近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年3月22日3時4分配信
【原子力潜水艦「クズバス」は修理後に太平洋艦隊へ引き渡された】

3月19日・土曜日、ボリショイ・カーメニ艦船修理工場「ズヴェズダー」の埠頭で、原子力巡洋潜水艦「クズバス」が修理後に納入された。
潜水艦引き渡し式典には、太平洋艦隊司令部の代表、艦船修理工場の代表、潜水艦隊の退役将兵、(沿海)地方幹部、議員が出席した。

太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将はスピーチで指摘した。
「今日は重要な出来事です。
潜水艦は海軍へ引き渡されました。
それは、我々の部隊の作戦において最も重要な任務を遂行します。
私達は、艦船修理及び造船ベースが立ち上がるのを見ました。
数年で工場は復活、発展し、太平洋艦隊の原子力潜水艦隊の即応性を確保する為の全ての能力を有しています」


潜水艦の居住保障システム、無線電波兵装及び水中音響兵装(ソナー)は更新され、大部分の機器は、最新の同類のものと交換された。
その後、検査航行試験が行われ、3月上旬に成功裏に完了した。

式典の最後に、セルゲイ・アヴァキャンツ大将は、工場労働者と潜水艦乗組員へ『ソ連邦元帥S.G.ゴルシコフ』勲章を授与した。

原子力潜水艦「クズバス」は第3世代に属している。
それはコムソモリスク・ナ・アムーレで1991年7月28日に起工され、1992年12月31日に海軍へ引き渡された。
1998年までは「モルシュ」の名を有していた。
プロジェクト971U潜水艦は約13000トンの水中排水量を有しており、(水中)速力は33ノット、潜航深度は600メートルである。
兵装は、4門の533mm魚雷発射管及び4門の650mm魚雷発射管である。
弾薬総数は、40基までの魚雷、有翼ミサイル、ロケット魚雷である。


『SMISMITTY』のブログより
2016年3月19日20時25分配信
【修復された原子力潜水艦「クズバス」の太平洋艦隊への引き渡し式典】

「クズバス」引き渡し式典の写真が数多く掲載されています。


プロジェクト971「シチューカ-B」(NATOコード名「アクラ」)原子力大型潜水艦K-419は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市レーニン共産党青年団記念造船工場(現アムール造船工場)で1991年7月28日に起工されました。

建造中にソ連邦は解体されましたが、1992年5月18日に進水し、1992年12月31日にロシア海軍へ納入されました。
この間、1992年4月28日には「原子力巡洋潜水艦」へ類別変更されました。

翌1993年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1993年2月5日に太平洋艦隊第2潜水艦小艦隊・第45潜水艦師団へ編入され、7月10日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着しました。
1993年4月13日には「モルシュ」Моржと命名されました。

1995年10月14日から12月15日まで戦闘勤務を実施。
1996年5月5日から7月26日まで戦闘勤務を実施。
1997年7月6日から8月18日まで戦闘勤務を実施。

1998年1月29日にロシア海軍総司令官の指示で「クズバス」Кузбассと改名されました。
因みに、「クズバス」Кузбасс「クズネツク炭田」Кузнецкий угольный бассейн の略称です。

1998年5月1日、第10潜水艦師団へ転属しました。

2001年には小規模な修理を行ないました。

2007年8月には原子力巡洋潜水艦「ネルパ」(現在はインド海軍へリース)の試験の支援へ参加しました。

2007年9月から12月までボリショイ・カーメニドックで修理を実施。

2008年7月末にはウラジオストク沖でロシア海軍記念日の観艦式に参加しました。
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2009年にはボリショイ・カーメニ艦船修理工場「ズヴェズダー」へ回航され、核燃料交換などを含む大規模なオーバーホールと、部分的な近代化改装(プロジェクト971Uへのアップグレード)が始まりました。
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オーバーホール(近代化改装)は2015年秋にようやく完了しました。

2015年12月18日にはロシア連邦首相ドミトリー・メドベージェフ氏(前ロシア連邦大統領)が「クズバス」を視察しました。


当初の計画では、「クズバス」は2015年12月末までに太平洋艦隊へ復帰する筈だったのですが、数ヶ月間延びて2016年3月下旬になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月末までに復帰する]

