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ロシアは、2012年にフリゲート2隻と空母1隻をインドへ納入する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【ロシアは、2012年のフリゲート2隻と航空母艦のインドへの納入を保証する】
ニューデリー、3月30日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアは、2012年に2隻のプロジェクト11356戦闘艦をインドの顧客へ引き渡す事を確証する。
ニューデリーで開催されている兵器展示会「Defexpo India 2012」統合造船業営団総取締役ローマン・トロチェンコは記者団に語った。

ロシアは、既に2011年には同プロジェクト3隻のうちの最初の艦をインド側へ引き渡していなければならなかったが、この時期は絶えず延期された。

「2012年に私共は、インドへ2隻のプロジェクト11356を納入いたします。
12月には、航空母艦ヴィクラマーディティヤ(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)を納入します」

トロチェンコは述べた。

加えて彼が述べたように、今年、ロシアは、インドプロジェクト877ディーゼル電気推進潜水艦を近代化する。
「私共には、合計してインドとの10以上の軍事技術協力プログラムがあります」
統合造船業営団総取締役は想起した。
(2012年3月30日10時39分配信)


現在、ロシアは、インド向けのプロジェクト11356フリゲート第2バッチ3隻を、カリーニングラードヤンターリ造船所で建造中です。

F45「テグ」:2007年7月28日起工/2009年11月27日進水/2012年就役予定
F46「タルカシュ」:2007年11月27日起工/2010年6月23日進水/2012年就役予定
F50「トリカンド」:2008年6月12日起工/2011年5月25日進水/2013年就役予定

F45「テグ」は4月27日にインドへ引き渡される予定です。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より。
【フリゲート「テグ」は4月27日にインド海軍へ引き渡される】
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セヴェロドヴィンスクセヴマシュ造船所で改装中の空母「ヴィクラマーディティヤ」に関しては、これまでにも繰り返し今年12月のインド海軍への引き渡しが、様々な立場の人々から表明されています。

[空母ヴィクラマーディティヤは予定通りに納入される]
[インド空母「ヴィクラマーディティヤ」は2012年12月に納入される]
[空母「ヴィクラマーディティヤ」は2012年末までにインドへ引き渡される]
[空母ヴィクラマーディティヤは2012年12月4日にインド海軍へ引き渡される]
[ロシアは空母ヴィクラマーディティヤを12月に納入する]
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駆逐艦ナストーイチヴイ就役19周年

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍西方軍管区・バルト艦隊発表
2012年3月28日18時14分配信
【バルト艦隊旗艦は海軍旗掲揚19周年記念を迎えた】

アンドレイ・ナボク1等海佐(カピタン・1ランガ)が指揮するバルト艦隊駆逐艦「ナストーイチヴイ」は、海軍旗掲揚19周年記念日を迎えた。

艦の記念日を祝う式典において、同艦の構成員は聖アンドレイ旗と万国旗を掲揚した。
艦長により、功績の有った将兵が紹介された。
駆逐艦「ナストーイチヴイ」は1993年に海軍の戦闘編制へ加入し、数ヶ月後、ロシア海軍の歴史で初めてキール運河を通過した艦となった。

駆逐艦「ナストーイチヴイ」は、何度も海軍の射撃・戦術訓練競技で表彰された。
1996年と1997年には、ロシア海軍最優秀水上艦と認められた。

1996年7月、艦は国際海軍演習「バルトップス-96」に参加した。
1997年4月の遠距離航海で、艦は20000海里を航行した。

駆逐艦は、ロシア海軍を代表して南アフリカ共和国海軍創設75周年を祝う為にケープタウンシモンズタウンへ行った。

バルト艦隊の戦闘編制に在る間、駆逐艦は7万海里以上を航行し、約2年間は海上に居た。

現在、艦の機器準備の回復作業は終わり、 「ナストーイチヴイ」は戦闘訓練任務を遂行する為、海へと去る。


プロジェクト956駆逐艦(「ソブレメンヌイ」型)「ナストーイチヴイ」は1993年3月27日に就役しました。
[ソブレメンヌイ級16番艦ナストーイチヴイ]

同艦は昨年からカリーニングラードヤンターリ造船所でオーバーホールを受けていましたが、最近終了したようです。

原潜チャクラ(ネルパ)は4月4日にインド海軍へ就役する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【潜水艦「ネルパ」は4月4日にインド海軍の戦闘編制へ加入する】
ニューデリー、3月30日-ロシア通信社ノーボスチ

インド海軍への原子力潜水艦「ネルパ」(チャクラ)加入の公式式典は4月4日に開催される。
金曜日、インド国防省の情報提供者はロシア通信社ノーボスチに伝えた。

2012年1月、ロシアは公式にインド原子力潜水艦「ネルパ」を引き渡した。
契約によると、原子力潜水艦「ネルパ」インド海軍へ10年間リースされる。
契約費用は9億ドル以上である。

「ロシアからリースされる潜水艦ネルパ(インド海軍名チャクラ)のインド海軍の編制への加入の公式式典は、ヴィシャーカパトナム港で4月4日に開催されます」
ニューデリーで開催されている兵器展示会「Defexpo India 2012」会場で情報提供者は非公式に伝えた。

「ネルパ」は第3世代潜水艦に属し、1991年にコムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で起工した。
1990年代半ば、潜水艦の建造は凍結され、インドからの資金供給により建造を完了する事が出来た。
排水量12770/8140トン、最大速力30ノット、最大潜航深度600メートル、自立活動期間100日、乗組員73名、
武装は4門の533mm魚雷発射管と4門の650mm魚雷発射管である。
(2012年3月30日10時37分配信)


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原子力潜水艦「ネルパ」改め「チャクラ」は、ロシアの多用途原子力潜水艦プロジェクト971(アクラ級)の最終艦です。
[プロジェクト971多用途原潜(アクラ級)近況]

2012年1月23日、ロシア沿海地方インドへ引き渡されました。
[原子力潜水艦「ネルパ」改め「チャクラ」はインド海軍に引き渡された]

「ネルパ」改め「チャクラ」は、2月末に出港しました。
[原潜「チャクラ」(ネルパ)は既に出港している]

インド到着は3月末の予定です。
[原子力潜水艦「ネルパ」改め「チャクラ」は3月末にインドへ到着する]

「Defexpo India 2012」は、インドニューデリーにおいて4月29日から4月1日まで開催されます。
【「Defexpo India 2012」公式サイト】
ロシアからはT90S戦車の近代化型などが出展されます。

ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」は4月22日から29日に実施される

既に何度も報じられていますが、4月下旬にロシア海軍中国海軍の合同演習が黄海で実施されます。
[ロシア・中国海軍合同演習は4月に黄海で実施される]
[ロシア-中国海軍合同演習・続報]
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この件に関するロシア連邦国防省の公式発表。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦国防省報道サービス・情報管理部公式発表
2012年3月29日18時19分配信
【ロシア及び中国の海軍将兵は合同海軍演習を黄海エリアで実施する】

4月22日から29日までの期間、黄海エリアにおいてロシア-中国合同海軍演習「海洋協同-2012」が実施される。
主な任務は、合意された2国間の海軍行動である海洋航路での安全保障を仕上げる事にある。

演習は2段階で構成される。最初の段階では、司令部及び艦艇部隊の基礎的な訓練が行なわれる。
その後、実地行動が黄海エリアで実施される。

演習には、ロシア及び中国から計20隻以上の異なるクラスの戦闘艦艇および支援船と、航空機が参加する。

演習部隊の形式および構成は、最後の第3段階協議により承認される。これは近い内に行なわれる予定である。


以前の情報によると、ロシア海軍からは10隻以上の艦艇が合同演習に参加するとの事ですが、今回の公式発表によれば、中国海軍からも同程度の隻数が参加するようです。

ロシア側からは、太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」を筆頭に10隻以上の戦闘艦艇及び支援船が参加します。

「ワリャーグ」以外の参加艦艇は明らかにされていませんが、大型対潜艦ウダロイ型も参加するでしょう。

大平洋艦隊には4隻のウダロイ型が在籍しており、全て稼働状態に在りますが、うち1隻(アドミラル・トリブツ)はアデン湾での海賊対処任務を終えて帰還する途中です。
[ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊はアデン湾における任務を完了する]

「アドミラル・パンテレーエフ」は、ウラジオストク艦船修理工場「ダーリザヴォード」で整備中です。

ウラジオストク(金角湾)の大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(2012年3月12日)
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北方艦隊海軍歩兵は大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフと共にアデン湾へ行く

アデン湾(ソマリア沖)で海賊対処任務に就いていたロシア太平洋艦隊第7次海賊対処部隊は、任務を終えて帰路に就きました。
[ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊はアデン湾における任務を完了する]

次にアデン湾へ派遣されるのは、北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」を中核とする部隊になります。
[北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフはアデン湾へ行く]


『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
2012年3月29日17時20分配信
【北方艦隊海軍歩兵は大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」の遠距離航海に参加する】

今度、アデン湾への遠距離航海を行なう大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」に乗り込む北方艦隊海軍歩兵部隊は、ロシア及び外国船舶の安全保障と支援、更には海賊容疑者の船舶及び高速艇を臨検する任務を帯びている。

遠距離航海の為の訓練において、海軍歩兵は高射ミサイル複合体「イグラ」を艦上から発射した。
発射は、北方艦隊バレンツ海射爆場において空中模擬目標を使用して行なわれた。
結果は「良好」であった。

2011年、北方艦隊海軍歩兵は、アンドレイ・クリメンコ1等海佐が艦長を務める大型対潜艦「セヴェロモルスク」の遠距離航海に参加し、紅海上のイエメンフダイダ港の南西45海里で攻撃を受けたタンカー「ユナイテッド・エンブレム」の海賊による乗っ取りを阻止した。

救助信号が発せられ、ロシア艦は、そのポイントへ急行した。ロシア大型対潜艦からはヘリコプターが飛び立った。
ヘリコプターは上空を飛行し、タンカーの乗員は海賊攻撃を受けた場合の指示に従い、機関室へ退避した。
ヘリコプターが船の上空から大型対潜艦「セヴェロモルスク」に戻った後、海軍歩兵グループは、乗っ取られたギリシャのタンカーに乗り込んだ。
この間に、ロシア海軍歩兵との戦闘を避ける為、海賊は船を去った。


