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新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水

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2012年10月30日、サンクトペテルブルク市の「アドミラルティ造船所」で建造中の新型救助船「イーゴリ・ベロウソフ」が進水しました。

「アドミラルティ造船所」公式サイトより
【株式会社「アドミラルティ造船所」は救助船「イーゴリ・ベロウソフ」を進水させた】
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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
2012年10月30日配信
【大洋級救助船の進水はサンクトペテルブルクで行なわれた】

進水式典には、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将、株式会社「アドミラルティ造船所」総取締役アレクサンドル・ブザコフ「統合造船業営団」総裁アンドレイ・ジャチコフといった要人が出席しました。


2012年10月30日配信
【救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の建造が長期に渡ったのは、同プロジェクトの搭載機器の難事の為である-ヴィクトル・チルコフ】

ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は、2005年12月24日に起工された「イーゴリ・ベロウソフ」の建造が長期間に渡ったのは、同船に搭載予定の深海救助機器GVK-450の開発遅延によるものであると述べました。
この他、同船の建造資金供給も滞っていた為、工事が中断される事も有りました。


2012年10月30日配信
【ロシア海軍の大洋級救助船のシリーズ船の建造は、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の試験結果による-海軍総司令官】

ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の同型船が建造されるか否かは、「イーゴリ・ベロウソフ」の航海試験の結果によると述べました。


2012年10月30日配信
【深海救助装置「ベステル-1」は2013年4月に係留試験を実施する】

「アドミラルティ造船所」総取締役アレクサンドル・ブザコフは、「イーゴリ・ベロウソフ」に搭載予定のプロジェクト18271「ベステル-1」深海救助装置の係留試験が2013年4月に実施されると述べました。

「ベステル-1」は、ニジニ・ノヴゴロド中央設計局「ラズリート」が開発しており、プロジェクトは1994年にスタートしました。
建造を担当するのは「アドミラルティ造船所」です。

因みに、原型のプロジェクト18270「ベステル」深海救助装置AS-36は1996年に北方艦隊へ配備されています。
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救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の建造のきっかけとなったのは、2000年8月の原子力潜水艦「クルスク」爆沈事故でした。
この時、「クルスク」の乗員の一部は沈没後も生存していたのですが、当時、極度の財政難に喘いでいたロシア海軍には、沈没した潜水艦を救助できる各種設備(救助船など)の維持すら困難であり、この為、「クルスク」乗組員を救助する事が出来ませんでした。

[プロジェクト21300救助船「イーゴリ・ベロウソフ」]
水線長:97.8メートル
水線幅:17.2メートル
中央部全高:10.6メートル
排水量:5037トン
速力:15ノット
航続距離:3500海里
乗員:96名
この他に120名を収容可能

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空母ヴィクラマーディティヤは2013年末にインドへ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦は「ヴィクラマーディティヤ」を2013年末までにインドへ引き渡す事を統合造船業営団は確認した】
サンクト-ペテルブルク、10月30日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア製航空母艦「アドミラル・ゴルシコフ」(インド版-「ヴィクラマーディティヤ」)は、2013年末までにインドへ引き渡される。
火曜日、「統合造船業営団」総裁アンドレイ・ジャチコフは、記者団に確認した。

以前、「統合造船業営団」の代理人は、航空母艦の引き渡しが来年秋に延期されるとロシア通信社ノーボスチに伝えた。

「航空母艦は、現在、セヴマシュに在り、ボイラーを復旧する為の作業は開始されました・・・
インド側との協議は進んでおり、作業は完了します-来年末までに」

ジャチコフ氏は話した。

彼は、復旧作業終了時に同艦がインド側へ引き渡されると付け加えた。
「来年末に」

以前、公式の艦の納入式典は2012年12月4日に予定されていた。
しかし、9月に、艦の次の段階の試験に関し、主要動力装置の蒸気ボイラーが最大出力を発揮できなかった事を含む幾つかの問題点が明らかにされた。
元々の契約によると、ロシアは2008年に同艦を引き渡す事になっていた。

軍事技術協力分野における最大の輸出契約である近代化された重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」インド海軍への売却は、ロシアにより2004年に調印された。
ロシア連邦は、7億5000ドルで同艦の近代化を行ない、同じ額でインド海軍へ航空隊を引き渡す事になっていた。
元々は2008年に顧客へ艦を納入する計画だったが、作業量の増加に起因して何度も延期された。
2004年に締結された契約に付加された新規の契約額は23億ドルである。
同艦には、戦闘機MiG-29KヘリコプターKa-27及びKa-31が配備される。

現在までに航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」は、ロシアの造船企業「セヴマシュ」において大規模な改造が行なわれた。
艦は、飛行甲板並びにMiG-29K離艦の為のトランポリン台、最新の機器が装備されており、航空母艦の船体には、長さ約2キロメートルの新たなケーブル線路が敷設された。
艦は、新たな航海及び電波位置特定システム、通信複合体及び航空管制複合体を受け取った。
(2012年10月30日14時23分配信)


[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]

今年12月に就役する筈だったインド空母「ヴィクラマーディティヤ」(旧ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)ですが、試験中にボイラーが損傷し、引き渡し時期が延期される事になりました。
[空母ヴィクラマーディティヤ、引渡し延期?]
[空母ヴィクラマーディティヤは23ノットでセヴェロドヴィンスクへ向かっている]
[空母ヴィクラマーディティヤに使われている外国製品に問題が生じた]
[中国はロシアへの耐火レンガ輸出を否定した]
[空母ヴィクラマーディティヤの修理には3ヶ月以上掛からない]
[空母ヴィクラマーディティヤは2013年10-12月にインドへ引き渡される]

そして今回、ロシア造船業の総元締めである「統合造船業営団」総裁は、サンクト-ペテルブルク市において「ヴィクラマーディティヤ」の引き渡しが2013年末になる事を明らかにしました。
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因みに、「統合造船業営団」総裁アンドレイ・ジャチコフ氏が何故サンクト-ペテルブルク市に居たのかと言うと、10月30日に「アドミラルティ造船所」で執り行われるロシア海軍の為の新型潜水艦救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の進水式典に出席する為です。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年10月30日9時30分配信
【救助船「イーゴリ・ベロウソフ」はサンクトペテルブルクで進水する】



大型揚陸艦「イワン・グレン」近影

現在、カリーニングラード市「ヤンターリ」造船所で建造中のプロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」

「イワン・グレン」は、2004年12月24日に起工されました。

それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]

2番艦の建造は、いちおう検討されていますが、まだ決定されていません。
[新型揚陸艦イワン・グレンの2番艦が建造されるかもしれない]

2012年9月の「イワン・グレン」
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2012年10月27日の「イワン・グレン」
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艤装工事は進んでいないようです。

現在、「ヤンターリ」造船所では、インド海軍及びロシア海軍向けのプロジェクト11356/11356Mフリゲートの建造が優先されており、「イワン・グレン」の工事は後回しにされているようです。

[新型揚陸艦イワン・グレン]

スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした


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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はドック修理段階を開始した】
2012年10月26日

造船・艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」のドックへの入渠操作を実行した。

巡洋艦のドック段階においては、船体の修理及び塗装、推進器グループ機器及びユニット、艦底備品の修理が実施される。
巡洋艦の進水は、2013年5月に予定されている。
国家契約によると、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2013年末に海軍の編制へ復帰しなければならない。

巡洋艦の定期修理の為の国家契約は、2011年末に署名された。
同年、艦は「ズヴェズドーチカ」に到着した。

同艦は、1978年10月5日に61コムーナ記念ニコラーエフ造船工場において「アドミラル-フロータ・ロボフ」の名前で起工され、1982年2月25日に進水し、1986年11月5日、「マルシャル・ウスチーノフ」の名前で海軍の編制へ加入した。

[戦術-技術特性と寸法]
基準排水量:9800トン
満載排水量:11280トン
全長:186.5メートル
幅:20.8メートル
全高:42.5メートル
吃水:7.6メートル
速力:32ノット
自立行動期間:30日
乗員:476名


[兵装]
16基の対艦ミサイル複合体「バザーリト」発射装置
2基の5連装533mm魚雷装置
2基の反応爆雷装置RBU-6000
1基の130mm砲装置AK-130
6基の30mm銃塔AK-630
2基の高射ミサイル複合体「オーサ-M」2連装発射装置
8基の高射ミサイル複合体S-300F「リフ」発射装置
艦上には対潜ヘリコプターKa-27を配置できる



[ミサイル巡洋艦スラヴァ型(旧ブログ)]

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」型)の2番艦です。
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記事中にも有りますが、1986年11月5日に北方艦隊へ編入されました。

1987年12月-1988年6月:地中海で戦闘勤務
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1989年:地中海で戦闘勤務

1989年7月21~29日:アメリカ合衆国ノーフォークを公式訪問
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1991年7月16~20日:アメリカ合衆国メイポート訪問
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1993年6月30日~7月5日:カナダハリファックス訪問

1994年~1997年12月17日:サンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で計画修理、ガスタービン機関を交換
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2001年1月:ムルマンスク第35艦船修理工場で修理

2004年9月21日~10月22日:艦船航空グループ(重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする「空母機動部隊」)の一員として北東大西洋への遠距離航海を実施
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2008年7月:漁業保護の為、スピッツベルゲン周辺で行動
[ロシア海軍は、漁業保護の為、スピッツベルゲン付近でのプレゼンスを再開する]

そして2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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「ズヴェズドーチカ」は、主に潜水艦(特に原子力潜水艦)の修理(オーバーホール)及び近代化改装を手掛けており、水上戦闘艦の修理は、今回の「マルシャル・ウスチーノフ」で2度目になります。

最初に「ズヴェズドーチカ」でオーバーホールを行なった水上戦闘艦は、プロジェクト956(ソブレメンヌイ型)駆逐艦「ベスストラーシヌイ」(現「アドミラル・ウシャコーフ」)です。
同艦は、2003年7月から2004年11月までオーバーホールを実施しました。
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この他、2009年2月には、中華人民共和国海軍「ソブレメンヌイ」型駆逐艦(プロジェクト956E)のオーバーホールを行なうと報じられましたが、実現には至りませんでした。
[ロシアの艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は、中国海軍のソブレメンヌイ級駆逐艦の整備契約を結ぶ]


その「マルシャル・ウスチーノフ」ですが、オーバーホール完了後、太平洋艦隊へ転属するかもしれません。

『Deita.Ru』より
2011年3月24日11時55分配信
【太平洋艦隊はロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」を得る】
ロシア海軍総司令部の情報提供者によると、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理完了後、太平洋艦隊へ行くとの事です。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年3月27日11時07分配信
【巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2013年に太平洋艦隊へ増強されるかもしれない】
ロシア連邦海軍の高位の代理人(提督)によると、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2013年に太平洋艦隊へ配置換えされるかもしれないとの事です。


現在、太平洋艦隊には同型艦の「ワリャーグ」が配備されていますが、もしも「マルシャル・ウスチーノフ」が極東へ回航されれば、太平洋艦隊「スラヴァ」型ロケット巡洋艦は2隻になります。
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近い将来、ウラジオストク金角湾には、2隻の「スラヴァ」型ロケット巡洋艦が駐留しているかもしれません。
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新世代戦略原潜ボレイ級1、2番艦の引き渡し準備が整う

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『アルムス-タス』より
【原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は国家受領試験を完了し、軍備採用の為に海軍へ提示される】
ル・ブルジェ、10月26日(アルムス-タス)

プロジェクト955(整理名「ボレイ」)戦略原子力潜水艦のトップ「 ユーリー・ドルゴルーキー」は国家受領試験を完了し、軍備採用の為に海軍へ提示される。
これは、アルムス-タス通信が23回目の国際海軍展示会「ユーロネイヴァル-2012」において「ルビーン海洋工学中央設計局」総取締役イーゴリ・ヴィリニトから伝えられた。

「潜水艦の建造段階において実施された国家受領試験は完了しました。
注目すべきは、潜水艦の試験は海軍により実施されたわけではない事です。
今、同艦は発注者に提示され、軍備採用されるでしょう」

「ルビーン」トップは指摘した。

「同プロジェクトの2隻目の潜水艦アレクサンドル・ネフスキーは国家受領試験を完了しています。
潜水艦は、今年中に発注者へ引き渡す準備が整います」

彼は付け加えた。

「ユーリー・ドルゴルーキー」は1996年に「セヴマシュ」で起工された。
サンクト-ペテルブルク海洋工学中央設計局「ルビーン」により設計された同艦は、新たな成果により作られた艦載電波電子機器が使用され、水中騒音は低減した。

