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ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で防空演習を行なった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月18日03時00分配信
【ロシア北方艦隊の戦闘艦はバレンツ海で対空防衛に取り組んだ】
モスクワ、3月18日-ロシア通信社ノーボスチ

戦隊水雷艇(駆逐艦)「アドミラル・ウシャコーフ」に率いられる戦闘艦は、ロシア北方艦隊の部隊の戦闘即応状態の抜き打ち検査中にバレンツ海で対空防衛任務へ取り組んだ。
水曜日、ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部は発表した。

演習には、様々なクラスの約10隻の戦闘艦が参加し、艦上対潜航空隊の支援下で行動した。

「北方艦隊の部隊の抜き打ち検査中に、戦隊水雷艇アドミラル・ウシャコーフ率いる異種戦力打撃グループは、2つの探索打撃艦グループの対潜艦と連携した合同演習をバレンツ海エリアで実施しました。
艦は合同で機動及び隊列再編、海上のグループ内での組織的対空防衛の要素へ取り組みました」

声明では、こう述べられた。

演習への取り組み過程で、航行中の当直及び警戒勤務、対潜任務遂行中の組織的通信、指定海域周辺の水上、水中、空中の情報交換といったエピソードの評価が行なわれた事は注目される。


2015年3月16日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、北方艦隊を主体とした抜き打ち演習の実施を命じました。
[ロシア海軍北方艦隊(と西方軍管区と空挺軍)の抜き打ち演習が始まる]

翌3月17日、北方艦隊の演習参加部隊が出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜演習を行なう]

そして北方艦隊海軍歩兵部隊(第61キルケネス赤旗独立海軍歩兵旅団)北極圏で上陸演習を行なう為、大型揚陸艦「コンドポガ」へ乗り込みました。
[北方艦隊の海軍歩兵は北極圏で上陸演習を行なう]

更には、直接演習には参加せずに北方艦隊主要基地セヴェロモルスクに停泊していた艦も、動けるものは全て港を離れる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊主要基地セヴェロモルスク在伯艦は「空襲から退避する為」に出航した]


抜き打ち演習3日目は、バレンツ海での防空演習が行なわれました。

今回の記事に登場する駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」率いる打撃艦グループの他に、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」率いる対潜艦グループと、もう1つ対潜艦グループが行動しているようです。

ロシア海軍北方艦隊主要基地セヴェロモルスク在伯艦は「空襲から退避する為」に出航した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月17日13時10分配信
【北方艦隊の艦は演習中に仮想「攻撃」から退避した】
セヴェロモルスク、3月17日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊主要基地-セヴェロモルスクは、今朝、「敵」の空中攻撃から保護された。
ロシア連邦国防省の代理人が記者団へ伝えたように、殆ど全ての艦は係留地から離れ、海へ退避した。

「セヴェロモルスクに駐留する北方艦隊の主力水上部隊は海へ出ました。
伝えられた所によると、演習におけるこのエピソードは、仮想敵の空中攻撃下で行なわれました」
ロシア連邦国防省
広報サービス・情報管理部代表は話した。

バレンツ海の指定海域へは、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」が向かった。

「重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは、このエピソードの下で埠頭から出航し、コラ湾泊地に居ます」
士官は付け加えた。


2015年3月16日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、北方艦隊を主体とした抜き打ち演習の実施を命じました。
[ロシア海軍北方艦隊(と西方軍管区と空挺軍)の抜き打ち演習が始まる]

翌3月17日、北方艦隊の演習参加部隊が出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜演習を行なう]

そして北方艦隊海軍歩兵部隊(第61キルケネス赤旗独立海軍歩兵旅団)北極圏で上陸演習を行なう為、大型揚陸艦「コンドポガ」へ乗り込みました。
[北方艦隊の海軍歩兵は北極圏で上陸演習を行なう]

今回の抜き打ち演習には、北方艦隊の全ての艦が参加しているわけではありませんが、直接演習に参加しない艦も、まったく無関係ではいられませんでした。

今回は、直接演習には参加せずに北方艦隊主要基地セヴェロモルスクに停泊していた艦も、動けるものは全て港を離れる事になりました。
セヴェロモルスクが空襲を受けたので、退避のために出航するという想定下で。

北方艦隊の海軍歩兵は北極圏で上陸演習を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月17日11時30分配信
【ロシア海軍歩兵は抜き打ち検査中に北極圏へ上陸する】
モスクワ、3月17日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊海軍歩兵は火曜日に抜き打ち検査の枠組において北極圏の無防備の海岸への上陸を実施する。
艦隊広報サービスは発表した。

「本日、北方艦隊海軍歩兵旅団は、待機エリアから積載場所である大型揚陸艦コンドポガへの行軍を行ない、大型揚陸艦のドックへの車輌積載を始めました。
積載後、大型揚陸艦コンドポガは海洋へ出航します。
指定海域へ海洋揚陸部隊を送り届け、その後に無防備の海岸へ上陸する為に」

声明では、こう述べられた。

上陸場所は、北方艦隊の監査を実施する参謀本部が正式に決定しなければならず、その後でのみ大型揚陸艦は海へ出る。

北方艦隊海軍歩兵の戦闘車両を積載した大型揚陸艦「コンドポガ」は、使い古した方法である「接岸」を繰り返し実行し、揚陸艦が海岸へ近づくと海岸線でランプを降ろす。
このような方法は、車輌の積載を著しく速くし、最も安全である。

この施策には、北方艦隊海軍歩兵の軍備として在籍する標準使用の自動車及びキャタピラ戦闘車輌が関わる:装甲輸送車BTR-80、多目的軽装甲トラックMTLB-B


2015年3月16日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、北方艦隊を主体とした抜き打ち演習の実施を命じました。
[ロシア海軍北方艦隊(と西方軍管区と空挺軍)の抜き打ち演習が始まる]

翌3月17日、北方艦隊の演習参加部隊が出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜演習を行なう]

そして北方艦隊海軍歩兵部隊(第61キルケネス赤旗独立海軍歩兵旅団)北極圏で上陸演習を行なう為、大型揚陸艦「コンドポガ」へ乗り込みました。
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ただ、現時点では何処に上陸するのかは明らかにされていません。

ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜演習を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月17日10時51分配信
【北方艦隊の3つの艦船グループがバレンツ海へ出た】
セヴェロモルスク、3月17日-ロシア通信社ノーボスチ

2日目、ロシアでは、ロシア連邦軍の北方各部隊の大規模な点検が続行されている:朝、バレンツ海へ3つの艦船グループが飛行士と共に出航し、仮想敵潜水艦の探索に取り組む。

ロシア連邦国防省の代理人が記者団へ伝えたように、その構成に大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、小型対潜艦「ブレスト」「ユンガ」が含まれる探索打撃艦グループは、北方艦隊対潜航空隊と共にバレンツ海の指定海域で原子力潜水艦の探索を始めた。

「艦の乗組員は、潜水艦探索の水中音響設備を使用する戦術機動演習を実施します。
反応爆雷装置RBU-6000の射撃を含む対潜兵器及び艦の自己防衛設備の模擬および実地使用への取り組みが行なわれます」

軍当局の代理人は述べた。

グループの行動を統制する旗艦指揮所は「アドミラル・レフチェンコ」艦上に位置している。

近海ゾーンでの「敵」潜水艦探索への取り組みは、後で海洋へ出てくる北方艦隊原子力潜水艦の安全の確保の為でもある。

加えて、この場所では更に機雷掃海艦グループの作業が継続され、捜索救助部隊を支援する。


2015年3月16日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、北方艦隊を主体とした抜き打ち演習の実施を命じました。
[ロシア海軍北方艦隊(と西方軍管区と空挺軍)の抜き打ち演習が始まる]

翌3月17日、北方艦隊の演習参加部隊が出航しました。

今回の記事によると、演習参加部隊は3グループに分かれているとの事です。

その内の1つは対潜艦を中核とする探索打撃艦グループです。

大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」
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小型対潜艦「ブレスト」
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小型対潜艦「ユンガ」

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2つ目は掃海艦を中核とする機雷掃海艦グループ、3つ目は捜索救助部隊のようです。

ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリはフランス人の手により出航した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月16日17時21分配信
【ヘリコプター空母「ミストラル」は大西洋での試験の為に造船所を去った】
モスクワ、3月16日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアの為にフランスで建造された第2の「ミストラル」型揚陸ヘリコプター母艦は、月曜日に公海での航行試験へ出発した。

ヘリコプター空母「セヴァストーポリ」は、3隻の曳船の助けを借りて現地時間13時00分にサンナゼール市造船所を去った事をAFP通信社は指摘した。
同艦は金曜日に港へ戻る予定である。

艦は、造船所の従業員により構成された乗組員と共に航行試験へ向かった。
フランス造船産業の代理人がロシア通信社ノーボスチへ伝えたように、もしもサンナゼールロシア人船員が到着したのならば、(試験)プログラムを繰り返す事になる。

