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最新の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦インペラートル・アレクサンドルIIIと原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクは2023年にロシア海軍へ就役する

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『ズヴェズダーテレビ』より
2023年2月27日9時52分配信
【2隻の原子力潜水艦「アレクサンドルIII」と「クラスノヤルスク」は2023年に海軍へ受け入れられる】

戦略原子力潜水艦「アレクサンドルIII」多目的原子力潜水艦「クラスノヤルスク」は、今年にロシア海軍へ引き渡される。
『統合造船業営団』は通知した。

『セヴマシュ』は、一年に1隻~2隻の原子力潜水艦の引き渡しを可能にするようなペースを獲得した事が指摘された。
『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューで『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは話した。

「2021年と2022年はそうでした。
2023年も、そうなる事を願っております。
それは、戦略艦アレクサンドルIIIと多目的艦クラスノヤルスクになるでしょう」

対談者は話した。

戦略原子力潜水艦「アレクサンドルIII」プロジェクト955A「ボレイ-A」多目的原子力潜水艦「クラスノヤルスク」885M「ヤーセン-M」に属する。

少し前にラフマノフは、2028年以降、原子力潜水艦は以前のような7年ではなく6年で建造されるようになると話した。
イノベーションは、2027年以降に起工される艦へ影響を与える。



ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの7番艦「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は、2014年7月27日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』(北方機械製造事業)で起工されました。
(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては4番艦)
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[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]


ロシア帝国海軍最後の戦列艦であり、ロシア革命後にチュニジアへ脱出した先代「インペラートル・アレクサンドルIII」に因んで命名されました。
同名の艦としては3代目となります。
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[ロシア海軍の新造艦に皇帝アレクサンドル3世の名が付けられる]
[ロシア海軍最新戦略原潜ボレイ級7番艦はインペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)と命名される]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ボレイ級7番艦インペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は発注された]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ボレイ級7番艦はインペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)と命名された]

3代目「インペラートル・アレクサンドルIII」の建造工事は『セヴマシュ』で進められ、2022年12月29日に進水式典が開催されました。

[ロシア海軍の最新戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)はセヴェロドヴィンスクで進水した]

同日、同型艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の就役式典(聖アンドレイ旗初掲揚式典)も開催されました。
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[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフ、小型ロケット艦グラード、対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはロシア連海軍へ就役した]

「インペラートル・アレクサンドルIII」は2023年に6月に洋上試験を開始し、同年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
就役後は太平洋艦隊へ配備されます。
[最新戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は2023年6月に洋上試験を開始し、同年末にロシア海軍へ就役する]


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プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦 シリーズの4番艦(プロジェクト「ヤーセン-M」としては3隻目)K-571「クラスノヤルスク」は、2014年7月27日に起工されました。
[多用途原潜ヤーセン級4番艦クラスノヤルスク(と戦略原潜ボレイ級5番艦)はロシア海軍の日に起工された]

2017年1月下旬までに船体の水圧試験が終了しました。
[ロシア海軍の第4世代多用途原潜ヤーセン級4番艦クラスノヤルスクの船体の水圧試験が行なわれた]

2021年7月30日に進水しました。

[ロシア海軍のヤーセン-M級原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクはセヴェロドヴィンスクで進水した]

進水後、造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2022年6月26日、「クラスノヤルスク」セヴェロドヴィンスクから出航し、洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のヤーセン-M級原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクは白海で洋上試験を開始した]

その後も洋上試験は続けられました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のヤーセン-M級原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクは洋上試験を続けている]

「クラスノヤルスク」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていましたが実現せず、翌2023年に延期される事になりました。
[最新の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフと原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクは2022年12月30日にロシア海軍へ就役し、2023年夏以降に太平洋艦隊の原子力潜水艦基地へ到着する]
こちらも就役後は太平洋艦隊へ配備されます。
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フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」とコルベット「メルクーリイ」は2023年にロシア海軍へ就役する

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『タス通信』より
2023年2月7日22時31分配信
【国防省はフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」が2023年に北方艦隊へ加わると発表した】
モスクワ、2月7日/タス通信

試験の第3段階に在る最新のプロジェクト22350ロケットフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は、今年に北方艦隊へ加入する。
火曜日に配布されたロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将主催下の会議の結果についてのロシア国防省の声明では、こう述べられた。

以前、防衛産業企業体に近い情報筋は、プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は2023年3月にロシア海軍への引き渡しが計画されている『タス通信』へ伝えた。

「今年にフリゲート"アドミラル・ゴロフコ"は北方艦隊へ加入し、そしてコルベット"メルクーリイ"は黒海艦隊の水上艦構成への補充が計画されております」
声明では、こう述べられた。

軍当局が明らかにしたように、『北方造船所』指導部は、「アドミラル・ゴロフコ」バルト海エリアで試験の第3段階を行なっていると総司令官へ報告した。
「フリゲートは砲兵器複合体、対空防衛複合体、これらの管制システム、電波技術装置と通信手段の動作を点検しました。
更に、バルト艦隊射爆場において、コルベット"メルクーリイ"が試験の最終段階に在ります」

彼は付け加えた。
現在、工場試運転チームは、乗組員と共に機動性及び速力試験を行ない、そして更には集合体、システム、ユニットと兵装の動作を点検している。

次にエフメノフは会議中に、「フリゲート」及び「コルベット」級の新たな艦の保守整備システムが効率的に機能する事の重要性を強調した。
これらの艦の為の修理-技術文書の開発は、第51中央設計-艦船修理技術研究所が担当している。

軍当局に近い情報筋は、昨年10月に『タス通信』へ、「メルクーリイ」海軍への引き渡しの悲観的な時期は2023年初頭になると伝えた。

[艦について]
「アドミラル・ゴロフコ」
は、プロジェクト22350の3番艦である。
フリゲートシリーズのトップ「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」と最初の生産艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、既に北方艦隊ロケット艦連合部隊の一員として勤務に就いている。
艦は有翼ミサイル「カリブル」或いは「オーニクス」、将来的には極超音速ミサイル「ツィルコン」を搭載する。

「メルクーリイ」『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で建造された第5のプロジェクト20380艦である。
同プロジェクトの主要対艦兵装は、2基の4連装傾斜式コンテナ発射装置で構成され、弾薬として射撃距離260キロメートルの対艦ミサイルKh-35Uを8基持つミサイル複合体「ウラン」である。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は、プロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」(2020年12月29日就役)と共にサンクトペテルブルク『北方造船所』で2012年2月1日に起工されました。


起工から2年後の2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係が悪化した為、ガスタービンエンジン(M90FR)の供給が途絶える事になりました。

元々、ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア及びウクライナの企業が関わっており、エンジンの最終組立はウクライナで行なわれていました。
(主要部品はロシアの企業で製造し、それをウクライナへ送って最終組み立て)
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

ウクライナでの最終組み立てが出来なくなった為、その為の設備をロシア国内に建設し、完全にロシア国内だけでガスタービンエンジンを生産できる体制を構築する必要が生じ、この体制作りに数年を要しました。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦のガスタービンエンジンはロシア国内で製造されている]
[ロシア海軍の新世代フリゲート・プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)における輸入代替問題]