潜水艦の主要兵装は、新たなミサイル複合体「ブラヴァー」-飛翔範囲8000kmで、個々に目標へ誘導される分離弾頭を有する大陸間弾道固体燃料ミサイルR-30「ブラヴァー」16基-である。

潜水艦には、乗組員全員の為の救助室が装備されている。
艦の長さは170メートル、幅13.5メートル、潜航深度450メートル、乗組員107名である。
(2012年10月26日12時27分配信)


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

10月22日、ロシア連邦国防長官アナトーリー・セルジュコフは、「ユーリー・ドルゴルーキー」の軍備採用は2013年になると記者団に伝えました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは2013年に就役する]

今回の記事は、「ユーリー・ドルゴルーキー」の設計元のトップの発言を取り上げたものです。

「ルビーン海洋工学中央設計局」総取締役イーゴリ・ヴィリニト氏は、「ユーリー・ドルゴルーキー」「アレクサンドル・ネフスキー」は今年中にロシア海軍へ納入できると言いたいのでしょう。

大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは11月初頭にアデン湾へ向かう

太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」を中核とする次のロシア海軍アデン湾海賊対処部隊は、11月初頭に出港するようです。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区広報サービス発表
2012年10月26日10時22分配信
【次の太平洋艦隊艦船支隊は船舶航行の安全を保障する為にアデン湾へ行く】

船舶航行の安全を保障する任務を遂行する為にアフリカの角エリアへ出航する艦船支隊の最後の準備は太平洋艦隊主要基地ウラジオストクで行なわれている。

11月初頭、ウラジーミル・ウドヴェンコ少将が指揮する支隊は祖国の港を去り、アラビア海へ進路を取る。
既に8番目となる支隊は、太平洋艦隊に所属する大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」中型海洋給油船「イルクト」救助曳船「アラタウ」で構成される。

大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」艦長アンドレイ・クズネツォフ1等海佐は強調した。
「艦の乗組員は、海洋への出航を統制し、航行中の様々な緊急事態に対処する為の10以上の小規模演習を行ないました。
構成員は、与えられた任務を果たす準備が出来ています。
艦の機器及び兵器は、通常モードで動作しております」


想い起して欲しい。
2010年5月、大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」乗組員は、海賊からロシアタンカー「モスクワ大学」を解放するという前例の無い作戦を実施した事を。
この複雑な作戦は、イリダル・アフメロフ1等海佐の指揮下で行なわれた。


[ロシア海軍のアデン湾(ソマリア沖)海賊対処活動]
[ロシア海軍のソマリア海賊対策(旧ブログ)]

ロシア海軍は、2008年10月の警備艦「ネウストラシムイ」以降、今年5月の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」まで13回に渡りアデン湾へ海賊対処部隊を派遣しています。

1:警備艦「ネウストラシムイ」
2:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」
3:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
4:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
5:大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」
6:警備艦「ネウストラシムイ」
7:大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」
8:大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」
9:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」
10:大型対潜艦「セヴェロモルスク」
11:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
12:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
13:大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」


これに続く14番目のロシア海軍海賊対処部隊は、大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」が中核となります。

記事中でも触れられていますが、「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年5月にもアデン湾へ行っています。

この時には、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアのタンカー「モスクワ大学」の解放作戦を実施しました。
【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】

『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
しかし、拘束された10名も、ゴムボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。

この作戦の指揮官は、当時、太平洋艦隊第44対潜艦旅団司令だったイリダル・アフメロフです。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

この事件はロシアで映画化されます。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]


アフメロフ氏は、その後、2011年12月に12番目の「アドミラル・トリブツ」部隊の指揮官としてアデン湾へ行き、帰港後、沿海地方異種戦力連合小艦隊司令官代理(副司令官)に昇格しました。

ロシア海軍のプロジェクト11356Mフリゲートは「ブラーモス」ミサイルを装備する

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【ロシアのフリゲートは「ブラーモス」ミサイルを装備する】
2012年10月25日

フリゲート「テグ」での試験に成功したミサイル「ブラーモス」は、ロシア海軍の為に建造される後続の3隻のプロジェクト11356軍艦にも装備されるだろう。
ロシア-インド合弁会社「ブラーモス-アエロスペース」のトップであるシヴァザヌ・ピレイは、フランスブールジェ海軍展示会「ユーロネイヴァル-2012」会場で述べた。

彼によると、この点に対応する為の政府間協定が在る。

「私共は、共同生産を行なっており、我が国の艦が有している更なる成功を収めた製品を共同で使用すべきです。
今、最も適切な時期に、ロシア海軍の艦にブラーモスを設置する決定が下されます」

合弁会社のトップは総括した。


「ブラーモス-アエロスペース」公式サイト

ロシア海軍向けのプロジェクト11356M警備艦は、現在までに3隻が起工され、更に3隻が起工される予定です。
[プロジェクト11356M(改タルワー級)フリゲート]
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィッチ」は2014年に就役する]
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]

4番艦は2012年10月中旬に起工される予定でしたが、延期されました。
[プロジェクト11356Mフリゲート4番艦は2012年10月に起工される]

インド海軍向けのプロジェクト11356フリゲート(「タルワー」型)は、1~3番艦が「クラブ」対艦ミサイル、4~6番艦がロシア・インド共同開発「ブラーモス」超音速対艦ミサイルを装備します。
[「タルワー」級(プロジェクト1135.6)]
[プロジェクト11356(タルワー級)の装備]

プロジェクト11356シリーズは、インドおよびロシア向けに少なくとも12隻が建造されます。

[インド海軍向け]
「バルチースキー・ザヴォード」で建造
タルワー(F40):1999年3月10日起工/2000年5月12日進水/2003年6月18日就役
トリシュル(F43):1999年9月24日起工/2000年11月24日進水/2003年6月25日就役
ターバル(F44):2000年5月24日起工/2001年5月25日進水/2004年4月19日就役

「ヤンターリ」造船所で建造
テグ(F45):2007年7月28日起工/2009年11月27日進水/2012年4月27日就役

タルカシュ(F46):2007年11月27日起工/2010年6月23日進水/2012年就役予定
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トリカンド(F50):2008年6月12日起工/2011年5月25日進水/2013年就役予定
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[ロシア海軍向け]
・全て「ヤンターリ」造船所で建造
アドミラル・グリゴロヴィチ:2010年12月18日起工/2013年進水予定/2014年就役予定
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アドミラル・エッセン:2011年7月8日起工/2014年就役予定
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アドミラル・マカロフ:2012年2月29日起工/2015年就役予定
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4番艦:2013年起工予定/2016年就役予定
5番艦:2013年起工予定/2016年就役予定
6番艦:2013年起工予定/2016年就役予定


ロシア海軍向けのプロジェクト11356Mは、既に起工され、建造中の1~3番艦には「オーニクス」超音速対艦ミサイルが装備されるようです。

今回の記事は、続いて建造される4番艦以降の3隻に、「ブラーモス」が装備されるという事です。
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北極圏で揚陸演習を実施した北方艦隊海軍歩兵は表彰された

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍西方軍管区広報サービス発表
2012年10月24日12時36分配信
【北方艦隊海軍歩兵部隊指揮官は北極圏での任務遂行により国家から表彰を受けた】

北方艦隊海軍歩兵部隊指揮官アレクサンドル・アニフリエフ大佐は、北極圏での任務遂行により国家表彰-「スヴォーロフ・メダル」を授与された。
この他、2名の海軍歩兵隊員がロシア連邦国防省より表彰を受けた。

2012年のロシア海軍北方艦隊沿岸軍の訓練においては、北極圏ノヴォシビルスク諸島の無防備の海岸に対する海洋揚陸が実施された。

北方艦隊沿岸軍司令官でロシア連邦英雄のアンドレイ・グーシチン少将によると、海軍歩兵は与えられた任務を成功裏に果たした。
揚陸作戦中、水上航行及び揚陸可能な北極圏沿岸の新たなエリアについてのスタディ、ノヴォシビルスク諸島の島嶼エリアへの偵察が行なわれ、北極圏の環境下において軍用車両及び兵器を使用する機会について検証された。

北方艦隊艦船の北極圏エリアでの航海中、海軍歩兵部隊は海軍の歴史上初めて、ラプテフ海東シベリア海の間に位置するノヴォシビルスク諸島の島へ入り、コテリヌイ島への上陸を実施した。
上陸は、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」キャタピラー浮揚輸送車PTS-Mにより実施された。

北方高緯度の海洋上陸戦闘訓練は、北極圏におけるロシアの国益保護の為の西方軍管区異種間指揮幕僚演習の枠組み内で9月末に行なわれた。
演習の主要目的の一つは、北極圏の異なるエリアに設置された科学ステーション、掘削複合体、エネルギー施設の安全保障任務を遂行する北方艦隊沿岸軍の上陸作戦部隊の準備状態の点検にあった。


9月21日、北方艦隊を含むロシア西方軍管区の大規模演習が北極圏において開始されました。
[北極圏で大規模演習が開始された]

9月25日には、対艦ミサイル迎撃訓練が行なわれています。
[艦上戦闘機Su-33は巡航ミサイル迎撃訓練を行なった]

9月27日には対艦ミサイル発射訓練が行なわれました。
[バレンツ海で対艦ミサイル発射訓練が行なわれた]

[北方艦隊はバレンツ海及びカラ海、ラプテフ海で演習を行なう]
この時、北方艦隊海軍歩兵部隊は、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島で揚陸演習を行ないました。
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海軍歩兵部隊の上陸は、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」から実施されました。
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記事中に登場する浮揚輸送車PTS-Mは、T-55戦車の車体をベースに開発された水陸両用輸送車であり、1970年代から生産が開始されました。
最大で72名の武装兵員を乗せることが出来ます。
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記事の冒頭に登場する「スヴォーロフ・メダル」は、演習や戦闘任務などにおける「勇敢さ」に対して授与されるロシア連邦の国家勲章です。
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ヘリ空母ウラジオストクは2013年9月に進水する

『イタル-タス』より
【ロシア海軍の為の最初の「ミストラル」型ヘリコプター空母は2013年9月に進水する】
ル・ブルジェ、10月22日/イタル-タス

STXフランス造船所は、2013年9月にロシア海軍の為の最初の「ミストラル」型ヘリコプター揚陸ドック艦を進水させる。
本日(10月22日)、イタル-タス通信は、第23回目の海軍展示会「ユーロネイヴァル-2012」会場で造船所側から伝えられた。。

同プロジェクトの主契約者である造船会社DCNSからロシア向けの2隻の「ミストラル」型ヘリコプター揚陸ドック艦の建造を請け負い、これを主導する造船所の代理人は説明した。
「私共は、2隻の艦の各々90パーセントを建造しなければならず、進水後はトゥーロン海軍基地へ移動し、そこで完成させる事になるでしょう」
彼は伝えた。

現在までに、造船所では、最初の艦の船体の為に、STXフランスは10個のモジュラーブロックを製造し、2隻目の艦の船体の最初の船体部分の製造を開始した。

「ミストラル」型ヘリコプター揚陸ドック艦の建造には、ロシアの企業も参加している。
特に、統合造船業営団の一員であるバルト工場は、最近、「ウラジオストク」と命名された艦の船体モジュールの生産を開始した。
ロシア「ミストラル」のトップ艦建造の枠組み内に置ける最初のプレートカットは、バルト工場で2012年8月1日に開始された。
2013年5月には、2隻目のヘリコプター揚陸ドック艦「セヴァストーポリ」のプレートカットが開始される予定である。

「ロシア兵器輸出公社(ロソボロネクスポルト)」フランス造船会社DCNSは、2011年6月にロシア海軍の為の「ミストラル」型軍艦の最初の2隻を建造する契約に署名した。
統合造船業営団は、DCNSの下請け業者であるサン-ナゼールSTXフランス造船所の下請けとして関わっている。

バルト工場では、双方の艦の艦尾部分となる船体構造の約40パーセントに当たる24個の船体ブロックが建造される。
その後、ブロックはフランスへ送られ、双方の艦の組み立てが完了する。
最初のヘリコプター空母は、2015年にロシア海軍の編制へ加入しなければならない。
(2012年10月22日15時15分配信)


[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]

ロシア向けの「ミストラル」型の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』2017年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

ロシア海軍向け「ミストラル」型1番艦「ウラジオストク」は、今年2月1日にフランスのサン-ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]
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ただし、船体後部はロシアのサンクト-ペテルブルク市の「バルト工場」で建造されます。
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1番艦「ウラジオストク」の船体後部は8月1日からプレートカットを開始し、10月1日に正式に起工されました。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]