2隻のヘリコプター空母の供給契約は2011年にフランスDCNS社「ロソボロネクスポルト」の間で締結された。
フランスは、1番艦「ウラジオストク」を昨年11月に引き渡す事になっており、その日付は11月14日であると発表されたが、それは実現には至っていない。

(2014年)12月、フランス首相はマニュエル・ヴァルスは、取り引きが挫折する可能性について話すのは「時期尚早」と考えていると表明した。
ロシアは、フランスに対し、艦の引き渡し、或いは代金の返済を望んでいる。

現在、アメリカ合衆国は、艦の引き渡しには積極的に反対している。
パリは、一方ではロシアとの契約は履行されなければならないと表明し、そしてもう一方では、ウクライナ状況解決の進展と艦の引き渡しをリンクさせている。

以前、ロシア通信社ノーボスチ造船業界の情報提供者より伝えられたように、アメリカ合衆国アメリカ民間客船建造の発注を実行する為、「ミストラル」STX造船所へ建造を提示した。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向け「ミストラル」級2番艦「セヴァストーポリ」(の前半部分)は、2013年6月18日にフランスサンナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦が起工された]

同艦の後半部分は、2013年7月4日にロシアバルト工場(サンクトペテルブルク)で起工されました。
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦の後部はバルト工場で起工された]

2014年4月30日には後半部分が進水し、7月15日には、前部と接合する為にサンナゼールへ到着しました。
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリ後部はサンナゼールへ到着した]
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体接合が始まった]

2014年11月下旬に進水しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母2番艦セヴァストーポリはフランスのサンナゼールで進水した]

「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国フランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]

フランス側は、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

未だサンナゼールに留め置かれている「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」ですが、2015年2月12日、「セヴァストーポリ」自動船舶識別装置(AIS:Automatic Identification System)に登録されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母2番艦セヴァストーポリは自動船舶識別装置(AIS)に登録された]

「セヴァストーポリ」が2015年3月から洋上試験を開始するという話は、以前から何度も出ていました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2015年3月後半に洋上試験を開始する]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリはフランス人の手により2015年3月に洋上試験を行なう]

そして3月16日、「セヴァストーポリ」サンナゼールから出航しました。


3月20日に帰港する予定です。

ロシア海軍北方艦隊(と西方軍管区と空挺軍)の抜き打ち演習が始まる

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2015年3月16日9時31分配信
【ウラジーミル・プーチンの決定により、北方艦隊、西方軍管区の連合部隊、空挺軍の戦闘即応体制の抜き打ち査察が実施される】

ロシア大統領にしてロシア連邦軍最高司令官ウラジーミル・プーチンは、モスクワ時間3月16日8時00分、抜き打ち査察の枠組において北方艦隊、西方軍管区の各連合部隊、空挺軍の完全な戦闘即応状態の発動の指示を与えた。

この指示書は、ロシア連邦国立防衛管理センターにおいて国防相セルゲイ・ショイグ上級大将が開封した。

軍当局のトップは、38000名の軍人、3360両の軍用車両、41隻の戦闘艦、15隻の潜水艦、110機の航空機及びヘリコプターがこの査察を受けると説明した。

同時に軍の総司令官、軍種司令官、参謀総長、国防省中央管理部は訓令指示を受けた。


2010年のロシア連邦軍の改編後から昨年(2014年)末まで北方艦隊西方軍管区の指揮下に在りましたが、2014年12月1日、北方艦隊西方軍管区の指揮下を離れ、新たな北方統合戦略司令部として独立しました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
[ロシア海軍北方艦隊(北方統合戦略司令部)の2015年の最優先事項は北極圏での活動となる]

「抜き打ち演習」ロシア連邦軍の毎年の恒例行事と化していますが、今回の演習は、北方艦隊の指揮系統改編後初めてとなります。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはマレーシアへ到着した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月16日11時14分配信
【ロシア艦船支隊は展示会へ参加する為にマレーシアへ到着した】
モスクワ、3月16日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊艦船支隊は、月曜日にマレーシアランカウイ島へ到着した。
国際航空・宇宙・海軍機器展示会「リマ-2015」へ参加する為に。
太平洋艦隊広報サービス部長ローマン・マルトフ1等海佐は発表した。

3月22日の訪問完了後、ロシア艦船支隊太平洋での遠距離航海任務遂行を継続する。

「本日、大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフ、給油船ペチェンガ、曳船SB-522で構成され、アレクサンドル・ポタポフ1等海佐の指揮下で太平洋での戦闘任務を遂行している太平洋艦隊艦船支隊は、マレーシアのランカウイ島へ到着しました」
マルトフ
は伝えた。

彼は、6日間の訪問中に太平洋艦隊将兵は国際航空・宇宙・海軍機器展示会「リマ-2015」へ参加し、公式の開会式は3月17日に予定されている事を付け加えた。

太平洋艦隊艦船支隊は2月初頭にウラジオストク港を去った。
戦闘勤務中に太平洋艦隊将兵は一連の仮想敵潜水艦の探知・破壊の演習、そして艦内戦闘科訓練を実施した。
海軍歩兵対テロリスト部隊艦船支隊の保護及び防衛行動へ取り組んだ。


大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」を中核とするロシア太平洋艦隊艦船支隊は、2015年2月初頭にウラジオストクを出港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはベトナムへ行く]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは遠距離航海へ出発した]

2月5日、対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年2月5日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

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2月上旬に南シナ海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は南シナ海で対潜戦闘訓練を行なった]

2月中旬にはベトナムカムランを訪問しました。
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3月1日~5日までタイ王国サッタヒープ海軍基地を訪問しました。
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『タイニュース』より
2015年3月12日17時30分配信
【タイを訪問したロシアの戦闘艦】

タイ海軍側のホストシップは外洋哨戒ヘリコプター母艦(軽空母)「チャクリ・ナルエベト」が務めたようです。

「アドミラル・パンテレーエフ」タイで一般公開されました。


そして3月16日、マレーシアランカウイ島へ到着しました。
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記事中で触れられている『LIMA(Langkawi International Maritime and Aerospace Exhibition)-2015』は2015年3月17日から21日まで開催されます。
【『LIMA-2015』公式サイト】
【『LIMA-2015』公式ツイッター】

ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)

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『タス通信』より
2015年3月13日9時34分配信
【海洋の守護者:ロシア海軍の新たなフリゲート】

ロシア海軍の為にカリーニングラード造船工場「ヤンターリ」で建造されているプロジェクト11356Rフリゲートのトップ-警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、3月末に航行試験へ出発する予定である。

プロジェクト警備艦は、大洋及び海洋エリアで単独或いは艦船部隊の一員として戦闘活動を実施する為に意図されている。
それは、敵の潜水艦を破壊し、戦闘艦及び船舶の対艦、対空、対潜防衛を実施し、陸上部隊の行動を支援し、海洋揚陸部隊の上陸を保障する事が出来る。

2015年の国家防衛発注に沿って、海軍は今年末までに2隻のプロジェクト11356警備艦を受領する-第2のフリゲート「アドミラル・エッセン」と命名された。

更に海軍は、2015年に別のフリゲート-「アドミラル・ゴルシコフ」を取得しなければならない。
これは、ソヴィエト社会主義共和国連邦が崩壊して以来、我が国で設計された最初の大型艦である。

計画によると、全ての艦(11356R)は、黒海艦隊へ引き渡される。
新たなフリゲートは、今年に軍事船員を受け入れる-タス通信の特別なデータによると。


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[海洋での汎用性]

2000年代半ば、ロシア海軍の艦は緊急の近代化の必要に迫られていた。
海軍の戦闘編制には、同じクラスの複数の異なる種類の艦が在籍しており、水上艦の平均年齢は20年だった。
特に海軍の構成には、7つの異なるプロジェクトの8隻の警備艦が含まれていた。
これは全て供給及び修理で深刻な問題を引き起こした。

その結果、プロジェクト11356をベースとしたロシア海軍の為の警備艦の起工が決定された。
このフリゲートは、インドとの輸出契約により建造されており、ロシアの造船所はよくマスターしていた。
入札の結果、2010-2011年に国防省沿バルト造船工場「ヤンターリ」は、6隻のフリゲートの建造契約を締結した。
これらの艦は全て黒海艦隊の一員として加わる予定である。

現在、2隻の警備艦-「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」は、海軍への引き渡しの準備を完了している。
更に3隻の「アドミラル」が建造段階に在る-「マカロフ」、「ブタコフ」、「イストミン」
6番艦「アドミラル・コルニロフ」の起工の問題は未解決のままである。

4隻の警備艦の建造中にロシア防衛産業企業体の輸入代替プロセスが影響する可能性は排除されない。
既に進水している最初の2隻のフリゲート、更に造船台上に在る1隻にはウクライナで製造されたガスタービン動力装置が装備されるが、残りの艦にはロシア製品が充当される。

