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ボレイ級戦略原潜1番艦ユーリー・ドルゴルーキーは2012年に北方艦隊へ配備される

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍西方軍管区(北方艦隊)公式発表
【「ユーリー・ドルゴルーキー」は2012年に北方艦隊の潜水艦部隊の編制に加入する】
2012年3月19日11時51分配信

戦略用途水中ロケット巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、セヴェロドヴィンスクの防衛産業複合企業で試験の最終段階にある。

「私達は、戦略用途水中ロケット巡洋艦ユーリー・ドルゴルーキーの今年中の到着を期待します」
北方艦隊潜水艦部隊司令官イーゴリ・ムハメツィン海軍少将は話した。
「ボレイ」プロジェクトは、最新の画期的な技術が使われている。
乗組員は既に準備を終えている-彼らは海軍の訓練センターで適切な訓練を受けた。

2012年、北方艦隊の潜水艦部隊は、充実した活動が期待される。
これに関連して戦闘訓練と遠距離航海の量は増大し、それは恒久的に強化される。

2011年、北方艦隊の原子力潜水艦乗組員は、8度の弾道ミサイル発射を成功させた。
それは、海洋配置大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の4度の国家飛翔開発試験も含まれる。
その一つの試射では、1度に2発の海洋配置大陸間弾道ミサイルの同時発射が、原子力水中ロケット巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」により実施された。

艦隊は復活し、艦は近代化される。
セヴェロドヴィンスク防衛造船所「艦船修理センター"ズヴェズドーチカ"」で修理と近代化を終えた原子力水中ロケット巡洋艦「ボロネジ」は、常駐地に到着した。

多くの潜水艦乗組員は、国家表彰および当局からの表彰を受けている。
以前の祖国防衛者の日に、北方艦隊の原子力潜水艦艦長アレクセイ・ディミトロフ1等海佐(カピタン・1ランガ)は、ロシア連邦英雄勲章を授与された。
北方艦隊には30名のロシア連邦英雄が存在し、14名の高位の潜水艦士官が表彰を受けている。


というわけで、ついに、ロシア北方艦隊(西方軍管区)の公式発表でボレイ級戦略原潜1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」の北方艦隊配備が明らかにされました。

「ユーリー・ドルゴルーキー」に関しては、今年1月、火災事故を起こして長期間戦列を離れる原潜「エカテリンブルク」の代わりに北方艦隊へ配備されるという非公式の情報が流されました。
[新世代戦略原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」は、事実上ロシア海洋核戦力の一翼を担っている]

そして今回、それは事実である事が、北方艦隊(西方軍管区)当局から明らかにされました。

なお、最新情報によると、「ユーリー・ドルゴルーキー」は今年6~7月にロシア海軍へ引き渡されます。
[新型戦略原潜ボレイ級1、2番艦は2012年6~7月と同年12月に就役する]

これまで日本では、「ユーリー・ドルゴルーキー」が就役後、すぐに極東すなわち太平洋艦隊に配備されるという情報が再三に渡り流布されてきましたが、太平洋艦隊ボレイ級(「ユーリー・ドルゴルーキー」)を配備しようにも、今の時点ではカムチャツカ半島の原潜基地のインフラが整っておらず、受け入れ準備は出来ていません。
[カムチャツカ半島の基地設備はボレイ級戦略原潜に適していない]
[ボレイ級戦略原潜の為、カムチャツカ半島に新たな設備が建設される]

上記の公式発表でも触れられていますが、「ユーリー・ドルゴルーキー」は、2011年に4回の弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を成功させました。
[新型潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」]

2011年8月27日には、最大射程(9300㎞)での発射試験に成功しました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]

2011年12月23日には、2発のミサイル一斉発射試験を成功させました。
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]


上記公式発表において「ユーリー・ドルゴルーキー」の北方艦隊配備について述べている北方艦隊原子力潜水艦部隊司令官イーゴリ・ムハメツィン少将については、このページに経歴が記されています。
(ただし、2010年3月9日の時点での情報ですが・・・)
【イーゴリ・チメルブラトヴィッチ・ムハメツィン】
1963年8月15日、バシコルトスタン共和国ネフチェカムスク市に生まれました(現在48歳)。
1986年に太平洋海軍高等学校を卒業しました。
専攻は水中音響学です。
卒業後は潜水艦乗りとしての道を歩み、2001年に海軍大学校、2006年に参謀本部アカデミーを卒業し、2009年3月に太平洋艦隊の第16潜水艦戦隊司令官に就任しました。

その後、北方艦隊の原子力潜水艦部隊司令官に任命されたようです。

もう一人、名前が出ているアレクセイ・ディミトロフは、プロジェクト971多用途原潜(アクラ級)「チグル」艦長です。

ロシア・中国海軍合同演習は4月に黄海で実施される

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【黄海でロシアと中国の演習が行なわれる】
2012年3月15日

沿海地方の海軍将兵は、大規模な国際演習の為、中国へ行く。
ロシア国防省の情報によると、昨年に締結した二国間協定に従い、ロシア太平洋艦隊は、中国の青島へ10隻以上の艦艇を派遣する。

4月下旬、両国海軍は、黄海の指定海域で大規模な軍事演習を実施する。

昨年、中国人民解放軍参謀総長チェン・ビンデがモスクワを訪問し、ロシア軍参謀本部総長マカロフ将軍と会見した際、中国海軍及びロシア海軍の共同軍事演習は重要であると述べた。
「russian.dbw.cn」は報じた。


この記事によると、ロシア海軍は、4月下旬に黄海で行なわれる中国海軍との合同演習に10隻以上の艦艇を派遣します。
記事を読む限り、演習参加艦艇は、沿海地方に駐留する太平洋艦隊所属艦の中から派遣されるようです。

ロシア太平洋艦隊は、今年7月末からハワイ沖で開催される環太平洋合同演習「リムパック」駆逐艦「ブイストルイ」救助曳航船給油船を派遣します。
[ロシア海軍は環太平洋合同演習「リムパック」に参加する]
この3隻がハワイ沖へ出発するのは7月初頭になりますから、その前に青島へ行く可能性もあります。

現在、太平洋艦隊からアデン湾へ海賊対処部隊(大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、給油船「ペチェンガ」、海洋救助曳航船MB-37)が派遣され、海賊対処任務に従事しています。
従って、この3隻は参加しません。
[ロシア海軍のソマリア海賊対策]


昨年(2011年)9月9日、カムチャツカ方面で行なわれるロシア軍演習に参加する為、沿海地方のロシア太平洋艦隊所属艦20隻が宗谷海峡を通過した事がありました。

日本国防衛省統合幕僚監部2012年9月10日発表
【ロシア海軍艦艇の動向】

この時に宗谷海峡を通過したのは、この20隻です。
スラヴァ型ミサイル巡洋艦「ワリャーグ」
ソブレメンヌイ型駆逐艦「ブイストルイ」
ウダロイ型大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」
グリシャ級小型対潜艦「コレーツ」「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」
タランタル級ロケット艇R-14、R-18、R-11、R-24、R-298、R-19
ロプーチャ級大型揚陸艦BDK-98、「ペレスウェート」
アリゲーター級大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」
ドゥブナ型給油船「イルクト」
エリブルス型潜水艦救助船「アラゲズ」
イングル級救助曳航船「マシュク」
カツンII級救助船PZHS-92
オビ型病院船「イルティシュ」