今回の記事によると、サン-ナゼール造船所で2013年9月に進水した後、ヘリ空母「ウラジオストク」地中海沿岸のトゥーロンへ移動し、ここで完成するとの事です。
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新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは2013年に就役する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【プロジェクト「ボレイ」原子力潜水艦のトップ艦の軍備採用は翌年に延期される】
ヴィリュチュンスク(カムチャッカ地方)、10月22日-ロシア通信社ノーボスチ

「ボレイ」級戦略原子力潜水艦トップ「ユーリー・ドルゴルーキー」は2013年に軍備採用され、同プロジェクトの最初のシリーズ艦であるロケット艦「アレクサンドル・ネフスキー」は2014年に太平洋艦隊の編制へ加入する。
月曜日、ロシア連邦国防長官アナトーリー・セルジュコフ氏は記者団に語った。

以前、海軍総司令官及び国防省指導者は、「ユーリー・ドルゴルーキー」及び「ブラヴァー」ミサイルが2012年に軍備採用されると発表した。

「僕達は、ボレイ級原子力潜水艦のトップであるユーリー・ドルゴルーキーが、2013年に海軍へ軍備採用される事を期待しております。
僕が思うに、2014年、僕達は、ここ(太平洋艦隊)に、同プロジェクトの最初のシリーズ艦アレクサンドル・ネフスキーを有している事でしょう」

長官は、下院防衛委員会の会議を終えた後、こう話した。

多用途原子力潜水艦プロジェクト885(「ヤーセン」級)のトップ「セヴェロドヴィンスク」の海軍への軍備採用可能時期についての質問に答え、長官は話した。
「現在、国家受領試験が続けられております」

プロジェクト955により建造された「ユーリー・ドルゴルーキー」は、新たなシリーズの戦略ロケット艦のトップである。
第4世代原子力水中巡洋艦シリーズは、弾道ミサイル複合体「ブラヴァー」を装備し、今後10年間のロシア海洋戦略核戦力の基礎となるだろう。

「ユーリー・ドルゴルーキー」の船体の長さは170メートル、幅13.5メートル。
最大潜航深度450メートル、水中速力29ノット。

「ユーリー・ドルゴルーキー」に続き、「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」及び「クニャージ・ウラジーミル」が起工された。

原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、プロジェクト885「ヤーセン」のトップ艦として1993年に「セヴマシュ」で起工された。
同プロジェクトにより、ロシア海軍の為の8隻の最新潜水艦の建造が提供される。

「セヴェロドヴィンスク」の排水量は8600/13800トン、寸法は119×13.5×9.4メートル、速力16/31ノット、深度600メートルまでの潜航が可能である。
主要武器は、有翼ミサイル「オーニクス」及び「カリブル」、遠距離魚雷、ロケット魚雷及び機雷である。
(2012年10月22日10時45分配信)


テレビ局『ズヴェズダー』動画ニュースより
【アナトーリー·セルジュコフ:「ボレイ」プロジェクト原子力潜水艦の最初のシリーズは2014年に太平洋艦隊の編成へ加入する】


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

というわけで、セルジュコフ国防長官によると、プロジェクト955戦略原子力潜水艦のトップ(1番艦)「ユーリー・ドルゴルーキー」は2013年に軍備採用(つまりロシア海軍へ納入)されるとの事です。
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同艦は北方艦隊へ配備されます。

そして、プロジェクト955の最初のシリーズ艦(2番艦)「アレクサンドル・ネフスキー」は、2014年には太平洋艦隊に居るとの事です。
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ただ、今回のセルジュコフ国防長官の発言では、同艦の軍備採用時期(ロシア海軍への納入時期)については言及されませんでした。
「アレクサンドル・ネフスキー」工場航海試験を完了しており、これから国家受領試験を行ないます。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは工場航海試験を完了した]


2014年にボレイ級戦略原潜太平洋艦隊へ配備する件については、今年5月末にロシア海軍公式筋から発表されています。
[2014年にロシア太平洋艦隊へ新世代戦略原潜ボレイ級が配備される]
この時には、具体的な艦名は出ていませんでしたが、今回のセルジュコフ長官の発言により、それは「アレクサンドル・ネフスキー」である事が明らかにされました。

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【K-550「アレクサンドル・ネフスキー」】
2007年に太平洋艦隊から乗組員が集められたとの事です。

カムチャツカ半島の原潜基地ルイバチーでは、「ボレイ」級を配備する為の然るべきインフラ整備が行なわれます。
[カムチャツカ半島の基地設備はボレイ級戦略原潜に適していない]
[ボレイ級戦略原潜の為、カムチャツカ半島に新たな設備が建設される]

インフラの準備が整う2014年に「アレクサンドル・ネフスキー」ヴィリュチュンスク基地へ配備するという事でしょう。

2013年、ロシア太平洋艦隊の2隻の戦略原潜は同時に弾道ミサイルを発射する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【2013年、太平洋艦隊の2隻の潜水艦は同時に海洋弾道ミサイルの発射を実施できるだろう】
ペトロパブロフスク-カムチャツキー、10月22日-ロシア通信社ノーボスチ

2013年には、2隻の戦略用途潜水艦が同時に大陸間弾道戦闘ロケットの戦闘訓練発射を水中から実施可能であり、その機会は有る。
月曜日、太平洋艦隊潜水艦部隊司令官ニコライ・エフメノフ少将は、こう述べた。

「司令部及び指揮官から委託された場合、私どもは、2隻の(水中)巡洋艦から発射を実施可能です。その機会は有るでしょう」
司令官は、カムチャツカ地方ルイバチー村戦略原子力潜水艦「ポドリスク」艦内において、こう語った。

彼は、以前に太平洋艦隊の2隻の戦略原子力潜水艦の海洋弾道ミサイルの同時戦闘訓練発射が実施されたのは2006年だった事を想起させた。
その前には、1999年に行なわれた。

エフメノフ提督は、2隻の水中ロケット艦の内の1隻は「ポドリスク」になると見ている。
「私は、このポドリスクの乗組員は、2013年に大洋へ出航し、任務を遂行するに値すると思っております。
他でもない各員(乗組員)が、それを確信しています」

司令官は指摘した。
(2012年10月22日10時07分配信)


「太平洋艦隊潜水艦部隊」というのは、カムチャツカに駐留する第16潜水艦戦隊を指しています。

2012年10月19日、ロシア太平洋艦隊戦略原潜「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」は弾道ミサイルの発射を実施しました。
[ロシア太平洋艦隊の戦略原潜はオホーツク海から弾道ミサイルを発射した]

今回の記事によると、来年(2013年)には、太平洋艦隊所属の2隻の戦略原潜が同時に弾道ミサイルの発射を実施するとの事です。

現在、ロシア太平洋艦隊には、プロジェクト667BDR(デルタIII級)戦略原潜3隻が配備されており、カムチャツカ半島ヴィリュチュンスク(ルイバチー)基地に駐留しています。
当然、3隻とも稼働状態に在ります。

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【K-223「ポドリスク」】1979年11月27日就役
【K-433「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」】1980年12月15日就役
【K-44「リャザン」】1982年9月17日就役

667BDRは弾道ミサイル16基を搭載するので、3隻で合計48基の大陸間弾道ミサイルを搭載しています。

667BDRの弾道ミサイルはR-29R(SS-N-18)ですが、2006年以降は改良型のR-29RKU-2に換装されています。

記事中で名前が出てくる戦略原潜「ポドリスク」は、昨年12月に戦略パトロールを終えてヴィリュチュンスク(ルイバチー)基地へ帰港した事が公表されています。
[デルタIII級戦略原潜「ポドリスク」、戦略パトロールより帰還]

通常、戦略原潜の戦略パトロール任務については、情報公開が進んでいるロシア海軍においても公表される事は有りませんでしたが、この時には、ロシア正教会の神父が同乗していた事も有り、特別に公表されました。

新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは工場航海試験を完了した

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株式会社「生産合同セヴマシュ」公式サイトより
2012年10月19日配信
【「セヴェロドヴィンスク」はセヴェロドヴィンスクへ戻った】

工場航海試験の次の段階を成功裏に完了した後、原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」セヴェロドヴィンスクへ戻った。

「全ての課題は、完璧に実行されました」
軍事機器生産部長マラト・アビジャコフは指摘した。

この間に、ミサイル複合体や艦の様々なシステムの試験が仕上げられた。

専門技術者は、艦が最初の大きな刻み目を通過したことを強調した。
原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、全ての段階の試験において、合計で100日間海洋に滞在した。
艦長セルゲイ・ミチャーエフは、納入チーム及び乗組員に対し、この日数を祝福し、更なる成功を祈った。

この秋は、セヴマシュの潜水艦にとっては多作と言える。
最近、原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」は次の「海洋試験」を完了した。
間もなく、両方の潜水艦は国家受領試験を準備するだろう。

今日において、多用途原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、ロシア海軍で最も現代的な水中艦である。
2010年、潜水艦は、ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフ氏の立会いの下でセヴマシュの船台から進水した。


[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]

9月初頭、多用途原潜「セヴェロドヴィンスク」は4回目の工場航海試験を9月中旬に実施すると報じられました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは11月に国家受領試験を行なう]

今回の記事は、この4回目にして最後の工場航海試験が無事に終了したという事です。
「ミサイル複合体」の試験も実施されたとの事ですから、おそらくは「カリブル」の発射試験も行ったのでしょう。

有翼ミサイル「カリブル」は、対地攻撃型、対艦攻撃型、対潜攻撃型の3タイプが在ります。
対地攻撃型は亜音速で射程距離2500km。
対艦攻撃型は射程距離375km、飛翔週末段階で弾頭が分離、超音速で目標へ突進します。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

この後、「セヴェロドヴィンスク」国家受領試験を実施します。

「国家受領試験」というのは、国防省海軍の関係者から成る国家委員会の立会いの下で行なわれる航海試験です。

試験の結果、国家委員会が合格と認めれば、艦は海軍への引き渡しが可能となります。

ロシア太平洋艦隊の戦略原潜はオホーツク海から弾道ミサイルを発射した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦海軍はオホーツク海からの弾道ミサイル発射に成功した】
モスクワ、10月19日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦太平洋艦隊の原子力潜水艦は、金曜日にオホーツク海エリアからロシア北部「チジャ」射爆場へ弾道ミサイルを成功裏に発射した。
金曜日、ロシア通信社ノーボスチは、国防省・海軍の代理人より伝えられた。

「2012年10月19日、セルゲイ・ネモグシェフ1等海佐が指揮する太平洋艦隊の原子力水中ロケット艦"聖大致命者凱旋者ゲオルギィ"は、オホーツク海エリアからチジャ射爆場へ弾道ミサイルを発射しました」
代理人は話した。

彼は、時間内にミサイルの弾頭が射爆場に落着したと述べた。

ロシア連邦国防省によると、発射は水中位置から行なわれた。
その目的は、戦闘訓練プログラムによる海洋戦略核戦力の信頼性のチェックである。

「弾道ミサイル発射成功は、海洋戦略核戦力の戦闘管理システムの効率性の高水準を示しました」
ロシア軍当局の代理人は付け加えた。
彼によると、原子力水中ロケット艦からの射撃は、2012年の海軍の組織的戦闘訓練の集大成であった。

対談者は、潜水艦「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」の艦長と乗組員の行動は、熟練にして有能であると認められた事を指摘した。
(2012年10月19日14時25分配信)


『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦国防省報道サービス・情報管理部発表
2012年10月19日16時35分配信
【原子力潜水艦「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」はオホーツク海エリアから弾道ミサイル発射を実施した】

内容は上のロシア通信社ノーボスチの記事と同じです。
(というか、こちらが大元の情報源です)


現在、ロシア太平洋艦隊には、プロジェクト667BDR(デルタIII級)戦略原潜3隻が配備されており、カムチャツカ半島ヴィリュチュンスク(ルイバチー)基地に駐留しています。
当然、3隻とも稼働状態に在ります。

ヴィリュチュンスク(ルイバチー)基地
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プロジェクト667BDR(デルタIII級)戦略原潜
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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【K-223「ポドリスク」】1979年11月27日就役
【K-433「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」】1980年12月15日就役
【K-44「リャザン」】1982年9月17日就役

667BDRは弾道ミサイル16基を搭載するので、3隻で合計48基の大陸間弾道ミサイルを搭載しています。

667BDRの弾道ミサイルはR-29R(SS-N-18)ですが、2006年以降は改良型のR-29RKU-2に換装されています。
専用の輸送艦も配備されています。
[ミサイル給兵艦「ダウガヴァ」]

