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ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階へ参加する中国海軍艦船は8月20日にウラジオストクへ到着する

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『タス通信』より
2015年8月17日11時58分配信
【7隻の中国の軍用艦はウラジオストクへ到着する】
モスクワ、8月17日/タス通信

7隻の中国の軍用艦は、合同演習『海洋協同-2015』第2段階へ参加する為、8月20日にウラジオストクへ到着する。
8月17日、東方軍管区広報サービス代表ローマン・マルトフは発表した。

「8月20日、太平洋艦隊主要基地ウラジオストク港へ、ロシア-中国合同演習『海洋協同-2015(II)』に参加する為、駆逐艦"瀋陽"率いる中華人民共和国海軍の7隻の艦から成る支隊が到着します。
訪問のホスト艦は親衛ロケット巡洋艦ワリャーグが務めます」
マルトフ
は話した。

彼は、中国の船員の訪問は8月28日まで続くと説明した。
「この間、ゲストは太平洋艦隊司令部と会合し、同市庁のトップを公式訪問します。
プログラムでは、スポーツ大会と、一連の公式及び非公式の両国の軍事船員の会合が提供されます」

士官は付け加えた。

『海洋協同』第1段階は5月中旬に地中海で実施された。
演習には、約10隻のロシア中国の艦船が参加した。


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ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2014年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

そして2015年8月、合同演習『海洋協同-2015』の第2段階が日本海(沿海地方沖)で実施されます。
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[2015年8月に日本海でロシア海軍と中国海軍の合同演習が実施される]
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階は2015年8月に日本海で実施される]
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階は2015年8月20-28日に日本海で実施される]

8月15日、『海洋協同-2015』第2段階に参加する中国海軍の艦が青島港を出航しました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階へ参加する中国海軍艦船は出航した]

今回、中国海軍から参加するのは、この7隻です。
中国海軍3艦隊(北海艦隊、東海艦隊、南海艦隊)の混成部隊となっております。

051C型駆逐艦「瀋陽」(北海艦隊)
【051C型駆逐艦(ルージョウ型/旅洲型)】

956EM型駆逐艦「泰州」(東海艦隊)
【ソブレメンヌイ級駆逐艦(現代級/956型)】

054A型フリゲート「臨沂」(北海艦隊)、「衡陽」(南海艦隊)
【054A型フリゲイト(ジャンカイII型/江凱II型)】

071型ドック型揚陸艦「長白山」(南海艦隊)
【071型ドック型揚陸艦(ユージャオ型/玉昭型)】

072-III型戦車揚陸艦「雲霧山」(南海艦隊)
【072-III型戦車揚陸艦(ユティンII型/玉亭II型)】

903型補給艦「太湖」(北海艦隊)
【903型補給艦(フーチー型/福池型)】

これまでの『海洋協同中国海軍揚陸艦が参加した事は有りませんでしたが、今回は初の参加となります。

今回の『海洋協同-2015』第2段階では、初めてロシア海軍中国海軍の合同上陸演習も実施されます。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階は2015年8月下旬に日本海で実施される]


2015年7月26日、新たなロシア連邦海洋ドクトリンが発表されましたが、この中では中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]

ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した

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『タス通信』より
2015年8月16日22時54分配信
【北方艦隊艦船支隊は北海航路での遠距離航海へ出発した】
ムルマンスク、8月16日/タス通信特派員イリヤ・ヴィノグラードフ

北方艦隊戦闘艦・支援船支隊は、日曜日夜に主要基地セヴェロモルスクの泊地を去り、バレンツ海へ出た。
タス通信北方艦隊広報サービスより伝えられたように、先頭の艦は集結海域へ到着し、その後、東方のノヴァヤゼムリャ群島の方向へ針路を取った。

「北極圏航海の大部分は、現在は結氷から解放されている北海航路を進みます」
広報サービスはこう伝え、艦隊水文気象センターが常に監視している海域の状況が結氷条件下の場合、艦船支隊を支援する為にアトムフロート砕氷船が来ると付け加えた。

今回の北氷洋航海の特徴は、北極圏自動車化歩兵旅団の人員と車輌が参加する事に有り、その部隊は、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」「コンドポガ」へ配置されている。
自動車化歩兵は、初めて遠距離航海へ参加する。
彼等はコテリヌイ島や他の北極圏地域への海洋揚陸部隊の上陸と車輌の陸揚げを行なう。
旅団の将兵は一連の戦闘射撃演習へ参加する。

航海の目的の1つは、高緯度で遭難したという想定下での船の捜索救助支援及び援助の為の技量の向上にある。
救助活動と空中偵察、広範囲に渡る戦闘演習任務遂行の為、北方艦隊(艦船支隊の)旗艦-大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上には2機のヘリコプターKa-27と、フライト支援に従事する航空グループが配置されている。

これは、2012年以来、4回目となる北極圏航海である。
それ(航海)は数ヶ月間に渡って続けられ、北方艦隊の艦船は、初めて幾つかの北極圏ロシアの港を訪れる。


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ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。

2012年9月には、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
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[聖アンドレイの旗の下に]

2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]

2015年も、北方艦隊(北方統合戦略司令部)の最優先事項は、北極圏での各種活動となります。
[ロシア海軍北方艦隊(北方統合戦略司令部)の2015年の最優先事項は北極圏での活動となる]

2015年7月26日、ロシア連邦の新たな海洋ドクトリンが発表されましたが、この中でも、北極圏は戦略的最重要海域の1つと位置付けられています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]

今年(2015年)も、北方艦隊北極圏遠征が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊は北極圏遠征を準備する]

そして2015年8月16日、北方艦隊艦船支隊セヴェロモルスクを抜錨し、北極圏遠征へ出発しました。

[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」


2隻の大型揚陸艦には、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っています。

いつもは北方艦隊所属の海軍歩兵部隊-キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団-が揚陸艦に乗り込み、上陸演習を行なうのですが、今回は初めて自動車化歩兵旅団による上陸が行なわれます。

ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階へ参加する中国海軍艦船は出航した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月15日11時35分配信
【中華人民共和国の軍用艦はロシアとの演習の為に日本海へと向かった】
北京、8月15日-ロシア通信社ノーボスチ

7隻の中国海軍の軍用艦は、土曜日の午前に青島港を抜錨し、8月20日に開始されるロシア・中国海軍演習の為、日本海へと向かった。
『新華社通信』は伝えた。

中国ロシアは8月20日-28日にピョートル大帝湾及び日本海エリアで『海洋協同-2015(II)』と呼ばれる軍事演習を実施する。

中国側から演習に関わるのは、駆逐艦「瀋陽」、「泰州」、警備艦「臨沂」、「衡陽」、揚陸艦「長白山」、「雲霧山」、更には補給船「太湖」である。
加えて、演習には6機のヘリコプター、5機の固定翼航空機、200名の軍人が参加すると報道機関は伝えた。

以前、ロシア国防省は、演習には約20隻の様々なクラスの軍艦及び支援船、更には海軍航空隊航空機ヘリコプターが関与すると表明した。

当局によると、8月20日に艦船はウラジオストクへ到着し、両国の軍は一連の文化及びスポーツ行事を開催する。

以前、中華人民共和国国防部「この演習は、中国-ロシアの包括的な戦略的相互関係とパートナーシップの発展、実用的な両国軍の友好的協力を深化させ、更に、海洋の脅威へ協同で対処する為の戦闘能力の強化へ向けられたものである」と表明した。


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ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2014年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

そして2015年8月、合同演習『海洋協同-2015』の第2段階が日本海(沿海地方沖)で実施されます。
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[2015年8月に日本海でロシア海軍と中国海軍の合同演習が実施される]
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階は2015年8月に日本海で実施される]
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階は2015年8月20-28日に日本海で実施される]

8月15日、『海洋協同-2015』第2段階に参加する中国海軍の艦が青島港を出航しました。

今回、中国海軍から参加するのは、この7隻です。
中国海軍3艦隊(北海艦隊、東海艦隊、南海艦隊)の混成部隊となっております。

051C型駆逐艦「瀋陽」(北海艦隊)
【051C型駆逐艦(ルージョウ型/旅洲型)】

956EM型駆逐艦「泰州」(東海艦隊)
【ソブレメンヌイ級駆逐艦(現代級/956型)】

054A型フリゲート「臨沂」(北海艦隊)、「衡陽」(南海艦隊)
【054A型フリゲイト(ジャンカイII型/江凱II型)】

071型ドック型揚陸艦「長白山」(南海艦隊)
【071型ドック型揚陸艦(ユージャオ型/玉昭型)】

072-III型戦車揚陸艦「雲霧山」(南海艦隊)
【072-III型戦車揚陸艦(ユティンII型/玉亭II型)】

903型補給艦「太湖」(北海艦隊)
【903型補給艦(フーチー型/福池型)】

駆逐艦「泰州」『海洋協同-2012』以来、3年ぶりの参加になります。
駆逐艦「瀋陽」『海洋協同-2013』にも参加しています。
そしてフリゲート「臨沂」は、今年5月に地中海東部で実施された『海洋協同-2015』第1段階へ参加しています。

これまでの『海洋協同中国海軍揚陸艦が参加した事は有りませんでしたが、今回は初の参加となります。
特に、071型ドック型揚陸艦「長白山」(989)は、2012年9月に就役した中国海軍最新揚陸艦です。
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今回の『海洋協同-2015』第2段階では、初めてロシア海軍中国海軍の合同上陸演習も実施されます。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階は2015年8月下旬に日本海で実施される]


2015年7月26日、新たなロシア連邦海洋ドクトリンが発表されましたが、この中では中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]

フランスからのミストラル級ヘリ空母の補償金はロシア海軍の為に

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年8月14日19時41分配信
【フランスからの金はロシア海軍の為に】

10億ユーロ-これは、フランスが「ミストラル」の契約破棄によりロシアへ戻される金額である。
同国(フランス)財務相ミシェル・サペンは、以前にメディアへ登場した20億ルーブルという情報を否定した。
『海軍産業』(フロートプロム)は、ロシア連邦の近代的な艦隊の作成の費用を分析し、この金額をどう使えるかについて考察してみた。


ロシア艦の建造の為の契約は、ロシアの造船所がルーブルで締結する。
従って、10億ユーロの補償額は、ルーブル相当で見るのが合理的である。
2015年8月14日に中央銀行が設定した為替レートによれば、この金額(10億ユーロ)は723億ルーブルに相当する。

フランスの艦に代わり、ロシアが自身で建造した同類のヘリコプター空母を受領するという話は、まだ時期尚早であろう-ネフスキー計画設計局による「プリボイ」は設計段階に在る。
従って、フランスから戻される資金は、水上艦および水中艦のシリーズ建造の為に使われる可能性の方が高いであろう。

[14隻の大型揚陸艦「イワン・グレン」型]
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ロシアは受領する事が出来なかったものの、ヘリコプター揚陸ドック艦「ミストラル」型は、海外で「艦の戦力投射と指揮」、艦船グループのリーダー、洋上病院、対テロ作戦の遂行、そして主な用途は揚陸部隊の上陸であると見られている。
多くの条件があるとは言え、これをロシアで建造される揚陸艦と比べる事は理にかなっている。
「ヤンターリ」工場で建造されている1隻の大型揚陸艦プロジェクト11711「イワングレン」型の費用は50億ルーブルであると見られており、「ミストラル」の費用で、この艦を14隻造る事が可能である。

[5隻のプロジェクト11356フリゲート]
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プロジェクト11356フリゲートは、(11711と)同様にカリーニングラードロシア海軍の為に建造されている。
その建造は、ウクライナの企業『ゾーリャ-マシプロイェクト』からのガスタービンエンジン供給問題が故に中断されたが、8月にはロシア製ガスタービンエンジンを使用する事を考慮して再開された。
この艦の1隻あたりの費用は130億ルーブルと見られており、2隻の「ミストラル」型ヘリコプター空母(の価格)で、このフリゲート5隻を海へ送り出すことが出来るだろう。

[2~3隻のプロジェクト22350フリゲート]
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サンクトペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されているフリゲートは、より高価である。
公開情報によると、プロジェクト22350のトップ艦「アドミラル・ゴルシコフ」の為の海軍の費用は4億2000万ドルである。
(註:約270億ルーブル)
無論、シリーズ艦(2番艦以降)は、より安くなり、大まかな見積もりでは、フランスからの資金でプロジェクト22350フリゲートを新たに3隻建造する事が出来るだろう。

[7隻のプロジェクト20380コルベットと5隻のプロジェクト20385コルベット]
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近代的な近海ゾーン艦は、フリゲートの半分の排水量にも関わらず、その費用は匹敵する。
戦略技術分析センターの評価によれば、プロジェクト20380コルベットの価格は少なくとも100億ルーブル、近代化されたプロジェクト20385コルベット140億ルーブルである。
しかしながら、フランスから戻される資金は、既に進水している艦と同等の隻数で、この艦のシリーズ作成を継続できるだろう。

[1隻の重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト1144の修理と近代化]
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100億単位の数字を背景に、海軍は「ゼロから」近代的な艦を建造する為に500億(ルーブル)を支出した。
ソヴィエト海軍の誇り-重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化の為の価格は、天文学的な金額ではない。
更には、次なる近代化として、太平洋艦隊プロジェクト1144艦「アドミラル・ラーザレフ」が挙げられる事も出来るだろう。
「現時点で、重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト1144の復元が決定されている。
そして2014年、公開株式会社・第30艦船修理工場は、プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの技術的近代化プロジェクトの簡略化として、セヴェロドヴィンスクでの大規模修理と近代化を待っている巡洋艦アドミラル・ラーザレフのドック修理と検査を実施した」