中国海軍と合同演習を行なうロシア海軍艦艇(10隻以上)も、4月半ば頃にツシマ海峡を通過する事になります。

青島へ派遣される「10隻以上の艦艇」の内訳は明らかにされていませんが、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」を筆頭に、ウダロイ型大型対潜艦が1、2隻程度、アリバトロース(グリシャ級)小型対潜艦が数隻、その他の支援船と言ったところでしょうか。
昨年の例から見て、揚陸艦ミサイル艇が加わる可能性もありますし、上で触れたようにハワイへ行く前の駆逐艦「ブイストルイ」が加わる可能性もあるでしょう。

太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」は、2009年4月にも中国を訪問しています。

[ロシア太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」、中国へ向けて出港]
[ロシア太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」、中国のチンタオ(青島)港へ到着]
[親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、中国訪問]
[親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は中国訪問を終えた]
[ロシア太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」、ウラジオストクへ帰港]
[親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、ウラジオストク帰港(4月29日)]

ロシア太平洋艦隊の艦艇が訪れる青島は、中国海軍北海艦隊の主要基地です。
北海艦隊には、052型駆逐艦2隻、051C型駆逐艦2隻、051型駆逐艦4隻、054A型巡防艦(フリゲート)2隻、053H1型巡防艦2隻などの水上戦闘艦と各種原子力潜水艦が配備されています。

イワン・ロゴフ型揚陸艦アレクサンドル・ニコラエフ(2011年7月)

プロジェクト1174(イワン・ロゴフ型)大型揚陸艦2番艦「アレクサンドル・ニコラエフ」

1982年12月30日に就役し、1983年10月17日~1984年1月27日に掛けて極東方面に回航され、太平洋艦隊に配備されました。
1991年以降は外洋に出る事もなくなり、ウラジオストクに係留されたままになり、1990年代末にはフォーキノへ移され、予備役に編入されました。

[2007年2月16日]

[2007年4月3日および2008年8月2日]

[2009年8月31日]

2011年7月に撮影された「アレクサンドル・ニコラエフ」
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放置状態です。
同艦の向こう側に見えるのは、ソブレメンヌイ型駆逐艦「ボエヴォイ」「ベズボヤズネンヌイ」です。
この2隻も予備役です。

フォーキノ基地
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北側の桟橋に「アレクサンドル・ニコラエフ」、南側の桟橋にキーロフ型原子力巡洋艦「アドミラル・ラーザレフ」が係留保管されています。


イワン・ロゴフ型揚陸艦は北方艦隊にも「ミトロファン・モスカレンコ」が居ますが、こちらも予備役に編入されており、稼働状態に有りません。

デルタIV級戦略原潜「ヴェルホトゥリエ」は造船台を出る

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セヴェロドヴィンスク市の艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で修理中のプロジェクト667BDRM(デルタIV級)1番艦K-51「ヴェルホトゥリエ」は今月末に造船台を出渠します。


『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【「ズヴェズドーチカ」は戦略用途ロケット水中巡洋艦「ヴェルホトゥリエ」を造船台から出渠させる】
2012年3月16日

プロジェクト667BDRMロケット(水中)巡洋艦「ヴェルホトゥリエ」は、2012年3月24日に艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」の造船台から出渠する。

機器準備の回復及び艦の寿命を延長する為の工事は2010年秋に始まった。
それ以来、ヤグリンスク造船所は、船体、船体外装、バラストタンク、各種機器、スクリュープロペラ群集合体、他の艦載システムの修理を完了した。

艦の進水は、4月中旬に予定されており、その後、水上で巡洋艦の(工事)仕上げを継続する。
今年夏及び秋に、「ズヴェズドーチカ」は、ロケット艦の係留及び海洋試験を実施する。
「ヴェルホトゥリエ」の海軍への引き渡しは、2012年11月下旬に行なわれる。


「ヴェルホトゥリエ」は2010年から定期修理を受けています。
[デルタIV級戦略原潜「ヴェルホトゥリエ」は2010年に定期整備を行なう]

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【K-51「ヴェルホトゥリエ」プロジェクト667BDRM】
2010年8月23日からセヴェロドヴィンスク市の艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」において、就役期間を5年間延長する為の修理工事が行なわれているとの事です。

北方艦隊の667BDRM戦略原潜6隻は、1990年代末以降より近代化改装を行ない、寿命を10年間延長しました。
K-51「ヴェルホトゥリエ」:1999年近代化完了
K-84「エカテリンブルク」:2003年近代化完了
K-114「トゥーラ」:2006年近代化完了
K-117「ブリャンスク」:2008年近代化完了
K-18「カレリア」:2010年近代化完了
K-407「ノヴォモスコフスク」:2012年近代化完了予定

そして今回、「ヴェルホトゥリエ」は、更に寿命を(5年間)延長する工事が実施されました。
(つまり合計で寿命は15年延長された)


現在、667BDRM戦略原潜は潜水艦発射弾道ミサイルR-29RMU2「シネーワ」を装備していますが、今後は改良型のR-29RMU2.1「ライネル」が装備されます。
[ロシア海軍のデルタIV及びデルタIII級原潜は「ライネル」を装備する]

ロシア海軍新型フリゲート及びコルベットの乗員はサンクト・ペテルブルク市へ到着した

『中央海軍ポータル』(フロート・コム)ツイッターより。


【2012年3月16日18時08分】

プロジェクト22350フリゲート1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」の乗組員を形成する北方艦隊将兵はサンクト・ペテルブルク市に到着した。


【2012年3月16日18時09分】

コルベット「ボイキー」乗組員は1ヶ月半に渡りバルト艦隊に滞在する。


【2012年3月16日18時10分】

コルベット「ボイキー」乗組員は、サンクト・ペテルブルク市で基本的な訓練プロセスを行なう。


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「アドミラル・ゴルシコフ」はロシア海軍の新世代フリゲート・プロジェクト22350の1番艦です。
[「アドミラル・ゴルシコフ」近影(2012年2月9日)]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート]

同艦の乗組員が北方艦隊の将兵で構成されるという事は、就役後は北方艦隊へ配備されるのでしょうか。


「ボイキー」はロシア海軍の新世代コルベット「ステレグーシチー」型(プロジェクト20380)の1隻です。
[ステレグーシチー型コルベット「ボイキー」は2012年に就役する]
[ステレグーシチー型コルベット]

重原子力ロケット巡洋艦キーロフ(2011年4月16日)

旧ソ連海軍のプロジェクト1144「オルラン」重原子力ロケット巡洋艦の1番艦「キーロフ」

1980年12月30日に就役し、翌1981年4月12日、初代の巡洋艦「キーロフ」の赤旗海軍旗が継承されました。
その後は北方艦隊に所属し、大西洋や地中海へ度々遠征を行ないました。

