fc2ブログ

サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した

13-1114b.jpg
13-1114a.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月14日14時52分配信
【「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は海軍の為のフリゲートと偵察艦を起工した】
サンクトペテルブルク、11月14日-ロシア通信社ノーボスチ

造船工場「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は木曜日にロシア連邦海軍の為の2隻の艦-フリゲート「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・イサコフ」偵察艦「イワン・フルス」を起工した。
ロシア通信社ノーボスチ特派員は伝えた。

「今日は、セーヴェルナヤ・ヴェルフィの従業員一同にとって、造船上の大いなる祝日です。
私共は、一度に2隻の艦を起工したのです。
我々の当面の課題である容易ならぬ重要な計画の為、この事は能力の拡大無くして不可能ですが、むろん、それは実施されました」

起工式典において、造船所(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)が加入している統合造船業営団の総裁ウラジーミル・シマコフは話した。

現在、「北方計画設計局」が設計したプロジェクト22350のトップ艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ」は試験を経ており、同プロジェクトの最初の生産フリゲート「アドミラル-フロータ・カサトノフ」と2隻目の生産フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は造船所の船台でスケジュールに基づいて建造されている。
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」ロシア連邦国防省が締結した契約により、このシリーズのフリゲート6隻が建造される。

中型偵察艦「イワン・フルス」(船の設計は中央設計局「アイスベルク」)は、海軍の為の同プロジェクトの最初の生産艦であり、その戦術-技術特性は、全世代の同類の艦を遥かに超える。
通信船のトップ「ユーリー・イワノフ」は2013年9月30日に進水した。

「今、国防省は同社の国家防衛発注の実行に大きな期待を抱いております。
セーヴェルナヤ・ヴェルフィの受注書では、2020年までのフリゲート及びコルベットの建造継続が確保されています。
2014年、同社の前には、ロシア海軍のシンボル-巡洋艦アヴローラの修理という歴史的な使命が待ち受けています」

艦の起工式典において、ロシア連邦国防省国家防衛発注保障部長アンドレイ・ヴェルニゴルは話した。


[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

現在までに、プロジェクト22350フリゲートは3隻が起工されています。

アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ
Адмирал флота Советского Союза Горшков
2006年2月1日起工/2010年10月28日進水/2014年就役予定

アドミラル・フロータ・カサトノフАдмирал флота Касатонов
2009年11月26日起工/2015年就役予定

アドミラル・ゴロフコАдмирал Головко
2012年2月1日起工


そして2013年11月14日、「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・イサコフ」Адмирал флота Советского Союза Исаковが起工されました。

プロジェクト22350フリゲートは、2020年までに6隻がロシア海軍へ引き渡される予定ですが、引き続き2021年以降も近代化されたタイプが建造されます。
[2021年以降のロシア海軍水上戦闘艦建造計画]


「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で同じ11月14日に起工された偵察艦「イワン・フルス」は、プロジェクト18280偵察艦の2番艦です。

1番艦「ユーリー・イワノフ」は2013年9月30日に進水しました。
[新型偵察艦ユーリー・イワノフは進水した]

重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシア海軍地中海作戦連合部隊を率いる

13-1111c.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月11日12時22分配信
【巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」はロシア連邦海軍地中海戦隊を率いる】
モスクワ、11月11日-ロシア通信社ノーボスチ

巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、地中海ロシア海軍艦船グループを率いる。
月曜日、北方艦隊の公式代理人ワジム・セルガ1等海佐は記者団に伝えた。

「北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは、地中海東部のロシア連邦海軍常設連合部隊艦船との合流場所へ到着し、このグループを率います」
セルガ
は話した。

前日の11月10日、巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」には、単一計画下で行動する北方艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊、そして太平洋艦隊の艦船が含まれる作戦連合部隊司令部が配置された。

「以前に同グループを指揮していた親衛ロケット巡洋艦モスクワは、ロシア連邦海軍常設連合部隊の一員としての任務を完了しました。
現在、北方艦隊からロシア海軍地中海艦船グループには3隻の艦船が派遣されています。
この海域には、更に北方艦隊の大型揚陸艦ゲオルギー・ポべドノーセッツ、救助曳船アルタイが行動しています」
セルガ
は話した。

地中海ロシア艦船グループには、約10隻の様々なタイプの戦闘艦が派遣されている-ロケット巡洋艦、警備艦、揚陸艦、更には保障船が。


[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは15歳になった]

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、2013年9月に北極海への航海を実施しています。
[聖アンドレイの旗の下に]

2013年10月4日にはバレンツ海有翼ミサイル「グラニート」発射訓練を行ないました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年10月22日、大西洋への遠距離航海へと出発しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは大西洋へ向かった]

10月28日、アイルランド島西方海域に到達しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはアイルランド沖に居る]

10月31日、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海へ入った]

11月7日、地中海中部において太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と合流しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは地中海中部で合流した]

そして11月10日、黒海艦隊親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」からロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の旗艦任務を引き継ぎました。
13-1111f.jpg

親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は9月20日から旗艦任務に就いていました。
[親衛ロケット巡洋艦モスクワはロシア海軍地中海作戦連合部隊を率いる]

ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアレクサンドリアを訪れた

13-1111a.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月11日12時26分配信
【巡洋艦「ワリャーグ」はアレクサンドリアへ入った】
モスクワ、11月11日-ロシア通信社ノーボスチ

数十年ぶりに地中海で戦闘任務を遂行している太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、エジプトアレクサンドリア港へ到着した。

「6日間の非公式訪問中にロシア船員は海軍基地司令官及びアレクサンドリア県知事を表敬訪問し、エジプト・アラブ共和国海軍の戦闘艦を訪れ、エジプト海軍の同僚とのサッカーのスポーツ大会に参加します」
月曜日、太平洋艦隊の公式代理人ローマン・マルトフ1等海佐は記者団に伝えた。