ようやくガスタービンエンジン完全国産の目途が立ち、「アドミラル・ゴロフコ」用のガスタービン造船所へ供給されました。
これにより、建造が遅延していた「アドミラル・ゴロフコ」も進水する目途が立ちました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2020年7月1日までに進水する]

以前には2020年4月末~5月初頭の進水が予定されていましたが、新型コロナウイルス流行の影響の為、5月22日に延期されました。

[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは進水した]

進水後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
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2021年夏以降に造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは係留試験の準備を進めている]

「アドミラル・ゴロフコ」の洋上試験は2022年9月の開始が予定されていました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2022年9月に洋上試験を開始する]
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しかし、「アドミラル・ゴロフコ」サンクトペテルブルク造船所の岸壁を離れ、海上へ出たのは11月26日になりました。

[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコの最初の洋上試験が始まる]
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」、洋上試験開始(2022年11月26日)]

「アドミラル・ゴロフコ」フィンランド湾で洋上試験の最初の段階となる工場航行試験を開始し、バルト艦隊の艦船と航空隊が試験をサポートしました。
[ロシア海軍バルト艦隊は最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」の洋上試験をサポートする]

「アドミラル・ゴロフコ」工場航行試験の第1段階を完了し、12月6日にサンクトペテルブルク造船所の岸壁へ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」はフィンランド湾での洋上試験の第1段階を完了し、サンクトペテルブルクへ帰投した]

12月26日に再び出航し、工場航行試験の第2段階を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」はバルト海で洋上試験を継続する]

現在も洋上試験は続けられています。

「アドミラル・ゴロフコ」は2023年中にロシア海軍へ引き渡され、北方艦隊へ配備されます。

非公式筋ですが、3月中に引き渡されるという話も有ります。
[最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は2023年3月にロシア海軍へ就役する?]


サンクトペテルブルク『北方造船所』で建造されるプロジェクト20380コルベットとしては5番艦となる「リェチーヴイ」(「熱心な」という意味の形容詞)は、2015年2月20日に起工されました。

[ロシア海軍の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"と"ストローギー"はサンクトペテルブルクで起工された]

複合材料製の上部構造物はサンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で製造され、2016年8月に完成し、『北方造船所』へ引き渡されました。
[ロシア海軍のプロジェクト20380コルベットの為の複合材料製上部構造物はサンクトペテルブルクで製造された]

2018年3月までにディーゼルエンジンが設置されました。


2020年3月12日に進水しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"はサンクトペテルブルクで進水した]

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2021年10月5日に造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月5日9時35分配信
【コルベット「リェチーヴイ」の係留試験が始まった】

2021年10月中旬、「リェチーヴイ」ロシア海軍にとっては伝統的な名前である「メルクーリイ」(水星)(1928~1829年のロシア-トルコ戦争において、1829年2月9日に2隻のトルコ戦列艦と戦って勝利したブリッグ)へ改名される事になりました。
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[ロシア海軍の新型コルベット"リェチーヴイ"と"メルクーリイ"は改名された]

2022年5月21日、「メルクーリイ」サンクトペテルブルクを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新コルベット「メルクーリイ」洋上試験開始(2022年5月21日)]
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5月26日にクロンシュタットへ帰港しました。


「メルクーリイ」は5月末に出航し、6月1日にクロンシュタットへ帰港しました。
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7月31日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

[最新鋭コルベット「メルクーリイ」は7月31日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式に参加する]

観艦式が終わった後、「メルクーリイ」の洋上試験(工場航行試験)は再開されました。
[プロジェクト20380コルベット「メルクーリイ」はロシア海軍への引き渡しを準備する]
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「メルクーリイ」はバルト海で洋上試験を続けている]

2022年12月初頭には工場航行試験の最終段階を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海で工場航行試験の最終段階を開始した]

工場航行試験は12月中旬までに終了し、12月15日から最終洋上試験となる国家試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海で最終洋上試験(国家試験)を開始した]

12月25日には水上目標への砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海での洋上公試中に対水上砲撃を実施した]

2023年1月21日にも水上目標への砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海での洋上公試中に100mm単装砲を発射した]

国家試験が完了した後に造船所で艦の最終点検が行なわれ、ロシア海軍への引き渡し準備が整います。

「メルクーリイ」ロシア海軍への引き渡しは2023年初頭に予定されています。
[プロジェクト20380コルベット「メルクーリイ」のロシア海軍への引き渡しは2023年初頭になるかもしれない]

「メルクーリイ」黒海艦隊への配備が予定されています。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【コルベット「メルクーリイ」】

2023年8月の軍事技術フォーラム『アルミヤ-2023』でロシア海軍のプロジェクト22350/22350Mフリゲート6隻の建造契約が締結される

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『タス通信』より
2023年2月2日9時31分配信
【情報筋:フォーラム『アルミヤ-2023』で6隻のフリゲートの建造契約へ署名される】
モスクワ、2月2日/タス通信

ロシア連邦国防省との6隻の大洋ゾーンフリゲートプロジェクト22350及び22350Mシリーズの契約は、フォーラム『アルミヤ-2023』での署名が計画されており、それは『アムール造船工場』が受けるかもしれない。
『タス通信』防衛産業企業体の情報筋より伝えられた。

「フォーラム『アルミヤ-2023』では、6隻のプロジェクト22350及び22350Mフリゲートシリーズの建造契約への軍当局との署名が計画されています」
彼は話した。

彼によると、コルベット小型ロケット艦を建造している『アムール造船工場』(ASZ、『統合造船業営団』へ加入)は、来年には太平洋艦隊の為の新たなタイプの艦~フリゲート~の建造へ着手する準備を整えている。
「これは、6隻の遠海ゾーン艦プロジェクト22350と、近代化ヴァージョン22350Mのシリーズになります」
対談者は話した。

彼は、工場は生産設備の近代化を完了しており、2隻の艦を起工し、建造する為に造船台の作業場を更新している事を指摘した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

[工場と艦について]
『アムール造船工場』
の作業場では、4隻のプロジェクト22800「カラクルト」型小型ロケット艦(「ルジェフ」、「ウドムリャ」「パヴロフスク」「ウスリースク」)と3隻のプロジェクト20380コルベット(「リェーズキー」「グローズヌイ」「ブラーヴイ」)を建造している。
コルベット「ブーイヌイ」「ブイストルイ」更新プロジェクト20385として建造されている。
2020年に国防省と署名した契約に沿って、同社はこのプロジェクト(20385)を4隻建造する。

防衛産業企業体の情報筋は『タス通信』へ、プロジェクト22350Mフリゲートのトップの起工は、2023年に新たな造船台が稼働へ入る『北方造船所』で計画されていると伝えた。
12隻の近代化プロジェクト22350Mの建造が計画されており、各艦は48基の有翼ミサイル「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」を搭載する。
新たなフリゲートには、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」対潜兵器及び魚雷兵器の装備が予定されている。