[最後の地中海遠征・その1(1989年12月)]
[最後の地中海遠征・その2(1989年12月末)]
[最後の地中海遠征・その3(1990年1月)]

1991年以降はセヴェロモルスク基地に係留され、外洋へ出る事は無くなりました。
1992年4月22日、「アドミラル・ウシャコフ」と改名されました。

[1992年7月]

[1997-1998年]

1999年10月、セヴェロドヴィンスク市へ回航されました。

[1999年10月]

[2004年5月16日]

2004年6月29日、「アドミラル・ウシャコフ」の名前はソブレメンヌイ型駆逐艦(ベスストラーシヌイ)に受け継がれ、本艦はロシア海軍から除籍されました。
以後、セヴェロドヴィンスク市で保管されています。

[2005年]

[2006年4月12日]

[2009年4月12日]

そして、2011年4月16日にセヴェロドヴィンスク市で撮影されたキーロフ
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キーロフは元乗組員や慈善基金などにより保守作業が行われており、2番艦アドミラル・ラーザレフ(フルンゼ)よりは良好な状態に維持されています。

キーロフ型原子力巡洋艦アドミラル・ラーザレフ(2011年7月)

2011年7月の重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ラーザレフ」(旧「フルンゼ」)
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同艦は1984年に就役し、翌1985年に太平洋艦隊へ配備されました。
就役時の艦名は「フルンゼ」でした。
[原子力巡洋艦フルンゼ極東回航(1985年)]

1990年以降は外洋での行動は確認されておらず、沿海地方フォーキノ基地で係留保管されています。
未だにロシア海軍からは除籍されておらず、一応はロシア海軍太平洋艦隊第36水上艦師団に所属しています。

上掲の写真(2011年7月撮影)ですが、以前の写真と比べると、艦上の装備類が撤去されています。
[フォーキノ湾の原子力巡洋艦アドミラル・ラザレフ<旧フルンゼ>(2009年8月31日)]


2009~2010年には近代化して現役復帰するという話も有りましたが、実行に移される兆候は全くありません。
[キーロフ型重原子力ロケット巡洋艦近代化計画]

ドミトリー・ロゴージンはロシア国防相に就任するかもしれない

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昨年末にロシア防衛産業担当の副首相に任命されたドミトリー・ロゴージンですが、新たなプーチン政権において国防相のポストに就くかもしれません。


『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【メディア:ロゴージンは国防長官になるかもしれない】

ロシア副首相ドミトリー・ロゴージンは、国防長官になるかもしれない。
3月14日、『モスコウスキー·コムソモーレッツ』紙は報じた。

新たな政権を形成するに当たり、重要な省庁の何れかで劇的な変化が発生する可能性がある。
防衛産業企業体の情報提供者が『モスコウスキー·コムソモーレッツ』紙に伝えた所によると、現在、ロシア国防長官の候補としてドミトリー・ロゴージンが考えられている。

軍事部門は、新たな人物の任命を待っている。
現在の国防長官アナトリー・セルジュコフは、国軍改革の仕事において、その義務をほぼ完了した。
その構造は決定され、財政環境は順調に導かれている。

昨年末、セルジュコフは、改革の主要段階は完了したと国家指導部に報告している。
しかし、防衛企業と、その主な顧客-国防省との間で時に発生する摩擦や緊張の問題は解決できなかったと同紙は報じた。

国家防衛発注の現状に、大統領と首相は不満を持っている。
加えて国防長官は、政治的な重要度が高い。

経験豊富な経営者であるセルジュコフは、専門家の観測によると、外国の軍事指導者との会合において、明らかに政治的経験が欠如していた。
一方、現在の副首相ドミトリー・ロゴージンは、「防衛産業」にのみ責任を負う立場である。

そして、全ての彼の監督手順は、産業と軍との間の摩擦を除去する事を目的としている。
したがって、長官としてのロゴージンの姿勢は、国家防衛発注の問題の深刻さを減らし、防衛産業企業体の発展を可能にし、軍の再装備を成功させる事である。
ドミトリー・ロゴージンは、副首相と国防長官を兼任する可能性がある。

純粋な軍事的機能を、参謀本部は成功裏に果たしている。
兵器購入に関するマカロフ将軍と副首相ロゴージンの最近のいざこざを想い起す時、本当にロゴージンが出現するのなら、彼(マカロフ)の上司に(セルジュコフと)置き換えても良い。

政治的な観点から見て、問題が生ずる事は無いだろう。
ロゴージンは、北大西洋条約機構(NATO)のロシア代表として広範囲な経験を有しているのだから。


【ドミトリー・ロゴージン氏のツイッター(ロシア語版)】
【ドミトリー・ロゴージン氏のツイッター(英語版)】

ドミトリー・オレゴヴィッチ・ロゴージン氏は1963年12月21日生まれで現在48歳です。
(現国防相セルジュコフより2歳年下)

2008年1月9日から2011年12月22日までNATOのロシア常駐代表を務め、2011年12月23日、ロシア連邦政府議長代理(副首相)に任命されました。

ボレイ級戦略原潜の為、カムチャツカ半島に新たな設備が建設される

『イズベスチヤ』紙によると、新世代戦略原子力潜水艦プロジェクト955「ボレイ」を太平洋艦隊に配備する為、カムチャツカの原潜基地に新たな設備が建設されます。


『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【メディア:「ボレイ」の為に、2基の新たな桟橋と原子力ステーションが建設される】
2012年3月14日

最新の「ブラヴァー」潜水艦が来る前に、ルイバチー半島ヴィリュチンスクに最新のインフラストラクチュアが登場するだろう。
『イズベスチヤ』紙は報じた。

「ボレイ」停泊の為の桟橋は、ルイバチー半島ヴィリュチンスクに登場する。
その右側の既存の桟橋には、「カリマール」、「シチューカ」、「パルトゥース」、「アンテイ」が駐留している。
クラシェニーンニコフ湾対岸に位置する第2桟橋は、ミサイル積載所である。
浮揚原子力ステーションは、潜水艦や基地の沿岸設備に電力を供給する。

「桟橋は、既存の技術を用いて建設され、根本的に新しい物は有りませんが、砂利を埋め込みます。
そして金属セクションを設置し、アンカーで固定します」

海軍の代理人は述べた。
彼によると、桟橋の役割は、潜水艦や乗組員に対する電力、燃料、新鮮な水の供給を確実に行なう事である。

「ボレイ」が駐留する為の新たな桟橋は、古いものとは根本的に異なるものではない。
ミサイル積載所は、波と特別に強い風から桟橋を保護する。

それは、ヴィリュチンスクの潜水艦乗組員が、弾薬を降ろしたり積んだりする際、天候により待機する必要がある現状を救済する。

「その待機時間は、最大で2週間になる事も有ります。
この(新しい)桟橋は、我が海軍将兵の長年の夢でした。
対照的に、吊り桟橋は、風と波の問題が常に存在します」

海軍はコメントした。

「ボレイ」の電力は、ヴィリュチンスクペトロパブロフスク-カムチャツキーの発電所と発電設備には依存せず、出力70メガワット(ドニエプル発電所の出力の8.5パーセント)の浮揚原子力発電ステーションにより提供される計画である。
これは、原子力潜水艦の全基地と近隣の市や町の必要量を満たすのに充分である。