最近に公開された第30艦船修理工場の年次報告では、こう述べられた。
したがって、世界で最も強力な水上艦の1つを復元する為の費用は、引き渡されなかった2隻のフランス「ミストラル」の補償金額により完全にカバーできるだろう。

[2隻の原子砕氷船LK-60]
(註:原子力砕氷船LK-60・プロジェクト22220は、2013年11月5日に1番船アルクチカ、2015年5月26日に2番船シビーリが起工され、建造中である)

「砕氷船は、防衛任務を含め、北極圏(での課題)を解決します」
バルト工場
で建造される砕氷船隊の重要性について、ロスアトムのトップ、セルゲイ・キリエンコは強調した。
サンクトペテルブルクで作成される確かに競争力のある北極船は、出力60メガワットの核動力、2重吃水構造を有し、シベリア河口での作業、更には、厚さ3メートルの氷を割る事が出来る。
その費用は370億ルーブルである。
その(ミストラルの)後部を建造したバルト工場は、「ミストラル」の価格で2隻の砕氷船LK-60を建造する事が出来る。

[7隻のプロジェクト636.3ディーゼル潜水艦]
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世界で最も静粛なディーゼルエレクトリック潜水艦の1つであるプロジェクト636.3の費用は、コルベットに匹敵する。
メディアで公開された情報によると、6隻の潜水艦の契約にロシア海軍600億ルーブルの費用を費やす。
(註:1隻あたり100億ルーブル)
「ミストラル」の補償金は、このような契約の費用をカバーするのに充分であろう。

[多目的原子力潜水艦プロジェクト「ヤーセン」]
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最新鋭の多目的原子力潜水艦プロジェクト「ヤーセン」は、より高価という点では同様では無い。
多様な魚雷ミサイル兵器新世代の水中音響ステーション(ソナー)、より高い隠密性と静穏性-これらの指標は、潜水艦の価格を到達できない高みへと引き上げた。
公開情報では、その費用は470億ルーブルと言われている。
結論として、2隻の「ミストラル」の代わりは1隻の「ヤーセン」となる。

[3隻の戦略水中巡洋艦プロジェクト「ボレイ」]
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このような背景で、ロシアの近代的な核防護要素-戦略水中ロケット艦プロジェクト「ボレイ」の建造価格は適正に見える。
その価格は232億ルーブルと見積もられており、ロシア連邦海軍の2隻のヘリコプター空母の代わりに、このような巡洋艦を3隻建造する事が可能であろう。

[『海軍産業』参考資料]
12億ユーロと推定されるフランスヘリコプター揚陸ドック艦「ミストラル」の供給契約は2011年に締結された。
「ウラジオストク」と命名された1番艦は2014年11月までにロシアへ引き渡さなければならなかった。
2番艦「セヴァストーポリ」の納入期限は2015年11月1日だった。

ロシア「ミストラル」を供給する為の契約を凍結するとフランス当局が初めて発表したのは2014年9月3日であった。
後にフランソワ・オランドは、全てはウクライナ紛争の展開に依ると説明した。
(2014年)11月末、ロシアへの艦の引き渡しの一時停止が正式に決定された。
メディアの報道によると、2015年5月、契約終了の条件に関する交渉が始まった。
最新報道によると、補償金の額は、ほぼ12億ユーロになる。

8月5日、フランスロシアの大統領、ウラジーミル・プーチンフランソワ・オランドが、「ミストラル」の供給契約の破棄で合意に達した事が知られるようになった。
パリが支払った補償金の額は明らかにされておらず(メディアによると8億5000万ユーロ~12億ユーロ)、ロシア製の機器を取り外した後、その運命を決める権利を得る。

ロシア海軍北方艦隊は北極圏遠征を準備する

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『タス通信』より
2015年8月14日13時56分配信
【北方艦隊艦船支隊は北極海遠方への航海を準備する】
ムルマンスク、8月14日/タス通信特派員イリヤ・ヴィノグラードフ

北方艦隊大艦船支隊北氷洋海域への遠距離航海へ出発する為の準備を進めている。
主な目的はロシア海軍の存在の確保であり、これは世界の大洋の安全保障の視点からも重要である。
タス通信は、北方艦隊広報サービス部長代行アンドレイ・ルジクより伝えられた。

「近い内に、大型対潜艦セヴェロモルスク、大型揚陸艦ゲオルギー・ポベドノーセッツ、コンドポガ、海洋給油船セルゲイ・オシポフ、サルベージ船KIL-164、アレクサンドル・プーシキン、救助曳船パミールがバレンツ海へ出ます」
ルジク
はこう話し、支隊は北海航路を進み、更には、久しぶりに幾つかの北極圏の港への寄港を行なう事を明らかにした。
任務の中には、ロシア連邦北極ゾーンにおける海上船舶航行と、他の種類の海上経済活動の安全の維持が有る。
困難な航海条件下の航路を進む事になるだろう。

近年において、これは北極圏への北方艦隊の4度目の大規模な航海となる。
2012年、ロシア海軍の歴史上初めて海洋揚陸部隊コテリヌイ島の無防備な海岸への上陸を行なった。
2013年、旗艦・重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」率いる艦船支隊は、「テンプ」航空司令部を復活させる為、ノヴォシビルスク諸島へ機材を送り届けた。

昨年(2014年)は、北極圏航海の集大成として、北極圏の島嶼ゾーンと海岸の防護の為の演習が実施された。
北方艦隊戦術グループの海岸防護の為の取り組みとしての最初の行動は、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」乗組員と協同でのノヴォシビルスク諸島への展開であった。
沿岸ミサイル複合体「ルベーシュ」部隊は有翼ミサイルを発射し、地上配置自走高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-S1」部隊は成功裏にミサイル目標を破壊した。


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ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。

2012年9月には、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
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[聖アンドレイの旗の下に]

2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]

2015年も、北方艦隊(北方統合戦略司令部)の最優先事項は、北極圏での各種活動となります。
[ロシア海軍北方艦隊(北方統合戦略司令部)の2015年の最優先事項は北極圏での活動となる]

2015年7月26日、ロシア連邦の新たな海洋ドクトリンが発表されましたが、この中でも、北極圏は戦略的最重要海域の1つと位置付けられています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]


そして今年(2015年)も北方艦隊北極圏遠征が行なわれますが、今回は、北極海沿岸の港を訪れるとの事です。
これまでの北極海遠征では、ノヴォシビルスク諸島へ行っただけであり、沿岸の港を訪れる事は有りませんでした。

ロシア海軍黒海艦隊は地中海東部で演習を実施した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月14日11時20分
【ロシア海軍の艦は地中海で演習を実施した】
モスクワ、8月14日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍常設連合部隊を構成する黒海艦隊の艦は地中海で演習を実施した。
金曜日、ロシア連邦黒海艦隊の代理人ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐は報道機関へ伝えた。

演習グループは、黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」艦上の黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将により統制された。

「演習中に黒海艦隊の艦は船団護送活動へ取り組み、様々な高度からの仮想敵の空中攻撃手段の攻撃を撃退する任務を遂行し、敵水上艦に対する戦闘行動を行ないました」
トルハチェフ
は話した。

また、船員は、損傷した船の救援活動へ取り組み、「オーサ」からの高射ミサイル発射、海上目標を模した標的への砲撃を実行した。

巡洋艦「モスクワ」に加え、5隻の戦闘艦と3隻の支援船が任務への取り組みへ関わった。
その中には、警備艦「プイトリーヴイ」、エアクッションロケット艦「サムーム」、小型ロケット艦「ミラーシュ」などが居た。


[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-) ]

ロシア黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は、2015年6月1日にセヴァストーポリを抜錨し、エジプトを訪問、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは再び地中海東部へ行く]
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

その後もセヴァストーポリへは戻らず、地中海に滞在していましたが、6月23日には大西洋へ行く事が明らかにされました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは大西洋へ行く]

6月24日朝、黒海艦隊艦船支隊ジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍黒海艦隊艦船部隊はジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入った]

[黒海艦隊艦船支隊]
指揮官:黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」
警備艦「プイトリーヴイ」
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」
救助曳船「シャフテル」


7月10日、黒海艦隊艦船支隊アンゴラルアンダ港へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはアンゴラのルアンダを訪れた]

7月14日にルアンダを出航した後、大西洋上で打撃有翼ミサイル「ヴルカーン」高射ミサイル「フォルト」の発射訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは大西洋上で長距離巡航ミサイルを発射した]

7月21日、黒海艦隊艦船支隊マラボ港へ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは赤道ギニアのマラボを訪れた]

マラボ港訪問を終えた後、黒海艦隊艦船支隊地中海へ戻る事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ戻る]

8月初頭にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、8月5日にアフリカ大陸スペイン領セウタへ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはスペインのセウタへ寄港した]

その後、地中海東部へ行き、8月14日には、同海域に居る黒海艦隊の艦と共に演習を実施しました。

今回の演習では、短距離艦対空ミサイル「オサ-M」(SA-N-4「ゲッコー」)の発射訓練も行なわれました。
(「モスクワ」、「プイトリーヴイ」、「サムーム」、「ミラーシュ」に搭載)


今回の演習へ参加したのは、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「プイトリーヴイ」、エアクッションロケット艦「サムーム」、小型ロケット艦「ミラーシュ」、大型揚陸艦「アゾフ」、「ツェーザリ・クニコフ」、救助曳船「シャフテル」、SB-36、給油船「レナ」です。

小型ロケット艦「ミラーシュ」は6月下旬から地中海に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦ミラーシュは初めて地中海へ行く]

7月下旬にはキプロスリマソール港へ寄港しました。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは2015年8月末に第2次世界大戦終結70周年の追憶の航海を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月14日7時59分配信
【太平洋艦隊の艦は第2次世界大戦終結70周年記念航海へ赴く】
ウラジオストク、8月14日-ロシア通信社ノーボスチ

旗艦巡洋艦「ワリャーグ」率いる太平洋艦隊艦船支隊は、第2次世界大戦終結70周年を祝う為の軍事史追憶航海を行なう。
(沿海)地方の管理部は発表した。

「航海期間中に艦はサハリン、ユジュノクリリスク、プレオブラジェニエ村、スラブヤンカ村を訪問します。
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各港では、船員の歓迎が用意され、祝賀行事が開催されます:集会、献花、見学旅行、祭日のコンサート。
太平洋艦隊の軍人の他に、航海には退役将兵及び公的機関の代表も参加します」

声明では、こう述べられた。

行事のスタートは、8月28日にウラジオストク第33埠頭で予定されている。
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「追憶の航海」は、毎年8月末から9月中旬頃に掛けて実施されており、第2次大戦時ソ連軍兵士だった退役軍人を乗せた艦がサハリンクリル諸島などを巡り、彼らと共に過去を偲ぶのが主目的です。
[ロシア太平洋艦隊艦船は「追憶の航海」を行なう]
[ロシア太平洋艦隊は第6回「追憶の航海」を準備する]

今年(2015年)は、第2次世界大戦終結70周年という節目に当たる為か、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」「追憶の航海」へ初めて参加します。
この他にも、退役軍人達を乗せる為の大型揚陸艦などが参加するでしょう。


今年の「追憶の航海」は8月28日から始まりますが、その前に太平洋艦隊は、中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』第2段階を実施します。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2015』第2段階は2015年8月20-28日に日本海で実施される]

『海洋協同-2015』第2段階が終わった後、「追憶の航海」へ出発する事になります。

ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月12日15時12分配信
【「ミストラル」の為だったヘリコプターは最新の目標探知システムを装備する】
モスクワ、8月12日-ロシア通信社ノーボスチ

「ミストラル」型ヘリコプター空母へ配置する為に作成されたロシア最新の戦闘ヘリコプターKa-52K「カトラン」は、「オホートニク」系列のビデオ画像処理システムにより、陸上ヴァージョンのKa-52「アリガートル」よりも1.5倍の距離で物体を発見・認識する事が可能となる。
水曜日、ロシア通信社ノーボスチは、ロシア連邦最大の電子産業ホールディングス『無線電子技術コンツェルン』(『ロシアテクノロジー』に含まれる)総取締役代理イーゴリ・ナセンコフより伝えられた。

「ビデオ画像処理システム"オホートニク"は、物体の探知・認識距離の1.2~1.5倍の増加、テレビチャンネルの夜間の活動時間の増加を提供します。
自動追尾機能の存在は、観測画像の部位のビデオ視認範囲の結合の安定化を、テレビ方位測定システムは関連する照準ラインの目標の誤差へデジタルコードのエラーを出す事を可能にします」
ナセンコフ
は話した。

『無線電子技術コンツェルン』は、Ka-52Kの為の一連のシステム全体を製造する。
それは具体的に、高性能の機上防御複合体「ヴィテブスク」、回転安定光学電子ステーションGOES-451、電波位置特定複合体「アルバリェート」、兵器制御レーザービーム誘導システム、自動制御システムSAU-800の設置である。