そして「クズバス」は、「ロシア潜水艦乗員の日」である2016年3月19日に太平洋艦隊へ引き渡されました。
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月19日にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]


復帰した「クズバス」は、今後、近い内にカムチャツカ半島原潜基地ヴィリュチンスクへ向かいます。
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ロシア海軍に就役中のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦の内、6隻(北方艦隊の3隻と太平洋艦隊の3隻)はセヴェロドヴィンスク艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で高度な近代化改装が実施され、プロジェクト971Mへアップグレードされますが、「クズバス」は、この6隻には入っていません。
(「クズバス」の場合、ソナーや通信機器、居住区などの限定的な近代化に留まっています)
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]

既に太平洋艦隊からはK-391「ブラーツク」K-295「サマーラ」が2014年9月末にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]


現在のロシア連邦海軍における原子力潜水艦の分類は以下の通りです。

重原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト941「アクラ」(タイフーン)
原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト667BDRM「デリフィン」(デルタIV)、プロジェクト667BDR「カリマール」(デルタIII)、プロジェクト955「ボレイ」
原子力水中巡洋艦:プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)、プロジェクト885「ヤーセン」
原子力巡洋潜水艦:プロジェクト971「シチューカ-B」(アクラ)
原子力大型潜水艦:プロジェクト945「バラクーダ」(シエラI)、プロジェクト945A「コンドル」(シエラII)、プロジェクト671RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)


弾道ミサイル或いは有翼ミサイルの専用垂直発射機を装備する原潜西側で言う所のSSBNSSGNに該当する艦は「水中巡洋艦」に分類されています。
一方、いわゆる「魚雷攻撃型原潜」は、「原子力大型潜水艦」に分類されています。

ただ、今回の記事に登場する「クズバス」を含むプロジェクト971のみは「原子力巡洋潜水艦」と、「原子力水中巡洋艦」「原子力大型潜水艦」の中間的な分類となっております。

上記の分類はソ連邦解体後の1992年に定められたものですが、この当時、971魚雷発射管から発射できる長射程有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)を搭載し、原子力戦略用途水中巡洋艦を補完する戦力と見なされていた為、他の魚雷攻撃型原潜と区別して「巡洋潜水艦」となりました。
(ただし、その後に「グラナート」971原潜から降ろされましたが)
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ロシア海軍のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦(アクラ級)は近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」を装備する

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『タス通信』より
2016年3月19日19時56分配信
【原子力潜水艦プロジェクト971はミサイル複合体「カリブル」で武装する】
モスクワ、3月19日/タス通信

原子力潜水艦プロジェクト971は近代化された後に兵装としてミサイル複合体「カリブル」を受け取る。
ラジオ局『ロシアニュースサービス』の生放送でロシア海軍戦闘訓練管理部長ヴィクトール・コチェマゾフ少将は述べた。

「現在の潜水艦プロジェクト971の近代化では、このミサイル複合体の設置が予定されています」
彼は話した。

コチェマゾフによると、複合体の試験中に「その長所が積極的に示されました」
「そして潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーでの実戦使用は、この複合体が更なる発展の為の輝かしい将来性を有していることを示しました」

彼は強調した。

多目的原子力潜水艦プロジェクト971「シチューカ-B」(NATO分類-アクラ)は、以前には有翼ミサイル「グラナート」を搭載していた。
公表された情報によると、このミサイルは既に兵装から除かれている。


プロジェクト971「シチューカ-B」(NATOコード名「アクラ」級)は、1985年から2001年に掛けて14隻がソ連/ロシア海軍へ就役し、更に1隻がインド海軍へリースする為に建造され、2012年に引き渡されています。
既に2隻が除籍・解体されており、現在、ロシア海軍に在籍しているのは12隻です。

[コムソモリスク・ナ・アムーレ(アムール造船工場)建造艦]:太平洋艦隊へ配備
K-263(工場番号502):1993年4月13日に「デリフィン」と命名、2002年2月9日に「バルナウル」と改名
1985年5月9日起工/1986年5月28日進水/1987年12月30日納入/1988年1月11日就役

