
『タス通信』より
2015年3月13日9時34分配信
【海洋の守護者:ロシア海軍の新たなフリゲート】ロシア海軍の為に
カリーニングラード造船工場「ヤンターリ」で建造されている
プロジェクト11356Rフリゲートのトップ-
警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、
3月末に航行試験へ出発する予定である。同
プロジェクト警備艦は、大洋及び海洋エリアで単独或いは艦船部隊の一員として戦闘活動を実施する為に意図されている。
それは、敵の潜水艦を破壊し、戦闘艦及び船舶の対艦、対空、対潜防衛を実施し、陸上部隊の行動を支援し、海洋揚陸部隊の上陸を保障する事が出来る。
2015年の国家防衛発注に沿って、
海軍は今年末までに2隻の
プロジェクト11356警備艦を受領する-第2の
フリゲートは
「アドミラル・エッセン」と命名された。
更に
海軍は、2015年に別の
フリゲート-
「アドミラル・ゴルシコフ」を取得しなければならない。
これは、
ソヴィエト社会主義共和国連邦が崩壊して以来、我が国で設計された最初の大型艦である。
計画によると、全ての艦(
11356R)は、
黒海艦隊へ引き渡される。
新たな
フリゲートは、今年に軍事船員を受け入れる-
タス通信の特別なデータによると。
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[海洋での汎用性]2000年代半ば、
ロシア海軍の艦は緊急の近代化の必要に迫られていた。
海軍の戦闘編制には、同じクラスの複数の異なる種類の艦が在籍しており、水上艦の平均年齢は20年だった。
特に海軍の構成には、7つの異なるプロジェクトの8隻の
警備艦が含まれていた。
これは全て供給及び修理で深刻な問題を引き起こした。
その結果、
プロジェクト11356をベースとした
ロシア海軍の為の
警備艦の起工が決定された。
この
フリゲートは、
インドとの輸出契約により建造されており、
ロシアの造船所はよくマスターしていた。
入札の結果、2010-2011年に
国防省と
沿バルト造船工場「ヤンターリ」は、6隻の
フリゲートの建造契約を締結した。
これらの艦は全て
黒海艦隊の一員として加わる予定である。
現在、2隻の
警備艦-
「アドミラル・グリゴロヴィチ」と
「アドミラル・エッセン」は、海軍への引き渡しの準備を完了している。
更に3隻の
「アドミラル」が建造段階に在る-
「マカロフ」、「ブタコフ」、「イストミン」。
6番艦
「アドミラル・コルニロフ」の起工の問題は未解決のままである。
4隻の
警備艦の建造中に
ロシア防衛産業企業体の輸入代替プロセスが影響する可能性は排除されない。
既に進水している最初の2隻の
フリゲート、更に造船台上に在る1隻には
ウクライナで製造された
ガスタービン動力装置が装備されるが、残りの艦には
ロシア製品が充当される。
2014年秋、北方計画設計局(プロジェクト11356の開発者)の代表ウラジーミル・スピリドプロは、代替案としてルイビンスクの科学生産合同「サトゥルン」のエンジンを考慮していると表明した。彼によると、同社は開発者に2つの案を提示した。
1つ目は、出力27000馬力の
エンジンM90FRを2基使用する事である-それは
プロジェクト22350フリゲート(「アドミラル・ゴルシコフ」型)へ装備されている。
現在は、
ウクライナで開発され、
「サトゥルン」がマスターした装置の生産が実行されている。
しかし、このような
エンジンの為には、
プロジェクト11356フリゲートの内部区画を再設計しなければならない。
2つ目の提案は、
「サトゥルン」の新た
なエンジンM70MFRUの使用に関するものであるが、出力が低いが為に艦へ4基を配置しなければならない。
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[火力と周辺防御]プロジェクト11356警備艦の戦闘力は、
垂直発射装置に配置された8基の有翼ミサイル「カリブル-NK」、
高射ミサイル・砲システム「シチーリ-1」と
「パラシ」、
速射機関砲AK-630M、汎用砲A-190、更には
533mm魚雷発射管と
反応爆雷装置RBU-6000である。
有翼ミサイル「カリブル」(NATO分類-SS-N-27「シズラー」)は、
エカテリンブルク試作設計局「ノワトール」により開発され、地上及び水上目標の双方を攻撃できる。
この
ミサイルを対艦に使用する際には炸薬が装填された貫通弾頭が装備される。
(弾頭が敵艦の上部構造物の中に入れば損傷が発生する)
陸上目標破壊の為に意図される
ミサイルには、地雷あるいはカセット弾頭が装備される。
最新の
高射ミサイル複合体「シチーリ-1」は、
電波電子海洋科学研究所「アルタイル」により開発された。
それは、
艦載3次元電波位置特定ステーション、
火力管理システム、
ミサイルの垂直発射装置パッケージを組み合わせたものである。
パッケージには、12~36基の
ミサイルを含むことが出来る。
注目すべきは、垂直発射である。
ミサイルは推進エンジン始動前にコンテナから射出され、目標サイドへ命中する。
それは、艦の円形対空防衛と複合体の高い発射速度-1分間に30回の発射を提供する。
今年、
「シチーリ」の試験が実施される。
高射ミサイル砲複合体「パラシ」は、
「中央精密機械製造科学研究所」により開発され、近接ゾーンでのミサイル攻撃の撃退の為に意図されている。
高射ミサイル砲複合体の構成には、2基の
6連式30mm自動機関砲と8基の
ミサイル「ソスナ-R」が含まれている。
目標の捕捉及び追尾は、
レーダー及び
光学電子管理システムにより行なわれる。
速射機関砲AK-630は、更なる
フリゲートの対ミサイル防衛要素である。
それは1分間の発射速度4000-5000発であり、空中目標及び小型水上艦の双方を攻撃できる。
砲装置A-190は、最大射程20kmの小塔型単砲身自動砲である。
その利点には、高度の自動化も含める事が出来るだろう。
射撃管理モジュールからのオペレータの指示により、当直及び戦闘即応体制下での砲装置の自動発射が提供され必要な種類の弾薬と、その供給が選択される。