2011年、大型対潜艦「セヴェロモルスク」(北方艦隊)、給油船「エリニヤ」(バルト艦隊)、海洋曳航船MB-304(黒海艦隊)で構成される3艦隊連合部隊は、アデン湾において海賊対処任務に従事しました。

[ロシア海軍総司令部は2011年のソマリア海賊対処活動を総括した]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より。
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」の航海-2011年5月8日から10月24日まで】

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」はアデン湾で11の船団を先導し、基地へ戻ってきた】

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戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーは、今年に2度のブラヴァー発射を実施する

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」は、今年に何度かの「ブラヴァー」発射を実施する】
モスクワ、3月29日-ロシア通信社ノーボスチ

「ボレイ」級の2番艦である戦略原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」(プロジェクト955)は、2012年に何度かの海洋弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を実施する。
木曜日、統合造船業営団の高位の代理人は、ロシア通信社ノーボスチに伝えた。

同プロジェクトの最初の原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」「ブラヴァー」は、今年10月に同時に正式採用される。

「2012年、2度のブラヴァー発射がアレクサンドル・ネフスキーから行なわれる計画です。
発射時期は10-11月になるでしょう」

代理人は述べた。

彼は、その時までに、同艦が全ての海洋試験を完了すると指摘した。
「原子力潜水艦アレクサンドル・ネフスキーの正式採用は2013年初頭に予定されています」
統合造船業営団の代理人は述べた。


海洋配置大陸間弾道ミサイルR-30 3M30「ブラヴァー-30」(国際条約呼称RSM-56、NATO分類SS-NX-30)は、潜水艦に配備されるロシアで最新の3段固体ロケットである。
ミサイルは、飛翔高度と進路を変更できる6~10個の極超音速機動個別誘導操縦核ブロック(100~150キロトン)を搭載できる。(核ブロックは)低高度飛行特性を有する。
モスクワ熱工学研究所によって開発されたミサイルは、最大飛翔距離8000キロ、発射重量36.8トン、3段の管理システム、慣性誘導、弾頭重量(ペイロード)1,150kg、発射コンテナの長さは12.1m、弾頭なしで11.5メートルである。

ミサイル「ブラヴァー-30」搭載艦として、近代化された戦略ミサイル潜水艦プロジェクト941UM「アクラ」(NATO名「タイフーン」)「ドミトーリー・ドンスコイ」と、プロジェクト955「ボレイ」原子力潜水艦~「ユーリー・ドルゴルーキー」「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」および他の同型艦~が計画された。
2020年までに、この型(ボレイ級)の原子力潜水艦を合計8隻建造する計画である。
(2012年3月29日16時29分配信)

戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは今年10月までブラヴァーを発射しない

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【「ユーリー・ドルゴルーキー」は10月まで「ブラヴァー」発射を実施しない】
モスクワ、3月29日-ロシア通信社ノーボスチ

戦略原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」(プロジェクト955「ボレイ」級)からの海洋弾道ミサイル「ブラヴァー」発射は、2012年10月まで予定されていない。
木曜日、統合造船業営団の高位の代理人は、ロシア通信社ノーボスチに伝えた。

「ブラヴァー」原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、今年10月に同時に正式採用される。

「ユーリー・ドルゴルーキーからの追加発射は、今年10月まで計画されていません」
代理人は述べた。

彼によると、同艦は現在、集合体および機器の最終調整作業を行なっている。
「潜水艦は、昨年中に一連のブラヴァー発射試験を実施しましたが、現在、それにより生じた全ての問題点を解決する必要があります。
結局の所、私共は、新たな艦を海軍へ納める為、潜水艦の内部を塗装する必要があります」

統合造船業営団のは述べた。

海洋配置大陸間弾道ミサイルR-30 3M30「ブラヴァー-30」(国際条約呼称RSM-56、NATO分類SS-NX-30)は、潜水艦に配備されるロシアで最新の3段固体ロケットである。

ミサイルは、飛翔高度と進路を変更できる6~10個の極超音速機動個別誘導操縦核ブロック(100~150キロトン)を搭載できる。(核ブロックは)低高度飛行特性を有する。
モスクワ熱工学研究所によって開発されたミサイルは、最大飛翔距離8000キロ、発射重量36.8トン、3段の管理システム、慣性誘導、弾頭重量(ペイロード)1,150kg、発射コンテナの長さは12.1m、弾頭なしで11.5メートルである。

ミサイル「ブラヴァー-30」搭載艦として、近代化された戦略ミサイル潜水艦プロジェクト941UM「アクラ」(NATO名「タイフーン」)「ドミトーリー・ドンスコイ」と、プロジェクト955「ボレイ」原子力潜水艦~「ユーリー・ドルゴルーキー」「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」および他の同型艦~が計画された。
2020年までに、この型(ボレイ級)の原子力潜水艦を合計8隻建造する計画である。

戦略用途水中ロケット巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」(プロジェクト955「ボレイ」)は、海洋工学中央設計局「ルビーン」(サンクトペテルブルク)が設計した第4世代水中ロケット艦シリーズの1番目である。
1996年11月2日に「セヴマシュプレドプリャーチェ」で起工され、同時に「ユーリー・ドルゴルーキー」と命名された。
全長170メートル、幅13.5メートル、総排水量2万4千トンの巡洋艦の武装は、モスクワ熱技術研究所が開発した16基の「ブラヴァー-30」ミサイルである。

ロシア海軍司令部の計画によると、プロジェクト955戦略潜水艦は、現在、戦闘勤務に在る潜水艦プロジェクト941(「アクラ」、NATO分類「タイフーン」)、プロジェクト667BDR(カリマール、NATO分類デルタIII)プロジェクト667BDRM(デルフィン、NATO分類デルタIV)が艦隊の戦闘編制から除かれる2018年以降、ロシアの海洋戦略核戦力の中核とならなければならない。
(2012年3月29日16時29分配信)

ロシア黒海艦隊副司令官は交代した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【ロシア黒海艦隊の艦隊司令官代理は交代した】
モスクワ、3月28日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア黒海艦隊司令官アレクサンドル・フェドテンコフ海軍少将は、艦隊司令部の構成員に新たな司令官代理アレクサンドル・ノサトフ少将を紹介した。
水曜日、黒海艦隊情報供給課長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐は記者団に伝えた。

ノサトフは、2011年に自ら望んで軍務からの退役を申告したセルゲイ・メニャイロ中将と交代する。

「ロシア大統領令により黒海艦隊司令官代理に任命されたアレクサンドル・ノサトフ少将は、黒海艦隊司令官アレクサンドル・フェドテンコフ少将により、各部隊及び部門の指揮官、艦隊司令部の士官、艦隊勤務員に紹介されました」
トルハチェフは述べた。

ノサトフは、新たな配置に任命される前、バルチースク海軍基地司令官を務めていた。

アレクサンドル・ノサトフセヴァストーポリで1963年3月27日に生まれた。
1985年、彼はナヒーモフ記念黒海高等海軍学校を卒業した。

士官としての勤務は太平洋艦隊駆逐艦「ストイーキー」の高射ミサイル大隊指揮官で始まり、その後、駆逐艦「ベズボヤズネンヌイ」ロケット砲戦闘班指揮官、師団旗艦のロケット艦のミサイル兵器専攻、太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」艦長補佐官および駆逐艦「ブイストルイ」艦長を務めた。

2000年、彼はクズネツォフ記念海軍大学校を卒業した。
2009年に参謀本部軍事アカデミーを卒業後、バルチースク海軍基地司令官に任命された。
2012年1月27日の大統領令により、黒海艦隊司令官代理に任命された。
(2012年3月28日16時00分配信)


2011年末に退役した前黒海艦隊司令官代理セルゲイ・メニャイロ中将は、2009年7月に黒海艦隊司令官代理に任命されました。
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[メニャイロ中将は黒海艦隊副司令官に就任する]
[セルゲイ・メニャイロ]

メニャイロ中将は、2008年8月の南オセチア紛争においてアブハジア方面のロシア海軍部隊を統括指揮していました。
[アブハジア沖の海上戦闘(2008年8月9~10日)とセルゲイ・メニャイロ中将]
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メニャイロ提督は北オセチア共和国出身ですが、彼の故郷では、彼を北オセチア共和国大統領に押す人々が少なからず居るようで、それに応えて政界進出すべく、昨年に海軍を辞めたようです。
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ロシア-中国海軍合同演習・続報

2012年4月下旬、ロシア海軍中国海軍黄海で合同演習を行ないます。
[ロシア・中国海軍合同演習は4月に黄海で実施される]

その続報。


『中央海軍ポータル』(フロートコム)より。
【メディア:ロシアと中国は合同海軍演習を実施する】
2012年3月28日

ロシアと中国は、4月下旬に合同海軍演習を実施する。
中華人民共和国の新聞『人民日報』は、ロシア海軍総参謀長代理レオニード・スハーノフ少将の発言を引用して報じた。

「この演習の主な目的の一つは、両国の排他的経済水域(EEZ)の保護である」
『インタファクス』は報じた。

同紙によると、ロシア海軍太平洋艦隊は、今回の演習で親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」に率いられる10隻以上の戦闘艦艇を参加の為に派遣する。
合同演習はウラジオストクで開始され、最終目的地は中国海軍基地チンタオ(青島)になる。
演習の主要舞台は黄海になる。

「合同海軍演習は、両国首脳の戦略的パートナーシップ原則の枠内で行なわれます。
兵器システムの試験と支援、保護のみならず、両国海軍司令部の戦闘管理もチェックされます。
両国の軍人は手順に従い、最新の海洋戦争における水上及び水中の戦術技量を仕上げ、戦闘システムと自動管理戦闘システムの互換性を点検します」