「SAU-800は、手動、自動、自動制御モードでのヘリコプターの操縦を提供します。
SAU-800は、大気データ処理・記録複合体SIVPV-52と統合されており、パイロットは兵器の使用に集中することが出来ます」
ナセンコフ
は話した。

彼は、『無線電子技術コンツェルン』の開発により、Ka-52K
「あらゆる気象条件、あらゆる時間帯で効果的に戦闘任務を遂行し、揚陸部隊支援任務全般において、この機体を使用する機会は限界を遥かに超える」事を可能にすると指摘した。

「一例を挙げますと、無線電子技術コンツェルンが開発した電波位置特定複合体(レーダー)により、ヘリコプターは200kmまでの距離で敵艦を発見し、対艦ミサイルKh-31とKh-35で、それを破壊する事を可能にします。
これにより、甲板航空隊の航空機Su-33とMiG-29Kの能力へと近づきます」

対談者はロシア通信社ノーボスチへ話した。
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『無線電子技術コンツェルン』は、2009年に設立されたロシア最大の電子産業ホールディングスであり、国営企業『ロシアテクノロジー』の一員である。
主な活動方向は、民間機および軍用機の為の機上電波電子機器システム及び複合体空中配置電波位置特定ステーション(レーダー)国籍識別装置、電波電子戦闘複合体、様々な用途の計測機器、電気プラグ、コネクタ、ケーブル集合体の開発と生産である。

『ロシアテクノロジー』は、民間及び軍用の高テクノロジー工業製品の開発と生産、輸出の支援の為、2007年に設立されたロシア国営企業である。


艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]

Ka-52Kは、元々はロシアフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の契約終了によりフランスはロシアへ10億ユーロ弱を支払う]

しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発は続行されています。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]

Ka-52Kは、他の艦か、或いは陸上基地へ配備されることになります。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリKa-52Kはミストラル級ヘリ空母以外の艦に搭載されるかもしれない]
[艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kはミストラル級ヘリ空母が無くてもロシア海軍で運用される]

Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]

ただし、本来の搭載予定母艦が無くなった為か、Ka-52K量産機の引き渡しは2017~2018年に先延ばしされました。
[ロシア海軍航空隊は2017-2018年に艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを受領する]

ロシア海軍最新鋭潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフは深海試験の為に大西洋へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2015年8月10日19時15分配信
【大洋救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は第4段階工場航行試験へ出発した】

本日(8月10日)、ロシア海軍捜索・遭難救助業務サービスの為に公開株式会社『アドミラルティ造船所』で建造されている最新救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は、8月に実施される第3段階工場航行試験の課題へ取り組む為サンクトペテルブルクを抜錨し、大西洋へ針路を取った。

試験中、同船の乗組員は、深海条件下で捜索救助機器及び装置の動作、更には、居住保障システムの品質、推進装置及び機構の動作を点検する。
更には、標準装備の無線航法機器の試験も行われる。

大西洋での第4段階工場航行試験完了後、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」乗組員は国家試験を開始する予定である。
同船は、2015年末にロシア海軍の一員として加わる。

[参照]
「イーゴリ・ベロウソフ」
は、ロシア海軍の為にサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で建造されたプロジェクト21300S救助船のトップである。

それは、海底に横渡った、或いは浮上中の遭難した潜水艦乗組員の救助の為に意図されており、潜水艦水上艦へ空気、電力、救助手段を提供する。
加えて、船は国際海上救助グループの一員となる事を含め、遭難した物体の探知と調査を行なうことが出来る。

船の排水量は5000トン、全長は100メートル以上である。


プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)「イーゴリ・ベロウソフ」は、2005年10月24日にサンクトペテルブルク市「アドミラルティ造船所」で起工され、2012年10月30日に進水しました。
[新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水]

2014年12月25日から最初の洋上試験を開始し、2015年1月7日に終了しました。
[ロシア海軍最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフは最初の洋上試験を終えた]

その後、3月28日には次の洋上試験の為に出航しました。

そして8月10日、大西洋上で試験を行なう為、サンクトペテルブルクを抜錨しました。


「イーゴリ・ベロウソフ」大西洋上で深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40の深海試験などを実施します。

大西洋での試験を終えた後、「イーゴリ・ベロウソフ」国家受領試験へと進みます。

「イーゴリ・ベロウソフ」は、今年11月25日にロシア海軍へ引き渡される予定です。
[最新鋭潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフは2015年11月にロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍へ就役後、「イーゴリ・ベロウソフ」太平洋艦隊へ配備されます。

プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)は、計5隻の建造が計画されています。

ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦セルプホフは黒海へ到着した

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『タス通信』より
2015年8月11日10時33分配信
【新たな小型ロケット艦は試験の為に黒海へ到着した】
モスクワ、8月11日/タス通信

黒海艦隊の為のプロジェクト21631「ブヤン-M」の2隻目となる小型ロケット艦「セルプホフ」は、試験の為にノヴォロシースクへ到着した。
艦隊の代理人ヴャチェスラフ・トルハチェフは発表した。

「曳船を伴った新たな艦は、内陸水路によりノヴォロシースクへ送り届けられました」
士官は話した。

黒海艦隊の為に建造された「ブヤン-M」型の1隻目の艦は7月末に試験の為に到着した。
それは「ゼリョヌイ・ドル」と命名されている。

プロジェクト21631艦は950トンの排水量を有し、25ノットまでの速力を発揮できる。
これらは、海上及び沿岸目標の破壊の為に意図されたミサイル複合体「カリブル-NK」、更には口径100mmのA-190砲塔を装備する。

「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は、「ブヤン-M」シリーズの4番艦と5番艦である。
このタイプの艦の最初の3隻はカスピ小艦隊へ受け入れられた。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の5番艦「セルプホフ」は2013年1月25日に起工されました。
[小型ロケット艦セルプホフは起工された]

2015年4月3日に進水後、艤装工事が進められ、7月24日から内陸水路経由で黒海への移動を開始しました。
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[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは洋上試験の為に黒海へ向かう]
[プロジェクト21631小型ロケット艦の最後の3隻はロシア海軍北方艦隊へ配備される]

そして8月11日に黒海東岸ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。

「セルプホフ」は黒海で洋上試験を行なった後、今年末までにロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ編入されます。

先に出発した「ゼリョヌイ・ドル」は7月30日にノヴォロシースクへ到着しています。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは黒海へ到着した]

プロジェクト21631小型ロケット艦は、6隻が黒海艦隊へ配備されます。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に9隻が起工され、この内3隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造されています。
[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチョグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年末就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年末就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定


プロジェクト21631の主要兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

ロシア海軍の小型原潜母艦BS-64ポドモスコヴィエは造船台を出た

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年8月11日16時58分配信
【セヴェロドヴィンスクで原子力潜水艦「ポドモスコヴィエ」が造船台を出渠した】

火曜日・8月11日、艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」で原子力潜水艦「ポドモスコヴィエ」(モスクワ州)の造船台出渠式典が開催された。

株式会社・艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」広報サービスは発表した。

造船台からの出渠と進水の後、艦の乗組員と「ズヴェズドーチカ」労働者は係留試験プログラムを開始し、その後、潜水艦の工場航行試験を遂行する。

原子力潜水艦「ポドモスコヴィエ」は1986年に北方機械製造企業(現在の株式会社「生産合同セヴマシュ」)でプロジェクト667BDRMとして建造された。
現在、艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は、ロシア連邦国防省の発注下で艦の修理及び近代化の作業を遂行している。

ポータルサイト『ロシアの防護』が伝えたように、潜水艦「ズヴェズドーチカ」で1999年から原子力深海ステーション搭載艦に改造されている。
船体の改造時、ミサイル区画は切断された。
それに代わり、科学研究施設原子力深海ステーションの収容の為の設備が設置され、潜水艦の全長は増加した。


プロジェクト667BDRM(デルタIV級)戦略原潜K-64は1982年12月18日に起工され、1984年3月3日に進水し、1986年12月23日にソ連海軍へ納入されました。

翌1987年2月23日に赤旗北方艦隊第3潜水艦小艦隊・第13潜水艦師団へ編入され、正式に就役しました。

1988年10月に弾道ミサイルの発射訓練を行なった後、同年11月から戦闘勤務(戦略核パトロール)に就きました。

その後、1995年まで戦闘勤務に就いていましたが、1999年からは第2カテゴリー予備役となり、セヴェロドヴィンスク市艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」へ回航され、特務原潜(小型原潜母艦)プロジェクト09787への改造工事が始まりました。
これに伴い、K-64BS-64と改称されました。

2002年以降、弾道ミサイル区画が撤去されました。
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2008年に「ポドモスコヴィエ」と命名されました。

その後の動向は明らかにされませんでしたが、改造工事は進められ、2015年8月10日に造船台を出ました。
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「ポドモスコヴィエ」は近い内に進水し、工場で係留試験を行なった後、洋上試験へ出ます。

BS-64「ポドモスコヴィエ」は、プロジェクト667BDR(デルタIII級)を改造したプロジェクト09786特務原潜BS-136「オレンブルク」の後継となります。
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「ポドモスコヴィエ」に搭載されるのは、プロジェクト10831「ロシャリク」級原子力深海ステーションAS-12でしょう。
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ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは黒海へ向かった

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年8月11日8時43分配信
【黒海艦隊の為の新たな「ワルシャワンカ」の1隻目はノヴォロシースクへ向かった】

月曜日・8月10日、ポリャールヌイ市のエカテリンスカヤ・ガヴァニから大型潜水艦B-261「ノヴォロシースク」が北方艦隊から黒海艦隊への艦隊間移動へと向かった。

潜水艦は、常時駐留所となるノヴォロシースク港へ向かった。
黒海艦隊への到着は9月25日に予定されている。

これに先立つ8月3日、潜水艦「ノヴォロシースク」は、ミサイル複合体の試験プログラムを成功裏に完了した。
バレンツ海の射爆場からアルハンゲリスク州チジャ射爆場への発射が実施された。

2014年11月から北方艦隊へ滞在していた潜水艦は、戦闘訓練錬成任務を成功裏に遂行した。
最大深度への潜航、更には、バレンツ海での魚雷及びミサイルの実地発射遂行時に、兵装及び技術的装置を点検した。

潜水艦「ノヴォロシースク」は2010年8月20日に起工され、2013年11月に進水し、2014年8月22日に海軍へ受け入れられた。
同艦は、黒海艦隊の為に建造されているプロジェクト636.3潜水艦シリーズのトップである。


[プロジェクト06363潜水艦]


プロジェクト06363潜水艦の1番艦B-261「ノヴォロシースク」は2010年8月20日に起工され、2013年11月28日に進水しました。
[プロジェクト06363(改キロ級)潜水艦ノヴォロシースクは進水した]

2014年5月末に工場航海試験が開始されました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクの航海試験が始まった]

6月22日、最初の航海試験は完了しました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは最初の航海試験を終えた]

7月下旬から再び航海試験が実施されました。

8月21日、サンクトペテルブルクにおいて受領-引渡証書への署名が行なわれました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア海軍へ納入された]

2014年8月22日、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催され、名実ともにロシア海軍へ就役しました。
[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア海軍へ就役した]

2014年9月17日、ロシア黒海艦隊へ編入されました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア黒海艦隊へ編入された]

「ノヴォロシースク」は、バレンツ海方面での深海試験が予定されていました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは北方海域で深海試験を行なう]

11月6日、その深海試験を行なう為、北方艦隊の基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは深海試験の為に北方艦隊の基地へ到着した]

それから約9か月後の2015年8月初頭、「ノヴォロシースク」バレンツ海方面での各種試験を全て終えました。

その締め括りとして、「ノヴォロシースク」バレンツ海からチジャ射爆場有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはバレンツ海から地上目標へ巡航ミサイルを発射した]

そして8月10日、「ノヴォロシースク」は黒海へ向けて出航しました。
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[2隻のプロジェクト06363潜水艦は2015年8月と12月にロシア海軍黒海艦隊基地へ到着する]


ロシア海軍向けのプロジェクト06363通常動力潜水艦は、これまでに6隻が起工され、この内の3隻が就役しています。
全てサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で建造されています。
現在の所、6隻が建造される計画です。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年7月3日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工./2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定


プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356Rフリゲートの建造は再開された

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『タス通信』より
2015年8月11日12時8分配信
【造船所:黒海艦隊の為の第2バッチ3隻のフリゲートの建造は続けられる】
カリーニングラード、8月11日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ

沿バルト造船工場「ヤンターリ」国防省の決定により、ロシア海軍の為のプロジェクト11356フリゲートの第2バッチ3隻の建造を継続する。
8月11日、タス通信は同社の広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「アドミラル・シリーズと呼ばれる第4、第5、第6のプロジェクト11356警備艦の建造を継続する決定は、発注者-ロシア連邦国防省により下されました」
ミハイロフ
は話した。

彼によると、「ヤンターリ」は、フリゲート「アドミラル・ブタコフ」「アドミラル・イストミン」の船体形成作業を再開した。
更には、この秋に起工される予定の軍艦「アドミラル・コルニロフ」のセクションが製造される。

