ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフは地中海へ入った


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年6月16日18時52分配信
【ロシア海軍の最新救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は太平洋艦隊への移動を行なってる】
太平洋艦隊の常時駐留所への艦隊間移動中の最新大洋救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は、承認された航路であるジブラルタル海峡の通過を完了し、地中海へ入った。
同船の太平洋艦隊への到着は8月に予定されており、同艦隊の捜索救助業務サービスの一員として加わる。
先だって6月10日~13日、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は、必要量の水と食料の補充及び乗組員の休養の為、リスボン港への業務寄港を行なった。
「イーゴリ・ベロウソフ」は6月1日にバルチースクから太平洋艦隊への移動を開始した。
長期航海の開始前、乗組員は一連の準備活動と必要な錬成任務を実施した。
艦隊間移動を行なう際の乗組員及び機器設備の準備状態は、バルト艦隊射爆場での同船の数度の検査航海中に点検された。
5月中に救助船の潜水夫は潜水鐘を使用した深度90メートル及び120メートルへの潜水を何度か実施した。
船の移動準備計画に沿って、電波航法システム及び居住保障システムが点検され、航海士、当直の信号士と無線通信士の訓練、更には船内演習が実施された。
規準量の水、燃料、食料が補充された。
[参照]
「イーゴリ・ベロウソフ」は、ロシア海軍の為にサンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」で建造されたプロジェクト21300S救助船のトップである。
それは、海底に横渡った、或いは浮上中の遭難した潜水艦乗組員の救助の為に意図されており、潜水艦や水上艦へ空気、電力、救助手段を提供する。
加えて、船は遭難した物体の探知と調査を行なうことが出来る。
船の排水量は5000トン、全長は100メートル以上である。
プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)「イーゴリ・ベロウソフ」は、2005年10月24日にサンクトペテルブルク市の「アドミラルティ造船所」で起工され、2012年10月30日に進水しました。
[新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水]
2014年12月25日から最初の洋上試験を開始し、2015年1月7日に終了しました。
[ロシア海軍最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフは最初の洋上試験を終えた]
その後、3月28日には次の洋上試験の為に出航しました。
8月10日、大西洋上で試験を行なう為、サンクトペテルブルクを抜錨しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフは深海試験の為に大西洋へ向かった]
「イーゴリ・ベロウソフ」は大西洋上で深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40、深海潜水複合体GVK-450、遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」の深海試験などを実施しました。
深海潜水複合体GVK-450
深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40

遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」

大西洋及びバルト海での各種試験を終えた「イーゴリ・ベロウソフ」は2015年10月末にサンクトペテルブルクへ戻ってきました。
[ロシア海軍最新救助船(潜水艦救難艦)イーゴリ・ベロウソフは工場航行試験を完了した]
その後、「イーゴリ・ベロウソフ」はバルト海で国家受領試験を行ない、2015年12月下旬に完了しました。
2015年12月25日、海軍旗(聖アンドレイ旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはロシア海軍へ就役した]
「イーゴリ・ベロウソフ」の搭載艇AS-40は先にウラジオストクへ移送されました。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊の救助船アラゲズへ受け入れられた]
「イーゴリ・ベロウソフ」は、就役後もバルチースクに留まり、錬成訓練を行なっていましたが、2016年6月1日、ウラジオストクへ向け出港しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはウラジオストクへ向かった]
6月10日から13日までポルトガルのリスボンへ寄港しました。

そして6月16日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
「イーゴリ・ベロウソフ」のウラジオストク到着は2016年8月の予定です。
プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)は、計5隻の建造が計画されており、2番船は2017年末に起工される予定です。