『人民日報』は、レオニード・スハーノフの発言を総括した。

海軍少将によると「両国軍は、排他的経済水域における武力紛争防止に関する訓練を実施します」

中国・ロシア間で初の合同海軍演習は、2005年8月25日に実施された。
両国からは、それぞれ1機の艦載ヘリコプターと3隻の駆逐艦が参加した。
演習条件は「哨戒海域に近づいて来る敵艦艇を対潜魚雷と反応爆弾で攻撃」であった。


というわけで、4月下旬に実施されるロシア-中国海軍合同演習には、ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」を筆頭とする10隻程度の艦艇がロシア連邦海軍側から参加するとの事です。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(2012年3月12日)
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更に、今回のロシア-中国海軍合同演習ロシア沿海地方(プリモルスキー・クライ)ウラジオストク沖でスタートするとの事ですから、まず最初に、合同演習に参加する中華人民共和国人民解放軍海軍艦艇はウラジオストク沖まで行かなければなりません。
当然、その為にはツシマ海峡を通過する必要があります。

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そして、その後に、合同演習に参加するロシア及び中国海軍艦艇ツシマ海峡を通過し、中華人民共和国青島(山東省)まで行く事になります。

ロシアはインドに対し最新AIP装備の潜水艦アムール-1650を建造する用意がある

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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【ロシア連邦は、インドに対し潜水艦及び最新の動力装置を製造する用意がある】
ニューデリー、3月27日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアが開発した非大気依存動力装置(VNEU)は、輸出用潜水艦「アムール-1650」型のみならず、ロシアとインドが共同建造する潜水艦にも設置できる。
展覧会「ディフェンス・エクスポ・インディア-2012」ロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社)代表団の団長ヴィクトル・コマルディンは、ロシア通信社ノーボスチのインタビューに対し、こう述べた。

展覧会「ディフェンス・エクスポ・インディア-2012」は、3月29日から4月1日までニューデリーで開催される。

潜水艦「アムール-1650」非大気依存動力装置は、潜水艦「スコルペネ」(フランス)、214型(ドイツ)、S-80(スペイン)と共に、自国海軍の為に6隻の潜水艦を118億ドルで購入するインドの入札75Iに参加する。
競争入札は2011年9月に発表された。

「ロシアは現在、根本的に新しい非大気依存動力装置の試験を完了しております。
これは、アムール-1650のみならず、(ロシア・インド)共同開発潜水艦にも設置できます。
インド側の重要な仕様に対する批評では、その見通しは良好です」

コマルディンは述べた。

彼は、「ロソボロネクスポルト」インドへ最新潜水艦「アムール-1650」を提案しており、その同型艦は2010年にロシア海軍の編制へ加入した事を想起した。
それは、対艦ミサイル及び汎用魚雷を含むバランスの取れた複合武装を有する。

「アムール-1650」は、地上目標に対する有翼ミサイルの一斉射撃を実施できる。
「インドが取得を望むミサイルは、ロシアだけが設置できます」
コマルディンは述べた。

ロシアの潜水艦プロジェクト677E「アムール-1650」は、その特異な技術特性により、この競争入札に勝利する良い機会がある。
非大気依存動力装置による水中滞在期間は25日以上になり、更に、水中目標探知距離は増大している。
現在、ロシア以外の国の同類の潜水艦の水中滞在期間は15-20日である。

ロシアのプロジェクト「アムール-1650」に相当するのは、非核動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」である。
2010年、同プロジェクトの1番艦である潜水艦「サンクトペテルブルク」は、ロシア連邦海軍の編制へ加入した。

以前、ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、非大気依存動力装置を装備する最初のロシア非核動力潜水艦は、プロジェクト677をベースにして2014年に建造できるとロシア通信社ノーボスチに伝えた。
現在、「アドミラルティ造船所」では、非大気依存動力装置を設置する同プロジェクト潜水艦2隻を建造している。
非大気依存動力装置の早いテンポの開発は、中央設計局「ルビーン」の専門技術者により行なわれた。
(2012年3月27日09時32分配信)


記事中に出てくる「根本的に新しい非大気依存動力装置」のプロトタイプは、昨年12月までに試験を完了しています。
[ロシアは新たなAIP機関の試験を終えた]


ロシア海軍総司令官ヴィソツキー提督は、この「根本的に新しい非大気依存動力装置」を装備する潜水艦を2014年に建造できると発言しています。
[ロシア海軍は新たな非大気依存動力潜水艦を建造する]
[ロシア海軍はラーダ級を放棄しない]

現在、「ラーダ」級は1番艦B-585「サンクトペテルブルク」が就役しており、これに続き2番艦B-586「クロンシュタット」、3番艦B-587「セヴァストーポリ」(改名される可能性あり)が建造中ですが、この2隻に「根本的に新しい非大気依存動力装置」を装備して完成させるという事でしょう。

これとは別の輸出用潜水艦「アムール-1650」(プロジェクト677E)ですが、実は、既に船体の一部がアドミラルティ造船所で製造されています。

「アムール-1650」船体(2011年11月3日)
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この船体は、元々は1番艦「サンクトペテルブルク」と同時(1997年12月26日)に製造が開始されましたが、製造途中で作業はストップし、今に至っております。

黒海艦隊の巡洋艦モスクワは修理を終えた

『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍南方軍管区(黒海艦隊)公式発表
2012年3月2日717時06分配信
【黒海艦隊旗艦の親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」はドックでの修理を完了する】

親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」乗組員は、セヴァストーポリの艦隊艦船修理企業の基地ドックでの作業完了後、通常任務遂行を開始する。

1月及び2月には、この地域では珍しく霜と強風があり、作業過程を複雑にしたにも関わらず、ドックに設置されている間に、艦底の船外機器、対火災システムの修理、推進軸およびスクリュー、投錨装置、艦の船体の必要な作業が実施された。

現在、巡洋艦は弾薬の積載を実施しており、その後、燃料を補給してから乗組員は訓練に取り掛かり、納入試験任務の為に海上へ出る。


プロジェクト1164ロケット巡洋艦(スラヴァ型)1番艦「モスクワ」は、2012年1月下旬からセヴァストーポリ浮きドックPD-30で修理を受けていました。

浮きドックへ向かう「モスクワ」(2012年1月17日)
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浮きドックPD-30は1979年9月21日に就役しました。
就役後、黒海艦隊基地セヴァストーポリに配置されました。

<浮きドックPD-30>
満載排水量:53645トン
全長:250m
幅:50m
吃水:5.2m
最大積載重量(入渠できる艦艇の合計トン数):29300トン

<浮きドックPD-30>(画面上側)
この画像では、黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」(カシン級)が入渠しています。
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北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフはアデン湾へ行く

アデン湾(ソマリア沖)海賊対処任務に就いていたロシア太平洋艦隊第7次海賊対処部隊は、任務を終えて帰路に就きました。
[ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊はアデン湾における任務を完了する]

そして、同隊に代わりアデン湾へ派遣されるのは、北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」を中核とする部隊になります。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【北方艦隊の戦闘艦はアデン湾で大平洋艦隊と交代する】
モスクワ、3月27日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」は支援船を伴い、世界の大洋エリア中のアデン湾で海賊と戦う国際任務を果たした太平洋艦隊艦艇支隊と交代する。
火曜日、西方軍管区北方艦隊の情報供給課報道サービス長ワジム・セルガ1等海佐は記者団に伝えた。

「今回の遠距離航海において、大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフ乗組員は、初めて海賊対処活動およびアデン湾とアフリカの角における民間船の航行の安全を保障する任務を遂行します」
セルガは述べた。

以前、世界の大洋の同海域において、北方艦隊の艦艇~重原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」大型対潜艦「セヴェロモルスク」「アドミラル・チャバネンコ」「アドミラル・レフチェンコ」は、商船団の先導を成功裏に実施した。

北方艦隊将兵は、合計で30以上の国際船団を先導し、100隻以上のロシアおよび外国船を護衛し、紅海及びインド洋海域で海賊に襲撃された貨物船「オーシャン·ダイヤモンド」およびタンカー「ユナイテッドエンブレム」の乗っ取りを防いだ。

火曜日、大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」は、バレンツ海北方艦隊の射爆場で戦闘訓練を実施した。
同艦の乗組員は、基地における一連の訓練を完了し、世界の大洋海域の遠隔地への今後の長期航海の為の準備を仕上げた。

艦の各構成員は、ミサイル及び砲射撃の複合訓練を実施し、高射ミサイルによる艦への航空攻撃への対処戦闘訓練、艦を持続させる為の戦闘訓練、司令部要員による部下管理の技量確保、艦載ヘリコプターと艦との連携行動を行なった。

その一方、太平洋艦隊の第7艦艇支隊は、アデン湾で海賊と戦う国際任務への参加を完了し、ウラジオストクへ向かった。
太平洋艦隊公式代理人ローマン・マルトフ1等海佐は、ロシア通信社ノーボスチに伝えた。

ロシア海軍将兵の海賊対処当直は3ヶ月に渡り、様々な国の商船から成る5つの護送船団の航行の安全を保障した。

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」給油船「ペチェンガ」海洋救助曳航船MB-37で構成される第7艦艇支隊は、(2011年)12月10日にウラジオストクからインド洋へ向かった。
支隊の構成には、海軍歩兵部隊、2機の艦載ヘリコプターが含まれる。
支隊は(2012年)1月12日にアデン湾へ到着し、3日後に最初の多国籍商船キャラバンを編成し、バブ・エル・マンデブ海峡側へ向かう回廊の安全を保障する為に先導した。

マルトフは、アデン湾における国際海上作戦に参加した太平洋艦隊将兵は、合計で様々な国の約130の商船キャラバンを先導した事を想起した。
太平洋艦隊司令部は、商船の船長及び運航会社経営者から数十通の感謝の電報と手紙を受け取った。
(2012年3月27日12時42分配信)



大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」は1982年に就役しましたが、1991年以降は活動を停止し、クロンシュタットに係留されたまま放置状態でした。
[ウダロイ級2番艦ヴィツェ・アドミラル・クラコフ]
[大型対潜艦「クラコフ海軍中将」就役28周年]

