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北方艦隊と黒海艦隊の戦闘艦は地中海で合同演習を実施した

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『イタルタス』より
2013年6月17日16時53分配信
【北方艦隊と黒海艦隊の軍艦は地中海で合同演習を実施する】
アルハンゲリスク、6月17日/イタルタス特派員ウラジーミル・アヌフリエフ

本日(6月17日)、北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」黒海艦隊大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」地中海で合同演習を開始した。
イタルタス特派員は北方艦隊の公式代理人ワジム・セルガ1等海佐より伝えられた。

「双方の艦はロシア海軍艦船グループの編制へ加入しています」
彼は話した。
乗組員は、一連の戦闘訓練演習を仕上げる。
彼らは合同機動演習を実施し、国際基準周波数に沿った信号を発信する組織的通信演習を行なう。
更に、海上における艦のダメージコントロール、一連の捜索-救助支援活動の為の訓練が実施される。

「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフは、6月に北方艦隊の他の艦-大型対潜艦セヴェロモルスクと交代し、地中海のロシア海軍艦隊間グループの一員として任務を遂行しています」
セルガ
は話した。

大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」北方艦隊の主要基地セヴェロモルスクを5月11日に去った。
遠距離航海中に同艦は国際演習「ポモール-2013」へ参加し、ノルウェイベルゲン港ブリテンリヴァプール港ポルトガルリスボン港を訪問し、7000海里以上を航行した。


大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は2013年5月11日に出港し、ノルウェイ海軍との合同演習「ポモール-2013」に参加しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年5月11日10時54分配信
【バレンツ海で演習「ポモール-2013」は始まった】

2013年5月16日12時18分配信
【国際演習「ポモール-2013」を完了した艦はノルウェイ海軍基地ハーコンスヴァーンへ寄港する】

2013年5月20日11時08分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はノルウェイ海軍基地ハーコンスヴァーンへの業務寄港を完了した】

その後、グレートブリテンリヴァプール港へ寄港しました。
2013年5月25日12時32分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はリヴァプール(ブリテン)への非公式訪問を完了した】

リヴァプールを出た後、更に大西洋を南下し、5月31日にポルトガルリスボンへ寄港しました。
2013年5月31日19時02分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はリスボン(ポルトガル)への業務寄港を実施する】

6月4日、リスボンを出港し、地中海へ向かいました。
2013年6月4日16時02分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は地中海へ針路を取った】

6月6日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」支隊地中海西部海域で会合しました。
[北方艦隊の2隻の大型対潜艦は地中海西部で会合した]

6月11日、キプロス島南方海域でロシア海軍地中海連合作戦部隊へ加わりました。
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラーコフはロシア海軍地中海作戦部隊へ加わった]


今年4月中旬にも地中海北方艦隊大型対潜艦黒海艦隊大型揚陸艦の合同演習が行なわれています。
[ロシア北方艦隊と黒海艦隊の艦船は合同演習を行なった]

この時は、北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」黒海艦隊大型揚陸艦「アゾフ」でした。

ロシア海軍地中海連合作戦部隊は6月1日に編成され、同日から任務の遂行を始めました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
[ロシア海軍地中海作戦部隊は約10隻の艦で構成される]
[ロシア海軍の地中海における存在は「武力による脅し」では無い]


現在、地中海には、太平洋艦隊、北方艦隊、バルト艦隊から派遣された以下の艦船が展開し、ロシア海軍地中海連合作戦部隊を形成しています。
旗艦は太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」です。

[太平洋艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
大型揚陸艦「ペレスウェート」
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」
救助曳船「フォーチィ・クリロフ」
中型海洋給油船「ペチェンガ」

[バルト艦隊艦船支隊]
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」
大型揚陸艦「カリーニングラード」
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」
救助曳船「SB-921」
中型海洋給油船「レナ」

[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


この他、今回の記事によると、黒海艦隊大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」地中海へ派遣されています。

黒海艦隊浮揚工場(工作船)PM-138シリアタルトゥースに駐留しています。
[工作船PM-138は地中海へ行く]
[ロシア海軍の工作船PM-138はボスポラス海峡を通過した]

更には、黒海艦隊所属の偵察艦1隻が交代で地中海へ派遣されています。

「追憶の航海」部隊はヴィリュチンスクを去り、オホーツクへ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2013年6月17日14時22分配信
【太平洋艦隊の「追憶の航海」艦船はカムチャツカを去った】

太平洋艦隊軍事史「追憶の航海」艦船のカムチャツカ潜水艦部隊主要基地-ヴィリュチンスク市への訪問は完了した。

3日間に渡るヴィリュチンスク訪問中に航海参加者は「戦闘の栄光」博物館を訪れ、招待された潜水艦乗員も参加して追悼複合施設へ花束を捧げ、太平洋艦隊歌唱舞踏団によるコンサートが行なわれ、地元住民の前で興味深い歌とダンスのプログラムが披露された。

「追憶の航海」艦船支隊には、駆逐艦「ブイストルイ」、大型揚陸艦「オスリャブヤ」、海洋曳船「カラル」が加わっており、6月3日にウラジオストクを出航した。

6月16日、艦船はカムチャツカを去り、太平洋艦隊発祥の地であるオホーツク市へ針路を取った。


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「追憶の航海」とは、第2次大戦時のソ連軍兵士だった退役軍人達をロシア海軍の軍艦に乗せ、戦争時に戦場となった場所と、その周辺地域を巡るイベントです。
今回で6回目になります。
[ロシア太平洋艦隊は第6回「追憶の航海」を準備する]

「追憶の航海」支隊は、6月3日にウラジオストクを出港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年6月3日10時39分配信
【太平洋艦隊艦船は「追憶の航海」を始めた】

今回の「追憶の航海」支隊は、この3隻で構成されています。

大型揚陸艦「オスリャブヤ」
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駆逐艦「ブイストルイ」
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救助曳船「カラル」

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6月6日にサハリンネヴェリスクへ入港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年6月6日11時12分配信
【「追憶の航海」に参加している太平洋艦隊艦船はネヴェリスクへ到着した】

6月8日にクナシル島ユジノ・クリリスクへ入港しました。
[「追憶の航海」部隊はクリル列島のクナシル島へ到着した]

6月12日、クリル諸島北部のセヴェロ・クリリスクを訪れました。
[「追憶の航海」部隊はセヴェロ・クリリスクを訪れた]

6月13日、セヴェロ・クリリスクを去り、カムチャツカ半島ヴィリュチンスクへ向かいました。
[「追憶の航海」部隊はカムチャツカ半島へ向かった]

そして、6月14日から16日までカムチャツカ半島ヴィリュチンスクを訪れました。

今後はオホーツク市サハリンコルサコフ市を訪問します。

超高速魚雷シクヴァルの改良型が開発される

旧ソ連時代に開発されたスーパーキャビテーション魚雷「シクヴァル」の改良型が作られます。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年6月17日16時08分配信
【世界最速のロシア製魚雷は新たな課題の下で近代化される】
モスクワ、6月17日-ロシア通信社ノーボスチ、セルゲイ・サフロノフ

世界最高速として世界から認知を受けたロシア(ソヴィエト)の魚雷「シクヴァル」は、新たな目標と課題の下に改善される。
造形工場「ダグディーゼル」(ダゲスタン)の設計主任でロシア魚雷研究協議会の最初の会長のアカデミー会員シャミリ・アリエフロシア通信社ノーボスチのインタビューに対し、こう述べた。

最初の「シクヴァル」は20世紀の1950年代に作成された。
この魚雷は、キャビテーション現象により時速250-300キロメートルで水中を進むことが可能であった。

「問題は一つも終わっていません、私は今、それに従事しています。
キャビテーションの水と空気の境界を定義する将来魚雷シクヴァル型の流体力学的形状の設計に。
それを私共が定義する時、我々は"責務"を成し得るでしょう。
我々は、この責務が有益である事を理解しています。
流体力学的形状は、水中ロケットと、その機能のレイアウトの為の基礎を意味する事を」
アリエフ
は話した。

彼は、世界が「シクヴァル」が効率的である事を理解している例として、この「悪夢」を管理する試みをスタートさせていると述べた。
「例えば、アメリカはシクヴァルに類似するものとして、特殊多層検出"スカート"を被せる事を提示しています。
これは、魚雷に幾つかの"スカート"-本体に沿ったセンサ-を被せ、オペレータからの信号を受信し、指令に応じて魚雷のコースを変更させる事が可能です」

アカデミー会員は話した。
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太平洋艦隊の給油船ペチェンガ、マルタ寄港(2013年6月15日)

現在のところはロシア海軍当局からの発表は一切ありませんが、6月15日(土曜日)、太平洋艦隊中型海洋給油船「ペチェンガ」マルタ島ヴァレッタ港へ寄港しました。
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おそらくは、各種補給物資(燃料、水、食料)を補充する為でしょう。

給油船「ペチェンガ」は2013年3月19日にウラジオストクを出港し、5月15日に地中海へ入り、5月17日にキプロス島を訪問しています。
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~)]

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給油船「ペチェンガ」も加わったロシア海軍地中海連合作戦部隊は6月1日に編成され、同日から任務の遂行を始めました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
[ロシア海軍地中海作戦部隊は約10隻の艦で構成される]
[ロシア海軍の地中海における存在は「武力による脅し」では無い]

これまで太平洋艦隊所属艦船の動向については、同艦隊広報部長ローマン・マルトフ1等海佐から発表されていましたが、5月下旬にキプロスを出港した後の太平洋艦隊地中海派遣部隊の動向についての同氏からの発表は有りません。
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地中海へ派遣された太平洋艦隊艦船は6月1日から地中海連合作戦部隊の指揮下に入っており、しかも、これまでのロシア側の報道を見る限り、この部隊はロシア連邦軍参謀本部からの指示で動いているようなので、その関係も有るのでしょう。


現在、地中海には、太平洋艦隊、北方艦隊、バルト艦隊から派遣された以下の艦船が展開し、ロシア海軍地中海連合作戦部隊を形成しています。
旗艦は太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」です。

[太平洋艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
大型揚陸艦「ペレスウェート」
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」
救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
中型海洋給油船「ペチェンガ」

[バルト艦隊艦船支隊]
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」
大型揚陸艦「カリーニングラード」
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」
救助曳船「SB-921」
中型海洋給油船「レナ」

[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


この他、黒海艦隊から大型揚陸艦などが交代で派遣されています。
太平洋艦隊及びバルト艦隊大型揚陸艦は、地中海黒海沿岸ノヴォロシースクを行き来しています。
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黒海艦隊浮揚工場(工作船)PM-138シリアタルトゥースに駐留しています。
[工作船PM-138は地中海へ行く]
[ロシア海軍の工作船PM-138はボスポラス海峡を通過した]

更には、黒海艦隊所属の偵察艦1隻が交代で地中海へ派遣されています。

フリゲート「ネウストラシムイ」はセーシェルを訪問する

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『イタルタス通信サンクトペテルブルク支局』より
2013年6月17日13時13分43秒配信
【バルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」はセーシェル島への業務寄港を行なう】
カリーニングラード、6月17日/イタルタス

紅海及びアデン湾海域で民間船舶航行の安全保障任務を遂行しているバルト艦隊警備艦「ネウストラシムイ」は、セーシェル島共和国ヴィクトリア港への業務寄港を行なう。
本日、イタルタス西方軍管区下のバルト艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐より伝えられた。

「6月21日まで続く同港への滞在中に警備艦ネウストラシムイは水と食料の在庫を補充し、乗組員は休息の為の時間を与えられます」
マトヴェーエフ
は話した。

ヴィクトリア港では、ロシア戦闘艦の航海指揮官の同市及び軍当局への訪問が予定されている。
「寄港完了後、警備艦は紅海及びアデン湾海域における民間船舶航行の安全保障任務遂行を続けます」
バルト艦隊
の代理人は指摘した。

警備艦「ネウストラシムイ」は2013年3月にカリーニングラード州の艦隊主要基地バルチースクを去った。
同艦は航海中にアラブ首長国連邦及びオマーンの港へ寄港し、14000海里以上を航行した。


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警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]

そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]

2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]


2013年3月17日、3度目のアデン湾遠征の為にバルチースクを出港しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」はアデン湾へ向かった]
[バルト艦隊海軍歩兵はアデン湾海賊対処任務に参加する]

4月23日、アラブ首長国連邦ドバイへ到着しました。
[警備艦ネウストラシムイはドバイを訪れた]

4月26日、ドバイ港を出港してアデン湾へ向かいました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」はドバイを出港してアデン湾へ向かった]
[警備艦ネウストラシムイは3度目のアデン湾海賊対処任務に就く]

5月2日、アデン湾東部海域に到着し、民間船護衛任務を開始しました。
[警備艦ネウストラシムイはアデン湾で船団護送任務を開始する]

5月21日、オマーンサラーラ港へ寄港しました。
[警備艦ネウストラシムイはオマーンのサラーラへ寄港した]

そして今日(6月17日)、インド洋上のセーシェル諸島へ寄港しました。


今年2月初頭には太平洋艦隊の海賊対処部隊がセーシェルを訪れています。
[太平洋艦隊海賊対処部隊はセーシェル諸島を訪問する]


なお、これまでのロシア海軍当局の発表では「アデン湾(アフリカの角)海域で民間船舶航行の安全を保障する」というのが決まり文句となっていましたが、今回は「紅海及びアデン湾海域で民間船舶航行の安全を保障する」と述べられています。
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ロシア将来空母は「2025年までの国家軍備プログラム」で建造に着手される?