「作業が休止されていた同シリーズの艦の第2バッチ3隻の建造スケジュール期間は調整されます。
建造を休止する決定は、今年春にロシア連邦国防省により下されました」

工場の代理人は指摘した。

彼は、フリゲートの第2バッチ3隻の軍への引き渡し時期は、プロジェクト11356艦の主動力装置の製造の為のトップ企業である科学生産合同「サトゥルン」の義務の履行に依存する事を強調した。
沿バルト造船工場「ヤンターリ」へのガスタービンエンジン供給開始は、2017年末から2018年初頭に予定されている。

黒海艦隊の為の最初の3隻のフリゲートは、造船所の計画によると、2015年~2016年に軍へ引き渡される。
シリーズのトップ艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は既に航行試験中であり、第2の「アドミラル・エッセン」は係留試験プログラムを遂行している。
「アドミラル・マカロフ」と命名された第3のフリゲートは進水を準備しており、それは9月初頭に予定されている。

以前、ロシア海軍の為の一連の大型水上艦の建造は、ウクライナから供給されていた動力装置を交換する必要が有る為に休止していると報じられた。
特に、ウクライナで製造されたエンジンは、プロジェクト11356フリゲートプロジェクト22350フリゲートに使われていた。
以前、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、「アドミラル・グリゴロヴィチ」型フリゲートの建造の困難さに関連して提唱された新たなプロジェクト22800コルベットを18隻建造する計画を発表した


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、この内の2隻が進水し、1番艦は洋上試験中です。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは洋上試験を続ける]
[建造進むロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト11356R(2015年4月4日)]

プロジェクト11356Rフリゲートの主機であるガスタービン集合体M7N1(ブースト用ガスタービンDT-59と巡航用ガスタービンDS-71から成るユニット)は、ウクライナ「ゾーリャ・マシプロイェクト」社で組み立てられ、ロシアへ供給されていましたが、ウクライナ危機により、供給は途絶えてしまいました。
M7N1は、プロジェクト11356Rの1番艦~3番艦(「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」)までの分は供給されましたが、4番艦以降のエンジンは供給されていません。

この為、4番艦以降の建造は停滞しました。
[ロシア海軍の新型フリゲートの建造は停滞する]

ロシア国防省は、プロジェクト11356Rの4番艦以降の建造工事の一時停止を決定しましたが、今回、工事の再開が決定されました。

プロジェクト11356Rは5番艦まで起工されていますが、起工が延期されていた6番艦「アドミラル・コルニロフ」も、今年秋にようやく起工されることになりました。

プロジェクト11356Rの4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる

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『タス通信』より
2015年8月10日11時9分配信
【統合造船業営団:将来のロシア正規空母は原子力になる】
モスクワ、8月10日/タス通信

将来のロシア正規空母は、(ロシア)海軍の要求に沿って核動力装置のみを装備しなければならない。
タス通信『統合造船業営団』の代理人より伝えられた。

「ロシア正規空母プロジェクト、或いは、海洋航空複合体とも呼ばれるものは、現在開発中です。
ネヴァ川計画設計局により行なわれている研究においては、ただ1つのヴァージョンが提供されており、艦の自立航行能力及び航続距離に関して提示された海軍の要求に対し、艦は核動力装置を装備する事になります」

対談者は話した。

ネヴァ川計画設計局は、2007年から様々な段階の作業を進めていると営団の代理人は指摘した。
それ以来、国防省の発注により、艦の外観及び航空団が開発され、基本システムの科学研究及び試作設計作業の一覧が規定されている。
対談者は、既に統合造船業営団の企業の1つが原則として正規空母の建造の可能性を承認されており、基本的な企業協力、艦の建造の為の費用と時期は定められている事を強調した。

この国家防衛発注においては、正規空母の建造は予定されていない。
「現在、2015年~2017年の国家防衛発注の課題において、海洋航空複合体の作成は提示されておりません」
統合造船業営団
の代理人は話した。

以前、『ネヴァ川計画設計局』総取締役セルゲイ・ウラソフは、将来正規空母プロジェクトの作業は独自のイニシアチブにより実施しており、海軍からの技術的要求は無いとタス通信に話した。
ウラソフによると、プロジェクトのヴァリアントは2つになるかもしれない。
艦の排水量は、核動力装置ならば80000~85000トンに達し、約70機の航空機を搭載できる。
正規空母が非核動力の場合、50~55機の機体を搭載でき、排水量は55000~65000トンになる。

[新たな揚陸艦]
更に統合造船業営団の代理人は、ロシア造船業界は、新たな大型揚陸艦の戦術的-技術的要件を未だ海軍から受けていないと伝えた。
「戦術的-技術的要件を業界は未だ受けていません」
対談者は話し、「それは完全に新たな艦となる」事を指摘した。

予備開発作業は、2つの機関~ネヴァ川計画設計局クルイロフ国立科学センターにより進められている。
統合造船業営団の企業の代理人は、技術的再装備及び近代化の大規模なプログラムである事を指摘した。
それは「ロシア海軍のニーズの為の最も近代的な艦の建造を可能にします」
対談者は確言した。

以前、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、艦上に10機以上のヘリコプターを搭載し、約450名の海軍歩兵を輸送できる新たな大型揚陸艦を開発していると述べた。
国防省は、新世代大型揚陸艦の1隻目は2020年までに建造される計画であると表明した。
海軍は、艦の排水量が16000トンになると指摘した。


海軍の代理人は、艦の外観は既に形成されていると伝えたが、統合造船業営団は、研究についてのみの話であると指摘した。
造船所は、新たなロシア揚陸艦「概念設計」は存在し、このような艦の設計と建造は5年未満で出来る事を強調した。

サンクトペテルブルクで7月に開催された国際海軍サロンにおいて、チルコフ大将は、クルイロフ・センターのブースでロシアヘリコプター空母の予備設計を示された。
総司令官は、艦が16機のヘリコプターを搭載し、揚陸部隊450名と装甲車両約80両を積載すると記者団へ伝えた。
この概念案が、新たな大型揚陸艦の開発と関係が有るのか否かについては明らかにされなかった。

先週、ロシアフランスは、2011年にロシア連邦海軍の為に発注された2隻の「ミストラル」型ヘリコプター空母の供給契約の終了で合意した事が知られるようになった。
2014年、パリウクライナ情勢が故に艦の引き渡しを停止した。
クレムリンが発表したように、「契約に基づいて支払われたロシア側の資金の補償、更には供給されたロシア製の機器及び材料の返還」で当事者は合意に達した。


[ロシア将来航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]
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ロシア将来正規空母Перспективный Авианосецは、現在の所、3種類のヴァリエーション~重航空母艦(80000-85000t級)、中航空母艦(55000-65000t級)、軽航空母艦(50000t未満)が検討されています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]

将来正規空母の建造開始時期は、今のところは未定です。
[ロシア海軍の為の将来原子力空母の起工は2018年までの予定表には無い]

将来正規空母の艦載機は、数年後に配備予定のロシア空軍第5世代重戦闘機PAK FA(T-50)の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]

将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]

将来正規空母アイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]

将来正規空母建造の中核となるのはセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」であり、同社は、造船設備の近代化を進めています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は生産設備を近代化した後にロシア海軍の為の将来正規空母を建造できるようになる]

将来正規空母の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていたのですが、ロシア海軍の要求により、原子力推進に確定したようです。


ただ、以前から、ロシア将来正規空母に関しては、規模(排水量)はともかく、動力に関しては原子力推進になると繰り返し明言されていました。

2007年、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン提督は、新たな空母「少なくとも全長100メートルを超える原子力艦となる」と述べています。
[ロシア新空母]

2008年10月中旬、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を視察した当時のロシア大統領ドミトリー・メドベージェフ氏は、「新たな航空巡洋艦(空母)の動力は原子力でなければならない」と述べました。
[メドベージェフ大統領、空母建造について発言]

2009年2月末、ロシア統合造船業営団の国家防衛発注局長アナトーリー・シレモフ氏は、6万トン級の原子力空母を建造すると述べました。
[ロシアは、5~6万トンの新世代原子力空母を建造する]

現在のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、2013年5月に「将来原子力空母」と明言しています。
[ロシア海軍総司令官はロシア将来原子力空母について語った]

ロシア海軍航空隊は2017-2018年に艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを受領する

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『タス通信』より
2015年8月6日10時43分配信
【(ロシア)海軍航空隊は「ミストラル」の為に意図されていた最初のヘリコプターを2018年に受領する】
モスクワ、8月6日/タス通信

最初の艦上配置ヘリコプターKa-52K「カトラン」ロシア連邦海軍は2017~2018年に受領する予定である。
タス通信は、ロシア海軍総司令部の高位の情報提供者より伝えられた。

「私が思うに、このヘリコプターを海軍航空隊は2017~2018年に受領するでしょう。
ヘリコプターという構成要素はロシア艦にとって非常に重要です。
ヘリコプターの機数については、現在、定められてはおりますが、まだ最終的な決定ではありません。
ですが、既に理解されているのは、それ(Ka-52K)は受領され、運用され、そして更に-見られるという事です」

対談者は話した。

海軍航空隊の為の他の供給に関する話で、彼は、戦闘機Su-30の購入が計画されている事を指摘した。
情報提供者は、航空機の供給機数と供給時期については明言せず、ただ、機体は「多数になる」としか説明しなかった。

Ka-52Kは、戦闘ヘリコプターKa-52「アリガートル」の艦上ヴァージョンである。
当初は、2011年にフランスへ発注した「ミストラル」型ヘリコプター空母の為に開発された。
しかし、2014年に艦の引き渡しは凍結された。

昨日(8月5日)に知られたように、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは、2隻の「ミストラル」の建造契約の終了で合意した。

以前、ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』ロシア連邦国防省は、Ka-52K「ミストラル」に代わり、他のロシア海軍の艦に配置されると伝えた。
加えて、ホールディングスは、艦上版「アリガートル」は世界市場で需要が有ると見ている。

[「ミストラル」を巡る紛争]
ロシア海軍の為にフランスヘリコプター空母を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
「ウラジオストク」と命名された1隻目の艦は2013年10月に進水し、(2014年)11月にロシアへ引き渡されなければならなかった。
最後の段階でパリウクライナ情勢を理由にロシア側へのヘリコプター空母の引き渡しを無期限に延期した。
2番艦「セヴァストーポリ」は、当初はロシア側へ2015年後半に引き渡される計画であったが、1番艦と同様に、引き渡しの凍結が決定された。

[クレムリン:ヘリコプター空母建造契約は終了した]
8月5日、クレムリン(ロシア連邦大統領府)広報サービスは、フランスロシアの指導者、ウラジーミル・プーチン大統領フランソワ・オランド大統領の電話会議の結果、「ミストラル」の建造・供給の為の契約の終了を決定したと発表した。

専門家の協議過程で過去の伝統的なロシアとフランスの友好的な関係が鍵となり、契約下で支払ったロシア側への補償金、更には、設置されたロシア製機器及び材料の返還で相互合意に達した。
クレムリン(ロシア連邦大統領府)広報サービス


フランス「既に資金を振り込んでおり、ロシア製機器の返還後、(フランスは)財産権を取得し、双方の艦を処分出来るようになる」

「モスクワは、ミストラルに関する問題は完全に決着したと考えております」
広報サービスは表明した。

[メディア:フランス軍総参謀部の一部の士官は「ミストラル」売却に反対した]
同時に、フランス新聞『ル・モンド』は、当初からフランス軍総参謀部の士官は、エリゼ宮ロシアへの「ミストラル」売却には同意していなかったと報じた。

「フランスがロシアへミストラルを売却する可能性に関し、決して実行すべきではないという点で意見は完全に一致していた。
当初からフランス軍総参謀部の高級士官は、ロシアへヘリコプター空母を売却する計画には不同意であると表明していた」

同紙は、こう記した。

これは、最終的には正しい決定だった事が指摘された。
「フランスとロシアの間の良好な関係を維持し、更には、困難な状況に在ったサンナゼール海軍造船所への資金援助の必要性を考慮して」
「このラインは、その後、フランス首相フランソワ・フィヨンと国防相エルベ・モランが関心を持ち、支持した~彼等は、それを主張した。
最終決定は、この論争を仲裁したサルコジ大統領により下された」

新聞は伝えた。

フランス国防相ジャン・イヴ・ル・ドリアンは、支払いが実行された後、艦の「所有権は完全にフランスへ移る」事を確認した。
「フランスとロシアは、この艦の問題について大きな相違は有りません」
ル・ドリア
ンは説明した。
国防相は更に述べた。
「ロシアは支払った金額に応じ、ユーロ換算で補償を受けます」

[「我々は自力で建造が可能であり、そして、建造する術を知っています」]
以前、ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、サンクトペテルブルクの国際海軍サロン(IMDS-2015)において、ロシアは独自に揚陸艦を建造すると表明した。

「我々は自力で建造が可能であり、そして、建造する術を知っています」
提督は話した。
「展示会アルミヤ(軍)-2015で、我々の大型揚陸艦プロジェクトから1つが出されました。
我々の業界は立ち止まる事は無く、科学は発展を続けています」


モスクワで開催された展示会に出展されたプロジェクトに関する話で、提督は、この艦はヘリコプター16機の駐留が提示された事を想い起した。
それは、450名の兵員と80両の車両を輸送できるとチルコフは説明した。
「この艦の可能性と能力は、ミストラルを超えています」
提督は強調した。