2014年秋、北方計画設計局(プロジェクト11356の開発者)の代表ウラジーミル・スピリドプロは、代替案としてルイビンスク科学生産合同「サトゥルン」のエンジンを考慮していると表明した。
彼によると、同社は開発者に2つの案を提示した。

1つ目は、出力27000馬力のエンジンM90FRを2基使用する事である-それはプロジェクト22350フリゲート(「アドミラル・ゴルシコフ」型)へ装備されている。

現在は、ウクライナで開発され、「サトゥルン」がマスターした装置の生産が実行されている。
しかし、このようなエンジンの為には、プロジェクト11356フリゲートの内部区画を再設計しなければならない。

2つ目の提案は、「サトゥルン」の新たなエンジンM70MFRUの使用に関するものであるが、出力が低いが為に艦へ4基を配置しなければならない。


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[火力と周辺防御]

プロジェクト11356警備艦の戦闘力は、垂直発射装置に配置された8基の有翼ミサイル「カリブル-NK」高射ミサイル・砲システム「シチーリ-1」「パラシ」速射機関砲AK-630M、汎用砲A-190、更には533mm魚雷発射管反応爆雷装置RBU-6000である。

有翼ミサイル「カリブル」(NATO分類-SS-N-27「シズラー」)は、エ​​カテリンブルク試作設計局「ノワトール」により開発され、地上及び水上目標の双方を攻撃できる。
このミサイルを対艦に使用する際には炸薬が装填された貫​​通弾頭が装備される。
(弾頭が敵艦の上部構造物の中に入れば損傷が発生する)
陸上目標破壊の為に意図されるミサイルには、地雷あるいはカセット弾頭が装備される。

最新の高射ミサイル複合体「シチーリ-1」は、電波電子海洋科学研究所「アルタイル」により開発された。
それは、艦載3次元電波位置特定ステーション火力管理システムミサイルの垂直発射装置パッケージを組み合わせたものである。
パッケージには、12~36基のミサイルを含むことが出来る。

注目すべきは、垂直発射である。
ミサイルは推進エンジン始動前にコンテナから射出され、目標サイドへ命中する。
それは、艦の円形対空防衛と複合体の高い発射速度-1分間に30回の発射を提供する。
今年、「シチーリ」の試験が実施される。

高射ミサイル砲複合体「パラシ」は、「中央精密機械製造科学研究所」により開発され、近接ゾーンでのミサイル攻撃の撃退の為に意図されている。
高射ミサイル砲複合体の構成には、2基の6連式30mm自動機関砲と8基のミサイル「ソスナ-R」が含まれている。
目標の捕捉及び追尾は、レーダー及び光学電子管理システムにより行なわれる。

速射機関砲AK-630は、更なるフリゲートの対ミサイル防衛要素である。
それは1分間の発射速度4000-5000発であり、空中目標及び小型水上艦の双方を攻撃できる。

砲装置A-190は、最大射程20kmの小塔型単砲身自動砲である。
その利点には、高度の自動化も含める事が出来るだろう。
射撃管理モジュールからのオペレータの指示により、当直及び戦闘即応体制下での砲装置の自動発射が提供され必要な種類の弾薬と、その供給が選択される。

そのお蔭でA-190は、最小の即応時間と高い発射速度を有する。
それは、破片化爆薬(衝撃信管)の単一装填弾と高射弾(遠隔操作信管)を使用する。

更に、フリゲートには対潜ヘリコプター(Ka-27Ka-31)の為の格納庫と発着場が装備されている。


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[新型で最大]

プロジェクト22350フリゲートのトップであり、先に述べたようにソヴィエト連邦崩壊後にロシアで設計された最初の大型戦闘艦である遠海ゾーン多目的警備艦「アドミラル・ゴルシコフ」は、2015年11月に海軍の戦闘編制へ加わる
既に1月には試験の第2段階が始まっており、近い内には試験運用で採用されるかもしれない。

同類のプロジェクト11356Rと同様に、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、敵の水上艦船及び地上施設の破壊、巡視勤務、哨戒及び海上交通路の保護、対潜・対空防衛の為に意図されている。
ただし、強化された動力及びより強力な兵器という点においては異なる。

フリゲートの主要推進装置は、ディーゼル-ガスタービンである。
それは出力27500馬力の2基の増速用ガスタービンエンジンと、各5200馬力の2基の推進用ディーゼルエンジンで構成されている。
プロジェクト11356R艦と同様に、警備艦の為のエンジンウクライナの企業「ゾーリャ-マシプロイェクト」で製造されているが、他のフリゲートシリーズにはロシア製品が装備される。

「アドミラル・ゴルシコフ」の兵装は、「カリブル」或いは「オーニクス」ミサイルを有する対艦ミサイル複合体高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」、対潜魚雷複合体「パケート-NK」、130mm砲装置A-192Mで構成されている。

「オーニクス」 汎用対艦ミサイルであり、沿岸移動式複合体「バスチオン」、水上艦、更にはプロジェクト885多目的原子力潜水艦「ヤーセン」に配置されている。
ミサイルの射程は300~450kmであり、低高度軌道飛翔の場合には120kmである。

高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥートは、前述のフリゲート「シチーリ-1」と同様に垂直発射方式であり、ミサイルはコンテナから射出されるが、唯一の違いは火薬カタパルトではなく、圧縮空気の充当による点である。
更なる「ポリメント-リドゥート」の特徴は、目標までの飛翔制御弾頭の存在、飛翔終末期における能動的電波位置特定自己誘導(アクティブレーダーホーミング)、更には超機動性(ミサイルは20kgまでの積載物を載せて機動を行なうことが出来る)にある。

汎用自動砲装置A-192Mは、プロジェクト22350フリゲートの為にサンクトペテルブルク設計局「アルセナル」が開発し、艦載砲システムAK-130がベースとなった。
変更点は、装置の軽量化、更には、新たなレーダー射撃管理システム「プーマ」5P-10の使用に及んでいる。
A-192Mの将来の弾薬には、破片化爆薬及び高射弾に加え、自己制御及び能動反応弾薬が含まれる。

フリゲート22350は、更にヘリコプターKa-27を搭載できる。


[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

現在までに、プロジェクト11356Rは5隻、プロジェクト22350は4隻起工されています。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造

「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2015年就役予定

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2015年就役予定

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2016年就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2016-2017年就役予定

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2016-2017年就役予定



[プロジェクト22350大型警備艦]
造船工場「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」(サンクトペテルブルク)で建造

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
Адмирал флота Советского Союза Горшков:工場番号921
2006年2月1日起工/2010年10月28日進水/2015年11月就役予定

「アドミラル・フロータ・カサトノフ」
Адмирал флота Касатонов:工場番号922
2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2016年就役予定

「アドミラル・ゴロフコ」
Адмирал Головко:工場番号923
2012年2月1日起工/2015年12月進水予定/2017年就役予定

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
Адмирал флота Советского Союза Исаков:工場番号924
2013年11月14日起工/2017-2018年就役予定


11356Rは計6隻、22350は改良型の22350Mと合わせて少なくとも15隻が調達される計画です。

ロシア黒海艦隊のロケット艦は砲撃訓練を実施した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月12日10時43分配信
【ロシア黒海艦隊艦艇は仮想敵へミサイル打撃を与える演習を行なった】
モスクワ、3月12日-ロシア通信社ノーボスチ

戦術グループの一員である黒海艦隊ロケット艦は、仮想敵へミサイル打撃を与えた。
木曜日、ロシア連邦黒海艦隊情報供給部長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐は記者団へ伝えた。

「エアクッションロケット艦ボラ、ロケット艇イワノヴェッツ、R-109は、ミサイル兵器の仮想使用による海上戦闘の実施と並んで
模擬海上標的を目標とする実地砲射撃を実行しました」

彼は話した。

近い内に艦艇乗組員は、海上での高射砲射撃実行による単独艦及び艦艇支隊の組織的対空防衛の演習を実施する。

艦艇と相対するのは黒海艦隊海洋航空隊前線爆撃機Su-24であり、艦の為の空中目標の投下には水陸両用航空機Be-12が関わる。

国防省が発表したように、ロシア軍は毎年、様々な規模の約3500回の演習を実施している。
西方での「ロシア連邦軍の活性化の増加」は、大いなる不安性が原因であり、国防省が指摘したように、軍の準備と演習はロシアの国内問題である。


現在、ロシア黒海艦隊には、エアクッションロケット艦2隻、小型ロケット艦2隻、ロケット艇5隻が在籍しています。

第41ロケット艦旅団
[第166小型ロケット艦大隊]
エアクッションロケット艦「ボラ」
エアクッションロケット艦「サムム」
小型ロケット艦「ミラーシュ」
小型ロケット艦「シチーリ」