ヴィリュチンスクへ潜水艦が到着する前に、浮揚ステーションが完成するかどうかは明瞭ではない。
「バルチースキー・ザヴォート」で作られているステーションは、現在、遂行手順が不安定であり、完成が2013年末まで延期されると言われている。

「バルチースキー・ザヴォート」を含む統合造船業営団は、 『イズベスチヤ』に対して同工場の情況が不安定であり、 2013年末までに浮揚原子力発電ステーションを完成させる事は出来ない事を認めた。
統合造船業営団報道官アレクセイ・クラフチェンコによると、ロスアトムと共同で、ステーション完成の為の時間及び資金供給の問題に対処する。

浮揚原子力発電ステーション「ロスエネルゴアトム」総取締役セルゲイ・ザヴィアロフは、現在、明確な完成時期については何も言えないと語った。
「統合造船業営団の専門家の予備推算によると、 2014年までにステーションは完成するとの事ですが、私共は、この時期は容認できません」

同時にザヴィアロフは、「バルチースキー・ザヴォート」の利点は、原子力砕氷船、浮揚原子力発電ステーション、重原子力巡洋艦を建造する特異な能力にあると述べた。
従って、彼は、このプロジェクトを他の会社に移管する事は不可能であると考えていると『イズベスチヤ』は報じた。


以前も、『イズベスチヤ』紙は、近い内にボレイ級が配備されると言われるカムチャツカ半島の原潜基地は、同級を受け入れる準備が出来ていないと報じ、それに対し「現状でもボレイ級の受け入れには問題は無い」と反論する専門家も居ました。
[カムチャツカ半島の基地設備はボレイ級戦略原潜に適していない]

しかし今回の報道は、カムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地の現状では、新型のボレイ級原潜を常駐させるのに適していない事を示しています。

ヴィリュチンスク基地
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記事を読む限り、新たな桟橋が建設されるのは、この辺りのようです。
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桟橋は2基建設されるとの事であり、1基でボレイ級2隻を両側に停泊させられますから、ヴィリュチンスク基地には最終的に4隻のボレイ級を配備する計画である事が伺えます。

ボレイ級戦略原潜は、「2011-2020年の国家兵器プログラム」において8隻の調達が計画されていますが、この内の半数を太平洋艦隊に配備する意向なのでしょう。
[ロシア国防省は、戦略原潜ボレイ級8隻と多用途原潜ヤーセン級8隻を2020年までに調達する]

記事中の「カリマール」、「シチューカ」、「パルトゥース」、「アンテイ」は、以下のタイプを指しています。

「カリマール」:プロジェクト667BDR戦略弾道ミサイル原子力潜水艦(デルタIII級)
「シチューカ」:プロジェクト971多用途原子力潜水艦(アクラ級)
「パルトゥース」:プロジェクト877通常動力潜水艦(キロ級)
「アンテイ」:プロジェクト949A巡航ミサイル原子力潜水艦(オスカーII級)



この記事によると、ボレイ級ヴィリュチンスク基地に常駐させる為、同地に「浮揚原子力発電ステーション」が設置されるとの事です。
浮揚原発は、サンクトペテルブルク市バルチースキー・ザヴォートで建設されます。

バルチースキー・ザヴォート
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【株式会社「バルチースキー・ザヴォート」公式サイト】

記事中でも触れられていますが、ソヴィエト連邦時代から各種の原子力水上艦船を建造した実績を有しています。
同社では、原子力砕氷船アルクチカ型、原子力巡洋艦キーロフ型、原子力偵察艦ウラルが建造されました。
この他、船体はフィンランドで建造し、原子炉等の取り付けは「バルチースキー・ザヴォート」で行なった原子力砕氷船タイミール型も有ります。

しかし、浮揚原子力発電ステーションの建設は遅れており、具体的な完成の目途は立っていないようです。
「バルチースキー・ザヴォート」の状況が不安定というのは、要するに、同社の経営状態が芳しくないという事です。

財団法人「高度情報科学技術研究機構」公式サイトより。
【世界の原子力発電開発の動向・CIS】
>原子力発電所の建設が困難な遠隔地向けには海上浮遊型原子力発電所(タグボートで曳航・繋留)で対応する予定で、
>1号機として原子力砕氷船用の舶用炉KLT-40S・2基・出力7万kWを搭載した海上プラントを、
>カムチャツカ半島のビルチンスクに設置する計画である。


これは、上の記事で触れられているボレイ級の為の「浮揚原子力発電ステーション」を指しています。
KLT-40Sは、原子力砕氷船タイミール型の原子炉と同系列です。

空母ヴィクラマーディティヤの艦内作業は無休で進められた

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【「ヴィクラマーディティヤ」艦内室の作業は、時間外及び無休で進行した】
2012年3月12日

複合作業班は、インド海軍空母「ヴィクラマーディティヤ」近代化で居住区の厚生および医療室を仕上げる為、「セヴマシュ」において時間外及び無休で作業した。
組み立ての期限割増手当表により、彼らには良好な報酬が支払われた。
同工場広報部は発表した。

空母内の3000以上の部屋への船舶用家具と艦内設備の設置は4か月に渡って行なわれた。
特に注目されるのは、作業班が空母の士官用の58室への機器の設置を終えた事である。

作業班のメンバーは作業期限を順守する為、40名以上の招待された専門技術者、請負業者及び子会社の労働者と共に分散化して作業した。
家具や遮音設備を設置する為に必要な作業が行われ、例えば、作業班長イワン・コロヴェルトフのグループは、情報機器を187の船室、写真撮影室、水兵室、医療室及び炊事室、戦闘哨兵室に設置した。

既に工事が完了、或いは完了に近い分野の一つは、艦内食堂への機器の設置である。

「セヴマシュ」木工生産長エフゲニー・スメホフは述べた。
「ヴィクラマーディティヤに設置される家具は、全て我が社において私たちの手で作られております。
今、最も重要な事は、それが生産スケジュールを守ることが可能なように期限内に設置された事です」

インド海軍航空母艦プロジェクト11430「ヴィクラマーディティヤ」(旧プロジェクト11434重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)の改装と近代化は株式会社・生産連合「セヴマシュ」において行なわれており、2012年12月4日までに顧客へ納入される必要がある事が想起される。
試験の為の最初の海洋への出航は5月29日に行なわれる。


[空母ヴィクラマーディティヤ]


プロジェクト11434重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
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プロジェクト11430航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」
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沿海地方のロシア海軍航空隊は飛行訓練を行なった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より。