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1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で8隻が起工されており、この内2隻がロシア海軍へ引き渡され、もう1隻が艤装中です。

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Горшков»(工場番号921)
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2006年2月1日起工/2010年10月29日進水/2018年7月28日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号454)

「アドミラル・フロータ・カサトノフ」«Адмирал флота Касатонов»(工場番号922)
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2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2020年7月21日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号461)

「アドミラル・ゴロフコ」«Адмирал Головко»(工場番号923)
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2012年2月1日起工/2020年5月22日進水/2023年就役予定
北方艦隊へ配備予定

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Исаков»(工場番号924)
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2013年11月14日起工/2023年以降就役予定

「アドミラル・アメリコ」«Адмирал Амелько»(工場番号925)
2019年4月23日起工/2024年就役予定

「アドミラル・チチャーゴフ」«Адмирал Чичагов»(工場番号926)
2019年4月23日起工/2025年就役予定

「アドミラル・ユマシェフ」«Адмирал Юмашев»(工場番号927)
2020年7月20日起工/2025年就役予定

「アドミラル・スピリドノフ」«Адмирал Спиридонов»(工場番号928)
2020年7月20日起工/2026年就役予定


5番艦(「アドミラル・アメリコ」)以降は巡航ミサイルの搭載数を増加した改正型となります。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの後期建造艦(5番艦以降)は32基の巡航ミサイル(対艦ミサイル)を搭載する]

9番艦と10番艦の起工も予定されています。
[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート10番艦は「アドミラル・ヴィソツキー」と命名される]


その後は拡大発展型のプロジェクト22350Mフリゲートの建造へと移行します。
[ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の排水量は9000~10000トンに増加する]


そして非公式筋の情報ですが、2023年8月14日~20日にモスクワ州クビンカ『愛国者公園』での開催が予定されている軍事技術フォーラム『アルミヤ-2023』で、6隻のプロジェクト22350及び22350Mフリゲートの建造契約への署名が予定されている事が明らかにされました。

これまで22350フリゲート『北方造船所』のみで建造されてきましたが、この契約は、ロシア極東コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』が受注する可能性が高いようです。
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プロジェクト20380/20385コルベットも当初は『北方造船所』で建造されていましたが、後に『アムール造船工場』へ建造が移管されていますから、『アムール造船工場』22350フリゲートを建造するのは、それほど非現実的な話とは言えないでしょう。
[コムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』はロシア海軍向けのアドミラル・ゴルシコフ型フリゲートを建造する用意がある]

22350(満載排水量5400トン)はさておき、その拡大型22350Mは満載排水量10000トン級の艦になる可能性も有りますが、これまでに『アムール造船工場』が建造した最大の水上艦は満載排水量10040トン、全長191.2メートル、幅17.7メートルのプロジェクト26-bis巡洋艦(「カリーニン」、「カガノヴィチ」)ですから、大体同サイズの22350Mの建造自体は不可能では無いでしょう。
(この他の大型艦としては、1980年代以降には水中排水量10500トンのプロジェクト971原子力巡洋潜水艦を建造)

巡洋艦「カリーニン」(1942年12月31日就役、1963年4月12日除籍)
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巡洋艦「カガノヴィチ」(1947年2月8日就役、1964年除籍)
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プロジェクト26-bis巡洋艦『アムール造船工場』(当時は第199工場)で進水した後にウラジオストクへ回航して最終艤装を行なってから就役していますが、仮に同社で22350Mフリゲートを建造する事になれば、同じパターンになるでしょう。
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第199工場(『アムール造船工場』)で進水後にウラジオストクへ向かう巡洋艦「カガノヴィチ」(1944年8月)
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ただ、この建造契約が『北方造船所』と締結される、或いは22350の契約は『アムール造船工場』22350Mの契約は『北方造船所』と締結されるという可能性も有りますが・・・

ロシア極東の『ハバロフスク造船工場』は2023年にロシア海軍向けのムレナ級エアクッション揚陸艇の建造契約を締結する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2023年1月10日14時56分配信
【ハバロフスクで2023年にエアクッション艇「ムレナ」の生産が再開される】

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『ハバロフスク造船工場』は、近代化プロジェクトによるエアクッション揚陸艇「ムレナ」の建造開始を2023年に計画している。
『ハバロフスクの営み』のインタビューで造船所の主任技師セルゲイ・コロリョーフは述べた。



「私達は、ムレナ型エアクッション揚陸艇を作成する為の技術プロジェクトのワーク・イニシアティブを擁護しています。
これは我々の工場にとっては全くもって独特のプロジェクトであり、我々の前には誰もそれを建造した事は無く、今、それは近代化され、私達は今年に契約への署名を見込んでおります。
私達は、今年にその建造が開始される事を願っております」
コロリョーフ
は話した。

ハバロフスク造船所は、1985年~1992年に8隻の「ムレナ」を建造し、境界線局へ引き渡された。
2005年には、この内の7隻が除籍、廃棄され、ソヴィエト社会主義共和国海軍の為に建造された8隻の内の最後のエアクッション揚陸艇D-143(PSKR-143、工場番号317)は『ハバロフスク造船工場』の作業場で保管されている。
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更に、2002年~2006年には、南朝鮮海軍の為に3隻の輸出プロジェクト「ムレナ-E」艇が建造された。
2018年9月には、2019年~2027年に8隻を建造する計画が発表された。

プロジェクト12061「ムレナ」エアクッション揚陸艇は、無装備の海岸への海上揚陸部隊の上陸の為に意図されたソヴィエト及びロシア高速揚陸艇シリーズである。
は、揚陸部隊の上陸時の火力支援或いは機雷源の設置、自走、牽引、非自走装備の移送を行なう事が出来ると『ロシア通信社ノーボスチ』は指摘した。

「ムレナ」は55ノットまでの速力を発揮し、1両の戦車、2両の歩兵戦闘車或いは130名の揚陸隊員を輸送できる。
艦は2基の30mm自動砲装置AK-306、2基のAGS-17「プラーミャ」擲弾発射機で武装する。

2014年、フランス『ユーロネイヴァル』展示会で、フランスへ発注されたが西側の制裁故にロシアへ受け入れられなかった汎用揚陸艦「ミストラル」型の一部として動作する為に特別に開発された「ムレナ-M」艇の模型が展示された。

パリがモスクワへの「ミストラル」の引き渡しを拒否した後、2020年にケルチ造船工場『ザリフ』で、ロシアプロジェクト23900汎用揚陸艦の最初の2隻「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」が起工された。




『造船商会アルマーズ』公式サイトより
【プロジェクト12601揚陸艇「ムレナ」】

プロジェクト12601「ムレナ」エアクッション揚陸艇は、1985年から1992年に掛けて8隻が極東『ハバロフスク造船工場』で建造され、太平洋艦隊へ配備されましたが、ソ連邦解体後、搭載艦であるプロジェクト1174大型揚陸艦(イワン・ロゴフ型)の活動停止に伴いロシア沿岸警備隊へ移管され、2004年に全て退役しました。
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[プロジェクト12601]
D-453(工場番号310):1985年11月28日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-458(工場番号311):1987年4月2日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-259(工場番号312):1987年10月9日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-285(工場番号313):1988年就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-447(工場番号314):1989年就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-323(工場番号315):1990年9月27日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-142(工場番号316):1991年就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-143(工場番号317):1992年7月23日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役