アレクサンドル・ポタノフ親衛1等海佐が指揮する巡洋艦はロシア外交団及びアレクサンドリア海軍基地司令官に出迎えられた。
訪問初日にはアレクサンドリアの無名戦士の記念碑への献花式典が予定されているとマルトフは指摘した。

「ロケット巡洋艦ワリャーグの訪問は11月16日まで続けられ、アレクサンドリア・全アフリカ総主教テオドロスII世猊下による旗艦の艦上での礼拝が行なわれ、更には、同艦をエジプト都市のロシア人在住者の代表が訪れます」
太平洋艦隊
の代理人は付け加えた。


太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」を中核とする太平洋艦隊艦船支隊は、8月末にペトロパブロフスク・カムチャツキーを出港しました。
当初は、オーストラリアへ行く予定でした。
[太平洋艦隊のロケット巡洋艦ワリャーグはオーストラリアへ行く]

9月上旬の時点で太平洋中部に居ました。
[ロシア太平洋艦隊の艦船は遠海ゾーンで任務を遂行する]

しかし9月中旬、インド洋へ向かうと発表されました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインド洋(アデン湾)へ向かう]

10月1日、インド洋へ入りました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインド洋へ入る]

10月4日、スリランカトリンコマリー港へ寄港しました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・ロケット巡洋艦ワリャーグはスリランカを訪れた]

10月8日にトリンコマリー港を出港し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・ロケット巡洋艦ワリャーグはスリランカを去り、アデン湾へ向かった]

10月14日、オマーンサラーラ港へ入港しました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはオマーンのサラーラへ寄港した]

その後、アデン湾紅海を通り抜け、11月2日にスエズ運河を通過して地中海へ入りました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは地中海へ入った]

11月7日、地中海中部において北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と合流しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは地中海中部で合流した]


そして11月11日、エジプトアレクサンドリアへ入港しました。
13-1111d.jpg

記事中において「ワリャーグ」は数十年ぶりに地中海で戦闘任務を遂行していると記されていますが、以前に同艦が地中海で活動したのはソヴィエト連邦時代の1990年でした。
この時は「チェルボナ・ウクライナ」という艦名でした。
13-1111b.jpg

重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近影

ロシア連邦海軍唯一の重航空巡洋艦(航空母艦)「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」
公式にはロシア北方艦隊旗艦となっています。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]

今年(2013年)前半はムルマンスク郊外の第35艦船修理工場岸壁に停泊しており、春先から初夏に掛けて定期整備が行なわれたようです。
[空母アドミラル・クズネツォフは2013-2014年に遠距離航海を行なう]
11435-0402.jpg

7月28日にはセヴェロモルスク沖で行なわれた「ロシア海軍の日」観艦式に参加しました。
[空母アドミラル・クズネツォフはロシア海軍の日の観艦式に参加する]

2013年7月28日のアドミラル・クズネツォフ(セヴェロモルスク基地沖)
11435-0728.jpg
11435-0728a.jpg

その後、ムルマンスク郊外の第35艦船修理工場岸壁へ戻りました。

2013年8月13日のアドミラル・クズネツォフ(ムルマンスク郊外の第35艦船修理工場岸壁)
11435-0813.jpg

2013年8月17日のアドミラル・クズネツォフ(ムルマンスク郊外の第35艦船修理工場岸壁)
11435-0817.jpg

8月21日に第35艦船修理工場の係留岸壁を離れました。
[空母アドミラル・クズネツォフは係留岸壁を離れた(2013年8月21日)]

「アドミラル・クズネツォフ」は、、9月初頭にバレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
[空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で戦闘訓練を行なった]

9月中はセヴェロモルスク沖に停泊(投錨)していました。
2013年9月6日のアドミラル・クズネツォフ(セヴェロモルスク基地沖)
11435-0906.jpg
11435-0906a.jpg

9月19日には北方艦隊の大規模演習へ参加する為にセヴェロモルスクを抜錨しました。
[空母アドミラル・クズネツォフはロシア北方艦隊の大規模演習に参加する]

その後、敵の空中攻撃から味方艦隊を守るという想定で演習を実施しました。
[空母アドミラル・クズネツォフは艦隊防空演習を行なった]

10月初頭にはバレンツ海で艦載機(Su-33、Su-25UTG、Ka-27)の発着訓練を行ないました。
[空母アドミラル・クズネツォフで艦載機の発着訓練が始まった]

その後、第35艦船修理工場岸壁へ戻りました。

2013年11月7日のアドミラル・クズネツォフ(ムルマンスク郊外の第35艦船修理工場岸壁)
11435-1107.jpg


「アドミラル・クズネツォフ」は、今年12月に地中海遠征へ行くと報じられましたが、最近では、地中海へは行かないとも報じられています。
[空母アドミラル・クズネツォフは年末に地中海へ行く]
[空母アドミラル・クズネツォフはシリア情勢とは関係なく2013年12月に地中海遠征へ出発する]
[空母アドミラル・クズネツォフは地中海へ行かない?]