ロシア連邦軍東方軍管区(太平洋艦隊)広報部発表
【沿海地方の太平洋艦隊対潜航空隊乗員は飛行活動を開始する】
2012年3月13日10時15分

ピョートル・キセリョフ大佐が司令を務めるニコラエフカ航空基地(沿海地方)において、太平洋艦隊海洋航空隊の対潜航空隊乗員は飛行活動を実施した。

施策の目的は、戦術航空グループ及び対潜航空隊乗員の編隊飛行の技量改善であり、海洋目標に対する特殊演習用爆弾、機雷、魚雷兵器の実弾使用が行なわれた。

この集団は、200名以上の飛行士及び整備要員で構成されている。
駐留部隊員と、13日までに太平洋艦隊航空基地へ到着した飛行士は、理論的及び実践訓練を行ない、互いの体験を語り合った。

実地訓練飛行中に約10回の飛行活動が行なわれ、対潜航空機IL-38およびTu-142M3は、日中及び夜間、荒天の条件下で飛行任務を遂行した。


ニコラエフカ航空基地(第7062航空基地)は、ナホトカの北東に位置するロシア海軍航空隊の飛行場です。

ニコラエフカ航空基地
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対潜哨戒機Il-38、輸送機Il-18、Il-22、対潜ヘリコプターKa-27などが駐留しています。

記事中には対潜哨戒機Tu-142M3(空軍の戦略爆撃機Tu-95の海軍型)の名前も出ていますが、Tu-142M3はニコラエフカではなく、ソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ航空基地に駐留しており、今回の訓練の為、カーメニ・ルチェイから飛来したものです。
「13日までに太平洋艦隊航空基地へ到着した飛行士」は、Tu-142M3の乗員たちを指しているようです。

カーメニ・ルチェイのTu-142M3
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オスカーII級原潜「オムスク」は近代化の準備を進める

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【原子力巡洋艦「オムスク」は近代化の準備を進めている】
2012年3月13日

3月12日、オムスク州知事レオニード・ポレジャエフは、原子力水中ロケット巡洋艦「オムスク」艦長ヴァレリー・サヴォンと会談した。
潜水艦乗員は、各員が太平洋艦隊司令部から指示される任務を遂行している事と、潜水艦が更新される事を州知事に報告した。

2001年以降、原子力水中ロケット巡洋艦「オムスク」は州政府の後援を受けている事を想い起す。

同州は、乗組員の生活環境及び日常生活を改善する為の財政支援を提供している。
潜水艦乗員の子供達は、毎年、療養治療所を利用し、オムスク州の医療機関で検査を受けている。
退役した予備士官及び准士官には、雇用支援が提供される。

現在、潜水艦では、30名のオムスク出身の乗組員が勤務している。

「私は、巡洋艦オムスク乗組員の生活および活動について知事に報告しました」
巡洋艦「オムスク」艦長ヴァレリー・サボン1等海佐(キャプテン・1stランク)は、報道機関『あなたのオムスク』に伝えた。
「軍改革は、潜水艦乗員の勤務に影響を及ぼします。
私達は、彼(州知事)と、更なる協力の計画について話し合いました」


「オムスク」は、大規模な機器の近代化を行なう。
知事レオニード・ポレジャエフは、潜水艦の今後、乗組員の状況や生活について尋ねた。


【オムスク地方紙『あなたのオムスク』】

プロジェクト949A(オスカーII級)ミサイル原潜K-186「オムスク」は、太平洋艦隊に所属しており、カムチャツカ半島のヴィリュチュンスク基地に駐留しています。

ヴィリュチュンスク原潜基地
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ヴィリュチュンスク基地のK-186「オムスク」(2012年1月撮影)
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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【プロジェクト949A「アンテイ」(NATOコード名「オスカーII」)】

ロシア海軍には8隻(太平洋艦隊5隻、北方艦隊3隻)の949A原潜が在籍し、うち4隻がドック入りしています。

太平洋艦隊所属艦は、「イルクーツク」、「チェリャビンスク」、「トムスク」が修理中です。
この内、「イルクーツク」と「トムスク」が沿海地方のボリショイ・カーメニのズヴェズダー工場に入渠しており、「チェリャビンスク」はカムチャツカ半島のクラシェニーンニコフ湾で修理待ちです。


ロシア海軍の949A原潜は、主要ミサイル兵装を換装する大規模な近代化が計画されています。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]

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この近代化により、949A原潜は、現用の長距離超音速対艦巡航ミサイル「グラニート」(同級は24基搭載)を、「オーニクス」および「カリブル」に換装します。

超音速対艦巡航ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)
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おそらくは、ロシア海軍新世代多用途原潜「ヤーセン」(セヴェロドヴィンスク型)と同様の3連装ミサイル発射機3R-14Vを装備するのでしょう。

太平洋艦隊所属の949A原潜は、沿海地方のボリショイ・カーメニ市艦船修理工場「ズヴェズダー」で近代化を実施します。

艦船修理工場「ズヴェズダー」
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近い将来、「オムスク」はカムチャツカ方面から沿海地方へ回航される事になるでしょう。

新アドミラルティ造船所の建設は2012年に始まる

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【「新アドミラルティ造船所」は2012年に建設される】
2012年3月11日

コトリン島南岸の「新アドミラルティ造船所」の建設は2012年に開始される。
250ヘクタール以上の区域では、1年間にロシア国内および海外輸出の為の艦船10数隻を建造できる充分なシリーズの最新造船所の建設が計画されている。
現在の 「統合造船業営団」の主要活動の一つは、得意客~サンクトペテルブルク市管理部との必要な文書への同意である。
防衛産業企業体の情報提供者は『中央海軍ポータル』に伝えた。


建設作業は、ドックや作業場の建設の為に選択された区域の土壌の堆積から始まる。
2011年に「統合造船業営団」代表は、新たな造船工場の建設の為、サンクトペテルブルク市庁から提供された領域に工場の境界を定める為に必要な事前のマーキング作業を行なった。

現在、クロンシュタットに新たな造船所を建設し、そこにサンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」の生産設備を移転する義務を実行する法的登録問題の為、サンクトペテルブルク市の新政庁との積極的な関係が確立されている。

予備計算によると、約20億ドルと見られた当初計画のコストは、大幅に低減出来る事が示されている。
そう、2月に、国防省は、新たな造船所建設の移転問題を積極的に解決する為、隣接する区域に、大面積の場所を造成する事を決定した。
これにより、約70ヘクタール分の埋め立て面積が減らされ、建設の為の労働量を大幅に軽減し、時間の節約になる。

主な問題の1つとして、具体的な工場建設区域と一部の公園区域の割り当てが存在する。
この問題は、サンクトペテルブルク市管理部が大規模な作業を発展させる為の解決を約束する。



サンクトペテルブルク市のアドミラルティ造船所
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【株式会社「アドミラルティ造船所」公式サイト】

アドミラルティ造船所は、1704年11月5日、ピョートル大帝により設立されました。
2008年、株式会社に登録しました。

現在は、ロシア海軍及び外国向けのキロ級潜水艦やラーダ級潜水艦、民間のタンカーなどを建造しています。

ソヴィエト連邦時代には、原子力潜水艦(ヴィクターI/II/III級など)を建造していました。
外国への輸出用の通常動力潜水艦(フォックストロット級やキロ級)も建造していました。


コトリン島(クロンシュタット)南岸
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新アドミラルティ造船所が建設されるのは、この辺りでしょうか。