[第295ロケット艇大隊]
ロケット艇R-60
ロケット艇R-71
ロケット艇R-109
ロケット艇R-239
ロケット艇R-334「イワノヴェッツ」


これらのロケット艦は、毎年定期演習を実施しています。
[ロシア黒海艦隊のロケット艦部隊は対艦ミサイル発射訓練を行なった]
[黒海艦隊のロケット艦部隊は対艦ミサイル発射演習を行なった]
[ロシア黒海艦隊の3隻のロケット艦は演習を行なった]

今回の演習には、この3隻が参加しました。

エアクッションロケット艦「ボラ」
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ロケット艇R-334「イワノヴェッツ」
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ロケット艇R-109

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ただ、今回の演習では対艦ミサイルの実弾発射は行なわれておらず、搭載砲の実弾射撃のみが行なわれたようです。


なお、ロシア連邦軍南方軍管区に所属する陸上部隊も、北カフカース、クリミア、アルメニア、南オセチア、アブハジアで大規模な砲撃演習を実施しています。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月12日12時31分配信
【大砲はクリミアを含むロシア南部で射撃を実施する】

更には、バルト艦隊大型揚陸艦「コロリョーフ」、掃海艇BT-212バルト海で対艦、対空砲撃訓練を行なっています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月12日11時25分配信
【バルト艦隊の艦艇は海上及び空中目標への射撃を実施した】

北方艦隊小型ロケット艦「アイスベルク」バレンツ海で砲撃訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の小型ロケット艦は砲撃訓練を行なった]

ロシア海軍北方艦隊の小型ロケット艦は砲撃訓練を行なった


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月12日9時57分配信
【北方艦隊のロケット艦はバレンツ海で射撃を実施した】
モスクワ、3月12日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア北方艦隊小型ロケット艦「アイスベルク」は、バレンツ海戦闘訓練射爆場で海洋及び沿岸目標を攻撃する砲射撃を実施した。

「演習実施の主な焦点を、乗組員は空中目標への射撃実施準備に費やしました。
模擬空中目標の設置の役目は、北方艦隊海洋航空隊の艦上戦闘機航空連隊の甲板戦闘機Su-33に割り当てられました」

北方艦隊広報サービスは木曜日に発表した。

砲術班は空中目標への攻撃を実施し、
「空中攻撃の撃退の為、全ての乗組員が活動に取り組んだ」

国防省が発表したように、ロシア軍は毎年、様々な規模の約3500回の演習を実施している。
西方での「ロシア連邦軍の活性化の増加」は、大いなる不安性が原因であり、国防省が指摘したように、軍の準備と演習はロシアの国内問題である。


小型ロケット艦「アイスベルク」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)「アルマーズ」造船所で1976年11月11日に起工され、1979年4月20日に進水、1979年9月30日にソ連海軍へ納入されました。
その後、北方艦隊へ配備され、現在に至っています。
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その「アイスベルク」は、今回、バレンツ海で海上、沿岸、空中目標への砲撃訓練を行ないました。

対空砲撃訓練の際には、北方艦隊海洋航空隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」艦上戦闘機Su-33が空中標的を投下しました。
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[ロシア海軍艦上戦闘機部隊の指揮官が交代した]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦は日本海で演習を開始した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月11日12時46分配信
【東方軍管区:ロシアの大型揚陸艦は日本海で演習を実施する】
モスクワ、3月11日-ロシア通信社ノーボスチ

大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」「ペレスウェート」日本海で演習を開始した。
東方軍管区広報サービスは発表した。

「冬期戦闘演習の次の段階の一環として、揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイとペレスウェートは日本海で複合戦闘訓練任務を遂行します。
海洋への出航は戦術演習期間の集大成となり、揚陸部隊上陸の為の戦闘として沿岸目標への砲射撃が行なわれます」

声明では、こう述べられた。


大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(055)「ペレスウェート」(077)は、2013年春から同年末まで地中海へ派遣されました。
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~12月)]

「アドミラル・ネヴェリスコイ」は、2014年後半から2015年初頭に掛けてウラジオストクの艦船修理工場で修理が行なわれ、最近復帰しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは2015年2月に修理を終えて復帰する]

ロシア海軍の新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年3月末から洋上試験を開始する

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『タス通信』より
2015年3月10日17時46分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は3月末からバルト海で航行試験を開始する】
カリーニングラード、3月10日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ

ロシア海軍の為に造船工場「ヤンターリ」で建造されているプロジェクト11356フリゲートのトップである警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、3月末からバルト海で航行試験を開始する。
本日(3月10日)、タス通信特派員は同社の広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「アドミラル・グリゴロヴィチの航行試験は3月26-27日から始まる予定です。
現在、同艦は工場のドックでの磁力消去作業を完了しており、その後、受け入れ基地となるバルチースク港へ移動します」

彼は話した。

黒海艦隊へ受領される警備艦の航行試験は、恐らくは5月末まで続き、その後、顧客へ引き渡される。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」「ヤンターリ」で2010年12月に起工され、2014年3月に進水した。

国防省と署名した2つの契約の下で、「ヤンターリ」「北方計画設計局」により開発されたプロジェクト11356警備艦シリーズを建造している。
「グリゴロヴィチ」に加え、黒海艦隊の為の最新フリゲートシリーズには、「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」、「アドミラル・ブタコフ」、「アドミラル・イストミン」が含まれている。
カリーニングラード造船所は、シリーズの建造を2017年に完了しなければならない。

プロジェクト11356警備艦は、大洋及び海洋エリアで単独或いは艦船部隊の一員として戦闘活動を実施する為に意図されている。
それは、敵の潜水艦を破壊し、戦闘艦及び船舶の対艦、対空、対潜防衛を実施し、陸上部隊の行動を支援し、海洋揚陸部隊の上陸を保障する事が出来る。


[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦の1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水しました。
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は進水した]

その後、2014年12月初頭から造船所の岸壁で係留試験が開始されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月5日8時7分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は係留試験を開始した】

12月21日にはガスタービンエンジンが初めて始動されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月21日14時24分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めてエンジンを始動した】

そして2015年2月17日、出航前の消磁作業の為、「ヤンターリ」浮きドックへ入りました。
[ロシア海軍の新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は消磁作業を開始した]

現在、消磁作業は完了しており、今後はカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ移動した後、3月26-27日から洋上試験が開始されるとの事です。
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、今年(2015年)にロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備される予定です。
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年夏以降に黒海艦隊へ配備される]


プロジェクト11356Rの2番艦以降も建造が進んでいます。

警備艦「アドミラル・エッセン」(2011年7月8日起工/2014年11月8日進水)
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右:警備艦「アドミラル・マカロフ」(2012年2月29日起工)
左:警備艦「アドミラル・ブタコフ」(2013年7月12日起工)
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ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦4番艦クラスノダールは2015年4月28日に進水する

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『タス通信』より
2015年3月10日13時57分配信
【黒海艦隊の為の第4の「ワルシャワンカ」は4月28日に進水する】
モスクワ、3月10日/タス通信

黒海艦隊の為の潜水艦シリーズの4隻目となるプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦「クラスノダール」は4月28日に進水する。
タス通信「アドミラルティ造船所」の情報提供者より伝えられた。

「クラスノダールの進水は4月28日に予定されています」
対談者は話した。

彼は、潜水艦が昨年2月下旬に起工された事を想起した。
同艦は今年11月に海軍への引き渡しが計画されている。

黒海艦隊は計6隻のプロジェクト636.3潜水艦(ワルシャワンカ)を受領しなければならない。
2隻の潜水艦「ノヴォロシースク」「ロストフ・ナ・ドヌー」は昨年に海軍へ引き渡された。

「スタールイ・オスコル」と命名された3隻目は、先週に工場航行試験へ出発した。
海軍は同艦を6月に取得する予定である。


[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は2014年2月20日に起工されました。

[プロジェクト06363潜水艦クラスノダールは起工された]

その後、建造工事は順調に進められ、起工から約1年2ヶ月後の2015年4月28日に進水する事になりました。


ロシア海軍向けのプロジェクト06363非核動力潜水艦は、これまでに6隻が起工され、この内の2隻が就役しています。
全てサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で建造されています。
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現在の所、6隻が建造される計画です。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代非核動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年6月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月28日進水予定/2015年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定


プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した

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『bmpd』より
2015年3月8日3時46分配信
【最初のKa-52K】

アルセーニエフウェブ・リソース『biznesars.ru』が伝えたように、公開株式会社『アルセーニエフ航空機会社N.I.サズーキン記念「プログレス」』で製造された艦上ヘリコプターKa-52Kの試作機のトップは2015年3月7日に初飛行を行なった。
ヘリコプターは濃いグレーで塗装され、「ロシア海軍海洋航空隊」の文字が書かれているが、機体番号は無い。

ヘリコプターKa-52Kは、戦闘ヘリコプターKa-52の艦載ヴァージョンである。
3月7日に空中へ上がった機体は、2012年の公開株式会社『カモフ』との33億9600万ルーブルの契約の枠組における4機の試作ヘリコプターKa-52Kの1機目である。
この契約条件下で、最初の試作ヘリコプター公開株式会社『カモフ』への納入は2013年に実行され、4機の試作ヘリコプター全ては2014年10月までに納入されなければならなかった事は注目される。