以前、ロシア海軍は、2020年には排水量約16000トンの新世代大型揚陸艦の1隻目の受領を計画していると表明した。
海軍の代理人は、艦の外観は既に形成されていると伝えたが、統合造船業営団は、研究についてのみの話であると指摘した。
造船所は、新たなロシア揚陸艦「概念設計」は存在し、このような艦の設計と建造は5年未満で出来る事を強調した。


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[艦上攻撃ヘリコプターKa-52K]

艦載ヘリコプターKa-52K(空軍のKa-52の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]

Ka-52Kは、元々はロシアフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の契約終了によりフランスはロシアへ10億ユーロ弱を支払う]

しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発は続行されています。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]

Ka-52Kは、他の艦か、或いは陸上基地へ配備されることになります。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリKa-52Kはミストラル級ヘリ空母以外の艦に搭載されるかもしれない]
[艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kはミストラル級ヘリ空母が無くてもロシア海軍で運用される]

ロシア海軍Ka-52Kは、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与される事になるようです。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]

ただし、本来の搭載予定母艦が無くなった為か、Ka-52K量産機の引き渡しは2017~2018年に先延ばしされました。

「ミストラル」級に代わる艦として、14000トン級の新型汎用揚陸艦「プリボイ」級の建造が2016年から開始され、計8隻の調達が計画されています。
[ロシア海軍の為の新型汎用揚陸艦プリボイ級が建造される]
[ロシア海軍の新世代大型揚陸艦は2020年に就役する]

Ka-52Kは、「プリボイ」級に搭載される事になるでしょう。

ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる

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『タス通信』より
2015年8月7日16時13分配信
【情報筋:「ミストラル」に付けられた名前は、ロシアの新たな揚陸艦へ与えられるかもしれない】
モスクワ、8月7日/タス通信

フランスへ発注した「ミストラル」型ヘリコプター空母に付けられていた「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」の名前は、将来の新世代ロシア揚陸艦に付けられるかもしれない。
8月7日、タス通信ロシア海軍総司令部の情報提供者より伝えられた。

「ウラジオストクとセヴァストーポリの名前は、将来的には、大きな排水量を有する同様の新世代揚陸艦へ付けられる事も有り得ます」
対談者は話した。

彼は更に、(ミストラル級の)ロシア人乗組員は、ヘリコプター搭載艦の為の準備として、この夏に様々な艦隊、主に太平洋艦隊で研修を開始すると伝えた。

「6月以降、乗組員は、様々な艦隊~大部分は太平洋艦隊~で研修を行なっております」
情報提供者は話した。

以前、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、艦上に10機以上のヘリコプターを搭載し、約450名の海軍歩兵を輸送できる新たな大型揚陸艦を開発していると述べた。
彼によると、それは更に「大量の車輌を輸送する事が出来、航続距離は事実上無制限となります」

以前、ロシア連邦国防省は、新世代大型揚陸艦の1隻目は2020年までに建造する計画であると表明した。

[「ミストラル」を巡る紛争]
ロシア海軍の為にフランスヘリコプター空母を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
「ウラジオストク」と命名された1隻目の艦は2013年10月に進水し、(2014年)11月にロシアへ引き渡されなければならなかった。
最後の段階でパリウクライナ情勢を理由にロシア側へのヘリコプター空母の引き渡しを無期限に延期した。
2番艦「セヴァストーポリ」は、当初はロシア側へ2015年後半に引き渡される計画であったが、1番艦と同様に、引き渡しの凍結が決定された。

[クレムリン:ヘリコプター空母建造契約は終了した]
8月5日、クレムリン(ロシア連邦大統領府)広報サービスは、フランスロシアの指導者、ウラジーミル・プーチン大統領フランソワ・オランド大統領の電話会議の結果、「ミストラル」の建造・供給の為の契約の終了を決定したと発表した。

専門家の協議過程で過去の伝統的なロシアとフランスの友好的な関係が鍵となり、契約下で支払ったロシア側への補償金、更には、設置されたロシア製機器及び材料の返還で相互合意に達した。
クレムリン(ロシア連邦大統領府)広報サービス


フランス「既に資金を振り込んでおり、ロシア製機器の返還後、(フランスは)財産権を取得し、双方の艦を処分出来るようになる」

「モスクワは、ミストラルに関する問題は完全に決着したと考えております」
広報サービスは表明した。

[メディア:フランス軍総参謀部の一部の士官は「ミストラル」売却に反対した]
同時に、フランス新聞『ル・モンド』は、当初からフランス軍総参謀部の士官は、エリゼ宮ロシアへの「ミストラル」売却には同意していなかったと報じた。

「フランスがロシアへミストラルを売却する可能性に関し、決して実行すべきではないという点で意見は完全に一致していた。
当初からフランス軍総参謀部の高級士官は、ロシアへヘリコプター空母を売却する計画には不同意であると表明していた」

同紙は、こう記した。

これは、最終的には正しい決定だった事が指摘された。
「フランスとロシアの間の良好な関係を維持し、更には、困難な状況に在ったサンナゼール海軍造船所への資金援助の必要性を考慮して」
「このラインは、その後、フランス首相フランソワ・フィヨンと国防相エルベ・モランが関心を持ち、支持した~彼等は、それを主張した。
最終決定は、この論争を仲裁したサルコジ大統領により下された」

新聞は伝えた。

フランス国防相ジャン・イヴ・ル・ドリアンは、支払いが実行された後、艦の「所有権は完全にフランスへ移る」事を確認した。
「フランスとロシアは、この艦の問題について大きな相違は有りません」
ル・ドリア
ンは説明した。
国防相は更に述べた。
「ロシアは支払った金額に応じ、ユーロ換算で補償を受けます」

[「我々は自力で建造が可能であり、そして、建造する術を知っています」]
以前、ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、サンクトペテルブルクの国際海軍サロン(IMDS-2015)において、ロシアは独自に揚陸艦を建造すると表明した。

「我々は自力で建造が可能であり、そして、建造する術を知っています」
提督は話した。
「展示会アルミヤ(軍)-2015で、我々の大型揚陸艦プロジェクトから1つが出されました。
我々の業界は立ち止まる事は無く、科学は発展を続けています」


モスクワで開催された展示会に出展されたプロジェクトに関する話で、提督は、この艦はヘリコプター16機の駐留が提示された事を想い起した。
それは、450名の兵員と80両の車両を輸送できるとチルコフは説明した。
「この艦の可能性と能力は、ミストラルを超えています」
提督は強調した。

以前、ロシア海軍は、2020年には排水量約16000トンの新世代大型揚陸艦の1隻目の受領を計画していると表明した。
海軍の代理人は、艦の外観は既に形成されていると伝えたが、統合造船業営団は、研究についてのみの話であると指摘した。
造船所は、新たなロシア揚陸艦「概念設計」は存在し、このような艦の設計と建造は5年未満で出来る事を強調した。


[ロシア将来大型揚陸艦]

ロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の契約終了によりフランスはロシアへ10億ユーロ弱を支払う]

一方、ロシアは、以前から「ミストラル」級のような艦~将来ヘリコプター揚陸ドック艦~を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明しています。
[ロシアの造船所はミストラル級のような艦を独自に建造できる]
[ロシアは独自のヘリコプター空母の建造を計画している]
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]

ロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦の建造も検討されています。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]

そして、「ミストラル」級の契約終了により宙に浮いてしまった「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」の名は、将来に建造される全通甲板ヘリコプター揚陸艦の為に取っておくことになるようです。
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ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の契約終了によりフランスはロシアへ10億ユーロ弱を支払う

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『タス通信』より
2015年8月7日12時28分配信
【メディア:フランスはロシアへ「ミストラル」の為に10億ユーロ弱を支払う事に同意した】
パリ、8月7日/タス通信

フランス政府ロシア「ミストラル」の為に「10億ユーロ弱」を支払う事に同意した。
新聞『フィガロ』は報じた。

同紙によると
「この数字は、ロシアの要求(12億ユーロ)とフランスの提案(8億ユーロ)との間の妥協の結果である」
「この金額は、既に振り込まれたモスクワの前払い金、更には、今春のサンナゼールでのロシア人船員の訓練の為の一連の費用をカバーしなければならない。
この問題はすぐに議会へ提出される」

新聞は指摘した。

先だって共和国大統領フランソワ・オランドが表明したように、モスクワとの合意は、特に、「ロシアが振り込んだ正確な額の」ロシア側への返還、更には、2隻ので勤務する為の乗員の「訓練費用」の補償を意味する。
同時に彼は、フランスは契約下で如何なる罰金も支払う必要は無い事を強調した。

水曜日夜、フランスロシアは、11億2000万ユーロと見積もられている2隻の「ミストラル」級ヘリコプター空母の供給契約のキャンセルで合意したと公式に発表した。
決定は、国家元首フランソワ・オランドウラジーミル・プーチンの間の水曜日の電話会談の結果に基づいて下された。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシアフランスから「ミストラル」級指揮・戦力投射艦を購入するかもしれないと最初に報じられたのは、2009年8月初頭でした。
[ロシア海軍、フランス艦を購入?]

それから間もなく、ロシア連邦軍参謀本部総長、ロシア連邦海軍総司令官、ロシア連邦国防相代理が相次いで「ミストラル」級購入の為の交渉が進行中である事を公式に認めました。
[ロシアは、今年末までに「ミストラル」級購入で合意できる]
[ロシアは、競争によりヘリ揚陸艦を購入する]
[ロシア国防省は、「ミストラル」型揚陸艦購入交渉が行なわれている事を認める]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約が締結されたのは、最初に話が出て来てから約2年後の2011年6月になりました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

ロシア海軍向け「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国フランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]

2番艦「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、2015年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]

オランド大統領はは、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げていました。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

このようなフランス側の態度に対し、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金を請求するつもりは無いが、ロシアが負担した費用は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]

4月19日、オランド氏は、4月24日にアルメニアプーチン氏と会い、「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
[フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う]

4月22日、オランド氏は、ウクライナ大統領との共同記者会見において、改めてロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は形成されておらず、引き渡しは不可能であると表明しました。
更には、ロシアフランスへ払った「ミストラル」級の代金の返還についても言及しました。
[フランスはロシアが支払ったミストラル級ヘリ空母の代金を返還する用意がある]

そして4月24日、アルメニアエレバンプーチン氏とオランド氏の会談が開かれました。
[フランス大統領とロシア大統領はアルメニアにおける首脳会談でミストラル級ヘリ空母の問題についても話し合った]

この会談では「ミストラル」級の問題についても話し合われたようですが、会談後、フランス大統領「ロシアへのミストラル級の引き渡しは決まっていない」と述べ、一方、ロシア大統領報道官「この件に関しては何の問題も無い」とだけ述べました。

4月27日、ロシア大統領報道官ドミトリー・ペスコフ氏は、「ミストラル級ヘリ空母か、或いは前払い金(ロシアがフランスへ支払い済みの代金)をロシアへ戻す事で合意している」と述べました。
[フランスはロシアへミストラル級ヘリ空母を引き渡すか、或いは金を返す]

その後、両国の代表団は何度か交渉を行ないましたが、最終的には、「ミストラル」級ロシアへ引き渡すのではなく、ロシアが以前に支払った「ミストラル」級の代金を返還する方向で合意する事になりました。
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母の代金返還で合意する]
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母に関する合意原案を用意している]

7月下旬からは詳細の部分に関する協議へ入り、先ず初めに、「ミストラル」級ヘリ空母へ設置されたロシア製機器の返却の問題について議論されました。
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母に設置されたロシア製通信システムの返却について話し合った]

その後、「ミストラル」級に設置済みのロシア製通信システムを取り外す為、ロシアの技術者がフランスへ渡る事になりました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に設置された自国製機器を取り外す]

7月28日、フランス大統領フランソワ・オランドは、今後数週間以内に「ミストラル」級に関する最終決定を下すと発表しました。
[フランス大統領はロシア海軍向けミストラル級の供給問題に関する最終決定を下す]

そして2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

契約終了によりフランスロシアへ支払う事になる補償金額は、フランス国防相ジャン・イヴ・ル・ドリアン氏によると、「12億ユーロよりは少ない」との事です。
一方、ロシア政府側は、フランスから受け取る金額については明言を避けました。

今回、フランス『フィガロ』紙が報じた所によると、それは「10億ユーロ弱」との事です。

ロシアフランスへ支払い済みの「ミストラル」級の為の代金が約9億ユーロ、それに幾ばくかの補償金~「ミストラル」級の乗員となるロシア海軍将兵の訓練費用の補償~がプラスされました。
(既に乗員団は解散)

フランス「ミストラル」級の契約を履行しなかった場合に支払う事になっていた「違約金」10億5000万ユーロでしたが、それよりもやや少ない金額になります。
(今回の契約終了に関し、公式には「違約金」という表現は使われていませんが)

「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦そのものは取得できませんでしたが、ロシアは支払い済みの代金(プラスアルファ)を回収し、「ミストラル」級に設置されたロシア製機器も回収し、更には、「ミストラル」級の契約(後ろ半分はロシアで建造した)により建造技術を取得しました。
[ロシアはフランスのミストラル級ヘリ空母購入契約を通じて大規模ブロック組立技術を取得した]


既にロシア海軍「ミストラル」級ヘリ空母には見切りを付けており、新たな汎用揚陸艦の建造を計画しています。

新型汎用揚陸艦「プリボイ」級の建造は2016年から開始され、計8隻の調達が計画されています。
[ロシア海軍の為の新型汎用揚陸艦プリボイ級が建造される]
[ロシア海軍の新世代大型揚陸艦は2020年に就役する]