統合造船業営団はラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクの試験を行なう

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【統合造船業営団は潜水艦「サンクト-ペテルブルク」の試験を行なう】
2012年3月11日

「統合造船業営団」プロジェクト677潜水艦のトップ「サンクト-ペテルブルク」の深海試験を2012年に予定する。
防衛産業企業体の代理人は伝えた。

「現在、 サンクト-ペテルブルクは試験運用中であり、今年、一連の深海試験が実施されます」
情報提供者はイタルタスに伝えた。

以前、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、プロジェクト677潜水艦のトップを辛辣に評価した。
しかし、「統合造船業営団」管理部は彼と意見を共有していない。

2012年、海洋工学中央設計局「ルビーン」は、プロジェクト677の改定案をロシア海軍総司令部に再び提出する。

ヴィソツキー提督も、海軍はプロジェクト677非核動力潜水艦(整理名「ラーダ」)を放棄するものではない事を強調し、トップ艦の動力装置のみに不満を述べた。

「僕は、トップ艦サンクト-ペテルブルクに対してはっきりと申し上げたのであり、ラーダ全般についてではありません」
総司令官は語った。

非核動力潜水艦プロジェクト677のトップは、現在、試験運航を行なっている。
「この艦の主要な問題点は動力装置に有ります」
ヴィソツキーは述べた。



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ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級に関しては、以前にロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将が、ラーダ級を断念すると発言した、と報じられた事が有りました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年2月9日配信
【ウラジーミル・ヴィソツキー提督へのインタビュー】

問題のラーダ級に関する箇所を抜粋。

インタビュアー:多くのメディアの報道で、プロジェクト677「ラーダ」ディーゼルエレクトリック潜水艦の将来に関する憶測が流れていますが・・・

ヴィソツキー
「ラーダ」?この艦については、何か申し上げる事が有りますかね?
潜水艦「サンクト-ペテルブルク」の試験運用では、技術的特性が示されていません。
その理由は、非常に簡単です。
要するに、この艦の主要動力装置は、欠陥が有るのですよ。

僕達は、第二次世界大戦時の動力を有するような武器を新たに必要であるなどという頭脳は持ち合わせておりません。
何故かって?誰がそれを必要とするのでしょうか?
そして、それは同様の動作特性を有しています。
現在の形での「ラーダ」を、ロシア海軍は必要としておりません。

インタビュアー:建造中の同プロジェクト潜水艦「クロンシュタット」と「セヴァストーポリ」の今後はどうなりましょうか?

ヴィソツキー:これらの艦は、他の動力装置になると思います・・・



確かに、ヴィソツキー提督は、「サンクト-ペテルブルク」について不満を述べています。

ちなみに、このインタビューで、インタビュアー(『ロシア通信社ノーボスチ』セルゲイ・サフロノフ)は、ヴィソツキー提督を「ウラジーミル・セルゲイヴィッチさん」と呼んでいます。


[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]

新世代戦略原潜ボレイ級4番艦以降はSLBM搭載数が20基に増加する

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【原子力潜水艦プロジェクト「ボレイ」の発射筒装置の数は、4番艦から20基に増加される】
2012年3月11日

原子力潜水艦プロジェクト「ボレイ」の発射筒装置の数は、4番艦「シヴャチテリ・ニコライ」以降は16基から20基に増加される
イタル-タスは、防衛産業企業体の代理人の談話を報じた。

現在、原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」型(プロジェクト955「ボレイ」)の武装は、個別誘導の複数の弾頭を備え、8000キロメートル以上の飛翔範囲を有する3段固体ロケット推進大陸間弾道ミサイルR-30「ブラヴァー」16基である。
各々の戦闘ブロックは、6個で構成されている。

1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」と同様、最初の2隻の同シリーズ潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」と「ウラジーミル・モノマーフ」も16基の大陸間弾道ミサイルを搭載する。
しかし、4番艦「シヴャチテリ・ニコライ」(プロジェクト955A)からは、大陸間弾道ミサイル数が20基に増加する。

ロシア海軍参謀部は、この情報を認めた。
「確かに、4隻目のボレイ型ロケット艦と、それ以降の全ての同プロジェクト潜水艦は、各々6個の戦闘ブロックを持つ大陸間弾道ミサイル"ブラヴァー"を20基搭載します」
対談相手の代理人は述べた。



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プロジェクト955「ボレイ」1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は今年6~7月、2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」は今年12月に就役する予定です。
[新型戦略原潜ボレイ級1、2番艦は2012年6~7月と同年12月に就役する]

4番艦は、2012年に起工されます。
[新世代戦略原潜「ボレイ」4番艦(改ボレイ級)は2012年に起工される]


ボレイ級は、「2011-2020年の国家兵器プログラム」において8隻の調達が計画されています。
つまり、搭載する潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は、総計148基(1~3番艦で計48基、4~8番艦で計100基)になります。

なお、今でこそ「ブラヴァー」は発射試験を6回連続で成功させ、正式採用が決定しましたが、以前に発射試験が失敗続きで実用化が危ぶまれていた時、代案としてR-29RMU-3「シネーワ-2」がマケーエフ国立ロケットセンターより提案された事も有りました。


[新世代戦略原潜プロジェクト955ボレイ級]

[ボレイ級に搭載される潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」]

ロシア海軍はタイフーン級戦略原潜を近代化しない

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【ロシア海軍は「アクラ」近代化を断念する】
2012年3月7日

ロシア海軍は財政的理由により、プロジェクト941「アクラ」戦略原子力潜水艦の兵装を近代化しない。
イタルタスは、防衛産業企業体の情報提供者の談話を報じた。
代理人の情報によると、「アクラ」1隻の大規模な近代化の費用は、新たなプロジェクト955「ボレイ」潜水艦2隻の建造費に匹敵する。

現在、ロシア海軍の軍備として3隻の「アクラ」プロジェクト潜水艦~「ドミトリー・ドンスコイ」、「アルハンゲリスク」、「セヴェルスターリ」~が在る。

最後の2隻の艦はセヴェロドヴィンスク港にあり、弾薬~弾道ミサイルR-39~が無い為に戦闘編制には在籍していない。
「セヴェルスターリ」は2004年以降、「アルハンゲリスク」は2006年以降、岸壁に係留されている。

「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として使用され、「ブラヴァー」ミサイル試験に参加した。
2011年12月初頭、「ドミトリー・ドンスコイ」はロシア海軍に留まり、新たな潜水艦の試験の為に使用されると報じられた。
とりわけ、潜水艦は兵器や水中音響ステーションの試験に参加する。
「ドミトリー・ドンスコイ」は白海海軍基地に所属している。
以前、潜水艦は2014年までに軍備から除外される予定だった。

現在、ロシア国防省と海軍は「アクラ」の今後の運命を決定している。
昨年9月、「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」は、兵装部分をプロジェクト941UM(「ドミトリー・ドンスコイ」は同プロジェクトにより近代化された)と同様に近代化するか、或いは艦を解体するかの何れかの決定を行なうと報じられた。

2010年、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキーは、予備役にある2隻のプロジェクト941潜水艦は、2019年まで海軍の編制に留まると発表した。
彼は「これらの艦は、近代化の余裕が非常に大きい」と指摘した。