「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」は、2010年10月28日にもオホーツク海からチジャ射爆場へ弾道ミサイルを発射しています。

チジャ射爆場
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『Russian strategic nuclear forces』より
【R-29RM Sineva and R-29R launched successfully】

「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」は、2009年10月6日にも同様の弾道ミサイル発射を実施しました。
[太平洋艦隊のデルタIII型戦略原潜、弾道ミサイル発射]

2011年9月21日、「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」は、アヴァチャ湾漁船「ドネツ」と衝突して船体外部に軽微の損傷を受けました。
この為か、2011年には弾道ミサイルのチジャ射爆場への発射は行なわれませんでした。

複合測定艦マルシャル・クルイロフは修理を終えて艦隊に復帰した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区広報サービス発表
2012年10月19日10時16分配信
【複合測定艦「マルシャル・クルイロフ」は計画修理を終えて海洋へと去った】

イーゴリ・シャリン1等海佐が艦長を務める太平洋艦隊の軍艦「マルシャル・クルイロフ」は、直接指示された任務を遂行する為に海洋へと去った。

この艦は、特殊な検査を可能とする。
何しろ、新たなミサイル複合体機器(宇宙機器、有翼ミサイル及び弾道ミサイル、運搬ロケットなど)の試作品の飛翔-開発試験の支援任務を遂行する海軍で唯一のクラスである。
全長は200メートル以上、乗員は約350名の「マルシャル・クルイロフ」は、22ノットの速力を発揮できる。
艦上には、2機の捜索-救助ヘリコプターKa-27が在る。

2012年7月24日、同艦は25周年を迎えた。
機器を適切な状態に維持する為、同艦はウラジオストクで長期間のドック修理が行なわれ、この間にシステムを保障する全体的に複雑な作業が実施された。
その後、「マルシャル・クルイロフ」は、アムール湾での航海試験を成功裏に終えた。
今、イーゴリ・シャリンによれば、海洋で乗組員の技量水準を点検する必要が有る。

現在、プロジェクト1914.1「マルシャル・クルイロフ」は、国内の科学者及び設計者の最新の成果を示す設備を有するロシア海軍の唯一にして最も大きな艦である。


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西側ではミサイル追跡艦と呼ばれる複合測定艦「マルシャル・クルイロフ」は、「マルシャル・ネジェーリン」型(プロジェクト1914)の2番艦です。
同艦は1982年7月24日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)アドミラルティ造船所で起工され、1987年7月24日に進水し、1989年12月31日に当時のソ連邦海軍へ引き渡されました。
その後、「マルシャル・ネジェーリン」と共に太平洋艦隊へ配備されました。

「マルシャル・ネジェーリン」は1998年に除籍されましたが、「マルシャル・クルイロフ」は現役に留まりました。

最近は、ウラジオストクでオーバーホールが行なわれていました。
[複合測定艦「マルシャル・クルイロフ」近影]
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そのオーバーホールが完了し、ようやく現役に復帰しました。

ロシア海軍は2013年にアデン湾海賊対処任務を再開する

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『イタル-タス通信』より
【2013年、ロシア海軍艦船はアデン湾エリアへの航海を少なくとも3回実施する】
モスクワ、10月16日/イタル-タス

(ロシア)海軍総司令部は、海賊との戦いを継続する為、2013年のロシア艦船のアデン湾及びアフリアの角エリアにおける常時滞在計画の研究を終える。

「現在は審議中であり、10月末には、海賊活動によって影響を受ける同海域の民間船の安全保障に(ロシア)海軍の全ての艦隊の艦船が参加する提案が総司令部に承認されるでしょう」
本日(10月16日)、イタル·タスは、(ロシア)海軍の公式代理人より伝えられた。

「2013年に、海軍艦船は、海賊攻撃阻止任務の為、アデン湾及びアフリカの角エリアへ少なくとも3度の航海を実施するでしょう。
艦は、全ての艦隊から交互に同エリアへ派遣されます。
主な活動は、危険海域を通過する民間船コンボイの先導です。
航路は、アデン湾回廊からアラビア海へ抜け、そこから引き返します。
この間、西部及び東部のポイントで、民間船コンボイが形成されます」

彼は述べた。

アデン湾における海軍力使用の実務経験は、海賊対処任務を解決する為には
「遠方及び大洋ゾーンでの行動を意図し、ヘリコプター複合体を装備する艦が最も適している事が示されました」
代理人は付け加えた。

民間船を保護するロシア海軍の活動は、2009年11月30日の国際連合安全保障理事会決議1897号及び2003年9月3日のロシア連邦大統領令・第1847号に沿って行なわれている。

2008年10月以降、(ロシア)海軍アデン湾ソマリア沖においてロシアの海洋船舶航行を保護する為の任務を実施している。
1年間に、4.5回の航海が行なわれた。
海賊との戦いの全期間に渡り、ロシア戦闘艦は、民間船への損失を全く被らずに約700の船団を先導した。
(2012年10月16日16時43分配信)


[ロシア海軍のアデン湾(ソマリア沖)海賊対処活動]
[ロシア海軍のソマリア海賊対策(旧ブログ)]

ロシア海軍は、2008年10月の警備艦「ネウストラシムイ」以降、今年5月の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」まで13回に渡りアデン湾へ海賊対処部隊を派遣しています。

1:警備艦「ネウストラシムイ」
2:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」
3:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
4:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
5:大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」
6:警備艦「ネウストラシムイ」
7:大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」
8:大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」
9:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」
10:大型対潜艦「セヴェロモルスク」
11:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
12:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
13:大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」


アデン湾で行動中の大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」
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アデン湾に派遣された水上戦闘艦は、大型対潜艦「ウダロイ」型(プロジェクト1155/11551)警備艦「ネウストラシムイ」型(プロジェクト11540)です。

「ウダロイ」型は、改型の「アドミラル・チャバネンコ」も含め、太平洋艦隊及び北方艦隊に所属する稼働状態に在る艦全てが派遣されました。
太平洋艦隊「ウダロイ」型は、「マルシャル・シャーポシニコフ」を除いて2回アデン湾へ派遣されています。

バルト艦隊「ネウストラシムイ」型は、1番艦が2回派遣されていますが、2009年に就役した2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は未だ派遣されていません。

戦闘艦はバルト艦隊、太平洋艦隊、北方艦隊から派遣されていますが、この他に黒海艦隊から支援船(給油船及び救助曳船)が派遣されています。

今回の記事から推察すると、ロシア海軍部内で、今後もアデン湾海賊対処任務を続けるか否かの検討が行なわれ、結局、今後も継続する事が決定されたのでしょう。

ロシアには、ヨーロッパ方面から極東方面、或いはその逆を行き来する船舶が多数存在しており、これらの船舶はアデン湾を通過します。
ロシア海軍関連では、つい最近、新世代コルベットの上部構造物がサンクトペテルブルクからアデン湾経由で極東へ海路輸送されています。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]

これらの船舶を保護する為、即ち航路保護の為、ロシア海軍アデン湾海賊対処任務を続行しなければならないのです。
・・・・ソマリア海賊が居なくなるまでは。

2013年に派遣される水上戦闘艦も、「ウダロイ」型「ネウストラシムイ」型になるでしょう。


今回の記事によると、アデン湾海賊対処任務に適しているのは「遠方及び大洋ゾーンでの行動を意図し、ヘリコプター複合体を装備する艦」という事ですが、2014年及び2015年、ロシア海軍には、この条件に最も適している艦が就役する予定です。

それはヘリコプター空母「ウラジオストク」型(ロシア海軍向けの「ミストラル」級)です。

因みに、フランス海軍「ミストラル」型は、アデン湾海賊対処任務に参加した事が有ります。

この他、黒海艦隊向けにフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」型(プロジェクト11356M)が建造中であり、1番艦は2014年就役予定です。

プロジェクト11356Mは、アデン湾海賊対処任務などに使用する事が想定されています。

艦載ヘリコプターKa-27Mの試験は北方艦隊で行なわれている

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【近代化されたヘリコプターKa-27Mは北方艦隊で試験に入っている】
モスクワ、10月15日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊で行動中の近代化された艦上配置対潜ヘリコプターKa-27Mの試験において、大型対潜艦への着艦が行なわれた。
月曜日、西方軍管区北方艦隊の情報供給・広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は、記者団に伝えた。

艦上配置対潜ヘリコプターKa-27Mの試験の次なる段階は、北方艦隊の戦闘訓練場海域で行なわれる。

「近代化されたヘリコプターは、航行中の北方艦隊の大型対潜艦のヘリコプター発着場への着艦を試みました。
更に、主要システム及びコンポーネントの動作が点検されました」

セルガ氏は話した。

彼は、以前に「停止した」大型対潜艦のヘリコプター発着場へ最初の着艦を行なっている事を指摘した。
この時、艦はコラ湾の停泊場に居た。

士官によると、試験プログラムでは、潜水艦の捜索・追跡の為の新たな機上複合体、更には、水中、水上、空中偵察用電波位置特定機のテストが行われる。

セルガは、近代化されたKa-27Mは、高い戦闘能力を有する事を付け加えた。
「新たな機体は、最新の機上機器が設置されているだけでは無く、改良された特殊用途機器を有しております」
彼は説明した。

更に、Ka-27Mは、増加した半径の円形電波捜索を行ない、10以上の目標を同時に探知し、その正確な位置を突き止める事が可能な新たな電波位置特定ステーションが装備されている。

「私共は、近代化において、艦上ヘリコプターの就役期間を、更に10~15年延長します」
北方艦隊の代理人は総括した。
(2012年10月15日11時53分配信)


ロシア海軍の現用艦載ヘリコプターKa-27の近代化型Ka-27Mは、今年5月に第一次発注が行なわれると発表されました。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]

【Ka-27M試作機(0909号機)】

今回の記事によると、Ka-27M(おそらくは0909号機)は、航行中の北方艦隊所属の大型対潜艦の後部ヘリ甲板へ着艦したとの事です。

大型対潜艦の艦名までは明らかにされていませんが、おそらくは「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」「アドミラル・チャバネンコ」辺りでしょう。

ロシア海軍、Ka-62艦載型を採用?

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『イズべスチア』より
2012年10月12日13時50分配信
【海軍は2年後にKa-62を受領する】

海軍総司令部は、新たな艦上ヘリコプターの為の条件を策定する。

ロシア海軍は、ヘリコプターKa-62「カサートカ」の海洋バージョンを2014年に軍備として採用する。
海軍総司令部が『イズべスチア』に伝えた所によると、新たな機体の戦術-技術的要件は、今年末までに準備が整う。

ヘリコプターは、小型艦、特にプロジェクト20380コルベット(排水量2500トン)へ配置されるだろう。
コルベットに標準的な艦載機Ka-27を配置する事は、非常に労力を伴う。

海軍総司令部の情報提供者は、Ka-27が大きな格納庫を必要とすると述べた。

「それ(Ka-27)は2本のローターを有し、重量は12トンもあり、全高は5メートル以上です。
排水量3000トン未満の艦に大型の格納庫では、耐航性及び安定性が悪化します。
風力5では、艦が容易く転覆するかもしれません」

彼は説明した。

彼によれば、この問題は、全てのプロジェクト20380コルベット「ステレグーシチー」、「ボイキー」、「ソーブラジテルヌイ」~に共通している。
これら(コルベット)は、格納庫が艦の上部構造物の50パーセントを占めている。
しかし、だからと言ってヘリコプターを載せないわけには行かない。
それ(ヘリコプター)は潜水艦と効果的に戦う事が出来る故に。

「コルベット及び警備艦は、軽量ヘリコプターを必要とします。
フランスの"ステルス"フリゲート"ラファイエット"には、軽量なAS565パンテルが装備されています。
それは全高わずか4メートルで、重量は4トン強です。
フランスは設計段階で理解しておりました。
重いヘリコプター格納庫は、艦を不安定にする事を」

海軍総司令部の士官は続けて述べた。

更に彼は、全てのヘリコプター格納庫に最適なロシア製ヘリコプターはKa-62のみであると説明した。
それ(Ka-62)はKa-27よりも半分軽い6トンの重量であり、ローターは1.5メートルである。
「カサートカ」の広い胴体は、降下式水中音波探知機を含む対潜装備に簡単にフィットする。

戦術-技術的要件は、来年初頭までに海軍から「カモフ」社へ提示されるだろう。
株式会社「カモフ」は、自社主導でKa-62の艦上ヴァージョンの開発に着手したと述べた。

