ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた
- カテゴリ:ロシア太平洋艦隊(2016年)

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年12月22日5時14分配信
【大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」はウラジオストクへ戻った】
ウラジオストク、12月22日-ロシア通信社ノーボスチ、スヴェトラーナ・ザデーラ
太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は遠洋航海の後にウラジオストクへ戻った。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフは発表した。
「大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは遠洋航海の後に太平洋艦隊主要基地ウラジオストクへ戻ってきました。
遠洋航海任務の遂行中に戦闘艦の乗組員は10000海里以上を進みました。
北方艦隊の艦船との合同演習へ参加しました。
北方緯度で指示された任務を遂行し、太平洋艦隊の砕氷船イワン・スサ―ニンへ随伴しました」

声明では、こう述べられた。
遠洋航海中に大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」乗組員は広範囲の戦闘演習任務へ取り組んだ。
一連の対空および対潜防衛演習と訓練、通信訓練、対空防衛部隊との協同訓練が実施されたと声明では指摘された。
遠洋航海の最中に太平洋艦隊の戦闘艦「アドミラル・パンテレーエフ」は記念日を迎えた~25年前、戦闘艦へ初めてロシア海軍旗が掲揚された。
[ウダロイ級12番艦アドミラル・パンテレーエフ]
ロシア太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は、6月21日午前1時頃、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」、「ペレスウェート」、「ニコライ・ヴィルコフ」、海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」と共に対馬海峡を南下しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は対馬海峡を通過した]

従って、6月19日頃にウラジオストク(或いはフォーキノ)を出航している筈ですが、太平洋艦隊広報部からの発表は一切ありませんでした。
その後、7月半ば頃までに沿海地方へ戻り、7月31日の「ロシア海軍の日」にはウラジオストクの観艦式へ参加しました。

8月中旬にウラジオストクを出航し、8月16日午後5時頃、宗谷海峡を東へ通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年8月17日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
その後も「アドミラル・パンテレーエフ」の動向が公表される事は無く、12月1日に太平洋艦隊広報部が「指示された任務を海上で遂行している」と述べただけでした。
[ロシア海軍太平洋艦隊の2017年度の予定]
12月17日午前0時頃、「アドミラル・パンテレーエフ」は、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」、「ペレスウェート」、「ニコライ・ヴィルコフ」、水路調査船「マルシャル・ゲロヴァニ」、中型海洋給油船「イジョーラ」と共に宗谷海峡を西へ向けて通過しました。

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年12月19日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
「アドミラル・パンテレーエフ」は12月22日までにウラジオストクへ帰港しました。
この間(特に8月から12月)、「アドミラル・パンテレーエフ」が何処で何をしていたのかについては一切公表されていませんでしたが、今回の太平洋艦隊広報部発表を見る限り、8月にカムチャツカ方面へ行き、更に北上し、9月には北極圏へ行っていたようです。
「アドミラル・パンテレーエフ」は、太平洋艦隊の砕氷船「イワン・スサ―ニン」に同行し、北方艦隊との合同演習へ参加していたとの事です。

北方艦隊の北極圏遠征部隊は8月30日にセヴェロモルスクを出航し、9月11日にはノヴォシビルスク諸島へ到着しています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦船部隊はノヴォシビルスク諸島へ到着した]

9月21日、北極圏のノヴォシビルスク諸島まで来た太平洋艦隊の砕氷船「イワン・スサ―ニン」は、北方艦隊艦船部隊と合同演習を行なっています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年9月21日15時14分配信
【北極圏で北方艦隊と太平洋艦隊の艦船支隊の合同戦術演習が実施された】
「アドミラル・パンテレーエフ」も、「イワン・スサ―ニン」と共に、この演習へ参加していたようです。
その後、「イワン・スサ―ニン」は、北方艦隊艦船部隊に同行していた最新の兵器輸送船「アカデミック・コワリョーフ」に付き添い、9月30日にカムチャツカの原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭兵器輸送船アカデミック・コワリョーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]
この時、「アドミラル・パンテレーエフ」も随伴していたようです。
つまり、「アドミラル・パンテレーエフ」は、北極海経由でカムチャツカに回航された兵器輸送船「アカデミック・コワリョーフ」をエスコートしていたのでしょう。
その数日前の9月26日には最新鋭戦略原潜「ウラジーミル・モノマーフ」もヴィリュチンスク基地へ到着しています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]
11月26日には「ウラジーミル・モノマーフ」の同型艦「アレクサンドル・ネフスキー」が戦闘任務(戦略核パトロール)を終えてヴィリュチンスク基地へ帰港しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーは任務を終えて帰投した]
この間、「アドミラル・パンテレーエフ」もカムチャツカ方面に滞在し、周辺海域の警戒に当たっていたようです。
そして、おそらくはカムチャツカ方面へ何らかの重機材を運んだ大型揚陸艦が沿海地方へ戻る際、エスコート役として同行したようです。
「アドミラル・パンテレーエフ」は、1991年12月15日に海軍旗初掲揚式典(正式な就役式典)を開催しており、今回の遠洋航海から戻る途中の2016年12月15日に就役25周年を迎えました。
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