この記事で書かれている「アクラ」は、NATOコード名「タイフーン」級戦略原潜を指しています。
[戦略原潜タイフーン級]


今年2月9日、ロシア海軍総司令官ヴィソツキー大将は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューを受け、未だ保管されている弾道ミサイルR-39を搭載し、「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」は復帰すると述べました。
[タイフーン級戦略原潜は現役に留まる]

ヴィソツキー総司令官によると、これまでに全て廃棄されていたと言われていたタイフーン級の弾道ミサイル(R-39)は、まだ保管されているとの事です。

セヴェロドヴィンスク市の「セヴェルスターリ」(左)と「アルハンゲリスク」(右)
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記事中の「兵装部分をプロジェクト941UM(「ドミトリー・ドンスコイ」は同プロジェクトにより近代化された)と同様に近代化する」というのは、新型潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」を装備する為の近代化という意味です。
ただ、この件(「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」のブラヴァー装備)に関しては、2008年12月の時点でロシア海軍筋から否定されています。
[2隻の 「タイフーン」型原潜は、最新弾道ミサイル「ブラヴァー」を装備しない]

以後、ブラヴァー装備案に代わり実際に検討されたのが、巡航ミサイル原潜への改装です。
[ロシア海軍は、2010年に新世代潜水艦各タイプの1番艦を受領する]

しかし、ロシア海軍のオスカーII級原潜がミサイルを換装する近代化を実施する事になったので、タイフーン級を改装する意義は無くなりました。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]

この他、特殊作戦用原潜への改装プランも検討されたようですが、これまたオスカーII級原潜「ベルゴロド」を特殊作戦用原潜として完成させる事になったので、タイフーン級を改装する意義は無くなりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]

もう1隻の「ドミトリー・ドンスコイ」は、今後も試験艦として在籍します。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]

セヴェロドヴィンスク市の「ドミトリー・ドンスコイ」
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新型戦略原潜ボレイ級1、2番艦は2012年6~7月と同年12月に就役する

【弾道ミサイル原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」と「アレクサンドル・ネフスキー」は、2012年の6~7月と同年12月に海軍で正式採用される】
モスクワ、3月6日(アルムス-タス)

弾道ミサイル原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」と「アレクサンドル・ネフスキー」(プロジェクト955、整理名「ボレイ」)は、それぞれ今年の6~7月と同年12月に海軍で正式採用される。
防衛産業企業体の代理人はアルムス-タス通信に伝えた。

「最初のプロジェクト955潜水艦は、今年6月~7月の海軍への引き渡しが準備されています。
2隻目のユーリー・ドルゴルーキー型潜水艦は、今年12月に試験サイクルを完了し、正式採用が予定されています」

情報提供者は述べた。

「ユーリー・ドルゴルーキー」型のトップ艦は、1996年にセヴェロドヴィンスク市の「セヴマシュプレドプリャーチェ」で起工された。

その後、2004年、2006年と2011年に、3隻の同シリーズ艦~「アレクサンドル・ネフスキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」、「シヴャチテリ・ニコライ」~が起工された。
(註:実際には、4番艦は未だ正式に起工されていません。建造準備作業は進められているようですが)

2012年、弾道ミサイル原子力潜水艦の1番艦及び最初の同型艦が海軍に加入するのみならず、4隻目の同型艦が起工される。

2013年から2015年まで、毎年1隻の弾道ミサイル原子力潜水艦の同型艦(5番艦、6番艦と7番艦)の起工が計画されている。
2020年までに同プロジェクトの弾道ミサイル原子力潜水艦8隻の建造が予定されている。

弾道ミサイル原子力潜水艦1番艦の建造費は230億ルーブルと推定され、同型艦も同程度と見られている。
(2012年3月6日09時49分配信)



K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」
12-0307K535


K-550「アレクサンドル・ネフスキー」
12-0307K550


ボレイ級戦略原潜を太平洋艦隊に配備するとの報道もありますが、現地(カムチャツカ半島のヴィリュチュンスク)からの情報では、ボレイ級(第4世代原潜)の為のインフラ整備は殆ど進んでいません。
[カムチャツカ半島の基地設備はボレイ級戦略原潜に適していない]

ヴィリュチュンスク(ルイバチー)原潜基地
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ボレイ級に搭載される弾道ミサイル「ブラヴァー」は、これまでに18回の発射試験が実施され、11回が成功しました。

『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年2月9日配信
【海洋弾道ミサイル「ブラヴァー」試射の年表】

1回目:2004年6月24日-失敗
2回目:2004年9月23日-成功
3回目:2005年9月27日-成功
4回目:2005年12月21日-成功
5回目:2006年9月7日-失敗
6回目:2006年10月25日-失敗
7回目:2006年12月24日-失敗
8回目:2007年6月29日-成功
9回目:2008年11月28日-成功
10回目:2008年12月23日-失敗
11回目:2009年7月15日-失敗
12回目:2009年12月9日-失敗
13回目:2010年10月7日-成功
14回目:2010年10月29日-成功
15回目:2011年6月28日-成功
16回目:2011年8月27日-成功
17回目:2011年10月28日-成功
18回目:2011年12月23日-成功

2010年以降に実施された6回の発射試験は連続で成功しました。


[新世代戦略原潜プロジェクト955ボレイ級]

[ボレイ級に搭載される潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」]

ロシア新型多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2012年11~12月に就役する

K-329「セヴェロドヴィンスク」
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『アルムス-タス』より。
【多用途原子力潜水艦のトップ「セヴェロドヴィンスク」は2012年11~12月に海軍で正式採用される】
モスクワ、3月6日(アルムス-タス)

ロケット魚雷兵器多用途原子力潜水艦プロジェクト885(整理名「ヤーセン」)のトップ「セヴェロドヴィンスク」は、2012年11月~12月にロシア海軍で正式採用される。
防衛産業企業体の代理人はアルムス-タス通信に伝えた。

「セヴェロドヴィンスクは、今年の6~7月に海軍へ引き渡す予定だったのですが、海軍は、この潜水艦1番艦の試験プログラムは非常に複雑であり、通常の試験の5倍のボリュームが有ると見ております。
つまり、今年11~12月には海軍での正式採用が実現できるでしょう」

情報提供者は述べた。

セヴェロドヴィンスク市の「セヴマシュプレドプリャーチェ」で建造されている「セヴェロドヴィンスク」型魚雷原子力潜水艦は、計2隻のみである。

魚雷原子力潜水艦のトップであるK-329「セヴェロドヴィンスク」は1993年に起工され、2隻目の「カザン」は2009年に起工された。
(註:記事原文では「1996年」と記されていますが、2009年の間違いです)

このシリーズの潜水艦は、2020年までに7~10隻が建造されると見られている。
2010年における魚雷原子力潜水艦の1番艦の総建造費は30億ルーブル以上と推定されている。
(2012年3月6日09時37分配信)


[新世代多用途原子力潜水艦プロジェクト885ヤーセン級]