しかし、2002年以降にサンクトペテルブルクで修理が開始され、2010年に現役復帰しました。
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2011年8月には攻撃ヘリコプターKa-52の発着試験を行ないました。
[攻撃ヘリKa-52、大型対潜艦「海軍中将クラコフ」で発着試験(2011年8月31日)]

「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、ロシア海軍で初めて契約軍人(志願兵)のみで構成されています。
[北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、契約軍人だけで構成される]

3月1日にはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なっています。
[北方艦隊の大型対潜艦はバレンツ海での戦闘訓練を終えた]

以前のロシア連邦国防省の公式発表によると、次にアデン湾へ派遣されるのは北方艦隊及び黒海艦隊の艦艇になるようです。
[ロシア戦闘艦はシリア沖で活動していない]

おそらくは、「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」黒海艦隊の支援船が随伴するのでしょう。

モスクワの児童は空母アドミラル・クズネツォフを訪れた

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3月26日、モスクワの小学生が北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」を見学しました。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
2012年3月26日18時03分配信
ロシア連邦軍西方軍管区(北方艦隊)公式発表
【モスクワの児童は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」を訪問した】

今日(3月26日)、モスクワの児童グループは、北方艦隊に到着した。
すぐに彼らは、ロシア海軍旗艦-重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」を訪問した。

同艦は北東大西洋及び地中海への遠距離航海任務を成功裏に完了し、児童たちは、遠距離航海に参加した水兵、下士官、士官と交流し、同艦とその歴史、勤務状況や海軍将兵の生活について知識を得た。

モスクワの児童の北方艦隊航空巡洋艦への訪問は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」幹部、ソ連邦英雄N.G.クズネツォフ記念財団N.G.クズネツォフ提督記念第1465教育管理センター(モスクワ)の3者協定による連携後援の下に行なわれた。

北方艦隊司令官代理アナトーリー・ミナコフ海軍少将によると、この合意は、民間教育分野における若い世代の協調と軍事愛国の為である。

今日、協定の署名から5年を迎えた。
以来、北方艦隊は毎年モスクワからゲストを迎え入れ、彼らは艦や艦隊博物館の見学旅行を実施する。

ムルマンスク地域に滞在する間に児童達は重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」のみならず、ノルウェー境界線近くに駐留する北方艦隊独立海軍歩兵連隊を訪れる。
そこで彼らは様々な種類の小型武器及び軍事機器について学び、召集兵の勤務情況と戦闘勤務を見学する。

数日間に渡るN.G.クズネツォフ記念第1465教育管理センター生徒のムルマンスク地域訪問では充実した文化プログラムが用意される。
生徒達は、北方艦隊訓練所のいずれか一つ、北方艦隊博物館の支所である潜水艦K-21海軍航空博物館郷土博物館、ムルマンスクおよび他の文化機関を訪れる。


重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」は、ロシア海軍北方艦隊旗艦です。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
【重航空巡洋艦プロジェクト11435「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」】


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2011年12月6日から2012年2月16日まで大西洋・地中海遠征を実施していました。
[空母アドミラル・クズネツォフ地中海遠征2011-2012]

現在は、ムルマンスク郊外の同艦専用停泊地に居ます。
(Google Earth「アドミラル・クズネツォフ」が写っている場所)


「アドミラル・クズネツォフ」は、2012年から5年掛けて近代化改装を行なうという情報が以前から何度も出ています。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]

しかし、仮にセヴェロドヴィンスクで近代化を実施するとしても、同市が面する白海は現在結氷しており、艦艇の航行が出来ません。
白海の結氷が溶けるのは、例年5月末以降ですから、セヴェロドヴィンスクへ行くとしても6月以降になるでしょう。

なお、日本では、この「アドミラル・クズネツォフ」近代化改装について、かなり誇張された情報が流布されていますが、大元の情報では、同艦の近代化は「兵装及び電子機器の更新」となっております。
一部で言われているような「原子力機関への換装」など有り得ません。

ウリス湾(ウラジオストク)近影

ロシア太平洋艦隊の主要基地でもあるウラジオストクの南部ウリス湾
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ここには、太平洋艦隊潜水艦ミサイル艇補給艦などが駐留しています。


ウリス湾北部
キロ級潜水艦3隻、タランタル級ミサイル艇9隻などが停泊しています。
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潜水艦及びミサイル艇
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ウリス湾南端
左側の大型の船2隻は「ボリス・チリキン」型給油船です。
おそらくは、左側が「ウラジーミル・コレチツキー」、右側が「ボリス・ブートマ」でしょう。
「ボリス・ブートマ」は何度もアデン湾へ派遣されています。
「ボリス・チリキン」型給油船2隻の右側に居るのは病院船「イルティシュ」です。
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ウリス湾造船所
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ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊はアデン湾における任務を完了する

アデン湾(ソマリア沖)で海賊対処任務に就いていたロシア太平洋艦隊第7次海賊対処部隊は、任務を終えて帰路に就きました。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍東方軍管区(太平洋艦隊)公式発表
2012年3月26日10時02分配信
【大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は祖国の海岸へ進路を取る】

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」給油船「ペチェンガ」海洋曳航船MB-37で構成され、イリダル・アフメロフ1等海佐が指揮する太平洋艦隊艦艇支隊は、アフリカの角海域において船舶航行の安全を保障する任務を完了し、祖国の海岸へ進路を取る。

3か月以上に渡ったアデン湾での海賊対処当直において、ロシア支隊は、様々な国の商船から成る5つの護送船団の航行の安全を保障した。

現在、艦艇支隊はインド洋に居る。
故郷への道を進む太平洋艦隊将兵は、4月4日から7日までベトナム社会主義共和国ホーチミン港を業務訪問する。
そこでロシア海軍将兵は休養し、必要な物資を補充する。

これは、アデン湾において海賊対処当直に就いた太平洋艦隊の第7の支隊である事が想起される。
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、立派に2度目の任務を果たした。

艦艇支隊の乗組員は、戦闘勤務に就いている間に一連の港を訪問した。
ジブチでは、ロシア大統領選挙の早期投票に参加し、ヴィクトリア(セイシェル諸島共和国)では、海賊対処訓練が行なわれた。
ロシア海軍将兵は、セイシェルで毎年開催されているカーニバルに参加した。

この海域で当直を勤める太平洋艦隊将兵は、NATO司令部と会議を行ない、合同で海上補給訓練を行なった。

太平洋艦隊主要基地ウラジオストク港への支隊の到着は4月20日になるだろう。


[ロシア海軍のソマリア海賊対策]

今回の海賊対処部隊は2011年12月10日にウラジオストクを出港しました。
[「アドミラル・トリブツ」はソマリア沖へ向け出港した]

2012年1月15日からアデン湾で海賊対処任務に就きました。
[大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」部隊はアデン湾において海賊対処任務を開始した]

指揮官イリダル・アフメロフは、今回で3度目のアデン湾行きです。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、2度目のアデン湾行きです。
[ロシア海軍第4次ソマリア遠征]

全てのデルタIV級戦略原潜は寿命を35年に延長する

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『アルムス-タス』より。
【セヴェロドヴィンスク造船所は全てのプロジェクト667BDRM弾道ミサイル原子力潜水艦の就役期間を35年に延長する】
アルハンゲリスク、3月26日(アルムス-タス)

セヴェロドヴィンスク防衛造船所「艦船修理センター"ズヴェズドーチカ"」は、全ての弾道ミサイル原子力潜水艦プロジェクト667BDRM「デリフィン」の機器準備状態を回復させ、就役期間を元々の想定の25年から35年に延長する。
同プロジェクト潜水艦の1番艦「ヴェルホトゥリエ」の修理後の造船台からの出渠式典において工廠総取締役ウラジーミル・ニキーチンは説明した。

「巡洋艦ヴェルホトゥリエの修理は、2周目の工場修理サイクルの始まりであり、ズヴェズドーチカは、この作業を行う事により、現在の核抑止力の海洋部門の主力である戦略ロケット艦の長期就役期間を提供します」
彼は述べた。

今年6月、「ズヴェズドーチカ」は次のプロジェクト667BDRM原子力潜水艦-原子力ロケット艦「エカテリンブルグ」の機器準備の回復に取り掛かる。

同社がイタルタス通信に伝えた所によると、北方艦隊の水中ロケット艦K-51「ヴェルホトゥリエ」は、2010年12月に「ズヴェズドーチカ」の造船台へ入渠した。機器準備の回復及び就役期間を延長する計画修理の為に。

造船台に居る間に艦の船体、艦外部システム、動力システム、各種機器、蒸気発生装置、他の艦載システムの修理作業が行なわれた。
作戦即応性の回復完了は、海上の艤装岸壁で行なわれる。

「国家契約によれば、今年11月に原子力潜水艦は海軍へ引き渡されます」
報道サービスは説明した。

「ヴェルホトゥリエ」は、プロジェクト667BDRM弾道ミサイル原子力潜水艦「デリフィン」(NATO分類「デルタ-4」) の1番艦である。
1999年、原子力艦は第1シリーズの定期修理及び近代化を「ズヴェズドーチカ」で行なった。
巡洋艦の就役期間は10年間延長された。

「ヴェルホトゥリエ」に続き、造船企業は同プロジェクトの他の原子力艦~K-84「エカテリンブルク」(2003年)、K-114「トゥーラ」(2006年)、K-117「ブリャンスク」(2008年)、K-18「カレリア」(2010年)~の近代化を行なった。
今年、同プロジェクトの6隻目で最も若い艦「ノヴォモスコフスク」は海軍へ引き渡される。

原子力潜水艦「ヴェルホトゥリエ」は1984年に造船所セヴェロドヴィンスクの造船所「セヴマシュ」で建造された。
公開情報によると、この潜水艦は全長167メートル、幅12メートル、排水量約18000トンである。
最大潜航深度400メートル、最大水中速力24ノット、乗員140名。
16基の16基の大陸間弾道ミサイル「シネーワ」を装備する。
結果として、1984年から1990年までに、このタイプの巡洋艦7隻が建造された。
現在、海軍には、この型の潜水艦6隻が在る。
(2012年3月26日12時35分配信)