K-322(工場番号513):1993年4月13日に「カシャロート」と命名
1986年9月5日起工/1987年7月18日進水/1988年12月30日納入/1989年3月1日就役

K-391(工場番号514):1993年4月13日に「キート」と命名、1997年9月1日に「ブラーツク」と改名
1988年2月23日起工/1989年4月14日進水/1989年12月29日納入/1990年1月13日就役

K-331(工場番号515):1993年4月13日に「ナルヴァル」と命名、2001年1月24日に「マガダン」と改名
1989年12月28日起工/1990年6月23日進水/1990年12月30日納入/1991年1月23日就役

K-419(工場番号516);1993年4月13日に「モルシュ」と命名、1998年1月29日に「クズバス」と改名
1991年7月28日起工/1992年5月18日進水/1992年12月31日納入/1993年1月30日就役

K-295(工場番号517):1993年4月13日に「ドラコン」と命名、1999年8月30日に「サマーラ」と改名
1993年11月7日起工/1994年7月1日進水/1995年7月17日納入/1995年7月29日就役


[セヴェロドヴィンスク(セヴマシュ)建造艦]:北方艦隊へ配備
K-317(工場番号822):1990年10月10日に「パンテーラ」と命名
1986年11月6日起工/1990年5月21日進水/1990年12月27日納入/1990年12月30日就役

K-461(工場番号831):1991年6月25日に「ヴォルク」と命名
1987年11月14日起工/1991年6月11日進水/1991年12月29日納入/1992年1月27日就役

K-328(工場番号832):1991年1月24日に「レオパルド」と命名
1988年10月26日起工/1992年6月28日進水/1992年12月30日納入/1993年1月15日就役

K-154(工場番号833):1991年7月24日に「チグル」と命名
1989年9月10日起工/1993年6月26日進水/1993年12月29日納入/1994年1月5日就役

K-157(工場番号834):1993年4月6日に「ヴェプリ」と命名
1990年7月13日起工/1994年12月10日進水/1995年11月25日納入/1995年12月30日就役

K-335(工場番号835):1993年2月22日に「ゲパルド」と命名
1991年9月23日起工/1999年9月17日進水/2001年12月3日納入/2001年12月4日就役



12隻のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦の内、6隻(北方艦隊の3隻と太平洋艦隊の3隻)はセヴェロドヴィンスク艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で高度な近代化改装が実施されます。
近代化されるのは「レオパルド」、「ヴォルク」、「ブラーツク」、「サマーラ」、この他に2隻程度です。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]

北方艦隊「レオパルド」「ヴォルク」「ズヴェズドーチカ」で近代化改装工事が行なわれています。
[アクラ級原潜レオパルドは2015年に近代化改装を終えて復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のアクラ級原潜ヴォルクはセヴェロドヴィンスクで近代化改装を行なう]

太平洋艦隊「ブラーツク」「サマーラ」は、2014年9月末にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]

この近代化改装により、これらの艦は対地/対艦有翼ミサイル「カリブル」を搭載します。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

「カリブル」は2015年12月8日に地中海東部潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ発射されています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


プロジェクト971原潜は、元々は核弾頭装備の対地攻撃用有翼ミサイル「グラナート」(最大射程3000km)を標準装備していたのですが、1990年代にアメリカとの協定により、戦略原潜(弾道ミサイル原潜)以外の全ての水上艦潜水艦に搭載されている核兵器を撤去する事になった為、971「グラナート」も退役しました。
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それから約20年を経て、近代化される971原潜には「グラナート」をベースにして開発された有翼ミサイル「カリブル」が搭載される事になります。

近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月19日にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年3月17日5時22分配信
【修復された原子力潜水艦「クズバス」は3月19日に太平洋艦隊へ引き渡される】
ウラジオストク、3月17日-ロシア通信社ノーボスチ

沿海地方極東工場「ズヴェズダー」で修理と部分的な近代化が実施されたプロジェクト971原子力潜水艦「クズバス」は、3月19日にロシア太平洋艦隊へ復帰する。

「3月19日のロシア潜水艦乗員の日に、極東工場ズヴェズダー(『極東造船・修理センター』周辺に含まれる)は、修復した原子力潜水艦クズバスを大平洋艦隊へ御引き渡しいたします」
『極東造船・修理センター』
の声明では、こう述べられた。

