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プロジェクト20385コルベット、建造中止?

『イズベスチヤ』より
2013年2月28日0時01分配信
【(ロシア)海軍は「見えない」コルベットを断念する】

発注者は、艦の高価格と過剰な武装に満足していない。
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(ロシア)海軍総司令部は、サンクト-ペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造される事になっていた3隻の「見えない」コルベット・プロジェクト20385「グレミャーシチー」、「プロヴォールヌイ」、「スポソーブヌイ」を断念する。

『イズベスチヤ』(ロシア)海軍総司令部の情報提供者が伝達した所によれば、「統合造船業営団」の代表者が参加した最近の(ロシア)国防省の会議において、軍は、他の新たなプロジェクトを開発する為、当初の計画の内、「グレミャーシチー」のみを完成させる事を決定した。

「私共が満足していない主な点は、あまりの価格の高さと、過剰な武装-海洋及び地上目標へ使用できる有翼ミサイル"カリブル"にあります。
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プロジェクト20380は、海軍の必要条件を満たしておりません」

対談者は話した。

彼によると、艦1隻あたりの見積費用は140億ルーブ​​ルであったが、実際には180億ルーブルになっている。
コルベットの排水量は2200トンであるが、多くのステルス技術が使われている。
現在、黒海艦隊の為に建造されている現代的なフリゲート・プロジェクト11356R/Mは、ほぼ倍の排水量-4000トンを有しているが、ほぼ同じ価格である。

このプロジェクトのフリゲート(11356M)は、遠距離の重要な外洋を航行する艦として提示されており、20385コルベットは近海ゾーンの為に意図されている。
海軍将兵は、「カリブル」のような強力な武器は、これらの小型艦には必要が無いと確信している。

対談者が『イズベスチヤ』へ指摘した所によれば、地上施設を破壊する為の「カリブル」は、隠れた位置からミサイルを発射できる潜水艦に適している。
近い将来、ディーゼルエレクトリック潜水艦「ワルシャワンカ」プロジェクトは、これ(カリブル)で再武装するだろう。

「潜水艦は、更に安価です。
コルベット20385は長距離を移動出来ず、限定された任務を遂行する為に造られます。
沿岸ゾーンで必要なのは重武装のコルベットはでは無く、小型ロケット艦と小型対潜艦です」

彼は付け加えた。

ウラジーミ・ルザハロフ退役少将は、比較的安価な艦を重要な戦闘ユニットとして運用する事は可能であると『イズベスチヤ』へ説明した。

「例えば、カスピ海の警備艦ダゲスタンは安価であり、後に有翼ミサイル"カリブル"で武装し、水上目標に対し大いなる打撃能力を得ました。
そうです、近海ゾーン専用艦が180億ルーブルでなければならない理由は明確ではありません」

ザハロフ氏は指摘した。

しかし彼は認識している。
水上艦による地上目標への攻撃は、潜水艦によるものよりも、展開速度と効率性において優れている事を。

プロジェクト20385の作業のキャンセルが決まった後、ロシア海軍に残るコルベットは、その作業において挫折を伴っているプロジェクト20380のみとなる。
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特に、コルベット「ソーブラジテルヌイ」は、現在、2012年9月のデンマークにおける火災事故の修理中であり、2006年にアムール造船工場で起工された「ソヴェルシェーンヌイ」は、未だ(ロシア)海軍へ引き渡されていない。
同プロジェクト艦に装備される高射ミサイル複合体「リドゥート」は、試験に合格していない。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]
【動画「将来のコルベット」】

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プロジェクト20380コルベット(ステレグーシチー型)の改良型であるプロジェクト20385の1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日に起工されました。
[サンクトペテルブルクでフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」及びコルベット「グレミャーシチー」が起工された]
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]

2012年2月21日、更に2隻の20385コルベットの建造契約が締結されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はコルベット6隻とフリゲート6隻の建造契約を締結した]

プロジェクト20385は、合計で10隻程度の建造が見込まれていました。
[「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、改「ステレグーシチー」型コルベットを10隻建造する]

しかし今回の記事によると、その20385コルベットの建造は「グレミャーシチー」1隻で打ち切りになるようです。
その理由は、過剰な武装と高価格にあるとの事です。
・・・今回の記事に登場する「ロシア海軍総司令部の(匿名の)情報提供者」『イズベスチヤ』にとっては毎度御馴染みの~の話を信じるのならば・・・

今回の記事では、プロジェクト20385の主要兵装は有翼ミサイル「カリブル」と書かれていますが、20385の模型を見る限り、「カリブル」「オーニクス」の両方を発射可能な3R-14UKSKです。
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[汎用ミサイル垂直発射機3R-14UKSK]
有翼ミサイル「カリブル」系列は発射重量2400kg程度ですが(対艦型/対地型/対潜型により異なる)、超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射重量は3000kgです。
2200トンのコルベット「オーニクス」8発では、確かに「過大」でしょう。


なお、未だ詳細は明らかにされていませんが、プロジェクト20380/20385コルベットを設計した海洋工学中央設計局「アルマーズ」は、更なる発展型のプロジェクト20386コルベットを設計しています。

2012年11月14日には、プロジェクト20380/20385コルベットを建造しているサンクト-ペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」において、設計元の「アルマーズ」によるプロジェクト20386コルベットのプレゼンテーションが行なわれました。

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
2012年11月20日
【アレクサンドル・ウシャコーフ:セーヴェルナヤ・ヴェルフィは、今後の年月の為の多くの仕事が有る】
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プロジェクト20385に代わるコルベットとして、プロジェクト20386が建造されるのかもしれません。
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ロシア海軍地中海作戦部隊司令部が創設される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【(ロシア)海軍の作戦部隊は地中海におけるロシア連邦の利益を保護する】
モスクワ、2月27日-ロシア通信社ノーボスチ

(ロシア連邦)国防相セルゲイ・ショイグは、地中海におけるロシアの利益を保護する為、ロシア連邦海軍作戦部隊の独立管理部の創設を指示した。

「地中海ゾーンにおけるロシアの国益を保護し、(ロシア)海軍部隊の常時存在を確保する為、海軍作戦部隊の独立管理部を創設する必要が有ります」
ショイグは、(ロシア連邦)国防省役員会拡大会議において話した。

以前、(ロシア連邦)国防省の高位の代理人は、地中海に位置するロシア戦闘艦が、シリア沿岸付近で常時の当直に立つとロシア通信社ノーボスチに伝えた。
彼は、地中海ロシア黒海艦隊の担当である事を指摘した。
(2013年2月27日14時08分配信)


2013年1月下旬、地中海東部及び黒海において、ロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習が実施されました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

この結果を受け、ロシア国防省は、地中海東部ロシア海軍の艦船を常時展開させる事を決定しました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦4隻は地中海東部へ向かう]

更に、ロシア連邦軍参謀本部関係者の話として、2015年までにロシア海軍地中海作戦部隊が設立されると報じられました。
[ロシア海軍の地中海常設作戦部隊が2015年に創設される]

そして今回、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、ロシア海軍地中海作戦部隊独立司令部の創設を明らかにしました。
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この場合、地中海作戦部隊司令部は、黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊から地中海へ派遣される艦船を指揮する事になります。
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ロシア海軍の将来駆逐艦の1番艦は2016年に起工される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦海軍の為の駆逐艦のトップは2016年に建造を開始できる】
モスクワ、2月26日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍の為の駆逐艦のトップ(1番艦)の建造は2016年に開始できる。
火曜日、ロシア通信社ノーボスチは、防衛産業企業体の高位の代理人より伝えられた。

「リデル(嚮導艦)と呼ばれる新たな駆逐艦の予備設計開発の為の科学研究作業は、2013年の国家防衛発注に含まれており、作業は同年末に終了します。
2014年には開発設計作業が開始される計画となっており、2016年には艦の建造を開始することが出来るでしょう」

対談者は話した。

彼は、(ロシア連邦)国防省が、艦の予備設計開発の為の競争入札を行なう事を強調した。
「我々は、北方計画設計局が、この入札に勝利する良い機会があると信じております」
防衛産業企業体の代理人は話した。

艦の建造は、工場「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」(サンクト-ペテルブルク)へと導かれるだろう。
「しかしながら、ロシア海軍の水上戦闘艦の建造を専門としている同社は、他の発注により、非常に大きな負担を強いられております。
同社では、既に一連のコルベットとフリゲートが建造されておりますから」

対談者は述べた。
(2013年2月26日12時52分配信)


ロシア海軍は、2006年以降、新世代多用途駆逐艦(将来駆逐艦Перспективный Эсминец)の建造計画について何度も表明して来ました。
[ロシア海軍新世代原子力駆逐艦建造計画]
[ロシアは新たな駆逐艦及び巡洋艦及び空母の建造計画を続行する]
[ロシア海軍新世代駆逐艦の建造計画は現司令部に承認された]

将来駆逐艦は、当初はガスタービン推進と言われていましたが、最近では原子力推進が有力視されています。

[ロシアは「超駆逐艦」を建造する]
将来駆逐艦の排水量は12000トン程度となり、防空システム防空ミサイルは、現在開発中のS-500「プロメテーイ」(プロメテウス)の海軍ヴァージョンになるとの事です。
S-500「プロメテーイ」は、弾道ミサイル防衛にも使用されます。


今回の記事によると、新駆逐艦「リデル」Лидерと呼ばれているとの事です。

「リデル」Лидерとは「リーダー」という意味ですが、海軍用語としては「嚮導(駆逐)艦」を意味します。
嚮導艦とは、駆逐艦を率いる旗艦設備を持った艦の事です。

ソヴィエト連邦時代の1930年代後半から1940年代前半には、「嚮導駆逐艦」が建造されていました。

プロジェクト1嚮導駆逐艦「レニングラード」
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それから70年以上の時を経て、ロシア海軍「嚮導艦」が復活します。
今度の新たな「リデル」Лидерが率いるのは、プロジェクト22350などのフリゲート級水上戦闘艦になるでしょう。


昨年(2012年)6月、ロシア造船業の総元締めである「統合造船業営団」のトップは、将来駆逐艦の建造が2016年から開始されると表明しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年6月22日13時55分配信
【ロシアの新たな対ミサイル防衛駆逐艦は2016年に建造を開始する】
当時のロシア統合造船業営団総裁ローマン・トロチェンコ氏によると、最初の駆逐艦は2016年に起工され、同シリーズは少なくとも6隻建造されるとの事です。
この時には、駆逐艦の建造発注は、サンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」「バルチースキー・ザヴォード」へ均等配分されると言われていました。

しかし最近では、将来駆逐艦を建造する造船所として名前が挙がっているのは「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」だけとなっております。
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ただ、今回の記事でも触れられていますが、現在、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、プロジェクト20380/20385コルベットプロジェクト22350フリゲートの建造を手掛けております。
この上、更に大型の駆逐艦を同時並行で建造する余裕が有るのかどうか、「防衛産業企業体の高位の代理人」氏でなくとも気に掛かる所でしょう。

ましてや、今までの「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」のドックでは建造できないサイズの大型艦とあっては。
(この為、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、全長180メートルの艦を建造出来るようにドックを拡張する)

ロシア海軍の地中海常設作戦部隊が2015年に創設される

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『イタル-タス』より
【(ロシア連邦軍)参謀本部の情報提供者:2015年から地中海へロシア海軍の常時行動作戦部隊が配備される】
モスクワ、2月25日/イタル-タス

(ロシア)海軍3艦隊~黒海艦隊、北方艦隊、バルト艦隊~の艦船は、2015年から地中海における作戦部隊を構成する常置の基礎となる。
本日、イタル-タスは、ロシア連邦軍参謀本部の情報提供者より伝えられた。

「2015年までに、黒海艦隊の艦船を中核とする3艦隊の艦船から成る新たな海軍作戦部隊を作成する課題が果たされます。
この艦隊間グループのプロトタイプは、ソヴィエト海軍の第5地中海戦隊になるでしょう」

対談者は話した。

「新たな作戦部隊は、地中海の軍事行動舞台における突発的な戦闘勤務、特に、ロシアの国家及び軍事的安全保障の為、この方面からの脅威を打ち払う為に常時設置される計画です」
彼は指摘した。

参謀本部の情報提供者は、単一の構想及び計画による地中海での艦隊間艦船グループの行動という課題は、この海域において1月に実施された海軍演習において成功裏に果たされている事を想起させた。
同時に、対談者はイタル-タスに対し、ロシア連邦国防省の構想の実行の為、遅くとも2-3年以内にウクライナにより阻まれている黒海艦隊艦船の更新問題が解決され、作戦部隊の為の物資補給システムが作成されなければならない事を確認した。

更に対談者は、ソヴィエト連邦第5地中海戦隊が与えられた任務を遂行する為、シリアタルトゥース港の海軍補給物資供給所が使われていた事を想起した。
現在、(タルトゥース)補給物資供給所は、遠い外国におけるロシア海軍の唯一の施設である。
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ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、2月20日の黒海艦隊への出張旅行中にロケット巡洋艦「モスクワ」艦上で表明した。
「ロシア海軍は、ロシアの国益上重要な世界の大洋のあらゆる海域で任務を遂行します。
今、その海域は地中海であります」
「ここには、我が国の国益にとって最も重大な脅威が集中しております」

国防相は強調した。

ソヴィエト社会主義共和港連邦海軍第5地中海戦隊の艦船は、「冷戦」期間中、地中海の軍事行動舞台で戦闘任務を遂行していた。
その主な相手は、アメリカ合衆国海軍第6作戦艦隊だった。
戦隊は、ソヴィエト連邦解体の翌年の1992年12月31日に解散した。
(2013年2月25日11時01分)


記事中で触れられているロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習は、2013年1月19日から29日まで黒海及び地中海東部で実施されました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

この結果を受け、ロシア国防省は、地中海東部ロシア海軍の艦船を常時展開させる事を決定しました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦4隻は地中海東部へ向かう]

これまでにも、地中海には、ロシア黒海艦隊、北方艦隊、バルト艦隊の艦船が派遣され、合同艦船グループを形成して地中海で活動しています。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]
[空母クズネツォフ地中海遠征(2011年12月-2012年2月)]

バルト艦隊フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」は、2011年12月-2012年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征2012年7月-9月の北方・バルト・黒海艦隊の合同地中海遠征、そして2013年1月下旬のロシア海軍3艦隊合同演習の全てに参加しています。
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しかし、今までは臨時編成の合同作戦部隊であり、指揮を執る司令部も、その都度編成されていたのですが、今回の記事によると、2015年までには常設の地中海作戦部隊司令部が創設されるとの事です。

新たなロシア海軍地中海作戦部隊のモデルとなる旧ソ連海軍「第5地中海戦隊」5-я Средиземноморская эскадраは、1967年7月20日から1992年12月31日まで存在していました。
同戦隊旗艦は、黒海艦隊指揮巡洋艦「ジダーノフ」でした。
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新たなロシア海軍地中海作戦部隊北方艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊の艦船で構成されますが、中核となるのは黒海艦隊になります。

黒海艦隊には、2016年までにプロジェクト11356Mフリゲート6隻が配備される計画です。
[フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の建造は計画通りに進んでいる]

新たな地中海作戦部隊の中核となるのは、プロジェクト11356Mフリゲートでしょう。

未完のネウストラシムイ型フリゲート3番艦トゥマンの建造が再開される

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『イズベスチヤ』より
2013年2月25日0時01分配信
【バルト艦隊のフリゲートは静粛な潜水艦との戦いを要求される】

(ロシア)海軍将兵は水素エンジンのドイツ潜水艦を発見できない事を認めた。


(ロシア)海軍総司令部は、ドイツプロジェクト212/214のような静粛な非核動力潜水艦に対抗する為の艦を造る作業を始める。
(ロシア海軍)総司令官ヴィクトル・チルコフの決定により、艦は2017年が始まる前に準備されなければならない。

(ロシア)海軍から『イズベスチヤ』へ伝達された所によれば、基礎として使用されるのは、資金供給が滞った為、1990年代に建造が中断したプロジェクト11540フリゲート(トップ艦「ヤロスラフ・ムードルイ」)「トゥマン」の船体である。
船体はカリーニングラード造船工場「ヤンターリ」の岸壁に在り、更新されたプロジェクトにより完成すると(ロシア海軍)総司令部の情報提供者は『イズベスチヤ』へ伝えた。