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『防衛産業企業体ニュース』より
2013年6月11日配信
【新たな航空母艦はロシア連邦の2025年までの国家軍備プログラムに登場するかもしれない】

ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフは、2025年までの国家軍備プログラムにおいて新たな航空母艦が登場する事を除外しない。

「ロシアの産業は、基本的に、本格的な開発を行う準備は充分に整っております。
クリロフ記念中央科学研究所においては(新空母の)研究が行われており、我々は、非常に興味深いレイアウトを有する様々な排水量の航空母艦の3つの実行案の提案を受けております。
科学技術の経験と造船業界の生産能力は、今日にでも航空母艦プロジェクトの実行を開始できます。
私は、2025年までの国家軍備プログラムにおいて、これが現実に登場する事を除外するものではありません」

ボリソフは、月曜日に発行された新聞「コメルサント」のインタビューにおいて、こう話した。

(この後は、装甲車両イヴェコ-LMV65の話が4行ほど書かれていますが、関係ないので省略)


ロシア将来航空母艦Перспективный Авианосецについては、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督が何度も発言しています。
[ロシアは新たな駆逐艦及び巡洋艦及び空母の建造計画を続行する]
[ロシア海軍は空母を必要とする]
[ロシア海軍総司令官は語る]
[ロシア海軍総司令官はロシア将来原子力空母について語った]

チルコフ提督とは別に、2012年11月末、ロシア連邦政府軍事産業委員会の関係者も将来航空母艦について述べています。
[ロシアは新たな原子力空母を開発する]


現行の「2011-2020年までの国家軍備プログラム」においては、将来航空母艦の建造は予定されていませんが、開発設計費は計上されています。

ロシア連邦国家軍備プログラムは5年ごとに改定されており、次に作成されるのは「2016-2025年までの国家軍備プログラム」になります。

今回、ボリソフ氏は、この「2016-2025年までの国家軍備プログラム」において将来航空母艦の建造費用が計上されるかもしれない、と述べたわけです。

ボリソフ氏が「今日にでも航空母艦プロジェクトを開始できる」と述べているのは、インド航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の経験を指しています。
[空母ヴィクラマーディティヤはロシア造船業の空母建造経験の回復に役立った]


更にボリソフ氏によれば、現在、将来航空母艦は、サイズ(排水量)の異なる3つのヴァリエーションが提案されているとの事です。

ロシアは2000年代後半から航空母艦の概念設計に着手していますが、当初案は「40000トン以上50000トン未満」(スキージャンプ発艦)、続いて「50000~60000トン」(カタパルト発艦)に拡大されています。
更に大型になるという情報も有ります(80000トン程度)。

ボリソフ氏は、将来航空母艦のデザインについては「非常に興味深いレイアウト」としか述べておらず、具体的なことには一切言及していませんが、少なくとも、打撃有翼ミサイル発射機を甲板に並べたソヴィエト連邦時代「重航空巡洋艦」のようなデザインであれば、このような表現は用いないでしょう。
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1993年のウラグバ基地

ムルマンスクの北方に位置するウラグバ港
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かつて、ここにはロシア海軍(ソ連海軍)北方艦隊の基地が在りました。
[ウラ・グバ港(ヴィジャエヴォ)]


ソ連邦解体から間もない1993年のウラグバ

手前にプロジェクト651潜水艦(ジュリエット級)2隻
奥にソブレメンヌイ型駆逐艦重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」
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重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」
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「アドミラル・クズネツォフ」は1991年12月に黒海沿岸のセヴァストーポリからウラグバへ回航され、同基地に留まっていました。
[エクソダス~空母クズネツォフ回航~(1991年12月)]
1995年12月~1996年3月まで初の地中海遠征を実施しました。
[空母クズネツォフ地中海遠征(1996年初頭)]
帰港後、1990年代末までウラ・グバに駐留していました。

駆逐艦「ベズジェルージュヌイ」(現「グレミャーシチー」)
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1991年12月30日に就役したソブレメンヌイ型駆逐艦14番艦です。
[新「グレミャーシチー」<4代目>(旧ベズジェルージュヌイ)]

プロジェクト651潜水艦(ジュリエット級)2隻
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B-58BS-68です。
BS-68AIPの一種である小型核動力プラントの試験艦でした。
[小型核動力プラント搭載AIP潜水艦B-68]


プロジェクト675原子力潜水艦(エコーII級)
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プロジェクト641B潜水艦(タンゴ級)
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その後、ウラグバに駐留する艦は、他の基地へ移っていきました。

2005年5月4日のウラグバ
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原子力潜水艦5隻が停泊しています。
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この当時、ウラグバには、プロジェクト671RTM(ヴィクターIII級)大型原子力潜水艦B-524、B-502、B-527、プロジェクト675MKV(エコーII級)大型原子力潜水艦B-1が居た事は確認できます。


現在のウラグバ
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海軍基地としては使用されていません。

ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは6月22日に進水する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」を6月22日に進水させる】
2013年6月14日

艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は6月21日夜から6月22日に掛けてロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」をドックから進水させる操作を実施する。
『中央海軍ポータル』は、同社の情報提供者より伝えられた。

艦の進水に先行し、(進水記念)式典は6月20日に造船所の船台で直接に開催される。

北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、定期修理と近代化の為、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」へ2011年6月末に到着した。
巡洋艦の定期修理の為の国家契約への署名は2011年末に行なわれた。
修理作業は2年間に渡り実施される計画であり、2013年末に巡洋艦はロシア海軍の常時即応部隊の編制へ復帰しなければならない。

2012年10月、艦の修理のドックでの(作業)段階が始まり、この間に船体の修復と塗装、推進器グループ機器及びユニットの修理、艦底備品の修理が実施された。

同艦はプロジェクト1164(開発-北方計画設計局)として1978年10月5日に「アドミラル-フロータ・ロボフ」の名前で第61コムーナ記念ニコラエフ造船工場において起工された。
1982年2月25日に進水し、1986年11月5日に「マルシャル・ウスチーノフ」の名前でソヴィエト連邦海軍の編制へ加入した。

[戦術-技術特性]
基準排水量-9800トン
満載排水量-11280トン
全長-186.5メートル
幅-20.8メートル
吃水-7.6メートル
速力-32ノット
自立行動期間-30日
乗員-476名

[兵装]
16基の対艦ミサイル複合体「バザーリト」発射機
2基の5連装533mm魚雷発射装置
2基の反応爆雷装置RBU-6000
1基の130mm砲装置AK-130
6基の30mm自動銃AK-630M
8基の中距離高射ロケット複合体S-300「リフ」発射装置、
2基の自己防衛高射ロケット複合体「オサ-MA」連装発射装置
対潜ヘリコプターKa-27PLが駐留する



ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


最近の報道によると、修理完了は2014年の予定です。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2014年に復帰する]

以前、「マルシャル・ウスチーノフ」は修理完了後に太平洋艦隊へ転属すると報じられましたが、2013年5月末、北方艦隊司令官コリョローフ提督は否定しました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフの太平洋艦隊転属計画は無い]

コルベット「ステレグーシチー」はネーデルラントへ向かった

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『イタルタス通信サンクトペテルブルク支局』より
2013年6月14日14時20分56秒配信
【バルト艦隊のコルベット「ステレグーシチー」は、ネーデルラントのデン・ヘルダー港への非公式訪問へと向かった】
カリーニングラード、6月14日/イタルタス

本日(6月14日)、バルト艦隊コルベット「ステレグーシチー」は、バルト艦隊主要基地からネーデルラント王国デン・ヘルダー港への非公式訪問へ向かった。
イタルタス西方軍管区下のバルト艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐より伝えられた。

「ドミトリー・アルタモノフ3等海佐が指揮する艦の訪問は、ネーデルラント王国海軍の記念日に合わせて行なわれます」
マトヴェーエフ
は話した。
更なる訪問の目的は、ロシア海軍ネーデルラント王国海軍の間の友好関係の発展にある。
コルベット「ステレグーシチー」艦上には、バルト艦隊及び海軍歩兵部隊の合同演奏団が乗っている。

非公式訪問プログラムには、航海指揮官とネーデルラント王国海軍司令部代表との会合と、乗組員の祝賀行事への参加が記されている。
ロシア海軍将兵はデン・ヘルダーへの滞在中に同市の美術館を訪れる。
コルベット「ステレグーシチー」は、同市住民及び観光客へと開放される。
艦はネーデルラントの港へ6月18日から23日まで滞在する。

バルチースクからデン・ヘルダーへの海路移動中に「ステレグーシチー」乗組員は複合戦闘訓練任務を仕上げる。


プロジェクト20380コルベットの1番艦「ステレグーシチー」は2007年11月14日にロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍新型コルベット「ステレグーシチー」、就役]

2008年2月28日、バルト艦隊へ編入されました。
[ロシア最新鋭ステルス・コルベット「ステレグーシチー」、バルト艦隊編入]

2009年6月、初めて外国の海軍(インド海軍)と合同演習を実施しました。
[ロシア海軍最新コルベット「ステレグーシチー」、インド海軍と合同演習]


最近の動向をみると、今年6月1日から6月5日までスウェーデンストックホルムを訪問しています。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2013年5月31日12時57分配信
【バルト艦隊のコルベット「ステレグーシチー」は非公式訪問の為ストックホルムへ向かった】

2013年6月1日11時44分配信
【バルト艦隊のコルベット「ステレグーシチー」はストックホルムへ到着した】

2013年6月5日12時39分配信
【バルト艦隊のコルベット「ステレグーシチー」はストックホルムへの非公式訪問を終えた】

その後、バルチースク海軍基地へ戻っていましたが、今回の記事の通り、6月14日にバルチースクを出港し、ネーデルラントへ向かいました。


これまで「ステレグーシチー」バルト海の中だけで活動していましたが、今回、初めてバルト海の外へ出る事になります。

「ステレグーシチー」は、今年6月24日からフランスブレスト沖で始まるロシア・アメリカ・フランス・ブリテン海軍合同演習「FRUKUS-2013」へ参加する予定です。
[コルベット「ステレグーシチー」は露米仏英海軍合同演習FRUKUS-2013に参加する]

6月23日にデン・ヘルダー港を出た後、そのままブレストへ直行し、「FRUKUS-2013」へ参加するようです。

重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の契約が締結された

重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為の契約がロシア連邦国防省「セヴマシュ」造船所との間で締結されました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年6月13日15時20分配信
【巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は2018年に海軍の戦闘編制へ加入する】
モスクワ、6月13日-ロシア通信社ノーボスチ

重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は修理及び近代化を終えた後、2018年にロシア海軍の戦闘編制へ加入する。
木曜日、公開株式会社「セヴマシュ」広報秘書官エカテリーナ・ピリキナは記者団に伝えた。

これに先立ち、「セヴマシュ」「アドミラル・ナヒーモフ」を修理、近代化する為の契約をロシア連邦国防省と締結した。

「同艦の為の重要な段階は近づいています。
2014年には貯水池のドックへの入渠が計画されています。
契約によりますと、同艦は2018年に海軍の戦闘編制へ加入しなければなりません」