「プリボイ」級の後に、ロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦の建造も検討されています。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]

ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは2015年末までに弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月5日15時24分配信
【今年最初の「ブラヴァー」発射は原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」から実施される】
モスクワ、8月5日-ロシア通信社ノーボスチ

戦略原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」(プロジェクト955、コード名「ボレイ」)は2015年末までに海洋弾道ミサイル「ブラヴァー」発射を実施する。
水曜日、ロシア通信社ノーボスチロシア海軍司令部の高位の代理人より伝えられた。

「ミサイル発射の正確な日時は決まってはおりませんが、今年末までに潜水艦ウラジーミル・モノマーフの艦内から実施されます」
対談者は話した。

また、彼によると、8月には北方艦隊基地からカムチャツカヴィリュチンスクの常時駐屯地へ、このクラスの他の原子力艦-「アレクサンドル・ネフスキー」の移動が計画されている。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

「ボレイ」級戦略原潜3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、12月19日にロシア海軍へ就役しました。
同艦は、書類上は太平洋艦隊第25潜水艦師団に所属しています。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]

12月26日にセヴェロドヴィンスクを出航し、北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着した]

「ウラジーミル・モノマーフ」カムチャツカ回航は2016年になります。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフのカムチャツカ回航は2016年になる]

これに先立ち、今年末までに弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射する事になりました。
[ロシア海軍は2015年末までに数回の弾道ミサイル"ブラヴァー"発射を実施する]

「ウラジーミル・モノマーフ」は、2014年9月10日に初めて弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはブラヴァー弾道ミサイル発射に成功した]


記事末尾で触れられていますが、同型艦「アレクサンドル・ネフスキー」は、近い内にカムチャツカ半島へ回航されます。
[ロシア海軍最新戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカへ回航される]

ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年8月6日8時15分配信
【プーチンとオランドは「ミストラル」の物語に終止符を打った】

フランスはロシアへ「ミストラル」型ヘリコプター空母の建造の為に支払い済みの代金を返還する。
クレムリンは、この問題が決着したと見ていると公式に表明した。


ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、彼のフランスの同僚(大統領)フランソワ・オランドと電話会談を行なった。
ロシア連邦大統領府広報サービスは、両首脳が「2011年6月に署名されたミストラル型ヘリコプター揚陸ドック艦2隻の建造・供給の為の契約を終了する為の共同決定を下した」と伝えた。

専門家の協議過程で「過去の伝統的なロシアとフランスの友好的な関係が鍵となり、契約下で支払ったロシア側への補償金、更には、設置されたロシア製機器及び材料の返還で相互合意に達した」事は注目される。

更にロシア大統領府広報サービスは、フランスが既に資金を振り込んでいると発表した。
ロシア製機器の返還後、(フランスは)財産権を取得し、双方の艦を処分出来るようになる。

「モスクワは、ミストラルに関する問題は完全に決着したと考えております」
広報サービスは表明した。

ロシア「ミストラル」を供給する為の契約を凍結するとフランス当局が初めて発表したのは2014年9月3日であった。
後にフランソワ・オランドは、全てはウクライナ紛争の展開に依ると説明した。
(2014年)11月末、ロシアへの艦の引き渡しの一時停止が正式に決定された。
メディアの報道によると、2015年5月、契約終了の条件に関する交渉が始まった。
最新報道によると、補償金の額は、ほぼ12億ユーロになる。


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月6日9時29分配信
【フランス国防省:「ミストラル」の為の支払いは12億ユーロよりは少なくなる】
モスクワ、8月6日-ロシア通信社ノーボスチ

フランス国防相ジャン・イヴ・ル・ドリアンは、パリ「ミストラル」型ヘリコプター空母2隻の建造契約下の資金を満額支払うつもりであると表明した。
支払額は、12億ユーロよりは少なくなると『ロイター通信』は伝えた。

「2隻の艦の初期費用は12億ユーロでした。
(新たな)合意による支払いは・・・それよりは少なくなります。
今回に限り、ロシアへはユーロ金融債務で返還され、彼らは、それを現金に換える事が出来ます」
国防相
ラジオ局『RTL』の生放送で表明した。

ル・ドリアンによると、正確な金額と合意の基本内容は議会で議論され、当事者間で達した合意を批准しなければならない。

以前、クレムリン(ロシア連邦大統領府)広報サービスは、双方の当事者が「ミストラル」型ヘリコプター空母2隻の建造・供給の為の契約の終了を決定したと発表した。
更に、フランスは既に契約下での資金を振り込んでおり、機器の返還後に艦を処置出来るようになる事が知られるようになった。

2隻のヘリコプター空母の供給契約は2011年にフランスDCNS/STXロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社)との間で締結された。
フランスは、1番艦「ウラジオストク」を昨年11月に引き渡さなければならなかったが、実現には至らなかった。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシアフランスから「ミストラル」級指揮・戦力投射艦を購入するかもしれないと最初に報じられたのは、2009年8月初頭でした。
[ロシア海軍、フランス艦を購入?]

それから間もなく、ロシア連邦軍参謀本部総長、ロシア連邦海軍総司令官、ロシア連邦国防相代理が相次いで「ミストラル」級購入の為の交渉が進行中である事を公式に認めました。
[ロシアは、今年末までに「ミストラル」級購入で合意できる]
[ロシアは、競争によりヘリ揚陸艦を購入する]
[ロシア国防省は、「ミストラル」型揚陸艦購入交渉が行なわれている事を認める]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約が締結されたのは、最初に話が出て来てから約2年後の2011年6月になりました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

ロシア海軍向け「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国フランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]

2番艦「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、2015年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]

オランド大統領はは、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げていました。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

このようなフランス側の態度に対し、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金を請求するつもりは無いが、ロシアが負担した費用は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]

4月19日、オランド氏は、4月24日にアルメニアプーチン氏と会い、「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
[フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う]

4月22日、オランド氏は、ウクライナ大統領との共同記者会見において、改めてロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は形成されておらず、引き渡しは不可能であると表明しました。
更には、ロシアフランスへ払った「ミストラル」級の代金の返還についても言及しました。
[フランスはロシアが支払ったミストラル級ヘリ空母の代金を返還する用意がある]

そして4月24日、アルメニアエレバンプーチン氏とオランド氏の会談が開かれました。
[フランス大統領とロシア大統領はアルメニアにおける首脳会談でミストラル級ヘリ空母の問題についても話し合った]

この会談では「ミストラル」級の問題についても話し合われたようですが、会談後、フランス大統領「ロシアへのミストラル級の引き渡しは決まっていない」と述べ、一方、ロシア大統領報道官「この件に関しては何の問題も無い」とだけ述べました。

4月27日、ロシア大統領報道官ドミトリー・ペスコフ氏は、「ミストラル級ヘリ空母か、或いは前払い金(ロシアがフランスへ支払い済みの代金)をロシアへ戻す事で合意している」と述べました。
[フランスはロシアへミストラル級ヘリ空母を引き渡すか、或いは金を返す]

その後、両国の代表団は何度か交渉を行ないましたが、最終的には、「ミストラル」級ロシアへ引き渡すのではなく、ロシアが以前に支払った「ミストラル」級の代金を返還する方向で合意する事になりました。
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母の代金返還で合意する]
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母に関する合意原案を用意している]

7月下旬からは詳細の部分に関する協議へ入り、先ず初めに、「ミストラル」級ヘリ空母へ設置されたロシア製機器の返却の問題について議論されました。
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母に設置されたロシア製通信システムの返却について話し合った]

その後、「ミストラル」級に設置済みのロシア製通信システムを取り外す為、ロシアの技術者がフランスへ渡る事になりました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に設置された自国製機器を取り外す]

7月28日、フランス大統領フランソワ・オランドは、今後数週間以内に「ミストラル」級に関する最終決定を下すと発表しました。
[フランス大統領はロシア海軍向けミストラル級の供給問題に関する最終決定を下す]

そして2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。

契約終了によりフランスロシアへ支払う事になる補償金額は、フランス国防相ジャン・イヴ・ル・ドリアン氏によると、「12億ユーロよりは少ない」との事です。

以前の報道によると、この金額は約11億ユーロ~11億6300万ユーロになります。
[フランスはミストラル級ヘリ空母契約終了により約12億ユーロをロシアへ補償する]

ロシアフランスへ支払い済みの「ミストラル」級の為の代金が約9億ユーロ、それに幾ばくかの補償金がプラスされる事になるようです。

「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦そのものは取得できませんでしたが、ロシアは支払い済みの代金(プラスアルファ)を回収し、「ミストラル」級に設置されたロシア製機器も回収し、更には、「ミストラル」級の契約(後ろ半分はロシアで建造した)により建造技術を取得しました。
[ロシアはフランスのミストラル級ヘリ空母購入契約を通じて大規模ブロック組立技術を取得した]


既にロシア海軍「ミストラル」級ヘリ空母には見切りを付けており、新たな汎用揚陸艦の建造を計画しています。

新型汎用揚陸艦「プリボイ」級の建造は2016年から開始され、計8隻の調達が計画されています。
[ロシア海軍の為の新型汎用揚陸艦プリボイ級が建造される]
[ロシア海軍の新世代大型揚陸艦は2020年に就役する]

「プリボイ」級の後に、ロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦の建造も検討されています。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]

ロシア海軍最新戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカへ回航される

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年8月5日11時30分配信
【戦略用途ロケット水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」は9月にはカムチャッカに居なければならない】

プロジェクト955「ボレイ」の最初の生産水中ロケット艦-K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、近い内に極地のガジエヴォからカムチャツカのヴィリュチンスクへの艦隊間移動へと向かう。

「ロケット艦アレクサンドル・ネフスキーの常置駐留地ヴィリュチンスクへの移動は近い内に予定されています」
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』は海軍総司令部より伝えられた。

対談者によると、「アレクサンドル・ネフスキー」は、9月にオホーツク海からアルハンゲリスク州チジャ射爆場へ3回目のミサイル「ブラヴァー」発射を実施する。
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2013年12月、水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」聖アンドレイ旗を掲揚した。
ロケット艦ヴィリュチンスクに駐留する太平洋艦隊第25潜水艦師団の一員として在籍している。

プロジェクト「ボレイ」ロケット艦-「ウラジーミル・モノマーフ」は2015年に太平洋艦隊へ向かう計画だったが、潜水艦は戦闘即応部隊へ受け入れられる為の定められた全ての錬成任務を間に合わせる事が出来ないため、移動は2016年に延期された。


[新世代戦略原潜ボレイ級]
[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]

第4世代戦略原子力潜水艦プロジェクト955「ボレイ」級2番艦のK-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工され、2010年12月6日に進水し、2011年10月22日から海洋試験を開始しました。

ロシア海軍へ引き渡される前の2013年9月6日、白海弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を実施しましたが、失敗に終わりました。
[2隻のボレイ級戦略原潜の国家試験はSLBMブラヴァー試射失敗により中断される]
[発射に失敗したSLBMブラヴァーには遠隔測定器が装備されていなかった]
[SLBMブラヴァー発射失敗の原因が発表された]

その後、2013年12月23日にロシア連邦海軍へ引き渡され、太平洋艦隊へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

2013年12月30日、北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着しました。
[2隻のボレイ級戦略原潜はガジエヴォ基地に到着した]

その後は、ガジエヴォに「仮住まい」しながら慣熟訓練を行なっていました。

2014年11月28日、バレンツ海から弾道ミサイル「ブラヴァー」発射に成功しました。
[ロシア海軍最新戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーからの弾道ミサイル"ブラヴァー"発射は成功した]

「アレクサンドル・ネフスキー」は2015年夏以降に配備先となるカムチャツカへ回航されます。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフとアレクサンドル・ネフスキーは2015年夏以降にカムチャツカへ回航される]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフとアレクサンドル・ネフスキーは2015年に実戦配備へ就く]

2015年4月頃、弾道ミサイル「ブラヴァー」を定数の16基搭載し、戦闘即応体制が整いました。
[ロシア海軍最新戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーは戦闘即応体制が整った]

「アレクサンドル・ネフスキー」は、今年9月末にオホーツク海から「ブラヴァー」を発射する予定です。
[ロシア海軍最新戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーは2015年9月末にオホーツク海から弾道ミサイルを発射する]

当然の事ながら、「アレクサンドル・ネフスキー」は、それ以前にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着していなければなりません。
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今回の記事によると、近い内に「アレクサンドル・ネフスキー」カムチャツカへ向けて出航するようです。

なお、同じく書類上は太平洋艦隊に所属している「ボレイ」級3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」(2014年12月就役)のカムチャツカ回航は2016年になります。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフのカムチャツカ回航は2016年になる]

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはスペインのセウタへ寄港した

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年8月5日10時42分配信
【「モスクワ」率いる黒海艦隊艦船支隊はセウタへ入った】

親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「プイトリーヴイ」、大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」、救助曳船「シャフテル」で構成される黒海艦隊戦闘艦支隊は、ジブラルタル海峡を通過後、スペインのセウタ港付近の投錨地点へ到着した。

