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ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオマーンのサラーラ港へ寄港した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月30日13時51分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はオマーンの港へ寄港した】
モスクワ、11月30日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」オマーンサラーラ港への寄港を行なった。
北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は発表した。

「ロシア大型対潜艦の乗組員にとって、オマーン訪問は、今回の遠距離航海中の2度目の外国の港への寄港でした。
11月に大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロス共和国のリマソール港への業務寄港を行ないました」

彼は話した。

乗組員は燃料、水、食料の在庫を補充し、兵器の計画修理に従事した。

現在、同艦は港を去り、アラビア海を移動している。


[大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-)]

プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2015年10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]

それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く]

11月2日には英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]

11月4日未明、ジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

11月5日~6日には艦載ヘリコプターKa-27の訓練が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦載ヘリコプターKa-27は地中海で訓練を行なった]

11月9日、チュニス海峡(シチリア海峡)黒海艦隊大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料(軽油)真水の洋上補給を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシチリア海峡付近で洋上補給を行なった]

その後、地中海東部へ向かい、11月13日にはキプロスリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソールを訪れた]

リマソール港を出た後、11月20日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。 
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

11月23日、紅海対テロ演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは紅海で対テロ演習を実施した]

11月26日にはアデン湾対テロ演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアデン湾で対テロ演習を実施した]

その後、11月末にオマーンサラーラ港へ寄港して物資を補充した後、アラビア海へと去りました。
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ロシア海軍の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)ブラヴァーは改良される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月26日16時57分配信
【コーポレーション「モスクワ熱技術研究所」はミサイル「ブラヴァー」の近代化へ取り組んでいる】
モスクワ、11月26日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア戦略ミサイル複合体の開発者であるコーポレーション「モスクワ熱技術研究所」は、海洋配置大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の近代化へ取り組んでいる。
木曜日、コーポレーション「モスクワ熱技術研究所」設計主任ユーリー・ソロモノフは表明した。

「兵器のライフサイクルは、通常で20年から30年です。
既に現在納入されているブラヴァーに関し、私共は近代化へ取り組んでおります。
この過程は連続的なものであり、根本的に新しいプロジェクト及び設計の出現は、兵器使用の効率性を高める事を意味します」
ソロモノフ
は話した。

彼によると、ミサイルは、より効率的に、そして低価格となる。


現在までに潜水艦用弾道ミサイルR-30「ブラヴァー」の発射は23回実施され、この内の7回が失敗に終わっています。

1回目:2004年9月23日-成功
2回目:2005年9月27日-成功
3回目:2005年12月21日-成功
4回目:2006年9月7日-失敗
5回目:2006年10月25日-失敗
6回目:2006年12月24日-失敗
7回目:2007年6月28日-成功
8回目:2008年9月18日-成功
9回目:2008年11月28日-成功
10回目:2008年12月23日-失敗
11回目:2009年7月15日-失敗
12回目:2009年12月9日-失敗
13回目:2010年10月7日-成功
14回目:2010年10月29日-成功
15回目:2011年6月28日-成功
16回目:2011年8月27日-成功
17回目:2011年10月28日-成功

18回目:2011年12月23日-成功
19回目:2013年9月6日-失敗
20回目:2014年9月10日-成功
21回目:2014年10月29日-成功
22回目:2014年11月28日-成功
23回目:2015年11月14日-成功


2009年12月までの発射試験は失敗と成功を繰り返し、「ブラヴァー」の戦力化も危ぶまれる状況でしたが、2010年以降は、失敗したのは1度のみでした。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年) ]
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]

14回目までの発射試験は重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」から実施されましたが、15回目以降は「ボレイ」級戦略原潜3隻(ユーリー・ドルゴルーキー、アレクサンドル・ネフスキー、ウラジーミル・モノマーフ)から実施されています。

記事中に登場するユーリー・セメノヴィチ・ソロモノフ氏(1945年11月3日生まれ、現在70歳)は、以前は「モスクワ熱技術研究所」総取締役と設計主任を務めていましたが、2009年7月中旬に総取締役を辞任し、設計主任として「ブラヴァー」の開発に専念する事になりました。
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[「ブラヴァー」設計主任は辞職しない]


これまでのソ連/ロシア潜水艦用弾道ミサイルが改良を繰り返して来たのと同様に、当然ながら「ブラヴァー」も、今後改良型が作られる事になります。

今回のユーリー・ソロモノフ氏の発言によると、「ブラヴァー」改良の主眼となるのは、射程距離などのスペックの向上では無く、コストダウンや効率性のアップ(おそらくは命中精度の向上)になるようです。

ロシア海軍最新鋭戦略原潜ボレイ級7番艦はインペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)と命名された

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『タス通信』より
2015年11月30日9時36分配信
【第7の「ボレイ」は「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)と名付けられる-「セヴマシュ」】
セヴェロドヴィンスク、11月30日/タス通信

第7のプロジェクト「ボレイ」原子力戦略水中ロケット艦は、「インペラートル・アレクサンドルIII」の名を受ける。
タス通信造船所「セヴマシュ」総取締役ミハイル・ブドニチェンコより確認を取った。

以前、この件はロシア海軍総司令部の情報提供者より伝えられていた。

「海軍総司令官ヴィクトール・チルコフの指示に沿って、同艦はインペラートル・アレクサンドルIIIの名を与えられました」
ブドニチェンコ
は話した。

彼は、「戦略艦」の起工の正確な日時を明らかにしなかったが、それが「セヴマシュ」創立記念日である12月21日の前日に行なわれる事を指摘した。

2020年までに8隻のプロジェクト「ボレイ」戦略潜水艦の建造が計画されており、この内の3隻は既に海軍へ引き渡されている。
各艦は16基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を搭載する。

現在は改善プロジェクト「ボレイ-A」のシリーズ建造が続けられている。
その最初の代表となる潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」は2012年に起工された。
2014年には2隻の潜水艦-「クニャージ・オレグ」「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」が起工された。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

プロジェクト955「ボレイ」原子力戦略用途水中ロケット巡洋艦は、これまでに6隻が起工され、このうち3隻が就役済みです。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役しました。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]

4番艦「クニャージ・ウラジーミル」からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、2012年7月30日に起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは2017年にロシア海軍へ納入される]

5番艦(改「ボレイ」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工されました。
[ボレイ級戦略原潜5番艦クニャージ・オレグはロシア海軍の日に起工された]

6番艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜は起工された]

今年(2015年)には7番艦の起工が予定されています。
[ロシア海軍最新戦略原潜ボレイ級の建造予算が凍結される事など無い]

7番艦の名前の最有力候補は、「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)と言われています。
[ロシア海軍最新戦略原潜ボレイ級7番艦はインペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)と命名される]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ボレイ級7番艦インペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は発注された]

そして今回、「ボレイ」級を建造するセヴェロドヴィンスク市造船所「セヴマシュ」のトップ、ミハイル・ブドニチェンコ氏も、「ボレイ」級7番艦の名前が「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)に決まった事を認めました。
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ただし、ブドニチェンコ氏は、戦略原潜「インペラートル・アレクサンドルIII」の正確な起工日については明らかにせず、12月21日よりも前になるとしか言いませんでした。

北方艦隊司令官ウラジーミル・コロリョーフ提督はロシア海軍総司令官代行に任命された

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月27日10時35分配信
【情報筋:北方艦隊司令官コロリョーフは、ロシア海軍総司令官代行に任命された】
モスクワ、11月27日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は、ヴィクトール・チルコフ大将が休暇中のロシア海軍総司令官代行に任命された。
金曜日、ロシア通信社ノーボスチは軍事情報筋より伝えられた。

彼によると、チルコフは最近手術を受け、現在はリハビリ中である。

「ヴィクトール・チルコフ大将が休暇中、コロリョーフ大将は一時的にロシア海軍総司令官代行となります」
対談者は話した。


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月27日15時44分配信
【クラフチェンコ:ロシア連邦海軍総司令官代行コロリョーフは、そのポストに留まるかもしれない】
モスクワ、11月27日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦海軍総司令官代行に任命された北方艦隊司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は、この先も、そのポストに留まるかもしれない。
元海軍総参謀長・黒海艦隊司令官ヴィクトール・クラフチェンコ大将は推察する。

以前、ロシア通信社ノーボスチは軍事情報筋より、コロリョーフは、ヴィクトール・チルコフ大将が手術後のリハビリを受ける必要がある事に関連して休暇中、ロシア海軍総司令官代行に任命されたと伝えられた。

「コロリョーフ大将が海軍総司令官のポストに留まるか否かについての予測ですが、副総司令官としてフェドテンコフが居るのにも関わらず、何らかの理由で(総司令官)代行に任命されておりません」
クラフチェンコ
ロシア通信社ノーボスチに対し、こう述べた。

この件に関し、彼は推察する。
「コロリョーフは、今後も、このポストへ常時留まる事も有り得るでしょうね。
彼は、候補として最も可能性が有るでしょう」


ロシア海軍の指導者が交代する可能性について、ロシア通信社ノーボスチは公式の確認情報を持っていない。


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ヴィクトール・ヴィクトロヴィチ・チルコフ(1959年9月8日生まれ)は、2012年5月6日にロシア海軍総司令官に任命され、2012年8月9日には海軍大将に昇進しました。
[ヴィクトル・チルコフは新たなロシア海軍総司令官に任命された]
[ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフは大将に昇進した]