仕様は形成されておらず、同プロジェクトへの2013年の資金拠出も計画されていないが、(ロシア)海軍は、最新鋭の対潜兵器と水中音響複合体を次の艦へ最初に望んでいる事が既に知られている。
艦上システムの開発と船体の変更は、クリロフ記念中央科学研究所海軍第一中央研究所へ発注された。
彼らは、今年の第4クオーター(10~12月)に(国防)長官へ承認の為の文書を提出しなければならない。

浅いバルト海では、何処の国も原子力潜水艦を有しておらず、ここは、伝統的な水中航行の偉大な経験を有するドイツが主導権を握っている。
NATOは、ソヴィエトの大洋艦隊との戦いを目指しておらず、ドイツ非核動力潜水艦を建造してきた。
彼らは、幾つかの成功したシリーズ206型を出しており、現在は、非大気依存発電装置を装備した静粛な潜水艦プロジェクト213/214を作成している。
広大な浅瀬と沿岸ゾーンを有するバルト海の潜水艦は、非大気依存発電装置の方が核動力よりも効率が良い。
それは、多くの国々が積極的に購入しており、このクラスの潜水艦は将来のロシアフリゲートと鎬を削る事になろう。

キールに居るドイツ海軍は、5隻の現代的なコルベット、5隻の212型潜水艦、10隻の小型ロケット艦を有している。
その近郊のヴィルヘルムスハーフェンには、15隻の新型フリゲートが駐留している。

今、ロシアバルト艦隊は、ソヴィエト連邦(海軍)の単なる残照である。
比較的大型の水上艦は7隻のみであり、排水量7000~8000トンの艦は、1991年に進水した艦隊旗艦の駆逐艦「ナストーイチヴイ」のみである。
航行できるのは、2隻のプロジェクト11540警備艦「ネウストラシムイ」「ヤロスラフ・ムードルイ」を含む5隻のみである。
「トゥマン」は、(「ネウストラシムイ」「ヤロスラフ・ムードルイ」の)兄弟である。

2009年、「ヤロスラフ・ムードルイ」が長期の保管後に完成し、その後、(ロシア海軍)総司令官ウラジーミル・ヴィソツキーは、「トゥマン」に関心が無い事を表明した。
しかし今、それは2つの理由により適切では無い。
先ず第一に、船体は準備されており、補修する必要は無い。
第二に、それは、小さくない排水量-4500トンを有する。
当初のプロジェクトでは、1組の対艦ミサイルKh-35(ウラン)の設置のみが想定されており、複合対潜機器や対潜兵器を搭載する場所が沢山ある。

第三に、11540フリゲートは、約30日間の自律航行能力を有しており、バルト海では十分すぎる数値である。

元(ロシア海軍)総参謀長ヴィクトル・クラフチェンコは、海軍は全く新しい艦を非常に必要としていると主張した。
何故なら、「ヤロスラフ・ムードルイ」の機器は20年前の代物であるからだ。

「新たな艦は潜水艦と戦うのみならず、沿岸の目標を射撃できる事が必要です。
新たな水中音響複合体は、異なる温度の水層、いわゆる温度跳躍水域において潜水艦を探知する事が出来ます。
バルト海は(深度)40メートルまでしかありません」

提督は『イズベスチヤ』に話した。

軍事専門家ロシア/ソ連海軍の歴史に関する著書を記しているドミトリー・ボルテンコフ氏は、「トゥマン」の船体を完成させる決定は最適であると言う。

「もちろん、同艦の船体を保持したヤンターリ工場へは謝意を述べなければなりません。
未完成の艦が有ってはなりません」

専門家は確認した。

対潜艦の仕様が(ロシア連邦)国防長官セルゲイ・ショイグの承認を受ければ、(ロシア)海軍は機器供給の為の競争入札を発表する。
それは、2014年初頭に行なわれるだろう。


「ネウストラシムイ」型警備艦の3番艦「トゥマン」は、1993年にカリーニングラード「ヤンターリ」造船所で起工されましたが、資金不足の為、1998年に建造工事は中止されました。
[未完のネウストラシムイ級3番艦トゥマン]
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一旦はドックから出されましたが、2006年~2007年に掛けて再びドック入りしており、この間に船体の補修工事が行なわれたようです。


「ネウストラシムイ」型2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」も、起工されてから長期に渡り工事が中断した後、建造が再開されて2009年に就役した事から、本艦の建造再開を期待する声も有りましたが、この時には実現しませんでした。
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[「ヤロスラフ・ムードルイ」型フリゲートは、バルト海地域の対潜防衛を保障する]
[未完の練習艦ボロジノ(旧ノーウィック)と警備艦トゥマンの近況]

しかし、「トゥマン」と同様に「ヤンターリ」造船所での建造工事が中断していた練習艦「ボロジノ」は、つい最近、工事の再開が決まりました。
[練習艦ボロジノの建造が再開される]
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この為か、「トゥマン」も一緒に建造が再開される事になったようです。

現在、ロシア海軍向けには新世代のフリゲートも建造されていますが、本命のプロジェクト22350の建造は遅れている上に、完成したとしても北方艦隊太平洋艦隊へ回される予定であり、プロジェクト11356M黒海艦隊へ配備される為、今後、バルト艦隊に新しいフリゲートが配備される見込みは有りません。

そこで、建造が中断している「トゥマン」が一転して脚光を浴びる事になったのでしょう。

今回の記事によると、「トゥマン」は建造再開に当たり、大幅に設計変更されるとの事ですから、おそらくはロシア海軍の新世代水上艦と同じ兵装や各種機器が搭載される事になるでしょう。

ロシア製燃料はヘリ空母ミストラルに使用できる

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年2月23日13時23分配信
【ロゴージンはミストラルの為の燃料問題に関する報道を否定した】
モスクワ、2月23日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージンは、ロシアで生産されている燃料及び潤滑油ヘリコプター空母「ミストラル」型には適していないというメディアの報道に反論した。

「これらの艦(ミストラル級)に関する問題が何か、僕は知っています。
メディアの報道の殆どは憶測に過ぎませんよ。
例えばね、燃料-潤滑油に関しては、伝えられる所によれば、(ロシア製の)潤滑油と燃料は(ミストラルに)使用できないなどと書かれていますがね。
それは全く違いますよ」

土曜日、彼はロシアの愛国者組織の会合において話した。

副首相は、彼がロシア連邦NATOの調整役としての仕事をしていた時、この組織(NATO)との折衝の一つにロシア艦と西側の艦との燃料の互換性が在った事を指摘した。
「僕達は、特にアフリカの角エリアにおける西側諸国との合同平和維持作戦の実現性に関する課題を仕上げました。
それは、ロシアの給油船から我が国の燃料を、EU及びNATOの海賊対処作戦へ参加する戦闘艦へ給油する可能性についての討議も含まれました」

ロゴージンは付け加えた。

彼によると、幾つかの問題が実在する事は確かだが「全体的に見ますと、その殆どはメディアの憶測に過ぎません」

ロシア連邦政府副議長(副首相)は、ロシアは、最初の2隻の艦をフランスの造船所で建造する契約に署名しており、国際的義務を尊重する国として、この契約を見直すべきではない事を強調した。
「ですが僕達は、これらの艦の運用ゾーンを考慮に入れた技術的特性、技術的数値についてフランス側に詳しい説明を求める権利が有ります」
彼は説明した。

ロゴージンは、3隻目と4隻目の「ミストラル」建造の為のフランスとの契約の可能性に関する問題は、このタイプの1番艦及び2番艦の試験運航の完了後にのみ検討される事を想起した。


『イタルータス』より
2013年2月23日13時39分配信
【ロゴージンはロシア製燃料がヘリコプター空母ミストラルに適していないという見解を否定した】
クラスノゴルスク/モスクワ地方/、2月23日/イタル-タス通信 ニコライ・ゴンチャロフ

ロシア製燃料はヘリコプター空母「ミストラル」に使用できる。
本日(2月23日)の祖国防衛者の日の機会に、副首相ドミトリー・ロゴージンは、愛国者組織の代表との会合で表明した。
このタイプの3隻目と4隻目のヘリコプター空母を建造するか否かの決定は、最初の2隻の試験後に採択される。

「1隻目と2隻目のミストラルをフランスの造船所で組み立てる契約は署名されており、国際的義務を尊重する国といたしまして、僕達は、これらの契約を見直す権利を有しておりません」
ロゴージンは強調した。
「ですが僕達は、これらの艦の運用ゾーンを考慮に入れた技術的特性、技術的数値についてフランス側に詳しい説明を求める権利は、確かに有ります」
副首相は語った。

「燃料-潤滑油に関しては、殆どが憶測にすぎませんよ。(ロシア製の)潤滑油や燃料が(ミストラルに)使用できないなんて、それは全く違います」
ロゴージンは話した。

彼は、NATO本部で仕事をしていた時の経験に言及した。
彼は、ロシア給油船からNATO加盟国の艦船への燃料補給を含めたロシア艦の海賊対処作戦への参加に関する調整を行なっていた。
「問題は有りましたが、全体的に見ますと、その殆どはメディアの憶測に過ぎませんよ」
ロゴージンは話した。

「3隻目と4隻目のミストラルに関しましては、1隻目と2隻目の試験運航の結果を見た後でのみ、決定が下されるでしょう」
ロゴージンは強調した。
「砕氷機能を持っていないこれら(のミストラル)が、北方緯度でどのように動作するのかを確認する必要が有ります」
彼は付け加えた。

ロシアは、技術の為にこれらの艦を購入するとロゴージンは話した。
「大型艦の設計と建造-この技術は、我が造船所にとって魅惑的です。
それを参考にして、取り入れなければなりません。
現代の僕達の為に限り」



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[ヘリ空母(強襲揚陸艦)ミストラル級]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]

今年2月初頭、ドミトリー・ロゴージン氏は、ロシア国内では「ミストラル」級の為の燃料が生産されていないと発言しました。
[ロシアではヘリ空母ミストラル級の為の燃料が生産されていない]

その直後、ロゴージン氏は、2月14日-15日にロシア・フランス軍事技術協力会議が開かれ、この席上で「ミストラル」級に関する諸問題も討議されると述べています。
[ロシアのヘリ空母ミストラル級導入に関する諸問題は解決される]

しかし世間一般(むろん日本も含む)では、「ロシア製燃料はミストラル級に使用できない」などという「誤解」「曲解」だけが独り歩きして行きました。

ロゴージン氏は現職(ロシア連邦副首相)に就く前にはNATOロシア常駐代表を務めており、アデン湾海賊対処に関するロシア艦NATO艦の共同作戦についてもNATO側との調整を行なった経験が有ります。
この時、ロシア給油船からNATO海軍の艦船へロシア製燃料を給油する問題についても討議されたとの事です。


ロシア給油船からNATO加盟国で建造された水上戦闘艦への給油の事例としては、2008年12月初頭に実施されたロシア海軍ベネズエラ海軍の合同演習が有ります。
この時、ロシア海軍の給油船は、ベネズエラ海軍イタリア製フリゲートへ洋上給油を行ないました。
[ロシア・ベネズエラ合同海軍演習「VENRUS-2008」は開始された]

これとは逆に、今年1月初頭、ロシア北方艦隊の海賊対処部隊は、同じくNATO加盟国スペインセウタ港へ寄港し、現地で燃料を購入しています。
[ロシア北方艦隊海賊対処部隊はスペインのセウタ港で20万ユーロを支出した]

つまり、NATO諸国で使用されている艦船用燃料はロシアの艦船でも使用できるという事です。
その逆もまた然り。

「ミストラル」級ディーゼルエレクトリック推進方式であり、発電用としてフィンランドバルチラ社製ディーゼルエンジンを搭載しています。


そして今現在、ロシア海軍にはフィンランドで建造された各種支援船が数多く就役しており、これらの船はバルチラ社製ディーゼルエンジンを搭載しています。
当然、これらのフィンランド製支援船ロシア製の燃料で動いていますが、特に不都合は起こっていません。

ロシア太平洋艦隊所属の海洋救助曳船「フォーチィ・クリロフ」
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「フォーチィ・クリロフ」の主機・バルチラ社製12V32ディーゼルエンジン


ロシア太平洋艦隊所属の中型海洋給油船「イルクト」
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要するに、ロゴージン氏自身は、ミストラル級に使用されている各種の燃料や潤滑油はロシア製のものと全く同一ではないとは言いましたが、ロシア製の燃料や潤滑油がミストラル級(NATO海軍の艦船)で使えないなどとは一言も言っていないという事です。
「ミストラル」級にはロシア製の燃料が使用できないと言ったのは、あくまでもロシアの一部の専門家です。

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『kojii.net』より
【今週の軍事関連ニュース (2013/02/08)】

Dmitry Rogozin 露副首相が、Mistral 級揚陸艦について 2013/2/5 に「適切な燃料がない等の問題から、運用に困難をきたす」との見解を示した。
同級で使用できる 50 種類ほどの燃料が、いずれもロシアでは生産していないもので、さらにその燃料を補給できる給油艦もない、という事情による。
(DefenseNews 2013/2/5)

これは全くのデタラメです。
ロゴージン氏自身は、「(ミストラル級の)運用に困難をきたす」などとは一言も言っていません。
給油艦云々も含め、これは、ロゴージン発言を聞いたロシアの一部の専門家の発言です。

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『イタルータス』より
2013年2月5日13時26分配信
【ロゴージン-ロシアはヘリコプター空母「ミストラル」型の為の燃料を生産しておらず、化学者は特別な解決法を探さなければならない】

イタル-タスは、「ミストラル」級の燃料適合問題についてロシア国内の造船所フィンランドバルチラ社に問い合わせましたが、造船所からは「幾つかの問題はあるが、それは燃料とは関係が無い」と言われ、バルチラ社からは回答を拒否されました。

そこで「匿名希望の軍事専門家」に聞いた所「ミストラル級に使用されている50種類の燃料はロシアでは生産されておらず、運用に困難をきたす」云々と言われたのを、そのまま報じたわけです。

そして上記のDefenseNewsは、「匿名希望の軍事専門家」の発言を、ロゴージン氏の発言と混同してしまったのです。

更に、DefenseNewsだけ読んで、ロシア語の元記事はチェックしない(そもそもロシア語の記事が読めない)日本の「専門家」が、この話を鵜呑みにしてしまったという事です。

空母ヴィクラマーディティヤは2013年11月にインドへ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦軍事技術協力庁は航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」のインドへの引き渡しが11月になる事を確認した】
ブラジリア、2月21日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアが売却した航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」インド側への引き渡しは(2013年)11月を予定している。
ロシア連邦軍事技術協力庁のトップであるアレクサンドル・フォミンは確認した。
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以前、連邦軍事技術協力庁副長官ヴャチェスラフ・ジルカルンは、同艦のインドへの引き渡し時期は(2013年)11月になると言った。

「(2013年)4月には艦がドックへ置かれ、6~7月には終了し、試験が行なわれ、11月には艦の公式納入式典が開催されるでしょう」
フォミン氏は記者団に伝えた。

「破損した箇所の解体作業が行なわれ、新たな機器が据え付けられます」
彼は指摘した。

軍事技術協力分野における最大の輸出契約である近代化された重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」インド海軍への売却は、ロシアにより2004年に調印された。
ロシア連邦は、7億5000ドルで同艦の近代化を行ない、同じ額でインド海軍へ航空隊を引き渡す事になっていた。
当初は2008年に発注者へ艦を納入する計画だったが、作業量の増加に起因して何度も延期された。
2004年に締結された契約に付加された新規の契約額は23億ドルである。
同艦には、戦闘機MiG-29KヘリコプターKa-27及びKa-31が配備される。

現在までに航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」は、ロシア造船企業「セヴマシュ」において大規模な改造が行なわれた。
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艦は、飛行甲板並びにMiG-29K離艦の為のトランポリン台、最新の機器が装備されており、航空母艦の船体には、長さ約2キロメートルの新たなケーブル線路が敷設された。
艦は、新たな航海及び電波位置特定システム、通信複合体及び航空管制複合体を受け取った。
(2013年2月21日16時04分配信)


[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]

2012年12月にインド海軍へ引き渡される筈だった航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)ですが、2012年夏の航海試験中にボイラーが損傷し、引き渡し時期が延期される事になりました。
[空母ヴィクラマーディティヤ、引渡し延期?]