セウタでは、艦の燃料、真水、食料の在庫の完全な補充が計画されていると黒海艦隊情報供給部は伝えた。

計画によると、物資を補充した後、黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将指揮下の支隊は、地中海ロシア海軍常設艦船連合部隊の一員として、この海域での任務遂行を継続する。

大西洋での航海中、艦はアンゴラ共和国ルアンダ港赤道ギニア共和国マラボ港への業務寄港を行なった。


[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-) ]

ロシア黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は、2015年6月1日にセヴァストーポリを抜錨し、エジプトを訪問、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは再び地中海東部へ行く]
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

その後もセヴァストーポリへは戻らず、地中海に滞在していましたが、6月23日には大西洋へ行く事が明らかにされました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは大西洋へ行く]

6月24日朝、黒海艦隊艦船支隊ジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍黒海艦隊艦船部隊はジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入った]

[黒海艦隊艦船支隊]
指揮官:黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」
警備艦「プイトリーヴイ」
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」
救助曳船「シャフテル」


その後の動向は公式筋からは全く公表されていませんが、非公式筋から、7月10-14日にはアンゴラルアンダ港、7月21-24日には赤道ギニアマラボ港を訪問する事が明らかにされました。
[ロシア海軍黒海艦隊の親衛ロケット巡洋艦モスクワはアンゴラと赤道ギニアを訪問する]

7月10日、黒海艦隊艦船支隊は予定通りにアンゴラルアンダ港へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはアンゴラのルアンダを訪れた]

7月14日にルアンダを出航した後、大西洋上で打撃有翼ミサイル「ヴルカーン」高射ミサイル「フォルト」の発射訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは大西洋上で長距離巡航ミサイルを発射した]

その後は赤道ギニアマラボ港を訪問する予定となっておりましたが、それに先立つ7月20日、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督が同国を訪れ、ロシア艦船の寄港手続きを簡略化する協定が締結されました。
[ロシアと赤道ギニアはロシア海軍艦船の寄港手続きを簡略化する協定を締結した]

7月21日、黒海艦隊艦船支隊マラボ港へ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは赤道ギニアのマラボを訪れた]

マラボ港訪問を終えた後、黒海艦隊艦船支隊地中海へ戻る事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ戻る]

そして8月5日、黒海艦隊艦船支隊アフリカ大陸スペイン領セウタへ寄港しました。
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黒海艦隊艦船支隊セウタで燃料、水、食料を補充するとの事ですが、これは要するに、セウタ市で燃料、水、食料を購入するという事です。

遠距離航海へ出ているロシア海軍の艦船は定期的にセウタ港を訪れ、ここで物資を購入しています。

一例を挙げると、2013年1月にセウタへ寄港した北方艦隊艦船部隊は、3日間の滞在で約20万ユーロを支出しています。
[ロシア北方艦隊海賊対処部隊はスペインのセウタ港で20万ユーロを支出した]

ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦3隻はシリアへ向かった

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年8月3日20時35分配信
【大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」はセヴァストーポリを去った】

月曜日・8月3日、黒海艦隊の大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」はセヴァストーポリから出航し、シリアのロシア海軍駐留所へ向かった。
『中央海軍ポータル』は(黒海)艦隊の情報提供者より伝えられた。


計画によると、艦はノヴォロシースク港へ入り、その後、シリアロシア海軍駐留所へ赴くと対談者は説明した。


彼は、7月26日にはプロジェクト1171大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」が、7月31日にはプロジェクト775大型揚陸艦「アゾフ」が同じ航路を進んだ事を指摘した。

「ツェーザリ・クニコフ」プロジェクト775大型揚陸艦である。
同艦は1984年にグダニスク(ポーランド)で建造され、1986年に進水した。
1991年から「ツェーザリ・クニコフ」という名前が付いている。
2013年から2014年にはブルガリア「フロートスキー・アルセナル」工場で1年半の修理を実施した。


今回の記事で登場する黒海艦隊大型揚陸艦3隻は、「アゾフ」が今年5月下旬、「ツェーザリ・クニコフ」は6月下旬、「ニコライ・フィリチェンコフ」は、7月中旬に地中海東部シリアタルトゥースへ行っています。

記事末尾で触れられていますが、「ツェーザリ・クニコフ」は昨年までブルガリアでオーバーホールを行なっており、今年6月初頭、復帰後に初めて地中海へ行きました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦2隻は地中海東部へ入った]

黒海(ノヴォロシースク)地中海東部(タルトゥース)を行き来するロシア海軍大型揚陸艦「シリア・エクスプレス」と呼ばれており、2013年1月から「運航」されています。


なお、今回の件と直接の関係は有りませんが、ロシア空挺軍司令官ウラジーミル・シャマノフ大将は、ロシア空挺軍テロリストとの戦いシリアを支援する用意があると表明しました。
『タス通信』より
2015年8月4日14時37分配信
【シャマノフ:ロシア空挺軍はテロリズムとの戦いでシリアを支援する用意がある】

仮に、ロシア空挺軍シリア支援を実行する場合、大型揚陸艦に乗って行く事も有り得るでしょう。

ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはバレンツ海から地上目標へ巡航ミサイルを発射した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月4日10時5分配信
【潜水艦「ノヴォロシースク」はアルハンゲリスク州の射爆場へミサイルを発射した】
モスクワ、8月4日-ロシア通信社ノーボスチ

ディーゼルエレクトリック潜水艦「ノヴォロシースク」は、バレンツ海からアルハンゲリスク州射爆場有翼ミサイルを発射した。
北方艦隊広報サービス部長代行アンドレイ・ルジク2等海佐は発表した。

「沿岸目標へのミサイル発射で、プロジェクト636"ワルシャワンカ"ディーゼルエレクトリック潜水艦ノヴォロシースクは北方艦隊での複合試験を完了しました。
乗組員はバレンツ海からアルハンゲリスク州のチジャ射爆場の目標への有翼ミサイル発射を実施しました」

彼は指摘した。

昨年11月以降、潜水艦は最大深度への潜航試験に成功し、バレンツ海での魚雷及びミサイルの実地発射遂行時に、専門家は兵装及び技術的装置を点検した。

火曜日、乗組員は、艦の基礎サイクル訓練を完了し、物資を補充してバレンツ海から黒海への移動を準備する。
潜水艦は、ノヴォロシースク(海軍基地)に駐留する。


[プロジェクト06363潜水艦]


プロジェクト06363潜水艦の1番艦B-261「ノヴォロシースク」は2010年8月20日に起工され、2013年11月28日に進水しました。
[プロジェクト06363(改キロ級)潜水艦ノヴォロシースクは進水した]

2014年5月末に工場航海試験が開始されました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクの航海試験が始まった]

6月22日、最初の航海試験は完了しました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは最初の航海試験を終えた]

7月下旬から再び航海試験が実施されました。

8月21日、サンクトペテルブルクにおいて受領-引渡証書への署名が行なわれました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア海軍へ納入された]

2014年8月22日、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催され、名実ともにロシア海軍へ就役しました。
[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア海軍へ就役した]

2014年9月17日、ロシア黒海艦隊へ編入されました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア黒海艦隊へ編入された]

「ノヴォロシースク」は、バレンツ海方面での深海試験が予定されていました。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは北方海域で深海試験を行なう]

11月6日、その深海試験を行なう為、北方艦隊の基地ポリャールヌイへ到着しました。
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[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは深海試験の為に北方艦隊の基地へ到着した]

それから約9か月後の2015年8月初頭、「ノヴォロシースク」バレンツ海方面での各種試験を全て終えました。

その締め括りとして、「ノヴォロシースク」バレンツ海からチジャ射爆場有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
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「ノヴォロシースク」は、8月中に黒海へ回航されます。
[2隻のプロジェクト06363潜水艦は2015年8月と12月にロシア海軍黒海艦隊基地へ到着する]


ロシア海軍向けのプロジェクト06363通常動力潜水艦は、これまでに6隻が起工され、この内の3隻が就役しています。
全てサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で建造されています。
現在の所、6隻が建造される計画です。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年7月3日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工./2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定


プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはベトナムを去った

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月3日6時15分配信
【ロシア太平洋艦隊艦船支隊はベトナムを去った】
ウラジオストク、8月3日-ロシア通信社ノーボスチ

大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、給油船「ペチェンガ」、曳船「SB-522」で構成される太平洋艦隊艦船支隊は、ベトナム共和国ダナン港への公式訪問を完了した。
東方軍管区広報サービス・情報供給部長ローマン・マルトフ1等海佐は発表した。

「7月31日から8月2日までの訪問は、歓待と好感の雰囲気の中で行なわれました。
太平洋艦隊船員は式典で、ダナンのロシア連邦外交団幹部、市庁、ベトナム海軍司令部、国境軍の代表、同市住民と会いました。
太平洋艦隊支隊の公式代表団は、訪問の初日にダナンの戦死した英雄達の記念碑への献花式典に参加しました」
マルトフ
は話した。

彼によると、ロシア人船員は、ダナン市人民委員会の幹部、ベトナム海軍第3海軍地区司令官を表敬訪問した。
次の日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」艦上で返礼行事が開催された。

「ロシア軍事船員は、寄港中にダナンの博物館と観光名所を訪れ、その歴史を知ることが出来ました」
対談者は指摘した。

マルトフは、太平洋艦隊艦船支隊が2月初頭にウラジオストク港を出航した事を想い起した。
3月1日、支隊タイサッタヒープ海軍基地へ非公式訪問の為に入港した。
次の寄港地はマレーシアランカウイ港であり、太平洋艦隊将兵は3月17日から22日まで船舶航行の安全を保障する国際演習へ参加した。
そしてコロンボ(スリランカ)を訪問した後、7月21日から25日まで太平洋艦隊将兵シンガポール共和国チャンギ海軍基地へ滞在した。


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大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」を中核とするロシア太平洋艦隊艦船支隊は、2015年2月初頭にウラジオストクを出港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはベトナムへ行く]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは遠距離航海へ出発した]

2月5日、対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年2月5日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

2月上旬に南シナ海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は南シナ海で対潜戦闘訓練を行なった]

3月1日~5日までタイ王国サッタヒープ海軍基地を訪問しました。
『タイニュース』より
2015年3月12日17時30分配信
【タイを訪問したロシアの戦闘艦】

「アドミラル・パンテレーエフ」タイで一般公開されました。


3月16日、マレーシアランカウイ島へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはマレーシアへ到着した]

3月22日に訪問を終えて出港した後、国際海軍演習へ参加し、その後、インド洋へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはマレーシアを去り、インド洋へ向かった]

3月28日、スリランカコロンボ港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはスリランカへ到着した]

4月1日にコロンボを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はスリランカを去った]

その後の「アドミラル・パンテレーエフ」支隊の動向は公式筋から公表される事無く、帰港予定の5月を過ぎても未だインド洋に居ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはインド洋に居る]

7月21日、「行方不明」「アドミラル・パンテレーエフ」支隊シンガポールを訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはシンガポールを訪れた]

7月31日、ベトナムダナン港を訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはベトナムを訪れた]

そして8月2日にダナン港を抜錨しました。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した

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『タス通信』より
2015年8月3日12時54分配信
【対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は修理後の航行試験を実施した】
モスクワ、8月3日/タス通信

大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、修理後の航行試験を成功裏に実施した。
本日、タス通信北方艦隊広報サービス部長代行アンドレイ・ルジク2等海佐より伝えられた。

「大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは、バレンツ海での航行試験を実施した後、北方艦隊主要基地セヴェロモルスクへ帰港しました」
彼は話した。

「海上における艦の航行試験は成功裏に実施されました」
士官は強調した。

海洋への出航前、艦は、修理を実施した主動力装置の機構及びシステムの調整作業を行なった。

海上で船員は戦闘訓練の要素へ取り組み、対潜航空隊航空機およびヘリコプターとの連携へ向けた一連の活動を実施したとルジクは話した。
また、ヘリコプターKa-27は、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の電波技術兵装を点検する為、艦の上空を飛行した。

2015年初頭、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、ロシア現代史で最も長期に渡った遠距離航海から帰港した。
それは主に地中海で265日間に渡り継続した。


プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は1977年11月4日に起工、1980年5月16日に進水し、1982年1月10日に納入され、同年2月9日に就役しました。
[ウダロイ級2番艦2番艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフ]

ソ連邦解体後、約10年間放置され、2000年代初頭から修理と近代化改装が始まりました。
[大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」近況]

2010年1月下旬から航海試験を開始し、同年12月7日に北方艦隊へ復帰しました。
[大型対潜艦「クラコフ海軍中将」、航海試験開始]

2011年8月、攻撃ヘリコプターKa-52の着艦試験を行ないました。
[攻撃ヘリKa-52、大型対潜艦「海軍中将クラコフ」で発着試験(2011年8月31日)]

2012年2月初頭からは乗員が契約軍人(志願兵)のみとなりました。
[北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、契約軍人だけで構成される]

2012年5月から7月までアデン湾海賊対処任務に就きました。
(2012年4月6日出港・9月12日帰港)
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはアデン湾海賊対処任務を終えた]

2013年5月から9月まで地中海、大西洋、カリブ海への遠距離航海を行ないました。
(2013年5月11日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは長期航海を終えて基地へ戻った]

2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]

2015年3月からムルマンスク第35艦船修理工場ガスタービン機関を含むオーバーホールを行ないました。
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そして7月末までにオーバーホールを完了し、8月初頭に修理後の点検の為の洋上試験を実施し、北方艦隊セヴェロモルスク基地へ帰港しました。

ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はコラ半島の防空任務に就いた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年8月3日10時2分配信
【北方艦隊の飛行士は北極圏コラ半島の空中境界線の警戒を開始した】

北方艦隊海洋航空隊艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、初めて甲板戦闘機Su-33戦闘機Su-27の海洋の同類機~による北極圏コラ半島の空中境界線の警戒を開始した。

空中防衛の為の戦闘当直乗員の着任式典は8月1日に開催された。
式典には、北方艦隊海洋航空隊司令官アレクサンドル・オトロシェンコ少将が出席した。

これまで甲板航空隊戦闘機飛行士は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」艦上で、北方艦隊戦闘艦支隊の遠距離航海時の空中防衛の為の当直に就いていた。

今後、行軍期間中に艦上航空隊戦闘機航空連隊の飛行要員は、ロシア北極圏コラ領域の空中防衛体制に関わる事になる。


[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた]

ロシア海軍艦上戦闘機Su-33は、北方艦隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」にのみ配備されており、空母「アドミラル・クズネツォフ」を母艦としています。
(普段はセヴェロモルスク-3飛行場に駐留)
現在の総保有機は21機であり、この内の14機程度が稼働状態に在ります。
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2015年7月中旬、第279艦上戦闘機航空連隊の3機戦闘機Su-33と3機の練習機Su-25UTGは、航空連隊へ新たに着任した新人パイロットの訓練の為、クリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」へ進出しています。
訓練は数週間に渡ります。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊は訓練の為、クリミアのニートカへ進出した]

一方、セヴェロモルスク-3飛行場に残留している10機以上のSu-33は、8月1日からコラ半島の防空任務に就く事になりました。
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なお、第279艦上戦闘機航空連隊の母艦である重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、現在、浮きドックで修理中です。
[ロシア海軍重航空巡洋艦アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ近影(2015年5月31日)]


Su-33は、順次寿命延長近代化改修が行なわれており、少なくとも2025年までは運用されることになります。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]

ロシア海軍に在籍する主要水上艦

2015年8月2日現在、ロシア海軍に在籍する主要水上艦一覧。

★航空母艦
[プロジェクト11435重航空巡洋艦]
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」1991年就役、修理中
2010年代末に近代化改装予定
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★原子力巡洋艦
[プロジェクト11442「オルラン」重原子力ロケット巡洋艦](キーロフ級)
「アドミラル・ラーザレフ」1984年就役、退役予定
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「アドミラル・ナヒーモフ」1988年就役、近代化改装中
「ピョートル・ヴェリキー」1998年就役、2010年代末に近代化改装予定
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★巡洋艦
[プロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦](スラヴァ級)
「モスクワ」1982年就役
「マルシャル・ウスチーノフ」1987年就役、近代化改装中
「ワリャーグ」1989年就役
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[プロジェクト1134B大型対潜艦](カーラ級)
「ケルチ」1974年就役、退役予定
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★駆逐艦
[プロジェクト11551大型対潜艦](ウダロイII級)
「アドミラル・チャバネンコ」1999年就役、修理中
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[プロジェクト1155「フレガート」大型対潜艦](ウダロイ級):近代化改装予定
「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」1981年就役、修理中
「アドミラル・トリブツ」1985年就役、修理中
「セヴェロモルスク」1987年就役
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「マルシャル・シャーポシニコフ」1985年就役
「アドミラル・ヴィノグラードフ」1988年就役
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「アドミラル・レフチェンコ」1988年就役
「アドミラル・ハルラモフ」1989年就役、予備役
「アドミラル・パンテレーエフ」1991年就役

[プロジェクト956「サリィチ」駆逐艦](ソブレメンヌイ級)
「ブールヌイ」1988年就役、修理中
「ブイストルイ」1989年就役
「ベズボヤズネンヌイ」1990年就役、予備役
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「ベスポーコイヌイ」1991年就役、予備役
「ナストーイチヴイ」1992年就役
「アドミラル・ウシャコーフ」1993年就役
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★フリゲート
[プロジェクト11540「ヤストレブ」警備艦](ネウストラシムイ級)
「ネウストラシムイ」1993年就役、修理中
「ヤロスラフ・ムードルイ」2009年就役

[プロジェクト1135「ブレヴェストニク」警備艦](クリヴァクI級)
「ラードヌイ」1980年就役

[プロジェクト1135M「ブレヴェストニク」警備艦](クリヴァクII級)
「プイトリーヴイ」1981年就役

[プロジェクト61/01090警備艦」(カシン級)
「スメトリーヴイ」1969年就役、修理中
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★コルベット
[プロジェクト20380コルベット]
「ステレグーシチー」2008年就役
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「ソーブラジテルヌイ」2011年就役
「ボイキー」2013年就役
「ストイーキー」2014年就役
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[プロジェクト11661警備艦](ゲパルト級)
「タタルスタン」2003年就役、修理中
「ダゲスタン」2012年就役
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★揚陸艦
[プロジェクト775大型揚陸艦](ロプーチャI級)
「オレネゴルスキー・ゴルニャク」1976年就役
「コンドポガ」1976年就役
「アレクサンドル・オトラコフスキー」1978年就役
「オスリャブヤ」1981年就役
「アドミラル・ネヴェリスコイ」1983年就役
「ミンスク」1983年就役
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「カリーニングラード」1984年就役
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「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」1985年就役
「アレクサンドル・シャバリン」1985年就役
「ツェーザリ・クニコフ」1986年就役
「ノヴォチェルカッスク」1987年就役
「ヤマル」1988年就役

[プロジェクト775M大型揚陸艦](ロプーチャII級)
「アゾフ」1990年就役
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「ペレスウェート」1991年就役
「コロリョーフ」1991年就役

[プロジェクト1171大型揚陸艦](アリゲーター級)
「サラトフ」1966年就役
「オルスク」1968年就役、予備役
「ニコライ・ヴィルコフ」1974年就役
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「ニコライ・フィリチェンコフ」1975年就役

ロシア海軍に在籍する潜水艦

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2015年8月2日現在、ロシア海軍に在籍する各種潜水艦一覧。

★戦略弾道ミサイル原子力潜水艦
[プロジェクト955「ボレイ」]
K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」(2013年就役)
K-550「アレクサンドル・ネフスキー」(2013年就役)
K-551「ウラジーミル・モノマーフ」(2014年就役)

[プロジェクト667BDRM「デリフィン」](デルタIV級)
K-51「ヴェルホトゥリエ」(1984年就役)
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K-84「エカテリンブルク」(1985年就役)
K-114「トゥーラ」(1987年就役)
K-117「ブリャンスク」(1988年就役)
K-18「カレリア」(1989年就役)
K-407「ノヴォモスコフスク」(1990年就役)

[プロジェクト667BDR「カリマール」](デルタIII級)
K-223「ポドリスク」(1979年就役)
K-433「スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ」(1980年就役)
K-44「リャザン」(1982年就役):修理中

★巡航ミサイル原子力潜水艦
[プロジェクト885「ヤーセン」]
K-560「セヴェロドヴィンスク」(2014年就役)

[プロジェクト949A「アンテイ」](オスカーII級)
K-132「イルクーツク」(1988年就役):近代化改装中
K-119「ヴォロネジ」(1989年就役)
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K-410「スモレンスク」(1990年就役)
K-442「チェリャビンスク」(1990年就役):近代化改装中
K-266「オリョール」(1992年就役):修理中
k-456「トヴェリ」(1992年就役)
K-186「オムスク」(1993年就役)
K-150「トムスク」(1996年就役)

★攻撃原子力潜水艦
[プロジェクト971「シチューカ-B」](アクラ級)
K-263「バルナウル」(1987年就役):予備役
K-322「カシャロート」(1988年就役):修理中
K-391「ブラーツク」(1989年就役):近代化改装中
K-317「パンテーラ」(1990年就役)
K-331「マガダン」(1990年就役):修理中
K-461「ヴォルク」(1991年就役):近代化改装中
K-419「クズバス」(1992年就役):修理中
K-328「レオパルト」(1992年就役):近代化改装中
K-154「チグル」(1993年就役)
K-295「サマーラ」(1995年就役):近代化改装中
K-157「ヴェプリ」(1995年就役):修理中
K-335「ゲパルト」(2001年就役)

[プロジェクト945A「コンドル」](シエラII級)
B-534「ニジニ・ノヴゴロド」(1990年就役)
B-336「プスコフ」(1993年就役):修理中

[プロジェクト945「バラクーダ」](シエラI級)
B-239「カルプ」(1984年就役):近代化改装中
B-276「コストロマ」(1987年就役)

[プロジェクト671RTMK「シチューカ」](ヴィクターIII級)
B-388「ペトロザヴォーツク」(1988年就役)
B-138「オブニンスク」(1990年就役)
B-414「ダニール・モスコフスキー」(1990年就役)
B-448「タンボフ」(1992年就役):修理中

★通常動力潜水艦
[プロジェクト677「ラーダ」]
B-585「サンクトペテルブルク」(2010年就役)

[プロジェクト6363「ワルシャワンカ」](改キロ級)
B-261「ノヴォロシースク」(2014年就役)
B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(2014年就役)
B-262「スタールイ・オスコル」(2015年就役)
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[プロジェクト877「パルトゥス」](キロ級)
B-260「チタ」(1981年就役)
B-227「ヴィボルグ」(1982年就役)
B-402「ヴォログダ」(1984年就役)
B-806「ドミトロフ」(1986年就役):修理中
B-445「スヴャチテリ・ニコライ・チュドトヴォーレッツ」(1988年就役):修理中
B-394「ヌルラト」(1988年就役)
B-808「ヤロスラヴリ」(1988年就役)
B-800「カルーガ」(1989年就役)
B-464「ウスチ・カムチャツスク」(1990年就役)
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B-494「ウスチ・ボリシェレツク」(1990年就役)
B-459「ウラジカフカース」(1990年就役):近代化改装中
B-471「マグ二トゴルスク」(1990年就役)
B-871「アルローサ」(1990年就役):近代化改装中
B-177「リぺツク」(1991年就役)
B-187「コムソモリスク・ナ・アムーレ」(1991年就役):修理中
B-190「クラスノカメンスク」(1992年就役)
B-345「モゴーチャ」(1994年就役)
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[プロジェクト641](フォックストロット級)
B-435(1970年就役)

[プロジェクト641B「ソム」](タンゴ級)
B-380「スヴャトイ・クニャージ・ゲオルギー」(1982年就役):修理中

★特務原子力潜水艦
[プロジェクト941UM](タイフーン級)
TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」(1981年就役)

[プロジェクト09786(元プロジェクト667BDR)](デルタ・ストレッチ級)
BS-136「オレンブルク」(1981年就役/2006年再就役)

[プロジェクト09787(元プロジェクト667BDRM)](元デルタIV級)
BS-64(1986年就役):改造中

[プロジェクト10831「ロシャリク」]
AS-12(2004年就役?)

[プロジェクト1910「カシャロート」](ユニフォーム級)
AS-13(1986年就役):予備役
AS-15(1991年就役)
AS-33(1994年就役)

[プロジェクト1851「ネリマ」](エックスレイ級)
AS-23(1986年就役):修理中
AS-21(1991年就役)
AS-35(1995年就役)

★試験用潜水艦
[プロジェクト20120「サルガン」]
B-90「サロフ」(2008年就役)

ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは黒海へ到着した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2015年7月30日16時38分配信
【最新の小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」は試験を行なう為にノヴォロシースクへ到着した】

本日(7月30日)、黒海艦隊の為に『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で建造された最新の小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」内陸水路による黒海への移動を完了し、航行試験及び国家試験を実施する為、ノヴォロシースクへ到着した。

公開株式会社『ゼレノドリスク計画設計局』が開発したプロジェクト21631小型ロケット艦「河川-海洋」クラス多目的艦であり、砲、ミサイル、対攪乱工作、高射、電波技術兵装の現代的なモデルを装備している。
この艦の用途は、国家の経済圏の防衛と保護である。

「ゼリョヌイ・ドル」は近代化された「ブヤン-M」シリーズの4番艦であり、より大きな排水量を有し、海上及び沿岸目標の撃破の為に意図されている最新の遠距離高精度ミサイル兵器-汎用ミサイル複合体「カリブル-NK」を装備する。

全ての複合試験を完了した時に小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」黒海艦隊の戦闘編制へ加入する。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の4番艦「ゼリョヌイ・ドル」は2012年8月29日に起工されました。
[小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは2012年8月29日に起工される]

2015年4月2日に進水後、艤装工事が進められ、7月10日から内陸水路経由で黒海への移動を開始しました。
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[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは洋上試験の為に黒海へ向かう]
[プロジェクト21631小型ロケット艦の最後の3隻はロシア海軍北方艦隊へ配備される]

そして7月30日に黒海東岸ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。

「ゼリョヌイ・ドル」は黒海で洋上試験を行なった後、今年末までにロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ編入されます。

近い内に「セルプホフ」ノヴォロシースクへ到着します。

プロジェクト21631小型ロケット艦は、6隻が黒海艦隊へ配備されます。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に9隻が起工され、この内3隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造されています。
[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチョグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年末就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年末就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定


プロジェクト21631の主要兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]