ボレイ級戦略原潜1番艦ユーリー・ドルゴルーキーは2012年に北方艦隊へ配備される

『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍西方軍管区(北方艦隊)公式発表
【「ユーリー・ドルゴルーキー」は2012年に北方艦隊の潜水艦部隊の編制に加入する】
2012年3月19日11時51分配信
戦略用途水中ロケット巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、セヴェロドヴィンスクの防衛産業複合企業で試験の最終段階にある。
「私達は、戦略用途水中ロケット巡洋艦ユーリー・ドルゴルーキーの今年中の到着を期待します」
北方艦隊潜水艦部隊司令官イーゴリ・ムハメツィン海軍少将は話した。
「ボレイ」プロジェクトは、最新の画期的な技術が使われている。
乗組員は既に準備を終えている-彼らは海軍の訓練センターで適切な訓練を受けた。
2012年、北方艦隊の潜水艦部隊は、充実した活動が期待される。
これに関連して戦闘訓練と遠距離航海の量は増大し、それは恒久的に強化される。
2011年、北方艦隊の原子力潜水艦乗組員は、8度の弾道ミサイル発射を成功させた。
それは、海洋配置大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の4度の国家飛翔開発試験も含まれる。
その一つの試射では、1度に2発の海洋配置大陸間弾道ミサイルの同時発射が、原子力水中ロケット巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」により実施された。
艦隊は復活し、艦は近代化される。
セヴェロドヴィンスク防衛造船所「艦船修理センター"ズヴェズドーチカ"」で修理と近代化を終えた原子力水中ロケット巡洋艦「ボロネジ」は、常駐地に到着した。
多くの潜水艦乗組員は、国家表彰および当局からの表彰を受けている。
以前の祖国防衛者の日に、北方艦隊の原子力潜水艦艦長アレクセイ・ディミトロフ1等海佐(カピタン・1ランガ)は、ロシア連邦英雄勲章を授与された。
北方艦隊には30名のロシア連邦英雄が存在し、14名の高位の潜水艦士官が表彰を受けている。
というわけで、ついに、ロシア北方艦隊(西方軍管区)の公式発表でボレイ級戦略原潜1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」の北方艦隊配備が明らかにされました。
「ユーリー・ドルゴルーキー」に関しては、今年1月、火災事故を起こして長期間戦列を離れる原潜「エカテリンブルク」の代わりに北方艦隊へ配備されるという非公式の情報が流されました。
[新世代戦略原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」は、事実上ロシア海洋核戦力の一翼を担っている]
そして今回、それは事実である事が、北方艦隊(西方軍管区)当局から明らかにされました。
なお、最新情報によると、「ユーリー・ドルゴルーキー」は今年6~7月にロシア海軍へ引き渡されます。
[新型戦略原潜ボレイ級1、2番艦は2012年6~7月と同年12月に就役する]
これまで日本では、「ユーリー・ドルゴルーキー」が就役後、すぐに極東すなわち太平洋艦隊に配備されるという情報が再三に渡り流布されてきましたが、太平洋艦隊にボレイ級(「ユーリー・ドルゴルーキー」)を配備しようにも、今の時点ではカムチャツカ半島の原潜基地のインフラが整っておらず、受け入れ準備は出来ていません。
[カムチャツカ半島の基地設備はボレイ級戦略原潜に適していない]
[ボレイ級戦略原潜の為、カムチャツカ半島に新たな設備が建設される]
上記の公式発表でも触れられていますが、「ユーリー・ドルゴルーキー」は、2011年に4回の弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を成功させました。
[新型潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」]
2011年8月27日には、最大射程(9300㎞)での発射試験に成功しました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]
2011年12月23日には、2発のミサイル一斉発射試験を成功させました。
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]
上記公式発表において「ユーリー・ドルゴルーキー」の北方艦隊配備について述べている北方艦隊原子力潜水艦部隊司令官イーゴリ・ムハメツィン少将については、このページに経歴が記されています。
(ただし、2010年3月9日の時点での情報ですが・・・)
【イーゴリ・チメルブラトヴィッチ・ムハメツィン】
1963年8月15日、バシコルトスタン共和国のネフチェカムスク市に生まれました(現在48歳)。
1986年に太平洋海軍高等学校を卒業しました。
専攻は水中音響学です。
卒業後は潜水艦乗りとしての道を歩み、2001年に海軍大学校、2006年に参謀本部アカデミーを卒業し、2009年3月に太平洋艦隊の第16潜水艦戦隊司令官に就任しました。
その後、北方艦隊の原子力潜水艦部隊司令官に任命されたようです。
もう一人、名前が出ているアレクセイ・ディミトロフは、プロジェクト971多用途原潜(アクラ級)「チグル」艦長です。