『イズベスチヤ』より
2022年2月9日0時0分配信
【艦隊のドローン:海上の「スーパー・スホーイ」は無人機を戦闘へ導く】戦闘機Su-30SM2は無人飛行装置を制御し、情報を交換できるようになるロシアの
「スーパー・スホーイ」は
無人機を指揮できるようになる。
海上戦闘機Su-30SM2は
ドローンとの情報交換とそれを制御する能力を得る。
このお陰により
航空機は、数百~数千メートルの距離で敵を探知し、攻撃する。
最初の4機の
Su-30SM2は2022年に
バルト艦隊の
航空連隊へ軍備として受け入れられた。
専門家は、このような協同行動のお陰により、
ロシア海軍はその能力を激しく高めると指摘する。
[ドローンとの連絡]
航空機Su-30SM2の為に、2名乗りの
戦闘機が
S-70「オホートニク」を含む
大型無人飛行装置の制御を可能にする通信複合体が完成すると
ロシア国防省の情報提供者は
『イズベスチヤ』へ話した。
装置は、
第5世代戦闘機Su-57の機内に有る物と統合される。
対談者によると、この方向性の作業は既に進められている。
「スーパー・スホーイ」は
無人機から情報を受け取るのみならず、その戦闘を制御する。
1月末に
西方軍管区司令官
アレクサンドル・ジュラヴリョフ大将は、最初の4機の
Su-30SM2量産機が
カリーニングラード州の
混成航空連隊へ補充されたと発表した。
これらは
イルクーツク工場から
ロシアの飛び地の恒久駐留飛行場への移動飛行を行なった。
軍の評価によると、
爆撃機Su-24Mと交換された後、
混成連隊の効率は1.5倍に増加する。
以前、近代化される
Su-30SM2は、
第5世代戦闘機Su-57からの統合通信・データ交換システムの要素を得ると
科学技術センターNPP『ポリェート』所長
アレクセイ・ラトネルは言った。
国防省は、
重ジェット無人飛行装置S-70「オホートニク」の初飛行以来、
戦闘機Su-57との共同使用の可能性を検討していた。
このような
ドローン4機を同時に効果的に制御する為、
航空機の特殊な複座ヴァージョンが開発されると伝えられた。
「Su-30SM2は真に多目的機であり、他の戦闘機よりも無人機との協同行動の為に適合しております」軍事専門家
ウラジスラフ・シュルイギンは
『イズベスチヤ』へ話した。
「複座配置であるが故に、これは、高精度誘導弾を含むあらゆる弾薬を効果的に使用できます。
パイロットが戦闘機を制御している間、2人目の乗員は兵器の使用やドローンとの協同行動へ完全に集中できます。
無論、通常、彼は自身でそれを『操縦』しません。
ここでは、装置のビデオ画像、探知された目標の座標を直接受信し、それに基礎的な指令を与え、監視領域を示す事が出来る点がより重要なのです」[艦隊の無人機]
海軍には、
無人飛行装置の大規模な編制が有る。
北方艦隊には、
海軍の利益の為に行動する
無人飛行装置連隊全体が配置されている。
演習でそれは、
ロケット艦との協同行動へ取り組み、彼らの為に空中偵察を行ない、地上標的を探す。
クリミア、カリーニングラード、そして
カムチャツカには、
海上無人航空機の大隊と飛行中隊が配置されている。
それは、飛翔時間が長い
中型無人飛行装置「フォルポスト」と
軽無人機「オルラン-10」で構成されている。
これらは
海軍歩兵や
沿岸部隊へ援助を与えるのみならず、艦とも連携する。
演習中、これらは砲撃の調整と
ミサイル誘導の為の海上目標の捜索へ取り組む。
乗員と機材の大部分は、
シリア・アラブ共和国での経験を得ている。
「艦隊の戦闘機は、ドローンの為の幾つかの主任務が有ります」
ウラジスラフ・シュルイギンは説明した。
「無人機は、航空機が打撃を与える為に地上目標を偵察し、攻撃の結果を評価できます。
強力なレーダーを持つ将来モデルは、更にSu-30SM2の追加の目と耳となり、周囲数百キロメートルの状況を監視できるようになります」専門家によると、
Su-30との協同行動にとって、
「アリチウス」や
「オホートニク」のように自身で兵器を搭載する事が可能な大型かつ高速の
無人飛行装置モデルは最適である。
その使用は、重ミサイルや爆弾により、乗員を危険に晒す事無く充分に防護された施設への攻撃、更には長期に渡る海上や大洋の哨戒を可能にする。
ドローンを直接に
戦闘艦へ配置する実験も進められている。
黒海艦隊の
フリゲート「アドミラル・エッセン」は、
偵察無人飛行装置「オルラン-10」を捕捉できる急速展開ネットワークの試験に成功した。
それは、折り畳みカタパルトにより艦から直接射出できる。
複数のモデルの最新艦は、既に
ヘリコプター型ドローンが標準装備されている。
[スーパー・スホーイ]
多目的機Su-30SM2は、
ロシア軍において新たに製造された最も多いタイプの
戦闘機Su-30SMを基に開発された。
航空宇宙軍及び
海軍航空隊には、このような航空機が約120機有る。
海上航空隊の
Su-30SMは、
戦闘機として、そして
打撃機としての任務を遂行する。
「空対空」クラスの
ミサイルに加え、それは強力な対艦の
Kh-35、
誘導爆弾と
通常爆弾を搭載する。
それは既に演習目的のみならず、
シリア・アラブ共和国において実際の戦闘状況下で試験が行なわれている。