「それは、折り畳み式の回転翼と尾部を有します。搭載機器は未定です。
対潜戦闘の為の装置が必要な場合、例えば、水中音響ステーション、降下式水中音波探知機、対潜魚雷が真剣に力を尽くさなければならないでしょう。
しかし、何一つ不可能な事などありません」

同社の代理人は『イズベスチヤ』に話した。

製造者の予定によれば、Ka-62の艦上バージョンの初飛行は2013年に行なわれ、次の年には量産機の生産に入る。
しかし、対潜型Ka-62の作成について、海軍の飛行士は疑問を持っている。
その内の一人が『イズベスチヤ』に話した所によると、このヘリコプターは潜水艦と戦うには小さ過ぎる。

「フランスの海軍版"パンテル"は、多用途機ではありません。
攻撃型か、救助型のどちらかを選択する必要があります。
最初のケースでは、 "パンテル"は、2基のロケット発射装置、機関銃、降下要員を運びます。
救助型はウインチを装備し、それは負傷者を収容する為の快適なサロンを有しております」

士官は語った。

彼はフランス製ヘリコプターの対潜ヴァージョンは、水中音響ステーションと降下式水中音波探知機を同時に機体に装備できないと述べた。
何故なら、外部懸垂魚雷を搭載しなければならないからだ。
従って、そのような変更は行なわれない。
対談者は『イズベスチヤ』に、「カサートカ」が全ての対潜装備を収容できるか否かについて疑問を呈し、更なる問題として、救助型の為の強力なウインチを付ける箇所も無いと述べた。


記事中に登場するヘリコプターの寸法と重量

Ka-62「カサートカ」
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主回転翼直径:13.5m
全長:13.25m
全高:4.1m
自重量:3730kg
最大離陸重量:6250kg

Ka-27
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主回転翼直径:15.90m
全長:12.25 m
全高:5.40 m
自重量:6100㎏
最大離陸重量:12000kg

AS565「パンテル」
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主回転翼直径:11.94m
全長:13.68m
全高:3.97m
自重量:2380kg
最大離陸重量:4300kg


現在、ロシア海軍プロジェクト20380コルベット「ステレグーシチー」型にはKa-27が搭載されていますが、今回の記事によると、Ka-27は、「ステレグーシチー」型には大き過ぎるとの事です。

そこで、コルベット搭載用として、より小型のKa-62「カサートカ」の艦載ヴァージョンが開発される事になったようです。

しかし、その小型さ故に、Ka-62「カサートカ」艦載型の開発に疑問を持つロシア海軍航空隊のパイロットも居るようです。

今回の記事でも、ロシア海軍総司令部の士官とロシア海軍航空隊のパイロットでは、認識に差がある事が伺えます。

ロシア黒海艦隊の水陸両用機Be-12墜落

2012年10月12日、ウクライナカーチャ(Kacha)飛行場でロシア黒海艦隊所属の水陸両用機ベリエフBe-12「チャイカ」が墜落しました。
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『イタル-タス通信』より
2012年12月10日20時48分配信
【ロシア連邦黒海艦隊の航空機がウクライナで墜落した】
モスクワ、10月12日/イタル-タス

本日(10月12日)モスクワ時間18時40分、計画飛行を実施していた黒海艦隊海洋航空隊の航空機Be-12は、着陸を実行する際に事故で破壊された。
イタル-タスは、ロシア連邦国防省の広報サービス・情報管理部に確認を取った。
これは、セヴァストーポリから北西50kmに在るカーチャ飛行場で発生した。

「機長、副操縦士、航法士が死亡しました。航空機の通信士は軽度の負傷であり、黒海艦隊の軍病院に運ばれ、治療を受けています」
管理部は発表した。

水陸両用機には、4名の乗員のみが乗っていた。
Be-12は、弾薬を搭載せずに飛行していた。
ロシア軍の航空機Be-12は、兵器を搭載した飛行を停止していた。

航空機の墜落という出来事は刑事事件として告発される。
イタル-タスは、ロシア連邦総合軍調査管理部調査委員会の広報サービスから伝えられた。

「刑事事件は、ロシア連邦刑法第351条・飛行及び訓練規則違反により告発されます」
総合軍調査管理部は発表した。

事故の結果、3名の乗員が死亡し、4人目の飛行士は入院した事が確認された。

調査では、航空機の飛行を準備していた技術スタッフ、更には、飛行指揮官への取り調べが実施される。
刑事事件の調査業務を援助する為、南方軍管区のロシア連邦調査委員会の軍調査管理部の法医学調査官が事故現場へ向かっている。


2012年10月13日17時24分配信
【水陸両用機Be-12が事故で破壊された原因は、予備データによると左側エンジンの故障である】
モスクワ、10月13日/イタル-タス

予備データによると、ロシア黒海艦隊対潜水陸両用機Be-12の事故原因は、左側ターボプロップエンジンの故障である。
イタル-タスは、ロシアの治安組織の情報提供者の談話を引用した。

「Be-12の機長は、セヴァストーポリ近郊のカーチャ飛行場への着陸を実施する前に低高度まで下がり、飛行指揮官へ第2飛行過程へ入ると報告しました。
航空機が上がる時、突然、左側エンジンが故障により停止し、同機は左に旋回し、落下し始めました。
Be-12は、滑走路の近くで跳ね、落下し、ひっくり返って炎上しました。
キャビンには、3名の乗員-機長、航法士、副操縦士が居ましたが、その場で即死しました」

対談者は話した。

彼は、航空機が地上で破壊された際、機体尾部は切り離され、そこに居た機銃手兼通信士は生存している事を指摘した。
「彼は、擦り傷、切り傷、打ち身だけであり、骨折していませんが、事故後の最初の数時間、彼はショックを受けていました。
羊膜から生まれて来る時のように」

情報提供者は話した。

彼によると、現在、カーチャ飛行場でのBe-12の事故の原因や状況を明らかにする為の作業には、モスクワから駆け付けた国防省航空飛行安全保障部委員会が加わっている。
(以下は先の記事からの使い回しの文章の為、省略)


水陸両用機ベリエフBe-12「チャイカ」は、1959年から1973年に掛けて合計143機が製造され、太平洋艦隊、北方艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊海軍航空隊に配備されました。

現在では、ロシア黒海艦隊海軍航空隊ウクライナ海軍航空隊が少数機を運用しています。

ロシア黒海艦隊Be-12は、セヴァストーポリの北にあるカーチャ飛行場に駐留しています。
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【ベリエフBe-12全機リスト】
今回、墜落事故を起こしたのは1973年3月29日に製造されたRF-12008号機との事です。
既に製造から39年が経っています。

【RF-12008号機】
乗員はルスラン・ワシリーエフ、ドミトリー・タラソフ、マクシム・ポドネべソフ、ドミトリー・ミハイロフの4名であり、この内、ミハイロフ氏だけが生き残りました。

これで、ロシア海軍の稼働状態に在るBe-12は5機だけになりました。

その5機のBe-12は、今回の墜落事故の原因が解明されるまで飛行活動を停止します。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年10月12日21時06分配信
【クリミア半島における緊急事態の原因が解明されるまでBe-12型航空機の飛行は停止される】

新世代コルベット「ボイキー」は工場航海試験を開始した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍西方軍管区広報サービス発表
2012年10月10日15時12分配信
【コルベット「ボイキー」は航海試験へ入った】

株式会社「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されたバルト艦隊の為の最新コルベット、プロジェクト20380「ボイキー」は、海洋演習場で工場航海試験へ入った。

セルゲイ・リプスキー2等海佐が指揮する同艦の乗組員は、同社の代表と共同で艦のシステム及び機器の海洋における動作状態を点検する。
具体的には、動力装置、操舵設備、補助機器、通信及び航海装置、揚錨設備が点検される。
艦の速力、機動性及び振動試験が行なわれる。

工場航海試験は、どのような艦においても建造過程を完了する為に必要不可欠な段階の一つであり、仕様書及び設計図で認可された航海条件下におけるシステム及び機器の適合、説明書に記載された機器の操作が点検される。

工場航海試験は12月末に完了する。
2013年初頭、艦の乗組員は国家受領試験を開始する。

[参照]
プロジェクト20380コルベット「ボイキー」の進水は2011年4月15日に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で行なわれた。
警備艦「ボイキー」株式会社「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」造船台で2005年7月に起工された。
同シリーズのトップ艦「ステレグーシチー」は2007年にバルト艦隊へ引き渡された。
同プロジェクトの2隻目のコルベット「ソーブラジテルヌイ」は2011年10月14日にバルト艦隊へ引き渡された。

同プロジェクトのコルベットは、株式会社「中央海洋工学設計局アルマーズ」によって開発された。

プロジェクト20380艦は、近海ゾーンにおいて水上艦及び潜水艦を相手に戦い、海洋上陸作戦において砲撃支援を行なう事を意図している。
艦の建造には「ステルス」技術が用いられ、更に、艦の物理的範囲を減少させる独自の解決法が適用されている。
特に、艦のレーダー視認性は減少し、上部構造物の材料には難燃性で電波を吸収するガラス繊維強化プラスチックが使われおり、更に船体上部は特殊な建造方式となっている。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

プロジェクト20380コルベット3番艦「ボイキー」は、2005年5月27日にサンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工され、2011年4月15日に進水しました。

2012年9月25日、サンクトペテルブルクを出港し、クロンシュタットへ向かいました。
艦首のA-190 100mm単装砲は未搭載のままでした。
[ロシア海軍最新コルベット「ボイキー」海上試験開始]

工場航海試験を開始した「ボイキー」の写真は公表されていませんが、おそらくは、サンクトペテルブルク出港時と同じ状態(艦首100mm砲未搭載)でしょう。
上記の『ロシア国防省公式サイト』西方軍管区広報サービス発表では、進水時の「ボイキー」の写真が掲載されています。

今回の発表によると、「ボイキー」は今年(2012年)末までに工場航海試験を完了させ、来年(2013年)初頭から国家受領試験を行なうとの事です。
当然、ロシア海軍への引き渡しは、その後になります。

新型コルベット「ボイキー」の就役は、早くて2013年春頃でしょうか。

新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の大型の非金属構造物の輸送は完了した】
2012年10月11日

サンクト-ペテルブルクからコムソモリスク-ナ-アムーレへのコルベットの大型非金属上部構造物の輸送は完了した。

輸送ルートは、バルト造船工場桟橋からスエズ運河を通過した。
「アラエド」船上の貨物はアデン湾を通過する際、同海域において民間船へ深刻な脅威を与えている海賊攻撃のケースを考慮し、武装兵の保護を受けた。

幸いにも、船は何事もなく13079海里を走破し、構造物はワニノ港へ陸揚げされ、特別に設計された艀場へ積み替えられた。

最終段階において、アムール河汽船会社管理部の後押し船「マルシャル・ブリュッヘル」は、現在、ロシア海軍太平洋艦隊の為の新たなプロジェクト20380シリーズ艦-コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の最初の船体が建造されているアムール造船工場桟橋へ積み荷を届けた。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

プロジェクト20380コルベット「ステレグーシチー」型太平洋艦隊向け1番艦となる「ソヴェルシェンヌイ」は、コムソモリスク-ナ-アムーレアムール造船工場で2006年6月30日に起工されました。
現在のところは2013年の就役が予定されています。

その「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物は、アムール造船工場では無く、サンクト-ペテルブルクで製造されました。
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この上部構造物を貨物船に載せ、ヨーロッパ方面から極東方面まで輸送したという事です。
その途中では、ソマリア海賊が出没するアデン湾を通過しました。
この為、貨物船には武装兵が乗り込んでいたようです。

貨物船はワニノで上部構造物を陸揚げし、艀に載せられ、後押し船「マルシャル・ブリュッヘル」によりコムソモリスク-ナ-アムーレ市アムール造船工場まで運ばれました。
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後押し船「マルシャル・ブリュッヘル」
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新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は11月末に航海試験を実施しない

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10月5日、『イズべスチア』は、ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」が11月末にバレンツ海で航海試験を開始すると報じました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は11月末に航海試験を行なう]

しかし、ロシア造船業の総元締めである「統合造船業営団」の関係者は、これを否定しました。


『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月にバレンツ海で試験を行なわない】
2012年10月9日

プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月末にバレンツ海で試験を行なわない。
『イズべスチア』が引用した海軍総司令部の情報提供者の話は、虚偽の情報である。

