『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年1月28日15時02分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」のエンジンは制御システムのバグにより焼けた】『中央海軍ポータル』は、ロシア海軍のニーズの為に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造された最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」のエンジンのトラブルの原因は制御システムのバグであると判明している事を突き止めた。『中央海軍ポータル』特派員が、問題点の洗い出しと、これに続く艦のエンジンの修理に従事した
「科学生産合同サトゥルン」から伝えられた所によると、損傷の主な要因は、
制御システムの動作不良により、
エンジンへ燃料が大量に流れ込み、その後に焼けてしまった事に有った。
ロシア最新フリゲートである
プロジェクト22350「アドミラル・ゴルシコフ」の
エンジンが修理を必要としている事は2014年12月29日に知られるようになった。
公開株式会社「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、12月17日、同艦の
ガスタービンエンジンの分解と問題点の洗い出しの実行の為の2400万ルーブルの入札を発表した。
科学生産合同「サトゥルン」代理人によると、損失評価と損傷した箇所の調査は2015年3月まで続く。
同社の従業員が
エンジンの構造に不慣れであるが為に。
修理の期日と、細部構造の完全な回復についての話は未だ出ていない。
この事故に関する同様の見解を、
『中央海軍ポータル』は、事故に関する情報を有している造船業界の他の対談者から確認した。
「その時、燃料バルブは閉じられませんでした。サージングが発生し、タービンのブレードは焼けました。
タービンは解体され、ルイビンスク(科学生産合同「サトゥルン」所在地)へ送られ、修理されました」彼はこう話し、それが2014年9月に実行された事を指摘した。
更に、同様の情報は、もう1人の造船業界の権威ある代理人からも伝えられた。
彼は、
制御システムのバグは、設計不良により引き起こされたかもしれないと話した。
「焼けたブレードとタービンは大規模修理の必要が有ります。
問題は、制御システムの動作に在ります。
おそらくは、設計上の欠陥でしょう」彼は説明した。
同様の見解は
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」の従業員の1人により共有されている。
「制御システムにバグが起こりました。
ですが、それまでは正常に動作していました」同社の専門技術者は指摘した。
フリゲートの
エンジンの為の
制御システムの開発者は
公開株式会社「コンツェルン・科学生産合同アヴローラ」である。
「アヴローラ」は
『中央海軍ポータル』特派員へ、顧客からは、欠陥及び注意点に関するこれらのクレームは寄せられておらず、破損の原因については、専門家の公式な結論が出された後でのみ話すことが出来ると表明した。
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」広報サービスは、同艦の如何なる機器にも何の問題も無いと主張する。
「我々の立場は非常にシンプルです。
「ゴルシコフは、試験の第1段階を通過しました。
全ては、これに尽きます」広報サービスは表明し、艦の航行試験中に技術的課題に沿った性能のデータが示された事を付け加えた。
焼けた
ガスタービンエンジンM90FRは、
科学生産合同「サトゥルン」が
ウクライナの企業
「ゾーリャ-マシプロイェクト」と協力して開発・製造している。
ウクライナの会社の広報サービスは
『中央海軍ポータル』特派員へ、
ロシアの
フリゲートの
エンジンの問題に関しては何も聞いておらず、それを修理する為の如何なる助言も与えていないと話した。
その後、
『中央海軍ポータル』は、損傷した
フリゲートの
エンジンは、
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造された同型艦
「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の同類(エンジン)と交換された事を知った。
これは、
「ゴルシコフ」の
工場航行試験を遅延させない為に行なわれた。
[『中央海軍ポータル』参考資料]
プロジェクト22350フリゲートのトップ
「アドミラル・ゴルシコフ」は2006年に
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工され、2014年11月8日からは工場航行試験を開始した。
当初、その開始は2013年に予定されていたが、
設計局「アルセナル」からの
130mm砲装置A-192の供給問題が故に遅延した。
航行試験及び国家試験が成功裏に完了した後、
「アドミラル・ゴルシコフ」は
北方艦隊へ加入しなけばならない。
多目的フリゲート・プロジェクト22350は
「北方計画設計局」により開発された遠海ゾーン大型戦闘艦であり、幅広い課題の解決を意図している。
同プロジェクト
フリゲートの排水量は4500トン、全長135メートル、幅15メートル、吃水4.5メートル。
艦は最大30ノットの速力発揮が可能である。
兵装は、
「オーニクス」或いは
「カリブル」を装弾する海上及び沿岸目標への攻撃が可能な
汎用ミサイル複合体「カリブル-NK」、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」、対潜兵器複合体「パケート」、130mm砲A-192が1基、
自己防衛ミサイル-砲複合体「パラシ」2基である。
航空兵装として
ヘリコプターKa-27PLが有る。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型][アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]ロシア海軍の
新世代水上戦闘艦(大洋ゾーン艦)・
プロジェクト22350大型警備艦(フリゲート)の1番艦
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水しました。
2013年7月31日からは工場岸壁で係留試験が開始されました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の係留試験が始まった]しかし、
「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載予定の
A-192M 130mm単装砲の開発と製造は遅延に遅延を重ね、この為、
「アドミラル・ ゴルシコフ」の就役も当初計画より大幅に遅れる事になりました。
[ロシア海軍への新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の引き渡しは130mm砲の問題により延期される]130mm砲は2014年9月に入り、ようやく
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へ届けられ、
「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載されました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の為の130mm砲は完成した][ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」に130mm砲が搭載された]その後、
「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始しました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始した][ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は航行試験の準備が出来ている]11月8日、
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」岸壁を離れ、
クロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はサンクトペテルブルクを去った][ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]11月18日、
クロンシュタットを出航し、
工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は工場航行試験を開始した]その後、試験は一旦中断し、2015年1月上旬から再開されました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新年休暇の後に洋上試験を再開する]現在は
サンクトペテルブルクへ戻っており、1月下旬から
工場航行試験の「次の段階」へ進みます。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年1月下旬から洋上試験の次の段階へ進む]「アドミラル・ゴルシコフ」は、今年11月に
ロシア海軍へ引き渡される予定です。
[最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年11月にロシア海軍へ引き渡される]
その
「アドミラル・ゴルシコフ」は、2014年12月末、
ガスタービンエンジンにトラブルが発生したと報じられました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"のガスタービンエンジンに問題が発生した?]今回の記事によると、問題が有ったのは、
ガスタービンエンジンM90FRそのものでは無く、エンジンの
制御システムであり、その動作不良により、エンジンへ燃料が必要以上に送られ、タービンブレードが焼けてしまったという事のようです。

そして、損傷した
「アドミラル・ゴルシコフ」の
ガスタービンは、同型艦
「アドミラル・カサトノフ」の
ガスタービンと交換されたとの事です。
建造元の
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、
「アドミラル・ゴルシコフ」の
ガスタービンには何の問題も無いと表明していますが、これは、
「アドミラル・カサトノフ」の
ガスタービンと交換した後を指していたという事でしょう。