そして、「ヴィクラマーディティヤ」に使われた耐火レンガなどに問題が在る事が明らかにされました。
[空母ヴィクラマーディティヤに使われている外国製品に問題が生じた]
[中国はロシアへの耐火レンガ輸出を否定した]

「ヴィクラマーディティヤ」の引き渡しは2013年末になるようです。
[空母ヴィクラマーディティヤは2013年10-12月にインドへ引き渡される]
[空母ヴィクラマーディティヤは2013年末にインドへ引き渡される]

問題の耐火レンガは、結局アスベストに変更される事になりました。
[インドは空母ヴィクラマーディティヤのボイラーへのアスベスト使用に同意した]

ボイラーKVG-3Dの修理(耐火レンガアスベストに交換)は、2013年1月末までに完了しました。
[空母ヴィクラマーディティヤの修理は完了した]

今回の記事に登場するアレクサンドル・フォミン氏は、今年2月初頭に「ヴィクラマーディティヤ」の航海試験は今年夏に開始されると述べています。
[空母ヴィクラマーディティヤは今年夏に航海試験を開始する]

フォミン氏によると、「ヴィクラマーディティヤ」は、昨年(2012年)11-12月に動力装置の冷却システムの故障を起こしていたようです。

今回の記事中にある「破損した箇所」というのは冷却システムを指しています。

この冷却システムを交換する為、「ヴィクラマーディティヤ」は今年4月に「セヴマシュ」のドックへ入渠します。
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「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)は、船体の大改造の為、2005年11月30日にもドック入りしています。
[空母ヴィクラマーディティヤ、ドック入り(2005年11月30日)・その1]

[空母ヴィクラマーディティヤ、ドック入り(2005年11月30日)・その2]

[空母ヴィクラマーディティヤ、ドック入り(2005年11月30日)・その3]

「ヴィクラマーディティヤ」は2008年12月4日に再進水しました。
[インド空母「ヴィクラマーディティヤ」進水]
[インド空母「ヴィクラマーディティヤ」進水(2008年11月~12月4日)]


「ヴィクラマーディティヤ」搭載分の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB(計16機)は、2011年12月末までに全機インドへ引き渡されています。
[空母「ヴィクラマーディティヤ」の為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBの納入は2011年末までに完了する]

このMiG-29K/MiG-29KUBは、インド海軍航空隊第303飛行隊「ブラックパンサーズ」に配備され、ハンザ航空基地(ダボリム空港)に駐留しています。
【第303飛行隊「ブラックパンサーズ」】
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【ハンザ航空基地】
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ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する

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『イズベスチヤ』より
2013年2月21日0時01分配信
【太平洋艦隊は「ソヴェルシェンヌイ」を待ち倦んでいる】

(ロシア)国防省は新たなコルベットの航海試験を1年延期する。
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(ロシア)国防省は、コムソモリスク-ナ-アムーレアムール造船工場で2006年に起工されたプロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の航海試験を1年延期する。
今、試験は2013年では無く、2014年に予定されている。
(ロシア)海軍総司令部の高位の情報提供者は、その理由が、同艦の製造者が仕事の期日を守れなかった事に有ると『イズベスチヤ』へ伝えた。

「この状況は、(ロシア海軍)総司令部の最近の会議で議論されました。
これまでの時間で、船体の形成のみが完了しており、上部構造物は、昨年秋に工場へ届けられています。
動力装置は、未だ準備されておりません。
それは全て同艦を建造している(アムール)造船所の失策です」

彼は伝えた。
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元々の計画によると、同艦は、今年(2013年)前半には係留試験に、第4クオーター(10-12月)には航海試験に合格していなければならなかった。
しかし、それが実施されない事は明白であり、同艦の準備が整う新たな期日が2014年末になる事は明らかである。
(ロシア海軍)総司令部の士官は伝えた。

プロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェンヌイ」、「グロームキー」「リェーズヴイ」(後者の2隻は、図面及び契約上にのみ存在する)は、その地政学的重要性にも関わらず、消えて無くなりそうに見える太平洋艦隊の艦艇編制を更新するものである。
バルト艦隊は2隻のプロジェクト20380コルベットを誇り、北方艦隊には、比較的新しい重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」が在る。

ロシア極東海域で最も新しい大型水上艦は、1991年に就役した大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」であり、太平洋艦隊旗艦の巡洋艦「ワリャーグ」は、1989年(の就役)である。
新しいのは、2隻の揚陸艇と1隻のロケット艇のみである。
プロジェクト20380コルベットは、近海ゾーンで行動する為に設計されている。

「アムール造船工場」は、2007年に「統合造船業営団」へ加入した。
同社(アムール造船工場)の代理人は、 資金不足と製造計画の挫折の問題によるものであると『イズベスチヤ』へ説明した。

「2006年の(ソヴェルシェンヌイ建造)契約時に統合造船業営団は設立されておらず、アムール工場の前所有者は素直に転売しました。
セーヴェルナヤ・ヴェルフィ及び他の造船会社の場合、80億ルーブルの取引額が用意されましたが、アムール工場は70億ルーブルで請け負われ、投げ売りされました。
この金額は、最新鋭艦を造った経験により提示されましたが、これは非現実的です」

彼は述べた。

統合造船業営団は、2010年に新たな状況を軍へ報告し、この2年以内に「挫折した(契約)文書及び(工場の)運転」の作業量の評価を100-110億ルーブルと見積もった。
(アムール)造船所は、資金供給の不均一なペースに不満を持っている:当初は必要額の3-5パーセントであり、ここ2年間では1パーセントに落ち込み、インフレ率と作業及び材料コスト分の増加は無かった。

「国防省は、2012年からは我が社(アムール造船工場)へコルベットの為に総額70億ルーブルを支払いましたが、更なる資金は要求されていません」
情報提供者は嘆いた。

彼によると、奇妙な事に、軍は、他のプロジェクト20380コルベット「ボイキー」の為の資金拠出増加には安易に合意した。
それはサンクト-ペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されており、費用は約100億ルーブルになる。
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「サンクト-ペテルブルク(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)は資金を与えられているのに、極東(アムール造船工場)には与えられません。
資金さえあれば、艦は2-3年で準備できるのです。
私共は、速やかに決定しなければなりません。彼らの造船台が老朽化しないように」

統合造船業営団の代理人は『イズベスチヤ』へ表明した。

(ロシア)海軍総司令部は、資金割り当ては、船体の建造開始のみならず、(全体で)70億ルーブルで充分であると答えた。
トップ艦「ステレグーシチー」には国庫の「鍵の下で」80億ルーブルが支出され、遠距離高射複合体「リドゥート」と最新の戦闘情報管理システムを有する改良型の「ソーブラジテルヌイ」には100億ルーブルである。
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「ソヴェルシェンヌイ」には、そのようなものは提供されていないのに、全て平等に何も行われていない。
(ロシア)海軍士官は、作業に関して不快感を示した。

統合造船業営団の対談者は『イズベスチヤ』に反論した。
極東での作業コストは、バルト海に比べ、いずれの場合においても、同地域の労働者の賃金、より高価な電気料金、全国からの機器及び材料の輸送費用が影響を与える。
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不満が出ているのにも関わらず、(ロシア)海軍は、アムール造船工場から次のコルベットシリーズ「リェーズヴイ」の建造を取り上げる決定を検討している。
(ロシア海軍)総司令部は、移管する必要は無いと言う。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

プロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク-ナ-アムーレアムール造船工場で起工されました。
以前は2013年に就役すると言われていましたが、今回の記事によると、その可能性は消えました。

アムール造船工場で建造されているコルベットに関しては、以前にも費用問題で建造工事が遅延されると報じられています。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]

「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はサンクト-ペテルブルクで製造され、2013年10月にアムール造船工場へ到着し、船体上に設置されました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]
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アムール造船工場で建造されるコルベットの為の各種部品は、ロシア西部地域(サンクトペテルブルクなど)で製造され、極東へ運ばれます。
[太平洋艦隊の為の新世代コルベットの部品が製造される]

今回の記事によると、コルベット「ソヴェルシェンヌイ」には、同型艦「ソーブラジテルヌイ」などに搭載されている新型の高射ミサイル複合体「リドゥート」は搭載されないようです。
[ロシア海軍の新型コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
おそらくは、「ステレグーシチー」と同様の「コールチク-M」か、他の近接高射ミサイルが搭載されるのでしょう。
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しかしながら、サンクト-ペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造される同型艦に比べると、各種コンポーネントの輸送費用などが余分に掛かる事になり、造船業界サイドにしてみれば、その分も貰わなければ赤字になってしまいます。

今回の記事を読む限り、ロシア海軍側は、そのような「地方の事情」を全く考慮していないようです。

なお、今回の記事では、アムール造船工場で建造される2隻目以降のコルベット「グロームキー」「リェーズヴイ」「図面及び契約上のみの存在」と書かれていますが、「グロームキー」は2012年4月20日に起工されています。
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[親衛コルベット「グロームキー」の建造は開始された]
[新世代コルベット「グロームキー」は起工された]
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以前は、アムール造船工場で起工される2隻目のコルベットの艦名が「リェーズヴイ」になると言われていましたが、2隻目は「グロームキー」と命名されました。


記事中にあるロシア太平洋艦隊「新しい2隻の揚陸艇と1隻のロケット艇」というのは、2000年以降に就役した水上艦艇を指しています。

揚陸艇は2010年6月4日に就役したD-107(プロジェクト11770「セルナ」)と、2013年就役予定の「イワン・カルツォフ」(プロジェクト21820「ジュゴン」)ロケット艇は2003年9月24日に就役したR-29(プロジェクト12411「モルニヤ」、タランタルIII級)です。

揚陸艇D-107
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プロジェクト21820揚陸艇
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ロケット艇R-29
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北方艦隊海賊対処部隊はアデン湾でNATO海軍と合同演習を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア海軍将兵はNATOの同僚と海賊対処演習を実施する】
モスクワ、2月21日-ロシア通信社ノーボスチ

大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、アデン湾NATO海軍合同海賊対処演習に参加する。
木曜日、西方軍管区・北方艦隊情報供給・広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は記者団に伝えた。

彼によると、「セヴェロモルスク」艦上において、アデン湾国際演習実施の準備の為の会議が開かれた。

「計画によると、数日間に渡る演習は、アデン湾海域及びアフリカの角沿岸に沿った海賊活動の阻止に費やされ、ロシア及び外国海軍将兵は、ロシアとイタリアの臨検グループによる乗っ取られた船の解放の組織的作業のエピソードを仕上げます」
セルガは話した。

彼は、艦上の北方艦隊イタリア海軍海軍歩兵ヘリコプターKa-27PSEH-101マーリンに乗って演習に参加する事を指摘した。
(2013年2月21日14時03分配信)
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北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」を中核とする北方艦隊アデン湾海賊対処部隊は、2012年12月18日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクを出港しました。
[大型対潜艦セヴェロモルスクはソマリア沖へ向かった]

2012年12月25日、英仏海峡を通過しました。
[北方艦隊アデン湾海賊対処部隊は英仏海峡を通過する]

2013年1月1日はビスケー湾で迎えました。
[北方艦隊アデン湾海賊対処部隊はビスケー湾で新年を祝う]

2013年1月5日、スペインセウタ港を訪問し、1月7日まで滞在しました。
[ロシア北方艦隊海賊対処部隊はスペインのセウタ港で20万ユーロを支出した]

2013年1月14日から18日までギリシャスーダ港を訪問しました。
[北方艦隊海賊対処部隊はクレタ島を訪れた]

2013年1月19日から始まった地中海東部ロシア海軍3艦隊合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習は黒海と地中海で始まった]
[北方艦隊海賊対処部隊は任務遂行の準備を終えた]
[大型対潜艦セヴェロモルスクは機雷破壊訓練を行なった]

2013年1月31日には紅海へ入りました。
[北方艦隊海賊対処部隊は紅海へ入った]

2013年2月4日、ロシア砕氷船の護衛を開始しました。
[北方艦隊海賊対処部隊はアデン湾で任務に就く]

ロシア海軍は2012年に2隻の原潜と3隻の水上戦闘艦を受領できなかった

『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア海軍は2012年に5隻の戦闘艦を受領できなかった】
モスクワ、2月21日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア造船業界は、ロシア連邦海軍への5隻の戦闘艦:2隻の潜水艦と3隻の水上艦の納入を1年遅延した。
木曜日、ロシア通信社ノーボスチは、防衛産業企業体の高位の代理人より伝えられた。

2012年の国家防衛発注において、(ロシア)海軍は3隻の原子力潜水艦-「ユーリー・ドルゴルーキー」、「アレクサンドル・ネフスキー」(プロジェクト955「ボレイ」)、「セヴェロドヴィンスク」(プロジェクト885「ヤーセン」)と3隻の水上艦-2隻のコルベット「ボイキー」、「ストイーキー」、フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」を受領する事になっていた。
結局、海軍が受領したのは原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」だけだった。

「充分な回数の兵器及び機器の試験を実施できなかった事、そして気象条件といった様々な事情により、業界は5隻の艦を2012年中に海軍へ引き渡すことが出来ませんでした。
それ(海軍への引き渡し)は2013年に実現するでしょう」

防衛産業企業体の代理人は話した。
(2013年2月21日9時30分配信)


戦略原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は2013年1月10日に就役したと報じられていますが、これは正確には「海軍旗の授与・初掲揚」であり、同艦のロシア海軍への受領-引渡証書への署名は、2012年12月29日に行なわれています。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]


戦略原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」(ボレイ級)、多用途原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」(ヤーセン級)は、最終試験である国家受領試験を2012年末までに完了させる事が出来ず、同年末に就役できませんでした。
[ボレイ級戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーは2013年夏にSLBMブラヴァーを発射する]

[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2013年にロシア海軍へ引き渡される]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスク、国家試験に不合格?]

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[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

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[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]

コルベット「ボイキー」(ステレグーシチー型)は、艦首の100mm砲の納入遅延により、2012年末までに就役できませんでした。
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同艦に100mm砲が設置されたのは2013年1月でした。
[新世代コルベット「ボイキー」に100mm砲が設置された]

コルベット「ストイーキー」(ステレグーシチー型)は2012年5月30日に進水しましたが、艤装が完了せず、2012年中には航海試験に出る事すら出来ませんでした。
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[ロシア海軍新世代コルベット"ストイーキー"は進水した]

[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]


フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、搭載予定の130mm砲の開発の遅れなどの理由により、2012年中には航海試験に出る事すら出来ませんでした。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の建造は長期化する]
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[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

更に、コルベット2隻とフリゲート1隻に関しては、建造元である「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」(北方造船所)の資金面の問題も有りました。

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
2012年11月16日配信
【アレクサンドル・ウシャコーフ:2011年と2012年前半の「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は破綻の為に苦労した】
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」総取締役アレクサンドル・ウシャコーフ氏によると、同社は2011年の1年間と2012年の前半に銀行からの融資を受けられなかった為、資金繰りに苦労していたとの事です。
ロシア中央銀行から「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」に対し、コルベット(「ステレグーシチー」型)建造の為の資金の融資が開始されたのが2012年8月27日、フリゲート(アドミラル・ゴルシコフ」)建造の為の資金の融資の開始は2012年9月10日でした。
つまり、それまでは殆ど工事が進まなかったという事です。


今回の記事に登場する「防衛産業企業体の高位の代理人」氏は、この5隻が2013年末までにロシア海軍へ引き渡されると述べていますが、他の4隻はともかく、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、引き渡しが2014年にずれ込む可能性も指摘されています。
[新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」、2014年春に就役?]