2014年4月8日、ロシア国防省は、アルセーニエフ航空機会社プログレスと32機の生産ヘリコプターKa-52Kの供給契約へ署名し、この内の最初の12機は2015年中に製造されなければならない。
当初、ヘリコプターKa-52Kは、フランスへ発注した2隻の「ミストラル」型ヘリコプター揚陸ドック艦での使用が意図されていたが、2015年初頭には、Ka-52Kの最初の10機の生産機は、カムチャツカ半島の沿岸基地で使用される機体となる事が報じられた。


艦載ヘリコプターKa-52K(空軍のKa-52の艦載機型)は、ロシア海軍ヘリコプター揚陸ドック艦「ミストラル」級への搭載の為に開発され、沿海地方航空機製造工場「プログレス」で生産されます。
[ロシア海軍のミストラル級の為の艦載ヘリコプターKa-52Kが生産される]
[ロシア海軍のミストラル級の為の艦載ヘリコプターKa-52Kは折り畳みブレードを有し、防錆処理が施される]

Ka-52Kの国家受領試験は2015年に完了します。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の為の艦上攻撃ヘリKa-52Kの国家試験は2015年に完了する]

ただし、搭載母艦となる「ミストラル」級ヘリ空母の引き渡しは、現在の所、無期限延期されています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

もしもロシア「ミストラル」級を受領できなかった場合、Ka-52Kは他の艦か、或いは陸上基地へ配備されることになります。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリKa-52Kはミストラル級ヘリ空母以外の艦に搭載されるかもしれない]

このような状況下で、2015年3月7日にKa-52Kの試作1号機が沿海地方航空機製造工場「プログレス」で初飛行しました。

この機体は、2012年に契約が締結されたKa-52K試作機の1機目となります。
[艦載ヘリコプターKa-52K試作機の製造が開始された]

当初の予定では、2013年中に初飛行を行なう事になっていましたが、大幅に遅れました。
試作機は計4機製造され、2014年末までに納入される予定でしたが、こちらも遅延しています。
[2014年末までにロシア海軍へ3機の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kが引き渡される]

ロシア海軍は世界の海でプレゼンスを強化する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月8日9時33分配信
【メディア:ロシアは海軍力を基礎とする地政学へ回帰する】
モスクワ、3月8日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊の近代化は、世界中におけるロシアの海洋プレゼンスの拡大の動きにおける重要な方向性の1つである。
『The Diplomat』は、こう記した。

「ロシアにとっては、中国にとっても同様であるように、アジア太平洋地域と東アジアにおけるアメリカ合衆国の方針は、確固たる脅威の性質を帯びている。
ロシアには、中国のように、日本との領土紛争が在る。
更にロシアは、朝鮮半島の地政学におけるキープレイヤーとして、自身の利益を有する」

同誌は指摘した。

その艦及び基地が北極圏プログラムアフリカの角における対海賊ミッションロシア軍中国との軍事演習へ関与する太平洋艦隊は、ロシア連邦の海洋政策における重要な役割を担っていると同誌は記した。

モスクワは、総合近代化プログラムの枠組において、太平洋艦隊への投資量を拡大させていると同誌は指摘した。

2014年、防衛産業企業体を監督するロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージンは、極東連邦管区における造船業発展の為の計画を発表し、その数週間後、ロシアはグローバルな海洋プレゼンスを拡大する意向を示し、ベトナム、キューバ、セーシェル諸島、シンガポール、ニカラグアへの海軍基地建設計画を発表した。
2013年10月の時点で、他国へのロシア海軍艦船の訪問数は、前年同時期を比較して35パーセント増加した。
更に同誌は、モスクワ-パリ間の政治的摩擦が解決されたのならば、2隻の「ミストラル」型ヘリコプター空母太平洋艦隊の軍備となる可能性が高い事を指摘した。

ロシアは、海軍力を基礎とする古典的な地政学へと回帰する意向であると『The Diplomat』は記した。
海軍の拡大、太平洋艦隊の近代化は、この方向におけるロシアの計画及び作業のデモンストレーションである。


『The Diplomat』の元記事
2015年3月6日
【ロシアの海洋における東方支配】


『The Diplomat』は、アジア太平洋地域における政治、安全保障などを専門とするオンライン雑誌です。

現在は、東京都渋谷区に在る「トランス・アジア」社の傘下に有ります。

『The Diplomat』は、3月初頭にもロシア太平洋艦隊について取り上げ、その戦力を過小評価すべきでは無いと指摘しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は過小評価すべきでは無い]

今回も、以前と同様にロシア国営メディア『ロシア通信社ノーボスチ』が取り上げ、その大まかな概要を紹介しています。

『The Diplomat』は、現在の所、アジア太平洋地域においては、ロシア中国の利害が概ね一致している事を指摘しています。
更には、両国とも日本との間に領土係争を抱えている事も。
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従いまして、両国が、アメリカと、更には、同国に同調する国々(日本を含む)へ対抗する為、今後、より一層協力関係を深める可能性は、そうならない可能性よりも遥かに高いでしょう。


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海軍に関しては、2012年以降、ロシア海軍中国海軍は毎年合同演習を実施しています。
ロシア側は、毎年太平洋艦隊の主力水上艦部隊を参加させており、演習統制官としてロシア海軍総司令部から総参謀長代理や総司令官代理が派遣されています。

「海洋協同-2012」:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

「海洋協同-2013」:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

「海洋協同-2014」:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

2014年1月には地中海でもロシア海軍中国海軍の合同演習が実施されました。
[地中海東部でロシア海軍と中国海軍の合同演習が実施される]
[地中海東部でロシア・中国海軍合同演習が始まった]

今年(2015年)も、地中海太平洋ロシア海軍中国海軍の合同演習が実施されます。
[ロシア海軍と中国海軍は2015年に地中海と太平洋で合同演習を実施する]

ロシア海軍日本海上自衛隊とも合同演習を行なってますが、こちらは共同での捜索救助訓練であり、海上戦闘訓練ではありません。


記事中でも指摘されているように、ロシア太平洋艦隊の近代化も着々と進めておりますが、それは、少なくとも中国へ対抗する為のものではない事は確かでしょう。

地中海東部におけるロシア海軍大型揚陸艦の動向(2015年3月7-8日)

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『ボスポラス海軍ニュース』によると、、2015年3月7日、ロシア海軍大型揚陸艦2隻がボスポラス海峡を北上し、翌3月8日、大型揚陸艦2隻が同海峡を南下しました。

大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031、北方艦隊)、「アゾフ」(151、黒海艦隊):3月7日にボスポラス海峡を北上
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」(110、バルト艦隊)、「ノヴォチェルカッスク」(142、黒海艦隊):3月8日にボスポラス海峡を南下

大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」「アゾフ」は2月25日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りましたが、それから約10日ほどで黒海へ戻りました。
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」は2月25日にボスポラス海峡を北上して黒海へ戻り、約10日後に再び地中海へ行きました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦2隻は地中海へ入った]

大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」は2月21日にボスポラス海峡を北上して黒海へ戻っていましたが、2週間後に再び地中海へ行きました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦4隻は地中海を去った]

ロシア海軍からの公式発表は一切有りませんが、これらの大型揚陸艦は、黒海東岸ノヴォロシースク海軍基地シリアタルトゥース港を往復しています。
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この「ノヴォロシースク-タルトゥース定期便」は、2013年1月以降、現在まで継続されています。

輸送任務を遂行しているのは主に黒海艦隊所属の大型揚陸艦ですが、この他、現在は北方艦隊バルト艦隊から1隻ずつ大型揚陸艦が長期派遣されています。



現在、地中海東部に滞在しているロシア海軍の艦は、少なくとも、この7隻です。

[ロシア海軍地中海作戦連合部隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(旗艦、北方艦隊)
警備艦「ラードヌイ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」(バルト艦隊)
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」(黒海艦隊)
救助曳船SB-406(北方艦隊)
給油船「ドゥブナ」(北方艦隊)
工作船PM-138(黒海艦隊)

ロシア海軍太平洋艦隊は過小評価すべきでは無い

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月5日12時06分配信
【The Diplomat:ロシア太平洋艦隊を過小評価すべきではない】
モスクワ、3月5日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア太平洋艦隊は、ロシア海軍における最大規模の艦隊となり、それは、この地域の地政学的重要性が増大している事の証である。
『The Diplomat』は、こう記した。

日本の雑誌は、この2年間でロシア第2の規模の太平洋艦隊は、ソヴィエト連邦解体後に初めて新造艦艇を受領したという事実に着目した。
艦隊の編制には、2013年に新たなプロジェクト「ボレイ」原子力ロケット水中巡洋艦が、2014年にはプロジェクト「ジュゴン」揚陸艇が加わった。