2004年~2006年には、大韓民国向けに輸出型のプロジェクト12061E「ムレナ-E」3隻が建造されました。
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【ムレナE型エアクッション揚陸艇(韓国)】
[プロジェクト12061E]
LSF621(工場番号330):2004年4月24日起工/2005年8月19日進水/2005年9月28日就役
LSF622(工場番号331):2004年11月27日起工/2006年9月22日進水/2006年10月15日就役
LSF623(工場番号332):2005年4月23日起工/2006年10月15日進水/2006年12月30日就役



2018年7月末、当時のロシア連邦副首相(ロシア防衛産業統括)ユーリー・ボリソフ氏(現『ロスアトム』総裁)は、『ハバロフスク造船工場』での「ムレナ」建造の可能性に言及しました。
[ロシア海軍のエアクッション揚陸艦艇の建造が極東のハバロフスク造船工場で再開される]

それから4年以上経った2022年9月までに『ハバロフスク造船工場』プロジェクト12601「ムレナ」の設計文書一式を復元しました。
[ロシア極東の『ハバロフスク造船工場』はロシア海軍向けのムレナ級エアクッション揚陸艇を建造する用意がある]

2023年中には「ムレナ」の建造契約が締結されるようです。

今後建造される「ムレナ」は、プロジェクト23900「イワン・ロゴフ」型汎用揚陸ヘリコプター母艦(2020年7月20日に2隻起工)の搭載艇になるようです。
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戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフ、小型ロケット艦グラード、対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはロシア連海軍へ就役した

本日(2022年12月29日)、プロジェクト955A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」、プロジェクト21631小型ロケット艦「グラード」、プロジェクト12700対機雷防衛艦「アナトーリー・シレモフ」はロシア連邦海軍へ就役しました。

『ズヴェズダーテレビ』より
2022年12月29日13時30分配信
【プーチンは原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の(海軍)旗掲揚式典を執り行なった】

更に(海軍)旗は、ロケット艦「グラード」と海洋掃海艦「アナトーリー・シレモフ」にも掲揚された。

ロシア連邦大統領ウラジミール・プーチンは、原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」、小型ロケット艦「グラード」、掃海艦「アナトーリー・シレモフ」への海軍旗の掲揚を許可した。

12月29日・木曜日、ロシアの指導者はビデオ通信により、海軍への艦の受け入れ式典へ参加した。

ロシア国防省のトップ、セルゲイ・ショイグは、大統領に艦が(海軍)旗の初掲揚の準備が整った事を報告し、式典開始の許可を求めた。

「海軍へ受け入れられる艦への海軍旗の掲揚を許可します」
国家元首は話した。

これに加え、ウラジーミル・プーチンは、原子力潜水艦「インペラートル・アレクサンドルIII」の進水式典を執り行なった。
伝統により、シャンパンのボトルは舷側で割られた。




『ズヴェズダーテレビ』より
2022年12月29日16時36分配信
【風の中の聖アンドレイ旗:ロシア海軍への新たな艦の就役式典はどのように行なわれたのか】

原子力水中巡洋艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の乗組員にとって最も重要な瞬間は、海軍総司令官艦長聖アンドレイ旗を手渡した時であった。

「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は、第3のプロジェクト「ボレイ-A」潜水艦である。
最も現代的で恐るべき原子力水中艦であるが、その大部分の情報は機密である。
水中巡洋艦の全長は170メートルであり、高さは5階建てビルと同じである。
内部には、革新的な通信システムと水中音響システムが有るが、最も重要なのは、ロシア大統領が別個に指摘した強力な兵装である。

プロジェクト「ボレイ-A」艦は、氷の下からでさえミサイル発射が可能であり、10000キロメートルの距離で目標の撃破を保証されており、ロシアの国益を防護する為の我々の核の盾の基礎である。

セルゲイ・ショイグ国防相ウラジーミル・プーチン最高司令官は、ビデオ通信モードで海軍旗掲揚式典を開始させた。
同時に、ウラジオストク太平洋艦隊へ受け入れられた複合材料製船体を持つ最新対機雷防衛艦「アナトーリー・シレモフ」と、バルチースクバルト艦隊へ補充された小型ロケット艦「グラード」聖アンドレイ旗が翻った。
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「グラード」は、プロジェクト「ブヤン-M」10番艦である。
有翼ミサイル「カリブル」の搭載艦であり、シリア・アラブ共和国で戦闘任務を果たした際、そして更に特殊軍事作戦中にその有効性を示した。
海軍への艦の単一受領日は、もう1隻のプロジェクト「ボレイ-A」原子力水中巡洋艦「インペラートル・アレクサンドルIII」の進水式典で完了した。

僅か1日の間に、我が海軍は3隻の最新艦を受け取った。
これらの艦は、まもなく我が国の西、北、東の国境で戦闘当直を開始する。
原子力水中巡洋艦「インペラートル・アレクサンドルIII」は、来年夏には試験へ向かう。
それは、1世紀半前に発せられた皇帝の最も有名な言葉の明確な確認となる。
「ロシアの信頼できる同盟国は2つだけである。それは陸軍と海軍だ」
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ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの6番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては3番艦)は、当初「クニャージ・スヴォーロフ」と命名される筈でした。
[ロシア海軍のボレイ級戦略原潜6番艦クニャージ・スヴォーロフは2014年12月に起工される]

2014年12月26日のセヴェロドヴィンスク造船所(セヴマシュ)での起工当日、艦名は「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(大元帥スヴォーロフ)に変更されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜ゲネラリーシムス・スヴォーロフは起工された]



艦名の由来となったアレクサンドル・スヴォーロフは18世紀のロシア帝国の将軍であり、クニャージ(公爵)の称号を授けられ、「大元帥」(ゲネラリーシムス)にまで昇進しています。
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これまでにスヴォーロフ将軍の名前が付けられたロシア/ソ連海軍の艦は2隻有りました。

戦隊装甲艦「クニャージ・スヴォーロフ」
(1904年8月27日就役、1905年5月27日戦没)
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巡洋艦「アレクサンドル・スヴォーロフ」
(1954年2月18日就役、1989年12月15日除籍)
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今回の「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」で3代目になります。

2021年12月25日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は船台から出渠しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の戦略用途原子力水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは船台を出た]

2022年1月11日に進水し、造船所の岸壁で艤装工事と洋上試験の準備が進められました。
[セヴェロドヴィンスク造船所はロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフと原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクの洋上試験の準備を進めている]

2022年7月19日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は洋上試験(工場航行試験)を行なう為にセヴェロドヴィンスクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は退役しておらず、白海で新造原子力潜水艦の試験の支援任務に就いている]