ロシア海軍はタンザニアで対海賊演習を行なった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【太平洋艦隊将兵は、彼らのボートを「制圧」し、タンザニアの同僚に感銘を与えた】
ウラジオストク、2月20日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」乗組員は、水曜日にタンザニアで対海賊演習を実施した。
「ロシア通信社ノーボスチ」は、同艦隊の公式代理人ローマン・マルトフ1等海佐より伝えられた。

「演習は、タンザニア海軍将兵の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ訪問から始まりました。
彼らには、海賊との戦いで使用された対テロリストグループの武器や装備の見本が提示されました」

マルトフ氏は話した。

彼は、演習の活動段階では、タンザニア海軍の艇が海賊船の役目で参加していたと説明した。
そこへ、ロシア海軍歩兵グループが乗り込んだ。

太平洋艦隊艦船支隊指揮官のウラジーミル・ウドヴェンコ海軍少将によると、ロシア海軍将兵の行動は、見学者に大いなる感銘を与え、タンザニア軍指導部からは高い評価を受けた。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、この前の日曜日(2月17日)に​​タンザニアダルエスサラーム港へ非公式訪問の為に到着した。
ロシア海軍代表団は、同市のトップとタンザニア海軍司令官を訪問し、太平洋艦隊将兵は、アレキサンドリア・全アフリカ総主教テオドロスII世猊下の礼拝に参加した。
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水曜日、大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」、給油船「イルクト」、海洋救助曳船「アラタウ」から成る支隊は、出発式典の後、インド洋へと向かう。
(2013年2月20日13時29分配信)


ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」を中核とするアデン湾海賊対処部隊は、11月2日にウラジオストクを出港しました。
[ロシア海軍第14次アデン湾海賊対処部隊はウラジオストクを出港した]

11月28日にはインドムンバイへ入港し、インド海軍との合同演習「インドラ-2012」に参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習「インドラ-2012」は終了した]

その後、イランを訪れました。
[太平洋艦隊の軍艦はイランを訪れた]

2013年の元旦はアラビア海で迎えました。
[太平洋艦隊海賊対処部隊はアラビア海で新年を迎える]
[ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊は新年を祝う]

2013年1月15日からアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊艦船部隊はアデン湾で海賊対処任務に就いた]

2013年2月7日にはセーシェル諸島を訪問しました。
[太平洋艦隊海賊対処部隊はセーシェル諸島を訪問する]

セーシェル諸島滞在中、同国のカーニバルに参加しました。
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2月11日にセーシェル諸島を出港し、アフリカタンザニアへ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区広報サービス発表
2013年2月12日11時03分配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」はタンザニアへ向かった】
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2月17日、タンザニア連合共和国ダルエスサラームに到着しました。
[ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊はタンザニアを訪問する]


そして今回の記事で書かれているように、タンザニアで対海賊演習を行なった後、2月20日にダルエスサラームを出港しました。

今回の記事によると、対海賊演習では、タンザニア海軍の戦闘艇を「海賊船」に見立て、そこへロシア海軍歩兵部隊が「突入」したとの事です。
【タンザニア海軍公式サイト】


今回の太平洋艦隊海賊対処部隊は、ロシア海軍全体で通算14回目、太平洋艦隊としては通算8回目になります。
[ロシア海軍はソマリア沖海賊対処任務を続ける]

新世代戦略原潜ボレイ級3番艦ウラジーミル・モノマーフの動力試験は2013年6月までに完了する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」の動力装置の試験は2013年6月までに完了する】
2013年2月19日

2013年6月までに原子力水中巡洋艦「ウラジーミル・モノマーフ」-3隻目のプロジェクト「ボレイ」戦略用途ロケット水中巡洋艦-は、主要動力装置の複合係留試験を完了しなければならない。
テレビ番組「ロシアへの奉仕」で、公開株式会社「生産合同セヴマシュ」総取締役第1代理セルゲイ・マリチェフ氏は表明した。

核動力炉起動後、「ウラジーミル・モノマーフ」は、新たな2013年の直前に造船台を出渠し、2013年1月18日に水上へ出た。
(2013年)夏には係留試験を完了し、水中巡洋艦白海での工場航海試験へ向かう-(水中)巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」の後に。
以前の受注とは異なり、「ウラジーミル・モノマーフ」の建造は、スケジュールの期日より遅れてはいない。

「アレクサンドル・ネフスキーの射爆場への航海準備の開始は北方艦隊白海海軍基地の責任下で行なわれ、国家受領試験プログラムにより、3度の海洋への出航を実施します」
マリチェフ氏は話した。
今年末までに同艦は発注者へ引き渡され、受領証明書への署名が行なわれ、「セヴマシュ」「ボレイ」の最初の生産艦を発注者へ納入する。

「セヴマシュ」広報サービスによると、今年夏の海洋試験中に「アレクサンドル・ネフスキー」弾道ミサイル「ブラヴァー」の試射を実施する。
これが成功した場合、同艦は8-9月に(ロシア)海軍へ引き渡されるかもしれない。
同艦の航海試験(国家受領試験)の最初の段階は昨年(2012年)に実施された。

セルゲイ・マリチェフ氏は、2012年7月30日に「セヴマシュ」で起工され、建造中の4隻目の改善されたプロジェクト「ボレイ-A」戦略用途ロケット水中巡洋艦-「クニャージ・ウラジーミル」にも触れ、潜水艦の強度船体の組み立て-溶接作業は完了し、今年には水圧試験が実施される。
「第4の(水中)巡洋艦は、以前の(同型)艦とは異なる新たな基本要素を有しますが、魚雷-ミサイル兵装は依然と同様です」
マリチェフ氏は指摘した。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

「ボレイ」級3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工され、2012年12月30日に進水しました。
[ボレイ級戦略原潜3番艦ウラジーミル・モノマーフ進水(セヴマシュ公式サイト)]
[ボレイ級戦略原潜3番艦ウラジーミル・モノマーフは進水した]

2013年1月18日、「セヴマシュ」造船所の岸壁に係留されました。
[ボレイ級戦略原潜3番艦ウラジーミル・モノマーフの係留試験が開始された]


「ボレイ」級2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」は、今年夏に海洋弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないます。
[ボレイ級戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーは2013年夏にSLBMブラヴァーを発射する]


「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」太平洋艦隊へ配備されます。
[ボレイ級戦略原潜2番艦と3番艦は太平洋艦隊へ配備される]


「ボレイ」級4番艦(プロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)は、2012年7月30日に起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]

今回の記事中で「セヴマシュ」総取締役第1代理セルゲイ・マリチェフ氏も言及していますが、「ボレイ」級4番艦以降の兵装は1-3番艦と同じです。
[新世代戦略原潜ボレイ級4番艦以降(ボレイ-A)の弾道ミサイル搭載数は増加しない]


「ボレイ」級1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]
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新世代戦略原潜ボレイ級4番艦以降(ボレイ-A)の弾道ミサイル搭載数は増加しない

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【新たな原子力潜水艦「ボレイ-A」は20基では無く、16基の「ブラヴァー」で武装している】
モスクワ、2月20日-ロシア通信社ノーボスチ

改善された新たなプロジェクト955A(ボレイ-A)戦略原子力潜水艦は、艦載弾道ミサイル「ブラヴァー」の増加を意味するものでは無く、(ミサイル装備数は)16基となる。
ロシア通信社ノーボスチは、ロシア軍事産業企業体の高位の代理人より伝えられた。

以前、殆ど全てのロシア及び外国のメディアは、新たなロシア潜水艦プロジェクト955Aは、プロジェクト955とは事なり、20基の「ブラヴァー」ミサイルで武装すると報じた。

「プロジェクト955Aとクラシックなボレイ(プロジェクト955)との違いはミサイルの数では無く、それは16基のままです。
それぞれの潜水艦の排水量も、以前と同じままです」

軍事産業企業体の代理人は話した。

同時に彼は、プロジェクト955Aは、確かに(955とは)大きな違いがある事を強調した。
「特に、このプロジェクトの潜水艦は、物理的フィールド(可視性)が大幅に低下し、秘匿性の高い最新の通信手段及び探知手段を有しています。
乗組員の居住性と持続力(ダメージコントロール)は改善されました」

軍事産業企業体の代理人は話した。

現在、セヴェロドヴィンスク造船工場「セヴマシュ」では、プロジェクト955A「ボレイ-A」の1番艦「クニャージ・ウラジーミル」が建造されている。
合計で8隻のプロジェクト955及び955A原子力潜水艦が建造されなければならない。

プロジェクト955955Aは、海洋工学中央設計局「ルビーン」(サンクトペテルブルク)により設計された。
トップ艦の「ユーリー・ドルゴルーキー」は、既に軍備採用されている。

全長170メートル、幅13.5メートル、総排水量2万4千トンの(水中)巡洋艦は、「ブラヴァー-30」ミサイル16基の発射筒を有する。
(2013年2月20日11時14分配信)


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]


記事中でも触れられているように、以前は、プロジェクト955「ボレイ」級4番艦(プロジェクト955A「ボレイ-A」)は、海洋発射弾道ミサイル「ブラヴァー」の搭載数が20基に増加されると報じられていました。
[新世代戦略原潜ボレイ級4番艦以降はSLBM搭載数が20基に増加する]

しかし今回、この情報は否定されました。
今回の記事を読む限り、「ボレイ-A」は、外見上は1~3番艦と大した違いは無さそうです。
改良されたのは「中身」という事でしょう。

「ボレイ」級4番艦以降が改良型になるという事自体は、以前から何度も報じられています。
当初は、弾道ミサイル搭載数については触れられていませんでしたが。
[ボレイ型原潜最新情報]
[「ボレイ」級戦略原潜4番艦は、改正型となる]


「ボレイ」級4番艦(プロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)は、2012年7月30日に起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]

「ボレイ」級1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、2013年1月10日に就役しています。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]

ソブレメンヌイ級駆逐艦ブールヌイのエンジンが修復される

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【サンクト-ペテルブルクは駆逐艦「ブールヌイ」の動力装置を修復する】
2013年2月18日

公開株式会社「キーロフスキー・ザヴォード」に属する工場「キーロフエネルゴマシュ」は、 太平洋艦隊駆逐艦「ブールヌイ」の主要動力装置及び機器の修理を開始した。
『中央海軍ポータル』特派員は、同社の情報提供者より伝えられた。

工場は既に駆逐艦「ブールヌイ」ギアードタービンユニットの解体を終えている。
今年、ユニットは修理され、「ダーリザヴォード」で長期修理中の駆逐艦へ設置される。

サンクト-ペテルブルク企業の将来の計画によると、太平洋艦隊の同型艦の1隻で同様の作業が実施される。

非公開株式会社「キーロフエネルゴマシュ」は、インド海軍航空母艦プロジェクト11430「ヴィクラマーディティヤ」の動力装置の近代化に参加した。
メインタービンは同社で修理され、その後、2012年夏の白海及びバレンツ海における工場航海試験においても確実に動作していた。

現在、同社は「セヴマシュ」へのインド航空母艦の為の交換用部品及び付属品の供給契約を履行している。
「ヴィクラマーディティヤ」の航海試験は2013年夏に開始される予定であり、年末までに発注者へ艦が納入される予定である。

駆逐艦「ブールヌイ」は、プロジェクト956「サリィチ」の9番艦である。
A.A.ジダーノフ記念造船工場(1996年から公開株式会社「造船工場セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」)で1983年11月4日に起工され(工場番号869)、1986年12月30日に進水し、1988年10月16日にソヴィエト社会主義共和国連邦海軍旗が初掲揚された。
1989年12月、太平洋艦隊の編制へ加入し、同艦隊で勤務し、2005年、修理の為にウラジオストク「ダーリザヴォード」へ置かれた。


【非公開株式会社「キーロフエネルゴマシュ」公式サイト】
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[ソブレメンヌイ級9番艦ブールヌイ]
2005年夏までは稼働していましたが、その後、ウラジオストク金角湾艦船修理工場「ダーリザヴォード」でオーバーホールが開始されました。
[ソブレメンヌイ級駆逐艦「ブールヌイ」近影(2009年4月14日)]
[ソブレメンヌイ型駆逐艦「ブールヌイ」近影(2011年12月-2012年1月)]
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それから7年以上経っても修理は完了せず、このまま消え去るかに思えましたが、今回の記事によると、ようやく蒸気タービンの本格的な修理が開始されました。


昨年(2012年)8月、「統合造船業営団」国家防衛発注部長アナトーリー・シレモフ氏は、プロジェクト956駆逐艦(ソブレメンヌイ型)について、こう述べています。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年8月31日10時00分配信
【アナトーリー・シレモフ氏へのインタビュー】
インタビュアー:駆逐艦プロジェクト956も解体されるのでしょうか?
シレモフ:いいえ、そんな事は考えておりません。
私共は艦を修理しており、現在、7隻が海軍の戦闘編制に在ります。
これらの(艦の)機器準備状態は支援されております。
例えば、太平洋艦隊の駆逐艦「ブールヌイ」は、「ダーリザヴォード」で修理されております。
作業場では、既に主要動力装置が修復されています。
彼ら(駆逐艦の乗員)は、同プロジェクトの全ての艦の修理の実現を期待しています。



今回の記事によると、太平洋艦隊に所属する「ソブレメンヌイ」型駆逐艦1隻が「ブールヌイ」と同様に修理されるとの事です。
おそらくは、「ブイストルイ」でしょう。
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今回の記事に登場する駆逐艦「ブールヌイ」、そしてインド海軍航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」は双方とも蒸気タービン機関ですが、「キーロフエネルゴマシュ」が担当しているのは、タービン部分です。

既に知られているように、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」は昨年(2012年)の航海試験中にボイラーが故障しましたが、「キーロフエネルゴマシュ」が担当したタービン部分は、特に不具合は出なかったようです。

ロシア海軍の大型揚陸艦4隻は地中海東部へ向かう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年2月19日11時59分配信
【ロシア連邦海軍の4隻の揚陸艦は地中海へ派遣される】
モスクワ、2月19日-ロシア通信社ノーボスチ

近い内に黒海艦隊の4隻の大型揚陸艦から成る支隊は戦闘勤務遂行の為に地中海へ到着する。
火曜日、ロシア連邦国防省情報・広報サービス管理部は発表した。

現在、地中海には、ロシア連邦海軍の戦闘艦1隻-黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」と数隻の保障船が居る。

「2013年1月19日から29日まで黒海及び地中海エリアで行なわれた軍指導部主導による海軍演習の結果、地中海におけるロシア戦闘艦の戦闘勤務の続行が決定されました」
国防省は伝えた。

国防省が指摘したように、既にノヴォロシースクを出航した大型揚陸艦「カリーニングラード」「アレクサンドル・シャバリン」は、近い内に地中海東部へ到着する。
更には、2月末までに大型揚陸艦「サラトフ」「アゾフ」地中海へ到着する。

「指定海域における今後のグループを構成する(艦船)数と艦船のタイプは、今後の状況に基づいて決められます」
声明では、こう述べられた。

この10年間で最大のロシア海軍艦隊間グループ演習には、黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊の20隻以上の艦船、原子力艦1隻を含む3隻のロシア海軍潜水艦、更には遠距離航空隊及び第4航空・防空軍司令部が参加した。


『イタル-タス』より
2013年2月19日12時04分配信
【国防省指導部は地中海におけるロシア艦船の戦闘勤務の続行を決定した】
モスクワ、2月19日/イタル-タス

ロシア国防省指導部は、地中海におけるロシア戦闘艦の戦闘勤務の続行を決定した。
この決定は、2013年1月19日から29日まで黒海及び地中海エリアで行なわれた海軍演習の結果に基づいて採択された。
イタル-タスは、ロシア連邦国防省情報・広報サービス管理部より伝えられた。

「現在、地中海には警備艦スメトリーヴイと数隻の保障船が居ます」
軍当局は説明した。

更に国防省は、近い内に、この支隊には、既にノヴォロシースクを出航したバルト艦隊大型揚陸艦「カリーニングラード」「アレクサンドル・シャバリン」が参加すると伝えた。
加えて、2月末までには黒海艦隊大型揚陸艦「サラトフ」「アゾフ」地中海へ到着する。

「今後のグループを構成する(艦船)数、並びに指定海域で行動する艦船のタイプは、今後の状況に基づいて決められます」
国防省は要約した。

軍当局指導部が地中海におけるロシア連邦海軍艦船の戦闘勤務遂行の継続を決定した事に関し、ロシアの軍事専門家は、こう指摘した。
「以前のロシア戦闘艦グループの任務の概括内容が明らかにされていないのにも関わらず、この地域の情勢が拡大する可能性に基づく大型揚陸艦のグループ構成は、ロシア海軍部隊の主な任務が、シリアからのロシア市民の避難を可能にする事であると推察されます」


記事中で触れられているロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習は、2013年1月19日から29日まで黒海及び地中海東部で実施されました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

バルト艦隊大型揚陸艦「カリーニングラード」「アレクサンドル・シャバリン」は、黒海沿岸(ノヴォロシースク近郊のマーリ・ウトリシュ)で行なわれた上陸演習に参加しました。
[バルト艦隊の大型揚陸艦は黒海で揚陸演習を行なう]
[ノヴォロシースク近郊で上陸演習が行なわれた]

その後、地中海東部へ行き、再び黒海へ戻り、ノヴォロシースクへ入港しました。
[バルト艦隊の大型揚陸艦2隻は再びノヴォロシースクへ入港した]

黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」は、地中海東部3艦隊合同演習に参加し、2013年2月5日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア黒海艦隊の戦闘艦はセヴァストーポリへ戻った]
今回のロシア国防省発表によると、また出港して地中海へ行ったようです。