「この動向は、今後20年間の(ロシア)海軍の野心的な再軍備プログラムによる近代化の一部分である」
同誌は記した。

2015年には、太平洋艦隊の一員として、もう1隻のプロジェクト「ボレイ」潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」、2隻のコルベット型が加わる。

「ステレグーシチー」(型コルベット)に続いて『The Diplomat』は付け加えた。
2017年には、極東の艦隊の一員として、6隻のプロジェクト「ヤーセン」多目的打撃潜水艦の内の1隻目が加入するだろう。
加えてロシア海軍は、太平洋艦隊の編制に在籍している5隻の有翼ミサイル潜水艦プロジェクト「アンテイ」の近代化プログラムの実行に着手している。

「(ロシア)海軍の主要任務は依然として戦略的抑止のままであり、近い内にモスクワは太平洋の潜水艦隊の近代化に焦点を絞るだろう」
『The Diplomat』は、こう記し、艦隊の第2の任務の解決-沿岸防衛の実施の為、ロシアは侵入阻止戦略の枠組において行動可能な一連の小型水上戦闘艦の建造に着手していると付け加えた。

「数々の遅延、資金供給の見通しの不確実さにも関わらず、我々は、ロシアが実行している緩やかな海軍力の建設を過小評価する事など出来ない」
『The Diplomat』は記した。

同誌は、おそらくはアメリカ対ミサイル防衛システムの突破が可能な弾道ミサイル「ブラヴァー」を16-20基搭載するプロジェクト「ボレイ」潜水艦の最近の就役は、ロシア海軍のドクトリンでは潜在的な反撃力が重視されている事を意味すると指摘した。

今後10年間で、太平洋艦隊ロシア最大規模の艦隊になるかもしれない。
それは、この地域の地政学的重要性が増大している事の証である。
同誌は、ロシア・ユーラシア研究センター上級研究員でありハーバード大学教授のドミトリー・ゴレンブルクの分析を引用して記した。


『The Diplomat』は、アジア太平洋地域における政治、安全保障などを専門とするオンライン雑誌です。

現在は、東京都渋谷区に在る「トランス・アジア」社の傘下に有ります。

その『The Diplomat』は、今年3月初頭、ロシア海軍太平洋艦隊の最近の動向に関する記事を配信しました。

『The Diplomat』の元記事
2015年3月2日配信
【2015年、ロシア太平洋艦隊から何が予測できるか】

それを、ロシア国営メディア『ロシア通信社ノーボスチ』が取り上げ、その大まかな概要を紹介したのが今回の記事です。

2013年に就役した戦略原潜「アレクサンドル・ネフスキー」と2014年に就役した「ウラジーミル・モノマーフ」は、2015年夏以降に配備先となるカムチャツカへ回航されます。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフとアレクサンドル・ネフスキーは2015年に実戦配備へ就く]

太平洋艦隊向けの新型揚陸艇「イワン・カルツォフ」は2014年10月31日に納入されました。
[極東で建造されている新型揚陸艇イワン・カルツォフは2014年末までにロシア海軍へ引き渡される]

太平洋艦隊向けの最新コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は2015年の引き渡しが予定されています。
[最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グレミャーシチー"は2015年末にロシア海軍へ納入される]

『The Diplomat』は、2017年には太平洋艦隊「ヤーセン」級多用途原潜が配備されると見ています。
これは、おそらくは「ヤーセン」級2番艦(「ヤーセン-M」級としては1番艦)の「カザン」の事でしょう。
[改ヤーセン級多用途原潜カザンのロシア海軍への引き渡しは2016年に予定されている]

太平洋艦隊所属のプロジェクト949A「アンテイ」原子力水中巡洋艦は主要ミサイル兵装を換装する大規模な近代化改装が実施されます。
既に「イルクーツク」、「チェリャビンスク」ボリショイ・カーメニ「ズヴェズダー」工場で近代化改装工事に着手されており、続いて「トヴェリ」が近代化を実施します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]
[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]

記事中では触れられていませんが、太平洋艦隊プロジェクト971原子力巡洋潜水艦2隻は近代化改装の為にセヴェロドヴィンスクへ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]

『The Diplomat』の元記事には、2015年2月現在の太平洋艦隊の保有艦艇も載せられています。

弾道ミサイル原潜5隻
巡航ミサイル原潜5隻
攻撃原潜5隻
通常動力潜8隻
重原子力ミサイル巡洋艦1隻
ミサイル巡洋艦1隻
大型対潜艦4隻
ミサイル駆逐艦3隻
小型対潜艦8隻
ミサイルコルベット4隻
ミサイル艇11隻
海洋掃海艦2隻
基地掃海艇7隻
揚陸艦4隻
揚陸艇5隻


太平洋艦隊への新造艦艇の配備はロシア海軍の他の艦隊に比べて遅れていますが、『The Diplomat』は、今後の動向も考慮すれば太平洋艦隊の戦力は過小評価すべきでは無いと警告しています。

ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の3番艦スタールイ・オスコルは航行試験を開始する

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『タス通信』より
2015年3月6日11時17分配信
【情報筋:黒海艦隊の為の第3の「ワルシャワンカ」は工場航行試験へ出発した】
モスクワ、3月6日/タス通信

黒海艦隊の為の潜水艦シリーズの第3の潜水艦「スタールイ・オスコル」 は、工場航行試験へ出発した。
タス通信防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「スタールイ・オスコルは、本日、工場航行試験の為、バルト海へ出発しました。
それは、およそ15~20日に渡って続きます」

対談者は話した。

潜水艦は6月に軍への引き渡しが予定されている事を情報提供者は想起した。

黒海艦隊は、中央設計局「ルビーン」が設計し、サンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」が建造するプロジェクト636.3潜水艦(ワルシャワンカ)を合計6隻受領しなければならない。
昨年、軍は最初の2隻の潜水艦「ノヴォロシースク」「ロストフ・ナ・ドヌー」を受領した。
4隻目の「クラスノダール」は、4月の進水と11月の海軍への引き渡しが計画されている。

「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「コルピノ」と命名された5隻目と6隻目の「ワルシャワンカ」は、来年11月に軍へ受領される。


[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦の3番艦B-262「スタールイ・オスコル」は2012年8月17日に起工されました。
[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルは起工された]

2014年3月に乗員団が編成されました。
[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルの乗員団が編成される]

2014年8月28日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の3番艦スタールイ・オスコルは進水した]


そして2015年3月6日、航行試験へ出発しました。


「スタールイ・オスコル」は今年6月にロシア海軍へ納入される予定です。


ロシア海軍向けのプロジェクト06363非核動力潜水艦は、これまでに6隻が起工され、この内の2隻が就役しています。
全てサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で建造されています。
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現在の所、6隻が建造される計画です。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代非核動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年6月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月進水予定/2015年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定


プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

ロシア海軍黒海艦隊は2015年に少なくとも3隻の水上戦闘艦と2隻の潜水艦などを配備する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2015年3月3日11時08分配信
【黒海艦隊は3隻の水上戦闘艦、潜水艦と支援船を受領する】

今年、黒海艦隊は、少なくとも1隻の最新警備艦プロジェクト1135.6「アドミラル・グリゴロヴィチ」を受領する予定である。
同艦は既に乗組員の定数を満たしている。

同プロジェクトの2番艦-「アドミラル・エッセン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場において、高い進捗度に在る。
近い将来、黒海艦隊の為に、このクラスの艦は6隻ほど建造される。

更に、タタルスタンA.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造が完了する2隻の小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」黒海艦隊へ補充されなければならない。

黒海艦隊の編制には、更に、2隻の新たなディーゼルエレクトリック潜水艦プロジェクト636.3「ノヴォロシースク」「ロストフ・ナ・ドヌー」の受け入れが計画されている。
これは、黒海での課題を解決する為に意図されている潜水艦シリーズの第1陣となる。

2015年、黒海艦隊は、既に国家受領試験を完了している最新救助曳船プロジェクト22870「プロフェッソル・ニコライ・ムールイ」への習熟を開始する。

過去1年半、黒海艦隊の再軍備プログラムに沿って、様々な用途の10隻以上の艇と支援船が補充された。
その中には、最新の対水中工作艇「グラチョノク」、高速哨戒艇「ラプトル」、様々なプロジェクトの潜水夫艇及び海洋曳船が有る。

黒海艦隊は、新たな艦を受け入れるのと同時に、駐留の為に意図されているインフラストラクチュアの構築、開発、近代化の為の作業を続けている。


ロシア黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)の1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、今年(2015年)にロシア海軍へ就役します。
[ロシア海軍の新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は消磁作業を開始した]

この他、ゼレノドリスクで建造中のプロジェクト21631小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」黒海艦隊へ配備されます。
[小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは8月29日に起工される]
[小型ロケット艦セルプホフは起工された]
[プロジェクト21631小型ロケット艦は2020年までに9隻がロシア海軍へ就役する]