式典には、『ロスネフチ』社の幹部、沿海地方行政当局、沿海地方立法議会、極東造船・修理センター、極東工場「ズヴェズダー」、太平洋艦隊司令部が出席する。

以前、潜水艦は居住保障システム、電波無線機器、水中音響機器を更新したと報じられた。
工場航行試験の最後の段階が完了した後、原子力潜水艦カムチャツカの常時駐屯地へ到着する。

ロシアプロジェクト971U「シチューカ-B」原子力潜水艦K-419「クズバス」は、1991年7月28日にコムソモリスク・ナ・アムーレレーニン共産党青年団記念造船工場で起工された。
1992年に進水し、1993年2月に太平洋艦隊へ加入した。
太平洋及び北氷洋で戦闘当直に就いた。
極東工場「ズヴェズダー」において原子力潜水艦は技術的準備状態の回復と部分的な近代化が実施された。

プロジェクト971原子力潜水艦は強力な魚雷-ミサイル複合体で武装しており、潜水艦及び水上艦の撃破、更には地上施設への攻撃が可能である。


プロジェクト971「シチューカ-B」(NATOコード名「アクラ」)原子力大型潜水艦K-419は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市レーニン共産党青年団記念造船工場(現アムール造船工場)で1991年7月28日に起工されました。

建造中にソ連邦は解体されましたが、1992年5月18日に進水し、1992年12月31日にロシア海軍へ納入されました。
この間、1992年4月28日には「原子力巡洋潜水艦」へ類別変更されました。

翌1993年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1993年2月5日に太平洋艦隊第2潜水艦小艦隊・第45潜水艦師団へ編入され、7月10日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着しました。
1993年4月13日には「モルシュ」Моржと命名されました。

1995年10月14日から12月15日まで戦闘勤務を実施。
1996年5月5日から7月26日まで戦闘勤務を実施。
1997年7月6日から8月18日まで戦闘勤務を実施。

1998年1月29日にロシア海軍総司令官の指示で「クズバス」Кузбассと改名されました。
因みに、「クズバス」Кузбасс「クズネツク炭田」Кузнецкий угольный бассейн の略称です。

1998年5月1日、第10潜水艦師団へ転属しました。

2001年には小規模な修理を行ないました。

2007年8月には原子力巡洋潜水艦「ネルパ」(現在はインド海軍へリース)の試験の支援へ参加しました。

2007年9月から12月までボリショイ・カーメニドックで修理を実施。

2008年7月末にはウラジオストク沖でロシア海軍記念日の観艦式に参加しました。
15-1221a.jpg

2009年にはボリショイ・カーメニ艦船修理工場「ズヴェズダー」へ回航され、核燃料交換などを含む大規模なオーバーホールと、部分的な近代化改装が始まりました。
16-0307c.jpg

オーバーホール(近代化改装)は2015年秋にようやく完了しました。

2015年12月18日にはロシア連邦首相ドミトリー・メドベージェフ氏(前ロシア連邦大統領)が「クズバス」を視察しました。


当初の計画では、「クズバス」は2015年12月末までに太平洋艦隊へ復帰する筈だったのですが、数ヶ月間延びて2016年3月下旬になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月末までに復帰する]

そして「クズバス」は、「ロシア潜水艦乗員の日」である2016年3月19日に太平洋艦隊へ引き渡される事になりました。


ロシア海軍に就役中のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦の内、6隻(北方艦隊の3隻と太平洋艦隊の3隻)はセヴェロドヴィンスク艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で高度な近代化改装が実施されますが、「クズバス」は、この6隻には入っていません。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]

既に太平洋艦隊からはK-391「ブラーツク」K-295「サマーラ」が2014年9月末にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]


現在のロシア連邦海軍における原子力潜水艦の分類は以下の通りです。

重原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト941「アクラ」(タイフーン)
原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト667BDRM「デリフィン」(デルタIV)、プロジェクト667BDR「カリマール」(デルタIII)、プロジェクト955「ボレイ」
原子力水中巡洋艦:プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)、プロジェクト885「ヤーセン」
原子力巡洋潜水艦:プロジェクト971「シチューカ-B」(アクラ)
原子力大型潜水艦:プロジェクト945「バラクーダ」(シエラI)、プロジェクト945A「コンドル」(シエラII)、プロジェクト671RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)