この記事によると、艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」は、全てのプロジェクト667BDRM戦略原潜の寿命を35年に延長するとの事です。

つまり、各艦の就役期限は以下のようになります。

K-51「ヴェルホトゥリエ」(1984年12月29日就役):2019年末
K-84「エカテリンブルク」(1985年12月30日就役):2020年末
K-114「トゥーラ」(1987年10月30日就役):2022年末
K-117「ブリャンスク」(1988年9月30日就役):2023年末
K-18「カレリア」(1989年10月10日就役):2024年末
K-407「ノヴォモスコフスク」(1990年11月27日就役):2025年末

現在、667BDRM戦略原潜は潜水艦発射弾道ミサイルR-29RMU2「シネーワ」を装備していますが、今後は改良型のR-29RMU2.1「ライネル」が装備されます。
[ロシア海軍のデルタIV及びデルタIII級原潜は「ライネル」を装備する]

ロシア海軍はギリシャの港を借用するかもしれない

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より。
【ロシア海軍は、シリアの政権が交代した場合、ギリシャへ落ちつくかもしれない-メディア】
2012年3月23日

ロシアは、シリアの指導者の許可を得て使用しているラタキア及びタルトゥース海軍基地を失う事を恐れ、シリア大統領バッシャール・アサドを擁護するだろう。
『フィナンシャル・タイムズ』の記事において、「ユーラシア·グループ」代表イアン・ブレマーは語った。

アサド政権が瓦解した場合、早急に長期的な供給源を必要とするロシアの視線は、例えばギリシャへ向けられるだろうと彼(イアン・ブレマー)は予測している。

「いつの日かモスクワとアテネは、ロシア連邦海軍へピレウス基地の使用権を提供する為、30~50年の賢明な契約を考慮するだろう」
筆者は述べた。
彼の見解によると、ギリシャは、この契約で計200億ドル程度の資金を得る事が出来る。

しかし、現在のギリシャ政府のエリート達は、北大西洋条約機構(NATO)同盟国の反対の為、契約を締結しないだろう。それは、資金を得る必要性と、ベルリンブリュッセルの言う事に耳を傾けない大衆の強力な圧力に晒される。

今、ヨーロッパ連合(EU)は、ギリシャに対する大きな影響力があり、ギリシャ自身はEU及びNATOとのメンバーシップに関心を有している。
しかし、考慮しないわけにはいかない。本当にアテネが他の選択肢を選ばないのか否かを。
ブレマーは警告した。

ロシアおよび中国の国営企業は、既に外国人投資家が同国に見切りをつけている間に、ギリシャの物件の安価な購入を試みている。
中国コスコCoscoは、ギリシャピレウス港を35年間に渡り管理する権利を取得している。
「ガスプロム」は、(ギリシャの)ガス公社DEPA及びガス配給会社Desfaの民営化に関心を持っていると噂される。
(『フィナンシャル・タイムズ』の)記事は記した。


現在、ロシア海軍シリアタルトゥース港に物資・技術供給所を置いています。
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しかし、2011年初頭からのシリア騒乱の推移次第では、タルトゥース港が使えなくなるという最悪の可能性も全く無いとは言い切れません。

そうなった場合の代替案として、ギリシャピレウスが選ばれると「ユーラシア·グループ」代表イアン・ブレマーは見ているようです。
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ロシア海軍ギリシャは、全くの無関係というわけでもありません。

今年(2012年)1月初頭、北方艦隊の重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」ギリシャ沖で演習を行なっています。
[境界線上のクズネツォフ]
[境界線上のクズネツォフ・その2]

「アドミラル・クズネツォフ」は、2009年1月初頭にもギリシャ付近で演習を行なっています。
[「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、ギリシャ沖で演習を実施する]
[「アドミラル・クズネツォフ」はエーゲ海で演習を実施する]
[「アドミラル・クズネツォフ」はエーゲ海で演習を実施する(その2)]

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建造中のロシア海軍新型偵察艦ユーリー・イワノフ

ロシア海軍には海洋での情報収集を任務とする「偵察艦」と呼ばれる艦が存在します。
(西側では「情報収集艦」と呼ばれている)
[ロシア黒海艦隊の偵察艦は地中海へ派遣される]

現用のロシア海軍偵察艦は、ソ連邦時代に建造されたものです。


そして現在、新型の偵察艦「ユーリー・イワノフ」の建造が進められています。

「ユーリー・イワノフ」は、2004年12月27日にサンクトペテルブルク市の「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工されました。

建造中の「ユーリー・イワノフ」(2012年3月12日)
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「ユーリー・イワノフ」は、2013年末に就役予定です。
就役後は、太平洋艦隊への配備が計画されています。

「ユーリー・イワノフ」完成予想図
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<プロジェクト18280大型偵察艦>
満載排水量:2500t(?)
全長:95m
幅:16m
吃水:4m
機関:5DRAディーゼル(2700馬力)×2基
兵装:AK-630M 30mmガトリング砲×1基
乗員:120名


現在、太平洋艦隊には4隻の偵察艦が在籍しています。

プロジェクト864中型偵察艦「カレリア」(1986年就役)、「クリルイ」(1987年就役)
プロジェクト1826大型偵察艦「プリバルチカ」(1987年就役)
プロジェクト10221水中情況解明艦「カムチャツカ」(1986年就役)

デルタIV級戦略原潜ヴェルホトゥリエは造船台を出た

今日(3月24日)、セヴェロドヴィンスク市の艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で修理中のプロジェクト667BDRM(デルタIV級)1番艦K-51「ヴェルホトゥリエ」は、以前の予定通りに造船台を出渠しました。

[デルタIV級戦略原潜「ヴェルホトゥリエ」は造船台を出る]
12-0324e


『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【原子力潜水艦「ヴェルホトゥリエ」は地上での修理段階を完了する】
セヴェロドヴィンスク、3月24日-ロシア通信社ノーボスチ

株式会社「統合造船業営団」の一員であるセヴェロヴィンスク艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は、戦略原子力潜水艦「ヴェルホトゥリエ」を修理後に造船台から出渠させた。
土曜日、ロシア通信社ノーボスチ特派員は伝えた。

戦略用途ロケット水中巡洋艦「ヴェルホトゥリエ」-プロジェクト667BDRMの1番艦-は、「セヴマシュ」で1981年2月に起工された。
1984年12月、ロケット艦は海軍旗を受領し、潜水艦は海軍の編制に加入した。

2010年8月に、ロケット艦はオーバーホール後にセヴェロドヴィンスクへ回航され、機器準備の回復及び寿命延長の作業が株式会社「艦船修理センター"ズヴェズドーチカ"」で実施された。

「この手の修理は、全ての機器を取り外し、試験する事を意味しません、修理は部分的なものであり、これにより、就役期間を延長します。
修理完了後、私達は潜水艦に3年半の寿命を与えます。
我々は、次の潜水艦では、(寿命を)5年間に延長する計画です」

艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」総取締役ウラジミール・ニキーチンは述べた。

彼によると、艦が造船台を出渠するまでに船体、艦外部システム、動力システム、各種機器、蒸気発生装置、他の艦載システムの修理作業が行なわれた。
最終的な作業完成は、海上の艤装岸壁で行なわれる。

「巡洋艦ヴェルホトゥリエの修理は、2周目の工場修理サイクルの始まりであり、ズヴェズドーチカは、この作業を行う事により、現在の核抑止力の海洋部門の主力である戦略ロケット艦の長寿命を提供します」
ニキーチンは述べた。

2012年6月、「ズヴェズドーチカ」は次のプロジェクト667BDRM原子力潜水艦-原子力ロケット艦「エカテリンブルグ」の機器準備の回復に取り掛かる。

プロジェクト667BDRM戦略用途ロケット水中巡洋艦- NATOの分類「デルタ-IV」は、ロシア海軍の核抑止力の基礎となっている。

その建造は、「セヴマシュ」で1981年に始まった。
結果として、1984年から1990年までに、海軍は、このタイプの巡洋艦7隻を得た。
現在、海軍には、この型の潜水艦6隻が在る。

艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」では、1999年から2012年までの間に全てのロケット艦を近代化した。

公開情報によると、潜水艦プロジェクト667BDRMは排水量約12000トン、全長167メートル、幅12メートルである。
最大潜航深度400メートル、最大水中速力24ノット、乗組員140人。
ロケット艦は、16基の大陸間弾道ミサイル「シネーワ」を装備する。
(2012年3月24日14時45分配信)


北方艦隊667BDRM戦略原潜6隻は、1990年代末以降より近代化改装を行ない、寿命を10年間延長しました。
K-51「ヴェルホトゥリエ」:1999年近代化完了
K-84「エカテリンブルク」:2003年近代化完了
K-114「トゥーラ」:2006年近代化完了
K-117「ブリャンスク」:2008年近代化完了
K-18「カレリア」:2010年近代化完了
K-407「ノヴォモスコフスク」:2012年近代化完了予定

最終艦「ノヴォモスコフスク」の近代化完了で一巡するので、また1番艦「ヴェルホトゥリエ」から2周目の修理(寿命延長)が行なわれます。
上の記事によると、「ヴェルホトゥリエ」は今回の修理により、艦の寿命を3年半延長しているとの事です。

そして今年6月からは、昨年末の火災で損傷した2番艦「エカテリンブルグ」の修理が開始されます。
同艦の場合は寿命を5年間延長するようです。
「エカテリンブルグ」の修理完了は2014年の予定です。


『ロシア通信社ノーボスチ』動画ニュース
2012年3月24日18時20分配信
【原子力潜水艦「ヴェルホトゥリエ」は修理を終え、軍楽隊の演奏で造船台を去った】

テレビ局『ズヴェズダー』動画ニュースより。
2012年3月24日18時30分配信
【セヴェロドヴィンスクの造船所で原子力潜水艦「ヴェルホトゥリエ」の近代化は完了した】