現在、地中海には北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が派遣されています。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海へ入った]
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは地中海中部で合流した]


「アドミラル・クズネツォフ」は、2014年から近代化改装を開始するという情報も有ります。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2014年から近代化改装を開始する]

ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲート5番艦アドミラル・イストミンは11月15日に起工される予定である

13-0713e.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月8日15時38分配信
【「ヤンターリ」はロシア連邦海軍の需要の為にフリゲート「アドミラル・イストミン」を11月15日に起工する】
モスクワ、11月8日-ロシア通信社ノーボスチ

5隻目のプロジェクト11356艦となるフリゲート「アドミラル・イストミン」の船体の起工は11月15日に予定されている。
金曜日(11月8日)、沿バルト造船工場「ヤンターリ」広報秘書官セルゲイ・ミハイロフは記者団に伝えた。

「11月15日、沿バルト造船工場ヤンターリにおいて、ロシア海軍の為に建造されている警備艦シリーズの5隻目の船体の起工式典が開催されます。
同艦はアドミラル・イストミンと命名されます」
ミハイロフ
は話した。

(起工)式典には、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ、(ヤンターリ)造船工場が一員として加入している統合造船業営団の幹部、(ロシア)連邦政府及び(カリーニングラード)地域当局の代表者が出席するとミハイロフは付け加えた。

ロシア連邦国防省沿バルト造船工場「ヤンターリ」が署名した2つの契約により建造される警備艦(フリゲート)プロジェクト11356シリーズは、公開株式会社「北方計画設計局」により開発された事を工場の代理人は想い起した。
同プロジェクト警備艦は、大洋及び海洋エリアにおいて、単独或いは艦船連合部隊の護衛艦の一員として敵の水上艦及び潜水艦に対する戦闘活動、空中攻撃手段への反撃を行なう為に意図されている。

このシリーズのトップ艦であるフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、同工場で2010年12月18日に、2番艦「アドミラル・エッセン」は2011年7月8日に、3番艦「アドミラル・マカロフ」は2012年2月29日に起工された。
沿バルト造船工場「ヤンターリ」は、6隻のロシアフリゲートを2016年末までに海軍へ引き渡さなければならない。


プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)は、インド海軍向けに設計・建造されたプロジェクト11356「タルワー」級フリゲートロシア海軍向けヴァージョンです。
インド海軍向けの6隻は、2003年6月~2013年6月までに全て引き渡されています。
13-1110b.jpg
[「タルワー」級(プロジェクト1135.6)]
[プロジェクト11356(タルワー級)の装備]

現在までにプロジェクト11356Rは4隻が起工されています。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」で建造

「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2013年進水予定/2014年就役予定

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年就役予定

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2016年就役予定


そして2013年11月15日に5番艦「アドミラル・イストミン」Адмирал Истоминが起工される予定です。
ただし、4番艦「アドミラル・ブタコフ」の起工は何度も延期された(2012年10月→2013年3月20日→2013年4月18日→2013年7月12日)という前例が有るので、5番艦「アドミラル・イストミン」も同様になる可能性は否定されませんが・・・

ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rは、インド海軍向けの11356と兵装(高射ミサイル及び打撃有翼ミサイル)が異なります。
13-0713j.jpg
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートの為の対空ミサイルは2014年から受領される]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートの為のカリブル発射機が製造される]

以前、ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rは9隻建造されると報じられた事が有りました。
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートは9隻建造される]

しかし、その後、同様の情報は全く出ておらず、今回の記事でも建造予定は6隻のままです。

ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督も、プロジェクト11356Rについては、黒海艦隊の為に6隻が建造されるとしか言ってません。
[ロシア海軍は2020年までに12隻の原子力潜水艦を近代化する]

ボレイ級戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーは2013年11月末-12月初頭にロシア海軍へ引き渡される

13-1109a.jpg
『イタルタス』より
2013年11月8日16時45分配信
【戦略原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」は今年末までに海軍の組織へ受け入れられるだろう-統合造船業営団】
モスクワ、11月8日/イタルタス

「ボレイ」級戦略用途ロケット水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」は、今年11月末~12月初頭にロシア海軍の組織へ受け入れられるだろう。
統合造船業営団広報サービスはイタルタスへ伝え、原子力潜水艦は今度の火曜日の11月12日に海軍へ引き渡されるだろうという一部メディアの報道に反論した。

統合造船業営団が指摘した所によると、「アレクサンドル・ネフスキー」国家受領試験は完全に終了した。
現時点で検査は完了し、潜水艦は仕上がっており、艦の受領の為、国家受領委員会は問題点を除去した。

「必要条件の管理文書に従い、国家委員会の委員長はアレクサンドル・ネフスキーの数日間に渡る海洋への検査出航を予定しております」
営団は話した。

「上記の件を考慮すると、原子力潜水艦アレクサンドル・ネフスキーのロシア海軍の組織への受領証書への署名は、今年11月末~12月初頭に行なわれる事になるでしょう」
広報サービスは伝えた。

「その後、潜水艦はロシア海軍の計画に沿って常時駐留場所へ移動します」
統合造船業営団は付け加えたが、駐留場所については明言を避けた。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」級2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」は2004年3月19日に起工され、2010年12月6日に進水しました。

この間、2007年には太平洋艦隊から乗組員が集められました。

2011年10月22日、工場航海試験が開始されました。

2012年9月末に工場航海試験が完了し、その後、国家受領試験が開始されましたが、2012年中には完了しませんでした。
[ボレイ級戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーの工場試験は完了した]

2013年6月以降、国家受領試験が再開されました。
[セヴェロドヴィンスク造船所は2013年夏に3隻の原潜の海洋試験を行なう]
[タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする]

2013年9月6日に白海弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を実施しましたが、失敗に終わりました。
[2隻のボレイ級戦略原潜の国家試験はSLBMブラヴァー試射失敗により中断される]
[発射に失敗したSLBMブラヴァーには遠隔測定器が装備されていなかった]

2013年9月9日、セヴェロドヴィンスクへ帰港しました。
[戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはセヴェロドヴィンスクへ戻った]

「アレクサンドル・ネフスキー」国家受領試験の海洋部門は全て完了しました。
[ボレイ級戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーの海洋試験は全て完了した]