弾道ミサイル或いは有翼ミサイルの専用垂直発射機を装備する原潜西側で言う所のSSBNSSGNに該当する艦は「水中巡洋艦」に分類されています。
一方、いわゆる「魚雷攻撃型原潜」は、「原子力大型潜水艦」に分類されています。

ただ、今回の記事に登場する「クズバス」を含むプロジェクト971のみは「原子力巡洋潜水艦」と、「原子力水中巡洋艦」「原子力大型潜水艦」の中間的な分類となっております。

上記の分類はソ連邦解体後の1992年に定められたものですが、この当時、971魚雷発射管から発射できる長射程有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)を搭載し、原子力戦略用途水中巡洋艦を補完する戦力と見なされていた為、他の魚雷攻撃型原潜と区別して「巡洋潜水艦」となりました。
(ただし、その後に「グラナート」971原潜から降ろされましたが)

ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月末までに復帰する

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『タス通信』より
2016年3月7日11時31分配信
【ロシア連邦国防省:多目的潜水艦「クズバス」は3月末までに復帰する】
モスクワ、3月7日/タス通信

2009年から修理と近代化を実施していたプロジェクト971原子力潜水艦「クズバス」は3月末までにロシア海軍の戦闘編制へ復帰する。
(ロシア)国防省広報サービスは発表した。

「(ロシア)海軍の既存プロジェクト潜水艦の修理・近代化プログラムに沿って、沿海地方の企業ズヴェズダーでの修理を終えたプロジェクト971原子力多目的潜水艦クズバスは、今年3月末までに太平洋艦隊潜水艦部隊へ復帰します」
タス通信
が受け取った当局の声明では、こう述べられた。

潜水艦は居住保障システム、電波無線機器、水中音響機器を更新した。

「現在、原子力潜水艦クズバスは、工場航行試験の最後の段階を実施しています」
国防省
のプレスリリースは説明した。

潜水艦「クズバス」は2009年から「ズヴェズダー」で修理が行なわれていた。


プロジェクト971「シチューカ-B」(NATOコード名「アクラ」)原子力大型潜水艦K-419は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市レーニン共産党青年団記念造船工場(現アムール造船工場)で1991年7月28日に起工されました。

建造中にソ連邦は解体されましたが、1992年5月18日に進水し、1992年12月31日にロシア海軍へ納入されました。
この間、1992年4月28日には「原子力巡洋潜水艦」へ類別変更されました。

翌1993年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1993年2月5日に太平洋艦隊第2潜水艦小艦隊・第45潜水艦師団へ編入され、7月10日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着しました。
1993年4月13日には「モルシュ」Моржと命名されました。

1995年10月14日から12月15日まで戦闘勤務を実施。
1996年5月5日から7月26日まで戦闘勤務を実施。
1997年7月6日から8月18日まで戦闘勤務を実施。

1998年1月29日にロシア海軍総司令官の指示で「クズバス」Кузбассと改名されました。
因みに、「クズバス」Кузбасс「クズネツク炭田」Кузнецкий угольный бассейн の略称です。

1998年5月1日、第10潜水艦師団へ転属しました。

2001年には小規模な修理を行ないました。

2007年8月には原子力巡洋潜水艦「ネルパ」(現在はインド海軍へリース)の試験の支援へ参加しました。

2007年9月から12月までボリショイ・カーメニドックで修理を実施。

2008年7月末にはウラジオストク沖でロシア海軍記念日の観艦式に参加しました。
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15-1221a.jpg

2009年にはボリショイ・カーメニ艦船修理工場「ズヴェズダー」へ回航され、核燃料交換などを含む大規模なオーバーホールが始まりました。
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オーバーホールは2015年秋にようやく完了しました。

2015年12月18日にはロシア連邦首相ドミトリー・メドベージェフ氏(前ロシア連邦大統領)が「クズバス」を視察しました。


当初の計画では、「クズバス」は2015年12月末までに太平洋艦隊へ復帰する筈だったのですが、今回の記事の通り、数ヶ月間延びて2016年3月末になりました。


今回のロシア国防省発表によると、現在、「クズバス」工場航行試験の最後の段階に在るとの事ですから、おそらくは2016年1月初頭あたりから航行試験を開始したようです。