ロシア海軍最新鋭コルベット「ソーブラジテルヌイ」

ロシア海軍新世代コルベット「ステレグーシチー」型2番艦「ソーブラジテルヌイ」

2003年5月20日に起工され、2010年3月31日に進水。
2011年7月11日より洋上試験を開始し、2011年10月14日にロシア連邦海軍へ就役しました。

就役から約2か月後にクロンシュタット軍港で撮影された「ソーブラジテルヌイ」
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艦首A-190 100mm単装砲
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高射ミサイル複合体「リドゥート」
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艦後部
AK-630M 30mmガトリング砲対潜魚雷複合体「パケートNK」、ヘリコプター格納庫があります。
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潜水艦サンクトペテルブルクの試験後にラーダ級潜水艦の今後の運命は決定される

『アルムス-タス』より。
【プロジェクト677潜水艦の試験後、この艦の今後の建造が決定される】
サンクト-ペテルブルク、3月20日(アルムス-タス)

第4世代ディーゼル電気推進潜水艦のトップ「サンクト-ペテルブルク」(プロジェクト677、整理名「ラーダ」)の次の段階の試験は今年に実施される。
「アドミラルティ造船所」指導者アレクサンドル・ブザコフは、イタル-タス通信に伝えた。
彼は、この試験後、プロジェクト677プログラムや同型の潜水艦建造の今後の実施の可能性についての決定が下される事を指摘した。

ブザコフによると、同プロジェクトの1隻目及び2隻目のシリーズ潜水艦「クロンシュタット」及び「セヴァストーポリ」だけでなく、その輸出版-「アムール」(プロジェクト1650)は同社の造船台において異なる建造進捗度にある。
これら全てのプロジェクトは、海洋工学中央設計局「ルビーン」(サンクト-ペテルブルク)により開発された。

プロジェクト677ディーゼル電気推進潜水艦は、プロジェクト636潜水艦「ワルシャワンカ」の改良版である(第2次大戦後の)第4世代ディーゼル潜水艦である。
潜水艦プロジェクト677は、極限海域で潜水艦及び水上艦艇に対し独立して作戦を行ない、地上目標への有翼ミサイルによる攻撃、海軍基地と沿岸海域における対潜防衛、狭い海域および荒天海域、限定海域の海上交通路での戦闘などの為に設計されている。

プロジェクト677潜水艦は、前型よりも遥かに静粛である。
この機能は、高度技術の対水中音響保護船体によるものである。
潜水艦は、拡張されたアンテナシステムと柔軟な拡張曳航アンテナを有する新たな水中音響複合体「イルティシュ」型を装備する。
潜水艦は、増加した自立能力(最大45日)を有し、水中航続距離は、速力3ノットで650海里へ増加した。
(2012年3月20日09時43分配信)


[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]

プロジェクト677「ラーダ」級に関しては、これまでにも何度か調達中止の可能性が報じられています。
[「ラーダ」級潜水艦、建造中止?]
[潜水艦「ラーダ」級は2013年までに改良される]
[ロシア海軍はラーダ級潜水艦の建造を打ち切る]
[ロシア海軍はラーダ級を放棄しない]
[統合造船業営団はラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクの試験を行なう]

ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、「ラーダ」級潜水艦「サンクト-ペテルブルク」に対する不満を述べています。

潜水艦「サンクト-ペテルブルク」(2010年11月)
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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年2月9日配信
【ウラジーミル・ヴィソツキー提督へのインタビュー】

ラーダ級に関する箇所を抜粋。

インタビュアー:多くのメディアの報道で、プロジェクト677「ラーダ」ディーゼルエレクトリック潜水艦の将来に関する憶測が流れていますが・・・

ヴィソツキー
「ラーダ」?この艦については、何か申し上げる事が有りますかね?
潜水艦「サンクト-ペテルブルク」の試験運用では、技術的特性が示されていません。
その理由は、非常に簡単です。
要するに、この艦の主要動力装置は、欠陥が有るのですよ。

僕達は、第二次世界大戦時の動力を有するような武器を新たに必要であるなどという頭脳は持ち合わせておりません。
何故かって?誰がそれを必要とするのでしょうか?
そして、それは同様の動作特性を有しています。
現在の形での「ラーダ」を、ロシア海軍は必要としておりません。

インタビュアー:建造中の同プロジェクト潜水艦「クロンシュタット」と「セヴァストーポリ」の今後はどうなりましょうか?

ヴィソツキー:これらの艦は、他の動力装置になると思います・・・



ロシア海軍は「2011-2020年の国家兵器プログラム」において20隻の非核動力(通常動力)潜水艦を調達する計画です。
[2011-2020年のロシア兵器プログラムにおけるロシア海軍の艦艇調達数]

この内6隻は、黒海艦隊向けのプロジェクト6363(改キロ級)です。
[プロジェクト6363(改キロ級)潜水艦]

ですから、それ以外の14隻をどうするのかが問題になってきます。
ラーダ級を改良しながら建造を継続するのか、それとも、ラーダ級とは異なる全く新しい潜水艦を建造するのか?
それを、「サンクト-ペテルブルク」の試験結果で決定するという事でしょう。


アドミラルティ造船所で建造中の潜水艦「クロンシュタット」(2009年)
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アドミラルティ造船所で製造途中の輸出用潜水艦「アムール1650」(プロジェクト667E)の船体(2011年11月3日)
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外国メディアはバルト艦隊を訪れた

『ロシア国防省公式サイト』より。
2012年3月23日14時57分配信
ロシア連邦軍西方軍管区発表
【主要外国メディアの代表はバルト艦隊を訪れた】

ヨーロッパ及びアジアの10の主要メディアの代表者23名は、2日間に渡る取材旅行のためにバルト艦隊を訪問した。
外国からのゲストは、バルト艦隊の最新鋭艦の1隻である警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」と、バルト艦隊沿岸軍の海軍歩兵部隊を訪れた。

警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は、外国メディア代表の為に艦の見学旅行を主催し、彼らは海軍将兵の生活条件と艦上勤務遂行について知った。

外国のゲストは艦内の幾つかの区画、航行部署、ヘリコプター甲板へ案内された。

フメリョフカ射爆場でジャーナリストはバルト艦隊海軍歩兵部隊の特殊戦闘訓練を視察し、その後、旅団の軍人の暮らしぶりや生活条件と海軍歩兵の毎日の食事の配給について評価した。
ゲストは訪問の終わりに旅団の博物館を訪れ、「黒ベレー」合唱団のヴォーカル・インストルメンタル演奏会を聴いた。



この「ヨーロッパ及びアジアの10の主要メディア」には、日本の朝日新聞モスクワ支局員関根和弘氏も含まれています。
【関根和弘氏のツイッター】

記事中に出てくる「ヤロスラフ・ムードルイ」は、1991年に起工され、18年後の2009年6月9日に就役しました。
[ネウストラシムイ級2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」就役]

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2011年12月から2012年2月までロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の大西洋・地中海遠征に同行し、2月14日に帰港しました。
[フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」、バルチースク基地へ帰港]
[クズネツォフ地中海遠征2011-2012]

「ヤロスラフ・ムードルイ」は、2012年6月25日から7月1日までバルト海南東部で実施される国際海洋軍事演習「フルークス-2012」に参加する予定です。
[バルト艦隊フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」は、国際海軍演習「FRUKUS-2012」に参加する]

オスカーII級原潜「ベルゴロド」は完成する

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【原子力潜水艦プロジェクト949A「アンテイ」は完成し、近代化される】
2012年3月23日

プロジェクト949A原子力潜水艦「アンテイ」は完成し、近代化される。
海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー『イズベスチヤ』に伝えたが、詳細は説明しなかった。

彼によると「僕達はベルゴロドと、同プロジェクトの他の潜水艦の建造を終了します」
『イズベスチヤ』は指摘した。

専門家によると、同プロジェクト潜水艦は射程範囲1500キロの新たな有翼ミサイルを装備する。
同紙が引用する地政学的問題高等学院第一副校長コンスタンチン・シフコフ退役1等海佐(キャプテン・1ランガ)の意見によれば、「アンテイ」はミサイル「カリブル」を装備し、ヨーロッパのミサイル防衛目標の破壊に使用される。

「セヴマシュ」社は、彼らが原子力潜水艦「ベルゴロド」のみの完成を指示されたと『イズベスチヤ』に伝えた。
更に、同プロジェクトは「アンテイ」とは大幅に異なり、別の名前を得る。

統合造船業営団の情報提供者は、「ベルゴロド」は非戦闘用潜水艦であり、軍事海洋偵察に使用されると『イズベスチヤ』に伝えた。

現在、ロシア連邦海軍には7隻のプロジェクト949Aアンテイ原子力潜水艦が在籍し、その上に2隻の艦が長期修理、そして1隻が解体の準備をしている。
更に、1998年に保管された未完成潜水艦の船体が有る。
セヴマシュは、ロシア海軍が同工場への補償を行なわない場合、未完成潜水艦のメンテナンスの為の費用として年間数百万ルーブルまでは容認できる。
『イズベスチヤ』は指摘した。



プロジェクト949A(オスカーII級)原潜「ベルゴロド」は、セヴェロドヴィンスク市セヴマシュ造船所で完成度80パーセント程度のまま建造工事が凍結されていました。

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[オスカーII型原潜最終艦、建造中止?]
[未完のオスカーII型原潜ベルゴロド]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」の建造は停止される]

しかし、今年2月9日、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将へ『ロシア通信社ノーボスチ』がインタビューした際、特殊作戦用原潜として完成させる事が明らかにされました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]


記事中に名前が出てくる地政学的問題高等学院第一副校長コンスタンチン・シフコフは、『イズベスチヤ』のお抱え軍事評論家のようです。
[カムチャツカ半島の基地設備はボレイ級戦略原潜に適していない]
[艦上戦闘機MiG-29Kは地中海上の空母「アドミラル・クズネツォフ」で試験を行なった]

ロシア海軍の949A原潜は、近代化により有翼ミサイルを「オーニクス」「カリブル」に換装します。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【プロジェクト949A「アンテイ」(NATOコード名"オスカーII")】