なお、記事中で触れられている「一部メディアの報道」は、これを指しています。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月8日8時46分配信
【2隻目の「ボレイ」プロジェクト原子力潜水艦は来週に海軍へ引き渡されるかもしれない】
ロシア軍事産業企業体の情報提供者は、「アレクサンドル・ネフスキー」が11月12日にロシア連邦海軍へ納入され(受領証書への署名)、12月に海軍旗掲揚式典(公式の就役式典)が開催されると述べました。


一方、「アレクサンドル・ネフスキー」の建造元であるセヴェロドヴィンスク市「セヴマシュ」造船所広報サービスは「そのような情報は確認していない」と述べました。

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2013年11月8日
【原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」は12月にロシア連邦海軍へ引き渡される】
「アレクサンドル・ネフスキー」ロシア海軍への引き渡し時期は、11月16日の航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」インド海軍への引き渡し式典が終わった後になり、12月よりも前にはならないとの事です。
その後、「アレクサンドル・ネフスキー」北方艦隊ガジエヴォ基地へ回航され、2014年初頭にカムチャツカ半島へ向かいます。


そして、ロシア造船業の総元締である統合造船業営団からも、この情報は公式に否定したわけです。

統合造船業営団によると、「アレクサンドル・ネフスキー」の受領証書への署名(ロシア海軍への引き渡し)は今年11月末~12月初頭になるとの事です。
しかし、海軍旗掲揚式典(公式の就役式典)の実施時期については全く触れていません。

受領証書への署名が行なわれた後、「アレクサンドル・ネフスキー」は駐留基地へ移動するとの事ですが、或いは、基地へ移動した後に海軍旗掲揚式典が開催されるのかもしれません。


「アレクサンドル・ネフスキー」太平洋艦隊へ配備される予定です。
[ボレイ級戦略原潜2番艦と3番艦は太平洋艦隊へ配備される]

太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクでは、新世代原潜ボレイ級を受け入れる為のインフラ整備が進められています。
[新世代戦略原潜ボレイ級の為のインフラ整備はカムチャツカ半島で進められている]
[ロシア海軍新世代原潜の為のインフラ建設は2013年末までに完了する]

プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2014年6月末にロシア海軍へ引き渡される

13-1108a.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月7日16時36分配信
【1隻目の「ワルシャワンカ」型潜水艦は2014年6月にロシア海軍へ引き渡される】
モスクワ、11月7日-ロシア通信社ノーボスチ

黒海艦隊の為にサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」が建造している3隻のディーゼルエレクトリック潜水艦「ワルシャワンカ」型(NATO分類-キロ)は2014年に海軍へ引き渡されるだろう。
木曜日、ロシア通信社ノーボスチ軍事産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「今年11月28日、潜水艦シリーズのトップ-ノヴォロシースクが進水します。
そして来年、スケジュールに基づき、6月末にノヴォロシースクはロシア連邦海軍へ引き渡されます。
更に2隻の潜水艦-ロストフ・ナ・ドヌーとスタールイ・オスコルの納入も予定されてます」

対談者は話した。

彼は付け加えた。
3隻目の潜水艦-スタリー・オスコルの納入は今年を越え、2014年11月になるだろう。

ロシア連邦海軍の為のプロジェクト636シリーズのトップは2010年8月に起工された。
2隻目の潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は2011年11月に起工された。
2012年8月中旬には造船所で「スタールイ・オスコル」が起工された。

潜水艦シリーズ6隻は2016年までに黒海艦隊へ納入されなければならない。

プロジェクト636潜水艦は第3世代に属しており、排水量3100トン、速力20ノット、潜航深度300メートル、乗組員52名である。
兵装として533mm口径の魚雷(6門の発射管)、機雷、打撃ミサイル複合体「カリブル」が有る。

それは、敵に探知されるよりも3-4倍の距離で目標を発見する事が出来る。
その隠密性により、プロジェクト636潜水艦NATOより「ブラックホール」の呼び名を貰った。


12-0812a.jpg
ロシア海軍向けのプロジェクト06363潜水艦は、現在までに3隻が起工されています。

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月進水予定/2014年就役予定
黒海艦隊に配備予定
[ロシア海軍潜水艦ノヴォロシースクは2013年末に進水する]
[ロシア黒海艦隊は2014年に新造艦を受領する]

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年就役予定
黒海艦隊に配備予定

[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルは8月17日に起工される]
[改キロ級潜水艦スタールイ・オスコルは8月17日に起工される]
[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルは起工された]

「ノヴォロシースク」「ロストフ・ナ・ドヌー」は乗組員が全て揃い、艦長も任命されています。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーの艦長が任命された]

今回の記事によると、1番艦「ノヴォロシースク」は11月28日に進水するとの事です。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2013年11月に進水する]

そして「ノヴォロシースク」は2014年6月末に、3番艦「スタールイ・オスコル」は同年11月にロシア海軍へ引き渡されるようです。
2番艦「ロストフ・ナ・ドヌー」については触れられていませんが、「ノヴォロシースク」「スタールイ・オスコル」の中間の時期になるでしょう。

ロシア海軍向けの06363潜水艦と同じくアドミラルティ造船所で建造されているベトナム海軍向けの6361潜水艦は、1番艦「ハノイ」が2013年11月7日に引き渡され、2番艦と3番艦は2014年中に引き渡されます。

『イタルタス通信サンクトペテルブルク支局』より
2013年11月7日11時45分配信
【アドミラルティ造船所はベトナムへ潜水艦ハノイを引き渡した】

コルベット"ボイキー"はキロ級潜水艦を「撃沈」した

13-1107e.jpg
13-1107f.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月7日12時57分配信
【コルベット「ボイキー」は演習で「ワルシャワンカ」型潜水艦を破壊した】
モスクワ、11月7日-ロシア通信社ノーボスチ

バルト艦隊コルベット「ボイキー」は、仮想敵の潜水艦役を演じたディーゼルエレクトリック潜水艦「ワルシャワンカ」型を破壊した。
木曜日、バルト艦隊の公式代理人ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は記者団に伝えた。