ピリキナは話した。

次に、「セヴマシュ」第1総取締役代理セルゲイ・マリチェフは、巡洋艦の作業量は航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の修理と近代化に匹敵するレベルである事を指摘した。

「アドミラル・ナヒーモフは海軍で最も近代的な重原子力ロケット巡洋艦とならなければなりません。
同艦には、試験に合格した最新の兵器が設置されます」

彼は締め括った。

重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は3隻目のシリーズとして公開株式会社「バルト工場」(サンクトペテルブルク)で建造された。
1982年に起工され、1989年5月10日に海軍へ納入された。


公開株式会社「生産合同・北方機械製造組合(セヴマシュ)」公式サイトより
2013年6月13日
【巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化される】

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化契約は、「セヴマシュ」総取締役ミハイル・ブドニチェンコロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフにより署名されました。

近代化改装により、「アドミラル・ナヒーモフ」の搭載機器の70パーセントが交換されます。


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1988年12月30日に竣工した重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」(当初の名前は「カリーニン」)は、1997年7月の航海を最後に海洋へ出る事は無くなり、1999年8月14日に修理及び近代化の為、セヴェロドヴィンスクへ到着しました。

しかし、その後も近代化改装の話は度々出たものの、実際には原子炉の使用済み核燃料棒の撤去が行なわれた程度であり、本格的な近代化工事に着手される事は無く10数年が経過しました。
[復帰を待つアドミラル・ナヒモフ(カリーニン)]
[巡洋艦「アドミラル・ナヒモフ」の近代化改装は準備される]
[キーロフ型重原子力ロケット巡洋艦近代化計画]
[キーロフ型原子力巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は2012年に開始される]
[原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフ近代化に50億ルーブルが拠出される]
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2012年12月下旬、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督は、近代化される重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト11442は2020年以降も海軍の戦略非核抑止戦力の主力となると述べています。
[ロシア海軍の戦略非核戦力は多用途原潜と原子力巡洋艦から成る]

2013年5月末、北方艦隊司令官ウラジーミル・コリョローフ提督は、既に「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化の為の作業の見積もりが行なわれていると発言しました。
[原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化は断念されていない]

そして今日(6月13日)、セヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所は、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装が2014年から開始されると発表しました。
近代化改装の為の契約はロシア国防省と締結されているとの事です。

記事を読む限り、「アドミラル・ナヒーモフ」は、インド空母「ヴィクラマーディティヤ」が入渠した「セヴマシュ」屋外ドックへ入渠して近代化改装を行なうようです。
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[空母ヴィクラマーディティヤは屋外ドックへ入渠した]

以前の報道によると、近代化されるキーロフ級原子力巡洋艦は、主要兵装である高射ミサイル打撃有翼ミサイルを新型に換装するとの事です。
『ロシアの声』より
2011年9月22日
【キーロフ級ミサイル巡洋艦を近代化 総合ミサイル設備を搭載】

おそらくは、高射ミサイル「リドゥート」(ポリメント)カリブル/オーニクス有翼ミサイルに換装される事になるでしょう。
[新世代の艦対空ミサイルシステム3K96「リドゥート」]
[汎用ミサイル垂直発射機3R-14UKSK]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化作業は、「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)の近代化に匹敵する規模のものとなるという事ですから、装備の大半は換装されるようです。
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「追憶の航海」部隊はカムチャツカ半島へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2013年6月13日10時39分配信
【太平洋艦隊の「追憶の航海」艦船はヴィリュチンスクへ針路を取った】

軍事史「追憶の航海」に参加する太平洋艦隊の艦船は、本日、ヴィリュチンスクへ針路を取った。
「ロシアの日」を乗組員はセヴェロ・クリリスクで迎え、アンドレイ旗の建立掲揚式典を開催した。

6月14日午前、支隊は潜水艦都市へ到着する。
ヴィリュチンスクの埠頭の1つで歓迎式典が開催され、ウラジオストクから来た艦船は太平洋艦隊潜水艦部隊司令官イーゴリ・ムハメヅィン少将及び同市、退役軍人及びカムチャツカ地方公共組織の代表に出迎えられる。

6月14-15日、潜水艦基地において、軍事的義務を果たして戦死した太平洋艦隊将兵の記念碑に多大な敬意を表する行事が開催され、その後、退役軍人は「戦闘の栄光」博物館を訪れる。
ヴィリュチンスク住民の為の特色ある贈り物として、太平洋艦隊歌唱舞踏団によるコンサートが開催される。

6月15日、艦船は太平洋艦隊発祥の地であるオホーツク市へ針路を取る。


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「追憶の航海」とは、第2次大戦時のソ連軍兵士だった退役軍人達をロシア海軍の軍艦に乗せ、戦争時に戦場となった場所と、その周辺地域を巡るイベントです。
今回で6回目になります。
[ロシア太平洋艦隊は第6回「追憶の航海」を準備する]

「追憶の航海」支隊は、6月3日にウラジオストクを出港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年6月3日10時39分配信
【太平洋艦隊艦船は「追憶の航海」を始めた】

今回の「追憶の航海」支隊は、この3隻で構成されています。

大型揚陸艦「オスリャブヤ」
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駆逐艦「ブイストルイ」
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救助曳船「カラル」

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6月6日にサハリンネヴェリスクへ入港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年6月6日11時12分配信
【「追憶の航海」に参加している太平洋艦隊艦船はネヴェリスクへ到着した】

6月8日にクナシル島ユジノ・クリリスクへ入港しました。
[「追憶の航海」部隊はクリル列島のクナシル島へ到着した]

6月12日、クリル諸島北部のセヴェロ・クリリスクを訪れました。
[「追憶の航海」部隊はセヴェロ・クリリスクを訪れた]


そして今日、セヴェロ・クリリスクを去り、カムチャツカ半島ヴィリュチンスクへ向かいました。
6月14日に到着する予定です。

ヴィリュチンスクには、ロシア太平洋艦隊原子力潜水艦基地が置かれています。
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現在は、この3タイプの原子力潜水艦が配備されています。
プロジェクト667BDR原子力戦略用途水中巡洋艦(デルタIII級)
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プロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)
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プロジェクト971原子力巡洋潜水艦(アクラ級)

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2014年には新世代のプロジェクト955原子力ロケット水中巡洋艦「ボレイ」級が配備される予定であり、現在、インフラ整備が進められています。
[2014年にロシア太平洋艦隊へ新世代戦略原潜ボレイ級が配備される]
[ボレイ級戦略原潜2番艦と3番艦は太平洋艦隊へ配備される]
[新世代戦略原潜ボレイ級の為のインフラ整備はカムチャツカ半島で進められている]

キロ級潜水艦カルーガは6月13日に航海試験へ出発する

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『イタルタス』より
2013年6月10日9時51分配信
【セヴェロドヴィンスクで近代化された北方艦隊の非核動力潜水艦「カルーガ」は試験を継続する為、6月13日に出航する】
アルハンゲリスク、6月10日/イタルタス特派員ウラジーミル・アヌフリエフ

北方艦隊大型ディーゼルエレクトリック潜水艦B-800「カルーガ」は、セヴェロドヴィンスク防衛造船所「艦船修理センター・ズヴェズドーチカ」での近代化後、6月13日に航海試験継続の為、6月13日に出航する。
イタルタス特派員は工場広報サービスより伝えられた。
「試験は、昨年12月の白海の結氷状況の深刻さ故に完了しませんでした」

潜水艦は、今年に軍備採用される。
それは「ズヴェズドーチカ」造船所において20年ぶりに近代化された自国(ロシア)海軍非核動力潜水艦である。
潜水艦の就役期間は更に10年間延長された。

「カルーガ」は、2002年に定期修理及び近代化の為「ズヴェズドーチカ」へ到着した。
同社広報サービスの説明によると、国家軍備プログラムからの資金提供は限られており、原子力潜水艦部隊の戦闘即応性の維持を最優先させる為、国防省は2010年まで「カルーガ」の作業の為の資金供給を許可しなかった。
この間、同艦はセヴェロドヴィンスク造船所の造船台に在った。

ディーゼルエレクトリック潜水艦「カルーガ」は、ニジニ·ノヴゴロド「クラスノエ・ソルモヴォ」工場で1989年に建造されたプロジェクト877「パルトゥス」(ワルシャワンカ)・NATO分類「キロ」級に属する。
潜水艦は最初に黒海艦隊の戦闘編制へ加入し、その後、北方艦隊へ転属した。
潜水艦は、サンクト・ペテルブルク海洋工学中央設計局「ルビーン」で設計された。

潜水艦の満載排水量は3000トン以上、全長73メートル、水中速力17ノット/時速32キロ、自立行動期間45日、潜航深度300メートル、乗組員52名、標準武装は、口径533mm魚雷発射管6門である。
同プロジェクト潜水艦は、水上艦及び水中艦との戦い、機雷敷設、偵察実施の為に設計されている。
それは、ロシアで生産された最も静粛な潜水艦の1つである。
このような潜水艦20隻が輸出され、外国の海軍へ引き渡されている。


潜水艦B-800「カルーガ」は1987年3月5日に起工され、1989年5月7日に進水、1989年9月30日に当時のソ連邦海軍へ納入されました。

「カルーガ」は、プロジェクト877LPMBと呼ばれるサブタイプに属しており、それまでの6枚羽根スクリューに代わり、7枚羽根スクリューが装備されました。
続いて建造されたロシア/旧ソ連海軍向けのプロジェクト877後期建造艦(4Bとも呼ばれる)8隻の試験艦的な役割の艦です。
就役時は黒海艦隊所属でしたが、1991年6月に北方艦隊へ転属しました。

2002年、オーバーホールの為、セヴェロドヴィンスク「ズヴェズドーチカ」へ回航されましたが、資金不足の為、実際には修理に着手される事はありませんでした。
そのまま「ズヴェズドーチカ」に係留され続けた「カルーガ」は、2010年から待望の修理及び近代化作業が開始されました。

2012年5月28日に進水しました。
[北方艦隊のキロ級潜水艦カルーガは再進水した]
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2012年中に航海試験は完了せず、2013年6月13日に再開される事になりました。

2020年までに北方艦隊所属のプロジェクト877潜水艦5隻が近代化されます。
[北方艦隊のキロ級潜水艦5隻は2020年までに修理される]

「追憶の航海」部隊はセヴェロ・クリリスクを訪れた

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『ロシア通信社ノーボスチより
2013年6月12日5時45分配信
【太平洋艦隊の「追憶の航海」参加者はセヴェロ・クリリスクで「ロシアの日」を迎えた】
ウラジオストク、6月12日-ロシア通信社ノーボスチ、イリヤ・ゴルブノフ

水曜日、太平洋艦隊の伝統の軍事史「追憶の航海」参加者はセヴェロ・クリリスクに到着し、「ロシアの日」の為の国旗掲揚式典が開催された。
ロシア通信社ノーボスチは、太平洋艦隊の代理人(乗組員のメンバーの1人)より伝えられた。

「追憶の航海」には、駆逐艦「ブイストルイ」、大型揚陸艦「オスリャブヤ」、海洋曳船「カラル」が参加し、戦勝記念日、太平洋艦隊282周年、ネヴェリスコイ提督生誕200周年に捧げられる。

6月3日にウラジオストクを出た後、航海の最初の地点はネヴェリスクであった。
その後、艦船はクリル列島へ向かい、6月9日にはユジノ・クリリスクを訪問した。

「艦船はセヴェロ・クリリスク付近の投錨地に停泊し、同市市長は、ロシアの日の為の国旗掲揚式典に参加する為、大型揚陸艦オスリャブヤへ到着しました。
その後、退役将兵と海軍将兵はボートに乗って同市へ行きました」

対談者は話した。

彼によると、水曜日午前に「追憶の航海」参加者は、同市管理部及び退役将兵代表と共にクリル諸島パラムシルを訪れ、ソヴィエト兵士の記念碑に花輪を捧げた。

「我々は、沿岸へ停泊することが出来ない為、地元住民を艦へ案内する事が出来ませんでしたが、太平洋艦隊の歌唱舞踏団だけではなく、地元のアーチスト団も参加した大規模な祝日コンサートを沿岸で開催しました」
対談者は話した。

