『タス通信』より
2015年4月27日12時32分配信
【ペスコフ:プーチンとオランドは、パリが「ミストラル」か、或いは前払い金を返す事で合意した】モスクワ、4月27日/タス通信ロシア大統領ウラジーミル・プーチンと
フランス大統領フランソワ・オランドは、
フランスは
ロシアへ
ヘリコプター空母「ミストラル」か、或いは支払い済みの前払い金を返す事で合意した。
この義務の履行時期は、未だ知られていない。
ロシア国家元首の広報秘書官
ドミトリー・ペスコフは発表した。
「いいえ、特定の日付に関しましては、何も聞いておりません」彼は、
プーチンと
オランドの
エレバン会議における
「ミストラル」問題の決定時期に関する話し合いについての質問に答え、こう述べた。
ペスコフは確認した。
「このテーマと方向性については以前にも取り上げられており、パリでの記者会見(4月22日)でフランス大統領が述べています」
「実の所、このポジションは確認されております。
ポジションは非常にシンプルであります-商品(ミストラル級)か、或いは既に支払い済みの前払い金か。
双方が、このポジションで同意している事が確認されました」広報秘書官は確認した。
[「ミストラル」のテーマでの議論]ロシアと
フランスの指導者は、4月24日の
エレバン会議で
「ミストラル」のテーマについて話し合った。
「ミストラルについても触れられました。
この場合、何ら問題は有りません」その後、
ペスコフは通知した。
プーチンとの会談後、
オランドは、
ヘリコプター空母の最終決定は未だ下されていないと表明した。
「ミストラルについてですが、この問題の主な部分について要約いたしますと、ミストラルを引き渡すのか、今日、私共は、そのような決定を下してはおりません。
或いは、どのような形で補償を行なうのかについて、私共は、更なる話し合いを行ないます。
現時点では、いかなる決定も下されてはおりません」
フランスの指導者は表明した。
[艦の供給契約]
ロシアの為に建造され、
「ウラジオストク」と命名された
「ミストラル」級1番艦は2013年10月に進水し、2014年11月に
ロシアへ引き渡されなければならなかった。
最後の段階で
パリは
ウクライナ情勢を理由に
ロシア側への
ヘリコプター空母の引き渡しを無期限に延期した。
2番艦
「セヴァストーポリ」は、当初は
ロシア側へ2015年後半に引き渡される計画であったが、1番艦と同様に、引き渡しの凍結が決定された。
4月22日、
パリにおける
ウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコとの共同記者会見の席上で
オランドは、
ロシアへの
「ミストラル」引き渡しの為の条件は未だ形作られていないと表明した。
モスクワは繰り返し、状況展開の双方の選択肢が手配されると表明している:
ヘリコプター空母か、或いは金銭を受け取るか。
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題][ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型][ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]ロシア海軍向けの
「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】「ミストラル」級の1番艦
「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降の
ウクライナ情勢の悪化により、
アメリカを初めとする
西側諸国は
フランスに対し、
ロシアへの
「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初は
ロシアへ艦を引き渡す意向を表明していた
フランス大統領も、2014年11月末に
「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する][ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]2番艦
「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、今年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]オランド大統領はは、再三に渡り、
「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、
ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]このような
フランス側の態度に対し、
ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、
「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金(約11億ユーロ)を請求するつもりは無いが、ロシアが負担した費用(約10億ユーロ)は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]4月19日、
オランド氏は、4月24日に
アルメニアで
プーチン氏と会い、
「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
[フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う]4月22日、
オランド氏は、
ウクライナ大統領との共同記者会見において、改めてロシアへの
「ミストラル」級引き渡しの為の条件は形成されておらず、引き渡しは不可能であると表明しました。
更には、
ロシアが
フランスへ払った
「ミストラル」級の代金(約10億ユーロ)の返還についても言及しました。
[フランスはロシアが支払ったミストラル級ヘリ空母の代金を返還する用意がある]そして4月24日、
アルメニアの
エレバンで
プーチン氏と
オランド氏の会談が開かれました。
[フランス大統領とロシア大統領はアルメニアにおける首脳会談でミストラル級ヘリ空母の問題についても話し合った]この会談では
「ミストラル」級の問題についても話し合われたようですが、会談後、
フランス大統領は
「ロシアへのミストラル級の引き渡しは決まっていない」と述べ、一方、
ロシア大統領報道官は
「この件に関しては何の問題も無い」とだけ述べました。
その後、
フランスのメディア
『ル・ジャーナル・デュ・ディマンシュ』(Le Journal du Dimanche)紙は、
フランスは
ロシアへの
「ミストラル」級ヘリ空母2隻の引き渡しを中止し、代わりに合計11億ユーロを
ロシア側へ補償するという方向で双方が合意していると報じました。
[フランスはロシアへミストラル級ヘリ空母を引き渡さず、ロシアへ金銭補償を行なう]そして4月27日、
ロシア大統領報道官ドミトリー・ペスコフ氏は、
「ミストラル級ヘリ空母か、或いは前払い金(ロシアがフランスへ支払い済みの代金)をロシアへ戻す事で合意している」と述べました。

しかし、この期に及んで
「ミストラル」級のロシアへの引き渡しが実現するなどとは、もはや
ロシア政府でさえ誰1人して信じてはいないでしょう。
そうなると、
ロシアが払った金を返す事になります。
ペスコフ氏は相変わらず具体的な事には言及していませんが、少なくとも、上記の
フランスメディアの報道の内容(
ロシアへの
「ミストラル」級ヘリ空母2隻の引き渡しを中止し、代わりに合計11億ユーロを
ロシア側へ補償する)を否定するものではありません。
ロシアは以前から
「ミストラル」級のような艦を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明して来ましたが、その設計原案は既に出来上がっています。
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]2:57から
ロシア独自設計の
ヘリコプター揚陸ドック艦の模型が出てきます。
この動画では、艦の中央部分しか写されていませんが・・・
ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦
この艦の全長は大体230mくらい。
兵装は、確認できるものだけで
130mm単装砲が1基、
高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。
搭載機は、
Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。