「バルト艦隊の最新コルベット"ボイキー"乗組員は艦隊の海洋射爆場において一連の戦闘訓練任務を遂行しました。
コルベット乗組員は対潜ヘリコプターKa-27PL乗員と連携して合同対潜活動-仮想敵の潜水艦を探知、発見し、対潜兵器を使用して破壊する演習の実施-を果たしました」
マトヴェーエフ
は話した。

仮想敵潜水艦役は、最も静粛な潜水艦の1つであるディーゼルエレクトリック潜水艦「ワルシャワンカ」級が務めた事をバルト艦隊の代理人は強調した。

「音響的隠密潜水艦であるにも拘わらず、コルベットの乗組員は成功裏に目標を分類し、同艦が装備する対潜複合体により仮想敵を破壊する事が出来ました」
マトヴェーエフ
は話した。

コルベットの乗組員は、実地装備を使用して海上及び空中目標への複合砲射撃を実行する。
更に船員は、放射線、化学、生物兵器からの保護及び艦のダメージコントロールの為の艦内訓練を実施する。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

プロジェクト20380コルベット3番艦「ボイキー」は、今年5月16日に就役したロシア海軍の最新鋭艦です。
[コルベット「ボイキー」はロシア海軍へ就役した]

就役から2日後にバルト艦隊創設310周年記念観艦式へ参加しました。
[最新コルベット「ボイキー」はバルト艦隊創設310周年記念観艦式に参加する]

今回はバルト海で対潜戦闘訓練を実施しました。

「ボイキー」が装備する対潜兵器は2基の324mm対潜魚雷「パケート-NK」4連装発射管です。
13-0212c.jpg

仮想敵潜水艦役は「ワルシャワンカ」級(キロ級)が務めました。

バルト艦隊には2隻の「ワルシャワンカ」級(ドミトロフ、ヴィボルグ)が在籍していますが、1隻(ヴィボルグ)は修理中です。
13-1107d.jpg


この他、北方艦隊「ワルシャワンカ」級潜水艦「リぺツク」バルト海へ派遣されています。

重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは地中海中部で合流した

13-1107a.jpg
13-1107c.jpg
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(北方艦隊)広報サービス発表
2013年11月7日13時19分配信
【重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」はロケット巡洋艦「ワリャーグ」との連携行動を仕上げる】

本日(11月7日)、北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」乗組員は、地中海中部において太平洋艦隊ロケット巡洋艦「ワリャーグ」乗組員との艦隊間連携行動の要素の仕上げを始めた。

ロシアロケット巡洋艦の乗組員は、海洋移動中の組織的通信、連携機動、更にはヘリコプター複合体を使用する対潜防衛の演習を実施した。

艦隊間連携行動の要素の仕上げは、遠距離航海任務を遂行している北方艦隊軍艦の乗組員の主要任務の1つである。

2013年、ロシア海軍の他艦隊の艦との広範囲の任務は大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」により遂行された。

以前、艦隊間連携行動の課題は、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」の乗組員により仕上げられた。
北方艦隊の艦は、バルト艦隊黒海艦隊、そして太平洋艦隊の艦との連携行動を成功裏に果たした。

北方艦隊主要基地セヴェロモルスク市から重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は10月22日に出航した。
遠距離航海中に巡洋艦は約3600海里を航行した。

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」北東大西洋海域の通過移動の大部分は、嵐前線の通過による困難な気象条件の下で行なわれた。

巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの航海は、ロシア連邦国防省の要望の枠組みにおける世界の大洋の戦略的に重要な海域におけるロシア海軍の軍艦の定期的滞在の再開という目的で実行され、数ヶ月間に渡って続く。


[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは15歳になった]

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、2012年及び2013年に北極海への航海を実施しています。
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月) ]
[聖アンドレイの旗の下に]

2013年10月4日にはバレンツ海有翼ミサイル「グラニート」発射訓練を行ないました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年10月22日、大西洋への遠距離航海へと出発しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは大西洋へ向かった]

10月28日、アイルランド島西方海域に到達しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはアイルランド沖に居る]

10月31日、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海へ入った]
13-1101d.jpg

一方、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、11月2日にスエズ運河を通過して地中海へ入っています。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは地中海へ入った]
13-1103a.jpg

そして11月7日、この2隻は地中海中部において合流し、合同演習を行ないました。
13-1107b.jpg


記事中で触れられていますが、北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は2013年5月-9月に掛けて地中海、大西洋、カリブ海において、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊の艦船と一緒に行動しました。
[ロシア北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラーコフは長期航海を終えて基地へ戻った]

2012年夏にも北方艦隊大型揚陸艦3隻が黒海艦隊バルト艦隊の艦船と一緒に行動しています。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

ロシア北方艦隊の大型揚陸艦は地中海へ行く

13-1105a.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月5日12時32分
【大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は地中海戦隊へ補充される】
モスクワ、11月5日-ロシア通信社ノーボスチ

大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」リスボンへの寄港後にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、ロシア海軍艦船戦隊へ参加する。
火曜日、北方艦隊の公式代理人ワジム・セルガ1等海佐は記者団に伝えた。

「北方艦隊の大型揚陸艦ゲオルギー・ポベドノーセッツは、ポルトガルのリスボン後への業務寄港を完了しました。
近い内に同艦はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、ロシア海軍艦船グループの一員として活動を続けます」
セルガ
は話した。

「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は11月2日にリスボン港へ入港した事を北方艦隊の代理人は想い起した。
ポルトガルの港への停泊中にロシア艦は物資を補充した。
大型揚陸艦の乗組員は休息の時間を与えられた:北方艦隊将兵は一連の観光旅行を行ない、リスボンの観光名所を見物した。

