ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で実弾射撃演習を実施した
- カテゴリ:プロジェクト22160哨戒艦

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2023年5月18日7時58分配信
【哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は空中及び海上目標への射撃を実施した】
哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は、単艦での海上戦闘の要素へ取り組んだ。
ロシア連邦国防省広報サービスが発表したように、戦闘訓練活動は、任務遂行の点検テストの枠組みにおいて黒海エリアで実施された。
「ワシーリー・ブイコフ」の乗組員は海上戦闘の要素へ取り組み、空中及び海上の目標、そして更に浮遊機雷への砲射撃を実施した。
軍当局は、船員は更に、様々な方法での擲弾射撃、水上及び水中の標的への水中ピストル及び自動小銃からの射撃を含む複合対破壊工作訓練を行なったと付け加えた。
「ワシーリー・ブイコフ」はプロジェクト22160哨戒艦であり、2018年12月から勤務に就いている。
モジュールコルベットの排水量は1300トン、30ノットの速力を発揮する。
航続距離-6000海里、自立航行期間-60日。
標準兵装として新たな76.2mm砲塔AK-176MA、高射ミサイル複合体「イグラ」、機関銃を装備する。
プロジェクト22160哨戒艦の1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は、ロシア内陸部に位置するタタールスタン共和国の『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2014年2月26日に起工され、2017年7月23日に進水し、2018年12月20日にノヴォロシースク海軍基地で海軍旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]


就役後、ノヴォロシースク海軍基地で乗組員の慣熟訓練を行ない、2019年1月9日にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはダメージコントロール訓練を行なった]
その後も基地での各種訓練が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上訓練の準備を進めている]
2019年2月25日、「ワシーリー・ブイコフ」は海上での戦闘訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上で砲撃訓練を行なった]
2019年3月7日には、砲撃訓練の他に、有翼ミサイル「カリブル」の模擬発射訓練も行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で戦闘訓練を行なった]
2019年3月8日にはトルコ海軍の艦との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海東岸で合同演習を行なった]
2019年3月21日、「ワシーリー・ブイコフ」はノヴォロシースク海軍基地でダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースクでダメージコントロール訓練を実施した]
2019年3月27日にはノヴォロシースク沖で実弾射撃演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースク沖で射撃訓練を実施した]
2019年4月5日にセヴァストーポリへ入港しました。

2019年5月中旬に出航し、5月21日にセヴァストーポリへ帰港しました。

2019年6月10日、「ワシーリー・ブイコフ」はセヴァストーポリを出航し、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはバルト海へ向かった]
2019年6月11日には黒海と地中海を結ぶボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過する]
その後、地中海へ入って同海域を西進し、2019年6月18日には北アフリカのスペイン領セウタへ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはスペインの飛び地セウタへ寄港した]


2019年6月20日にセウタを出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはスペインの飛び地セウタを去った]
「ワシーリー・ブイコフ」は2019年6月21日にジブラルタル海峡を通過し、大西洋へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入った]
2019年6月25日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは英仏海峡へ入った]
この時、グレートブリテン海軍の最新鋭哨戒艦「フォース」が「ワシーリー・ブイコフ」を追跡しました。

その後、「ワシーリー・ブイコフ」はバルト海へ入り、2019年7月初頭にクロンシュタットへ到着しました。

2019年7月10日の「ワシーリー・ブイコフ」
2019年7月28日の『ロシア海軍の日』の主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクのネヴァ川の観艦式)では、クロンシュタットの観艦式へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】
主要海軍パレードが終わった後、クロンシュタットを出航してバルト海を去り、2019年8月8日までに再びラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
今回もグレートブリテン海軍の哨戒艦「フォース」が追跡しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは再び英仏海峡を通過した]
2019年9月7日に最新鋭対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」(2019年1月26日就役)と共にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した]
2019年10月15日頃にセヴァストーポリを出航し、10月14日にはボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフはギリシャへ向かった]
2019年10月19日にギリシャのピュロス港へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフはギリシャのピュロスを訪れた]