彼は、今年は、「追憶の航海」の歴史上初めてカムチャツカの潜水艦基地ヴィリュチンスクを訪問し、航海の最後の停泊地はコルサコフ市になる事を想起した。


『ロシア通信社ノーボスチより
【太平洋艦隊の「追憶の航海」関連ニュース】


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「追憶の航海」とは、第2次大戦時のソ連軍兵士だった退役軍人達をロシア海軍の軍艦に乗せ、戦争時に戦場となった場所と、その周辺地域を巡るイベントです。
今回で6回目になります。
[ロシア太平洋艦隊は第6回「追憶の航海」を準備する]

「追憶の航海」支隊は、6月3日にウラジオストクを出港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年6月3日10時39分配信
【太平洋艦隊艦船は「追憶の航海」を始めた】

6月6日にサハリンネヴェリスクへ入港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年6月6日11時12分配信
【「追憶の航海」に参加している太平洋艦隊艦船はネヴェリスクへ到着した】

6月8日にクナシル島ユジノ・クリリスクへ入港しました。
[「追憶の航海」部隊はクリル列島のクナシル島へ到着した]

そして今日、クリル諸島北部のセヴェロ・クリリスクを訪れました。

今後はカムチャツカヴィリュチンスクオホーツクサハリンコルサコフを訪問する予定です。

記事中にある「ロシアの日」とは、1990年6月12日、当時のソヴィエト連邦構成共和国の1つだったロシア共和国で国家主権宣言が採択された事を記念する祝日です。
『ロシアの声』より
【6月12日「ロシアの日」に寄せて】

大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラーコフはロシア海軍地中海作戦部隊へ加わった

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『イタルタス』より
2013年6月11日12時58分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は地中海のロシア海軍艦船グループへ合流した】

アルハンゲリスク、6月11日/イタルタス特派員ウラジーミル・アヌフリエフ

本日、北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は、地中海で常時活動するシア海軍艦船グループの構成へ加わった。
イタルタス特派員
北方艦隊の公式代理人ワジム・セルガ1等海佐より伝えられた。

「キプロス島南方で北方艦隊艦船は太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフと会合します」
彼は説明した。
協同活動中に乗組員は艦載ヘリコプターを使用した艦船支隊の対潜防衛演習を実施する。

北方艦隊の代理人は、大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」地中海ロシア海軍艦船グループの一員として任務を遂行する北方艦隊の2番目の戦闘艦である事を指摘した。
以前には大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦隊間グループの一員として活動していた。

大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」北方艦隊の主要基地セヴェロモルスクを5月11日に去った。
遠距離航海中に同艦は国際演習「ポモール-2013」へ参加し、ノルウェイベルゲン港ブリテンリヴァプール港ポルトガルリスボン港を訪問した。
遠距離航海中に大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は4500海里以上を航行した。


大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は2013年5月11日に出港し、ノルウェイ海軍との合同演習「ポモール-2013」に参加しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年5月11日10時54分配信
【バレンツ海で演習「ポモール-2013」は始まった】

2013年5月16日12時18分配信
【国際演習「ポモール-2013」を完了した艦はノルウェイ海軍基地ハーコンスヴァーンへ寄港する】

2013年5月20日11時08分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はノルウェイ海軍基地ハーコンスヴァーンへの業務寄港を完了した】

その後、グレートブリテンリヴァプール港へ寄港しました。
2013年5月25日12時32分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はリヴァプール(ブリテン)への非公式訪問を完了した】

リヴァプールを出た後、更に大西洋を南下し、5月31日にポルトガルリスボンへ寄港しました。
2013年5月31日19時02分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はリスボン(ポルトガル)への業務寄港を実施する】

6月4日、リスボンを出港し、地中海へ向かいました。
2013年6月4日16時02分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は地中海へ針路を取った】

「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」には、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」が随伴しています。
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6月6日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」支隊地中海西部海域で会合しました。
[北方艦隊の2隻の大型対潜艦は地中海西部で会合した]

そして今日、キプロス島南方海域でロシア海軍地中海作戦部隊へ加わりました。
地中海作戦部隊は6月1日に編成され、同日から任務を遂行しています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
記事中に登場する太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は地中海作戦部隊旗艦です。
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大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は、25年前の1988年にも第5地中海作戦戦隊の一員として地中海で行動しています。
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2010年に近代化改装を終えて復帰してからは、2012年にアデン湾海賊対処任務へ従事した後、地中海で短期間行動しています。
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラーコフはアデン湾海賊対処任務を終えた]
[ロシア海軍合同艦船グループは地中海東部で元アデン湾海賊対処部隊と合流する]
[ロシア海軍合同艦船グループは西へ向かう]

「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」の前に地中海で行動していた北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」は帰路に就いています。
[北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスク支隊は帰路に就く]


現在、地中海には、太平洋艦隊及びバルト艦隊から派遣された以下の艦船が展開し、ロシア海軍地中海作戦部隊を形成しています。

[太平洋艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
大型揚陸艦「ペレスウェート」
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」
救助曳船「フォーチィ・クリロフ」
中型海洋給油船「ペチェンガ」

[バルト艦隊艦船支隊]
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」
大型揚陸艦「カリーニングラード」
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」
救助曳船「SB-921」
中型海洋給油船「レナ」


6月11日、北方艦隊艦船支隊が加わりました。
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


この他、黒海艦隊から大型揚陸艦などが交代で派遣されています。

黒海艦隊浮揚工場(工作船)PM-138シリアタルトゥースに駐留しています。
[工作船PM-138は地中海へ行く]
[ロシア海軍の工作船PM-138はボスポラス海峡を通過した]

更には、黒海艦隊所属の偵察艦1隻が交代で地中海へ派遣されています。

ボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは祝福を授けられた


公開株式会社「生産合同・北方機械製造組合(セヴマシュ)」公式サイトより
2013年6月10日配信
【「ウラジーミル・モノマーフ」は祝福を受けた】
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原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、最初の工場航海試験の為の海洋への出港を準備している。
ロケット艦では、立派に務めを果たせるように聖霊を召喚する為の祈祷の務めが行なわれた。

この正統なる伝統は、帝政ロシア時代から普及している。
司祭は、造船台で建造され、海洋へ出る前の艦を祓い清め、祈祷を行なった。

ロケット艦「ウラジーミル・モノマーフ」の艦上では、建造・修理潜水艦旅団司令官を補佐する神父ベンジャミンが務めを行ない、原子力潜水艦乗組員と当社納入チームへ祝福を与えた。
納入責任者エドゥアルド・ウソフは、現在、原子力潜水艦は海洋への出港準備を進めており、ロケット艦の全てのシステムが点検された事を指摘した。

試験の為に出航する前の同艦乗組員、軍事機器生産部長代理セルゲイ・バランニコフ少将、白海海軍基地司令官代理ゲンナジー・タラン原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」艦長アレクサンドル・ナジェージンは、別れの言葉を告げた。

[参考資料]
「ウラジーミル・モノマーフ」「ボレイ」プロジェクトの3隻目のロケット艦である。
2006年3月19日に「セヴマシュ」で起工された。
原子力艦は新たなミサイル複合体大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を装備する。
2012年12月30日、原子力戦略用途水中巡洋艦「ウラジーミル・モノマーフ」は造船台を出た。
艦は来たるべき工場航海試験及び国家受領試験の為に係留されている。
原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」乗組員は2009年12月に形成された。

公開株式会社「生産合同セヴマシュ」広報サービス
写真:O.マリシェフ



[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

「ボレイ」級3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工され、2012年12月30日に進水しました。
[ボレイ級戦略原潜3番艦ウラジーミル・モノマーフ進水(セヴマシュ公式サイト)]
[ボレイ級戦略原潜3番艦ウラジーミル・モノマーフは進水した]

2013年1月18日、「セヴマシュ」造船所の岸壁に係留されました。
[ボレイ級戦略原潜3番艦ウラジーミル・モノマーフの係留試験が開始された]

5月下旬、陸上から蒸気を送り、蒸気タービン機関の試験が行われました。
[ボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは蒸気タービン機関の試験を行なった]

以前の報道によると、「ウラジーミル・モノマーフ」は2013年6月に航海試験を開始するとの事です。
[新世代戦略原潜ボレイ級3番艦ウラジーミル・モノマーフの動力試験は2013年6月までに完了する]
[ボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは2013年6月に航海試験を開始する]

今回、ロシア正教会の神父による祈祷式が執り行われた事は、同艦の出航が近い事を意味しています。


「ウラジーミル・モノマーフ」は、今年(2013年)末までにロシア海軍へ引き渡される予定です。
[ロシア海軍は2013年に3隻の原子力潜水艦を受領する]

引き渡し後は、太平洋艦隊へ配備されます。
[ボレイ級戦略原潜2番艦と3番艦は太平洋艦隊へ配備される]

北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスク支隊は帰路に就く

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年6月10日13時23分配信
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」乗組員はスペインのセウタ訪問を完了した】
ムルマンスク、6月10日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船「アルタイ」、海洋給油船「ドゥブナ」北アフリカ沿岸のスペイン領セウタ港への業務寄港を完了し、ジブラルタル海峡へ針路を取った。
西方軍管区下の北方艦隊広報サービス・情報供給部長ワジム・セルガ1等海佐は発表した。、

「ロシア海軍地中海艦船グループの一員としての任務を滞りなく遂行した北方艦隊艦船支隊は地中海から大西洋へと去り、北方の常時駐留拠点へ針路を取ります」
声明では、こう述べられた。

約半年間に渡る遠距離航海を行なっているロシア海軍将兵は、スペインの港で真水を補充し、豊かな歴史を持つ古代都市を訪れた。

大型対潜艦「セヴェロモルスク」の遠距離航海は2012年12月18日に始まった。
北方艦隊将兵は約28500海里を航行した。

「対海賊当直中に艦(セヴェロモルスク)の乗組員は様々な国の船籍の16隻の船の先導を実施し、更には地中海のロシア海軍大規模演習へ参加しました」
声明では、こう述べられた。


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北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」を中核とするアデン湾海賊対処部隊は、2012年12月18日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクを出港しました。
[大型対潜艦セヴェロモルスクはソマリア沖へ向かった]

2013年1月5日、スペインセウタ港を訪問し、1月7日まで滞在しました。
[ロシア北方艦隊海賊対処部隊はスペインのセウタ港で20万ユーロを支出した]

2013年1月14日から18日までギリシャスーダ港を訪問しました。
[北方艦隊海賊対処部隊はクレタ島を訪れた]

2013年1月19日から始まった地中海東部ロシア海軍3艦隊合同演習へ参加しました。
[ ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬) ]

2013年2月4日、ロシア砕氷船の護衛を開始しました。
[北方艦隊海賊対処部隊はアデン湾で任務に就く]

2013年2月末、NATO海軍と合同演習を行ないました。
[北方艦隊海賊対処部隊はアデン湾でNATO海軍と合同演習を行なう]
[アデン湾のロシア・NATO海軍合同演習は完了した]

3月初頭、紅海からアラビア海へ向かう9隻の民間船団を護送しました。
[ロシア海軍第15次海賊対処部隊はアデン湾で船団護衛を続ける]

3月中旬、アラビア海から紅海へ向かう2隻の民間船を護衛しました。
[ロシア海軍第15次海賊対処部隊はアデン湾を西へ向かう船団を護送する]

3月下旬、紅海からアラビア海へ向かう商船団を護衛しました。
[大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾を東へ進む船団を護衛する]

3月25日、アラビア海から紅海へ向かうリベリア商船を護衛しました。
[大型対潜艦セヴェロモルスクは商船を護衛してアデン湾を西へ進む]

4月初頭、海賊対処任務を完了し、地中海へ入りました。
[北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾海賊対処任務を完了する]
[北方艦隊海賊対処部隊はスエズ運河を北上した]
[北方艦隊海賊対処部隊は地中海へ入った]

そして地中海ロシア海軍艦隊合同グループに加わりました。
[ロシア北方艦隊と黒海艦隊の艦船は合同演習を行なった]

4月末にはマルタ島ヴァレッタへ寄港しました。
[北方艦隊の艦船はマルタ島を訪れる]

その後も地中海東部に滞在し、5月末にはシリアの漁船員を救助しました。
[ロシア海軍の軍艦はシリア漁船の乗員を救助した]

6月6日、地中海西部大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」支隊と会合しました。
[北方艦隊の2隻の大型対潜艦は地中海西部で会合した]

その後、スペインセウタを訪問しました。

記事中で触れられているように、大型対潜艦「セヴェロモルスク」支隊は、今後大西洋へ出て母港(セヴェロモルスク軍港)へ向かいます。
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これと入れ替わりに大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」支隊ロシア海軍地中海作戦部隊へ加わります。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]

