ロシア海軍の新世代対機雷防衛艦ドミトリー・ルイソフはサンクトペテルブルクで起工された


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2023年6月19日12時14分配信
【サンクトペテルブルクで対機雷防衛艦「ドミトリー・ルイソフ」が起工された】
サンクトペテルブルク、6月19日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア海軍の為のプロジェクト12700対機雷防衛艦「ドミトリー・ルイソフ」は、月曜日に『中部ネヴァ川造船工場』(SNSZ、『統合造船業営団』へ加入)で起工された。
『ロシア通信社ノーボスチ』特派員は伝えた。


「ドミトリー・ルイソフ」は、『中部ネヴァ川造船工場』で起工されたプロジェクト12700ラインの11隻目の艦となる。
これは真空注入方式により形成された一体型ガラス繊維強化プラスチック製の世界最大の船体を有するユニークな掃海艦である。
このような船体の利点は、金属製に比べて強度がより高い事に在る。
一体型ガラス繊維強化プラスチック製船体の就役期間は、磁性鋼鉄船体よりも長くなり、その船体重量は遥かに小さくなる。
新世代対機雷防衛艦は、将来的にはロシア海軍の掃海艦隊の基礎を形成し、任務遂行の効率は大幅に向上する。
「このプロジェクトの掃海艦は、その高い戦闘安定性、信頼性を示し、全ての特性は確認されております。
この名は、大祖国戦争中、英雄として戦死した北方艦隊の掃海艇の伝説的な艇長に敬意を表して命名しました」
ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は艦の起工式典で話した。

彼は、対機雷防衛艦を艦隊は非常に必要としている事を指摘した。
「『中部ネヴァ川造船工場』は高品質の艦を納入しており、最も重要なのは、予定時期よりも早い事すらある事です。
私が思いますに、この艦は高品質で2025年に艦隊へ引き渡され、北方艦隊で長い間勤務するでしょうし、その事を確信しております」
エフメノフは話した。
プロジェクト12700艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』により設計された。
それは掃海艦にとって安全な距離で海軍基地海域に在る機雷を捜索、破壊する為に意図されている。
艦の排水量は約890トン、全長-約62メートル、幅-10メートル、満載排水量時の速力-約16ノット、乗組員-44名。
プロジェクト12700掃海艦は新世代機雷掃海戦力に属し、水上や海底で海洋機雷へ対処する為に意図されている。
それは様々な種類の掃海具、そして更に遠隔操作の自動水中無人機を装備する。
艦は最新の機雷捜索・探知手段を装備し、高い機動性と航行能力を持っている。

サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で建造されているロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)
プロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の対機雷防衛艦アレクサンドル・オブホフはバルト海で掃海演習を実施した]
2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工されましたが、2016年6月7日夜に火災が発生し、同艦の進水と就役は延期される事になりました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]
「ゲオルギー・クルバトフ」の船体の修復中、同艦よりも後に起工された艦が先に就役、進水しました。
3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ配備されました。
(就役順では2番艦)
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した]
4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は2017年4月20日に起工され、2019年5月30日に進水、2019年12月28日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
(就役順では3番艦)
就役後もバルト海に留まって各種試験に従事し、2021年9月6日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。
2022年1月下旬から地中海で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフと海洋曳船セルゲイ・バルクは地中海東部へ向かった]
5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は2017年12月26日に起工され、2020年1月29日に進水、2020年12月26日に就役し、太平洋艦隊へ配備されました。
(就役順では4番艦)
[ロシア海軍太平洋艦隊の対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはオホーツク海で掃海演習を実施した]
本来の2番艦である「ゲオルギー・クルバトフ」は2020年9月30日にようやく進水し、2021年8月20日に就役し、黒海艦隊へ配備されました。
(就役順では5番艦)
[ロシア海軍黒海艦隊の新世代対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフはセヴァストーポリへ到着した]
6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工され、2021年4月28日に進水、2022年11月16日に就役し、太平洋艦隊へ配備されました。
[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
7番艦アナトーリー・シレモフは、2019年7月12日に起工され、2021年11月26日に進水、2022年12月29日に就役し、太平洋艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で掃海演習を実施した]
8番艦「レフ・チェルナヴィン」は2020年7月24日に起工され、2023年4月14日に進水しました。
[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦レフ・チェルナヴィンはサンクトペテルブルクで進水した]
ロシア海軍への引き渡しは2023年末に予定されています。
9番艦「アファナシー・イワンニコフ」は2021年10月9日に起工されました。
[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アファナシー・イワンニコフ起工(2021年9月9日)]
10番艦「ポリャールヌイ」は2022年6月12日に起工されました。
そして11番艦「ドミトリー・ルイソフ」は2023年6月19日に起工されました。
[ロシア海軍の新世代対機雷防衛艦ドミトリー・ルイソフは2023年6月19日に起工される]
現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
最終的には、30隻以上の建造が計画されています。
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