就任から3年以上が経過していますが、最近(11月中旬以降)、入院して手術を受けました。

チルコフ提督に代わる海軍総司令官代行に任命されたウラジーミル・イワノヴィチ・コロリョーフは1955年2月1日生まれで現在60歳。
元々は原子力潜水艦乗りであり、原子力潜水艦の艦長や潜水艦戦隊司令官、北方艦隊副司令官、北方艦隊参謀長、黒海艦隊司令官を歴任し、2011年6月23日に北方艦隊司令官に任命されました。
2013年2月20日には海軍大将へ昇進し、2014年12月1日からは北方統合戦略コマンド司令官を兼任しています。

そして今回、ロシア海軍総司令官代行に任命されました。

サンクトペテルブルクロシア海軍総司令部には、副総司令官アレクサンドル・フェドテンコフ中将が居り、本来ならば同氏が海軍総司令官代行となる筈ですが、どういうわけかセヴェロモルスクに居る北方艦隊司令官コロリョーフ提督が代行となりました。

この件について、元ロシア海軍総参謀長で現在は軍事評論家となっているヴィクトール・クラフチェンコ退役大将は、このままコロリョーフ提督がロシア海軍総司令官になるかもしれないと見ているようです。
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ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦ゲパルトはオーバーホールを終えて復帰した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年11月28日16時56分配信
【原子力潜水艦「ゲパルト」は北方艦隊潜水艦部隊の戦闘艦の一員として復帰した】

多目的原子力潜水艦「ゲパルト」艦船修理工場「ネルパ」における技術的準備状態の回復を完了し、北方艦隊潜水艦部隊の戦闘艦の一員として復帰した。

原子力艦は複合作業を実行し、艦の技術的寿命は大幅に延長され、北極圏の環境下で更なる運用の継続が可能となった。

近い内に原子力潜水艦「ゲパルト」の乗組員は、海洋における潜水艦の錬成戦闘訓練の実行へ着手する。

[参照]
プロジェクト971原子力潜水艦「ゲパルト」
第3世代原子力潜水艦に属する。
同艦はセヴェロドヴィンスク造船工場「セヴマシュ」で建造され、2001年12月4日には親衛海軍旗が揚げられた。

潜水艦は再三に渡り、様々な種類の戦闘訓練、幾つかの戦闘勤務及び遠距離航海任務の遂行により、北方艦隊で最高の潜水艦と認定された。

多目的潜水艦は現代的なミサイル及び機雷-魚雷兵装、高い隠密性を有する事により、敵潜水艦の追尾、大型水上艦及び沿岸目標の撃破といった広範囲に渡る戦闘任務の実行が可能となっている。


プロジェクト971原子力巡洋潜水艦K-335は、1991年9月23日にセヴェロドヴィンスク市造船工場「セヴマシュ」で起工されました。
1993年2月22日付で「ゲパルト」と命名され、1997年12月4日にはプロジェクト675MKV原子力潜水艦K-22より親衛称号を受け継ぎ、親衛艦となりました。

ソ連邦解体後の財政難で建造資金の供給が滞った為に工事は遅れ、当初は1995年に就役する予定でしたが1998年に延期され、更に就役は延びる事になりました。

起工から8年後の1999年9月17日に造船台から出され、同年12月7日に進水しました。
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1999年12月15日から2000年9月22日まで工場の岸壁で係留試験が行なわれ、同年12月10日から25日まで工場航行試験第1段階が実施されました。
2001年6月2日から16日まで工場航行試験第2段階が実施され、7月10日から26日まで工場航行試験第3段階と国家受領試験が実施されました。
洋上試験中に同艦は6150海里を航行し、この内の2376海里は潜水状態でした。

2001年12月3日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。

2001年12月4日、ウラジーミル・プーチン大統領が出席して海軍旗掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。


2002年2月に北方艦隊第24潜水艦師団へ編入されました。

2004年と2007年には北方艦隊最高の潜水艦と認定され、海軍総司令官から表彰されました。

2012年1月14日、第10艦船修理工場に居た「ゲパルト」で小火騒ぎが起こりました。
[ロシア原潜「ゲパルト」で火災は無かった]
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2012年2月11日夜、「ゲパルト」水雷長マクシム・ガルキン中尉が艦内で自殺しました。
『窓に!窓に!』より
【ロシア海軍北方艦隊の原潜K-355で自殺が発生】

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2013年から艦船修理工場「ネルパ」でオーバーホールが行なわれ、2015年11月27日に完了し、北方艦隊へ復帰しました。
今回のオーバーホールにより「ゲパルト」の寿命は10年程度延長されました。

ロシア海軍に就役中のプロジェクト971原子力潜水艦の内6隻(北方艦隊の3隻と太平洋艦隊の3隻)はセヴェロドヴィンスク艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で高度な近代化改装が実施されますが、ロシア海軍971の中でも艦齢が若い「ゲパルト」は、この6隻には入っておらず、寿命延長(核燃料の交換を含む)が主体となっているようです。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはラタキア沖へ到着した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月26日21時11分配信
【巡洋艦「モスクワ」と高射ミサイル複合体S-400はシリアのロシア連邦航空宇宙軍を護る為に来た】

シリアロシア航空基地「フマイミーン」へ手際よく届けられた高射ミサイル複合体S-400は、ロケット巡洋艦「モスクワ」複合体「フォルト」と共にロシア航空群の安全を保障する。

「ロシア軍最高司令官の決定に従い、本日、高射ミサイル複合体S-400がロシア航空基地フマイミーンへ手際よく届けられ、展開し、既に戦闘当直へ就き、この地域をカバーしています」
ロシア連邦国防省
の公式代理人イーゴリ・コナシェンコフ少将は話した。

軍事技術協力担当のロシア連邦大統領補佐官ウラジーミル・コジンが記者団へ話したように、シリアへ届けられたS-400は売却される事は無く、任務遂行後にロシアへ戻る。

複合体は、妨害航空機、電波位置特定検出・統制航空機、偵察航空機、戦略航空機及び戦術航空機、弾道ミサイル、極超音速目標、その他の現代及び将来の空中攻撃手段の撃破の為に意図されている。

水曜日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン航空基地「フマイミーン」へ最新対空防衛システムS-400を配置する国防省の要望を承認した事が知られるようになった。
これは、シリアテロリスト「イスラム国」に対する作戦へ参加していたロシアSu-24トルコ戦闘機に撃墜された後に実行された。
パイロット1名は殺害され、航法士は逃れ、救助された。


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ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年9月24日にセヴァストーポリを抜錨、翌25日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ入った]

10月初頭にはシリアラタキア沖に展開し、防空演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのラタキア沖に居る]

10月4日と10月5日にも演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]

その後も地中海東部へ留まっていました。

11月17日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、地中海東部に居るロシア海軍艦船部隊(地中海作戦連合部隊)に対し、フランス海軍と協力するように指示を出しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはフランス海軍空母機動部隊と協力する]
[シリア沖のロシア海軍艦船部隊がフランス海軍空母機動部隊を『軍事援護』する事は無い]


2015年11月24日、シリアISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点への空爆作戦へ参加していたロシア航空宇宙軍(空軍)前線爆撃機Su-24トルコ空軍戦闘機F-16により撃墜されました。
Su-24のパイロット1名はシリア反政府勢力により殺害され、救助に向かったヘリコプターも攻撃されて不時着し、乗っていた海軍歩兵隊員1名が死亡しました。
(Su-24の航法士は後に救助された)

『インタファクス』より
2015年11月24日配信
【シリアにおけるSu-24墜落】

『朝日新聞デジタル』より
2015年11月24日23時59分配信
【トルコ軍がロシア軍機撃墜 シリア国境、乗員2人死亡か】

『ニューズウィーク日本版』より
2015年11月25日15時35分配信
【トルコがロシア軍機撃墜、プーチン氏「決して許さない」】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2015年11月25日7時19分配信
【トルコ空軍の挑発的な行動に関するロシア連邦軍参謀本部作戦総局長セルゲイ・ルドスコイ中将の声明】


『ロシアNOW』より
2015年11月27日配信
【Su-24のパイロット救出の詳細】


この事件を受け、以前から地中海東部(シリア沖)に居た親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」ラタキア沖に展開し、遠距離高射ミサイル複合体「フォルト」(射程90km)でラタキアバーシィル・アル=アサド国際空港/フマイミーン航空基地の防空を担当する事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのロシア空軍基地の防空を担う]
[高射ミサイル複合体S-300F「フォルト」/S-300FM「フォルト-M」]

「モスクワ」は11月26日にラタキア沖へ到着し、この他に高射ミサイル複合体S-400「トリウームフ」フマイミーン航空基地へ航空輸送されました。



現在、地中海東部に展開するロシア海軍の艦船は、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「スメトリーヴイ」、小型ロケット艦「ミラーシュ」、大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」、海洋曳船MB-31、工作船PM-56の他に「シリア・エクスプレス」大型揚陸艦数隻です。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアデン湾で対テロ演習を実施した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月26日12時47分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はアデン湾で演習を実施した】
モスクワ、11月26日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦海軍大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、航空隊が関与する対テロ演習をアデン湾で実施した。
木曜日、北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は報道機関へ伝えた。

「本日、対テログループ要員は、乗っ取られた船の解放に関する活動へ取り組みました。
特に注意が払われたのは、艦の上部構造物、最上甲板における海軍歩兵グループの迅速で安全な移動と、内部船室での銃火器の使用です」

彼は話した。

大型対潜艦の航空群を構成する飛行士は、様々なモードで動く艦の上で艦載ヘリコプターKa-27の発着艦訓練を実施し、更には、海域の空中偵察へ取り組んだ。


[大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-)]

プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2015年10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]

それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く]

11月2日には英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]

11月4日未明、ジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

11月5日~6日には艦載ヘリコプターKa-27の訓練が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦載ヘリコプターKa-27は地中海で訓練を行なった]

11月9日、チュニス海峡(シチリア海峡)黒海艦隊大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料(軽油)真水の洋上補給を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシチリア海峡付近で洋上補給を行なった]

その後、地中海東部へ向かい、11月13日にはキプロスリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソールを訪れた]

リマソール港を出た後、11月20日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。 
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

11月23日、紅海対テロ演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは紅海で対テロ演習を実施した]

そして11月26日、今度はアデン湾対テロ演習を実施しました。
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「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、3年前の2012年5月から7月までアデン湾海賊対処任務に就いています。
(2012年4月6日出港・9月12日帰港)
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはアデン湾海賊対処任務を終えた]

ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年11月25日17時5分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海でミサイル射撃を実行した】

北方艦隊プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は、白海汎用艦載ミサイル複合体からのミサイル射撃を実行した。

機器装置及び兵装の国家受領試験の最終段階の枠組みにおいて、様々なタイプの打撃有翼ミサイルが沿岸目標、更には、単純な海上配置標的及び困難な海上配置標的へ向けられた。
艦の乗組員は更に、試験用ミサイル兵器複合体を投射した。

近い内に暴風条件が予測される事に関連し、フリゲート北方艦隊白海海軍基地への寄港を行なう。
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良好な水文気象条件が出現すれば、白海エリアにおける機器装置及び兵装の国家受領試験サイクルが続けられる。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

ロシア海軍新世代水上戦闘艦(大洋ゾーン艦)プロジェクト22350大型警備艦(フリゲート)の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水しました。

2013年7月31日からは工場岸壁で係留試験が開始されました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の係留試験が始まった]

しかし、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載予定のA-192M 130mm単装砲の開発と製造は遅延に遅延を重ね、この為、「アドミラル・ ゴルシコフ」の就役も当初計画より大幅に遅れる事になりました。
[ロシア海軍への新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の引き渡しは130mm砲の問題により延期される]

130mm砲は2014年9月に入り、ようやく「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へ届けられ、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載されました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の為の130mm砲は完成した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」に130mm砲が搭載された]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始しました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は航行試験の準備が出来ている]

11月8日、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」岸壁を離れ、クロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はサンクトペテルブルクを去った]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]

11月18日、クロンシュタットを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は工場航行試験を開始した]

「アドミラル・ゴルシコフ」の今後の試験は、就役後の配備先となる北方艦隊海上射爆場、つまりバレンツ海へ移動して実施されるとも言われていましたが、結局はフィンランド湾で実施されることになりました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊で今後の洋上試験を実施する]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年5月中旬にフィンランド湾で洋上試験を行なう]

5月15日、「アドミラル・ゴルシコフ」サンクトペテルブルクを抜錨し、洋上試験(第2段階)へ向かいました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の為に抜錨した]

その後はバルチースク基地へ移動し、洋上試験を続けていました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験を再開した]

7月26日の「ロシア海軍の日」には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]
[ロシア大統領ウラジーミル・プーチンはロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を訪れた]

9月3日にバルチースクを出航し、9月7日にクロンシュタットへ到着しました。


9月11日、建造元の「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、「アドミラル・ゴルシコフ」バルト海における洋上試験(第2段階)を完了したと発表しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の第2段階を完了した]

その同じ日、「アドミラル・ゴルシコフ」は午前9時にクロンシュタットを出航し、フィンランド湾で洋上試験を行ない、同日の午後8時に帰港しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィンランド湾で昼夜の洋上試験を行なった]

その後、バルチースク基地へ移動した「アドミラル・ゴルシコフ」は、9月22日に白海へ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海へ向かった]

9月24日にはバルト海を出て北海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバルト海を出て北海へ入った]

9月30日、白海沿岸セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海沿岸のセヴェロドヴィンスクへ到着した]

10月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」国家受領試験を実施する為、白海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の最終段階を実施する為に白海へ出航した]

11月2日、A-192M「アルマート」130mm単装砲の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で130mm砲を発射した]

そして11月25日、白海有翼ミサイルの発射試験が行なわれました。

「アドミラル・ゴルシコフ」は、有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の双方を発射できる汎用ミサイル垂直発射機3R-14を搭載しています。
[汎用ミサイル垂直発射機3R-14UKSK]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
[新世代超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)]

今回の北方艦隊広報部発表では、具体的な有翼ミサイルのタイプ(カリブルオーニクスか)には触れられていませんが、「様々なタイプの打撃有翼ミサイル」が、沿岸目標及び海上目標へ発射されたと述べられているので、少なくとも「カリブル」対地攻撃型「カリブル」対艦攻撃型が発射された事は間違いないようです。

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのロシア空軍基地の防空を担う

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『インタファクス』より
2015年11月24日21時5分配信
【ロシア連邦はシリアを対象とするロシアグループにとって危険なものは撃ち落とす】
モスクワ、11月24日、インタファクス-ロシア

ロシア連邦参謀本部は、トルコによるロシアSu-24への攻撃後、シリアロシア航空基地の安全を保障する為の追加措置へ取り組む。
ロシア連邦軍参謀本部作戦総局長セルゲイ・ルドスコイ中将は表明した。

彼は、打撃航空機の全ての行動は、戦闘機の援護の下でのみ行なわれると発表した。

更に、対空防衛を強化する為の措置が取られる。
この目的の為、S-300と同様の対空防衛システム「フォルト」を装備する巡洋艦「モスクワ」は、ラタキア沿岸海域へ入る。

「我々は警告します。
私達にとって潜在的に危険と見なされる全ての目標は破壊される事を」
ルドスコイ
は火曜日に記者団へ伝えた。

彼は更に、トルコとの軍事ラインでの接触を中止すると表明した。

火曜日、シリアのテロリストに対する航空作戦へ参加していたロシア爆撃機Su-24は、トルコとの境界線付近でトルコ空軍により撃墜された。


ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年9月24日にセヴァストーポリを抜錨、翌25日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ入った]

10月初頭にはシリアラタキア沖に展開し、防空演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのラタキア沖に居る]

10月4日と10月5日にも演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]

その後も地中海東部へ留まっていました。

11月17日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、地中海東部に居るロシア海軍艦船部隊(地中海作戦連合部隊)に対し、フランス海軍と協力するように指示を出しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはフランス海軍空母機動部隊と協力する]
[シリア沖のロシア海軍艦船部隊がフランス海軍空母機動部隊を『軍事援護』する事は無い]


2015年11月24日、シリアISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点への空爆作戦へ参加していたロシア航空宇宙軍(空軍)前線爆撃機Su-24トルコ空軍戦闘機F-16により撃墜されました。
Su-24のパイロット1名はシリア反政府勢力により殺害され、救助に向かったヘリコプターも攻撃されて不時着し、乗っていた海軍歩兵隊員1名が死亡しました。

『インタファクス』より
2015年11月24日配信
【シリアにおけるSu-24墜落】

『朝日新聞デジタル』より
2015年11月24日23時59分配信
【トルコ軍がロシア軍機撃墜 シリア国境、乗員2人死亡か】

『ニューズウィーク日本版』より
2015年11月25日15時35分配信
【トルコがロシア軍機撃墜、プーチン氏「決して許さない」】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2015年11月25日7時19分配信
【トルコ空軍の挑発的な行動に関するロシア連邦軍参謀本部作戦総局長セルゲイ・ルドスコイ中将の声明】



この事件を受け、以前から地中海東部(シリア沖)に居た親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」ラタキア沖に展開し、遠距離高射ミサイル複合体「フォルト」(射程90km)でラタキア空港の防空を担当する事になりました。
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[高射ミサイル複合体S-300F「フォルト」/S-300FM「フォルト-M」]


現在、地中海東部に展開するロシア海軍の艦船は、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「スメトリーヴイ」、小型ロケット艦「ミラーシュ」、大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」、海洋曳船MB-31、工作船PM-56の他に「シリア・エクスプレス」大型揚陸艦数隻です。

シリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点を攻撃したロシア海軍カスピ小艦隊打撃群は母港へ戻った


『タス通信』より
2015年11月24日10時50分配信
【カスピ小艦隊の打撃艦グループは駐留地点へ戻った】
モスクワ、11月24日/タス通信

ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」で構成されるカスピ小艦隊打撃艦グループは、カスピ海での任務遂行後に駐留地点マハチカラ港へ戻った。
火曜日、南方軍管区広報サービスは発表した。

「基地で艦の乗組員は物資を補充し、航海後の兵器、艦載システム及び機構の整備を行ないます。
現在、カスピ小艦隊の艦船連合部隊の戦闘訓練計画に沿って、乗組員は随伴する支援船と共に、カスピ海での次の段階の戦闘勤務の準備を始めています」

軍管区は話した。

艦船支隊の戦闘勤務への出航は、今年12月に予定されている。


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記事中では全く触れられていませんが、本日にマハチカラへ帰港したカスピ小艦隊の4隻の水上艦は、さる11月20日にシリアISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
(記事中では「カスピ海で任務を遂行した」としか述べられていませんが)
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

この4隻は、2015年10月7日にもシリア「イスラム国」拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

そして12月にも「戦闘勤務」の為、再びマハチカラを抜錨するとの事です。

ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦のロシア製機器の取り外しは完了した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月23日17時33分配信
【DCNS:「ミストラル」のロシア製機器の取り外しは完了した】
パリ、11月23日-ロシア通信社ノーボスチ