演習中、これらは艦標的を一度ならず沈めた。
開発者は、近代化された
Su-30SM2が
多チャンネル通信・データ転送装置OSNODを得たと報告した。
それは、他の
航空機、ヘリコプター、地上管制所とリアルタイムで情報を交換し、目標指示を出し、現代的な軍管理システムに含める事が出来る。
戦闘機の
機上レーダーは改善され、「スマートな」兵器のリストは拡張された。
加えて近代化された
Su-30の戦闘能力は向上し、輸入部品への依存から解放された。
それは、
ウクライナで生産されたものを含め、一連の外国製造システムが交換された。
『ロシアンヘリコプターズ』によると、近代化された後の
Mi-28NMは、
無人機から画像を受信し、制御する能力も得た。
その乗員は、
中型ドローン「フォルポスト」及び
「コルサール」、更には
カミカゼ・ドローンを含む
小型無人飛行装置と自動的に連携し、制御できる。
多用途複座戦闘機Su-30SMは、
インド空軍などが導入している
Su-30MK系列機を
ロシア軍向けに改正した機体であり、
ロシア航空宇宙軍及び
ロシア海軍航空隊への導入が進められています。
ロシア海軍航空隊の為の
Su-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]最終的には50機程度の調達が計画されています。
[多用途複座戦闘機Su-30SMはロシア海軍基地航空隊の主力となる]現在までに、
ロシア海軍航空隊では、
黒海艦隊へ12機、
バルト艦隊へ8機、
北方艦隊へ2機が配備されています。
2014年7月に最初の3機が
ロシア海軍へ引き渡され、
黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された][ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]2016年12月12日までに合計12機の
Su-30SMが
黒海艦隊航空隊へ配備され、
1個飛行隊(エスカドリーリャ)分が揃いました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]2016年12月初頭には
バルト艦隊航空隊へ
Su-30SMの最初の1機が配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]2016年12月28日には
北方艦隊へ2機の
Su-30SMが配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊は2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]2017年には、計5機の
Su-30SMが
バルト艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊は2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した][ロシア海軍バルト艦隊航空隊は3機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]2018年7月2日、2機の
Su-30SMが
バルト艦隊の
チェルニャホフスク飛行場へ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊へ2機の多用途複座戦闘機Su-30SMが到着した]これで
バルト艦隊の
Su-30SMは合計8機になりました。
今後に調達されるのは改良型
Su-30SM2となり、更には
ロシア航空宇宙軍及び
ロシア海軍航空隊の現用の
Su-30SMも
Su-30SM2仕様へアップグレードされます。
[ロシア航空宇宙軍とロシア海軍航空隊の多用途複座戦闘機Su-30SMはアップグレードされる]アップグレードの主眼は、要するに、
Su-30SMを
第4++戦闘機Su-35Sに準じた仕様へ改良する事です。
より具体的には、
Su-35Sと同じエンジン(
AL-41F1S、117S)及び同じレーダー(
フェーズドアレイレーダー「イルビス」)への換装です。
AL-41F1Sエンジン
フェーズドアレイレーダー「イルビス」
2021年末までに
ロシア海軍向けの4機の
Su-30SM2が製造されました。
[ロシア海軍の為の最初の4機の多用途複座戦闘機Su-30SM2が製造された]2022年1月27日、この4機は
カリーニングラード州の
バルト艦隊航空隊の
チェルニャホフスク飛行場へ到着しました。
[2022年にロシア海軍バルト艦隊航空隊へ多用途複座戦闘機Su-30SM2の配備が始まる][ロシア海軍バルト艦隊航空隊へ4機の多用途複座戦闘機Su-30SM2が配備された]
今後、
Su-30SM2には
無人機の制御機能が付与されます。
現在、
ロシア航空宇宙軍の
重無人攻撃機「オホートニク」を制御する為の
第5世代重戦闘機Su-57の複座型の開発が進められていますが、元々複座である
Su-30SM2は
無人機の制御に適した機体であり、
Su-57と同様に無人機制御機能も付けられる事になりました。