揚陸艦の乗組員は8月5日にセヴェロモルスクを去った。
これまでの間に同艦の乗組員はバルト艦隊への艦隊間移動を行ない、無防備の海岸への海洋揚陸部隊の上陸演習に参加した。
「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は約3500海里の航跡を遺した。


ロシア北方艦隊所属の大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は2013年8月5日にセヴェロモルスク基地を出港し、先ずはロシア・ベラルーシ合同戦略演習「ザーパド-2013」に参加する為、バルト海へ向かいました。
13-1105b.jpg

2013年9月下旬に実施された戦略演習「ザーパド-2013」には、北方艦隊大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」バルト艦隊大型揚陸艦「カリーニングラード」黒海艦隊大型揚陸艦「アゾフ」が参加しました。

演習が終わった後も暫くの間バルト海に滞在し、10月19日にバルチースクを出港しました。

バルト海を出た後に英仏海峡を通過して大西洋を南下し、11月2日にポルトガルリスボンを訪問しました。
13-1105c.jpg
そして11月5日にリスボンを出港し、ジブラルタル海峡へ向かいました。

今後は地中海に入り、ロシア海軍地中海作戦連合部隊へ参加します。

「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は昨年(2012年)にも地中海へ派遣されています。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]


現在、地中海に滞在しているロシア連邦海軍の水上艦は9隻です。
(この他に各種支援船が居る)

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(北方艦隊)
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(黒海艦隊)
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(太平洋艦隊)
警備艦「スメトリーヴイ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ヤーマル」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」(バルト艦隊)
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊)


近日中には大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」(北方艦隊)が加わります。

新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクの国家受領試験が始まった

13-1105d.jpg
公開株式会社「生産合同・北方機械製造組合(セヴマシュ)」公式サイトより
2013年11月5日
【「セヴェロドヴィンスク」:約222日の「海洋試験」】

2011年から始まった新世代原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」(プロジェクト「ヤーセン」)工場航海試験は完了し、国家受領試験が開始される。

成功裏に完了した工場航海試験の枠組みにおいて海洋への出航は14回に及び、約222日間に及ぶ当直で1万海里を航行し、約100回の潜航並びに浮上を行なった。

軍事機器生産部長マラート・アビジャノフが指摘したように、原子力水中巡洋艦及び納入チームは素晴らしい実績を有しており、その大きな恩恵を受けて艦長セルゲイ・ミチャーエフによる「海洋試験」の組織的管理は高いレベルで行なわれ、国家試験の最終段階では魚雷発射が実施される。

工場航海試験においては、同艦の高い戦術-動作特性が確認された。
セヴマシュの専門技術者が言うように、「セヴェロドヴィンスク」は最も近代的かつ国産潜水艦では最も低騒音である。

国家受領「海洋試験」においては同艦の機動、速力試験及びミサイル発射が行なわれる。
原子力潜水艦は海軍への引き渡しを待つ。

記録の為に:「セヴェロドヴィンスク」はシリーズ(プロジェクト「ヤーセン」)のトップ艦である。
公開株式会社「生産合同セヴマシュ」で1993年12月21日に起工された。


[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]

原子力水中ロケット巡洋艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は1993年12月21日に「セヴマシュ」で起工され、2010年6月15日に進水しました。

2011年9月12日から海洋試験(工場航海試験)を開始しました。

2012年にも引き続き工場航海試験は実施されましたが、結局、2012年中のロシア海軍への引き渡しは実現できませんでした。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2013年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍は2012年に2隻の原潜と3隻の水上戦闘艦を受領できなかった]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2013年後半に海洋試験を実施し、同年末にロシア海軍へ引き渡される]

2013年5月末から航海試験が再開され、これまでに4度に渡る試験(工場航海試験)が実施されました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは今年(2013年)3度目の航海試験を終えた]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクの国家受領試験は2013年11月から始まる]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクの工場航海試験プログラムは完全に実行されている]

工場航海試験は成功裏に全て完了し、2013年11月から国家受領試験が開始されました。

「セヴェロドヴィンスク」は2013年12月25日にロシア海軍へ納入される予定です。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2013年12月25日にロシア海軍へ納入される]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは12月25日にロシア海軍へ納入されなければならない]

空母ヴィクラマーディティヤのインド人パイロットはロシアで訓練を行なう

13-1104c.jpg
13-1104d.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月1日16時10分配信
【インド人パイロットはロシア連邦で航空母艦への発着艦に習熟する】
ニューデリー、11月1日-ロシア通信社ノーボスチ

インド海軍は、航空母艦の飛行甲板からの発着艦に習熟させる為、ロシアへ10名のパイロットを派遣する。
彼等は将来的に航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)へ配備される戦闘機MiG-29K/KUBのパイロットとなる。
金曜日(11月1日)、インドのメディアは(インド)海軍の情報提供者の話を引用して報じた。

インド人飛行士は、まずシミュレータで、その後は沿岸訓練場でフライトに習熟する。
訓練は3-4ヶ月間に渡る。
「ヴィクラマーディティヤ」インドに到着する頃、彼等は同艦の航空隊の一員として加入できるだろう。

『NDTV(ニューデリーテレビ会社)』によると、インド海軍は、以前に署名された契約によりロシアから21機のMiG-29K/KUBを受領している。
2年以内には、更に24機の航空機を受領する計画である。

5月、ゴア州においてインド海軍航空隊第303飛行隊「ブラックパンサーズ」-MiG-29K/KUBを装備した最初の部隊-の編入記念式典が開催された。

インドへの「ヴィクラマーディティヤ」引き渡しの為の公式式典は11月中旬にセヴェロドヴィンスクで開催される。
同艦(ヴィクラマーディティヤ)には24機の戦闘機と6機のヘリコプターが配置される。