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その後も洋上試験は続けられました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)はバレンツ海で新造原子力潜水艦クラスノヤルスクとゲネラリーシムス・スヴォーロフの洋上試験の支援任務に就いている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは洋上試験を行なっている]

2022年10月から洋上試験の最終段階となる国家試験が始まり、11月3日には国家試験の総仕上げとして白海からカムチャツカ半島クラ射爆場への弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海からカムチャツカ半島への弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を実施した]

これで「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の洋上試験は全て終わりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは洋上試験を完了した]

2022年12月21日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」ロシア海軍へ納入されました。
[最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフはロシア海軍へ納入された]


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の10番艦「グラード」は、ロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2017年4月24日に起工されました。


[ロシア海軍の為のプロジェクト21631小型ロケット艦の10番艦グラードは起工された]

当初の予定では、2021年8月中の進水が予定されていましたが、少し遅れて2021年9月17日に進水しました。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦10番艦グラードは2021年8月30日までに進水する]
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その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2022年8月10日、「グラード」ロシア内陸水路経由クロンシュタットへ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦グラードはクロンシュタットへ向かった]
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「グラード」は10月7日にバルト海で洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍バルト艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で洋上試験を続けている]

工場航行試験は11月中旬頃に終わり、11月25日からは最終洋上試験となる国家試験を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で最終洋上試験を開始した]

12月初頭にはA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲AK-630M-2「ドゥエト」による対水上/対空射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で砲撃試験を実施した]

12月5日には近接艦対空ミサイル「ギブカ」A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲による対空射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で対空射撃試験を実施した]

12月11日にも近接艦対空ミサイル「ギブカ」の射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのブヤン-M小型ロケット艦「グラード」はバルト海の洋上試験で近接対空ミサイル「ギブカ」を発射した]

これで「グラード」の国家試験は終了しました。


プロジェクト12700「アレクサンドリト」対機雷防衛艦の7番艦「アナトーリー・シレモフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2019年7月12日に起工されました。
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[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]

2020年11月初頭までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成はほぼ完了し、11月2日には型枠からの抜き取りが終わりました。

[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフの船体が形成された]

2021年11月26日に進水しました。

[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはサンクトペテルブルクで進水した]

その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
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2022年7月末にロシア内陸水路経由で白海への移動を開始しました。
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7月31日にはアルハンゲリスク港へ寄港しました。
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「アナトーリー・シレモフ」(651)は同型艦「ピョートル・イリイチョーフ」(543)と共に北極海(北方海上航路)を横断し、9月10日にチュクチ自治管区ぺヴェクへ寄港しました。
(「ピョートル・イリイチョーフ」は一足遅れて10月7日に寄港)
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフとアナトーリー・シレモフは北極海経由でカムチャツカ半島へ向かっている]

その後、「アナトーリー・シレモフ」は2022年11月3日にウラジオストクへ到着しました。

2022年11月12日、「アナトーリー・シレモフ」ピョートル大帝湾へ出航し、洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を続けている]

洋上試験は12月中旬頃に完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で搭載機器の試験を実施した]


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2022年12月29日、セヴェロドヴィンスク「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の、バルチースク「グラード」の、ウラジオストク「アナトーリー・シレモフ」聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催され、この3隻は正式にロシア海軍へ就役しました。
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就役式典には、ウラジーミル・プーチン大統領もリモートで参加しました。

「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」「アナトーリー・シレモフ」太平洋艦隊「グラード」バルト艦隊へ配備されます。

サンクトペテルブルクの北方造船所の新たな乾ドックは2024年春に完成する

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『MASHNEWS』より
2022年12月16日9時9分配信
【『北方造船所』は新たな屋内造船台の建設の為の総合請負業者を見つけた】

『北方造船所』は、造船工場近代化の第1段階を完了する為の第3の総合請負業者を見つけた。
公開入札の勝者は、製造商会『ルスガルド』(ロストフ・ナ・ドヌー)であった。
『インテルファクス』は報じた。


製造商会『ルスガルド』は、対応する公開入札の唯一つの参加者であったことは注目される。

契約の枠組みにおいて、同社の専門家は、大型艦船の為の屋内造船台の柱立てを完了し、天上を取り付け、建物の外部を完成させる。
更に管理棟を建設し、工作機械及びクレーン機器を購入する。

作業は2024年3月に完了しなければならない。
契約の費用は明らかにされていない。

製造商会『ルスガルド』は、『北方造船所』の近代化に関与する第3の総合請負業者となる。
前の会社~有限会社『国内システム&テクノロジー』(モスクワ)公開株式会社『メトロストロイ』(サンクトペテルブルク)は、契約上の義務を履行できなかった。

「今回は、このような事が二度と起こらないように願っており、屋内造船台は建設されます。
私達には、非常に濃密な生産プログラムが有り、追加の船台の場所を必要としております。
私達は、作業の迅速な完了に関心を持っています」
『北方造船所』
総取締役イーゴリ・オルロフは話した。

10月にオルロフは、屋内造船台の建設は今年も継続が計画されていると『MASHNEWS』へ伝えた。

[『MASHNEWS』参照]
造船所
屋内造船台の建設は、工場の生産設備の近代化の第1段階である。
2017年に『メトロストロイ』は、これらの作業を遂行する契約を受けた。
作業は2019年第1四半期の完了が予定されていたが、請負業者はその課題に対応できず、契約はキャンセルされた。

2020年、『統合造船業営団』総取締役アレクセイ・ラフマノフは、同年末までに屋内造船台の建設完了を計画していると言った。
2020年9月、『北方造船所』は新しい請負業者となる『国内システム&テクノロジー』との契約へ署名した。
その後、建物は2022年の納入が計画されていた。
契約費用は78億ルーブルと見積もられた。

生産設備近代化の第1段階には、高さ73.5メートルの屋内造船台で覆われた2ヶ所の250メートル×100メートルの水平スラブコンクリート船台の建設と、吊下げ能力350トンの橋形クレーンが含まれる。
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【『北方造船所』公式サイト】

サンクトペテルブルク『北方造船所』は、1912年11月14日に創立されました。
当初は『プチロフ造船所』という名前でしたが、1922年に『北方造船所』と改名されました。

1934年には『A.A.ジダーノフ記念造船工場』(第190工場)と改名されましたが、1989年には『北方造船所』に戻され、現在に至っています。

『北方造船所』(当初は『プチロフ造船所』)が最初に建造した船は、今もロシア海軍で現役に留まっている救助船「コムーナ」です。
(1912年11月12日起工、1913年11月17日進水、1915年7月14日就役、就役時の船名は「ヴォルホフ」)
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操業開始以来、主に駆逐艦クラスの水上戦闘艦を建造してきました。

ソヴィエト連邦海軍初の嚮導駆逐艦(プロジェクト1)「レニングラード」『北方造船所』で建造されました。
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1960年代以降のプロジェクト58ロケット巡洋艦、プロジェクト1134ロケット巡洋艦、プロジェクト1134A大型対潜艦、プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦)は、『北方造船所』のみで建造されました。