「追憶の航海」部隊はクリル列島のクナシル島へ到着した

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『イタル-タス』より
2013年6月8日4時29分配信
【太平洋艦隊船はクリル列島のクナシル島へ到着した】
ウラジオストク、6月8日/イタル-タス特派員レオニード・ヴィノグラードフ

サハリン、クリル列島、カムチャツカの軍事的栄光の地を巡る軍事史「追憶の航海」に参加している太平洋艦隊の艦船は、本日、クナシル島へ到着したと海軍広報サービスは発表した。
航海支隊は大型揚陸艦「オスリャブヤ」、駆逐艦「ブイストルイ」、曳船「カラル」で構成される。

クナシルユジノ・クリリスク市で航海参加者は退役軍人と会い、軍の駐留地、島の教会を訪れる。
同市の広場では太平洋艦隊歌唱舞踊団のコンサートが開かれ、海軍歩兵のパフォーマンスとデモンストレーションが行われるとユジノ・クリリスク地域のトップ、ワシーリー・ソロムコは伝えた。

本日の夕方に艦船支隊はクリル列島北部へ向かい、北クリルのパラムシル港へ寄港する。

「追憶の航海」は、戦勝記念日、太平洋沿岸の探索者ゲンナジー・ネヴェリスコイ提督生誕200周年太平洋艦隊創立2828周年に捧げられる。


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「追憶の航海」とは、第2次大戦時のソ連軍兵士だった退役軍人達をロシア海軍の軍艦に乗せ、戦争時に戦場となった場所と、その周辺地域を巡るイベントです。
今回で6回目になります。
[ロシア太平洋艦隊は第6回「追憶の航海」を準備する]

「追憶の航海」支隊は、6月3日にウラジオストクを出港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年6月3日10時39分配信
【太平洋艦隊艦船は「追憶の航海」を始めた】

6月6日にサハリンネヴェリスクへ入港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年6月6日11時12分配信
【「追憶の航海」に参加している太平洋艦隊艦船はネヴェリスクへ到着した】

そして6月8日にクナシル島ユジノ・クリリスクへ入港しました。

今回の「追憶の航海」支隊は、この3隻で構成されています。

大型揚陸艦「オスリャブヤ」
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駆逐艦「ブイストルイ」
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救助曳船「カラル」

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今後の寄港地は、この5か所が予定されています。

・シュムシュ島
・パラムシル島
・ヴィリュチンスク(ペトロパブロフスク・カムチャツキー)
・オホーツク
・コルサコフ(サハリン)


あくまでも、過ぎ去った過去を偲ぶ為の航海であり、今日の情勢とは全く関係ありません。

ロシア海軍の地中海における存在は「武力による脅し」では無い

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『イタルタス』より
2013年6月6日16時30分配信
【ウラジーミル・プーチン:ロシア海軍の地中海常時存在は「武力による脅し」では無い】
モスクワ、6月6日/イタルタス

ロシア海軍地中海常時存在の復活は「武力による脅し」では無い。
ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、ロシア連邦軍中央指揮所におけるテレビ会議中に表明した。

「地中海におけるロシア海軍の常時存在の復活-これは、武力による脅しの兆候を示すものではありません。
私共は、たいへん多くの事を我々のパートナーと共に行なっております。
犯罪組織の脅威に関連するNATO加盟国のパートナーを含め、そして更には、数多くの海賊対処活動を含め」
プーチン
は話した。

彼は、ロシア海軍グループには、最新艦及び最新兵器が適時に装備される予定である事を指摘した。

大統領は、ロシア海軍将兵は、地中海ゾーンに存在する全てのパートナーと同様、地中海エリアの他の国とも良好な関係とパートナーシップを確立する事を確信していると表明した。

「私は、あなた達全ての成功を祈ります。
キール下の7フィートが有らんことを(幸多からん事を)。
私は、全ての国家指導者及び国防省の任務が効率的かつ適切な水準で実行される事を切に願っております」

国家元首は話した。


[ロシア海軍地中海作戦部隊創設]

ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日に編成され、同日から任務の遂行を始めました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
[ロシア海軍地中海作戦部隊は約10隻の艦で構成される]

ロシア海軍地中海展開は現在のシリア情勢に関連するものだと言われていますが、未だシリア内戦が始まってもいない2007年8月初頭、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン提督は、既にロシア海軍地中海常時展開の復活の意向を表明しています。
[ロシア海軍は、再び地中海に存在を示さなければならない]

そもそも、ロシア海軍18世紀後半(エカチェリーナ2世の治世下)から地中海で活動しています。
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ロシア黒海艦隊が創設されたのは1783年5月13日ですが、それよりも10年以上前の1770年、地中海に面したフランス沿岸コート・ダジュール(ヴィルフランシュ)にはロシア海軍基地が置かれていました。
[ロシア下院国防委員長はロシア海軍地中海作戦部隊について語った]

地中海は、昔からロシア海軍にとっての主要活動舞台だったのです。

ロシア海軍地中海作戦部隊は約10隻の艦で構成される

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『アルムス-タス』より
2013年6月6日15時18分配信
【海軍地中海作戦部隊の構成には、様々なクラスの約10隻の艦が加入する】
モスクワ、6月6日(アルムス-タス)

海軍地中海作戦部隊の構成には、様々なクラスの約10隻の艦が加入する。
ロシア連邦国防省は発表した。

「作戦部隊には、北方艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊の様々なクラスの約10隻の艦がローテーションで加入します」
ウラジーミル・プーチン大統領のロシア連邦軍中央指揮所訪問の為に準備された国防省の資料では、こう述べられた。
更に、個々のケースでは、太平洋艦隊所属艦の加入も予定されている。

資料で述べられているように、与えられた任務の規模に応じて部隊を構成する戦闘艦の隻数は増加する事も有る。

部隊には、プロジェクト1164巡洋艦(「モスクワ」「ワリャーグ」タイプ)、プロジェクト1155大型対潜艦(「アドミラル・レフチェンコ」タイプ)、プロジェクト11540警備艦(「ネウストラシムイ」「ヤロスラフ・ムードルイ」タイプ)、プロジェクト1171大型揚陸艦(「ニコライ・フィリチェンコフ」タイプ)、プロジェクト775大型揚陸艦(「カリーニングラード」タイプ)、プロジェクト775M大型揚陸艦(「アゾフ」タイプ)が加入する。

警備艦プロジェクト1135.6黒海艦隊の編制へ加入すれば、このクラスの艦は作戦部隊の一員として勤務するローテーションの基礎を成す。
作戦部隊の行動を保障する為、2-3隻の保障船(給油船と救助曳船)が各艦隊から派遣される予定である。


[ロシア海軍地中海作戦部隊創設]

ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日に編成され、同日から任務の遂行を始めました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]

現在の作戦部隊旗艦は、太平洋艦隊から派遣された大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」です。
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~)]
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「アドミラル・パンテレーエフ」に将旗を掲げる地中海作戦部隊司令官は、黒海艦隊参謀長代理ユーリー・ゼムスキー1等海佐です。
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地中海作戦部隊は、以下の戦闘艦で構成されます。

プロジェクト1164巡洋艦(モスクワ)
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プロジェクト1155大型対潜艦(ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ)
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プロジェクト11540警備艦(ヤロスラフ・ムードルイ)
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プロジェクト1171大型揚陸艦(ニコライ・フィリチェンコフ)
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プロジェクト775大型揚陸艦(カリーニングラード)
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プロジェクト775M大型揚陸艦(ペレスウェート)

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ただし、現時点ではプロジェクト1164ロケット巡洋艦地中海作戦部隊に参加していません。


そして近い将来には、黒海艦隊へ配備されるプロジェクト11356M警備艦も参加します。
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[フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の建造は計画通りに進んでいる]
[ロシア黒海艦隊は2014年に新造艦を受領する]


更に、今回の記事では触れられていませんが、ロシア海軍向けに建造されているヘリコプター空母「ミストラル」級地中海作戦部隊の旗艦として使用する構想も有ります。
[ロシア海軍のミストラル級は地中海作戦部隊の旗艦になるかもしれない]
[ミストラル級はロシア海軍地中海作戦部隊に加わるかもしれない]
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ロシア海軍向け「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」太平洋艦隊へ配備されますが、上記の通り、地中海作戦部隊の初代旗艦が太平洋艦隊所属艦であるという事実は、近い将来にヘリ空母「ウラジオストク」地中海作戦部隊へ加わる可能性を否定しません。

ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している

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『インタファクス』より
2013年6月6日16時28分配信
【ロシア連邦海軍部隊は地中海での任務遂行を開始した】
モスクワ、6月6日、インタファクス.RU

ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務遂行を開始した。
ロシア連邦軍参謀本部総長・第1国防相代理ワレリー・ゲラシモフは表明した。

「作戦部隊は6月1日に形成され、地中海において与えられた任務の遂行を開始しました。
現在は16隻の水上艦と3機の艦上ヘリコプターで構成されています。
部隊の構成は状況に応じて変更されます。
作戦部隊司令部は、大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフに展開しています」

ゲラシモフは話した。


2013年1月下旬、ロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習黒海及び地中海東部で実施されました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

ロシア海軍地中海常設作戦部隊創設の話は今年(2013年)2月以降に表面化しました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊創設]

地中海作戦部隊司令部は今年夏に創設されると発表されました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊司令部は2013年夏に創設される]

そして今回、ロシア連邦軍参謀本部総長(兼第1国防相代理)ゲラシモフ上級大将は、ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日に編成されており、既に任務遂行を開始していると発表しました。
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地中海作戦部隊の旗艦は、太平洋艦隊から派遣された大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が務めているとの事です。
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~)]
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「アドミラル・パンテレーエフ」に将旗を掲げる地中海作戦部隊司令官は、黒海艦隊参謀長代理ユーリー・ゼムスキー1等海佐です。
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記事中の「16隻の水上艦」は、ロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊)から地中海へ派遣された水上戦闘艦大型揚陸艦各種支援船(給油船、曳船、工作船など)「3機の艦上ヘリコプター」は、おそらく大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(太平洋艦隊)、警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊)の艦載機(Ka-27ヘリコプター計3機)を指しています。

現在、地中海には、太平洋艦隊及びバルト艦隊から派遣された以下の艦船が展開しています。

[太平洋艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
大型揚陸艦「ペレスウェート」
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」
救助曳船「フォーチィ・クリロフ」
中型海洋給油船「ペチェンガ」

[バルト艦隊艦船支隊]
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」
大型揚陸艦「カリーニングラード」
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」
救助曳船「SB-921」
中型海洋給油船「レナ」


この他、黒海艦隊から大型揚陸艦などが交代で派遣されています。

黒海艦隊浮揚工場(工作船)PM-138シリアタルトゥースに駐留しています。
[工作船PM-138は地中海へ行く]
[ロシア海軍の工作船PM-138はボスポラス海峡を通過した]

更には、黒海艦隊所属の偵察艦1隻が交代で地中海へ派遣されています。

数日後には、新たな北方艦隊艦船支隊地中海作戦部隊へ加わります。
[北方艦隊の2隻の大型対潜艦は地中海西部で会合した]

[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」

北方艦隊の2隻の大型対潜艦は地中海西部で会合した

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『イタルタス』より
2013年6月6日11時07分配信
【北方艦隊の2つの北方艦隊艦船支隊は演習を実施する為に地中海で会合した】
アルハンゲリスク、6月6日/イタルタス特派員ウラジーミル・アヌフリエフ

大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」に率いられる北方艦隊の2つの艦船支隊は、本日会合し、地中海西部に錨を降ろした。
イタルタス特派員は、北方艦隊司令部の公式代理人ワジム・セルガ1等海佐より伝えられた。

彼によると、停泊中に大型対潜艦及び補助船の乗組員は海洋遭難者の捜索救助演習を実施する。
「訓練には、水上で遭難した船員を模したマネキンを捜索する為、大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラーコフから発艦する艦載ヘリコプターKa-27が参加します」
セルガは話した。
救助されたマネキンは、艦載ヘリコプターにより大型対潜艦「セヴェロモルスク」へ送り届けられる。