現在、インド海軍の編制には、1950年代にブリテン海軍の為に建造され、1987年にインドへ引き渡された航空母艦「ヴィラート」が在る。
インドは更に、最初の独自設計の航空母艦「ヴィクラント」を建造しており、既に進水している。
同艦は「ヴィクラマーディティヤ」のようにMiG-29K/KUBが配備されるものと見られている。



[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]

「ヴィクラマーディティヤ」に搭載される第303飛行隊「ブラックパンサーズ」は、2013年5月11日に実戦配備へ就きました。
[空母ヴィクラマーディティヤMiG-29K飛行隊は正式に実戦配備へ就いた]

今回の記事によると、インド人パイロットロシアの沿岸訓練場で航空母艦の発着艦訓練を行なうとの事ですが、これはクラスノダール地方エイスク飛行場に建設された新ニートカを指しているようです。
[新ニートカは2013年12月に納入する準備が整う]

「ヴィクラマーディティヤ」は11月16日にインド海軍へ引き渡される予定です。
[空母ヴィクラマーディティヤは2013年11月16日にインド海軍へ引き渡される]

その後、11月30日にインドへ向けて出発し、2014年2月にインドムンバイ港へ到着する予定です。
[空母ヴィクラマーディティヤは2013年11月30日にインドへ向けて出港する]
[空母ヴィクラマーディティヤは2014年2月にインドへ到着する]

なお、今回の記事によれば、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の搭載機は、戦闘機24機(MiG-29K/KUB)、ヘリコプター6機(Ka-28、Ka-31など)の計30機です。
13-1104b.jpg


インド海軍ロシアから計45機の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBを購入し、国産戦闘機LCAテジャスの艦上機型も試験中ですが、将来的には、国産戦闘機Advanced Medium Combat Aircraft(AMCA)が開発され、艦上機型も作られます。
13-1104e.jpg

[AMCA計画値]
全長:18.90m
全幅:13.56m
全高:5.08m
翼面積:38.4平方m
標準離陸重量:19,700kg
エンジン:GTRE GTX-35VS カヴェリ×2基
最大速度:マッハ2.25

ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは地中海へ入った

13-1103a.jpg
『インタファクス』より
2013年11月2日13時08分配信
【「ワリャーグ」は地中海へ到達した】
ウラジオストク、11月2日、インタファクス.RU

ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は土曜日にスエズ運河を通過し、地中海エリアへ入った。
同艦は、この海域のロシア海軍グループへ合流する。

『インタファクス-AVN』は、巡洋艦地中海に到着した事を太平洋艦隊情報供給部長ローマン・マルトフ1等海佐より伝えられた。
「親衛ロケット巡洋艦の乗組員は、この海域のロシア海軍艦艦船連合グループの一員として一連の任務を果たします。
加えて太平洋艦隊将兵は地中海ゾーン諸国の港への訪問を準備します」

彼は話した。

マルトフは、現在、世界の大洋の様々な海域において太平洋艦隊の10隻の艦船が戦闘勤務に就いている事を指摘した。
この内の7隻は、先だって南西アジア海域において任務を遂行した。

一方、軍事外交筋は、「ワリャーグ」が率いる太平洋艦隊艦船支隊アレクサンドリア港へ業務訪問の為に立ち寄ると報道機関に話した。

「巡洋艦ワリャーグは本日(11月2日)無事にスエズ運河を通過して地中海エリアへ入り、海軍グループへ補充されます。
近日中には非公式訪問の為にエジプトのアレクサンドリア港へ入港し、物資の補充と乗員チームへの休暇が与えられます」

彼は伝えた。

彼によると、11月、「ワリャーグ」黒海艦隊ロケット巡洋艦「モスクワ」と交代し、地中海海軍常設作戦連合部隊を率いる。

対談者は、太平洋艦隊支隊の艦船には海軍歩兵部隊が乗っている事を指摘した。
航空隊は、潜水艦の探知及び撃破行動を行ない、救助及び対海賊作戦が可能な数機のヘリコプターKa-27で構成されている。

現在、地中海には重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「スメトリーヴイ」、大型揚陸艦「アゾフ」、「アレクサンドル・シャバリン」、「ミンスク」、「ノヴォチェルカッスク」、「ヤーマル」が滞在している事は注目される。

加えて、シリアタルトゥース港ロシア海軍補給物資供給所には、黒海艦隊浮揚工場PM-138が居る。


太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」を中核とする太平洋艦隊艦船支隊は、8月末にペトロパブロフスク・カムチャツキーを出港しました。
当初は、オーストラリアへ行く予定でした。
[太平洋艦隊のロケット巡洋艦ワリャーグはオーストラリアへ行く]

9月上旬の時点で太平洋中部に居ました。
[ロシア太平洋艦隊の艦船は遠海ゾーンで任務を遂行する]

しかし9月中旬、インド洋へ向かうと発表されました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインド洋(アデン湾)へ向かう]

10月1日、インド洋へ入りました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインド洋へ入る]

10月4日、スリランカトリンコマリー港へ寄港しました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・ロケット巡洋艦ワリャーグはスリランカを訪れた]

10月8日にトリンコマリー港を出港し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・ロケット巡洋艦ワリャーグはスリランカを去り、アデン湾へ向かった]

10月14日、オマーンサラーラ港へ入港しました。
[ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはオマーンのサラーラへ寄港した]

その後、アデン湾紅海を通り抜け、11月2日にスエズ運河を通過して地中海へ入りました。
13-1103b.jpg
近日中にはエジプトアレクサンドリアへ寄港するとの事です。

記事中で触れられていますが、地中海には既に黒海艦隊親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が居ます。
[親衛ロケット巡洋艦モスクワはロシア海軍地中海作戦連合部隊を率いる]
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海へ入った]