つまり、「クズバス」は今年初めから日本海で航行試験を行なっていたという事です。
具体的に、何時・何処で航行試験を行なったのか、言い換えれば、「クズバス」ボリショイ・カーメニを出て何処まで行ったのかについては一切明らかにされていませんが・・・
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日本国防衛省は、2016年2月15日に「外国の潜水艦」が潜航したまま対馬南東沖を航行し、日本海側から東シナ海方面へ通過したと発表しています。
『スプートニク』(日本語版)より
2016年2月16日17時59分配信
【日本防衛省 対馬沖で国籍不明潜水艦を確認】

この時期に「クズバス」日本海で工場航行試験を行なっていた筈です。


ロシア海軍に就役中のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦の内、6隻(北方艦隊の3隻と太平洋艦隊の3隻)はセヴェロドヴィンスク艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で高度な近代化改装が実施されますが、「クズバス」は、この6隻には入っていません。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]

既に太平洋艦隊からはK-391「ブラーツク」K-295「サマーラ」が2014年9月末にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]


現在のロシア連邦海軍における原子力潜水艦の分類は以下の通りです。

重原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト941「アクラ」(タイフーン)
原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト667BDRM「デリフィン」(デルタIV)、プロジェクト667BDR「カリマール」(デルタIII)、プロジェクト955「ボレイ」
原子力水中巡洋艦:プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)、プロジェクト885「ヤーセン」
原子力巡洋潜水艦:プロジェクト971「シチューカ-B」(アクラ)
原子力大型潜水艦:プロジェクト945「バラクーダ」(シエラI)、プロジェクト945A「コンドル」(シエラII)、プロジェクト671RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)


弾道ミサイル或いは有翼ミサイルの専用垂直発射機を装備する原潜西側で言う所のSSBNSSGNに該当する艦は「水中巡洋艦」に分類されています。
一方、いわゆる「魚雷攻撃型原潜」は、「原子力大型潜水艦」に分類されています。

ただ、今回の記事に登場する「クズバス」を含むプロジェクト971のみは「原子力巡洋潜水艦」と、「原子力水中巡洋艦」「原子力大型潜水艦」の中間的な分類となっております。

上記の分類はソ連邦解体後の1992年に定められたものですが、この当時、971魚雷発射管から発射できる長射程有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)を搭載し、原子力戦略用途水中巡洋艦を補完する戦力と見なされていた為、他の魚雷攻撃型原潜と区別して「巡洋潜水艦」となりました。
(ただし、その後に「グラナート」971原潜から降ろされましたが)

原子力巡洋潜水艦クズバスは2015年12月末までにロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年12月21日8時44分配信
【潜水艦「クズバス」は年末までに艦隊へ復帰する見込みである】

太平洋艦隊のプロジェクト971U「シチューカ-B」原子力潜水艦K-419「クズバス」は、ボリショイ・カーメニの極東工場「ズヴェズダー」での長きに渡った修理を完了し、2015年末までに艦隊の戦闘編制へ復帰する。

『Lente.ru』 防衛産業界の情報提供者より伝えられた。
現在、原子力艦は、来たるカムチャツカ太平洋艦隊原子力潜水艦基地への移動の為、海へ出る準備を進めている。

「クズバスの2009年からの充分に長い修理は、正式には技術的準備状態の回復だったのですが、実際には、潜水艦は大部分の機器を現代へ対応するものへ交換する完全な定期修理を行ないました」
対談者は話した。

原子力潜水艦K-419コムソモリスク・ナ・アムーレで1991年7月28日に起工され、1992年5月18日に進水し、1992年12月31日に海軍へ引き渡された。
1993年4月から1998年1月まで「モルシュ」と名付けられており、その後、「クズバス」と改名した。
それは、1990年代から2000年代に太平洋艦隊で最も航海を行なった潜水艦の1隻であり、様々な大洋エリアで繰り返し戦闘任務を遂行した。