演習活動には救助曳船「アルタイ」の乗組員も参加し、救助グループが乗る高速艇を船上から水上へ発進させる。

北方艦隊の代理人が説明したように、合同救助演習を完了した後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」が率いる艦船支隊はスペインセウタ港へ針路を取る。
6月7日から予定されている業務寄港中、乗組員には休養の時間が与えられる。

大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」地中海エリアを航行し、数日後、地中海エリアで常時行動しているロシア海軍グループの一員となる。

大型対潜艦「セヴェロモルスク」の遠距離航海は2012年12月18日に始まった。
これまでに北方艦隊将兵は28500海里以上を航行した。
対海賊当直中に乗組員は様々な国の船籍の16隻の船の先導を実施し、更には地中海のロシア海軍大規模演習へ参加した。

大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は5月11日にセヴェロモルスクを出航した。
遠距離航海中に同艦は国際演習「ポモール-2013」へ参加し、約4000海里を航行した。

「遠海ゾーンに複数の艦船支隊が同時に滞在する事は、近年における北方艦隊の慣習になりつつあります」
セルガ
は指摘した。


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北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」を中核とする北方艦隊アデン湾海賊対処部隊は、2012年12月18日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクを出港しました。
[大型対潜艦セヴェロモルスクはソマリア沖へ向かった]

2013年1月5日、スペインセウタ港を訪問し、1月7日まで滞在しました。
[ロシア北方艦隊海賊対処部隊はスペインのセウタ港で20万ユーロを支出した]

2013年1月14日から18日までギリシャスーダ港を訪問しました。
[北方艦隊海賊対処部隊はクレタ島を訪れた]

2013年1月19日から始まった地中海東部ロシア海軍3艦隊合同演習へ参加しました。
[ ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬) ]

2013年2月4日、ロシア砕氷船の護衛を開始しました。
[北方艦隊海賊対処部隊はアデン湾で任務に就く]

2013年2月末、NATO海軍と合同演習を行ないました。
[北方艦隊海賊対処部隊はアデン湾でNATO海軍と合同演習を行なう]
[アデン湾のロシア・NATO海軍合同演習は完了した]

3月初頭、紅海からアラビア海へ向かう9隻の民間船団を護送しました。
[ロシア海軍第15次海賊対処部隊はアデン湾で船団護衛を続ける]

3月中旬、アラビア海から紅海へ向かう2隻の民間船を護衛しました。
[ロシア海軍第15次海賊対処部隊はアデン湾を西へ向かう船団を護送する]

3月下旬、紅海からアラビア海へ向かう商船団を護衛しました。
[大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾を東へ進む船団を護衛する]

3月25日、アラビア海から紅海へ向かうリベリア商船を護衛しました。
[大型対潜艦セヴェロモルスクは商船を護衛してアデン湾を西へ進む]

4月初頭、海賊対処任務を完了し、地中海へ入りました。
[北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾海賊対処任務を完了する]
[北方艦隊海賊対処部隊はスエズ運河を北上した]
[北方艦隊海賊対処部隊は地中海へ入った]

そして地中海ロシア海軍艦隊合同グループに加わりました。
[ロシア北方艦隊と黒海艦隊の艦船は合同演習を行なった]

4月末にはマルタ島ヴァレッタへ寄港しました。
[北方艦隊の艦船はマルタ島を訪れる]

その後も地中海東部に滞在し、5月末にはシリアの漁船員を救助しました。
[ロシア海軍の軍艦はシリア漁船の乗員を救助した]


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一方、大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は2013年5月11日に出港し、ノルウェイ海軍との合同演習「ポモール-2013」に参加しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年5月11日10時54分配信
【バレンツ海で演習「ポモール-2013」は始まった】

2013年5月16日12時18分配信
【国際演習「ポモール-2013」を完了した艦はノルウェイ海軍基地ハーコンスヴァーンへ寄港する】

2013年5月20日11時08分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はノルウェイ海軍基地ハーコンスヴァーンへの業務寄港を完了した】

その後、グレートブリテンリヴァプール港へ寄港しました。
2013年5月25日12時32分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はリヴァプール(ブリテン)への非公式訪問を完了した】
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リヴァプールを出た後、更に大西洋を南下し、5月31日にポルトガルリスボンへ寄港しました。
2013年5月31日19時02分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」はリスボン(ポルトガル)への業務寄港を実施する】

6月4日、リスボンを出港し、地中海へ向かいました。
2013年6月4日16時02分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は地中海へ針路を取った】

「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」には、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」が随伴しています。
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そして今日(6月6日)、「セヴェロモルスク」支隊「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」支隊地中海西部海域で会合しました。

今後、「セヴェロモルスク」支隊地中海を去って帰路に就き、代わりに「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」支隊ロシア海軍地中海連合部隊へ参加するようです。

ロシア海軍地中海連合部隊には、太平洋艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊から派遣された艦船が加わっています。
数日後には、北方艦隊「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」が加わる事になります。

ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの艦尾部分は7月にフランスへ送られる

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『アルムス-タス』より
2013年6月5日11時44分配信
【サンクトペテルブルクの造船所で建造されている最初の「ミストラル」の艦尾部分は7月にフランスへ送られる:統合造船業営団の消息筋】
モスクワ、6月5日(アルムス-タス)

ロシアフランスの契約条件に沿って建造される最初の2隻の汎用揚陸艦「ミストラル」型の最初の汎用揚陸艦の艦尾部分は7月にロシアからフランスへ送られる。
本日、イタル-タスは、統合造船業営団の消息筋より伝えられた。

「サンクトペテルブルクの公開株式会社バルト工場-造船は契約条件下でヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型の1番艦の艦尾部分の進水の準備を完了しています。
フランスのパートナーから受け取った計画設計文書の残念な手落ちを含む様々な困難にも関わらず、統合造船業営団は義務を完全に履行しました」

情報提供者は話した。
「6月末に汎用揚陸艦の艦尾部分は進水し、来月にはサンナゼール造船所へ送られます。
フランスで建造されている艦の部分と結合させる為に」


以前、統合造船業営団の公式代理人アレクセイ・クラフチェンコイタルタスへ伝えたように、ロシアが発注した汎用揚陸艦「ミストラル」型1番艦の艦尾は、完全に組み立てられた状態でフランスへ送られる。

「契約条件下では、今年夏に艦尾部分はフランスへポンツーンで海路輸送されなければなりません」
クラフチェンコ
は説明した。
「最初のミストラルの艦尾ブロックのフランスへの輸送は、ロシア造船所が艦の船体建造の義務を履行した事を意味します」
彼は強調した。
統合造船業営団の代理人は、艦尾ブロックはバルト工場と下請企業が建造した120の密閉接続区画から成ると付け加えた。

ロシア連邦海軍の為に2隻の汎用揚陸艦「ミストラル」型を建造する12億ユーロの契約は2011年6月に調印された。
1番艦は2014年に、2番艦は2015年末にロシアへ引き渡される。
フランス側は「ミストラル」の契約に従い、汎用揚陸艦の建造技術、そして更にフランス汎用揚陸艦に装備される戦闘情報管理システムロシア連邦へ提供する。


[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]

ロシア向けの「ミストラル」級の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

ロシア海軍向け「ミストラル」級1番艦「ウラジオストク」は、2012年2月1日にフランスサン-ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]

船体後部は、ロシア国内のサンクト-ペテルブルク市の「バルト工場」で2012年10月1日に起工されました。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]

バルト工場で建造されている艦尾部分は、サンナゼール造船所へ送られ、ここで結合されます。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの艦尾部分は2013年秋にフランスへ送られる]
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの艦尾部分は2013年6月26日に進水する]

「ウラジオストク」は、2013年9月進水予定です。
[ヘリ空母ウラジオストクは2013年9月に進水する]
ロシア海軍への引き渡しは2014年を予定しています。

ロシア海軍「ミストラル」級は、太平洋艦隊への配備が予定されています。
[ヘリ空母ミストラル型はウラジオストク市へ配置される]
[フランスはヘリ空母ミストラルの為の極東の基地建設に協力する]
[太平洋艦隊はヘリ空母ミストラルの為の基地建設を準備する]
[カムチャツカ半島にミストラル級の為の基地が建設される]

ロシア海軍における「ミストラル」級の使い道ですが、最近では、地中海作戦部隊の旗艦に充てる事が検討されています。
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[ロシア海軍地中海作戦部隊創設]
[ロシア海軍のミストラル級は地中海作戦部隊の旗艦になるかもしれない]
[ミストラル級はロシア海軍地中海作戦部隊に加わるかもしれない]

既に太平洋艦隊からも地中海へ艦船部隊が派遣されている現状を見れば、太平洋艦隊所属の「ミストラル」級地中海へ派遣される事は、何ら不自然ではありません。
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~)]

その一方、ロシア国内では、「ミストラル」級導入に対する批判も表面化しています。
[ロシアのミストラル級導入見直し問題]
[ロシア軍事産業委員会はフランスからのミストラル級購入という「馬鹿げた決定」を再検討する]
当初、「ミストラル」級フランスの造船所で2隻を建造し、続いてロシアの造船所で2隻をライセンス建造する事になっていましたが、後続の2隻の建造は先送りされています。
(一部で報じられているように「完全に断念」されてはいませんが)

このような流れにも拘らず、日本の防衛大臣小野寺五典は、6月2日にロシア海軍「ミストラル」級導入は極東の勢力バランスを崩すなどという馬鹿げた発言をしました。
[ロシア海軍のミストラル級は極東の勢力バランスを崩す?]
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これまでのロシア側の報道を見る限り、ロシアの「ミストラル」級導入は、何ら軍事的な要求や見地に立っていない事は明白なのですが・・・

空母ヴィクラマーディティヤはボイラー修理を完了した

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『アルムス-タス』より
2013年6月5日11時22分
【航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」のボイラー機関群は修理を完了し、6月末には海洋試験を再開できるかもしれない】
モスクワ、6月5日(アルムス-タス)

公開株式会社「バルト工場-造船」インド航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」のボイラー機関群の機器の修理を完全に終えており、現在は「セヴマシュ」に居る同艦は、航海試験の最終段階へ向かう準備を行なっている。
本日、イタル-タスは、統合造船業営団の消息筋より伝えられた。

「航空母艦の航海試験は、数週間後、おそらく6月末には再開されるでしょう」
情報提供者は話した。

以前、「セヴマシュ」広報サービス部長エカテリーナ・ピリキナイタル-タスへ伝えたように、造船工場インド航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(前ロシア巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)を同社の注水された貯水池へ設置する精巧な操作を実施した。

ピリキナによると「この複雑な作業の実施は、造船業界に類似するものが有りません」

泊地曳船の助けを借りて同艦は狭いゲートを通過し、注水された貯水池へ入った。
航空母艦とゲートの壁の距離は数センチメートルしかない。
風が吹けば作業は困難となるので、操作の時間は限られている。それは、注水が完了するまでの間に実行された。

「ドックの支持装置に在る艦の水中部分は、計画された艦底の付属品、スクリュー複合体の点検、外部の再塗装を実施し、今年夏に白海及びバレンツ海で実施される航海試験の準備が行なわれます」
ピリキナ
は説明した。

「セヴマシュ」によると、白海における航空母艦の航海試験実施中の1ヶ月以内に、艦の主動力装置のボイラーは異なる動作モードで点検作業が行なわれる。
8月3日、バレンツ海において納入された「艦上航空機」システムの艦上航空隊の航空機及びヘリコプターが参加する飛行試験が開始される。
10月前半に艦はセヴマシュへ戻り、インドへの引き渡し準備を開始する。
11月15日、航空母艦は発注者へ引き渡される。

2004年1月にニューデリーで署名された政府間の一括合意により、ロシア航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」の船体は、「セヴマシュ」での近代化と、ロシア製の艤装品と航空機を付けるという条件で、インドへ無償譲渡された。
更にロシアは、航空母艦インド人乗員約1,500名の教育と、インド洋水域への艦の基地施設建設を実施する。
当初の契約総額は15億ドルとされ、同艦を航空母艦へ変身させる為の全ての改造作業は2008年に完了する計画だったが、契約履行時期は遅れた。

ロシア側は、作業量の過小評価と、艦の近代化の為の追加費用の必要を表明した。
2010年3月12日、ウラジーミル・プーチンインド訪問中に、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の修理及び近代化の為の修正された価格の追加契約が締結された。
インド側によると、ロシア製航空母艦の購入費用は23億3000万ドルである。
艦の就役期間は30年と見られている。