プロジェクト58ロケット巡洋艦:1962年~1965年に4隻建造
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プロジェクト1134ロケット巡洋艦:1967年~1969年に4隻建造
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プロジェクト1134A大型対潜艦:1969年~1977年に10隻建造
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プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦):1980年~1993年に17隻建造(この他、中国海軍向けとして改型2隻を含む4隻建造)
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この他、プロジェクト1135警備艦、プロジェクト1155大型対潜艦の一部も『北方造船所』で建造されました。

プロジェクト1135警備艦:1976年~1979年に6隻建造
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プロジェクト1155大型対潜艦:1981年~1988年に4隻建造
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21世紀に入ってからは、ロシア海軍新世代水上戦闘艦プロジェクト20380コルベットプロジェクト20385コルベットプロジェクト20386コルベットプロジェクト22350フリゲート~を建造しています。

プロジェクト20380コルベット:2001年~2015年に6隻起工、内2008年~2014年に4隻就役、1隻洋上試験中
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プロジェクト20385コルベット:2012年~2隻起工、内2020年に1隻就役
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プロジェクト22350フリゲート:2006年~2020年に8隻起工、内2018年~2020年に2隻就役、1隻洋上試験中
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これまでに通常動力艦のみを建造してきた『北方造船所』ですが、2012年2月には、原子力推進艦を建造できる認可をロシア連邦政府から得ました。
[サンクトペテルブルク北方造船所は、原子力艦の建造を準備する]

これは、将来の原子力駆逐艦「リデル」の建造を見据えた措置です。

しかし、『北方造船所』の乾ドックのサイズは全長170メートル、幅20メートルであり、全長200メートル以上の「リデル」を建造するのは不可能です。

そこで、新たに、より大型の乾ドックが建設される事になりました。
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この大型乾ドックは2021年末までの完成が予定されていましたが、請負業者が倒産してしまった為、2022年11月に公開入札が行なわれ、新たな請負業者が選定されました。
[サンクトペテルブルクの北方造船所の新たな乾ドックは2022年以降に稼働する]

新たな請負業者と締結された契約による工事完了時期は2024年3月末です。

新たな大型乾ドックの完成後、先ず初めにプロジェクト22350の拡大発展型であるプロジェクト22350Mフリゲートが建造されます。
[ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の排水量は9000~10000トンに増加する]

『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは死去した

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『ロシアビジネスコンサルタント』より
2022年12月24分19時49分配信
【『アドミラルティ造船所』総取締役は死去した】

ブザコフは『アドミラルティ造船所』で35年間勤務し、10年前に同社のトップとなった。
これはロシアで最も古い造船企業の1つであり、サンクトペテルブルクで最初の工業企業である。

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『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは死去した。
彼は66歳だった。
『統合造船業営団』広報サービスは発表した。

「彼は、伝説的な企業の労働力と遺産を保持する為に全ての事を行ない、何時も将来を考え、アドミラルティを新たな成功へ導きました。
アレクサンドル・セルゲイヴィチ・ブザコフの人生は、時期尚早に、悲劇的に終わりました」

声明では、こう述べられた。

前日・12月23日『アドミラルティ造船所』広報サービスは、潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」の進水を発表し、ブザコフはこの行事へ出席した。
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「これらの潜水艦は単殻であり、より機動性が有り、コンパクトです。
我々の今日における目標は、ロシア連邦海軍から与えられた課題~プロジェクト677潜水艦シリーズのタイムリーな就役~を実現する事です」

彼は話した。
潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」は2015年に同社で起工され、非核動力(通常動力)潜水艦隊に属し、ロシアの技術により建造され、装備の為に国産の部品が使用されている。

ブザコフは1956年に生まれ、1980年にレニングラード造船研究所を卒業して「船舶動力装置」の専門家となり、『アドミラルティ造船所』へ入社して技師となった。
そこで彼は23年間、同社のチーフエンジニアとなった。
ブザコフは 2004年に造船工場『北方造船所』のトップとなり、2007年~2008年まで連邦国家単一企業『中部ネヴァ川造船工場』総取締役の役職に在り、その後、『統合造船業営団』のサブホールディング『西方造船センター』のトップとなった。

彼は2011年7月に『アドミラルティ造船所』へ戻り、チーフエンジニアとなった。
2011年8月に同社の総取締役代行となり、2012年7月に総取締役の役職が承認された。

その前の25年間、同社のトップはウラジーミル・アレクサンドロフであったが、その後、息子のミハイル・アレクサンドロフが代行となった。
『コメルサント』の情報筋によると、ウラジーミル・アレクサンドロフ「赤い取締役」(ソヴィエト時代からの企業のトップ)であり、築き上げられた厳格な企業構造に従わなかった。

『アドミラルティ造船所』ロシアで最も古い造船企業の1つであり、サンクトペテルブルクで最初の工業企業である。
『統合造船業営団』へ加入している。
民間船隊の設計、製造、近代化、そして更に核動力装置を含む軍事用途艦の建造を専門としている。

ルビーン設計局は通常動力潜水艦プロジェクト636シリーズ(キロ級)の近代化を継続する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年10月10日11時0分配信
【アンドレイ・バラノフ:中央設計局『ルビーン』は将来潜水艦の隠密性を増加させる】
ロシア潜水艦設計局である海洋工学中央設計局『ルビーン』の対外経済活動・軍事技術協力担当副総取締役アンドレイ・バラノフへのインタビュー。
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通常動力潜水艦プロジェクト877/636シリーズ(「キロ」級)の今後について。


インタビュアー:今、既に40年以上前のプロジェクト「ワルシャワンカ」は終了し、もはや近代化される事は無いと言えるのでしょうか?

バラノフ:そう決めつけるのは未だ早いでしょう。
このプロジェクトは、新たな材料、新たな兵器、システムを使用する事により近代化できます。
絶え間ない近代化により、競争力は維持されております。
今や一般的に、この潜水艦の中身は完全に現代的です。
無論、一部の御客様にとっては大きすぎますが、その一方、大きな潜水艦には、より多くの機構と兵器を配置できます。
そして勿論、これらは全てこの潜水艦の低騒音により支えられており、これは根本的に重要です~潜水艦の騒音は、如何なる近代化でも救いようが有りませんので。

『ルビーン』は、拡張型水中音響曳航アンテナの装備から次の動力装置の近代化まで、改善プロジェクトの可能な方向性を示す多くの作業を行ないました。
国内海軍と外国の御客様からのこの潜水艦に対する継続的な需要は、この可能性を信じているのが私達だけでは無い事を示しています。
現に、近年には潜水艦の大規模シリーズが黒海艦隊へ加わっておりますし、間もなく同数の潜水艦太平洋艦隊へ加わります
艦隊は通常動力潜水艦を必要としており、プロジェクト636艦は優れたシリーズであり、低価格です。
これらと並行して『アドミラルティ造船所』は、次世代通常動力潜水艦プロジェクト677シリーズを建造しており、2つの異なるシリーズは、艦隊へより大きな能力をもたらします。

現在、輸出潜水艦の就役期間の延長と近代化の問題は解決されており、これまでの所、全て前向きに展開しております。
重要なのは、近代化される輸出版「ワルシャワンカ」は、国内の企業体だけでは無く、顧客から供給されるものも受け取る事です。
このプロジェクトは、外国の音響複合体(ソナー)、通信複合体、あらゆる種類の補助機器、その他多くと互換性があり、「国民的偏見」は無いと言えます。

インタビュアー:当初、プロジェクト「ワルシャワンカ」では、どのくらいの就役年数が定められていたのでしょうか?