更に、フリゲート上部構造物の「外部」は、複合材料で作られておらず、それは、電波吸収コーティングのみが使用されている。
これは、『中央海軍ポータル』特派員が「統合造船業営団」職員から伝えられた事である。

「イズべスチア紙の記者は、これまでにも、海軍の情報提供者とやらに何度も振り回されてきました」
「統合造船業営団」の責任ある職員は、『中央海軍ポータル』に語った。

「フリゲートの建造は順調に進んでおりますが、11月末にバレンツ海で航海試験を行なえるような準備は出来ておりません。
同艦の最初の試験は、フィンランド湾で行なわれます・・・言わば、建造場所で。
11月には、艦の係留試験が開始されるかもしれませんが、海洋への最初の出航は、2013年になるでしょうね」

対談者は、『中央海軍ポータル』に対し、こう付け加えた。

フリゲートのトップ艦の初期試験と係留試験は、今年秋に実施されると遠海ゾーン艦プロジェクト22350の設計局総取締役-株式会社「北方計画設計局」ウラジーミル・イリイチ・スピリドプロは以前に述べた。

対談者は、更に『中央海軍ポータル』に対し、新聞(イズべスチア)は、フリゲートと同じく「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されているプロジェクト20380「ステレグーシチー」型と混同している可能性が高い事を指摘した。
双方とも上部構造物は、完全に多層複合材料で作られており、単なるカーボンプラスチックでは無い。
フリゲートの上部構造物は鋼鉄であり、電波位置特定範囲(レーダー反射面積)を減少させる電波吸収材料で覆われた特別な設計となっている。

『イズべスチア』の公開記事には、更なる「失策」が幾つかあり、例えば、複合体「ポリメント-リドゥート」などというものは無く、「ポリメント」である。

「総合的に見て、この新聞記事の情報及び信憑性は良いとは言えませんね」
情報提供者は『中央海軍ポータル』に対し、こう付け加えた。


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[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

「統合造船業営団の責任ある職員」というのは、要するに管理職という事です。

『イズべスチア』の記事では、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の上部構造物はカーボンプラスチック製であると書かれていましたが、これも否定されました。
実際にはフリゲートの上部構造物は鋼鉄製であり、その上に電波吸収コーティングが施されているようです。

更に、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350)の高射ミサイル複合体の名称は「ポリメント-リドゥート」ではなく、「ポリメント」であるとの事です。

「ポリメント-リドゥート」という名称は、ロシアの主要メディアでも使われています。
[新世代艦載防空複合体ポリメント-リドゥートの試験は2012年末までに完了する]

今回の記事によると、「アドミラル・ゴルシコフ」の最初の航海試験は、2013年にフィンランド湾で実施されるとの事です。
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インドは空母ヴィクラマーディティヤ引渡し延期の違約金を請求しない

『ロシア通信社ノーボスチ』より
【インドは航空母艦に関する違約金の問題を提起しなかった-国防省】
ニューデリー、10月10日-ロシア通信社ノーボスチ

軍事技術協力に関する政府間委員会の会議において、インドへの航空母艦「アドミラル・ゴルシコフ」引渡し延期に関するロシアの違約金の支払い問題はインド側からは提起されなかった。
水曜日、ロシア国防省報道秘書官イリーナ・コヴァリチクは記者団に伝えた。

前日、インドの『エコノミック・タイムズ』紙は、ニューデリー航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)引き渡し遅延に関し、モスクワの約1億ドルの違約金の支払いを必要とするかもしれないと報じた。
以前、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」のインド側への引き渡し式典は、2012年12月4日に予定されていた。
しかし、9月に、艦の次の段階の試験に関し、主要動力装置の蒸気ボイラーが最大出力を発揮できなかった事を含む幾つかの問題点が明らかにされた。

「インド側からは、出来るだけ速やかに艦の必要な全ての作業を完了し、インド海軍へ引き渡す事が要望されました」
コヴァリチクは話した。
(2012年10月10日15時15分配信)


[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]

[インドは空母ヴィクラマーディティヤ納入遅延に関し、ロシアへ違約金を科すかもしれない]

というわけで、空母ヴィクラマーディティヤ引渡し延期に関する違約金の情報はデマである事が確定しました。

ロシア連邦国防省報道秘書官イリーナ・セルゲーヴナ・コヴァリチク中佐
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空母ヴィクラマーディティヤは2013年10-12月にインドへ引き渡される

インドを訪問中のロシア連邦国防長官アナトーリー・セルジュコフはインド国防相と会談し、空母「ヴィクラマーディティヤ」の引渡し延期についても話し合われました。
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『イタル-タス通信』より
【「アドミラル・ゴルシコフ」は2013年の第4クォーターにインド海軍へ引き渡される】
ニューデリー、10月10日(アルムス-タス)

航空母艦「アドミラル・ゴルシコフ」は、2013年の第4クォーターにインド海軍へ引き渡される。
本日、軍事技術協力に関するインド-ロシア政府間委員会の第12回会議においてロシア連邦国防長官アナトーリー・セルジュコフは述べた。

「航空母艦アドミラル・ゴルシコフは、主要な試験の殆どを実施しました。
同艦の航空技術機器の試験は、ほぼ完璧に実施され、艦上航空機およびヘリコプターは数十回の発艦及び着艦を行ないました」

イタル-タスセルジュコフ氏の発言を引用した。

「ですが・・・」彼は認めた。
「試験中にボイラーの動作に問題が在る事が明らかにされました」

「それは予定されています」国防長官は話した。
「2013年夏、セヴェロドヴィンスクのセヴマシュでは、これらの問題点に対処する試験の為に海洋へと出航し、これらを完了した後、2013年の第クォーターにインド海軍へ同艦を引き渡します」

インド国防長官アラッカラパランビル・クリアン・アントニーは、次に、こう述べた。
「双方にとっての最重要課題は、航空巡洋艦アドミラル・ゴルシコフのロシアからインドへの速やかなる引き渡しであります」

「この問題は、政府間委員会の会合において、非公開形式の協議で議論されました。
私共は、当方の懸念が艦の引き渡しの遅延であると御伝えしました。
私共は申し上げます。
艦の作業及び試験に関連した全ての組織の仕事は不屈であり、全ての試験を速やかに完了させる事が出来るでしょう」

インド国防長官は話した。
(2012年10月10日12時09分配信)


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年10月10日11時48分配信
【ロシア連邦は2013年の第4クォーターにインドへ航空母艦を引き渡す予定である】

内容は同じです。


[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]

原文記事のタイトルにもある「第4クォーター」とは、10~12月を指しています。
つまり、空母「ヴィクラマーディティヤ」を2013年10~12月にインドへ引き渡すという事です。

空母「ヴィクラマーディティヤ」(旧ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)は、今年12月にインドへ引き渡される予定だったのですが、今年7月の航海試験中にボイラーが損傷し、引き渡し時期が延期される事になりました。
[空母ヴィクラマーディティヤ、引渡し延期?]
[空母ヴィクラマーディティヤは23ノットでセヴェロドヴィンスクへ向かっている]
[空母ヴィクラマーディティヤに使われている外国製品に問題が生じた]
[中国はロシアへの耐火レンガ輸出を否定した]
[空母ヴィクラマーディティヤの修理には3ヶ月以上掛からない]

この件に関し、インドのメディアは、インドがロシアへ違約金の支払いを求めるかもしれないと報じましたが、現実には、その可能性は無いようです。
[インドは空母ヴィクラマーディティヤ納入遅延に関し、ロシアへ違約金を科すかもしれない]

なお、今回のイタル-タス通信の記事ですが、どういうわけか「ヴィクラマーディティヤ」という名称は一切使われず、旧名の「アドミラル・ゴルシコフ」が一貫して使われています。
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重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」は、2004年3月5日にロシア海軍旗を降納し、同日付でインド海軍の航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」と改名されているのですが。
[「アドミラル・ゴルシコフ」海軍旗返納・その1]
[「アドミラル・ゴルシコフ」海軍旗返納・その2]
[「アドミラル・ゴルシコフ」海軍旗返納・その3]
[「アドミラル・ゴルシコフ」海軍旗返納・その4]

インドは空母ヴィクラマーディティヤ納入遅延に関し、ロシアへ違約金を科すかもしれない

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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【インドは「ヴィクラマーディティヤ」遅延に関し、ロシア連邦に違約金を科す必要が有るかもしれない-メディア】
ニューデリー、10月9日-ロシア通信社ノーボスチ、エフゲニー・パホーモフ

インドは、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)引き渡し遅延に関し、ロシアの約1億ドルの違約金の支払いを必要とするかもしれない。
火曜日、インドの新聞『エコノミック・タイムズ』は報じた。

以前、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」のインド側への引き渡し式典は、2012年12月4日に予定されていた。
しかし、9月に、艦の次の段階の試験に関し、主要動力装置の蒸気ボイラーが最大出力を発揮できなかった事を含む幾つかの問題点が明らかにされた。

「我々は、艦の遅延に関し、違約金を科す事が出来ます」
同紙は、インド国防省の匿名の代理人の談話を引用した。

情報提供者によると、インドは、航空母艦の遅延の為、同艦の総費用の約5パーセントに当たる6億インドルピー(約1億1500万ドル)の違約金を科す必要があるかもしれない。

しかし、インド防衛産業企業体に近い情報提供者がロシア通信社ノーボスチに述べたように、ニューデリーが制裁を科す決定を下す事は有りそうにない。
「それは、軍事技術協力分野における両国関係の発展に悪影響を及ぼす恐れがある為です」
対談者は、フランスインドへの6隻の潜水艦「スコルペネ」の引き渡しを既に3年以上遅らせているが、この件に関し、インドが制裁を科す問題は持ち上がっていない事を想起させた。

軍事技術協力分野における最大の輸出契約である近代化された重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」インド海軍への売却は、ロシアにより2004年に調印された。
ロシア連邦は、7億5000ドルで同艦の近代化を行ない、同じ額でインド海軍へ航空隊を引き渡す事になっていた。

元々は2008年に顧客へ艦を納入する計画だったが、作業量の増加に起因して何度も延期された。
2004年に締結された契約に付加された新規の契約額は23億ドルである。
同艦には、戦闘機MiG-29KヘリコプターKa-27及びKa-31が配備される。

現在までに航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」は、ロシアの造船企業「セヴマシュ」において大規模な改造が行なわれた。
艦は、飛行甲板並びにMiG-29K離艦の為のトランポリン台、最新の機器が装備されており、航空母艦の船体には、長さ約2キロメートルの新たなケーブル線路が敷設された。
艦は、新たな航海及び電波位置特定システム、通信複合体及び航空管制複合体を受け取った。
(2012年10月9日11時34分配信)


[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]

今年12月に就役する筈だったインド空母「ヴィクラマーディティヤ」(旧ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)ですが、試験中にボイラーが損傷し、引き渡し時期が延期されます。
[空母ヴィクラマーディティヤ、引渡し延期?]
[空母ヴィクラマーディティヤは23ノットでセヴェロドヴィンスクへ向かっている]
[空母ヴィクラマーディティヤに使われている外国製品に問題が生じた]
[中国はロシアへの耐火レンガ輸出を否定した]
[空母ヴィクラマーディティヤの修理には3ヶ月以上掛からない]


この件に関し、インドのメディアは、インドがロシアへ違約金の支払いを求めるかもしれないと報じましたが、今回の記事によると、現実には、その可能性は無いようです。

ロシアとインドの軍事技術協力は、空母「ヴィクラマーディティヤ」だけでは無く、他にも、超音速巡航ミサイル「ブラーモス」の共同開発、原子力潜水艦「ネルパ」のインドへの10年間リース、第5世代戦闘機の開発、フリゲート「タルワー」級の建造、T-90S戦車の導入とライセンス生産など、多方面に及んでおります。

空母「ヴィクラマーディティヤ」の件で、これらに悪影響を及ぼす事は避けたいというのがインド側の意向のようです。

新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は11月末に航海試験を行なう

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『イズべスチア』より
2012年10月5日10時03分配信
【ロシア海軍はカーボンプラスチックのフリゲートを得る】

「ステルス」技術で作られた「見えない」艦は、今年11月に試験を行なうだろう。

海軍で最初の大型カーボンプラスチック製軍艦は、11月末までにバレンツ海で航海試験を行なうだろう。
このフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、プロジェクト22350のトップ艦である。
海軍総司令部の情報提供者が『イズべスチア』に伝えた所によると、同艦は試験後、北方艦隊第14対潜艦旅団へ加入する。