更に統合造船業営団の情報提供者は、ロシアの造船所は、次のプロジェクト11356フリゲートを間もなくインド海軍へ引き渡すとイタルタスへ伝えた。、
「5月末、沿バルト造船工場ヤンターリで建造されたインドのプロジェクト11356フリゲート"トリカンド"(弓)は、発射試験を成功裏に終えました。
近い内に、第2バッチの最終艦は、合意された期間内に発注者へ引き渡されます」

情報提供者は指摘した。


[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]
[空母ヴィクラマーディティヤはロシア造船業の空母建造経験の回復に役立った]

2012年12月にインド海軍へ引き渡される筈だった航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)ですが、2012年夏の航海試験中にボイラーが損傷し、引き渡し時期が延期される事になりました。
[空母ヴィクラマーディティヤ、引渡し延期?]
[空母ヴィクラマーディティヤに使われている外国製品に問題が生じた]
[中国はロシアへの耐火レンガ輸出を否定した]

2013年4月24日、「セヴマシュ」屋外ドックへ入渠しました。
[空母ヴィクラマーディティヤは屋外ドックへ入渠した]
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5月初頭に修理作業が開始されました。
[空母ヴィクラマーディティヤの最後の修理作業が始まった]

今回の記事によると、ボイラーの修理は完了しました。
「ヴィクラマーディティヤ」は、早ければ6月末にも航海試験へ出発できるとの事です。

「ヴィクラマーディティヤ」は、9月末に航海試験を完了し、11月15日にインドへ引き渡される予定です。
[空母ヴィクラマーディティヤは2013年9月30日に航海試験を完了し11月15日にインドへ引き渡される]

搭載機の方は既にインド海軍へ納入されており、2013年5月11日に実戦配備へ就きました。
[空母ヴィクラマーディティヤMiG-29K飛行隊は正式に実戦配備へ就いた]

コルベット「ステレグーシチー」は露米仏英海軍合同演習FRUKUS-2013に参加する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年6月4日14時11分配信
【コルベット「ステレグーシチー」は演習「FRUKUS-2013」に参加する】
モスクワ、6月4日-ロシア通信社ノーボスチ

バルト艦隊の一員であるロシア戦闘艦「ステレグーシチー」フランス国際演習「FRUKUS-2013」に参加する。
火曜日、西方軍管区下のバルト艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は発表した。

「国際演習にはロシア海軍からバルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"が参加します。
更に演習には、フランス海軍のフリゲート"プリモゲ"、ブリテン海軍のフリゲート"サザーランド"、アメリカ合衆国のフリゲート"ニコラス"が関与する事になります」

マトヴェーエフは、「FRUKUS-2013」組織課題の最終会議の後に、こう述べた。

演習本部はフランスブレスト市に展開する。
演習は2段階に分かれ、フランス海軍基地ブレスト沿岸及びフランス北西海岸の周辺海域で行われる。

「FRUKUS」の主な目的は、国際連合の後援の下で国際作戦を実施する為の海軍の協同作戦行動に取り組む事にある。
これらの作戦行動には、海賊対処、機敏な技術(Sensitive List)の拡散への対処、様々な人道支援活動が含まれている。
毎年恒例の国際演習「FRUKUS」の特徴は、フランス、ブリテン、アメリカ合衆国の海軍が、NATOの軍事・政治的ブロックを外れて参加している事にある。


FRUKUSは、この演習に参加する4ヶ国France、Russia、United Kingdom、United Statesの頭文字の略です。

当初はロシア、アメリカ、ブリテンの3ヶ国の「RUKUS」として1993年に初めて実施されました。
当時は図上演習のみでしたが、1996年から海洋での演習が行なわれるようになりました。
2003年にフランスが加わり、FRUKUSとなり、現在まで毎年行われています。

ただ、2008年の「FRUKUS-2008」ロシアフランスだけが参加しました。
[フランス海軍フリゲート、ウラジオストク訪問]


昨年(2012年)6月末に実施された「FRUKUS-2012」には、バルト艦隊の警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」が参加しました。
[バルト艦隊フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」は、国際海軍演習「FRUKUS-2012」に参加する]

今年6月24日から7月2日までフランス沖で実施される「FRUKUS-2013」にも、当初は警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」が参加する予定でした。
[露米仏英海軍合同演習FRUKUS-2013の最終打ち合わせが行なわれる]

しかし、「ヤロスラフ・ムードルイ」は、現在、地中海東部に居ます。
[黒海艦隊の大型揚陸艦2隻はロシア海軍地中海合同グループに参加した]
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この為か、「代打」として同じバルト艦隊新世代コルベット「ステレグーシチー」が参加する事になったようです。

空母アドミラル・クズネツォフは年末に地中海へ行く

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は遠距離大洋航海の遂行を準備する】
2013年6月3日

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、ロシア海軍常設作戦部隊へ参加する為、年末に地中海へ行く。
(ロシア)海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は記者に伝えた。

この時期までに巡洋艦は計画修理を完了する。
同艦は、(地中海の)海軍艦船グループの一員として一連の任務を遂行する為に遠距離航海を実施する予定である。
特に、遠距離航海の一連の任務において、巡洋艦の甲板から北方艦隊(航空隊)の海洋飛行活動が実施される。


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[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]

5月末、北方艦隊司令官ウラジーミル・コリョローフ大将は、「アドミラル・クズネツォフ」が今年と来年に遠海ゾーンで任務を遂行すると述べています。
[空母アドミラル・クズネツォフは2013-2014年に遠距離航海を行なう]

そして今回、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将から「アドミラル・クズネツォフ」が今年末に遠距離航海を実施する事が明らかにされました。

それは、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては5度目となる年末~年始の地中海遠征です。
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かの『MCあくしず』風に言えば、「地中海バカンス」という事になるようです。
【MC☆あくしず Vol.27 特集:世界の現用空母】

これまでに「アドミラル・クズネツォフ」は、4回の「地中海バカンス」(地中海遠征)を行なっています。
[第1次地中海遠征(1995年12月8日出港、1996年3月22日帰港)]
[第2次地中海遠征(2007年12月5日出港、2008年2月3日帰港)]
[第3次地中海遠征(2008年12月5日出港、2009年3月2日帰港)]
[第4次地中海遠征(2011年12月6日出港、2012年2月16日帰港)]
全て年末(12月初頭)に出港し、翌年の2月~3月に帰港するというパターンになっております。

第1次と第2次の間が随分と開いていますが、これは、」1990年代後半にはロシア海軍の財政難により「アドミラル・クズネツォフ」の整備が満足に行えず、地中海まで行ける状態に無かった為です。
この当時、「アドミラル・クズネツォフ」ウラグバ港に放置されていました。
[ウラ・グバ港(ヴィジャエヴォ)]


2012年初頭の第4次地中海遠征シリア情勢との関連性が指摘されましたが、全く関係ありません。
このような年末から年始にかけての地中海遠征は、ソ連邦時代には北方艦隊の大型水上艦の「慣習」でした。

そして今年末も、「アドミラル・クズネツォフ」は、現在の地中海の情勢とは全く関係無しに「恒例行事」を実施します。
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『MCあくしず』では「北洋の女王」と呼ばれていましたが、この場合は「周りの空気を全く読まないマイペースな女王様」という事になりましょうか。

ロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級は南極海へ行く?

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『イタルタス』より
2013年1月6日9時06分配信

【「ボレイ」を編制へ加入させたロシア海軍は南緯度での潜水艦パトロールを再開する】
モスクワ、6月1日/イタルタス

ロシア海軍は2014年から世界の大洋における戦略ロケット原子力潜水艦の戦闘パトロールゾーンの大幅な増大を計画している。
イタルタスは、ロシア連邦軍参謀本部の情報提供者より伝えられた。

「この知らせは、今日(6月1日)、創設80周年記念日を迎えた北方艦隊の潜水艦乗組員を喜ばせるものであると私は信じております」
彼は指摘した。

「ロシア海軍の戦闘即応部隊の編制へボレイ級水中ロケット艦の戦略原子力潜水艦が加入した事は、北極圏、大西洋、太平洋でのパトロール続行のみならず、これらの世界の大洋における戦闘任務遂行の再開を示すものです。
前世紀の1990年代まで定期的に行動していたソヴィエト海軍の"戦略家"は、ソヴィエト連邦の解体により現れる事は無くなりました」

対談者は話した。

「戦略原子力潜水艦の南緯度でのパトロール再開は、北方のみならず、南極点に跨る戦略核抑止力の課題の解決に繋がります」
情報提供者は強調した。

「潜水艦の戦闘活動ゾーンの拡大と、その密度を高めると同時に」
彼は付け加えた。
「もちろん、この海洋戦略核戦力の活動の変更は、一度にでは無く、新たな戦略潜水艦が海軍へ納入される事により、数年間を掛けて徐々に起こります」
情報提供者は説明した。

元海軍総参謀長ヴィクトル・クラフチェンコ提督は、ロシア戦略潜水艦南極点を通過するミサイル発射の為の南緯度におけるパトロール再開というロシア連邦国防省の計画についてコメントし、そのような必要が生じた場合、技術的側面から見て、この計画は実現可能であると表明した。
「そうですね、それは技術的には可能ですよ」
提督はこう話し、これ以上のコメントは差し控えた。

一方、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督は、以前にイタルタスへ伝えた。
現時点における「ロシアの戦略ロケット原子力潜水艦及び多用途原子力潜水艦の世界の大洋における戦闘勤務及び戦闘パトロールの密度の水準は、我が国の安全保障を確実に提供しております」


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」級1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は2013年1月10日に就役し、北方艦隊へ配備されましたが、同艦が海洋パトロール任務に就くのは2014年初頭からになります。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは2014年初頭から戦闘任務に就く]


「ボレイ」級2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は今年末までにロシア海軍へ納入される予定です。

「ボレイ」級は2020年までに8隻が建造される計画です。


現在の所、ロシア海軍の戦略原潜は、北極海を含む自国近海で戦略パトロールを実施していますが、今回の記事によれば、近い将来には南緯度(南極海)でもパトロールを実施する意向のようです。

この場合、最新鋭の「ボレイ」級南極海へ行く事になるようです。

多用途原潜セヴェロドヴィンスクは航海試験へ出発した

『イズベスチヤ』より
2013年6月3日1時01分配信
【「セヴェロドヴィンスク」は試験を受ける】

昨日、最新原子力潜水艦プロジェクト885「ヤーセン」は国家受領試験に出発した。
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最新のプロジェクト885「ヤーセン」 原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は国家受領試験を開始した。
5月27日午後9時頃、潜水艦セヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」を去り、白海へ出航した。
この2年間において、これは潜水艦の第4の試験である。

ロシア最初のプロジェクト「ヤーセン」潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、その性能と兵装においてアメリカ及びブリテン最新鋭潜水艦「シーウルフ」「アスチュート」に劣る事は無い。
海軍は、2011年以降、軍備採用を試みている。
しかし、軍当局者が『イズベスチヤ』へ話したように、現在、海軍総司令部は、潜水艦の今年末までの海軍の編制への加入を確信している。

「第1段階では、全てのユニット、特に、推進軸、原子炉、バラストタンク等が全てのモードで動作が点検されます。
それは、数週間掛かるかもしれません。
長期にわたるセヴェロドヴィンスクの問題点の1つは、原子力潜水艦のスクリューを回転させる推進軸に在ります。
摩擦により、ベアリングが変形してしまったが故の。
今、この問題は解決されます」

海軍総司令部の代理人は匿名を条件に、こう説明した。

彼によると、第2段階で潜水艦は工場へ戻り、発見された不具合を取り除いた後にミサイルと魚雷を搭載し、潜水艦は戦闘射撃へ出発する。
水中音響システム及び艦載電子システムの動作が軍により点検され、潜水艦の騒音レベルが測定される。
航海試験中に重要な問題点が見つからなかった場合、潜水艦は今年末までに海軍へ引き渡される予定である。