フランスヘリコプター空母「ミストラル」型ロシア製機器の取り外しは完了し、近い内にロシア連邦へ送られる。
月曜日にロシア通信社ノーボスチフランス国営軍事造船所DCNSの代理人より伝えられた。

「取り外された機器はロシア連邦へ引き渡されます。
来週の12月には、それはロシアのサンクトペテルブルクへ送り届けられます」

対談者は話した。

彼は、2016年前半に艦のエジプト人乗組員が訓練を開始する事を指摘した。
艦には、エジプト側が必要とする機器が設置され、その後でのみ「ミストラル」カイロへの引き渡しが準備される。

2隻の「ミストラル」型ヘリコプター空母の供給契約は2011年にフランスDCNS/STXロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社)との間で締結された。
フランスは、1番艦「ウラジオストク」を昨年11月に引き渡さなければならなかったが、ウクライナ情勢及びロシアに対する制裁が導入されたが故に実現には至らなかった。
(2015年)8月初頭、モスクワパリは、「ミストラル」型ドック艦2隻の建造及び供給契約の終了を決定した。

フランスは、「ミストラル」に設置されていたロシア製機器の返却後にヘリコプター空母を処置できるようになる。
以前、フランス大統領フランソワ・オランドは、彼のエジプトの同僚であるアブドルファッターフ・アッ=シーシーと、ロシアの為の「ミストラル」型ヘリコプター空母2隻の売却条件で合意に達したと報じられた。
その結果、パリエジプトへ2隻の艦を売却できるようになり、契約は10月10日に署名された。
エジプトへの艦の到着は2016年夏になるだろう。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシアフランスから「ミストラル」級指揮・戦力投射艦を購入するかもしれないと最初に報じられたのは、2009年8月初頭でした。
[ロシア海軍、フランス艦を購入?]

それから間もなく、ロシア連邦軍参謀本部総長、ロシア連邦海軍総司令官、ロシア連邦国防相代理が相次いで「ミストラル」級購入の為の交渉が進行中である事を公式に認めました。
[ロシアは、今年末までに「ミストラル」級購入で合意できる]
[ロシアは、競争によりヘリ揚陸艦を購入する]
[ロシア国防省は、「ミストラル」型揚陸艦購入交渉が行なわれている事を認める]

最初に話が出て来てから約2年後の2011年6月、フランスDCNS社ロシア「ロソボロネクスポルト」(ロシア兵器輸出公社)は、ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約を締結しました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

ロシア海軍向け「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国フランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]

2番艦「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、2015年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]

オランド大統領はは、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げていました。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

このようなフランス側の態度に対し、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金を請求するつもりは無いが、ロシアが負担した費用は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]

4月19日、オランド氏は、4月24日にアルメニアプーチン氏と会い、「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
[フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う]

4月22日、オランド氏は、ウクライナ大統領との共同記者会見において、改めてロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は形成されておらず、引き渡しは不可能であると表明しました。
更には、ロシアフランスへ払った「ミストラル」級の代金の返還についても言及しました。
[フランスはロシアが支払ったミストラル級ヘリ空母の代金を返還する用意がある]

そして4月24日、アルメニアエレバンプーチン氏とオランド氏の会談が開かれました。
[フランス大統領とロシア大統領はアルメニアにおける首脳会談でミストラル級ヘリ空母の問題についても話し合った]

この会談では「ミストラル」級の問題についても話し合われたようですが、会談後、フランス大統領「ロシアへのミストラル級の引き渡しは決まっていない」と述べ、一方、ロシア大統領報道官「この件に関しては何の問題も無い」とだけ述べました。

4月27日、ロシア大統領報道官ドミトリー・ペスコフ氏は、「ミストラル級ヘリ空母か、或いは前払い金(ロシアがフランスへ支払い済みの代金)をロシアへ戻す事で合意している」と述べました。
[フランスはロシアへミストラル級ヘリ空母を引き渡すか、或いは金を返す]

その後、両国の代表団は何度か交渉を行ないましたが、最終的には、「ミストラル」級ロシアへ引き渡すのではなく、ロシアが以前に支払った「ミストラル」級の代金を返還する方向で合意する事になりました。
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母の代金返還で合意する]
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母に関する合意原案を用意している]

7月下旬からは詳細の部分に関する協議へ入り、先ず初めに、「ミストラル」級ヘリ空母へ設置されたロシア製機器の返却の問題について議論されました。
[ロシアとフランスはミストラル級ヘリ空母に設置されたロシア製通信システムの返却について話し合った]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に設置された自国製機器を取り外す]

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

契約終了によりフランスロシアへ支払う事になる補償金額は、フランス国防相ジャン・イヴ・ル・ドリアン氏によると、「12億ユーロよりは少ない」との事です。
一方、ロシア政府側は、フランスから受け取る金額については明言を避けました。

その後、フランス議会から正確な金額~9億4975万4849ユーロが公表されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]

「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦そのものは取得できませんでしたが、ロシアは支払い済みの代金(プラスアルファ)を回収し、「ミストラル」級に設置されたロシア製機器も回収し、更には、「ミストラル」級の契約(後ろ半分はロシアで建造した)により建造技術を取得しました。
[ロシアはフランスのミストラル級ヘリ空母購入契約を通じて大規模ブロック組立技術を取得した]

9月20日、「ミストラル」級へ設置済みのロシア製機器を取り外す為、ロシア人専門家グループフランスへ向かいました。
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦のロシア製機器を取り外す為のロシア人専門家グループはフランスへ向かった]

「ミストラル」級ロシア製機器は今年11月までに取り外しが完了し、鉄道あるいは海路(船)でロシアへ送られます。
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦のロシア製機器は2015年11月末までに取り外され、ロシアへ発送される]

その第1陣として、10月初頭には「戦闘情報管理システム」「ミサイル・砲兵装管制システム」が取り外され、ロシアへ発送されました。
[ロシア海軍向けだったミストラル級ヘリコプター空母から戦闘情報管理システムが取り外され、ロシアへ発送された]

その他の機器の取り外しも進められ、11月下旬に全て完了しました。
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦のロシア製機器の取り外しは進められている]

取り外された機器はロシアサンクトペテルブルクへ送られ(おそらくは船便で)、2015年12月初頭に到着するとの事です。

「ミストラル」級から取り外されたロシア製機器は、具体的には以下の通りです。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年9月8日17時54分配信
【「ミストラル」の欠片:どのようなロシア製機器がフランスから返されるのか】

電波位置特定識別装置67R
戦闘情報管理システム「シグマ-E」
多機能光学電子テレヴィジョン複合体MTK-201ME
衛星通信ステーションR-793-M「プリンツェプ-M」
衛星通信ステーションR-794-1「ツェンタヴル-NM1」
16チャンネル電波受信装置R-693
電波受信装置R-774SD1.1



既に報じられているように、ロシア海軍向けだった2隻の「ミストラル」級は、エジプトへ売却されます。

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年9月23日15時15分配信
【ロシアのミストラルはエジプトが購入する】
エジプト大統領アブドルファッターフ・アッ=シーシーフランス大統領フランソワ・オランドは、ロシア海軍向けだった「ミストラル」級2隻の購入で合意しました。

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年9月24日8時48分配信
【フランスはミストラルの為にロシアへ支払ったものと同じ金額を受け取る】
2隻の「ミストラル」級の購入価格は9億5000万ユーロになるとの事です。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年10月10日15時45分配信
【エジプトは2隻のミストラルをフランスから購入する協定書へ署名した】
10月10日午後、エジプト大統領アブドルファッターフ・アッ=シーシーフランス首相マニュエル・ヴァルスは、ロシア海軍向けだった2隻の「ミストラル」級ヘリ空母を購入する協定書へ署名しました。
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エジプトロシア海軍向けだった「ミストラル」級ヘリ空母を買って何に使うのかという疑問を持っている方が多いようですが、以前の報道によると、この話の背後にはサウジアラビアが居り、同国が資金援助してエジプト「ミストラル」級ヘリ空母を購入・保有させ、いざという時(例えばイエメンのような事態)には、アラブ諸国連合の軍事介入や軍事作戦の後方支援などに使いたいという事のようです。


「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」の名前は、将来に建造される大型ヘリコプター揚陸艦(ロシア版「ミストラル」)へ与えられる事になります。
[ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる]

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは紅海で対テロ演習を実施した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年13時5分配信
【ロシア連邦艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員は紅海で演習を実施した】
モスクワ、11月23日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦海軍大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員は紅海で対テロ演習を実施した。
月曜日、北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は報道機関へ伝えた。

「演習においては、不審船の足止めと、ヘリコプターKa-27及び高速艇を使った臨検の実施へ取り組みました。
演習の要素の1つは、仮想浮揚機雷の探知と破壊でした」
セルガ
は話した。


[大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-)]

プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2015年10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]

それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く]

11月2日には英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]

11月4日未明、ジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

11月5日~6日には艦載ヘリコプターKa-27の訓練が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦載ヘリコプターKa-27は地中海で訓練を行なった]

11月9日、チュニス海峡(シチリア海峡)黒海艦隊大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料(軽油)真水の洋上補給を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシチリア海峡付近で洋上補給を行なった]

その後、地中海東部へ向かい、11月13日にはキプロスリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソールを訪れた]

リマソール港を出た後、11月20日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。 
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

そして11月23日、紅海対テロ演習を実施しました。
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ロシア海軍の将来汎用ヘリコプター揚陸艦の建造にはミストラル級の経験が生かされる