2019年10月22日にピュロス港を出航し、セヴァストーポリへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフはギリシャを去った]
2019年10月24日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。
「ワシーリー・ブイコフ」は2019年11月初頭にセヴァストーポリを出航し、11月4日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフは地中海へ入った]
2019年11月下旬にはフリゲート「アドミラル・マカロフ」及び救助曳船SB-739と共にアルジェリアを訪れ、アルジェリア海軍と合同演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は地中海西部でアルジェリア海軍と合同演習を行なった]
2019年12月12日、救助曳船SB-739と共にダーダネルス海峡及びボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年12月12日16時15分配信
【黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフと救助船SB-739は黒海海峡を通行する】
2019年12月14日に母港ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
2020年1月上旬に黒海で行なわれた北方艦隊と黒海艦隊の合同演習へ参加しました。
[ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは黒海でロシア海軍北方艦隊及び黒海艦隊の合同演習を視察した]
「ワシーリー・ブイコフ」は、2020年7月26日の『ロシア海軍の日』の主要海軍パレード(サンクトペテルブルクのネヴァ川及びクロンシュタット泊地で行なわれる観艦式)へ参加する為にノヴォロシースク海軍基地を出航し、6月18日には黒海と地中海を結ぶボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは再びバルト海へ向かった]
7月26日の『ロシア海軍の日』には、クロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。
「ワシーリー・ブイコフ」は観艦式が終わった後、クロンシュタットを出航し、ノヴォロシースクへの帰路に就く筈でした。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは『海軍の日』観艦式へ参加した後に黒海へ戻る]
しかし、バルト海を出て北海へ入った「ワシーリー・ブイコフ」は、そのまま南下せずに北上し、8月12日には北方艦隊の白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。


[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは白海で新型兵器の試験を行なう]
「ワシーリー・ブイコフ」は、白海で兵器の試験を行ないました。
試験を行なった兵器がどのようなものかは明らかにされていませんが、おそらくは汎用戦闘モジュールコンテナでしょう。
[ロシア海軍の新世代水上艦の為の汎用戦闘モジュールコンテナの試験が始まる]
「ワシーリー・ブイコフ」(プロジェクト22160哨戒艦)は、この汎用戦闘モジュールコンテナを装備できるように設計されているので、同艦で試験が行なわれたようです。

試験が終わった後にセヴェロドヴィンスクを出航し、バレンツ海、ノルウェー海を通過して北海へ入り、11月上旬から12月初頭までグレートブリテン島北部(スコットランド)のマレー湾(Moray Firth)付近に滞在していました。

その後、12月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。

12月23日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。
12月28日にノヴォロシースク海軍基地へ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは遠距離航海を終えて母港ノヴォロシースクへ帰投した]
その後は黒海で訓練を行なっており、2021年5月11日には対空・対水上戦闘などの演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で戦闘演習を実施した]
2021年5月半ば以降にノヴォロシースク海軍基地を出航し、5月20日にボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフは地中海東部へ行く]
5ヶ月半ほど地中海に滞在した後、11月3日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、セヴァストーポリへ立ち寄った後、11月10日にノヴォロシースクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年11月10日14時45分配信
【哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は地中海での任務遂行後にノヴォロシースクへ到着した】
その後はノヴォロシースク海軍基地で乗組員の各種基礎訓練(錬成任務K-1)を行ない、2022年2月6日から黒海で洋上訓練(錬成任務K-2)を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で洋上訓練を行なう]
2023年2月24日に開始されたウクライナ特殊軍事作戦では、先ず4月25日の黒海のズミイヌイ島攻撃へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はズミイヌイ島のウクライナ軍守備隊を攻撃し、その後守備隊は降伏した]
3月7日にはオデッサ沖でウクライナ軍に撃沈されたと報じられましたが、デマでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフ撃破に関するフェイクニュース]
[オデッサ沖でウクライナ軍に「撃沈」されたロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフはセヴァストーポリへ帰投した]

その後も黒海で活動しており、2023年5月18日には実弾射撃演習を行ないました。
プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、4隻が就役しています。
「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役
「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年6月11日就役
「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年11月27日就役
「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2021年1月29日進水/2022年7月31日就役
「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2023年末就役予定
「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2024年就役予定
基本的には軽武装(76mm砲、14.5mm機銃、近接高射ミサイル「イグラ」)の22160哨戒艦ですが、対艦ミサイルや高射ミサイルなどの汎用戦闘モジュールコンテナを装備して武装を強化する事も出来ます。
[ロシア海軍の新世代水上艦の為の汎用戦闘モジュールコンテナの試験が始まる]
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは白海で新型兵器の試験を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊のワシーリー・ブイコフ型哨戒艦は新たなミサイル兵器を装備する]

この汎用モジュールは40フィート標準海上コンテナに収められますが、ミサイル発射機コンテナの他に電子戦闘システムコンテナの開発が進められています。
[ロシア海軍のワシーリー・ブイコフ型哨戒艦の為の新たなコンテナ型電子戦システムが開発される]
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