作業に参加する防衛産業企業体の代理人が『イズベスチヤ』へ話した所によれば、試験実施の為、海軍総司令部及び工場「セヴマシュ」の代表者による特別委員会が設置された。

「委員会は、各段階の結果を評価します。
もしも何かが上手くいかなかった場合、セヴェロドヴィンスクは再び作業を始めるでしょう」

対談者は『イズベスチヤ』へ説明した。

これは、「セヴェロドヴィンスク」の為の第4の点検となる。
2011年秋、潜水艦は技術的問題が故に試験から工場へ戻った。
次の試みは、2012年の夏に行なわれた。
しかし、この時点で潜水艦は準備が出来ていなかった。
特に、原子炉は最大出力を出せなかった。
最初の「ヤーセン」の推進軸が非常に騒々しかったが故に。
同年秋に問題点を取り除いた後、潜水艦は再び試験に出発したが、再び不具合が見つかったが故に海軍へ受領されなかった。

「セヴマシュ」工場は、試験が開始された事を認めたが、機密を理由にして、それ以上のコメントを断った。

軍事史家でロシア/ソ連海軍の歴史に関する著書を記しているドミトリー・ボルテンコフ氏は『イズベスチヤ』へ説明した。
第4世代原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」国家受領試験への出発は、ロシアアメリカ合衆国及びブリテン海軍に対する遅れを取り戻すための始まりとなる。

「セヴェロドヴィンスクは1993年に起工されました。
その建造は、1990年代には国家の荒廃とソヴィエト連邦解体後の技術的損失に関連して停滞し、建造は長期に渡り、試験も長期に渡りました。
しかしながら、アメリカとブリテンも、第4世代潜水艦のトップ艦は長期にわたる試験を経験しております。
これは何ら不思議な事ではありません。
現代の原子力水中巡洋艦はハイテク兵器であり、前世紀の(戦艦)ドレッドノートに匹敵するものですから」
ボルテンコフ
氏は話した。

更に専門家は、同シリーズの次の潜水艦は、もっと早く建造され、ロシア海軍へ納入される事は確実であると指摘した。


P885
[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]

1993年12月21日に起工され、2010年6月15日に進水した多用途原潜K-329「セヴェロドヴィンスク」は、2011年9月12日から海洋試験(工場航海試験)を開始しました。

2012年にも引き続き海洋試験は実施されましたが、結局、2012年中のロシア海軍への引き渡しは実現できませんでした。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2013年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍は2012年に2隻の原潜と3隻の水上戦闘艦を受領できなかった]

2012年の海洋試験では、有翼ミサイル「カリブル」の発射試験が複数回実施されました。

2012年11月7日:潜航状態で対艦攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対艦ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月26日:浮上状態で地上攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対地ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月28日:潜航状態で対地攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクは3回連続でカリブル有翼ミサイルの発射試験に成功した]


多用途原潜「セヴェロドヴィンスク」の動向に関する『イズベスチヤ』の報道。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクの最終試験が始まった]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスク、国家試験に不合格?]
[超音速対艦ミサイル「オーニクス」は2013年8月末に原潜セヴェロドヴィンスクから発射試験を行なう]

今回の記事は、これらの過去記事の延長線上にあるものです。


公式発表は一切ありませんが、原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」が5月末に出港した事は確かです。
これは現地からの情報で確認できます。

アントン・ブリノフ氏のブログより
2013年6月2日22時54分配信
【原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は航海試験の為に海洋へ去った】
出港する「セヴェロドヴィンスク」の写真(アントン・ブリノフ氏撮影)が掲載されています。

建造元の「セヴマシュ」も、今年(2013年)に航海試験を実施する3隻の原子力潜水艦の中で「セヴェロドヴィンスク」が最初になると述べています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は2013年夏に3隻の原潜の海洋試験を行なう]


ただ、今回の試験は原潜の各種機器のチェックの為のものであり、ミサイルや魚雷などの発射試験が目的ではないようです。

ロシア海軍のミストラル級は極東の勢力バランスを崩す?

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『アルムス-タス』より
2013年6月2日10時59分配信
【汎用揚陸艦「ミストラル」のロシアへの引き渡しにより極東の勢力バランスは壊される】
トーキョー、6月2日(アルムス-タス)

ヤポーニヤ(日本)は、ロシアへ2隻の汎用揚陸艦「ミストラル」型を引き渡すモスクワ-パリ間の合意に関し憂慮する。
本日、シンガポールで開催された所謂「シャングリラ会合」の枠組みでのアジア太平洋地域諸国の軍事指導者フォーラムにおいて、ヤポーニヤ国防相イツノリ・オノデラは、フランスの同僚(国防相)ジャン=イヴ・ル・ドリアンとの会談で、こう表明した。

「この決定は、極東の勢力バランスを壊すものです」
オノデラは強調した。

現在、フランスサンナゼール造船所では、ロシア海軍へ納入する為の2隻の汎用揚陸艦「ミストラル」型(「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」)が建造されている。
以前、ロシア軍参謀本部は、この内の少なくとも1隻は太平洋艦隊へ配備されるだろうと指摘した。

汎用揚陸艦「ミストラル」の排水量は21600トン、船体最大全長は200メートル、速力は19ノット、航行距離は、15ノットで11000海里である。
177名の乗組員と230名の航空要員で構成される。
更に同艦は、450名の海軍歩兵と60両の軽車両を搭載できる。
航空隊には16機のヘリコプターが含まれ、この内の6機は飛行甲板から同時に発艦出来る。


[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]

ロシア向けの「ミストラル」級の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

ロシア海軍向け「ミストラル」級1番艦「ウラジオストク」は、2012年2月1日にフランスサン-ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]

船体後部は、ロシア国内のサンクト-ペテルブルク市の「バルト工場」で2012年10月1日に起工されました。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]

バルト工場で建造されている艦尾部分は、サンナゼール造船所へ送られ、ここで結合されます。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの艦尾部分は2013年秋にフランスへ送られる]
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの艦尾部分は2013年6月26日に進水する]

「ウラジオストク」は、2013年9月進水予定です。
[ヘリ空母ウラジオストクは2013年9月に進水する]
ロシア海軍への引き渡しは2014年を予定しています。

ロシア海軍「ミストラル」級は、太平洋艦隊への配備が予定されています。
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[ヘリ空母ミストラル型はウラジオストク市へ配置される]
[フランスはヘリ空母ミストラルの為の極東の基地建設に協力する]
[太平洋艦隊はヘリ空母ミストラルの為の基地建設を準備する]
[カムチャツカ半島にミストラル級の為の基地が建設される]

ロシア海軍「ミストラル」級の搭載機は、8機の戦闘ヘリコプターKa-52Kと8機の戦闘輸送ヘリコプターKa-29で構成されます。
[艦載ヘリコプターKa-52K試作機の製造が開始された]
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この他、対潜ヘリコプターKa-27の搭載も想定されています。

搭載する揚陸艇フランスから購入します。
[ロシア海軍のミストラル級の為に4隻のフランス製揚陸艇が建造される]
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建造中のロシア海軍向け「ミストラル」級1番艦「ウラジオストク」(2013年4月)

フランスのサンナゼール造船所
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サンクト-ペテルブルクのバルト工場(艦尾部分)
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空母アドミラル・クズネツォフは2013-2014年に遠距離航海を行なう

6月1日はロシア海軍赤旗北方艦隊創設記念日です。

今年(2013年)で赤旗北方艦隊は創設80周年を迎えました。

創設80周年を記念し、ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』は、北方艦隊司令官ウラジーミル・コリョローフ大将へインタビューを行ないました。
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2013年5月31日17時58分配信
【若い、しかし強力な】

この中でコリョローフ提督は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理についての質問に答えています。
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インタビュアー:
もう1つ、大型水上艦について質問させて頂きたいのですが、重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」の修理は計画されているのでしょうか?
そして、同艦の航空コンポーネントの再装備は行なわれるのでしょうか?

コリョローフ提督:
重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」の計画修理と機器準備状態の回復は既に進行しております。
詳細に渡り、この修理が挫折する事は有りません。
しかしながら、次の点には着目する必要が有ります。
このようなクラスの艦の修理では、常に機器装置及び艦内システムの更新が提供されている事を。
私共の航空母艦の航空機器の再装備についてですが、私共は、近い内に北方艦隊の艦上飛行士が新たな機体-MiG-29K及びMiG-29KUBを受領する事を期待しております。
修理と機器準備状態の回復が完了した後、巡洋艦は遠海ゾーンでの任務遂行を準備します。
当然ながら、「アドミラル・クズネツォフ」は2013年及び2014年の航海へ参加し、様々な種類の演習への参加が予定されております。
それは、艦隊間の協同活動の形成も含まれます。



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[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]

「機器準備状態の回復」というのは、要するにオーバーホールです。
艦に搭載されている各種機器を、新品同様に回復させるという事です。

「アドミラル・クズネツォフ」は、以前から近代化改装の話が度々出ています。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]

ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督は、2012年7月末の記者会見で「アドミラル・クズネツォフ」近代化に言及しています。
『アルムス-タス』より
2012年7月26日15時57分配信
【海軍総司令官は近い将来のロシア海軍の発展を展望する】
チルコフ提督は、こう述べています。
「2020年までの近代化プログラムが存在します。
この枠内で航空巡洋艦は新たな航空機MiG-29Kを受け取ります」


『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年7月27日10時00分配信
【ヴィクトル・チルコフへのインタビュー】
こちらでは、こう述べています。
「私共の唯一の航空母艦アドミラル・クズネツォフは、2020年までの国家軍備プログラムにより近代化される計画です。
この為に、新たな戦闘機MiG-29Kが購入されます」



新たに「アドミラル・クズネツォフ」航空隊へ加わる艦上戦闘機MiG-29K/KUBの購入契約は2012年2月29日に締結されました。
[ロシア国防省は艦上戦闘機MiG-29K/KUBの購入契約を締結した]

2013年からロシア海軍への納入が開始されます。
[ロシア海軍は2013年から艦上戦闘機MiG-29Kを受領する]


「アドミラル・クズネツォフ」は、昨年(2012年)2月初頭に地中海遠征より帰還した後、修理が行なわれ、8月下旬に「機器準備状態の回復」を終えています。
[空母アドミラル・クズネツォフはオーバーホールを終えた]
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今回、コリョローフ提督は、「近代化」という表現を使用しておりませんが、このような大型の水上艦を修理する場合、同時に艦内の機器やシステムも更新されると述べています。
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更にコリョローフ提督は、「アドミラル・クズネツォフ」が今年か来年に遠距離航海を実施する事を仄めかしています。

提督の発言を見る限りでは、地中海ロシア海軍艦隊間グループの一員として活動する可能性が最も高いでしょう。
(2013年12月初頭から2014年2~3月?)
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これまでに「アドミラル・クズネツォフ」は、4回の地中海遠征を実施しています。
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[第1次地中海遠征(1995年12月8日出港、1996年3月22日帰港)]
[第2次地中海遠征(2007年12月5日出港、2008年2月3日帰港)]
[第3次地中海遠征(2008年12月5日出港、2009年3月2日帰港)]
[第4次地中海遠征(2011年12月6日出港、2012年2月16日帰港)]
全て年末(12月初頭)に出港し、翌年の2月~3月に帰港するというパターンになっております。

このような年末から年始にかけての地中海遠征は、ソ連邦時代には北方艦隊の大型水上艦の「慣習」でした。

原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化は断念されていない

6月1日はロシア海軍赤旗北方艦隊創設記念日です。

今年(2013年)で赤旗北方艦隊は創設80周年を迎えました。

創設80周年を記念し、ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』は、北方艦隊司令官ウラジーミル・コリョローフ大将へインタビューを行ないました。
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2013年5月31日17時58分配信
【若い、しかし強力な】

この中でコリョローフ提督は、現在セヴェロドヴィンスクに在る重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」についても触れています。
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インタビュアー:
ところで、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の修理と近代化は行なわれるのでしょうか?
公開株式会社「統合造船業営団」によると、修理には50億ルーブルが割り当てられるとの事ですが。

コリョローフ提督:
重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の修理は既に始まっています。
作業の見積もりが行なわれ、近代化作業の規模は決定されております。
無論、このような艦は、我が北方艦隊と、そしてロシア海軍全体にとって必要とされております。



原子力巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」に関しては、以前から近代化改装の話が度々出ています。
[原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフ近代化に50億ルーブルが拠出される]
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2012年12月下旬、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督は、近代化される重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト11442は2020年以降も海軍の戦略非核抑止戦力の主力となると述べています。
[ロシア海軍の戦略非核戦力は多用途原潜と原子力巡洋艦から成る]


ロシアでは、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化は実行に移されないとの見方も有りますが、今回のコリョローフ提督の発言を見ても、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化は断念されてはいません。
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