バラノフ:交渉中、就役の制限は有るのかと何度も質問されました。
公式には、これは25年間であると考えられており、その間に潜水艦は近代化と機器の交換を伴う2度の修理を行なわなければなりません。
ですが、外国艦隊には、プロジェクト636の前任のプロジェクト877潜水艦が在り、その就役年数は30~35年です。
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インタビュアー:つまり、25年で限界では無いという事ですか?

バラノフプロジェクト636については、そのような経験は未だ有りませんが、仰る通りです。
現在、中央構造材料研究所『プロメテイ』『クルイロフセンター』と協力し、潜水艦の強度船体(耐圧殻)の金属の状態を評価しています。

インタビュアー:それでは、「ラーダ」も近代化する時が来ますか?
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バラノフ:そうですね、私達はそれが仕事ですから。
最初の潜水艦「サンクトペテルブルク」は2010年に海軍へ加入し、次の4隻の潜水艦は様々な準備段階に在り、改善プロジェクトの下で建造されています。
これらは外見上はトップ潜水艦との違いには誰も気が付かないでしょうが、内部は異なります:船体は同じですが、内部の機器、装置、「頭脳」は全く違います。

インタビュアー非大気依存発電装置の区画を「ワルシャワンカ」へ挿入できますか?

バラノフ:出来ますよ。ですが何故?
区画は切断され、即ち、潜水艦の重量、排水量、中央の重心は変化します。
「ワルシャワンカ」にとって、これは実用的では無く、「ラーダ」とは異なり、非大気依存発電装置の統合の可能性については考慮されていません。
例えば、インドは、フランスプロジェクト「スコルペヌ」により建造された「カルヴァリ」型通常動力潜水艦の中間修理中に非大気依存発電装置を設置する事を望んでいます。
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そこで試され、確認されるでしょう。
非大気依存発電装置は、当初は想定していなかったプロジェクトを大幅に改善します。

インタビュアーロシア(ソヴィエト社会主義共和国連邦)は、既に完成した潜水艦の船体へ新たな区画を挿入した経験が有るのでしょうか?
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バラノフ:経験は有ります。
これは、特殊任務を果たす為に行なわれました。
詳細は御話しできませんが。



海洋工学中央設計局『ルビーン』公式サイトより
【プロジェクト877】
【プロジェクト877E/EKM】
【プロジェクト636】

プロジェクト877/636潜水艦シリーズは、大きく分けてソヴィエト/ロシア海軍向けの877、輸出ヴァージョンの877E/877KM/877EKM/08773、その改良型の636/636M/063631、それを更に改良したロシア海軍向けの06363が有ります。
世界的には、NATOコード名「キロ」級の方が良く知られています。

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト877系列】
【プロジェクト636系列】

プロジェクト877/636潜水艦シリーズは、1980年から現在までに総計72隻が完成しており、更に3隻が建造中です。
[ロシア海軍及び他国海軍は40年間(1980年~2020年)で計71隻のキロ級潜水艦を受け取った]

ソヴィエト/ロシア877×24隻06363×9隻
インド877KM×9隻、08773×1隻
ポーランド877E×1隻
ルーマニア877E×1隻
イラン877EKM×3隻
アルジェリア877EKM×2隻636M×2隻、063631×2隻
中国877EKM×2隻、636×2隻、636M×8隻
ベトナム063631×6隻

2010年代からロシア海軍向けの建造が始まったプロジェクト06363は、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果も一部取り入れられています。
[ロシアは第5世代潜水艦の設計作業を始めている]

現在はロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト06363が3隻建造されており、2024年末までには全て就役します。
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]

今後はロシア北方艦隊向けに6隻の06363の建造が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊向けに6隻のプロジェクト06363潜水艦が建造される]

この06363は更なる改良型になるようです。
[ロシア造船業界はロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の更なるアップグレードの用意がある]

ルビーン設計局はロシア海軍の通常動力潜水艦の為の非大気依存発電装置(改質型燃料電池)の開発を進めている

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年10月10日11時0分配信
【アンドレイ・バラノフ:中央設計局『ルビーン』は将来潜水艦の隠密性を増加させる】
ロシア潜水艦設計局である海洋工学中央設計局『ルビーン』の対外経済活動・軍事技術協力担当副総取締役アンドレイ・バラノフへのインタビュー。
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この中で、『ルビーン』が開発中の非大気依存発電装置(改質型燃料電池)についても触れています。

インタビュアーロシア連邦海軍指導部は、 新たな通常動力潜水艦嫌気性(非大気依存)発電装置の配置を計画しております。
しかしながら、非大気依存発電装置自体は未だ有りません。
この方面での作業はどう進められているのでしょうか?

バラノフ非大気依存発電装置は作業中であり、『ルビーン』はこの試験設計作業の実行者です。
国家契約に基づき、フルスケールの海上区画の形で稼働する設備を作成する為の(時期の)境目が定められています。

インタビュアー非大気依存発電装置の作成には、海洋機械製造局『マラヒート』も参加しています。
アプローチに違いは有るのでしょうか?

バラノフ:概念レベルでは、(違いは)有りません。
あらゆる非大気依存発電装置は信頼でき、安全で、長期の隠密性を保障しなければならず、つまりは先ず第一に静粛で待機と接触しない水中航行です。
しかしながら、そのような非大気依存発電装置を作成する方法には、様々なアプローチが有るでしょう。
我々は、ディーゼル燃料から水素を受け取る燃料電池に基づく非大気依存発電装置を作成しています。
酸素水素からを得て電気を放出します。
最も難しい問題は、水素を何処から入手するのか?
それは持ち運びが面倒であり、積み込みは難しく危険です。
従いまして、私共はディーゼル燃料からそれ(水素)を得る事を提案しており、この方式は改質と呼ばれています。
このような方式の非大気依存発電装置を我々は推し進めています。
我々のアプローチは、隠密性、簡単な配置、そして国内艦隊にとって重要な他のパラメータの点において有望であると考えております。

『マラヒート』は別の道~閉サイクルタービンを選びました。
同僚の作業の評価は、海軍の組織的な関心~2種類の装置の開発により、重要なものを見逃さず、非常に複雑な技術的問題について本当に最適な解決法を得る~が明らかである事から、適切では有りません。
同様の事は、原子力潜水艦の為の最初の原子炉の作成でも有りました~加圧水型原子炉液体金属冷却原子炉の作業は、ほぼ並行して行なわれました。
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非大気依存発電装置の作成の道は他にもありますが、それぞれに長所と短所があります。
西側の改質非大気依存発電装置では、水素メタノール或いはエタノールから得る事が計画されています。
ですが私共は、この解決法は最適では無いと考えております。

インタビュアー非大気依存発電装置の作成にあたり、貴方達の作業はもっぱら単独ですか?それとも協力でしょうか?