未完成艦としてK-139「ベルゴロド」の他にK-135「ヴォルゴグラード」K-160「バルナウル」が在ります。

K-135「ヴォルゴグラード」は1993年9月2日に起工され、1998年に工事中止、以後保管されているとの事です。
記事中の「1998年に保管された未完成潜水艦の船体」は、「ヴォルゴグラード」の事でしょう。

セヴマシュ造船所で保管されている「ヴォルゴグラード」「バルナウル」
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ロシア黒海艦隊の偵察艦は地中海へ派遣される

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【黒海艦隊の偵察艦は地中海の任務に派遣された】
モスクワ、3月21日-ロシア通信社ノーボスチ

黒海艦隊中型偵察艦「キルディン」(プロジェクト861M)は、同艦隊の主要基地セヴァストーポリを去り、3ヶ月間に渡り地中海で任務に就く。
ロシア連邦国防省の情報提供者はロシア通信社ノーボスチに伝えた。

黒海艦隊の偵察艦の地中海ローテーションは、3ヶ月ごとに行われる。

「黒海艦隊の偵察艦キルディンは、火曜日に海洋へ出発し、ローテーションで地中海任務に就きます」
代理人は述べた。
しかし、彼は機密情報を理由として、任務の目的及び対象については説明しなかった。

現在、地中海には、黒海艦隊給油船「イマン」が存在する。
同船は、ロシア連邦海軍物資・技術供給所であるシリアタルトゥース港に滞在している。

偵察艦「キルディン」は、1970年にポーランドグダニスク造船所で建造された。
排水量1560トン、最大速力17ノット、航続距離9700海里、乗組員85人。
同艦は様々な水中音響システム、電波方向探知システム、無線諜報システムが装備されている。
同プロジェクト艦は兵装を有していない。
(2012年3月21日13時59分配信)



[中型偵察艦プロジェクト861M]
満載排水量:1560t
全長:73.3m
幅:11.2m
吃水:3.9m
機関:6TD48ディーゼルエンジン2基、3300馬力、2軸
速力:17ノット
航続距離:11ノットで9700海里
乗員:85名
電波方向探知機「ドン」
水中音響装置「ブロンザ」
無線諜報機器「ロトル-N」「バフタ-M」「バフタ-10」「バフタ-12」MRR-1-7、「ヴィトク-AK」「ヴィジール-M」「ウゼル」「カイラ」等

プロジェクト861M「キルディン」は1970年に就役し、北方艦隊に配備されました。
1977年、黒海艦隊に転属しました。

1999年5月、「キルディン」は同型艦「リマン」と交代してアドリア海へ派遣され、ユーゴスラヴィアに対するNATO軍の作戦に関する情報収集を行ないました。
2000年2月には地中海へ進出し、その後ペルシャ湾まで行って情報収集任務を行ないました。


現在、ロシア黒海艦隊には4隻の偵察艦(プロジェクト861M中型偵察艦3隻、プロジェクト864中型偵察艦1隻)が在籍しています。

中型偵察艦「キルディン」(1970年就役)
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中型偵察艦「リマン」(1970年就役)
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中型偵察艦「エクヴァトル」(1970年就役)
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中型偵察艦SSV-201「プリアゾヴィエ」(1987年就役)
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ロシアは空母ヴィクラマーディティヤを12月に納入する

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【ロシア連邦は空母「ヴィクラマーディティヤ」を12月に納入するとメディアは報じた】
ニューデリー、3月20日-ロシア通信社ノーボスチエフゲニー・パホーモフ

ロシアで近代化されているインド空母「ヴィクラマーディティヤ」(改名前はロシア艦「アドミラル・ゴルシコフ」)の納入式典は、12月に執り行われる。
火曜日、インド報道機関『プレス・トラスト』Press Trustは、インド国防省の情報提供者の談話を伝えた。

両国の軍事技術協力分野における最大の輸出契約であるインドへ売却される重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」近代化契約は2004年に締結された。

当初は、近代化費用は6億1600万ドルと推定され、顧客への同艦の引き渡しは2008年の計画だった。

しかし、作業量の増加に起因し、空母の引き渡し時期は遅延し、ロシアは契約費用増加の必要性を表明した。

2010年に、ロシアとインドは「アドミラル・ゴルシコフ」近代化に関する最終合意に署名し、同艦は2012年末までにインドへ引き渡さなければならない。

インド海軍で同艦は「ヴィクラマーディティヤ」と命名される。
「(ヴィクラマーディティヤの)納入式典は、12月4日に執り行われます」
代理人は述べた。

更にインド国防省の情報提供者は、ロシアからインドへリースの為に引き渡された原子力潜水艦「チャクラ」(ロシア名「ネルパ」)の就役式典が今年4月5日にヴィシャカパトナム海軍基地で執り行われるとメディアに伝えた。

「ネルパ」は、ロシア専門家によって訓練され、適切な支援を受けたインド人乗組員の手でインドへ回航される。

ロシアは、2009年からインド海軍へ潜水艦をリースする計画だったが,、2008年11月8日の日本海における工廠航海試験において火災事故が発生した。
区画内で火災鎮火システムが不正に動作した結果、フロンガスが充満した。
20人が死亡し、他の21人が中毒で入院した。
潜水艦には合計で208人が乗っていた。
修理後、2009年12月に同艦はロシア海軍の戦闘編制に加入した。

「ネルパ」は第3世代潜水艦に属し、1991年にコムソモリスク・ナ・アムーレのアムール造船工場で起工した。
1990年代半ば、潜水艦の建造は凍結され、インドからの資金供給により建造を完了する事が出来た。
(2012年3月20日14時04分配信)


ロシア側は、これまでにも繰り返しも繰り返し空母「ヴィクラマーディティヤ」の今年12月のインド海軍への引き渡しを表明しています。

[空母ヴィクラマーディティヤは予定通りに納入される]
[インド空母「ヴィクラマーディティヤ」は2012年12月に納入される]
[空母「ヴィクラマーディティヤ」は2012年末までにインドへ引き渡される]
[空母ヴィクラマーディティヤは2012年12月4日にインド海軍へ引き渡される]

そして今回、インド側(インド国防省)からも同艦の12月4日引き渡しを肯定する情報が出てきました。

記事後半はロシアからインドへリースされる原子力潜水艦「ネルパ」改め「チャクラ」に関する記述になっています。

原子力潜水艦「ネルパ」改め「チャクラ」は、2012年1月23日に沿海地方ボリショイ・カーメニでインドへ引き渡されました。
[原子力潜水艦「ネルパ」改め「チャクラ」はインド海軍に引き渡された]

そして、2月下旬に出港しました。
[原潜「チャクラ」(ネルパ)は既に出港している]

ロシア海軍の打撃部隊はムルマンスク地域、カムチャツカ、沿海地方に形成される

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【海軍の打撃中枢はムルマンスク地域、カムチャッカおよび沿海地方に形成される】
モスクワ、3月20日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦海軍の打撃中枢は、ムルマンスク地域カムチャツカおよび沿海地方の領域に形成される。
ロシア連邦国防相アナトリー・セルジュコフは、国防省会議で述べた。

「ムルマンスク地域、カムチャツカおよび沿海地方の領域に複合システムユニットが形成され、潜水艦ボレイ型およびヤーセン型、コルベットおよびフリゲート級の水上艦が駐留します。
これらの水上艦及び潜水艦グループは海軍の打撃中枢となります」

セルジュコフは述べた。

「海軍は、世界の大洋における戦略的に重要な海域で、その存在を取り戻します」
国防相は述べた。
(2012年3月20日14時02分配信)



[戦略原子力潜水艦ボレイ級]

[多用途原子力潜水艦ヤーセン級]

「コルベット級水上艦」「ステレグーシチー」型を指しています。
[ステレグーシチー型コルベット]

「フリゲート級水上艦」「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」型の事です。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート]

記事中の「ムルマンスク地域」北方艦隊「カムチャツカおよび沿海地方」太平洋艦隊を指しています。

ロシア連邦の「2011-2020年の国家兵器プログラム」における上記4タイプの調達予定数は以下の通りです。
[ロシア国防省は、戦略原潜ボレイ級8隻と多用途原潜ヤーセン級8隻を2020年までに調達する]
[2011-2020年のロシア兵器プログラムにおけるロシア海軍の艦艇調達数]

プロジェクト955「ボレイ」級戦略原子力潜水艦:8隻
プロジェクト885「ヤーセン」級多用途原子力潜水艦:8隻
プロジェクト22350「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲート:8隻
プロジェクト20380/20385「ステレグーシチー」型コルベット:18隻(既に2隻就役済み)

「ステレグーシチー」型はバルト艦隊黒海艦隊に優先的に配備されるので、北方艦隊太平洋艦隊に回されるのは計8隻程度でしょう。
「ボレイ」級、「ヤーセン」級、「アドミラル・ゴルシコフ」型は、北方艦隊太平洋艦隊へ回されるようです。

つまり、2020年頃には、おそらく、こうなっているでしょう。

ムルマンスク地域(北方艦隊)
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「ボレイ」級戦略原潜4隻
「ヤーセン」級多用途原潜4隻
「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲート4隻
「ステレグーシチー」型コルベット4隻

カムチャツカ(太平洋艦隊)
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「ボレイ」級戦略原潜4隻
「ヤーセン」級多用途原潜4隻
「ステレグーシチー」型コルベット4隻

沿海地方(太平洋艦隊)
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「アドミラル・ゴルシコフ」型4隻

なお、勘違いしている方が多いようですが、2020年までに計20隻が調達される予定の「ステレグーシチー」型コルベットはさておき、「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートの調達は8隻で終了するわけではありません。
これは、「ボレイ」級や「ヤーセン」級も同様です。
ロシア側は、そんな事は一言も言っていません。

例えば、「アドミラル・ゴルシコフ型フリゲートを8隻」というのは、あくまでも2020年までの調達予定数であり、その後(2021年以降)に追加調達される可能性をロシア側は否定していません。
現に、「アドミラル・ゴルシコフ」型は3隻が起工済みですが、これに加え、新たに6隻を建造する契約が締結されています。
[サンクトペテルブルク北方造船所はコルベット6隻とフリゲート6隻の建造契約を締結した]

