナ及びロシアガスタービン製造に関わる企業4社が集まり、合同企業「トゥルボルス」が設立され、ここを窓口としてウクライナからロシアへのガスタービン機関の「輸出」は継続されていました。

ロシア海軍新世代水上艦の為のガスタービンも、ロシアウクライナの企業の共同開発であり、最終組立はウクライナ「ゾーリャ・マシプロイェクト」社で行なわれていました。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化しました。

2014年3月末には、「ゾーリャ・マシプロイェクト」社ロシアへのガスタービン機関供給を継続していましたが、その後、供給は途絶えました。
[ウクライナ防衛産業は依然としてロシアとの契約を忠実に履行している]

そこで、ガスタービンの生産を全面的にロシア国内へと切り替える事になりました。
具体的には、ウクライナ「ゾーリャ・マシプロイェクト」社で行なわれていたガスタービンユニットの最終組立をロシア国内で行なうという事です。

今回の「統合造船業営団」総裁アレクセイ・ラフマノフ氏の発言によると、その為の体制は2016年末までに整います。

基本的に艦艇用ガスタービン航空機用ジェットエンジンと同一の構造なので、航空機用ジェットエンジンを製造できるのならば、艦艇用ガスタービンの製造は充分に可能です。

ロシアでの艦艇用ガスタービン開発は、「サトゥルン」社が担当する事になります。
【科学生産合同「サトゥルン」公式サイト】
「サトゥルン」社ロシア戦闘機用のジェットエンジンなどを開発しており、上記の合同企業「トゥルボルス」の一員でもあります。

ガスタービン機関の製造は、サンクトペテルブルク「ズヴェズダー」工場で行なわれます。
【公開株式会社「ズヴェズダー」公式サイト】

しかしながら、ガスタービンの生産体制が完全に整うまでには、各方面で影響が出る事は避けられないでしょう。

例えば、ロシア海軍向けのプロジェクト22350フリゲートプロジェクト11356フリゲートの建造とか。
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ウクライナ防衛産業は依然としてロシアとの契約を忠実に履行している

『アルムス-タス』より
【ウクライナ防衛業界は、依然としてロシアへの輸出契約を定められたスケジュールに厳密に沿って実行している】
モスクワ、3月21日(アルムス-タス)

ウクライナ防衛業界は、依然として海軍の機器に関するロシアへの輸出契約を定められたスケジュールに厳密に沿って実行している
本日(3月21日)、イタルタス特派員は、「統合造船業営団」国家発注・軍事技術協力担当副総裁イーゴリ・ポノマリョフより伝えられた。

「現在の状況を考慮し、統合造船業営団は産業省と共に、ウクライナを含む海外からの製品の入手に関し、輸入の代替の可能性の問題について詳細な分析を行なっております。
これは、あらゆる遅延、混乱、経済制裁の場合による軍事造船プログラムの実行に対する保険という目的で行なわれております」

副総裁は指摘した。

「現時点において、ウクライナ側のパートナーによる供給時期の遅延は有りません。
具体的に申し上げますと、3月に私共は、沿バルト造船工場ヤンターリで建造されているプロジェクト11356の為のガスタービンを、ウクライナの企業ゾーリャ-マシプロイェクトから受け取りました」


「その他の海軍機器プログラムでも、供給時期に関する混乱は有りません。
配送は通常通りの早いペースです。
従いまして、私共には、ウクライナの友人たちに対する不満は一切御座いません」

彼は話した。

「同時に、私共は、情況が不利な方向へ発展する可能性を除外しておらず、その為に準備しています」
統合造船業営団の副総裁は付け加えた。

ロシア海軍の最新の戦闘艦には、ニコラエフに位置するウクライナ国営企業「ガスタービン科学研究複合体ゾーリャ-マシプロイェクト」により製造された動力装置が装備される。

以前、アルムス-タス特派員が「ゾーリャ-マシプロイェクト」マーケティング部長アナトーリー・スタショクより伝えられたように、同社は、最新のロシアフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型(プロジェクト22350)フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」型(プロジェクト11356)の為の主動力装置の供給契約を履行している。

ウクライナ企業は、黒海艦隊の為に建造されている最新のロシアフリゲートの為の主動力装置を6組の製造・供給契約を結んでいる。
それは「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・ブタコフ」「アドミラル・イストミン」、そして「アドミラル・コルニーロフ」である。

以前、ニコラエフは、ロシア企業体「トゥルボルス」を通じ、造船工場「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へ、新たなロシアプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」及び「アドミラル・カサトノフ」の為の出力6万馬力のM56機関2組を製造し、供給した。
同プロジェクト3隻目のフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」の為の機関の製造は完了している。


[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

プロジェクト22350フリゲートには、ロシア・ウクライナ共同開発のガスタービンエンジンが搭載されます。
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フリゲート「アドミラル-フロータ・カサトノフ」に搭載されるガスタービンエンジン
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プロジェクト11356フリゲートにも、ウクライナ製ガスタービンエンジンが搭載されています。
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最近のウクライナ情勢の悪化を受け、西側諸国はロシアへの制裁を行ない、軍事協力に関しても、「ミストラル」級を除く大部分は停止されています。

しかし、肝心のウクライナは、今回の記事に有るように、今月に入っても、依然としてロシアへのガスタービンエンジン納入を続けています。


なお、ウクライナ製艦艇用ガスタービンのユーザーとしては、ロシアの他に中国が居ます。

中国は、つい最近までガスタービンを国内で製造する事が出来ず、ウクライナからの完成品輸入に頼っていました。
この為、ガスタービンを搭載する駆逐艦クラスの水上戦闘艦に関しては、大量に建造する事が出来ずにいました。
2000年代前半、中国が新型駆逐艦を少数しか建造しなかったのは、この為です。
(ディーゼルエンジンは国産出来た為、ディーゼル機関搭載の054A型フリゲートは大量に建造した)

しかし、この数年でウクライナガスタービンを国産化する目途が立った事を受け、中国海軍駆逐艦の「量産」に踏み切りました。
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