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『タス通信』より
2015年11月21日13時39分配信
【ロシア連邦海軍:ロシアの揚陸艦プロジェクトは「ミストラル」作成の経験を考慮に入れる】
モスクワ、11月21日/タス通信

ロシアの業界が国産の汎用揚陸艦を作成する際には「ミストラル」建造の経験が考慮に入れられる。
ラジオ局『エコー・モスクワ』の生放送で、軍事科学業務担当海軍総司令官補佐官アンドレイ・スロフ1等海佐は伝えた。

「我々の業界にとって、この2隻のミストラルの作成は、非常に緊密な作業でした。
結果として、我々への引き渡しは断念されましたが、充分な経験を得ました。
私共は、(展示会『アルミヤ-2015』で)展示された新たなプロジェクトで、その多くが考慮に入れられる事を期待しております」

彼は話した。

スロフは、2隻のヘリコプター空母「ミストラル」の後部がバルト工場で製造された事を想い起した。
「通信システム、管理システム、自動化システムに関しても、合同作業は組織化されたものでした」
海軍の代理人は付け加えた。

スロフによると、「将来の艦」は、モジュール型汎用戦闘プラットフォームとなる。

「私共の作成方針は、全て汎用多機能艦へと向かいます。
同様のフリゲートは、全範囲の課題を解決します。
兵器のリストは拡大し、その戦術・技術的特性は増大し、統一された手段が作成され、当然ながらロボット化されます。
これが私達が予定する全てです」

彼は指摘した。


[ロシア将来大型揚陸艦]

ロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却する事になりました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦のロシア製機器の取り外しは進められている]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されることになりました。


一方、ロシアは、以前から「ミストラル」級のような艦~将来ヘリコプター揚陸ドック艦~を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明しています。
[ロシアの造船所はミストラル級のような艦を独自に建造できる]
[ロシアは独自のヘリコプター空母の建造を計画している]
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]

ロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦の建造も検討されています。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]

2隻の「ミストラル」級の建造には、ロシアバルト工場(サンクトペテルブルク)も参加しており、これにより大規模ブロック組立技術が取得されました。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部は進水した]
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦の後部はバルト工場で起工された]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]
[ロシアはフランスのミストラル級ヘリ空母購入契約を通じて大規模ブロック組立技術を取得した]

将来の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造には、その経験が生かされる事になるでしょう。

ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される

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『タス通信』より
2015年11月21日14時21分配信
【ロシア連邦海軍:「モスクワ」型及び「ピョートル・ヴェリキー」型巡洋艦は新たな兵器や通信システムを受け取る】
モスクワ、11月21日/タス通信

プロジェクト1164ロケット巡洋艦プロジェクト1164(「モスクワ」)重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(プロジェクト1144)は、少なくとも10年間は海軍で勤務し、新たな兵器複合体及び通信複合体により近代化される。
ラジオ局『エコー・モスクワ』の生放送で、軍事科学業務担当海軍総司令官補佐官アンドレイ・スロフ1等海佐は伝えた。

プロジェクト1164巡洋艦のトップ「モスクワ」は1983年に、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は1998年に、それぞれ運用を開始した。

「周知のように巡洋艦モスクワは16基の有翼ミサイルを有し、黒海艦隊の一員であり、そして原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーが在ります。
維持及び定期修理プログラムが存在します。
何隻かは、新たな兵器複合体、新たな通信システム、自動化及び管理システムにより近代化されます」

彼は話した。

海軍のこの種類の艦は「今後5~10年、おそらくは15年に渡り」現役に留まるとスロフは指摘した。
しかし、このタイプの艦を代替する為の研究と、同様の排水量を有する艦の開発が進められている事を士官は想い起した。

将来駆逐艦について話せば、その兵装と能力は「既存の巡洋艦よりも遥かに強力です」

「現在の状況に鑑みて、排水量10000-14000トンで、核動力装置を含め、全てを収める事が出来るのであれば、我々は排水量20000トンか、それ以上の巡洋艦を建造する必要は有りません」
彼は強調した。


プロジェクト1144「オルラーン」重原子力ロケット巡洋艦は、1980年から1998年までに4隻が就役し、現在は3隻が現役に在りますが、稼働状態に在るのは4番艦「ピョートル・ヴェリキー」のみです。

[プロジェクト1144「オルラーン」重原子力ロケット巡洋艦](レニングラード/サンクトペテルブルク市のバルト工場で建造)
「キーロフ」(1992年5月27日から「アドミラル・ウシャコーフ」)工場番号800
1974年3月26日起工/1977年12月27日進水/1980年12月30日納入/1981年4月12日就役
北方艦隊へ配備、2004年3月30日除籍

「フルンゼ」(1992年5月27日から「アドミラル・ラーザレフ」)工場番号801
1978年7月26日起工/1981年5月26日進水/1984年10月31日納入/12月7日就役
太平洋艦隊へ配備、1999年7月以降予備役

「カリーニン」(1992年5月27日から「アドミラル・ナヒーモフ」)工場番号802
1983年5月17日起工/1986年4月25日進水/1988年12月30日納入/1989年4月21日就役
北方艦隊へ配備、1999年8月以降予備役、2013年から大規模な近代化改装

「ユーリー・アンドロポフ」(1992年5月27日から「ピョートル・ヴェリキー」)工場番号803
1986年10月25日起工/1989年4月29日進水/1998年4月19日納入・就役
北方艦隊へ配備



プロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦は1983年から1990年に掛けて3隻が就役し、現在も全艦が現役に在りますが、稼動状態に在るのは2隻です。

[プロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦](ニコラエフ市の第61コムーナ造船工場で建造)
「スラヴァ」(1995年5月15日から「モスクワ」)工場番号2008
1976年5月11日起工/1979年7月27日進水/1982年12月30日納入/1983年4月7日就役
黒海艦隊へ配備

「アドミラル・フロータ・ロボフ」(1985年3月23日から「マルシャル・ウスチーノフ」)工場番号2009
1978年5月10日起工/1982年2月25日進水/1986年9月15日納入/11月5日就役
北方艦隊へ配備、2012年より近代化改装

「チェルヴォナ・ウクライナ」(1995年12月21日から「ワリャーグ」)工場番号2010
1979年7月31日起工/1983年8月28日進水/1989年12月25日納入/1990年1月7日就役
太平洋艦隊へ配備



現在、プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦の3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」は大規模な近代化改装工事を行なっております。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2019年末-2020年初頭にロシア海軍へ復帰する]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装が終わった後、同型艦「ピョートル・ヴェリキー」の近代化改装が行なわれます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は計画通り行なわれる]

プロジェクト1164ロケット巡洋艦の方は、2番艦「マルシャル・ウスチーノフ」の近代化改装が行なわれています。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

今後は他の同型艦~1番艦「モスクワ」を含む~も近代化改装が行なわれる予定です。

近代化改装された巡洋艦は、今後10~15年程度は現役に留まるとの事です。


ロシア海軍の現用のロケット巡洋艦の後継は、将来駆逐艦「リデル」級になるようです。
[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]

ロシア海軍総司令官補佐官アンドレイ・スロフ氏は、プロジェクト1144のような排水量2万トンを超える大型艦の新規建造には否定的です。

要するに、将来駆逐艦「リデル」級が有れば、1144のような大型艦を新たに建造する必要は無いという事です。

ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される

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『タス通信』より
2015年11月21日13時4分配信
【ロシア連邦海軍:正規空母「アドミラル・クズネツォフ」は新型航空機により仕上げられる】
モスクワ、11月21日/タス通信

ロシア唯一の航空母艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」は、新型航空機により近代化される。
ラジオ局『エコー・モスクワ』の生放送で、軍事科学業務担当海軍総司令官補佐官アンドレイ・スロフ1等海佐は伝えた。

「我々はアドミラル・クズネツォフを維持して行き、定期作業を行ないます。
現在、我々は次の戦闘勤務の準備をしております。
それ(註:アドミラル・クズネツォフ)は変化し、新型航空機により仕上げられます。
外見は同じですが、その機能は常に変化し、強化されます」

彼は話した。

「航空母艦についてお話し致しますと、我々は、それを海上航空複合体と呼んでおり、それ故に、それは単なる艦では無いと見なしております」
スロフ
は続けて言った。
「それは、様々な航空機~打撃、情報、偵察用途~を有する適切な航空団を有していなければなりません。
ヘリコプターも用途に対応しなければなりません」


そのような航空団の作成は「独立した大いなる課題です」
ロシア連邦海軍
の代理人は結論付けた。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」は、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡り、大西洋・地中海遠征を実施しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

遠距離航海から戻った後は、ムルマンスク市郊外の第35艦船修理工場でメンテナンスが行なわれました。

2014年7月18日にはムルマンスクからセヴェロモルスクへ移動しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近影(2014年7月18日)]

7月27日の「ロシア海軍の日」には、北方艦隊基地セヴェロモルスクで祝賀行事に参加しました。

その後、第35艦船修理工場へ戻ってメンテナンスを完全に終え、9月29日に点検の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは整備後の点検の為に出航した]

9月30日、艦上航空隊の訓練が始まりました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフで艦上航空隊の訓練が始まった]

10月1日からは北方艦隊捜索救助部隊の演習へ参加し、「遭難艦」の役を演じました。
[ロシア海軍北方艦隊は空母アドミラル・クズネツォフの救助訓練を行なう]

2014年11月末、ムルマンスク市と後援協定を締結し、同市の後援を受ける事になりました。
[ムルマンスク市はロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフを後援する]