ロシア通信社ノーボスチ情報グラフィック
【新世代潜水艦「セヴェロドヴィンスク」】

設計:中央海洋工学設計局「マラヒト」
建造:生産連合「セヴマシュ」

排水量:水上8600/水中13800t
全長:119m
全高:13.5m
深さ:9.4m
乗員:90名
潜航深度:600m
新世代原子炉搭載
最大速力:16ノット(水上)/31ノット(水中)
武装:
遠距離戦略有翼ミサイルKh-101
対艦有翼ミサイルP-800「オーニクス」
魚雷
機雷


Kh-101は、射程5000㎞の戦略巡航ミサイルです。

空母ヴィクラマーディティヤは2012年12月4日にインド海軍へ引き渡される

Yahooブログ『ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課』に新たな記事を投稿できない為、急遽、休眠状態だったFC2ブログを再起動する事になりました。



【航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」は2012年12月4日にインド海軍へ引き渡される】
モスクワ、3月6日(アルムス-タス)

空母「ヴィクラマーディティヤ」(元ロシア空母 「アドミラル・ゴルシコフ」)は、2012年12月4日にインド海軍へ引き渡される。
防衛産業企業体の代理人はアルムス-タス通信に伝えた。

「空母の海洋試験は5月29日に開始され、契約条件に従い、12月4日に同艦はインド側へ引き渡されます」
情報提供者は語った。

既に報じられているように、空母の海洋試験はバ​​レンツ海で2~3週間に渡り実施される。
その後、同艦は航空機複合体の試験を開始し、それは3ヶ月半に渡って続けられる。
(2012年3月6日09時20分配信)


[空母ヴィクラマーディティヤ]
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ロシア側は、これまでにも繰り返しも繰り返し空母「ヴィクラマーディティヤ」の今年12月のインド海軍への引き渡しおよび今年5月末の海洋試験開始を表明しています。

[空母ヴィクラマーディティヤは予定通りに納入される]
[インド空母「ヴィクラマーディティヤ」は2012年12月に納入される]
[空母「ヴィクラマーディティヤ」は2012年末までにインドへ引き渡される]


[インド空母「ヴィクラマーディティヤ」の海洋試験は2012年5月末に予定されている]
[インド空母「ヴィクラマーディティヤ」の最初の海上公試は2012年5月25日に予定されている]

ロシアの造船所は40隻以上の艦艇を建造する

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【ロシアの造船所は40隻以上の戦闘艦艇を建造する】
モスクワ、3月6日-ロシア通信社ノーボスチ

現在、40隻以上の遠海および近海ゾーン水上戦闘艦艇がロシアの造船所で建造中である。
ロシア連邦政府は発表した。

「現在、国家防衛発注により、ロシアの造船所は2012年2月に起工された3隻を含む40隻以上の艦艇を建造中です」
防衛産業委員会の会議後のプレスリリースでは、こう述べられた。

以前、国家防衛発注下で2020年までに50隻の建造が計画されていると報じられた。
この時、ロシア海軍に供給される支援船の隻数については説明されなかった。

発表では、防衛産業企業体は、期日順守の面において艦艇建造プログラムを確実に実施する為、全ての利害関係者の努力を調整する措置を準備していると述べられた。
さらに、遠海及び近海ゾーン水上艦の隻数の適正化についても解決されるだろう。

委員会では、水上艦を建造する為の根本的に新しい技術を含む海軍の技術や兵器開発の最新動向について論議された。

「2011年から2020年の国家兵器プログラム」の枠内で4兆7000億ルーブルが海軍の装備更新に割り当てられる。
昨年、連邦予算の中から原子力潜水艦およびフリゲートの建造、艦艇の修理やおよび整備の為、85億ルーブルが割り当てられた。
今年は93億ルーブルが割り当てられる。
(2012年3月6日11時22分配信)



「2011-2020年の国家兵器調達プログラム」において、ロシア海軍は以下の艦艇を調達する計画です。

<潜水艦>
・プロジェクト955「ボレイ」級戦略原子力潜水艦×8隻
・プロジェクト885「ヤーセン」級多用途原子力潜水艦×8隻
・プロジェクト6363「改ワルシャワンカ」級非核動力潜水艦×6隻
・新非核動力潜水艦×14隻

<水上戦闘艦>
・プロジェクト22350「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲート×8隻
・プロジェクト11356M「アドミラル・グリゴロヴィッチ」型フリゲート×6隻
・プロジェクト20380/20385「ステレグーシチー」型コルベット×18隻(既に2隻就役済み)
・プロジェクト11661「ゲパルト」級コルベット×2隻(既に1隻就役済み)
・その他のコルベット×15隻
・プロジェクト21630「ブヤン」級小型砲艦×6隻 (既に2隻就役済み)

<揚陸艦>
・プロジェクト11711「イワン・グレン」型大型揚陸艦×6隻
・「ミストラル」級ヘリコプター揚陸艦×4隻(フランスから導入)

[ロシア国防省は、戦略原潜ボレイ級8隻と多用途原潜ヤーセン級8隻を2020年までに調達する]
[2011-2020年のロシア兵器プログラムにおけるロシア海軍の艦艇調達数]

ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した

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『ロシア通信社ノーボスチ』英語版より。
【北方艦隊は、近代化された対潜機を取得した】
モスクワ、3月5日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍北方艦隊は、電子情報収集(エリント)任務を遂行する為に近代化されたイリューシンIl-38N対潜航空機を受領し、勤務に就く。
北方艦隊報道部スポークスマンのワジム・セルガ大佐は月曜日に語った。

「近代化されたIl-38Nは、北方艦隊の航空基地で勤務に就く為に受領されました」
彼は言った。
「これは、広範囲にわたる戦闘機能を有しております。
これらの航空機は、科学的海洋調査、水中及び空中偵察を行う為、北氷海の磁場および重力フィールドのマッピングに使用できます」
彼は付け加えた。

彼は、この航空機が北方艦隊に配備される同タイプの最初の機体であるかどうかについては説明しなかった。

情報提供者がロシア通信社ノーボスチに伝えた所によると、艦隊のIl-38Sの大部分は、新たな規格に近代化される。

Il-38Nは、半径320キロ以内で目標を探知し、水中、海上、空中目標をレーダー観測できる「ノヴェッラ」センサーシステムが装備されている。

「ノヴェッラ」システムには、2人のオペレーターを乗せたデジタルコンピュータが含まれる。
システムは更に、新たな高解像度熱画像システム、磁気変化探知システム、光学探知システム(レーザー、TV、熱線チャンネルを含む)、重力変化探知機、その他の機器を有している。
(2012年3月5日12時25分配信)



12-0305a


『イリューシン名称記念航空機試作設計局』公式サイトより。
【Il-38N低翼機】

Nは「ノヴェッラ」Новелла(短編小説、新規追加条項)の略です。

『WAFARE.RU』より。
【Il-38基地対潜航空機】

対潜哨戒機イリューシンIl-38は、太平洋艦隊に7機(カムチャツカに4機、沿海地方に3機)、
北方艦隊に8機が配備されているとの事です。

これらのIl-38がIl-38N仕様に近代化されるようです。