「ステルス」技術で建造されたフリゲートは、全ての外部上部構造物が電波を吸収あるいは部分的に透過する複合材料で作られており、レーダーからの不可視を提供する。

「これは、1987年以来、サンクトペテルブルクのセーヴェルナヤ・ヴェルフィなどの国内施設で完全に設計、建造された大型艦です。
"見えない"フリゲートのプロジェクト22350は、NATOが"ウダロイ"と呼んでいる大型対潜艦を代替します」

海軍総司令部の士官は話した。

同艦についての意見は分かれた。
海軍士官は、カーボンプラスチック艦は、鋼鉄艦と比べ、その弱点は適用されず、そして、何処でも強風が吹き、低温及び頻繁に嵐が吹くという北方の気候条件下において上部構造物が崩れないというのは疑わしいと言う。
加えて、対艦ミサイル及び高射ミサイルを発射する際、上部構造物は高熱に晒される。

これとは逆に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、物理的数値により、カーボンプラスチックが鋼鉄よりも優れていると見ている。
彼らが『イズべスチア』に説明したように、試験が実施され、上部構造物には個々の要素が追加され、高い強度と高温に対する耐久性を示した。

「ゴルシコフ」は、単に上部構造物が「ステルス」であるというだけではなく、最新のディーゼル-ガスタービン動力装置を有する艦として初めて受領される。
それは経済的であり、最高の加速性能を提供する。
このフリゲートは、現用の艦には無い最新のエレクトロニクスを数多く有している。
これは、強みであると共に弱点でもある。専門要員が準備されていないが故に。

海軍総司令部の代理人及び北方艦隊の士官は、編成された乗組員団が、陸上では不可能であるが為、継続的な訓練を受けていないと言った。

(ロシア連邦議会)下院国防委員会委員長で元黒海艦隊司令官のウラジーミル・コモエドフは、複合材料には心配が無い事を提議した。
「最近、僕は宇宙ロケット用ノズルのカーボンプラスチックを製造している工場を見てきました。
それは、高温および激しい振動下においても保持されています。
カーボンプラスチックは、不可視性を提供します。そう、艦が必要とするものを。
海軍の編制への新たな軍艦旗の加入は、如何なる場合でも、良い知らせです」

彼は『イズべスチア』代理人に話した。

『ヴィズリェート』編集長ウラジーミル・シチェルバコフは、航海操作や戦闘において、カーボンプラスチックがどういう状態になるのかは、現時点では明確ではないと述べた。
「複合材料は、今では、何処でも使用されています。
艦の個々の部品は、全て理論的な計算に基づく地上試験を実施しております。
1980年代には、アルミニウムが使用されておりました。ですがフォークランド戦争では、アルミニウム艦が熱に弱いことが示されました。
そして、これ以降、アルミの上部構造物は、多くの海軍から廃れていきました」

彼は話した。

軍事史家ドミトリー・ボルテンコフは、他の疑問を呈した。
「海軍の為に多くの功績を持つセルゲイ・ゴルシコフ提督の名前を使うだけの価値があるのでしょうか?
排水量が4500トンしかないフリゲートに。
以前、彼の名前は、45000トンの航空巡洋艦(現在はインドの「ヴィクラマーディティヤ」)に付けられておりました。
"アドミラル・ゴルシコフ"は、潜水艦プロジェクト"ボレイ"に命名されるべきでしょう」


「見えない」フリゲートは、 2006年2月、 「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工され、2010年10月に進水した。
同艦は、1基の130mm砲塔、16基の対艦ミサイル「オーニクス」或いは16基の対潜ミサイル「カリブル-NKE」を装備する。
空中攻撃からの保護の為に高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を有し、潜水艦に対処する為、ヘリコプターKa-27を有する。


[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

記事中でも触れられていますが、「アドミラル・ゴルシコフ」には、各種の新開発の艦載兵器が搭載されます。
[新世代の艦対空ミサイルシステム3K96「リドゥート」]
[汎用ミサイル垂直発射機3R-14UKSK]
[A-192-5P-10 130mm砲]
[新型CIWS「パラシ」]

「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲート(プロジェクト22350大型警備艦)は、ガスタービン1基とディーゼル1基で構成される「ガスタービン・ディーゼルユニットDGTA55MR」を2組搭載しています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]


ロシア連邦「2011-2020年の国家軍備プログラム」によると、「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートは2020年までに8隻が調達される計画です。
[2011-2020年のロシア兵器プログラムにおけるロシア海軍の艦艇調達数]


今回の記事によると、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、北方艦隊第14対潜艦旅団に編入されるようです。

第14対潜艦旅団は、北方艦隊所属の大型対潜艦「ウダロイ」型の部隊です。

ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ(1981年就役)
セヴェロモルスク(1987年就役)
アドミラル・レフチェンコ(1988年就役)
アドミラル・ハルラモフ(1989年就役)
アドミラル・チャバネンコ(1999年就役)


この内、「アドミラル・ハルラモフ」は予備役となっており、数年前から動いていません。
同艦はオーバーホール時期に差し掛かっているのですが、その為の予算が付かず、セヴェロモルスク基地に係留されたままとなっております。

新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」が就役したら、大型対潜艦「アドミラル・ハルラモフ」が除籍されるかもしれません。
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ロシア海軍はヘリ空母ウラジオストク型の為のスぺツナズ大隊を設立する

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【(ロシア)海軍は「ミストラル」の為の特殊任務大隊を創設する】
2012年10月4日

2013年、(ロシア)国防省は、ヘリコプター揚陸ドック艦「ミストラル」への配置を意図した新たな海軍歩兵大隊を形成する。
海軍総司令部の情報提供者が『イズべスチア』に説明したように、新たな大隊の基礎定員は、アメリカの経験から得たものである。

「海軍歩兵大隊は3個中隊で編成される見通しであり、迫撃砲中隊、偵察隊、対戦車小隊及び高射小隊、更には、兵站部隊を有しているでしょう」
対談者は『イズべスチア』に話した。

彼によると、大隊の1番目の中隊の任務は、ヘリコプターからの降下となるだろう。
小隊は、軽火器、機関銃、擲弾銃を装備する。
加えて、降下するに当たり、戦闘員は迫撃砲、対戦車ミサイル及び高射ミサイルで増強される。

2番目の中隊は、沿岸へ浮揚装甲車~「クルガンツェフ-25」或いはBMP-3Fで上陸する事になるだろう。

「車両は、十分な広さを有していなければならず、大量の弾薬を有して水上を進み、良好な浮力を有していなければなりません。
例えば、アメリカの水陸両用車AAVP-7のような」

対談者は『イズべスチア』に説明した。

3番目の中隊は、「ゾディアック」型モーターボートで上陸するだろう。
この他「モーターボート上の海軍歩兵」は、不審な艦船を臨検し、更には、海賊艇を逮捕及び破壊する。
この3番目の小隊の将兵は、海軍特殊任務部隊(スぺツナズ)プログラムにより準備される。

(ロシア)海軍総司令部は、海軍歩兵の3個旅団及び2個連隊から「ミストラル」への1個大隊の創設を計画している。

軍事史家ドミトリー・ボルテンコ氏によると、このような大隊は、「ミストラル」の可能性を全て完全に現実化する。

「ソヴィエト時代、部隊は上陸の為に様々な艦を選択できました。
彼らは戦闘訓練において秩序立った追加業務をこなしておりました。
現在、構成員は同様に上陸の準備を整えており、艦の特殊性を知り、更にはパラシュート降下訓練を受け、確かな技能を有しております」

ボルテンコ氏は『イズべスチア』に語った。

彼によると、「ミストラル」の新たな大隊は、世界規模の戦争や地域紛争で使用される。
また、フランス製ヘリコプター空母は、海賊との戦い、交戦国での救助活動やロシア人の避難に使用出来る。

「ミストラル」汎用ヘリコプター揚陸艦は、フランス海軍の軍備として存在している。
(ミストラルは)陸上部隊の上陸、ヘリコプター受け入れ、更には、指揮艦や水上病院として機能する為に設計されている。
格納庫エリアは1800平方メートルの広さを有しており、900名の人員及び12トンまでの16機のヘリコプターを配置できる。

2011年1月、ロシアフランスは、ロシア海軍の為の4隻のヘリコプター空母プロジェクト「ミストラル」の建造契約に署名した。

文書によると、この内2隻はフランスの造船所で建設され、他の2隻は、ロシアへのライセンス下でサンクト-ペテルブルクバルト工場において建造される。
ウラジオストク」と命名された最初の「ミストラル」の建造は、10月1日月曜日に開始された。


[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]

というわけで、今回の記事によると、ロシア海軍「ミストラル」型には、海軍歩兵1個大隊が配属されるとの事です。

この「ミストラル」大隊は、異なる構成の3個中隊から成ります。
第1中隊:ヘリコプター降下中隊
第2中隊:水陸両用車中隊
第3中隊:ゾディアックボート機動中隊


第1中隊は、ロシア海軍「ミストラル」に搭載されるKa-29戦闘輸送ヘリコプターを使用する空中機動歩兵部隊です。
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第2中隊は、水陸両用歩兵戦闘車BMP-3F或いは「クルガンツェフ-25」を使う部隊です。
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第3中隊はゾディアックボートに乗って不審船舶などに乗り込む為の部隊です。
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ロシア海軍は最終的に「ミストラル」型を4隻導入する計画ですから、この海軍歩兵大隊も4個編成される事になるでしょう。


現在、ロシア海軍の各艦隊に配備されている海軍歩兵部隊(Морская пехота России)は以下の通りです。

北方艦隊:1個連隊
太平洋艦隊:1個旅団、1個連隊
バルト艦隊:1個旅団
黒海艦隊:1個旅団、1個独立大隊
カスピ小艦隊:2個独立大隊


ロシア海軍特殊任務部隊(スぺツナズ)は、2008年8月の南オセチア紛争(ロシア-グルジア戦争)に参加しています。
[グルジア海軍艦艇は、ロシア海軍スペツナズにより破壊された]


記事の最後に記されている「10月1日にウラジオストクの建造開始」というのは、正確には、「ウラジオストク」の後部船体のみです。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]

ロシア海軍向け「ミストラル」1番艦「ウラジオストク」は、今年2月1日にフランスのサン・ナゼール造船所で起工されています。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]
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空母ヴィクラマーディティヤの修理には3ヶ月以上掛からない

今年12月に就役する筈だったインド空母「ヴィクラマーディティヤ」(旧ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)ですが、試験中にボイラーが損傷し、引き渡し時期が延期されます。
[空母ヴィクラマーディティヤ、引渡し延期?]
[空母ヴィクラマーディティヤは23ノットでセヴェロドヴィンスクへ向かっている]
[空母ヴィクラマーディティヤに使われている外国製品に問題が生じた]
[中国はロシアへの耐火レンガ輸出を否定した]
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その続報。


『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【「ヴィクラマーディティヤ」の修理は3ヶ月以上掛からない-統合造船業営団】
2012年10月2日

航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の故障したボイラーの復旧に関する修理作業は、2-3ヶ月以上は掛からない。
10月2日、『中央海軍ポータル』特派員は、「統合造船業営団」 職員の一人より伝えられた。

株式会社「生産合同・北方機械製造商会」において修理及び近代化された航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の夏のバレンツ海における航海試験中に故障した8基のボイラーの内の3基の復旧には、3ヶ月以上は必要ない。
これは、全ての修理作業-問題点の除去とボイラーの断熱材及び機器の交換の見積もり期間である。

「これが、現実の期間です」
統合造船業営団の代理人は語った。

「白海が結氷しなければ、艦の航海試験は速やかに完了するでしょう。
ですが残念な事に、結氷の為に、私共は、(来年の)春-4~5月に試験を開始しなければなりません」


10月2日に出てきた航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の引き渡しが来年秋に延期されるというメディアの報道に関し、情報提供者は『中央海軍ポータル』に、この情報は現実と一致していないと述べた。

「船の準備状態は90パーセント成功裏に検証され、その後の試験は、問題点の可能性を洗い出す為に存在しています。
航空母艦の主要兵装である航空複合体の試験は、ほぼ完璧に実施されました」

「インド海軍は来年に、充分に価値のある航空母艦を本当に受け取り、インド海軍はインド洋の主人であると感じるようになるでしょう。中国とは対照的に。
であるにも関わらず、中国人民解放軍海軍はリャオニン(旧ワリャーグ)を艦隊の編制へ受け入れ、これにより、戦闘航空艦は、長期間就役できないでしょう。
その為には、3~5年、或いは、それ以上の年月を費やす必要が有ります」