プロジェクト06363潜水艦「ノヴォロシースク」「ロストフ・ナ・ドヌー」は2014年にロシア海軍へ就役しており、今年には黒海へ回航されます。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは深海試験の為に北方艦隊の基地へ到着した]
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験を行なう為にバレンツ海へ移動する]

記事中に登場する救助曳船プロジェクト22870「プロフェッソル・ニコライ・ムールイ」は、2015年1月16日に納入されています。
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ロシア海軍の将来駆逐艦リデルは将来正規空母の基礎となる

AV-EM
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月3日19時11分配信
【カサトノフ:駆逐艦プロジェクト「リデル」は正規空母の基礎となる】
モスクワ、3月3日-ロシア通信社ノーボスチ

駆逐艦プロジェクト「リデル」は、ロシア海軍将来正規空母の為の理論的基盤となる。
元ロシア連邦海軍総司令官第1代理イーゴリ・カサトノフ大将は述べた。

以前、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフは、将来正規空母の概容の開発は現在も継続されており、それは海軍の要求に忠実に沿って進められていると表明した。

「まず初めに、駆逐艦リデルのような汎用艦を建造する必要が有ります。
これは非常に素晴らしい将来プロジェクトであり、我々が、この艦を何隻か建造できたのならば、それは正規空母建造の為の理論的基盤となるでしょう」
カサトノフ
は表明した。

彼は、ロシアの産業界には、このような艦(正規空母)の建造をマスターする力があり、現在、航空団の準備が進められているが、しかしながら、起工するのは2025年以降の方が望ましいと付け加えた。

彼によると、現時点で航空複合艦について大まかに話せば、それは適切な攻撃及び防衛能力を有し、より広範囲の課題を解決する事が出来る。

「それは、単なる艦、或いはシステムであってはなりません-対潜、対空などといったような。
この段階で、理論的研究は継続され、とても慎重に全ての兵器システムを観察する必要が有ります。
我々の、そして外国、つまり他の大国の今の評価を。
例えば、グローバルな排水量の正規空母は拒否されます。
これら全てのトレンドを考慮に入れなければなりません」

専門家は、こう考える。

以前、新世代駆逐艦(「リデル」型)の起工は2017年末に予定されており、その排水量は14000トンになると伝えられた。

現在、ロシア連邦海軍の戦闘編制には、1隻の航空巡洋艦-「アドミラル・クズネツォフ」が在籍している。
以前、ロシア連邦国防省は、正規空母の建造に関する問題は、5年後よりも前に決定される事は無いと発表した。
2020年までの国家軍備プログラムにおいて、正規空母の建造は意図されていない。


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今回の記事に登場するイーゴリ・ウラジーミロヴィチ・カサトノフ退役海軍大将は1939年2月10日生まれで、現在76歳です。

1960年にセヴァストーポリP.S.ナヒーモフ黒海海軍高等学校を卒業し、主に黒海艦隊で勤務し、大型対潜艦「プロヴォールヌイ」、「オチャコフ」艦長を務めました。
1982年から1988年までは北方艦隊コラ異種戦力小艦隊司令官、1988年から1991年までは北方艦隊第1副司令官を務めました。
1991年9月に黒海艦隊司令官に就任し、ソ連邦解体後の1992年9月まで務めました。

彼の黒海艦隊司令官在任中にソ連邦は解体され、ロシアウクライナ黒海艦隊帰属・分割問題の渦中に置かれる事となりました。

1992年9月にロシア連邦海軍総司令官第1代理に任命され、60歳の定年を迎える1999年まで務めました。

この間、1995年12月~1996年3月まで重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア海軍地中海遠征部隊の指揮官を務めました。
[空母クズネツォフ地中海遠征(1996年初頭)]

退役後は政界進出を目論みましたが資金不足で断念し、現在は、ロシア連邦軍参謀本部総長の顧問を務めながら、元海軍大将の軍事評論家として時々メディアに顔を出しています。

彼の甥のウラジーミル・カサトノフ中将は、現在、ロシア海軍太平洋艦隊副司令官第1代理兼参謀長を務めています。
[ウラジーミル・カサトノフ少将はロシア太平洋艦隊参謀長に就任した]


現在、ロシア海軍の為の将来正規空母Перспективный Авианосецの開発作業が進められています。
[ロシア海軍の為の将来空母の開発作業は継続されている]

将来正規空母の就役は2030年以降になりますが、これに先立ち、2010年代末からは将来駆逐艦「リデル」級の建造が始まります。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルは巡洋艦に匹敵する攻撃力を有する]

将来駆逐艦「リデル」級は排水量14000トンの大型艦となり、機関は、ほぼ原子力に確定しています。


今回、元ロシア海軍総司令官第1代理イーゴリ・カサトノフ退役大将は、将来駆逐艦「リデル」級を、将来正規空母の「基礎」と言っています。

今回の記事では触れられていませんが、「リデル」級将来正規空母も、動力は原子力になる可能性が高くなっています。

ロシア海軍向けの原子力水上艦は、1998年に就役した重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が最後となっており、以後20年近いブランクが空いているので、まずは2010年代末に「リデル」級を建造して経験を蓄積し、その後、2020年代後半に正規空母を建造するという事でしょう。

ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリはフランス人の手により2015年3月に洋上試験を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月3日11時05分配信
【第2の「ミストラル」は3月に試験へ出る】
サンナゼール(フランス)、3月3日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアの為に建造されている第2の「ミストラル」型揚陸ヘリコプター母艦は、3月に造船所の乗員が乗って航行試験へ出る。

しかし、サンナゼールに位置する造船所へ、もしも近い内にロシア人船員が到着したのならば、(試験)プログラムを繰り返す事になる。
火曜日、ロシア通信社ノーボスチフランス造船産業の代理人より伝えられた。

「軍艦セヴァストーポリは、造船所の従業員が乗り込んで3月に試験へ出る予定です。
ですが、もしもウラジオストク(ロシア連邦が未だ受領していない1隻目の「ミストラル」)に関する決定が下され、ロシアからサンナゼールへ乗組員が到着した場合、私共は、同様のプログラム下で再び海へ出る事を余儀なくされるでしょう。
造船所にとっての追加費用を伴って」

対談者は話した。

2隻のヘリコプター空母の供給契約は2011年にフランスDCNS社「ロソボロネクスポルト」の間で締結された。
フランスは、1番艦「ウラジオストク」を昨年11月に引き渡す事になっており、その日付は11月14日であると発表されたが、それは実現には至っていない。

(2014年)12月、フランス首相はマニュエル・ヴァルスは、取り引きが挫折する可能性について話すのは「時期尚早」と考えていると表明した。
ロシアは、フランスに対し、艦の引き渡し、或いは代金の返済を望んでいる。

現在、アメリカ合衆国は、艦の引き渡しには積極的に反対している。
パリは、一方ではロシアとの契約は履行されなければならないと表明し、そしてもう一方では、ウクライナ状況解決の進展と艦の引き渡しをリンクさせている。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向け「ミストラル」級2番艦「セヴァストーポリ」(の前半部分)は、2013年6月18日にフランスサンナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦が起工された]

同艦の後半部分は、2013年7月4日にロシアバルト工場(サンクトペテルブルク)で起工されました。
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦の後部はバルト工場で起工された]

2014年4月30日には後半部分が進水し、7月15日には、前部と接合する為にサンナゼールへ到着しました。
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリ後部はサンナゼールへ到着した]
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体接合が始まった]

2014年11月下旬に進水しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母2番艦セヴァストーポリはフランスのサンナゼールで進水した]

「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国フランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]

フランス側は、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

未だサンナゼールに留め置かれている「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」ですが、2015年2月12日、「セヴァストーポリ」自動船舶識別装置(AIS:Automatic Identification System)に登録されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母2番艦セヴァストーポリは自動船舶識別装置(AIS)に登録された]

フランス側の情報筋によると、「セヴァストーポリ」は2015年3月後半から洋上試験を開始するとの事です。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2015年3月後半に洋上試験を開始する]

今回の記事に登場する「フランス造船産業の代理人」によると、この洋上試験は造船所の職員により実施されるとの事です。

「ミストラル」級乗組員に予定されているロシア海軍将兵は、現在、サンクトペテルブルクに居ます。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の乗員は休暇後にサンクトペテルブルクへ戻った]

ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフとアレクサンドル・ネフスキーは2015年に実戦配備へ就く

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月2日11時34分配信
【2隻の原子力潜水艦は2015年に海軍の常時即応部隊の一員として加わる】
モスクワ、3月2日-ロシア通信社ノーボスチ

原子力水中ロケット艦「ウラジーミル・モノマーフ」「アレクサンドル・ネフスキー」は、2015年にロシア常時即応部隊の一員として加わる。
月曜日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は表明した。

「今年には、戦略用途ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフとアレクサンドル·ネフスキーの常時即応部隊の編制への加入、そして、2隻の多目的潜水艦と5隻の水上戦闘艦の戦闘編制への加入が見込まれています」
ショイグ
国防省の電話会議で話した。