2015年5月13日、常時係留地であるムルマンスク郊外の第35艦船修理工場岸壁からロスリャコヴォ第82艦船修理工場へ移動しました。
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[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックへ入る]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックへ入渠した]

「アドミラル・クズネツォフ」は、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50に入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
[ロシア海軍重航空巡洋艦アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ近影(2015年5月31日)]

3ヶ月後の8月20日、大型浮きドックPD-50から出渠しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]

浮きドックを出た後、「アドミラル・クズネツォフ」第35艦船修理工場岸壁へ戻り、修理作業の残りの部分が実施されました。
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その修理作業も完了し、「アドミラル・クズネツォフ」バレンツ海への出航を準備していました。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2015年10月中旬に出航する]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは出航を準備する]

「アドミラル・クズネツォフ」が出航を準備している間に、一部のメディアは、近日中に同艦がシリアへ向かうと報じ、北方艦隊広報部に否定されました。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフが近日中にシリアへ向かう予定は無い]

10月17日にはムルマンスクからセヴェロモルスク沖へ移動し、10月19日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]

その後もバレンツ海で各種艦載機器の点検と洋上訓練を続けていました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]

10月26日には高射ミサイル複合体「キンジャール」の発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]

11月5日からは対空防衛演習を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]

「アドミラル・クズネツォフ」は、2010年代末に近代化改装が予定されています。
[空母アドミラル・クズネツォフの近代化は先延ばしされている]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2010年代後半に近代化改装を行なう]


そして今回、ロシア海軍総司令官補佐官アンドレイ・スロフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」「新型航空機」により近代化されると発言しました。

「新型航空機」の具体的な機種に関してスロフ氏は何も話しておりませんが、現在、「アドミラル・クズネツォフ」の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの配備と慣熟訓練が進められており、今年末には新たな航空連隊が編成されます。
[ロシア海軍航空隊へ引き渡される艦上戦闘機MiG-29K/KUBは新設の航空連隊へ配備される]

この他、現用の艦載ヘリコプターKa-27も近代化改修が行なわれます。
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]

Ka-27の後継機となる新型艦載ヘリコプターの開発作業も既に始まっています。
[ロシア海軍航空隊の為の新世代艦上ヘリコプターは2020年までに作成される]

これらの新型機が加わる事により、「航空母艦」としての「アドミラル・クズネツォフ」の能力は向上するという事です。

現在の「アドミラル・クズネツォフ」航空団は、14機の艦上戦闘機Su-33、24機のヘリコプター(対潜ヘリKa-27PL、早期警戒ヘリKa-31、救難ヘリKa-27PS)で構成されていますが、Su-33には対地・対艦誘導兵器(ミサイル誘導爆弾)の運用能力が無く(無誘導爆弾無誘導ロケット弾くらいしか使えない)、対地・対艦攻撃能力は無いに等しい状態です。
これでは、アメリカ海軍フランス海軍原子力空母のように、搭載機による地上への空爆を行なう事など望むべくも有りません。

今年末まで契約分全機の納入が完了する新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUB対地・対艦誘導兵器の運用が可能であり、この24機の新型艦戦が加わる事により、「アドミラル・クズネツォフ」は初めて搭載機による地上への戦力投射が真に可能となります。
むろん、シリア「イスラム国」を含めて。


なお、アンドレイ・スロフ氏は、現在、「アドミラル・クズネツォフ」が「次の戦闘勤務」の準備を行なっていると述べています。

「アドミラル・クズネツォフ」「戦闘勤務」とは、具体的には大西洋地中海(東部)への遠距離航海を指しています。

ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は2015年11月中旬に南西諸島周辺海域で行動していた

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日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイトより
2015年11月20日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

2015年11月9日から20日に掛け、ロシア海軍の4隻の艦船が南西諸島周辺海域に滞在し、11月20日午前中に同海域を離れて南下したとの事です。

この4隻は、ロシア海軍インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加する太平洋艦隊艦船支隊であり、2015年11月2日にウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと駆逐艦ブイストルイはインドへ向かった]

[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:沿海地方多種戦力小艦隊副司令官アレクサンドル・ユーリエヴィチ・ユルダシェフ少将
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
駆逐艦「ブイストルイ」
大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」
救助曳船「アラタウ」


支隊は11月4日午前10時頃に対馬海峡を通過しました。
日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイトより
2015年11月5日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

この間(つまり11月3日頃)に日本海で一連の訓練が実施され、対馬海峡を通過する際に1905年5月のツシマ沖海戦の戦没者の追悼式典を開催しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は日本海で演習を行なった]

11月9日、「太平洋」上で一連の演習が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は太平洋上で演習を実施した]

その後の動向は太平洋艦隊からは公表されていませんでしたが、今回の日本国防衛省の発表によると、11月20日まで南西諸島周辺海域に滞在し、投錨して洋上補給、ヘリコプター発着訓練などを行なっていました。

合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』は、2015年12月7日から12日までインド東岸ベンガル湾で実施されます。
太平洋艦隊艦船支隊は、12月7日から9日までインド東岸ヴィシャーカパトナム港へ滞在します。
実際に海上での実地演習(活動段階)が実行されるのは、12月10日から12日までとなっております。
[ロシア海軍とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は2015年12月上旬にベンガル湾で実施される]

太平洋艦隊艦船支隊インド到着は12月7日の予定です。

ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した


『タス通信』より
2015年11月20日17時48分配信
【カスピ小艦隊の艦はシリアに位置する過激派を18基の有翼ミサイルで攻撃した】
モスクワ、11月20日/タス通信

11月20日、カスピ小艦隊の艦はシリアに位置するテロリストへ18基の有翼ミサイル発射を実行し、7つの目標は全て破壊された。
ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は最高司令官であるロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンへ報告した。

「11月20日にカスピ小艦隊の艦はラッカ、イドリブ、アレッポ県の7つの目標へ18基の有翼ミサイル発射を実行しました。
全ての目標は撃破されました」
ショイグ
は話した。
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既に10月7日、カスピ小艦隊ロシア連邦では非合法となっているテロ組織「イスラム国」に対する作戦へ参加している。
艦はカスピ海エリアからシリアイスラム国の施設へ海洋配置有翼ミサイル複合体「カリブル-NK」により大規模な打撃を与えた。


記事中で触れられているように、2015年10月7日、カスピ小艦隊の4隻の水上艦はシリア「イスラム国」拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

前回の攻撃には、カスピ小艦隊「カリブル」搭載艦4隻全て(ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」)が動員されましたが、今回も同様でしょう。

今回の攻撃には、カスピ小艦隊だけでは無く、ロシア航空宇宙軍爆撃機(Tu-160、Tu-95MS、Tu-22M)も参加しています。


ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはスエズ運河を通過して紅海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年11月20日10時20分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は紅海へ入った】

遠距離航海任務を遂行している北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、本日、スエズ運河を通過して地中海から紅海への移動を行ない、遠距離大洋ゾーン航海計画に沿って移動を続ける。

前日夕方に大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、航行中の艦のダメージコントロールに関する応急班要員の訓練を行なった。
対テログループは、不審船の臨検演習を実施し、航行中に海軍歩兵高速艇で艦へ接舷し、縄梯子で艦上へ乗り込む為の行動と、仮想テロリストに対する銃器の使用へ取り組んだ。

数日前、同艦は、乗組員の休養と水、食料、燃料を補充する為、キプロス共和国リマソール港への業務寄港を行なった。
その後、ロシア大型対潜艦は、スエズ運河を通過する為の船団形成海域へ移動した。

10月23日からの遠距離航海中に大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は5500海里以上を航行し、その距離の一部では海上の嵐を乗り越えた。
航海は、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊対潜艦連合部隊司令官アレクサンドル・マシネツキー1等海佐の指揮下で実施される。

北方艦隊の艦は、アデン湾及びアフリカの角海域における民間船舶航行の安全保障に関し、豊富な経験を有している。
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、この海域で2012年に海賊対処任務を遂行した。


プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]

地中海から戻った後、2015年3月から7月末までムルマンスク第35艦船修理工場ガスタービン機関を含むオーバーホールが行なわれ、8月初頭には修理後の点検の為の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した]

その後は何度かバレンツ海で演習を行ない、10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]

それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く]

11月2日には英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]

11月4日未明、ジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

11月5日~6日には艦載ヘリコプターKa-27の訓練が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦載ヘリコプターKa-27は地中海で訓練を行なった]

11月9日、チュニス海峡(シチリア海峡)黒海艦隊大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料(軽油)真水の洋上補給を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシチリア海峡付近で洋上補給を行なった]

その後、地中海東部へ向かい、11月13日にはキプロスリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソールを訪れた]

リマソール港を出た後、11月20日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。 
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記事の末尾で触れられているように、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は2012年5月から7月までアデン湾海賊対処任務に就いています。
(2012年4月6日出港・9月12日帰港)
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはアデン湾海賊対処任務を終えた]

シリア沖のロシア海軍艦船部隊がフランス海軍空母機動部隊を『軍事援護』する事は無い

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『タス通信』より
2015年11月18日14時53分配信
【情報筋:ロシア連邦の戦闘艦がシリア沖でフランス海軍の対空防衛を保障する事は無い】
モスクワ、11月18日/タス通信

シリア沖のロシア戦闘艦フランス海軍航空母艦グループの対空及び対潜防衛を保障する事は無い。
何故なら、彼等は、これらの任務を自身で遂行する事が可能であるが故に。
11月18日、タス通信軍事外交筋より伝えられた。