「インド側は、航海試験中に寄せられた意見を全て撤廃する事に同意し、彼らは、艦の試験の最初の段階において満足しておりました。
一部の輸入された機器は、それ自身正当化されません。
その購入や交換の為には時間が必要です。
インド海軍及びインド専門技術者の代表は、引き渡し時期が数ヶ月延期された事で如何なる悲劇も見ていません。
航空母艦は、これまでに経験の無い非常に複雑かつ多くの点で革新的な機能を私共-建造者と、そして専門技術者の為に有しており、その全ての作業方法は時計のようでした。
最後の試験では、操作に必要な経験を取得し、発見された問題点は工場で冬の間に取り除かれ、発注は継続され、私は全ての試験が成功裏に持続している事を確信しました。
それは主として問題を解決する為の業務航海です。
そしてセヴマシュと契約相手、発注者は、それを観察しました」

対談者は『中央海軍ポータル』に説明した。

以前、サンクトペテルブルクネフスキー計画設計局によって開発されたプロジェクト11430艦の修理及び近代化は、計画スケジュールに従って2004年からセヴェロドヴィンスク株式会社「生産合同セヴマシュ」で継続され、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の発注者への納入は2012年12月に予定されていた事が想起される。
6月初頭に航海試験の為に出港し、艦はバレンツ海へ向かった。
動力装置の主な問題点は7月に発生したが、「ヴィクラマーディティヤ」の兵装である航空複合体の試験プログラムを完全に実行する為、停止しなかった。


[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]

記事中で述べられている「ヴィクラマーディティヤの引き渡しが来年秋に延期されるというメディアの報道」は、これを指しています。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年10月2日11時54分配信
【航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」のインドへの引き渡しは2013年秋に延期される】

「統合造船業営団」の高位の代理人は、ロシア通信社ノーボスチに対し、こう述べました。
「国家委員会は、蒸気ボイラーの断熱材を含む全ての問題点を取り除く必要性に関連し、艦の引き渡し時期を2013年秋に延期する必要が有ると見ています」


「ヴィクラマーディティヤ」セヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」へ戻っており、同地でボイラーの修理が行なわれることになりますが、これから修理を開始し、仮に3ヶ月弱で作業を終えたとしても、その頃には、セヴェロドヴィンスクが面している白海は結氷してしまい、どのみち「ヴィクラマーディティヤ」白海の氷が溶けるまで外洋に出る事は出来ません。
因みに、白海は、だいたい12月下旬から5月下旬頃まで結氷しています。
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なお、今回の記事では、最近就役した中国海軍空母「リャオニン」(旧ワリャーグ)についても少し触れられています。
この統合造船業営団職員は、「ヴィクラマーディティヤ」は来年には使い物になるが、「リャオニン」は、あと5年くらい経たないと使い物にはならないと言っています。

「ヴィクラマーディティヤ」の艦上機(戦闘機MiG-29K)は既にインド海軍へ引き渡されており、同艦で発着艦を成功裏に実施していますが、「リャオニン」に搭載予定の艦上戦闘機は、未だ陸上試験中であり、まだ「リャオニン」で発着艦を実施した事も有りません。

バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【バルト工場は「ミストラル」1番艦の船体の建造を開始した】
サンクト-ペテルブルク、10月1日-ロシア通信社ノーボスチ

統合造船業営団の一員となっている有限会社「バルト工場-造船」は、2隻の揚陸ヘリコプター艦「ミストラル」の1隻目の船体の建造を開始した。
月曜日、造船工場の広報サービスは発表した。

「有限会社バルト工場-造船は、ウラジオストクと命名された艦の船体を起工しました。
正確に建造スケジュール通りに」

声明では、こう述べられた。

「バルト工場」は、ロシアの「ミストラル」トップ艦の建造の枠組み内における最初の業務であるプレートカットを8月1日に開始した。
2013年5月、「セヴァストーポリ」と命名された2隻目のヘリコプター空母のプレートカットが開始されるだろう。

有限会社「バルト工場-造船」は、2隻のヘリコプター揚陸ドック艦「ミストラル」型の船体の為の浮揚部品の建造企業である。

2011年6月、連邦単一企業「ロシア兵器輸出公社(ロソボロネクスポルト)」及びフランスDCNS社は、最初の2隻のヘリコプター空母の建造契約に署名した。
「統合造船業営団」は、サンナゼールのフランス造船所「STXフランス」の下請け業者として関わっている。

「バルト工場」では、船体の40パーセントに当たる24個の船体ブロック(両方の艦の後部)を建造する。

その後、このブロックはフランスへ送られ、ヘリコプター空母の組み立てを完了させる。
最初の艦は、2015年にロシア海軍の編制へ加入しなければならない。

ロシア最大の造船企業の一つであるバルト工場は、1856年に設立された。
工場は、砕氷船や氷上航行船(原子力及びディーゼル)、貨物輸送の為の大型船及び軍用艦、広範囲に渡る機械製造、動力機器、更には、非鉄金属や鉄鋼鋳造物の供給を専門とする。
(2012年10月1日17時19分配信)


『統合造船業営団』公式サイトより
【バルト工場は最初のミストラルを起工した】


[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]

ロシア向けの「ミストラル」型の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』2017年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

ロシア海軍向け「ミストラル」1番艦は、今年2月1日にフランスのサン・ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]
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「バルト工場-造船」(旧「バルト工場」)「ミストラル」型の船体の一部を製造する為の契約は、昨年12月に同社と「統合造船業営団」との間で締結されています。
[バルチースキー・ザヴォートは「ミストラル」型の船体を建造する]

ロシア海軍向けの最初の「ミストラル」型2隻の艦名は「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」です。
[ロシア海軍向け「ミストラル」型の艦名は「ウラジオストク」と「セヴァストーポリ」になる]

バルト工場は、8月1日よりヘリ空母「ウラジオストク」のプレートカットを開始しています。
[バルト工場はヘリ空母ミストラル級の船体ブロック建造を8月から開始する]
[ロシアにおけるヘリ空母ミストラルの船体建造は27億ルーブル掛かるだろう]

そして今回(2012年10月1日)、ヘリ空母「ウラジオストク」の船体後部が正式に起工されました。

これまでの報道を総合すると、ロシア海軍向け「ミストラル」型の建造手順は、こうなるようです。
1:フランスのサン・ナゼール造船所で艦の主要部分を建造
2:ロシアのサンクトペテルブルク市のバルト工場で艦尾部分を建造
3:サンナゼール造船所で船体を結合、兵器以外のロシア製機器も設置
4:ロシア本国の造船所へ回航して兵装を搭載

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「バルト工場」には、2つの造船ドックが在ります。
造船台A:全長350m、幅36m
造船台B:全長245m、幅32.6m
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右側が造船台B、左側が造船台Aです。
今回、ヘリ空母「ウラジオストク」後部船体が起工されたのは、造船台Aです。
船体後部が完成すれば、フランスのサンナゼール造船所へ送られ、ここで船体が結合されます。

「ミストラル」型(フランス海軍)
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艦の後部には、ヘリコプター格納庫やウェルドックが有ります。


ヘリ空母「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」は太平洋艦隊へ配備される予定です。
[ヘリ空母ミストラル型はウラジオストク市へ配置される]
[ヘリ空母ミストラルのウラジオストク(ウリス湾)配備には2-3億ルーブルを要する]

ボレイ級戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーの工場試験は完了した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【セヴマシュは原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」の国家受領予備試験を完了した】
アルハンゲリスク、10月1日-ロシア通信社ノーボスチ

「セヴマシュ」は、原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」の工場航海試験の次の段階を完了し、この後には、潜水艦の国家受領試験を迎える。
同社広報サービスは月曜日に発表した。

試験中に、原子力潜水艦のシステムは様々なモードで点検作業が行なわれた。

「与えられた課題は、全て実行されました。契約企業の納入チーム及び艦の乗員は、完璧に作業をこなしました」
原子力潜水艦の納入責任者アレクサンドル・レジンコフは述べた。

「以前のロケット艦の海洋への出航で、原子力潜水艦は優れた航行能力と良好な操縦性を示しました。
工場航海試験の完了後、アレクサンドル・ネフスキーは新たな段階-水中艦の国家受領試験を迎えます」

セヴマシュ広報サービスは説明した。

プロジェクト955により建造された「アレクサンドル・ネフスキー」は、戦略ロケット艦「ボレイ」シリーズの最初の生産艦である。
原子力潜水艦の船体の長さは170メートル、幅13.5メートル。
最大潜航深度450メートル、水中速力29ノット。
シリーズのトップ艦「ユーリー・ドルゴルーキー」に続き、「セヴマシュ」「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」及び「クニャージ・ウラジーミル」を起工した。
(2012年10月1日12時23分配信)


株式会社「生産連合セヴマシュ」公式サイトより
2012年10月1日配信
【おかえりなさい、「アレクサンドル・ネフスキー」!】


『アルムス-タス』より
2012年10月1日10時56分配信
【新世代戦略原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」は白海の工場航海試験からセヴェロドヴィンスクへ戻った】


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」級2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」は2004年3月19日に起工され、2010年12月6日に進水しました。
この間、2007年には太平洋艦隊から乗組員が集められました。

2011年10月22日、最初の海洋航海試験が開始されました。
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「アレクサンドル・ネフスキー」は、就役直後は北方艦隊へ仮配備されますが、極東方面のインフラが整い次第、太平洋艦隊へ配置換えされます。
[新世代戦略原潜ボレイ級1番艦は北方艦隊へ、2番艦は太平洋艦隊へ配備される]

ロシア海軍の計画では、太平洋艦隊への「ボレイ」級の配備は、2014年以降になります。
[2014年にロシア太平洋艦隊へ新世代戦略原潜ボレイ級が配備される]

カムチャツカ半島の原潜基地ルイバチーでは、「ボレイ」級を配備する為の然るべきインフラ整備が行なわれます。
[カムチャツカ半島の基地設備はボレイ級戦略原潜に適していない]
[ボレイ級戦略原潜の為、カムチャツカ半島に新たな設備が建設される]

新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーの就役準備が整った

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、ロシア海軍の編制へ加入する準備が整った】
アルハンゲリスク、10月1日-ロシア通信社ノーボスチ

「セヴマシュ」は、プロジェクト955原子力潜水艦のトップ「ユーリー・ドルゴルーキー」の受領-納入への署名準備を整えている。
月曜日、同社の広報サービスは発表した。

プロジェクト955により建造された「ユーリー・ドルゴルーキー」は、新たなシリーズの戦略ロケット艦のトップである。
第4世代原子水中巡洋艦シリーズは、弾道ミサイル複合体「ブラヴァー」を装備し、今後10年間のロシア海洋戦略核戦力の基礎となるだろう。

「セヴマシュの専門技術者は、艦の国家受領常任委員会の意見を全て満たしました。
この証明書は、海軍総参謀長アレクサンドル・タタリノフ大将が同艦を検閲して署名しました」

声明では、こう述べられた。

原子力潜水艦の船体の長さは170メートル、幅13.5メートル。
最大潜航深度450メートル、水中速力29ノット。
原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」の後に、「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」及び「クニャージ・ウラジーミル」が起工された。
(2012年10月1日10時49分配信)


株式会社「生産連合セヴマシュ」公式サイトより
2012年10月1日配信
【「ユーリー・ドルゴルーキー」は(海軍の)編制への加入を準備する】

国家受領委員会の委員長であるアレクサンドル・タタリノフ大将が9月28日に「ユーリー・ドルゴルーキー」を視察し、「問題なし」と判断したという事のようです。


『アルムス-タス』より
2012年10月1日11時29分配信
【新世代原子力潜水艦のトップ「ユーリー・ドルゴルーキー」は(海軍の)編制への加入を準備する】


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

戦略原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は1996年11月2日に起工され、2007年4月15日に進水しました。
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2008年11月21日、原子炉が起動されました。
[新型戦略原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」、原子炉始動]

2009年6月18日、初めて海洋へ出航しました。
[新型戦略原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」、工廠航海試験開始]

2011年には4回の弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を実施し、全て成功しました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]
特に、8月27日の試験では9300kmの飛翔距離を記録しました。

2011年12月23日には「ブラヴァー」2発の一斉発射に成功しました。
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]

「ユーリー・ドルゴルーキー」北方艦隊へ配備されます。
[ボレイ級戦略原潜1番艦ユーリー・ドルゴルーキーは2012年に北方艦隊へ配備される]
[新世代戦略原潜ボレイ級1番艦は北方艦隊へ、2番艦は太平洋艦隊へ配備される]