国防相は、2014年には水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」常時即応部隊の編制へ加入した事を想い起した。
更に海軍は、有翼ミサイルを有する原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」大型潜水艦「ノヴォロシースク」、5隻の水上艦、様々なクラスの10隻の戦闘艇を受領した。

また、造船所では更に2隻の水中巡洋艦「クニャージ・ウラジミール」「クニャージ・オレグ」が起工されたとショイグは指摘した。

現在、海軍の戦闘編制には、3隻の「ボレイ」級原子力潜水艦が受け入れられている-「ユーリー・ドルゴルーキー」(北方艦隊)「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」(両方とも太平洋艦隊)
更に2隻の水中巡洋艦「クニャージ・オレグ」「クニャージ・ウラジーミル」「セヴマシュ」で建造中である。

2020年までに総計で8隻のプロジェクト「ボレイ」潜水艦の軍備採用が計画されている。
その全長は170メートル、幅13.5メートル、水中排水量は24000トンである。
プロジェクト「ボレイ」艦は、16基の大陸間弾道ミサイルR-30「ブラヴァー-30」を搭載できる。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

プロジェクト955「ボレイ」原子力戦略用途水中巡洋艦1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役しました。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]

「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」は、書類上では太平洋艦隊に所属していますが、現在は北方艦隊原潜基地ガジエヴォに仮住まいしています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着した]

この2隻の戦略原潜は、2015年夏以降に配備先となるカムチャツカへ回航されます。
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[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフとアレクサンドル・ネフスキーは2015年夏以降にカムチャツカへ回航される]

「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」は、2015年秋に太平洋方面から弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射します。
[ロシア海軍のボレイ級戦略原潜2隻は2015年秋に太平洋方面から弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射する]

ロシア海軍の為の将来正規空母の開発作業は継続されている

AV-EM
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月2日11時24分配信
【チルコフ:新たな正規空母の開発では、艦の外観が決定される】
モスクワ、3月2日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア「防衛産業」新たな正規空母の開発を継続しており、現在、将来艦の外観が決められている。
海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は表明した。

この声明は、ロシアの危機的な経済状況を背景とした幾つかの分野での予算支出の減少に関連して出されたものである。
にも関わらず、伝えられているように、将来兵器の開発に関しては、(予算の)削減は計画されていない。

「将来正規空母の外観を決定する為の作業は停止しておりません。
正規空母は海軍へ来ます。
作業は、関連する科学研究機関において実施されています。
それは、海軍総司令部の要求に忠実に沿って実施されています」

コロムナへの視察業務を終えたチルコフは表明した。
国防省は彼の談話を引用した。

正規空母の為の主要条件については「甲板航空隊の使用計画と、異種戦力の一員として行動する際の戦闘効率の計画の双方で広範囲な能力を有していなければなりません」
チルコフ
は指摘した。

「ロシア海軍は正規空母を必要としています。
その戦術-技術的特性を有するのは今日では無く、明日です」

大将は締め括った。

2014年10月にロシア連邦海軍の軍備担当総司令官代理ヴィクトール・ブルスクが発表したように、新たな正規空母は2030年以降に海軍へ加入しなければならない。




ロシア将来正規空母Перспективный Авианосецは、現在の所、3種類のヴァリエーションが検討されています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
「3つの設計案」は、重航空母艦(80000-85000t級)、中航空母艦(55000-65000t級)、軽航空母艦(50000t未満)を指しています。

搭載機は、ロシア第5世代戦闘機PAK FA(T-50)艦上戦闘機ヴァージョン無人航空機などになります。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]

既に正規空母用の電磁カタパルトの開発も始まっています。
[ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている]

2014年10月、ロシア海軍総司令官代理(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク少将は、将来正規空母の1番艦は2030年以降に就役する予定である事を明らかにしました。
[ロシア海軍の将来空母は2030年以降に就役する]
就役が2030年以降ですから、建造が開始されるのは2020年代(初頭?)になるでしょう。

将来正規空母の艦載機は、数年後に配備予定のロシア空軍第5世代重戦闘機PAK FA(T-50)の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]

2015年2月、ロシア海軍航空隊司令官イーゴリ・コジン少将は、将来正規空母の1番艦の建造には8-10年間掛かると述べました。
[ロシア海軍将来空母の1番艦の建造には8-10年掛かるだろう]

同様の事は、将来正規空母の設計を担当するネフスキー計画設計局のトップ、セルゲイ・ウラソフ氏も述べています。
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]
[ロシア将来空母の作成には10年掛かる]

そして今回、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、ロシア将来正規空母の開発作業は中止されること無く継続されていると述べました。


ロシア将来正規空母は、セヴマシュ造船所バルト工場で前後に分けて建造し、セヴマシュで最終組立を行なうという方式が有力視されています。

セヴマシュ造船所(セヴェロドヴィンスク)
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バルト工場(サンクトペテルブルク)
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セヴマシュ造船所インド海軍向けに重航空巡洋艦を大改造して正規空母「ヴィクラマーディティヤ」を造り、バルト工場は、ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリ空母2隻の後ろ半分を建造しています。
[空母ヴィクラマーディティヤの経験はロシアに空母建造能力を与えた]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部は進水した]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]

これらは、いずれも将来正規空母の建造に向けた布石という事です。

ロシア海軍将来駆逐艦リデルは巡洋艦に匹敵する攻撃力を有する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年3月2日11時00分配信
【チルコフ:新たな駆逐艦の打撃力は巡洋艦に匹敵する】
モスクワ、3月2日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦海軍新世代駆逐艦は、前任者よりも遥かに大きな排水量を有し、その打撃力は巡洋艦に匹敵する。
月曜日、国防省は海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将の談話を引用して伝えた。

2月下旬、新世代駆逐艦の作成における優先課題は、原子力機関の装備となる事が知られるようになった。
現在、ロシア海軍の戦闘編制には、1隻の核動力装置を有する水上艦-重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が在籍している。

「この駆逐艦は、同クラスの前任者~駆逐艦プロジェクト956~よりも遥かに大きな排水量を有します。
新たな駆逐艦の兵装の打撃力は、巡洋艦の打撃力に匹敵します」

コロムナへの視察業務を終えたチルコフは表明した。

彼によると、新たな駆逐艦には、制御自動化プロセスの分野における国内「防衛産業」の最新の成果が導入される。

ロシア通信社ノーボスチ防衛産業企業体の高位の代理人より伝えられたように、新世代駆逐艦(「リデル」型)の起工は2017年末に予定されており、その排水量は14000トンになる。


[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]

ロシア海軍は、2006年以降、新世代多用途駆逐艦(将来駆逐艦Перспективный Эсминец)の建造計画について何度も表明して来ました。
[ロシア海軍新世代原子力駆逐艦建造計画]
[ロシア海軍新世代駆逐艦の建造計画は現司令部に承認された]
[ロシアは「超駆逐艦」を建造する]

サンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」では、「リデル」の建造準備が進められています。
[サンクトペテルブルク造船所セーヴェルナヤ・ヴェルフィはロシア海軍将来駆逐艦の建造準備を進めている]

2014年10月下旬、「ロシア防衛業界の高位の情報提供者」は、「リデル」型の1番艦は2023-2025年よりも前にロシア海軍へ受領される事は無いと述べています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルの1番艦の就役は2023-2025年よりも前にはならないだろう]

ロシア海軍総司令官代理(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク少将は、「リデル」の1番艦は2020年以降にロシア海軍へ受領されると述べました。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルは2020年以降に就役する]
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルの設計作業は続けられている]

将来駆逐艦「リデル」は、原子力推進通常動力の2タイプの設計が進められていました。
[ロシア新世代駆逐艦は通常動力と核動力の2種類が設計される]

しかし2015年2月20日、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、「リデル」の機関が原子力推進にほぼ確定したと述べました。
[ロシア海軍の為の将来駆逐艦リデルは原子力推進となる]

同じ日、「ロシア防衛産業企業体の高位の代理人」は、「リデル」の1番艦は2017年末の起工が予定されており、その排水量が14000トンになる事を明らかにしました。
[ロシア海軍の為の新世代駆逐艦リデルの1番艦は2017年末に起工される]

今回、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、「リデル」の排水量は、前のクラス(プロジェクト956駆逐艦、約8000トン)よりも遥かに大きくなり、その打撃力は巡洋艦に匹敵すると述べています。

「リデル」の兵装は未だ不明ですが、対艦/対地ミサイル発射機に関しては、3S-14汎用ミサイル垂直発射機が最有力視されています。
[汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSK]
3S-14は、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」を発射できます。

3S-14は、近代化改装される重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも搭載されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]

ロシア海軍新世代フリゲート・プロジェクト223503S-14発射機を16基、近代化される「アドミラル・ナヒーモフ」は80基搭載しますが、排水量14000トンの「リデル」は、少なくとも48基程度は搭載する事になるでしょう。