バラノフ:私共は、クルイロフセンターと共に作業を行なっております。
彼らのコンセプトも同様に燃料電池に基づいておりますので。

インタビュアー:幾つかの国、例えば日本では、潜水艦非大気依存発電装置の代わりにリチウムイオン電池の使用へ切り替えました。
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これは非大気依存発電装置の歴史に終止符を打つのでしょうか?

バラノフ:討論は開かれており、その質問自体でさえ議論できます。
確かに日本は新たな潜水艦リチウムイオン電池を使用しておりますが、その運用経験は非常に少なく、非大気依存発電装置の歴史が終わるとの結論を出すのは時期尚早です。
私共は、一方と他方の利点の組み合わせ、つまり非大気依存発電装置リチウム電池を持つことを提案しております。
とは違って、リチウムは非常にエネルギー効率が高く、充電及び放電サイクルにおける不調が少ないという特徴がありますので。
リチウムイオン電池は大きな柔軟性を備えており、電力の変化や、潜水艦の移動速度を迅速に増加或いは減少できます。

ですが、リチウム電池は爆発しやすい事を理解する必要が有ります。
以前、このようなバッテリーを搭載した携帯電話が爆発した事を覚えていますか?
今、この問題は解決されています。
従いまして、現在、私達は、その可能性を興味深く見ており、我々が、排水量約600トン、強力なリチウムイオン電池により17日間の水中自立性を得られるプロジェクト"アムール-600"を提案したのは偶然では有りません。

インタビュアー:そして、最終的な結論はどうなりましょうか?

バラノフ:決定は海軍に依ります。



『ルビーン』は、2000年代から通常動力潜水艦の為の新たな非大気依存発電装置(AIP機関)改質型燃料電池の開発を進めています。
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この改質型燃料電池は、2011年12月初頭に陸上試験の最初の段階を終えています。
[ロシアは新たなAIP機関の試験を終えた]

その後も陸上試験は続けられました。
[ロシア海軍の新世代潜水艦の為のAIP機関の試験は進んでいる]

陸上試験モデルの試験は、ほぼ完了しており、今後は、海上用試験モデル、つまり、実際に潜水艦などへ搭載する非大気依存発電装置が作られます。
[ロシア海軍の通常動力潜水艦の為の非大気依存発電装置(AIP)の洋上試験の準備は進められている]
[ロシア海軍の通常動力潜水艦の為の非大気依存発電装置(改質型燃料電池)は2023年末に作成される]

今後建造されるロシア第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級には、このAIP機関が搭載されます。
[ロシア第5世代通常動力潜水艦プロジェクト「カリーナ」]


この他、ロシアのもう1つの潜水艦設計局であるサンクトペテルブルク海洋機械製造局『マラヒート』は、閉サイクル・ガスタービン型AIP機関を開発しています。
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[サンクトペテルブルクのマラヒート設計局は通常動力潜水艦の為の閉サイクルガスタービン非大気依存発電装置の試験を続けている]

ロシアは、以前に潜水艦用の燃料電池「クリスタール」を試作していますし、ソヴィエト連邦時代の1950年代には、閉サイクル機関搭載のプロジェクト615潜水艦を建造しています。
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現在開発中の2種類のAIPは、これらの流れを汲むものと言えるでしょう。


この他、『ルビーン』は、潜水艦用のリチウムイオン電池の開発も進めており、2014年12月には陸上での試験に成功しています。
[ロシアは潜水艦用のリチウムイオン電池の試験に成功した]

リチウムイオン電池搭載の小型潜水艦「アムール e600」の開発も進めています。
[ルビーン設計局はリチウムイオン電池潜水艦アムール e600を開発する]

ただ、今回のアンドレイ・バラノフ氏の発言を見る限り、例えば日本海上自衛隊潜水艦のように完全なリチウムイオン電池への切り替えには懐疑的のようです。

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはサンクトペテルブルクからムルマンスクへ回航される耐氷自走プラットフォーム「セヴェルヌイ・ポリュス」をエスコートした

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『タス通信』より
2022年9月15日20時48分配信
【NATO部隊はムルマンスクへの最初の経路でプラットフォーム「セヴェルヌイ・ポリュス」を監視した】
ムルマンスク、9月15日/タス通信

NATO部隊は、世界初の耐氷自走プラットフォーム「セヴェルヌイ・ポリュス」サンクトペテルブルクからムルマンスクへの最初の経路上で監視した。
木曜日にプラットフォーム船長セルゲイ・デヤチキンは報道陣へ伝えた。

「殆ど全ての部分で。
戦闘艦が接近し、同行し、全てのバルト海峡でエスコートし、軍用機は上空を飛行しました、
全ては問題なく進みました」

彼は関連する質問に答え、こう話した。

船長は、最初の航海中、プラットフォームにはバルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」が同行した事を指摘した。
耐氷自走プラットフォームは9月2日にサンクトペテルブルクから出航した後、水曜日にムルマンスクへ到着した。

世界初の耐氷自走プラットフォーム「セヴェルヌイ・ポリュス」は、北方緯度の北氷洋における通年の探検の為に意図されており、砕氷船を使わず作業実施場所へ到着し、2年間水域を漂流してから港へ戻る事が出来る。
プラットフォームは船上へMi-8AMT(Mi-171)タイプの航空機を受け入れる事ができ、温度マイナス50度と湿度85パーセントで快適かつ安全な操作を保障する。
「セヴェルヌイ・ポリュス」の速力は少なくとも10ノットである。
船は、14名の乗組員と34名の科学者を考慮している。



プロジェクト00903耐氷自走プラットフォーム「セヴェルヌイ・ポリュス」は、北極海の科学調査などに使用される船であり、ロシア連邦水文気象環境監視局(ロスギドロメト)の発注により建造されました。
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[プロジェクト00903耐氷自走プラットフォーム]
満載排水量:10000トン以上
全長:83.1メートル
幅:22.5メートル
喫水:8.6メートル
機関出力:4200キロワット(5632馬力)
速力:10ノット
自立航行期間:2年
乗組員:14名+科学研究要員34名


「セヴェルヌイ・ポリュス」、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で2018年12月20日にプレートカットが始まり、2019年4月10日に起工されました。
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2020年12月18日に進水しました。
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2022年5月21日からフィンランド湾で洋上試験を開始しました。
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洋上試験が終わった後、2022年8月25日にロスギドロメトへ引き渡されました。


9月2日にサンクトペテルブルクを出航し、ムルマンスクへ向かいました。


この時、バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」バルト海を出るまで「セヴェルヌイ・ポリュス」に同行しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはバルト海で艦上ヘリコプターの夜間発着艦訓練を実施した]

バルト海を出た後は、地中海から戻って来る北方艦隊水上艦部隊と行動を共にしていたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海遠征を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

「セヴェルヌイ・ポリュス」は9月14日にムルマンスクへ到着しました。