ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊はウラジオストクへ帰投した

『タス通信』より
2016年8月8日4時34分配信
【太平洋艦隊艦船支隊は136日間の航海を終えてウラジオストクへ戻ってきた】
ウラジオストク、8月8日/タス通信特派員マリーナ・シャチロワ
太平洋艦隊艦船支隊は136日間に渡る太平洋及びインド洋航海を終えてウラジオストクへ戻ってきた。
タス通信は東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐より伝えられた。
「本日、太平洋艦隊主要基地では、大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ、大洋救助船フォーチー・クルイロフ、給油船イルクトで構成される艦船支隊の歓迎式典が開催されました」
マトヴェーエフは伝えた。
「支隊指揮官アレクサンドル・ポタポフ1等海佐は、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将へ、遠距離航海から帰港した艦船支隊は、機器の修理と必要な物資の補充後に与えられた任務を遂行する準備が整うと報告しました。
艦隊司令官は艦隊軍事評議会に代わり、遠距離大洋航海で与えられた任務を成功裏に果たした乗組員を祝福し、海軍の伝統に沿って子豚の丸焼きを贈りました」
太平洋艦隊の代理人は話した。
太平洋艦隊支隊は2016年3月にウラジオストクを去った。
136日間の航海中に艦船は2つの大洋を渡り、26000海里以上を航行した。
4月に支隊は海軍演習『コモド-2016』へ参加し、パダン港(インドネシア)へ寄港した。
更に艦船乗組員は国際対テロ演習『ADMMプラス』へ参加し、その最中にムアラ港(ブルネイ)とチャンギ海軍基地(シンガポール)を訪問した。
今年5月に太平洋艦隊艦船はティラワ港(ミャンマー)への寄港を行なった。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]
大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」を中核とする太平洋艦隊艦船支隊は、2016年3月末(3月26日頃?)にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは遠距離航海へ出発した]
[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:アレクサンドル・ポタポフ1等海佐
大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
中型海洋給油船「イルクト」

3月28日に対馬海峡を通過し、この際のロシア海軍の慣例として、ロシア-日本戦争中の1905年5月27日のツシマ沖海戦(日本海海戦)のロシア海軍の戦死者の追悼式典を開催し、花輪を投下しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊は対馬海峡を南下した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊はツシマ沖海戦の戦死者を追悼した]

「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、各種演習を実施しながらインドネシアへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは太平洋上で演習を実施した]
4月11日にインドネシアのパダンへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』へ参加する為にインドネシアを訪れた]
4月12日、アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』が始まりました。
【国際海軍演習『コモド』公式サイト】
[ロシア海軍太平洋艦隊が参加する国際海軍演習『コモド-2016』が始まった]
4月14日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊を含めた演習参加艦はパダンを出航し、演習実施海域へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』実施海域へ向かった]
アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』は4月16日に終了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した]
その後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊はカンボジアへ向かい、4月24日から27日までシアヌークビル(コンポンソム)港を訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはカンボジアのシアヌークビルを訪れた]
5月1日、ASEAN(東南アジア諸国連合)の国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する為、ブルネイのムアラ港を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する為にブルネイを訪れた]
国際海軍演習『ADMMプラス-2016』は、5月2日から10日までブルネイ及びシンガポール沖海域で実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]
5月8日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊はシンガポールを訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはシンガポールを訪れた]
5月10日以降にシンガポールを去り、5月18日から22日までミャンマーのティラワ港(Myanmar International Terminals Thilawa:MITT)を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはミャンマーのティラワ港(MITT)を訪れた]
ミャンマーを去った後、南シナ海へ戻り、更に東シナ海を北上し、6月9日には尖閣諸島の接続水域(領海の外縁の海域)を航行しました。
同日には中国海軍の艦も尖閣諸島の接続水域へ入っています。

その後の「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊の動向は一切公表されず、ウラジオストクへ戻る事も無く、6月下旬から実施された太平洋艦隊のオホーツク海演習にも参加しませんでした。
それから1ヶ月以上が経った7月16日~17日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、国際海軍演習『リムパック-2016』実施海域のハワイ沖に現れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはハワイ沖へ現れた]
つまり、尖閣諸島を通った後、進路を東へ転じて太平洋上を進み、ハワイ沖へ行ったという事でしょう。
(太平洋艦隊広報部は、この件には一切触れていませんが)

その後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は太平洋を西へ進み、8月5日午後に津軽海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年8月8日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
日本防衛当局の発表では大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」にしか触れられていませんが、無論、「フォーチー・クルイロフ」と「イルクト」も同時に通過しています。
或いは、他の2隻は「アドミラル・ヴィノグラードフ」から少し離れていたのかもしれませんが。

そして8月8日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊は8月8日にウラジオストクへ帰港する]
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