ですから、現時点において、既に「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートの建造予定数は9隻になっているのです。

ロシア(の造船業界および海軍)としては、「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートを今後15~20年間で計20隻建造したいようですが、取りあえず、2020年までの期間では8隻程度を調達するという事です。
[ロシア海軍はプロジェクト22350フリゲートを20隻必要とする]
当然、2021年以降に建造されるフリゲートも北方艦隊と太平洋艦隊へ回ってくるでしょうから、2020年代末までには10隻に近いフリゲートが両艦隊に揃う事になるでしょう。

「ボレイ」級と「ヤーセン」級にしても、ロシア海軍総司令官ヴィソツキー提督は、2020年以降、少なくとも2隻ずつが調達される可能性を仄めかしています。
[ロシア海軍はラーダ級を放棄しない]

ロシア海軍潜水艦ノヴォロシースクは2013年末に進水する

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【ディーゼル電気推進潜水艦「ノヴォロシースク」の進水は2013年末を予定している】
2012年3月20日

ディーゼル電気推進潜水艦「ノヴォロシースク」の進水は2013年末を予定している。
「アドミラルティ造船所」執行役員・総取締役アレクサンドル・ブザコフによると、プロジェクト636.3ディーゼル電気推進潜水艦は、黒海艦隊に振り向けられる。

ディーゼル電気推進潜水艦「ノヴォロシースク」は、海洋工学中央設計局「ルビーン」で設計されている。
これは、第3世代潜水艦プロジェクト877、877EKMおよび636を近代化したものである。
同艦の最大潜航深度は300メートル、自律航行期間は45日、乗組員は52名である。

「アドミラルティ造船所」は、2011年2月にディーゼル電気推進潜水艦の建造を開始した。

アレクサンドル・ブザコフは、同プロジェクトの6隻の潜水艦が黒海艦隊へ編入される事を指摘した。

彼によると、現在、「ノヴォロシースク」以外にも、同シリーズの次のディーゼル電気推進潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」の強度船体の作業が行なわれている。

株式会社「アドミラルティ造船所」(2008年11月20日に連邦単一企業から株式会社に変更された)は、核動力装置を含む民間船および軍用艦艇の設計、製造並びに近代化を専門とする。



「ノヴォロシースク」は、ロシア海軍向けのプロジェクト6363(改キロ級)潜水艦の1番艦です。
[プロジェクト6363(改キロ級)潜水艦]

2番艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は2011年11月21日に起工されました。
[改キロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」起工]

プロジェクト6363は6隻建造され、全て黒海艦隊へ配備されます。
[ロシア黒海艦隊は2017年に7隻の潜水艦を有する]

潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は2012年夏に発射される

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」発射は今年夏を予定している】
モスクワ、3月20日-ロシア通信社ノーボスチ

大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の一連の発射は今年夏に実施される。
火曜日、のノーボスチ通信、ロシア連邦海軍参謀部の情報提供者はロシア通信社ノーボスチに伝えた。

3月20日、ロシア連邦国防相アナトリー・セルジュコフは、国防省会議において、海洋配置大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」は2012年10月に正式採用されるだろうと述べた。

「ミサイル(ブラヴァー)正式採用の一環として、今年夏、一斉発射を含む一連の(ミサイル)発射を予定しております」
代理人は述べた。

彼は、この発射は追加の試験ではなく、ミサイルの正式採用の為の複合計画活動の枠内であると説明した。

大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」は、将来のロシア海洋戦略核戦力の中核となるべきであり、このミサイルの為の新たな潜水艦は既に建造されている。

ミサイルの試験は何度か失敗したが、2010年10月以降の全ての試射は成功した。
2011年12月23日に実施された最後の成功した試験では、2発の「ブラヴァー」ミサイル一斉発射が白海の原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」から行なわれた。

その後、ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフは、ミサイルを正式採用すると表明したが、その正確な時期については説明しなかった。
(2012年3月20日14時39分配信)


ロシア国防相セルジュコフは、弾道ミサイル「ブラヴァー」が今年10月に正式採用されるだろうと述べています。
[新型潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」は2012年10月に正式採用される]

2012年の弾道ミサイル「ブラヴァー」発射の件については、昨年(2011年)末にも報じられています。
[SLBMブラヴァー「発射訓練」は2012年5月末以降に実施される]
この時にも、この発射は(試験ではなく)正式採用されるミサイルの発射訓練だと言われていました。

ロシア海軍の新世代戦略原潜「ボレイ」級に搭載される弾道ミサイル「ブラヴァー」は、これまでに18回の発射試験が実施され、11回が成功しました。

『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年2月9日配信
【海洋弾道ミサイル「ブラヴァー」試射の年表】

1回目:2004年6月24日-失敗
2回目:2004年9月23日-成功
3回目:2005年9月27日-成功
4回目:2005年12月21日-成功
5回目:2006年9月7日-失敗
6回目:2006年10月25日-失敗
7回目:2006年12月24日-失敗
8回目:2007年6月29日-成功
9回目:2008年11月28日-成功
10回目:2008年12月23日-失敗
11回目:2009年7月15日-失敗
12回目:2009年12月9日-失敗
13回目:2010年10月7日-成功
14回目:2010年10月29日-成功
15回目:2011年6月28日-成功
16回目:2011年8月27日-成功
17回目:2011年10月28日-成功
18回目:2011年12月23日-成功

2010年以降に実施された6回の発射試験は連続で成功しました。

ロシア戦闘艦はシリア沖で活動していない

『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦国防省報道サービス・情報管理部公式発表
2012年3月19日21時15分配信
【ロシア戦闘艦艇はシリア沿岸で任務を遂行していない】

複数のメディアが、ロシア海軍戦闘艦艇がシリア沖で任務遂行中との情報を流布した事に対し、ロシア国防省は困惑している。

シリア沖で任務を遂行しているロシア戦闘艦艇は存在しない。

シリアのタルトゥース港には、艦隊補助船(給油船)「イマン」が10日間滞在していたが、これは、アデン湾において海賊から船舶航行の安全を保障する黒海艦隊および北方艦隊の艦艇への後方支援任務(物資補充)の為である。

給油船「イマン」乗員は、民間人船員と警備隊から成る。



今回の記事は、ロシア海軍でも西方軍管区でもなく、ロシア連邦国防省報道サービス・情報管理部が直接発表したものです。
【ロシア連邦国防省報道サービス・情報管理部】

要するに、ロシアの複数のメディアが、「ロシア海軍戦闘艦艇がシリア沖で行動中」と報じたことに対し、それを公式に否定したという事です。

記事中に登場する黒海艦隊中型給油船「イマン」は、フィンランドで建造され、1966年に就役しました。

中型給油船「イマン」(2010年11月26日撮影)
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この記事によると、「イマン」アデン湾へ行くようです。
そしてそれは、海賊対処任務の為にアデン湾へ行く黒海艦隊及び北方艦隊艦艇への補給の為です。
(シリアのタルトゥース港はロシア海軍の物資・技術供給所)

つまり、次のロシア海軍アデン湾海賊対処任務部隊は、北方艦隊および黒海艦隊から派遣されるという事になります。

現在、アデン湾には、太平洋艦隊の海賊対処部隊(大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、給油船「ペチェンガ」、海洋救助曳航船MB-37)が派遣され、海賊対処任務に従事しています。
[ロシア海軍のソマリア海賊対策]

新型潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」は2012年10月に正式採用される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【ロシア連邦国防省は10月の「ブラヴァー」正式採用を計画している】
モスクワ、3月20日-ロシア通信社ノーボスチ

海洋配置大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」は、2012年10月に正式採用されるだろう。
ロシア連邦国防相アナトリー・セルジュコフは述べた。

「国家飛翔試験を成功裏に実施したミサイル複合体ブラヴァーは、2012年10月に正式採用されるでしょう」
セルジュコフは、国防省拡大会議において述べた。

大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」は、将来のロシア海洋戦略核戦力の中核となるべきであり、このミサイルの為の新たな潜水艦は既に建造されている。

ミサイルの試験は何度か失敗したが、2010年10月以降の全ての試射は成功した。
2011年12月23日に実施された最後の成功した試験では、2発の「ブラヴァー」ミサイル一斉発射が白海の原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」から行なわれた。

その後、ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフは、ミサイルを正式採用すると表明したが、その正確な時期については説明しなかった。
(2012年3月20日12時28分配信)


ロシア海軍の新世代戦略原潜「ボレイ」級に搭載される弾道ミサイル「ブラヴァー」は、これまでに18回の発射試験が実施され、11回が成功しました。

『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年2月9日配信
【海洋弾道ミサイル「ブラヴァー」試射の年表】

1回目:2004年6月24日-失敗
2回目:2004年9月23日-成功
3回目:2005年9月27日-成功
4回目:2005年12月21日-成功
5回目:2006年9月7日-失敗
6回目:2006年10月25日-失敗
7回目:2006年12月24日-失敗
8回目:2007年6月29日-成功
9回目:2008年11月28日-成功
10回目:2008年12月23日-失敗
11回目:2009年7月15日-失敗
12回目:2009年12月9日-失敗
13回目:2010年10月7日-成功
14回目:2010年10月29日-成功
15回目:2011年6月28日-成功
16回目:2011年8月27日-成功
17回目:2011年10月28日-成功
18回目:2011年12月23日-成功

2010年以降に実施された6回の発射試験は連続で成功しました。

「ユーリー・ドルゴルーキー」は、2011年に4回の弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を成功させました。
[新型潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」]

2011年8月27日には、最大射程(9300㎞)での発射試験に成功しました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]

2011年12月23日には、2発のミサイル一斉発射試験を成功させました。
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]

最新情報によると、「ブラヴァー」を搭載する戦略原潜プロジェクト955「ボレイ」1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は今年6~7月、2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」は今年12月に就役する予定です。
[新型戦略原潜ボレイ級1、2番艦は2012年6~7月と同年12月に就役する]