以前、一部のメディアは、シリアテロ組織「イスラム国」戦闘員に対する作戦中に、ロシア連邦海軍の艦がフランス海軍航空母艦グループへ戦闘援護を提供すると報じた。

「シリア沖に居るロシア海軍戦闘艦グループは、最高司令官ウラジーミル・プーチンの指示に基づき、フランス海軍航空母艦グループと海上及び空中で対水中破壊工作と対テロ活動を含む緊密な協同行動を行ないます。
ですがそれは、私共の艦が、航空母艦シャルル・ド・ゴールに率いられるフランス海軍支隊の対空防衛及び対潜防衛を保障するという話ではありません」

対談者は話した。

彼によると、この任務をフランス艦支隊は自身で遂行する事が可能である。
「この為に、彼等は充分な戦力と手段を有しております」
情報提供者は説明した。

彼によると、現在、シリア沖では、3艦隊~黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊の10隻程度の戦闘艦と数隻の支援船で構成されるロシア連邦海軍グループが活動している。
このグループの旗艦は親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」である。
「最近、グループには、北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフと黒海艦隊の小型ロケット艦ミラーシュが補充されました」
対談者は総括した。


ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年9月24日にセヴァストーポリを抜錨、翌25日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ入った]

10月初頭にはシリアラタキア沖に展開し、防空演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのラタキア沖に居る]

10月4日と10月5日にも演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]

その後も地中海東部へ留まっていました。

北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」も地中海東部へ到着しています。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソールを訪れた]

今回の記事によると、黒海艦隊小型ロケット艦「ミラーシュ」地中海東部へ到着しているようです。


周知のように、ISIL(イラクとレバントのイスラム国)は10月31日にロシアの旅客機を爆破し、11月13日にはパリで同時多発テロ事件を起こしました。

その後、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、地中海東部に居るロシア海軍艦船部隊(地中海作戦連合部隊)に対し、フランス海軍と協力するように指示を出しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはフランス海軍空母機動部隊と協力する]

そして、「一部のメディア」は、ロシア海軍の水上艦がフランス海軍空母機動部隊の対空・対潜防衛を担当すると報じました。
『スプートニク』より
2015年11月18日21時11分配信
【ロシア海軍艦艇 フランス海軍の空母艦隊を軍事援護へ】

しかし、今回の記事に登場する「軍事外交情報筋」は、この情報を否定しました。

ロシア海軍の水上艦がフランス海軍空母部隊と協力するというのは、例えば親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」原子力空母「シャルル・ド・ゴール」の護衛艦として随伴するという話では無いという事です。


フランス海軍原子力空母「シャルル・ド・ゴール」は11月18日にトゥーロンを出航し、先ずは地中海東部へ行き、その後、インド洋(ペルシャ湾)へ行きます。


フランス国防省公式サイトより
2015年11月18日17時15分配信
【アロマンシュミッション2:海軍航空グループは東地中海とインド洋に展開する】

巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した

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『タス通信』より
2015年11月18日12時37分配信
【(ロシア)国防省:「カリブル」で武装する最新ロケット艦はセヴァストーポリへ到着した】
モスクワ、11月18日/タス通信

最新の小型ロケット艦「セルプホフ」「ゼリョヌイ・ドル」は、常駐地セヴァストーポリ市へ到着した。
黒海艦隊情報供給部長ヴャチェスラフ・トルハチェフは発表した。

「本日、黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦セルプホフとゼリョヌイ・ドルは常駐地セヴァストーポリへ到着しました。
前日にノヴォロシースクで国家受領試験を成功裏に完了した彼らは、日中に艦隊の主要基地への移動を行ないました」

彼は話した。

近い内に小型ロケット艦黒海艦隊ロケット艇連合部隊の一員として加わる。

小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は、ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造された「ブヤン-M」近代化シリーズの4番艦及び5番艦である。
これらは、増加した排水量を有し、最新の遠距離ミサイル複合体「カリブル-NK」を装備する。


[新世代小型ロケット艦「ブヤン-M」]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の4番艦「ゼリョヌイ・ドル」は2012年8月29日に起工されました。
[小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは2012年8月29日に起工される]

2015年4月2日に進水後、艤装工事が進められ、7月10日から内陸水路経由で黒海への移動を開始し、7月30日に黒海東岸ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは黒海へ到着した]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の5番艦「セルプホフ」は2013年1月25日に起工されました。
[小型ロケット艦セルプホフは起工された]

2015年4月3日に進水後、艤装工事が進められ、7月24日から内陸水路経由で黒海への移動を開始し、8月11日に黒海東岸ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦セルプホフは黒海へ到着した]

その後、この2隻は黒海東部で洋上試験~工場航行試験と国家受領試験~を実施しました。

その国家受領試験も完了し、「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は2015年11月中にロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ編入されます。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフの国家受領試験は完了し、2015年11月にロシア海軍へ引き渡される]
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは2015年11月中にロシア海軍へ就役する]

そして11月18日、「ゼリョヌイ・ドル」(602)「セルプホフ」(603)セヴァストーポリへ到着しました。
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近い内に両艦では聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊第41ロケット艦旅団・第166小型ロケット艦大隊へ編入されます。

プロジェクト21631小型ロケット艦は、6隻が黒海艦隊へ配備されます。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に9隻が起工され、この内3隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造されています。
[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年11月就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年11月就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2019年就役予定
黒海艦隊へ配備予定


プロジェクト21631は、合計で9隻の調達が予定されています。
[ロシア海軍は2019年までに巡航ミサイル"カリブル"を装備する約10隻の小型ロケット艦ブヤン-Mを受領する]

プロジェクト21631の主要兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

「カリブル」は、2015年10月7日にカスピ小艦隊プロジェクト21631小型ロケット艦からシリア「イスラム国」拠点へ発射されています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはフランス海軍空母機動部隊と協力する

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『タス通信』より
2015年11月17日17時35分配信
【プーチンは巡洋艦「モスクワ」司令部へフランス海軍との協同行動を指示した】
モスクワ、11月17日/タス通信

ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、近い内に開始されるシリアにおけるロシア連邦の対テロ作戦での協同行動の為、地中海に居る巡洋艦「モスクワ」司令部へフランス海軍との相互関係の確立を指示した。

「近い内に、貴方達が行動している海域には、航空母艦に率いられるフランス海軍グループが近づいてきます。
フランスとの直接的コンタクトを確立し、同盟国として彼らと業務を行なう事が必要です」

国家元首は指示した。

彼によると「参謀本部総長と国防相は、然るべき指示を受けております」
「海上及び空中において、彼らとの協同行動計画を立案する必要があります」
プーチン
は強調した。

これらのガイドラインは、最高司令官の国土防衛センターへの訪問中、ビデオでシリアでの対テロ作戦指導に関する軍からの報告を聴いている際に示された。

[プーチンとオランドは、テロリストとの闘いの行動調整の為、モスクワで会談する]
11月26日、ロシアフランスの大統領は、テロリストとの闘いの行動調整の為、モスクワで会談する。

「合意されたのは、特に、ロシアとフランスがシリアでテロ組織に対する作戦を実行する際の両国の軍当局及び諜報機関の間の更なる綿密な接触と行動の調整の確保です」
クレムリン
広報サービスは発表した。

電話会談において両首脳は、エジプトでのロシア旅客機の墜落やフランスでの悲劇的な出来事といったテロリストの野蛮な行為に関連し「国際テロリズムへ対抗する為の2国間及び多国間の協力の強化へ特別な注意を払いました」
クレムリン
は指摘した。


ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年9月24日にセヴァストーポリを抜錨、翌25日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ入った]

10月初頭にはシリアラタキア沖に展開し、防空演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのラタキア沖に居る]

10月4日と10月5日にも演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]

その後も地中海東部へ留まっていました。

この間、ISIL(イラクとレバントのイスラム国)は10月31日にロシアの旅客機を爆破し、11月13日にはパリで同時多発テロ事件を起こしました。

これを受けてロシアフランスシリアISIL拠点への報復攻撃を実施し、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話会談を行ないました。
『ニューズウィーク(日本語版)』より
2015年11月18日11時19分配信
【フランスとロシアがISIS空爆強化へ連携、EUにも協力要請】

そしてプーチン大統領は、地中海東部に居るロシア海軍艦船部隊(地中海作戦連合部隊)に対し、フランス海軍と協力するように指示を出しました。

フランス海軍原子力空母「シャルル・ド・ゴール」は、11月18日にトゥーロンを抜錨し、シリアISILへの空爆作戦へ参加する為、12月中旬にペルシャ湾へ到着します。
当然ながら、その途中で親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」などが居る地中海東部を通過します。
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ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した

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『ロスビジネスコンサルティング』より
2015年11月17日14時52分配信
【ロシアは潜水艦からの有翼ミサイルでISIL(イラクとレバントのイスラム国)へ打撃を与えた】

ロシア地中海潜水艦から有翼ミサイル「カリブル」イスラム国の首都へ打撃を与えた。
これは、このような兵器の初めての実地使用である。。
ロシアは、エジプトA321機上へのテロ攻撃の情報が確認された事へ応えた。

北方艦隊からノヴォロシースクへの回航を行なっていたロシアディーゼルエレクトリック潜水艦は「ロストフ・ナ・ドヌー」は、地中海東部からシリアラッカ市周辺の目標である(ロシアでは禁止されている)「イスラム国」首都を有翼ミサイル「カリブル」で攻撃した
(ロシア)国防省に近い情報提供者は『ロスビジネスコンサルティング』へ話した。