そのお蔭で
A-190は、最小の即応時間と高い発射速度を有する。
それは、破片化爆薬(衝撃信管)の単一装填弾と高射弾(遠隔操作信管)を使用する。
更に、
フリゲートには
対潜ヘリコプター(
Ka-27と
Ka-31)の為の格納庫と発着場が装備されている。
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[新型で最大]プロジェクト22350フリゲートのトップであり、先に述べたよう
にソヴィエト連邦崩壊後に
ロシアで設計された最初の
大型戦闘艦である
遠海ゾーン多目的警備艦「アドミラル・ゴルシコフ」は、
2015年11月に海軍の戦闘編制へ加わる。
既に
1月には試験の第2段階が始まっており、近い内には試験運用で採用されるかもしれない。
同類の
プロジェクト11356Rと同様に、
フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、敵の水上艦船及び地上施設の破壊、巡視勤務、哨戒及び海上交通路の保護、対潜・対空防衛の為に意図されている。
ただし、強化された動力及びより強力な兵器という点においては異なる。
フリゲートの主要推進装置は、
ディーゼル-ガスタービンである。
それは出力27500馬力の2基の
増速用ガスタービンエンジンと、各5200馬力の2基の
推進用ディーゼルエンジンで構成されている。
プロジェクト11356R艦と同様に、
警備艦の為のエンジンはウクライナの企業「ゾーリャ-マシプロイェクト」で製造されているが、他のフリゲートシリーズにはロシア製品が装備される。「アドミラル・ゴルシコフ」の兵装は、
「カリブル」或いは「オーニクス」ミサイルを有する対艦ミサイル複合体、
高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」、対潜魚雷複合体「パケート-NK」、130mm砲装置A-192Mで構成されている。
「オーニクス」 は
汎用対艦ミサイルであり、
沿岸移動式複合体「バスチオン」、水上艦、更には
プロジェクト885多目的原子力潜水艦「ヤーセン」に配置されている。
ミサイルの射程は300~450kmであり、低高度軌道飛翔の場合には120kmである。
高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」は、前述の
フリゲートの
「シチーリ-1」と同様に垂直発射方式であり、
ミサイルはコンテナから射出されるが、唯一の違いは火薬カタパルトではなく、圧縮空気の充当による点である。
更なる
「ポリメント-リドゥート」の特徴は、目標までの飛翔制御弾頭の存在、飛翔終末期における能動的電波位置特定自己誘導(アクティブレーダーホーミング)、更には超機動性(ミサイルは20kgまでの積載物を載せて機動を行なうことが出来る)にある。
汎用自動砲装置A-192Mは、
プロジェクト22350フリゲートの為に
サンクトペテルブルク設計局「アルセナル」が開発し、
艦載砲システムAK-130がベースとなった。
変更点は、装置の軽量化、更には、新たな
レーダー射撃管理システム「プーマ」5P-10の使用に及んでいる。
A-192Mの将来の弾薬には、破片化爆薬及び高射弾に加え、自己制御及び能動反応弾薬が含まれる。
フリゲート22350は、更に
ヘリコプターKa-27を搭載できる。
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート][新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型][アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]現在までに、
プロジェクト11356Rは5隻、
プロジェクト22350は4隻起工されています。
[プロジェクト11356R警備艦]沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2015年就役予定
「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2015年就役予定
「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2016年就役予定
「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2016-2017年就役予定
「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2016-2017年就役予定[プロジェクト22350大型警備艦]造船工場「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」(サンクトペテルブルク)で建造
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
Адмирал флота Советского Союза Горшков:工場番号921
2006年2月1日起工/2010年10月28日進水/2015年11月就役予定
「アドミラル・フロータ・カサトノフ」
Адмирал флота Касатонов:工場番号922
2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2016年就役予定
「アドミラル・ゴロフコ」
Адмирал Головко:工場番号923
2012年2月1日起工/2015年12月進水予定/2017年就役予定
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
Адмирал флота Советского Союза Исаков:工場番号924
2013年11月14日起工/2017-2018年就役予定11356Rは計6隻、
22350は改良型の
22350Mと合わせて少なくとも15隻が調達される計画です。