黒海艦隊大型揚陸艦「サラトフ」「アゾフ」地中海東部3艦隊合同演習に参加し、一旦セヴァストーポリへ戻りました。
今回のロシア国防省発表によると、近い内に地中海へ向かうようです。


今度のロシア海軍地中海東部派遣部隊は、こうなるようです。

[ロシア海軍戦闘艦船支隊]
警備艦「スメトリーヴイ」
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大型揚陸艦「カリーニングラード」
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大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」
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大型揚陸艦「アゾフ」
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大型揚陸艦「サラトフ」
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保障船(給油船及び救助曳船)数隻



黒海艦隊には大型揚陸艦7隻が在籍しているのですが、「サラトフ」「アゾフ」以外は修理中あるいは修理待ち状態であり、今すぐ動かせるのは、この2隻だけです。
この為か、バルト艦隊大型揚陸艦2隻も当面の間は地中海東部に留まる事になったようです。

なお、バルト艦隊大型揚陸艦2隻の他、警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」なども一緒に地中海へ来ており、1月下旬の3艦隊合同演習に参加したのですが、こちらはバルト海へ戻るようです。

ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2013年に進水する

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【「アドミラルティ造船所」は2013年に潜水艦「ノヴォロシースク」を進水させる】
2013年2月12日

「サンクトペテルブルク日記」が同社(アドミラルティ造船所)から伝えられた所によれば、潜水艦の供給を専門とする株式会社「アドミラルティ造船所」は、今年、プロジェクト06363ディーゼルエレクトリック潜水艦「ノヴォロシースク」の進水を予定している。

次の年には、同プロジェクトの2隻の潜水艦-「ロストフ-ナ-ドヌー」、「スタールイ・オスコル」が進水する。
計画に在る後続の3隻のプロジェクト06363ディーゼルエレクトリック潜水艦は、未だ起工されていない。
これらの艦は、全て黒海艦隊へ行く。

間もなく、プロジェクト「ラーダ」非核動力潜水艦の象徴名でもある「サンクトペテルブルク」は、北方艦隊で試験運航を開始する。
同プロジェクトは、更に2隻-「クロンシュタット」「セヴァストーポリ」が起工されている。

「アドミラルティ造船所」は、その歴史の中で、41隻の原子力潜水艦を含む300隻の潜水艦を建造した。


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ロシア海軍向けのプロジェクト06363潜水艦は、現在までに3隻が起工されています。
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[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年進水予定/2014年就役予定
黒海艦隊に配備予定
[ロシア海軍潜水艦ノヴォロシースクは2013年末に進水する]
[ロシア黒海艦隊は2014年に新造艦を受領する]

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2015年就役予定
黒海艦隊に配備予定

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[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルは8月17日に起工される]
[改キロ級潜水艦スタールイ・オスコルは8月17日に起工される]
[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルは起工された]

06363潜水艦は合計6隻が建造され、黒海艦隊へ配備される予定です。
[ロシア黒海艦隊は2017年に7隻の潜水艦を有する]

06363潜水艦には、有翼ミサイル「カリブル」が装備されるという情報も有ります。
[ロシア海軍のアクラ級及びキロ級はカリブル有翼ミサイルを装備する]

ロシア海軍3艦隊合同演習はシリア情勢とは関係が無い

『ロシア通信社ノーボスチ』より
【地中海の海軍演習はシリアの出来事とは関係ない-黒海艦隊参謀部】
モスクワ、2月16日-ロシア通信社ノーボスチ

地中海艦隊間グループ演習は、シリアでの出来事との関連性を有しない。
土曜日、黒海艦隊参謀長代理ユーリー・ゼムスキー1等海佐は述べた。

黒海艦隊、北方艦隊、バルト艦隊の20隻以上の艦船による艦隊間演習は、2012年末に実施された。
複数の西側及びロシアのメディアは、この演習がシリアへの兵器納入の為の偽装であると関連付けて報じた。

「この演習と、かの国(シリア)の情勢との間には、関連性が有りません」
ゼムスコイ氏は、ラジオ局「エコー・モスクワ」で話した。

彼によると、(演習の)主な課題は、海賊対処、航行中の貨物の受け渡し、更には、外部の脅威からの民間船の保護を仕上げる事にあった。

ゼムスコイ氏は、演習にはイスラエル、フランスといった国々が関心を有していたが、挑発行為は無かったと指摘した。

この10年間で最大のロシア海軍艦隊間グループ演習には、黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊の20隻以上の艦船、原子力艦1隻を含む3隻のロシア海軍潜水艦、更には遠距離航空隊及び第4航空・防空軍司令部が参加した。
演習は、ロシア連邦軍参謀本部総長代理アレクサンドル・ポストニコフ大将が統括した。
(2013年2月16日12時41分配信)


『エコー・モスクワ』より
今回、ユーリー・ゼムスキー氏が出演した番組
【2013年2月16日12時08分の放送】
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ロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習は、2013年1月19日に始まりました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習は黒海と地中海で始まった]
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今回の演習には、ロシア海軍の23隻の水上艦船と3隻の潜水艦(内1隻は原子力潜水艦)が参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習には20隻の水上艦船と3隻の潜水艦が参加する]

地中海東部には、少なくとも14隻の水上艦船と2隻の潜水艦(内1隻は原子力潜水艦)が展開しました。

[ロシア連邦海軍3艦隊連合グループ]
指揮官:ロシア連邦海軍総参謀長代理レオニード・スハーノフ少将
旗艦:親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」

[黒海艦隊艦船支隊]
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」
警備艦「スメトリーヴイ」
大型揚陸艦「サラトフ」
大型揚陸艦「アゾフ」
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」
海洋曳船MB-304

[バルト艦隊艦船支隊]
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」
大型揚陸艦「カリーニングラード」(黒海から地中海へ移動)
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」(黒海から地中海へ移動)
中型海洋給油船「レナ」
救助曳船SB-921

[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
救助曳船「アルタイ」


黒海沿岸(ノヴォロシースク近郊のマーリ・ウトリシュ)では、バルト艦隊大型揚陸艦2隻による上陸演習が実施されました。
[バルト艦隊の大型揚陸艦は黒海で揚陸演習を行なう]
[ノヴォロシースク近郊で上陸演習が行なわれた]
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地中海東部では、黒海艦隊の戦闘艦が実弾発射訓練を行ないました。
[黒海艦隊の戦闘艦は実弾発射訓練を行なう]
[ロシア海軍3艦隊演習は地中海東部で続けられる]
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北方艦隊艦船部隊は、対海賊戦闘訓練などを実施しました。
[北方艦隊海賊対処部隊は任務遂行の準備を終えた]
[大型対潜艦セヴェロモルスクは機雷破壊訓練を行なった]

今回の演習は、モスクワ市に在るロシア連邦軍参謀本部から地中海東部演習部隊総旗艦「モスクワ」などの演習参加艦船へ指示が出されました。
更に、演習部隊総旗艦「モスクワ」は、地中海東部及び黒海にまたがる演習部隊を指揮しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習の結果が分析された]

記事中にあるように、今回の演習には、ロシア空軍遠距離航空隊(戦略爆撃機部隊)も参加しました。
[プーチン大統領はロシア海軍3艦隊合同演習についての報告を受けた]


今回の演習に参加したバルト艦隊大型揚陸艦2隻は、2013年1月中旬にシリアタルトゥースへ入港し、同国へ納入する軍用車両を同港で降ろしていた事が明らかにされています。
[バルト艦隊の大型揚陸艦2隻は再びノヴォロシースクへ入港した]
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この事で、欧米ロシアのメディアが、今回の3艦隊合同演習シリアへの兵器納入をカモフラージュする為に行なわれたのだと書き立てていますが、全くのナンセンスです。
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その為だけに、20隻以上の水上艦船と3隻の潜水艦を集め、地中海東部のみならず黒海沿岸でも演習を実施するなどと言うのは馬鹿げています。
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ロシアとイタリアは小型潜水艦S-1000の開発を再開する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦とイタリアは最新小型潜水艦S-1000の開発を再び始める】
モスクワ、2月16日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアイタリアは、以前に開発が凍結されていた第3国市場の為の小型ディーゼル潜水艦S-1000の共同作成・販売の構想を復活させる。
海洋工学中央設計局「ルビーン」総取締役代理(外国事業・軍事技術協力担当)アンドレイ・バラノフ氏は、ロシア通信社ノーボスチのインタビューで話した。

このプロジェクトの開発は、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン提督の下で2000年代半ばに開始された。
しかし、次の総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー提督は、このプロジェクトを凍結させた。
現在、ロシア連邦イタリアは、プロジェクトを復活させる。

「ルビーンは、このプロジェクトの開発に関し、既に以前からイタリアのフィンカンティエリ社との生産作業を行なっています。
私共は、最新のヨーロッパの機器とロシアの設計経験の組み合わせにより、コンパクトな最新の小排水量の潜水艦を可能とする技術提案の形成を管理しております」

バラノフ氏は伝えた。

専門家によると、このようなプロジェクトは、未だ潜水艦の運用経験が無いが、独自の潜水艦隊の創設を望んでいる国が関心を持っているとバラノフ氏は説明した。

非核動力潜水艦S-1000は、熱帯条件の島嶼間で、主として浅瀬で行動する為に設計されている。
潜水艦の基本設計と量産はイタリア、ロシア、ヨーロッパ製の機器を使用して実行され、ミサイル兵器や非大気依存発電装置(オプションで追加)は有しない。
S-1000の開発契約は、2004年にイタリア国防省連邦単一企業「ロソボロネクスポルト」(ロシア兵器輸出公社)により署名された。
プロジェクトの開発は中央設計局「ルビーン」により行なわれる。

潜水艦の水中排水量は約1100トン、全長56.2m、潜航深度250m以上、最大航海速力14ノット、乗員16名(プラス特殊部隊戦闘員名)である。
(2013年2月16日10時54分配信)


『フィンカンティエリ』公式サイトより
【潜水艦S-1000】
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ロシア・イタリア共同開発ですが、現在の所、ロシアイタリアも自国で採用する意向は持っていないようです。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年2月16日10時00分配信
【アンドレイ・バラノフ氏へのインタビュー】

バラノフ氏は、ロシア海軍イタリア海軍S-1000を採用する具体的な計画を持っていないが、やがては、両国の海軍に、このサイズの潜水艦が登場する事になるだろうと述べています。
S-1000は、あくまでも、潜水艦の初心者ユーザー向けであると。

ベトナム向けキロ級潜水艦2隻は2013年中に引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ベトナム海軍の為の最初の2隻の潜水艦は2013年に顧客へ行く】
モスクワ、2月16日-ロシア通信社ノーボスチ

サンクト-ペテルブルクで(最終的には)6隻が建造される(予定の)非核動力潜水艦プロジェクト636(キロ級)の内の最初の2隻は、2013年に顧客(ベトナム)へと行く。
海洋工学中央設計局「ルビーン」総取締役代理(外国事業・軍事技術協力担当)アンドレイ・バラノフ氏は、ロシア通信社ノーボスチのインタビューで話した。

2009年12月、ベトナム首相グエン·タン·ズンは、6隻のロシア製プロジェクト636潜水艦を約20億ドルで納入する契約に署名したと表明した。
契約の履行は、2016年までに完了する予定である。

「昨年に進水した2隻の潜水艦は、カリーニングラード付近で試験を行ないます。
2013年、この2隻の潜水艦は顧客へと行かなければならず、これは世界が注目せずにはいられない重要なイベントとなる事でありましょう」

バラノフ氏は伝えた。

彼によれば、今年には、更に2隻の潜水艦が進水しなければならない。

更に彼は、外国の顧客の為に造られたプロジェクト636潜水艦は、ロシアで1980年代から輸出用に生産されているプロジェクト877EKM潜水艦とは大幅に異なる事を指摘した。

「艦の基本的な構成は元のままですが、基本特性は""中身"です。
とりわけ、電波電子機器、生命維持(ダメージコントロール)手段は、全くの最新鋭です」

バラノフは話した。

プロジェクト636潜水艦の総排水量は3100トン、速力20ノット、潜航深度300メートル、52名の乗組員を有する。
武装は533mm魚雷(6発射管)、機雷、ミサイル複合体「カリブル」(クラブ)である。
(2013年2月16日9時59分配信)


株式会社「海洋工学中央設計局ルビーン」公式サイトより
【非核動力潜水艦プロジェクト877Eと877EKM】
【非核動力潜水艦プロジェクト636】

ベトナム海軍向けのプロジェクト6361潜水艦の1番艦「ハノイ」は、2010年8月23日に起工され、2012年8月28日に進水しました。
[ベトナム向けキロ級潜水艦の1番艦は進水した]

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【プロジェクト6361「ハノイ」工場番号01339】
2012年12月には最初の海洋試験を実施しました。
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2番艦「ホーチミン」は2012年12月28日に進水しました。
【プロジェクト6361「ホーチミン」工場番号01340】
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現在の所、ベトナム海軍向け6361潜水艦(最終的には6隻建造予定)で、起工が確認できるのは2隻のみです。
3番艦も起工されているとの情報も有りますが、詳細は不明です。
むろん、4番艦以降は未だ起工されていません。

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2013年2月5日配信
【ベトナム海軍の潜水艦は正常に潜航した】
潜水艦HQ-182「ハノイ」は、2013年2月初頭から潜航試験を実施しております。
同艦は2013年9月の引き渡しが予定されています。
2番艦HQ-183「ホーチミン」は、2011年9月28日に起工されたとの事です。


なお、今回の記事では、636の搭載するミサイルが「カリブル」(クラブ)と書かれていますが、「カリブル」ロシア海軍向けヴァージョンであり、輸出用は「クラブ」です。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]

「カリブル」は、ミサイル技術管理レジームの規制項目(射程300kmを超えるミサイルの海外輸出禁止)に抵触する為、海外輸出は出来ません。

日本国外務省公式サイトより
【ミサイル技術管理レジーム】

ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊はタンザニアを訪問する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区広報サービス発表
2013年2月15日11時11分配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」はタンザニア最大の港湾都市へ最初の業務訪問に行く】

明日(2月16日)、太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、タンザニア連合共和国最大の港湾都市ダルエスサラームへ行く。
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(入港)式典後、艦長及び士官団はダルエスサラーム市のトップ、タンザニア海軍司令官S.S.オマル少将を表敬訪問する。
次の日、艦はタンザニア連合共和国駐在ロシア連邦大使アレクサンドル・ラニッフの訪問を受ける。

アフリカの共和国を訪問中、ロシア海軍将兵はダルエスサラーム駐在のギリシャ教会アレクサンドリア・全アフリカ総主教テオドロスII世猊下の朝の礼拝に参加する。
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更に、テオドロスII世猊下はロシア艦を訪問され、艦上で特別礼拝を行なわれる。

また、ロシア艦には、タンザニアロシア連邦大使館の代表団とその家族、更には、在住ロシア人及び地元住民が訪れる。

乗組員の休養の為、訪問中に、市内へのバス旅行、タンザニア軍将兵との親善サッカー試合が予定されている。

このエリアにおける海賊対処連携行動の為、ロシア海軍将兵は、タンザニアの同僚へ、これまでの活動で蓄積した経験を伝える。
特に、タンザニア海軍の幹部及び将兵の為、海賊対処展示演習が行なわれる。

ロシア現代史で最初のロシア艦タンザニア訪問は2月20日まで行なわれる。


ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」を中核とするアデン湾海賊対処部隊は、11月2日にウラジオストクを出港しました。
[ロシア海軍第14次アデン湾海賊対処部隊はウラジオストクを出港した]

11月28日にはインドムンバイへ入港し、インド海軍との合同演習「インドラ-2012」に参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習「インドラ-2012」は終了した]

その後、イランを訪れました。
[太平洋艦隊の軍艦はイランを訪れた]

2013年の元旦はアラビア海で迎えました。
[太平洋艦隊海賊対処部隊はアラビア海で新年を迎える]
[ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊は新年を祝う]

2013年1月15日からアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊艦船部隊はアデン湾で海賊対処任務に就いた]

2013年2月7日にはセーシェル諸島を訪問しました。
[太平洋艦隊海賊対処部隊はセーシェル諸島を訪問する]

2月11日にセーシェル諸島を出港し、アフリカタンザニアへ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区広報サービス発表
2013年2月12日11時03分配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」はタンザニアへ向かった】
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今回の太平洋艦隊海賊対処部隊は、ロシア海軍全体で通算14回目、太平洋艦隊としては通算8回目になります。
[ロシア海軍はソマリア沖海賊対処任務を続ける]


今回の記事に登場するテオドロスII世(フェオドルII世)猊下は、1954年11月25日にギリシャクレタ島カステリ村で生まれました。
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【アレクサンドリア総主教フェオドルII世猊下
2004年10月24日にアレクサンドリア・全アフリカ総主教に就任しました。

最新コルベット「ボイキー」は初めて100mm砲を撃った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区広報サービス発表
2013年2月15日13時30分配信
【コルベット「ボイキー」は初めての砲射撃を実施した】

セルゲイ・リプスキー2等海佐が指揮するプロジェクト20380最新コルベット「ボイキー」の乗組員は、バルト艦隊の海洋射爆場において砲射撃を成功裏に実施した。

具体的には、最近同艦へ取り付けられた100mm砲の試験作業が行なわれた。
乗員によれば、射撃は成功裏に行なわれ、海上目標を破壊する課題が実行された。
間もなく、乗組員は対空防衛任務を果たす為の全ての兵器の射撃を実行する。
この他、ヘリコプターKa-27の着艦を含め、バルト艦隊海洋航空隊の計画飛行が行なわれる。

[参照]
プロジェクト20380コルベット「ボイキー」の進水は2011年4月15日に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で行なわれた。
警備艦「ボイキー」株式会社「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」造船台で2005年7月に起工された。
同シリーズのトップ艦「ステレグーシチー」は2007年にバルト艦隊へ引き渡された。
同プロジェクトの2隻目のコルベット「ソーブラジテルヌイ」は2011年10月14日にバルト艦隊へ引き渡された。

同プロジェクトのコルベットは、株式会社「中央海洋工学設計局アルマーズ」によって開発された。

プロジェクト20380艦は、近海ゾーンにおいて水上艦及び潜水艦を相手に戦い、海洋上陸作戦において砲撃支援を行なう事を意図している。
艦の建造には「ステルス」技術が用いられ、更に、艦の物理的範囲を減少させる独自の解決法が適用されている。
特に、艦のレーダー視認性は減少し、上部構造物の材料には難燃性で電波を吸収するガラス繊維強化プラスチックが使われおり、更に船体上部は特殊な建造方式となっている。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

2005年5月27日に起工され、2011年4月15日に進水したプロジェクト20380コルベット3番艦「ボイキー」は、2012年10月、100mm砲を搭載しないままで航海試験を始めました。
[ロシア海軍最新コルベット「ボイキー」海上試験開始]
[新世代コルベット「ボイキー」は工場航海試験を開始した]
[最新コルベット「ボイキー」、2012年末に就役?]