現在のロシア海軍において稼働状態に在るロケット巡洋艦は3隻(「ピョートル・ヴェリキー」、「モスクワ」、「ワリャーグ」)ですから、それが全て地中海へ集結する事になります。


なお、記事中で述べられている「世界の大洋の様々な海域で戦闘勤務に就いている太平洋艦隊の10隻の艦船」は、この3個支隊を指しています。

[太平洋艦隊第1艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
大型揚陸艦「ペレスウェート」
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」
救助曳船「フォーチィ・クリロフ」
中型海洋給油船「ペチェンガ」

(2013年3月19日にウラジオストクを出港)
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~)]

[太平洋艦隊第2艦船支隊]
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」

(2013年8月末にペトロパブロフスク-カムチャツキーを出港)

[太平洋艦隊第3艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
中型海洋給油船「イルクート」
曳船「カラール」

(2013年10月19日にウラジオストクを出港)
[ロシア太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはミャンマーへ行く]

重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海へ入った

13-1101b.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月1日10時48分配信
【原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は地中海へ入った】
モスクワ、11月1日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った。
金曜日、北方艦隊の公式代理人ワジム・セルガ1等海佐は記者団に伝えた。

「重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはジブラルタル海峡を通過し、アルボラン海(地中海西方海域)の指定ポイントへ投錨しています」
セルガ
は話した。

巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」北東大西洋海域の通過移動の大部分は、嵐前線の通過による困難な気象条件の下で行なわれた事をセルガは想い起した。
しかし、嵐は巡洋艦の乗組員が10数回の艦内演習、更には一連の対空及び対潜防衛訓練を成功裏に実施する事を阻害しなかった。

北方艦隊主要基地セヴェロモルスク市から重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は10月22日に出航した。
これまでの遠距離航海において、北方艦隊巡洋艦は約3200海里を航行した。

「巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの航海は、ロシア連邦国防省の要望の枠組みにおける世界の大洋の戦略的に重要な海域におけるロシア海軍の軍艦の定期的滞在の再開という目的で実行され、数ヶ月間に渡って続きます」
セルガ
は付け加えた。


[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは15歳になった]

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、2012年及び2013年に北極海への航海を実施しています。
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月) ]
[聖アンドレイの旗の下に]

2013年10月4日にはバレンツ海有翼ミサイル「グラニート」発射訓練を行ないました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年10月22日、大西洋への遠距離航海へと出発しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは大西洋へ向かった]

10月28日、アイルランド島西方海域に到達しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはアイルランド沖に居る]

そして10月31日、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
13-1101c.jpg
13-1101d.jpg

今後は地中海東部海域へ向かい、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)へ参加する事になるでしょう。
[ロシア海軍地中海連合作戦部隊創設]

戦略原潜ボレイ級が攻撃原潜として使用される事は無い

12-0422f
13-0220a.jpg
『イタルタス』より
2013年11月1日13時27分配信
【原子力潜水艦「ボレイ」型が多目的潜水艦として使用される事など無い】
モスクワ、11月1日/イタルタス

戦略原子力ロケット艦「ボレイ」が多目的潜水艦としての任務を遂行する為にロシア海軍へ軍備採用されるという一部メディアの報道は事実に即していない。
本日(11月1日)、イタルタスは海軍総参謀部より伝えられた。

「戦略原子力潜水艦を多目的類別へ変更するなんて、聞いた事も無ければ計画もされていませんよ。
通常魚雷兵装の使用を含む多目的用途の機能は戦略原子力潜水艦にとってはメインではありません。
だいたい、原子力潜水艦ボレイを多目的艦として使うなんてね、戦略ロケット機Tu-160を前線戦闘機として使うようなものですよ」

海軍総参謀部は指摘した。

海軍の代理人が強調したように、原子力潜水艦「ボレイ」型戦略用途水中ロケット艦として意図されており、それに適した任務を遂行する。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]


記事中で触れられている「一部メディアの報道」は、これらを指しています。

『ロシースカヤ・ガゼータ』より
2013年11月1日11時25分配信
【「ボレイ」は一時的に多目的原子力潜水艦としての任務遂行へ加わる】

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月1日10時55分配信
【原子力潜水艦「ボレイ」は一時的に多目的潜水艦として任務を遂行するかもしれない】

「ロシア連邦軍参謀本部の高位の代理人」によると、今年末までにロシア海軍へ引き渡される予定となっている「ボレイ」級原子力潜水艦2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、就役後暫くの間は弾道ミサイル「ブラヴァー」ではなく、魚雷及びロケット魚雷を主兵装とする多目的原子力潜水艦として使用されるとの事です。

同氏曰く
「科学技術博士が学校で算数を教える事は出来るでしょう」

これに対し、ロシア海軍総参謀部は
「戦略爆撃機Tu-160を戦闘機として使用するようなもの」と扱き下ろし、完全に否定しました。
13-1101a.jpg

「ボレイ」級は艦首に533mm魚雷発射管6門を装備しており、魚雷対潜ミサイル(ロケット魚雷)、更には有翼ミサイル「カリブル」を運用可能ですが、これはあくまでも自衛用の装備です。
13-1101e.jpg


2013年9月6日に白海で実施された「アレクサンドル・ネフスキー」からの弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験は失敗しました。
[2隻のボレイ級戦略原潜の国家試験はSLBMブラヴァー試射失敗により中断される]
[発射に失敗したSLBMブラヴァーには遠隔測定器が装備されていなかった]

にも拘らず「アレクサンドル・ネフスキー」は、国家受領試験の海洋部門を全て完了しており、近い内にロシア海軍へ納入される可能性が高まっています。
[ボレイ級戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーの海洋試験は全て完了した]

「ウラジーミル・モノマーフ」の航海試験も進められています。
[ボレイ級戦略原潜3番艦ウラジーミル・モノマーフは最初の航海試験を完了した]