『イタルタス』より
2014年3月20日12時22分配信
【フランスは「ミストラル」契約の一時停止を10月に検討する】パリ、3月20日/
イタルタス特派員ミハイル・チモフェーエフロシアとの
「ミストラル」契約の
一時停止の可能性の問題については、10月に検討される。
フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンは、
ラジオ局RMCの生放送で話した。
「これらの艦の船体の一部がロシアで作成されている事を忘れるべきではありません。
全体的な手順は困難であります。
最初の艦は、(今年)10月に引き渡さなければならず、従いまして、ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型の契約の一時差し止めの可能性に関する問題については、10月に結論が出されます」国防相は話した。
「契約の一時差し止めについては、現時点で話す事では有りません。
ですが、フランス外相ローラン・ファビウス君が、そのような可能性に言及したのは正しい事です」ル・ドリアンは指摘した。
「現時点では、艦の建造は継続されております」国防相は付け加えた。
彼は、「ミストラル」型が、締結された契約により「兵装無しでロシアへ引き渡される」事を想い起した。[取引のキャンセル或いは一時停止]2隻の
軍艦「ミストラル」型建造の取引をキャンセルする可能性については、
ロシアに対する制裁の第3レベルの枠組における施策のリストに含まれている。
フランス外相ローラン・ファビウスは、月曜日に
テレビ局TF-1の生放送に出演し、こう話した。
彼によると、
パリは、
ウクライナ状況が更に悪化した場合、そのような行動を取るだろう。
翌日、ファビウスは、この件に関し、キャンセルでは無く、ヘリコプター母艦の取引の一時停止の可能性について話したのだと説明した。[契約破棄に対するペナルティ]「ミストラル」の契約破棄が発生した場合、フランスはロシアへ12億ユーロ以上を支払わなければならない。ロシア-フランスによる
ロシア海軍の為の2隻の
汎用揚陸艦の建造プログラムの実施に参加している情報提供者は述べた。
この金額には、2隻の艦の契約費用及び履行失敗の原因に対するペナルティが含まれる。
先だって
イタルタスが
「統合造船業営団」の情報提供者より伝えられたように、
ロシアは、契約の枠組において既に7億ユーロ以上の金額を支払っている。
1隻の
「ミストラル」建造のカタログ費用は2億5000万ユーロであるが、
フランスと締結した2隻の艦の契約額は11億2000万ユーロである。
[契約の条件]ロシア海軍の為に2隻の
「ミストラル」型ヘリコプター母艦を建造する為の11億2000万ユーロの契約は、2011年6月に
サンクトペテルブルクで署名された。
これにより、
フランスの
サンナゼールの
STX造船所での最初の2隻の艦の建造が提供される。
1番艦
「ウラジオストク」は進水しており、2014年に
ロシア海軍へ納入される予定であり、2番艦
「セヴァストーポリ」は2015年である。
ロシア連邦において3隻目と4隻目の
「ミストラル」を建造する事に関する問題は、
「ウラジオストク」と
「セヴァストーポリ」の運用結果に基づいて決定されなければならない。
ヘリコプター母艦「ミストラル」は排水量21,000トン、船体最大長210メートル、速力18ノット、航続距離は最大で20000海里。
乗組員は170名であり、更に艦は450名を収容可能である。
航空隊は16機のヘリコプターから成り、同時に6機の飛行甲板からの発着が可能である。
艦の貨物デッキには、40両の戦車或いは70台のトラックを収容できる。
「ミストラル」は、4つの任務を一度に行なえる。
それはヘリコプター搭載運用、兵員の地上への揚陸、指揮センター、浮揚病院である。
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型][ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]ロシア海軍向け
「ミストラル」級1番艦「ウラジオストク」は、2014年3月5日に最初の航海試験を実施しました。
[ロシア海軍向けミストラル級1番艦ウラジオストクは最初の洋上試験を行なった]2番艦
「セヴァストーポリ」の建造も進められています。
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦セヴァストーポリの後部の建造はスケジュール通りに進行している]1、2番艦共に、船体後部は
ロシアの造船所で建造されています。
最近の
ウクライナ情勢に関連し、
フランスが
ロシアへの
「ミストラル」級売却契約をキャンセルする可能性について報じられていますが、実際には、そう簡単な事ではありません。
今回の記事でも触れられていますが、契約をキャンセルしてしまえば、
フランスは
ロシアへ莫大な違約金を支払わなければならなくなるからです。
[フランスはロシアへのミストラル級輸出のキャンセルを考慮するかもしれないが、それを実行に移す事は多大なペナルティを伴う]そして今回の記事では、
フランス側(外相及び国防相)の表現が
「ミストラル」級の契約の
「キャンセル」では無く、
「一時停止」と後退しています。
「ミストラル」級の建造工事は中止される事は無く、
1番艦「ウラジオストク」の船体が仕上がり、
ロシアへ引き渡す予定時期である今年10月に、引き渡すのか、それとも一時差し止めるのか、その結論を出すという事です。
以前、
フランスは、
ロシアへの
「ミストラル」級の輸出に関し
「兵装なしで売却するから実質的には民間フェリーの売却と同じ」と述べました。
[フランスは、「ミストラル」型を非武装でロシアに売却する]そして今回、フランス国防相は、「兵装なしでの引き渡し」に改めて言及しています。