納入が遅延していた100mm砲は、2013年1月中旬にようやく設置されました。
[新世代コルベット「ボイキー」に100mm砲が設置された]

2013年2月初頭、バルト艦隊主要基地バルチースクへ到着しました。
[最新コルベット「ボイキー」はバルチースクへ到着した]

2月中旬、工場航海試験を継続する為、バルチースク基地を出港しました。
[最新コルベット「ボイキー」は航海試験を再開した]

そして今回、初めてA-190-01「ウニヴェルサール」100mm砲の射撃試験が実施されました。
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この「ウニヴェルサール」100mm砲は、サンクト-ペテルブルク市機械製造工場「アルセナル」で製造されました。
【株式会社『機械製造工場アルセナル』公式サイト】
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これが、同社で製造された最後の「ウニヴェルサール」になります。

今後、「ウニヴェルサール」の生産は、ニジニ-ノヴゴロド市『中央化学研究所ブレヴェストニク』及びペルミ市『モトヴィリンヒスキー工場』で行なわれます。
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【株式会社『中央化学研究所ブレヴェストニク』公式サイト】
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【株式会社『モトヴィリンヒスキー工場』公式サイト】
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新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(原型のプロジェクト20380と近代化型のプロジェクト20385)は、現在までに7隻が起工され、このうち2隻が就役しております。

【プロジェクト20380】
・ステレグーシチーСтерегущий(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月15日就役(艦番号530)
バルト艦隊に配備

・ソーブラジテルヌイСообразительный(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備

・ボイキーБойкий(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年就役予定
バルト艦隊に配備予定

・ソヴェルシェンヌイСовершенный(アムール造船工場、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2013年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

・ストイーキーСтойкий(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月31日進水

バルト艦隊に配備予定

・グロームキーГромкий(アムール造船工場、建造番号2102)
2012年2月17日起工/2015年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

【プロジェクト20385】(「グレミャーシチー」型)
・グレミャーシチーГремящий(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ、建造番号1005)
2012年2月1日起工


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これに加え、今後、少なくとも計10隻程度がセーヴェルナヤ・ヴェルフィアムール造船工場で建造される予定です。

3ヶ国が潜水艦アムール-1650への関心を有する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【3ヶ国がロシアの最新潜水艦「アムール-1650」への関心を有している】
モスクワ、2月13日-ロシア通信社ノーボスチ

最新非核動力潜水艦「アムール-1650」は、外国の顧客の非常に高い関心を引き起こしており、3ヶ国が既にロシアのプロジェクトに決めている。
水曜日、ロシア通信社ノーボスチは、「ロソボロネクスポルト」(ロシア兵器輸出公社)総取締役アナトリー・イサイキン氏より伝えられた。

「潜水艦アムール-1650に対する外国のユーザーの関心は非常に高いです。
9ヶ国へ近代化プラン及び潜水艦隊の創設に関するロシアのプロジェクトが提案されており、この内の3ヶ国は、既にアムール-1650プロジェクトに決めております」

イサイキン氏は話した。

彼は、海洋工学中央設計局「ルビーン」の手による潜水艦の為の非大気依存発電装置の作成の成功が、同プロジェクトへのユーザーの関心を高める事を示唆した。

非大気依存発電装置付きの潜水艦「アムール-1650」は、潜水艦「スコルペネ」(フランス)、214型(ドイツ)、S-80(スペイン)と共に、6隻の潜水艦を同国海軍の為に118億ドルで購入するインドの競争入札プロジェクト71(I)へ参加している。
競争入札は、2011年9月に発表された。
この入札の完了と結果については未だ報じられていない。

2011年12月中旬、「ロソボロネクスポルト」(ロシア兵器輸出公社)広報サービスは、「アムール-1650」の設計者であるサンクトペテルブルク中央設計局 「ルビーン」が、顧客の条件に合わせて改正したインドへの同艦プロジェクトを提示したと発表した。

ロシアプロジェクト「アムール-1650」に相当するのは、プロジェクト677「ラーダ」非核動力潜水艦である。
2010年、同プロジェクトのトップ艦である潜水艦「サンクト-ペテルブルク」が、ロシア連邦海軍の編制へ加入した。
(2013年2月13日18時55分配信)


[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]

プロジェクト667E/アムール-1650
(1997年12月26日起工、2009年1月建造中止、2011年11月に造船台を出渠)

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『海洋工学中央設計局ルビーン』公式サイトより
【アムール-1650】
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【プロジェクト677】「アムール-1650」ロシア海軍向けヴァージョン
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ロシアは、以前からインドに対し、潜水艦「アムール-1650」を提示しています。
[ロシアはインドに対し最新AIP装備の潜水艦アムール-1650を建造する用意がある]
[ルビーン設計局はインド向けの潜水艦アムール-1650にブラーモスを装備する用意がある]


今回の記事によると、「アムール-1650」は9ヶ国へ提示されており、この内の3ヶ国が特に関心を示し、「アムール-1650」の採用をほぼ決めているようです。

「アムール-1650」が提示された9ヶ国が何処の国なのかは明らかにされていませんが、この内の1国がインドである事は間違いありません。

「アムール-1650」へ高い関心を示している(採用をほぼ決定している)3ヶ国が何処の国なのかも説明されていませんが、ここで想起されるのは、昨年(2012年)12月、中国「アムール-1650」4隻をロシアと共同建造すると報じられた件です。

『ロシアの声』より
2012年12月20日配信
【露中で新型潜水艦の造船】
4隻の「アムール-1650」の内、2隻はロシアの造船所で、もう2隻は中国の造船所で建造する予定であり、本契約は2015年以降に締結されるとの事です。

「アムール-1650」へ高い関心を示している3ヶ国の内の1国が中国である可能性は高いでしょう。

ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した

『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦国防省は国家防衛調達へ潜水艦「ラーダ」シリーズの建造を記載する】
モスクワ、2月13日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦国防省は、非核動力潜水艦プロジェクト677(ラーダ)シリーズの建造決定を採択し、国家防衛調達へ記載する。
水曜日、ロシア通信社ノーボスチは、「ロソボロネクスポルト」(ロシア兵器輸出公社)総取締役アナトリー・イサイキン氏より伝えられた。

以前、ロシア連邦海軍総司令官のポストに在ったウラジーミル・ヴィソツキー提督は、プロジェクト677をベースとするロシア初の非大気依存発電装置搭載非核動力潜水艦が2014年に再建造されると表明した。

昨年(2012年)8月、国防省、海軍、統合造船業営団は、2013年から「ラーダ」シリーズ潜水艦の建造を再開する事で合意し、(統合造船業)営団は、今年の国家防衛発注への記載を期待する。

現在、「アドミラルティ造船所」は、非大気依存発電装置の設置が予定されている同プロジェクト潜水艦2隻を起工している。
「アドミラルティ造船所」総取締役アレクサンドル・ブザコフ氏は、非大気依存発電装置が設置される潜水艦は1隻のみであると発表した。
装置の開発は海洋工学中央設計局「ルビーン」の専門技術者により行なわれている。

「今日(2013年2月13日)、ロシア国防省は、これらの潜水艦(ラーダ級2番艦及び3番艦)シリーズを建造する決定を採択しました。
潜水艦の試験運行プログラムが成功裏に実行された事を受け、国家防衛発注による建造資金支出が計画されています」

イサイキン氏は話した。

彼は、潜水艦には、約130の最新の電波電子機器及び艦載機器のサンプルが設置されている事を強調した。
「国家試験においては、全ての特性が海軍の技術目標の課題を満たしました。
水中における最大速力を例外として」

ロソボロネクスポルトのトップは説明した。

彼によると、潜水艦シリーズには、近代化されたエンジンが搭載され、必要な電力を供給する。
「現在、プロジェクト677潜水艦(の1番艦サンクトペテルブルク)は、バルト艦隊主要基地(バルチースク)に在り、試験運用を完了する為、北方艦隊への移動を準備しています」
イサイキン氏は締め括った。

ディーゼルエレクトリック潜水艦プロジェクト677シリーズは、設計主任ユーリー・コルミリツィンにより開発された。
シリーズの特徴は、小型サイズと低騒音の組み合わせ、強力な魚雷及び魚雷ロケット兵器を有する事にある。

潜水艦は、敵の潜水艦、水上艦船の破壊、海軍基地、沿岸、海上連絡路の保護、偵察の為に設計されている。
艦の排水量は1765トン、最大潜航深度350メートル、(水中)速力21ノット、乗員36名、自立行動期間45日、魚雷及びロケット魚雷、対空防衛複合体「イグラ-1M」で武装する。
(2013年2月13日18時54分配信)


[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]

プロジェクト677「ラーダ」級潜水艦は、これまでに3隻が起工され、1隻が就役しています。
(全てサンクトペテルブルクアドミラルティ造船所で建造)

・B-585「サンクト-ペテルブルク」(工場番号01570)
1997年12月26日起工/2004年10月28日進水/2010年4月22日就役
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・B-586「クロンシュタット」(工場番号01571)
2005年7月28日起工
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・B-587「セヴァストーポリ」(工場番号01572)
2006年11月10日起工

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潜水艦「サンクト-ペテルブルク」は、バレンツ海へ移動して試験を実施すると報じられましたが、2012年中には実行されませんでした。
[ラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバレンツ海及び白海で試験を行なう]

建造が凍結されていた「ラーダ」級2隻に関しては、昨年(2012年)に複数の関係者から建造再開が表明されました。
[ロシア海軍はラーダ級潜水艦の建造を再開する]
[ラーダ級潜水艦は近い将来にロシア海軍へ就役する]
[ラーダ級潜水艦の建造は2013年に再開される]
[潜水艦ラーダ級2番艦にはリチウムイオン電池、3番艦にはAIPが搭載される]

そして2013年2月13日、ロシア国防省は、建造が凍結されていた「ラーダ」級2隻の建造再開を正式に決定しました。

以前の報道では、「ラーダ」級1番艦「サンクトペテルブルク」は、エンジンなどの不具合が未だに解決されていないと言われていました。
[ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクはバレンツ海での試験を未だ実施していない]

「ラーダ」級「サンクトペテルブルク」のディーゼルエンジン(発電機)28DG
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しかし今回の「ロシア兵器輸出公社」総取締役アナトリー・イサイキン氏の発言によれば、水中での最大速力に関する件を除けば、問題は無いという事です。

現在、潜水艦「サンクトペテルブルク」カリーニングラード地方バルチースク海軍基地に滞在しており、今度こそ、北方艦隊基地(バレンツ海方面)への移動が実行に移されるようです。
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潜水艦「サンクトペテルブルク」は、以前に報じられたように、2012年12月に実施されたベトナム海軍用の潜水艦「ハノイ」(キロ級)の航海試験に同行していたのでしょう。

「ラーダ」級の為の非大気依存発電装置(AIP)は、今年6月に国家試験が行なわれる予定です。
[ロシアの新たな非大気依存発電装置(AIP)は2013年6月に国家試験を行なう]

ロシアは「超駆逐艦」を建造する

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『イズベスチヤ』より
2013年2月13日0時01分配信
【ロシアは、1989年以来の最大の艦を造る】

超駆逐艦は、有翼ミサイルと、更には将来対空防衛・ミサイル防衛複合体で武装する。

(ロシア)海軍は、今後10年間の最も野心的なプロジェクトを明らかにした。
『イズベスチヤ』は、(ロシア)海軍総司令部が、サンクトペテルブルク北方計画設計局が提出した将来遠海ゾーン駆逐艦プロジェクトの草案を承認した事を突き止めた。

最後のロシア大型艦は、ソヴィエト連邦時代の1989年に造船所で建造され、その後に進水し、1998年にはロシア海軍のフラッグシップ(的存在)となり、世界最大の戦闘艦(航空母艦を除く)の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」である。
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今後2-3年に、プロジェクトの設計者は、(駆逐)艦の外観と武装に関する技術文書を作成する為の仕事を行なう。
駆逐艦は、大方サンクトペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工される事になるだろうが、海軍総司令部の最終決定は未だ下されていない。

防衛産業企業体の代理人が『イズベスチヤ』へ説明したように、新たな駆逐艦は、ソヴィエト社会主義共和国連邦時代以降に設計・建造された最大の戦闘艦となる。

「駆逐艦の排水量は、プロジェクト1164ロケット巡洋艦モスクワよりも僅かに少なくなるでしょう。
おおよそ12000トン程度になります。
それは汎用艦であり、打撃、対潜、対空、更には対ミサイル防衛機能を有します。
更にそれは、沿岸ゾーンで地上部隊を火力支援する事が出来ます」

防衛産業企業体の情報提供者は話した。
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黒海艦隊旗艦・巡洋艦「モスクワ」や優秀なアメリカ誘導ロケット巡洋艦「タイコンデロガ」級のような巨大なサイズの駆逐艦の出現は、今は未だ、かなり難しいだろう。
何しろアメリカ合衆国海軍には、使用可能な同シリーズの巡洋艦が27隻在るのだ。

『イズベスチヤ』によると、超駆逐艦は、対艦ミサイル、地上目標攻撃の為の有翼ミサイル、S-500「プロメテーイ」を含む将来対空防衛・ミサイル防衛複合体で武装する。
水中物体(潜水艦)と戦う為に、水中音響ステーション及び魚雷の装備が計画される。

ソヴィエト社会主義共和国連邦及びロシア海軍の駆逐艦はプロジェクト956「ソブレメンヌイ」のみであった。
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排水量8000トン、武装は対艦ミサイル「モスキート」対空防衛複合体のみであり、潜水艦に対する装備は無かった。
駆逐艦は動力装置の扱い、特に、ボイラー用の水の品質管理が非常に難しかった。
それ故に、17隻のシリーズの内の9隻は1990年代以降に退役あるいは解体された。
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「我が海軍は、排水量の面で恥ずかしくないような駆逐艦を切実に必要としております。
アメリカの主要駆逐艦アーレイ・バーク型はかなり大きく、9648トンであり、トマホーク有翼ミサイルとハープーン対艦ミサイルを搭載しています。
イージスシステムを持つ計62隻の防空駆逐艦は最強です」