原子力潜水艦プロジェクト971の水中排水量は10000トン以上、最大速力は33ノット、潜航深度は600メートル、乗組員73名。
これらは8門の533mm及び650mm魚雷発射管で武装しており、潜水艦の弾薬は40発までの魚雷、有翼ミサイル、ロケット魚雷であり、12基の650mm魚雷/ロケット魚雷と28基の533mm魚雷/ロケット魚雷を含む。
潜水艦魚雷の代わりに、海洋機雷及び様々なタイプの特殊水中装置を使用できる。

このタイプの潜水艦6隻は、2030年代初頭まで海軍の編制へ留まる事を可能にする近代化を実施しなければならない。


プロジェクト971原子力大型潜水艦K-419は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市レーニン共産党青年団記念造船工場(現アムール造船工場)で1991年7月28日に起工されました。
建造中にソ連邦は解体されましたが、1992年5月18日に進水し、1992年12月31日にロシア海軍へ納入されました。
この間、1992年4月28日には「原子力巡洋潜水艦」へ類別変更されました。

翌1993年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1993年2月5日に太平洋艦隊第2潜水艦小艦隊・第45潜水艦師団へ編入され、7月10日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着しました。
1993年4月13日には「モルシュ」と命名されました。

1995年10月14日から12月15日まで戦闘勤務を実施。
1996年5月5日から7月26日まで戦闘勤務を実施。
1997年7月6日から8月18日まで戦闘勤務を実施。

1998年1月29日にロシア海軍総司令官の指示で「クズバス」と改名されました。

1998年5月1日、第10潜水艦師団へ転属しました。

2001年には小規模な修理を行ないました。

2007年8月には原子力巡洋潜水艦「ネルパ」の試験の支援へ参加しました。

2007年9月から12月までボリショイ・カーメニドックで修理を実施。

2008年7月末にはウラジオストク沖でロシア海軍記念日の観艦式に参加しました。
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2009年にはボリショイ・カーメニ艦船修理工場「ズヴェズダー」へ回航され、核燃料交換などを含む大規模なオーバーホールが始まりました。
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オーバーホールは2015年秋にようやく完了しました。

2015年12月18日にはロシア連邦首相ドミトリー・メドベージェフ氏(前ロシア連邦大統領)が「クズバス」を視察しました。


「クズバス」は12月末までに太平洋艦隊へ復帰し、その後、カムチャツカ原潜基地ヴィリュチンスクへ戻ります。

ロシア海軍に就役中のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦の内6隻(北方艦隊の3隻と太平洋艦隊の3隻)はセヴェロドヴィンスク艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で高度な近代化改装が実施されますが、「クズバス」は、この6隻には入っていません。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]

既に太平洋艦隊からはK-391「ブラーツク」K-295「サマーラ」が2014年9月末にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]


現在のロシア連邦海軍における原子力潜水艦の分類は以下の通りです。

重原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト941「アクラ」(タイフーン)
原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト667BDRM「デリフィン」(デルタIV)、プロジェクト667BDR「カリマール」(デルタIII)、プロジェクト955「ボレイ」
原子力水中巡洋艦:プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)、プロジェクト885「ヤーセン」
原子力巡洋潜水艦:プロジェクト971「シチューカ-B」(アクラ)
原子力大型潜水艦:プロジェクト945「バラクーダ」(シエラI)、プロジェクト945A「コンドル」(シエラII)、プロジェクト671RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)


弾道ミサイル或いは有翼ミサイルの専用垂直発射機を装備する原潜西側で言う所のSSBNSSGNに該当する艦は「水中巡洋艦」に分類されています。
一方、いわゆる「魚雷攻撃型原潜」は、「原子力大型潜水艦」に分類されています。

ただ、今回の記事に登場する「クズバス」を含むプロジェクト971のみは「原子力巡洋潜水艦」と、「原子力水中巡洋艦」「原子力大型潜水艦」の中間的な分類となっております。
上記の分類はソ連邦解体後の1992年に定められたものですが、この当時、971魚雷発射管から発射できる長射程有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)を搭載し、原子力戦略用途水中巡洋艦を補完する戦力と見なされていた為、他の魚雷攻撃型原潜と区別して「巡洋潜水艦」となりました。