防衛産業企業体の代理人はコメントした。

彼によると、大きなサイズは、世界の大洋の遠隔エリアにおける艦船グループ及び海軍歩兵の遠征作戦活動への安定した戦闘任務の提供を決定づける。
アメリカ合衆国とは異なり、ロシアは世界中に拠点を有しておらず、物資補充能力は限られており「全て自分自身で運ばなければならない」と彼は指摘した。

まず初めに、新たな駆逐艦は、ヘリコプター空母「ミストラル」を護らなければならない。
そしてその先には、将来原子力航空母艦を。

「北方計画設計局は、大型打撃艦の設計に関し、良い経験を蓄積して来ました。
艦隊旗艦のロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー、そして大型対潜艦アドミラル・チャバネンコ-これらは、彼等の設計です」

対談者は『イズベスチヤ』へ想起させた。
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ウラジーミル・ザハロフ退役海軍少将『イズベスチヤ』へ、 このシリーズのユニットの最少隻数は3隻だと話した。

「太平洋艦隊及び北方艦隊には、それぞれ9隻ずつの新たな駆逐艦が、そしてバルト艦隊に5隻が有れば良いでしょう。
ですが、まず初めは、潜水艦の展開の確保を主要任務とする太平洋艦隊であります」

提督は表明した。

軍事専門家でロシア/ソ連海軍の歴史に関する著書を記しているドミトリー・ボルテンコフ氏は、この20年間で、ロシアは、実質的に全世代の艦を逸したと考えている。

「世界の主要海軍の殆どは、当時、大型で多機能情報制御システムと強力な防空、対ミサイル防衛、対艦及び有翼ミサイルといった良好な装備を有する艦を数多く建造しました。
私達が参加するまでの間に」

彼は『イズベスチヤ』へ話した。

彼によると、ロシアの水上戦力の基礎-巡洋艦1164、大型対潜艦1155、駆逐艦956は頑丈な艦ではあるが、その就役期間の終わりは、そう遠くない。


ロシア海軍は、2006年以降、新世代多用途駆逐艦(将来駆逐艦Перспективный Эсминец)の建造計画について何度も表明して来ました。
[ロシア海軍新世代原子力駆逐艦建造計画]
[ロシアは新たな駆逐艦及び巡洋艦及び空母の建造計画を続行する]
[ロシア海軍新世代駆逐艦の建造計画は現司令部に承認された]

今回の記事では「Суперэсминец」(スーパーデストロイヤー、超駆逐艦)とも呼ばれている将来駆逐艦Перспективный Эсминецは、当初はガスタービン推進となる予定でしたが、最近では、原子力推進が有力視されています。

将来駆逐艦には、おそらく有翼ミサイル「カリブル」「オーニクス」が搭載されるでしょう。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
[汎用ミサイル垂直発射機3R-14UKSK]

防空ミサイルは、現在開発中のS-500「プロメテーイ」(プロメテウス)の海軍ヴァージョンになるとの事です。
S-500「プロメテーイ」は、弾道ミサイル防衛にも使用されます。


今回の記事によると、将来駆逐艦対地砲撃支援任務にも使われるとの事ですから、152mm2連装砲「コアリツィア-F」が装備されるかもしれません。
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昨年(2012年)、ロシア造船業の総元締めである「統合造船業営団」は、新たな駆逐艦などの「共通プラットフォーム」を開発すると表明しています。
[ロシア海軍水上艦の共通プラットフォームが開発される]

以前の報道によると、将来駆逐艦の建造は2016年から開始される計画です。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年6月22日13時55分配信
【ロシアの新たな対ミサイル防衛駆逐艦は2016年に建造を開始する】
当時のロシア統合造船業営団総裁ローマン・トロチェンコ氏によると、最初の駆逐艦は2016年に起工され、同シリーズは少なくとも6隻建造されるとの事です。
駆逐艦の建造発注は、サンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」「バルチースキー・ザヴォード」へ均等配分されます。

「バルチースキー・ザヴォード」は、今回の記事でも触れられている重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を建造しています。
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今回の記事によると、将来駆逐艦は、プロジェクト1164ロケット巡洋艦とほぼ同サイズ(12000トン級)になるようです。
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プロジェクト1164ロケット巡洋艦のサイズは以下の通りです。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」】
基準排水量:9800トン
満載排水量:11300トン
全長:186m
最大幅:21m
吃水:10m


今回の記事で将来駆逐艦の建造者の最有力候補とされているサンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、原子力駆逐艦の建造受注を視野に入れ、造船所の設備の近代化を行ないます。
(もともと「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は原子力艦を建造していなかった)
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[サンクトペテルブルク北方造船所は、原子力艦の建造を準備する]
[サンクトペテルブルク北方造船所はコルベット6隻とフリゲート6隻の建造契約を締結した]

これにより、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、全長180メートルの原子力水上艦の建造が可能となりますが、これが将来駆逐艦のサイズとなるでしょう。

練習艦ボロジノの建造が再開される

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『イズベスチヤ』より
2013年2月12日0時01分配信
【新たな練習艦は錆びた警備艦で造られる】

カリーニングラード工場「ヤンターリ」は訓練基地「ボロジノ」の完成で合意する。

海軍総司令部統合造船業営団カリーニングラード造船工場「ヤンターリ」は、11年間に渡り「ヤンターリ」の造船台で錆びていた最新の練習艦「ボロジノ」を完成させる為の作業量及び発注金額で近い内に合意する。


海軍総司令部は、練習艦が切実に必要とされていると述べた。
再軍備導入プログラムによると、全ての新しいプロジェクトにアプローチする - 例えば、コルベット20380フリゲート2235011356といった。
これらの最新艦は、デジタルアビオニクス、最新兵器及び航海装置を有している。

「艦船乗員の海上における練習艦での訓練は不足しているが故に、地上に海軍の特別訓練センターが在ります。
これは、私共には相応しくありません。
ボロジノは、新たなシステムの実習の為の浮揚訓練センターとなるべきです」

総司令部の士官は述べた。

『イズベスチヤ』は、海軍総司令部が、それ(ボロジノ)をベースにして海軍士官の訓練の為の最新のロシア艦の作成を1月末に決定した事を知った。

「私共は、2014年の作業開始を望んでおり、今年には、艦の船体の状態から、充分な準備が行なえないと考えます」
対談者は『イズベスチヤ』へ強調した。

彼によれば、関係当事者は、錆びた船体を最新の浮揚訓練基地へ変換するに当たり「ルーチンワークではく、興味深いプロセス」を有しているだろう。

現在、 海軍の組織には練習艦が2隻だけ在る-ポーランドの造船所で1970年代に建造された「ペレコプ」「スモーリヌイ」
これは、ソヴィエト社会主義共和国連邦時代には約10隻あった練習艦隊の残照である。
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「スモーリヌイ」は、フランストゥーロンで完成するヘリコプター空母「ミストラル」の乗組員の為の浮揚宿舎として使用される予定である。

プロジェクト12441警備艦「グローム」「ボロジノ」は、 サンクトペテル製作設計局 「アルマーズ」により設計された。
建造は1997年夏に「ヤンターリ」で始まった。
当初は「ノーウィック」と命名されており、2000年代初頭には(海軍の)組織へ加入する筈だった。
しかし、「クルスク」事故後、国防省は新たな海軍の建設コンセプトを採用し、警備艦の作業は中断し、2002年には完全に停止した。

その後、「ヤンターリ」「アルマーズ」の指導部は、「ノーウィック」を練習艦として再建造する事を提案した。
海軍は2007年に12441Uと呼ばれるプロジェクトに合意し、同艦は「ボロジノ」と改名された。
2011年夏、同艦の船体は、「ヤンターリ」の船台を空ける為に進水したが、作業は全く再開されなかった。
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しかし、専門家は「ボロジノ」のメリットを疑う。
ロシア/ソ連海軍の歴史に関する著書を記しているドミトリー・ボルテンコフ氏は、この練習艦を評価することは困難であると言う。

「無論、海軍士官候補生を訓練する必要は有りますよ。
ですが、排水量2900トン、全長116メートルの小さな艦で、与えられた課題を果たす事が出来ますかね?」
彼は『イズベスチヤ』との会話で驚いた。

専門家は、 「ペレコプ」「スモーリヌイ」が、(「ボロジノ」の)2倍以上の7000トンの排水量を有している事を指摘した。
注目すべきは、大きな排水量が、訓練コース時間を増加させる事が出来る高い凌波性や自立行動期間を意味する事である。



プロジェクト12441警備艦「ノーウィック」は、1997年7月26日にカリーニングラード造船工場「ヤンターリ」で起工されました。
当初は、高射ミサイル「リドゥート」、対艦ミサイル「オーニクス」などといった最新兵器を搭載する新世代フリゲートとなる筈でした。
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しかし資金不足の為に建造工事は進まず、ついには警備艦「ノーウィック」としての建造を諦め、新たにプロジェクト12441U練習艦「ボロジノ」として建造を再開する事になりました。
[幻のロシア海軍新型フリゲート「ノーウィック」]
[未完の練習艦ボロジノ(旧ノーウィック)と警備艦トゥマンの近況]
[未完の練習艦ボロジノ(旧警備艦ノーウィック)]

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それでも工事は進まず、「ヤンターリ」の岸壁に放置されていましたが、今回の記事によれば、建造が再開されるとの事です。


しかし、記事中に登場する専門家は、新たな練習艦「ボロジノ」が、現用の練習艦プロジェクト887よりも小さい事に疑問を呈しています。
「ボロジノ」位のサイズでは、練習艦としての役割を充分に果たせないのではないかと・・・
(プロジェクト887は満載排水量7270トン、「ボロジノ」は2900トン)

プロジェクト887練習艦「スモーリヌイ」
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プロジェクト887練習艦「ペレコプ」
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最新コルベット「ボイキー」は航海試験を再開した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区広報サービス発表
2013年2月11日14時17分配信
【コルベット「ボイキー」は航海試験を続ける為に海洋へと去った】

セルゲイ・リプスキー2等海佐が指揮するプロジェクト20380最新コルベット「ボイキー」バルト艦隊の乗組員は、バルチースク海軍基地の主要ゾーンに在る戦闘訓練射爆場で工場航海試験の続きを始めた。

先週末、同艦は海洋へと去った。
航行中に艦の磁力フィールドの測定と、コンパスの磁力修正が実施された。

2月中に同艦の乗組員は水上及び空中目標探知システムを調整し、コルベットの準備が整った後、同艦に設置されている全ての兵器を用いた工場航海試験が行なわれる。

コルベット「ボイキー」国家受領試験は(2013年)春に完了し、その後、海軍旗が初掲揚され、バルト艦隊の編制へ加わる。

バルト艦隊の為に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されたプロジェクト20380コルベットの2隻目の生産艦「ボイキー」は、2011年4月15日に進水した。
同プロジェクトは、株式会社「海洋工学中央設計局アルマーズ」により開発された。
艦は、近海ゾーンにおいて水上艦及び潜水艦を相手に戦い、更には、海洋上陸作戦において揚陸部隊への砲撃支援を行なう事を意図している。

艦の建造には「ステルス」技術が用いられている。
同プロジェクトには、21の特許が導入され、14のコンピュータ登録プログラム証明が交付された。
艦の物理的フィールドを削減する為、最新の成果が使用されている。
特に、艦のレーダー視認性をかなり減らす為に、上部構造物には電波を吸収する特性を持つ多層ガラス強化プラスチックが材料として使用されており、更には、船体と上部構造物の建造方式も(レーダー視認性削減に)寄与している。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

2005年5月27日に起工され、2011年4月15日に進水したプロジェクト20380コルベット3番艦「ボイキー」は、2012年10月、100mm砲を搭載しないままで航海試験を始めました。
[ロシア海軍最新コルベット「ボイキー」海上試験開始]
[新世代コルベット「ボイキー」は工場航海試験を開始した]
[最新コルベット「ボイキー」、2012年末に就役?]

納入が遅延していた100mm砲は、2013年1月中旬にようやく設置されました。
[新世代コルベット「ボイキー」に100mm砲が設置された]

2013年2月初頭、バルト艦隊主要基地バルチースクへ到着しました。
[最新コルベット「ボイキー」はバルチースクへ到着した]

そして今回、工場航海試験を継続する為、バルチースク基地を出港しました。

今回の航海試験では、「設置されている全ての兵器」の試験が行われるとの事です。

コルベット「ボイキー」の兵装は、以下の通りです。

・A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲×1
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・高射ミサイル複合体「リドゥート」垂直発射機×1(12セル)
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・対艦ミサイル複合体「ウラン」4連装発射筒×2
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・AK-630M 30mmガトリング砲×2
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・324mm対潜魚雷「パケート-NK」4連装発射管×2
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・Ka-27PL対潜ヘリコプター×1

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の建造は計画通りに進んでいる

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【2012年度のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」建造計画は完全に実行された】
2013年8月2日

ロシア連邦海軍プロジェクト11356フリゲートのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」の建造は計画通りに進行している。
『中央海軍ポータル』は、同艦を建造している沿バルト造船工場「ヤンターリ」の情報提供者より伝えられた。

ロシア海軍の為のフリゲートのトップ艦に関する工場の2012年度の防衛調達計画は100パーセント実行され、勘定書にある同艦の製造段階は完全に終了した。
昨年、工場職員建造者は、発注番号01357を滞りなく終了させた。

これは、おそらくは造船所の尽力と軍の建造専門技術者の採用という建設的なアプローチのお蔭で可能となった。
必要な機器の納入遅延の為、作業の一部は延期された。

それ故に、他の理由により、計画は時間通りに実施され、工場指導部はフリゲートの集合建造の強化と、より有力な下請け業者の誘致を計画する。

承認された建造スケジュールによると、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は(2013年)7月に進水し、秋には係留試験を開始する。

プロジェクト11356フリゲートのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、株式会社「沿バルト造船工場ヤンターリ」の造船台で2010年12月18日に起工された。


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ロシア海軍の為のプロジェクト11356Mフリゲートは、現在までに3隻がカリーニングラード「ヤンターリ」で起工されています。

今回の記事で取り上げられている1番艦「アドミラル・グリゴロヴィッチ」は2014年に就役する予定です。
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[改タルワー級フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィッチ」は2014年に就役する]
[ロシア黒海艦隊は2014年に新造艦を受領する]

2012年10月27日の「アドミラル・グリゴロヴィッチ」(左側)
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ロシア海軍は、2016年までに6隻のプロジェクト11356Mフリゲートを受領する計画です。

ロシアの新たな非大気依存発電装置(AIP)は2013年6月に国家試験を行なう

『イズベスチヤ』より
2013年2月5日12時01分配信
【潜水艦の為の水素動力の試験は(2013年)6月に予定されている】

艦に装備される新たな発電装置を巡る海軍将兵と造船所の紛争
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(ロシア連邦)国防省統合造船業営団は、ディーゼルエレクトリック潜水艦プロジェクト「ラーダ」及び「ワルシャワンカ」の為の非大気依存発電装置の試験を(2013年)6月に予定している。

(ロシア連邦)海軍総司令部『イズベスチヤ』へ、試験はサンクト-ペテルブルク海洋工学中央設計局「ルビーン」の特設試験台で実施されると伝えた。
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「昨年(2012年)秋、私共は、試験潜水艦サロフでの装置の試験を白海エリアで実施するつもりでした。
ですが、非大気依存発電装置の作業において、一部のコンポーネントとユニットの信頼性の欠如に繋がる幾つかの問題点が明らかにされました。
(今年)6月までには、全ての問題点が解決されるでしょう」

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海軍総司令部の情報提供者は『イズベスチヤ』へ話した。

非大気依存発電装置は、水素燃料から電気を作り、ディーゼルエレクトリック潜水艦は、殆ど原子力艦のような長期の潜航が可能となる。
世界の非大気依存発電装置開発の先駆者は、当然ながら、偉大なる潜水艦の伝統を有するドイツ人であり、U-212/214プロジェクト嫌気性装置を作成した。
しかし、「ルビーン」が作るロシア独自の非大気依存発電装置は、ドイツを追い越すだろう。

非大気依存発電装置「サロフ」の為の標準装備では無く、白海の試験には、全てのユニットおよび機器は無かった。
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比較及び試験台テストを実施し、国家試験は完了する。
成功した場合、建造中のプロジェクト677潜水艦「ラーダ」の1隻は非大気依存発電装置付きで2014年に完成するだろう。

既に『イズベスチヤ』は、同シリーズのトップ潜水艦-「サンクトペテルブルク」の作成及び試験において、造船会社は多大な困難に直面している事を記している。
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実際には、海軍が待てない全てのプロジェクト677の運命は、新たな発電装置に依存している。

活動中の「サンクトペテルブルク」以外に、「クロンシュタット」「セヴァストーポリ」が起工された。

海軍総司令部の情報提供者は『イズベスチヤ』へ、「セヴァストーポリ」のみは非大気依存発電装置を得て、「サンクトペテルブルク」(航海試験の成功を受けて)、「クロンシュタット」は、高い即応性の以前の電池のままになると伝えた。
この装備変更は、非大気依存発電装置が軍備採用されない事を意味するものではない。

全般的に、海軍総司令部は、非大気依存発電装置に大きな期待を抱いており、「ワルシャワンカ」に設置する計画を持っている。
海軍の編制には同プロジェクト艦23隻が在り、6隻以上を起工した。
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「ワルシャワンカは既に洗練され、能力は頂点に達しています。
非大気依存発電装置は、再装備に1-2年掛かり、"ラーダ"プロジェクトの原型の艦載システム及び発電装置との統合には、5-10年は掛かるかもしれません。
サンクト-ペテルブルクがどうなったのかは、あなた自身が良く御存知でしょう」

対談者は確認した。

海軍将兵は、首を長くして非大気依存発電装置を待っていると統合造船業営団の代理人は慎重に発言した。
幾つかの情報によれば、嫌気性装置の準備状態は完璧には程遠く、「子供の病気」を修正し、その後、国家委員会に採用される。
しかし造船所は、「ワルシャワンカ」への非大気依存発電装置の装備については海軍と意見を共有していない。

統合造船業営団の代理人によると、静粛な「ワルシャワンカ」は、「ラーダ」の当面の見通しには終止符を打つ事は出来るだろう。

「海軍は、新たな非大気依存発電装置の戦術-技術特性を歓迎しており、プロジェクト677を後回しにする可能性を除外していません。
それは装置の経済性とコストの最適化と説明されています。
しかしワルシャワンカは、これまでに潜在能力を使い果たしており、ラーダは、好むと好まざるにも関わらず、将来艦となるでしょう」

『イズベスチヤ』は、統合造船業営団の情報提供者と意見を共有した。

しかし海軍総司令部の情報提供者は、造船業の懸念は根拠が無いと反論した。
「ロシアは、両方のプロジェクトを必要としているのです」

軍事歴史家で海軍史の著書の筆者であるドミトリー・ボルテンコフ氏は、水素電池動力の輸出の可能性を指摘した。

「世界市場における私共の主なライバルはドイツです。
ロシア造船業の対応は、プロジェクト677潜水艦の最終的な仕上げと完成を提供します。
これは、海軍へ再装備されるのみならず、我が国が輸出により金銭を得る事が出来ます。
我が国が潜水艦の世界市場から取り残されたのならば、復帰する事は出来ないでしょう」

彼は『イズベスチヤ』へ表明した。

権威あるブリテンの著書『ジェーン』(Jane's)によると、6つの異なるシリーズが在る「ワルシャワンカ」は、ロシアで最も人気のある輸出商品の1つである。
約40隻の潜水艦が、中国、イラン、アルジェリア、インドネシア、ベトナムなどに売却された。
各艦の価格は3億ドル~3億5000万ドルに上り、非大気依存発電装置は、価格を遥かに上昇させる。

これまでに、(ロシア連邦)国防省の公式代理人イーゴリ・コナシェンコフ大佐からのコメントは得られていない。
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[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]

「ラーダ」級潜水艦の1番艦「サンクト-ペテルブルク」は、2010年に一応ロシア海軍へ引き渡されましたが、これまでの報道によれば、発電装置の不具合が解消されていません。
2012年にはバレンツ海及び白海で海洋試験を行なう予定でしたが、結局実施される事は有りませんでした。
[ラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバレンツ海及び白海で試験を行なう]

一方、建造が凍結されていた「ラーダ」級2番艦と3番艦に関しては、昨年(2012年)に複数の関係者から建造再開が表明されました。
[ロシア海軍はラーダ級潜水艦の建造を再開する]
[ラーダ級潜水艦は近い将来にロシア海軍へ就役する]
[ラーダ級潜水艦の建造は2013年に再開される]
[潜水艦ラーダ級2番艦にはリチウムイオン電池、3番艦にはAIPが搭載される]

以前の報道によると、今年6-7月、「ラーダ」級の為の新たなユニットの試験が行なわれ、これにより「ラーダ」級の運命が決定されるとの事です。
[ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクはバレンツ海での試験を未だ実施していない]

この「新たなユニット」が、今回の記事に登場する「新たな非大気依存発電装置」でしょう。

「新たな非大気依存発電装置」は、2011年12月初頭に陸上試験の最初の段階を終えたと発表されたものと同一でしょう。
[ロシアは新たなAIP機関の試験を終えた]

今回の記事によると、当初は試験潜水艦「サロフ」で海洋試験を実施する予定でしたが、装置に不具合が発覚した為に見送られました。
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試験潜水艦B-90「サロフ」は、2007年12月14日に進水し、2008年8月7日に就役しています。
[実験潜水艦「サロフ」進水]
[試験潜水艦B-90「サロフ」就役]
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更に今回の記事によれば、ロシア海軍は、プロジェクト877/06363「ワルシャワンカ」(キロ級)への非大気依存発電装置の設置を望んでいるようです。

「ワルシャワンカ」は、現在、ロシア海軍プロジェクト877が17隻在籍し、更に改良型のプロジェクト06363が3隻起工されており、今後、もう3隻が起工される計画です。
[ロシア海軍潜水艦ノヴォロシースクは2013年末に進水する]
[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルは起工された]
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しかしロシア造船業界は、「ワルシャワンカ」への非大気依存発電装置の装備には消極的のようです。

バルト艦隊の大型揚陸艦2隻は再びノヴォロシースクへ入港した

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『イタル-タス』より
【シリアのタルトゥースで軍用車両を降ろしたバルト艦隊の揚陸艦はノヴォロシースクへ入った】
ノヴォロシースク、2月9日/イタル-タス

地中海航海後に艦隊主要基地バルチースクへ戻るバルト艦隊大型揚陸艦「カリーニングラード」「アレクサンドル・シャバリン」は、本日(2月9日)、ノヴォロシースク港へ入った。
1月の航海中、彼らは、以前のロシアシリアの軍事技術協力路線により締結された納入契約に基づき、複数の軍用車両を引き渡す為、ロシア海軍物資・技術供給所が在るシリアタルトゥース港へ寄港した。
イタル-タスは、ノヴォロシースク海軍基地司令部より伝えられた。

「カリーニングラードとアレクサンドル・シャバリンはノヴォロシースク海軍基地へ入り、ここで1月17日に乗せた黒海艦隊海軍歩兵部隊及び空挺軍の第7ノヴォロシースク師団・第108空挺強襲連隊の将兵を降ろします。
燃料、水、食料の補充、更には乗員の短期休養後、バルト艦隊の艦は来週初めにバルチースクへ向かいます」

対談者の代理人は話した。

大型揚陸艦「カリーニングラード」「アレクサンドル・シャバリン」は、2012年12月17日にバルト艦隊主要基地から地中海航海へ出発した。
1月下旬、彼らは、この10年間で最大の地中海におけるロシア海軍艦隊間グループ演習に参加した。

大型揚陸艦プロジェクト775「カリーニングラード」「アレクサンドル・シャバリン」は、大洋ゾーン揚陸艦である。
排水量-4080トン。
艦は異なる編成の積載に使用できる:150名の揚陸部隊と10両のT-55型戦車及び乗員40名、
12両の浮揚戦車PT-76及び乗員36名、3両のT-55型戦車及び乗員12名。
揚陸部隊員-147名。
艦は650トンの積み荷を4700海里の距離まで届ける事が出来る。
乗組員は87名である。
(2013年2月9日12時26分配信)


大型揚陸艦「カリーニングラード」
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大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」
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警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」、大型揚陸艦「カリーニングラード」、「アレクサンドル・シャバリン」、救助曳船SB-921、給油船「レナ」で構成されるバルト艦隊戦闘艦船支隊は、2012年12月17日にバルチースクを出港しました。
[バルト艦隊艦船は地中海へ向かった]

大型揚陸艦「カリーニングラード」「アレクサンドル・シャバリン」は、1月17日にノヴォロシースクへ入港しました。
[バルト艦隊の大型揚陸艦は黒海沿岸ノヴォロシースクへ入港した]

その後、ロシア海軍3艦隊合同演習へ参加し、黒海東岸ノヴォロシースク近郊で1月21日に上陸演習を実施しました。
[バルト艦隊の大型揚陸艦は黒海で揚陸演習を行なう]
[ノヴォロシースク近郊で上陸演習が行なわれた]

それからボスポラス、ダータネルス海峡を通過して地中海東部へ行き、ロシア海軍3艦隊連合グループと合流しました。

演習終了後、再びボスポラス、ダータネルス海峡を通過して黒海へ向かいました。
[バルト艦隊の大型揚陸艦2隻は再び黒海へ向かう]

今回の記事によると、「カリーニングラード」「アレクサンドル・シャバリン」は、1月中にシリアタルトゥースへ入港し、シリアへ引き渡す軍用車輌を降ろしたとの事です。
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おそらくは、シリアへ引き渡す軍用車輌を載せてバルチースクを出港し、タルトゥースで車輌を降ろした後に黒海へ行きノヴォロシースクへ入港、ここで海軍歩兵部隊空挺部隊を乗せ、ノヴォロシースク近郊の上陸演習に参加した後、そのまま地中海へ行って3艦隊連合部隊と合流、演習終了後に黒海へ戻り、再びノヴォロシースクへ入港したのでしょう。


地対艦ミサイル「バスチオン」はクリル諸島へ配備されない

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『イズベスチヤ』より
2013年2月4日11時01分配信
【対艦(ミサイル)「バスチオン」は陸上への射撃を学ぶ】

海軍は最新沿岸ミサイル複合体の配置場所の変更を要求した。

海軍総司令部は、最新の作戦戦術ミサイル複合体「バスチオン」の第4の中隊を(ロシア)南方のアナパ地域への配置を要望するセルゲイ・ショイグへの報告書を準備する。
以前に提案されていたクリル諸島防衛の為、複合体を(同地へ)送る事案は、もはや考慮されていない。
総司令部の情報提供者は『イズベスチヤ』へ伝達した。

「既に黒海艦隊の軍備として置かれている3個中隊とは異なり、新たなバスチオンは、ミサイルで地上の小型目標への打撃を与える事が可能な追加誘導システムを受け取ります。
その誘導精度は、現行の100メートルではなく、数メートルになります。
これはもはや対艦ではなく、高精度の対地複合体です」

彼は話した。

海軍の提案の要因となった国防省科学生産組合の計画によると、今年(2013年)春には作業を開始し、2013年末までに第4の発射装置中隊は完全に準備を整え、翌年(2014年)初頭には軍備採用されるだろう。

「バスチオン」は卓越した戦術-技術的特性を有しており、それ故に、政治的な要因となる。

「その標準装備ミサイル"オーニクス"(ヤーホント)と、ロシア・インド共同対艦ミサイル"ブラーモス"は、地上へ発射できます。
バスチオンは、トルコ東部とグルジア全域をカバーできます」

国分省の対談者は、『イズベスチヤ』と意見を共有する。

ミサイルは、マッハ2-2.5、時速2000-3200kmの平均速度で飛翔する。
対艦モデルの飛翔範囲は、高度を変更して(混成プロファイルと呼ばれる)300kmであり、対地攻撃の場合は、それよりも長くなる。
敵の対空防衛網を突破する為、高度5-10mまで降下し、弾頭の電波位置特定自動照準は、数メートルの大きさの小さな目標を認識できる。
ミサイルはブースター部分で弾道軌道を飛翔し、その後、レーダーで目標を認識して地面へ急降下し、敵の対空防衛網の射撃に当たらないように慣性システムで誘導される。

第11独立沿岸ロケット砲兵旅団の使用可能な「バスチオン」12基全ては、アナパ付近のウタシュ村第25独立ロケット大隊に配備される。
彼らは、対艦ミサイルを有している。

国防省からの非公式情報によると、地上目標に対するミサイルを装備する第25独立大隊の部隊強化の為の提案は、この前の秋~冬のシリア内戦の為、トルコアメリカ製高射ミサイル複合体「パトリオット」を受け取ったという事実に起因するものとされている。

トルコ及びロシアの軍部は、互いに対する潜在的な脅威という関係で、これらの複合体を受け取る事は明確である。

しかしロシア軍当局者は、 「パトリオット」は防衛兵器であるが故に、南方境界線上の安全保障の直接の脅威にはならないと言う。
「ロシアは大国として、地域のバランスの変化に対応しなければならず」、いかなる場合でも、南方の戦略目的をカバーする重要な戦力が必要である。

黒海エリアの軍部隊は、2010年に計画された沿岸ミサイル複合体の将来のクリル諸島配備には同意していた。
その後、歴史上初めてロシア大統領が同諸島を訪問したが故に、ロシア日本の外交危機が勃発した。
軍の情報提供者は、武力紛争の可能性を指摘した。

「東方管区司令部は、反撃の為の戦力も兵器も無い為、(クリルへの)全ての侵略を防ぐ事が出来ないと確信してました。
しかし2011年3月の東部日本大地震と津波は、日本軍を動揺させました」

東方軍管区司令部の対談者は、『イズベスチヤ』に対し確言した。

「戦略研究分析所」の所長アレクサンドル・コノワーロフ氏は、黒海エリアには危険性が有ったとしても、それはあまり深刻ではないと考える。
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「無論シリアの出来事は、地域の安定性を強化する事には繋がりませんが、私は、最も問題であるのは太平洋方面であると考慮いたします。
日本海軍は、現在の所、我が国への侵略には指向されておりません。ですが彼らは、非常に効果的である大いなる伝統を有しております。
グローバルな政治活動の中心は、着実にヨーロッパ地域からアジア太平洋地域へシフトしており、ロシア東部は、強力な防衛力を必要としております」

彼は話した。

反対に、軍事予測センターのトップであるアナトリー・ツィガノク氏は、南部方面の方がより重要であると述べた。
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「ロシアはシリア指導部を支持しており、タルトゥースに基地を維持することで合意しています。
状況について言えば、近東は、我々にとっては"今日"であり、極東は"明日"です。
クリルには、インフラストラクチュア、各種設備、掩体壕などといったバスチオンに必要なものは何も有りません」

彼は『イズベスチヤ』に指摘した。

2010~2011年に「バスチオン」複合体セット2基をシリアへ供給した事は、国際スキャンダル及びモスクワ、ワシントン、ダマスカス、テルアビブ、アンカラ間の一連の外交工作の原因となった。


沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、クラスノダール地方ウタシュ村に駐留するロシア黒海艦隊第11独立沿岸ロケット砲兵旅団・第25独立ロケット大隊へ配備されています。
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『ロシア黒海艦隊公式サイト』より
【K-300P「バスチオンP」】

以前は、クリル諸島へも「バスチオン」が配備される予定でした。
[クリル諸島への新型地対艦ミサイル配備は2014年までに完了する]

現在、クリル諸島に配備されているロシア太平洋艦隊沿岸軍地対艦ミサイルは、旧式化した「リドゥート」です。
[ロシア太平洋艦隊の地対艦ミサイル部隊]

「リドゥート」は、シムシル島О. Симуширイトゥルプ島О. Итурупに配備されています。
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これらの「リドゥート」「バスチオン」に代替される計画でしたが、今回の記事によれば、この計画は取り止めになるようです。

クリル諸島へ配備される筈だった「バスチオン」は、クラスノダール地方ウタシュ村へ行く事になりそうです。

「バスチオン」の最大射程距離は300kmとされていますが、昨年(2012年)12月中旬、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督は、2012年11月22日に「バスチオン」が最大射程の400kmでの試射に成功したと述べています。
[多用途原潜ヤーセン級は距離1500kmの地上目標を攻撃できる]


なお、記事中で戦略研究分析所所長アレクサンドル・コノワーロフ氏が述べている「日本海軍は、非常に効果的な大いなる伝統を有している」と言うのは、歴史を紐解けば、過去に日本海軍はハワイの真珠湾を奇襲攻撃して日本とアメリカの戦争(太平洋戦争)の火蓋を切り、それ以前にも、旅順のロシア艦隊を奇襲攻撃してロシア-日本戦争の火蓋を切っている事を指しています。