現在、攻撃の結果は、空中及び宇宙探査手段を用いて分析されている。
『ロスビジネスコンサルティング』の対談者によると、攻撃は、ロシア航空機A321エジプトでの墜落への関与に関連し、テロリストへの攻撃を強化するロシア大統領ウラジーミル・プーチンの指示の後に実行された。

ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」の打撃目標は、訓練基地、司令部、兵器と弾薬の倉庫、過激派グループの駐屯地であった。
地中海の頻繁な船舶航行による事故を避ける為、打撃は平射では無く、高度数キロメートルの弾道軌道で行なわれた。

ディーゼルエレクトリック潜水艦は「ロストフ・ナ・ドヌー」からの発射は、ロシア軍の歴史上において、本物の敵の施設に対する潜水艦からの有翼ミサイル発射としては最初のケースである事を『ロスビジネスコンサルティング』の対談者は強調した。

モスクワからイスラム国への攻撃に関して公式の確認は無い。
先ず初めに、それは西側のメディアにより報じられた。
フランスル・モンド紙は、フランス国防省の談話を引用してロシア有翼ミサイル地中海からラッカへ発射されたと報じた。
同紙によると、ミサイル発射は11月17日・火曜日の朝に行なわれた。


[プロジェクト06363潜水艦]

ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の2番艦B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2011年11月21日にサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で起工されました。
[改キロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」起工]

それから約3年後の2014年6月26日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは進水した]

8月下旬、係留試験が開始されました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは係留試験を開始した]

その後、10月21日から工場航行試験が始まりました。
『ruspodplav』より
2014年11月2日23時44分配信
【「ロストフ・ナ・ドヌー」はサンクトペテルブルクへ戻ってきた】

ロシア海軍広報部は、「ロストフ・ナ・ドヌー」が2014年末までにロシア海軍へ引き渡されると発表しました。
[最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは2014年末までにロシア海軍へ引き渡される]

12月23日には国家受領試験が終わりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月23日13時26分配信
【ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は国家試験から戻った】

その後、12月27日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、12月30日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊第4独立潜水艦旅団へ編入されました。
[潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはロシア海軍へ就役した]


就役した「ロストフ・ナ・ドヌー」は、まずバレンツ海へ移動して深海試験を行ない、その後に配備先の黒海艦隊基地-ノヴォロシースク海軍基地へ回航されます。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験を行なう為にバレンツ海へ移動する]

2015年4月17日、「ロストフ・ナ・ドヌー」クロンシュタットを抜錨しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットを去り、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ向かった]

5月22日、深海試験を行なう為、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]

その後、バレンツ海で各種試験が行われました。

10月2日には有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型の発射試験を実施しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海から地上目標へ巡航ミサイルを発射した]

10月9日、「カリブル」対艦型を海上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"(対艦型)を発射した]

10月16日、ポリャールヌイ基地へ到着した同型艦「スタールイ・オスコル」と入れ違いに出航しました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]

10月29日、クロンシュタットへ入港しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは『補給』の為にクロンシュタットへ寄港した]

11月5日にクロンシュタットを出航し、黒海へ向かいました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットから黒海へ向かった]

そして『ロスビジネスコンサルティング』が報じた所によると、11月17日、回航途中の「ロストフ・ナ・ドヌー」は、地中海東部から「カリブル」によりシリアのラッカに在るISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃したとの事です。
ただし、ロシア国防省ロシア海軍からの公式発表は有りませんが・・・

「カリブル」は、2015年10月7日にカスピ小艦隊小型ロケット艦からシリア「イスラム国」拠点へ発射されています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]


今回の攻撃は、10月31日のロシア旅客機墜落事故イスラム国によるテロ攻撃であるとロシア政府が認めた事により、その「報復」の一環として実施されました。
『朝日新聞デジタル』より
【ロシア、旅客機墜落をテロと断定 「機内に手製爆発物」】

ロシア航空宇宙軍(空軍)爆撃機Tu-160、Tu-95MS、Tu-22MラッカISIL拠点へ有翼ミサイルを発射しています。

ロシア海軍最新鋭偵察艦ユーリー・イワノフは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月16日12時7分配信
【軍艦「ユーリー・イワノフ」は北方艦隊へ到着した】
モスクワ、11月16日-ロシア通信社ノーボスチ

最新の特殊用途艦「ユーリー・イワノフ」はバルト艦隊からの艦隊間移動を完了し、常駐地セヴェロモルスクへ到着した。
北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は発表した。

「同艦を指揮するンドレイ・ノヴィツキー3等海佐の報告によると、乗組員は回航任務を成功裏に、完璧に遂行し、艦の状態は良好であり、乗員は健常で更なる指定任務を遂行する準備を整えております」
彼は話した。

北方艦隊広報サービスがウラジーミル・コロリョーフ大将の言葉を引用して伝えたように、同艦の技術的能力は北方艦隊の活動の拡大に貢献する。
「北極圏及び世界の大洋の他の海域における海軍の存在を確保する為に」

ロシア連邦国防省によると、回航中に船員は1900海里以上を航行し、数十回の艦内演習へ取り組み、様々な種類の訓練-艦のダメージコントロール、乗組員の組織的な日常活動などを行なった。

プロジェクト18280のトップ艦「ユーリー・イワノフ」は、2015年7月26日にロシア連邦海軍へ加わった。
以前、「統合造船業営団」国家防衛発注部長アナトーリー・シレモフは、プロジェクト18280艦は海軍部隊の統制と管理を保障し、電子戦闘、電波電子偵察を行ない、更には、アメリカ対(弾道)ミサイル防衛システムの監視の為のコンポーネントとして意図されているとロシア通信社ノーボスチへ伝えた。


プロジェクト18280偵察艦「ユーリー・イワノフ」は2004年12月27日に起工され、2013年9月30日に進水しました。
[建造中のロシア海軍新型偵察艦ユーリー・イワノフ]
[新型偵察艦ユーリー・イワノフは2014年に就役する]
[新型偵察艦ユーリー・イワノフは進水した]

その後、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」岸壁で艤装工事が進められていましたが、これも完了し、2014年11月27日から航海試験を開始しました。
[ロシア海軍の新型偵察艦ユーリー・イワノフは航海試験を開始した]


2014年末(12月末)、ロシア海軍へ納入されました。
[新型偵察艦ユーリー・イワノフはロシア海軍へ納入された]

2015年6月23日には洋上試験の為に出航しています。


「ロシア海軍の日」(7月の最終日曜日)の2015年7月26日、バルト艦隊基地バルチースクでの海軍記念日観艦式へ参加し、その最中に聖アンドレイ旗の初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。
[新型偵察艦ユーリー・イワノフは2015年7月26日にロシア海軍へ正式に就役する]

就役後も暫くの間はバルチースクに留まっていましたが、2015年11月中旬に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航されました。


今後、「ユーリー・イワノフ」は本格的に活動を開始しますが、その活動内容がロシア海軍(ロシア国防省)から公表される事は無いでしょう。
地中海或いは中東へ派遣される事も有り得ますし、アメリカ本土付近まで進出する可能性も有りますが。

巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは2015年11月中にロシア海軍へ就役する


『タス通信』より
2015年11月16日12時34分配信
【新たな小型ロケット艦「セルプホフ」と「ゼリョヌイ・ドル」は工場試験を行なった】
モスクワ、11月16日/タス通信

黒海艦隊の為に建造された最新小型ロケット艦「セルプホフ」「ゼリョヌイ・ドル」は、ノヴォロシースク海軍基地における工場航行試験を成功裏に完了した。
11月16日、同艦隊の情報供給部長ヴャチェスラフ・トルハチェフは発表した。

「近日中に双方の小型ロケット艦は、聖アンドレイ旗掲揚式典の為、常時駐留場所であるセヴァストーポリへの移動を行なう予定です。
艦は黒海艦隊のロケット艇旅団の一員として加わります」

彼は話した。

「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は、より大きな排水量を有し、最新の長距離ミサイル複合体「カリブル-NK」を装備する「ブヤン-M」近代化シリーズの4番艦及び5番艦である。

[複合体「カリブル-NK」について]
2015年10月7日、複合体「カリブル-NK」有翼ミサイル3M-14は、シリアにおけるロシアの軍事作戦中、成功裏に使用された。

カスピ小艦隊の3隻のプロジェクト21631小型ロケット艦(「ウグリーチ」、「グラード・スヴィヤージスク」、「ヴェリキー・ウスチュグ」)プロジェクト11661K警備艦「ダゲスタン」は、距離1500kmに位置する11の地上目標へ26回のミサイル発射を実行した。
これは、ミサイルの初の実戦使用となった。

小艦隊の構成に含まれているプロジェクト11661K及び21631艦戦術有翼ミサイル「カリブル」(NATO分類SS-N-27シズラー)発射装置を装備する。

ミサイル複合体「カリブル」は、複合体S-10「グラナート」をベースにしてエカテリンブルク試作設計局「ノワトール」が開発・製造しており、1993年に初めて提案された。

「カリブル」をベースにして、地上、空中、水上及び水中配置、輸出ヴァージョンの複合体が作成される。
現在、様々な種類の複合体「カリブル」は、ロシア、インド、中華人民共和国の軍備として在る。

公式に開示されているデータによると、輸出ヴァージョンのみは最大射程距離が275-300kmとなっている。

2012年、ダゲスタン大統領マゴメドサラム・マゴメードフとの会談において、この当時カスピ小艦隊司令官の地位に有ったセルゲイ・アレクミンスキー中将は、有翼ミサイル複合体「カリブル」(3M-14)の戦術ヴァージョンは距離2600kmまでの沿岸目標を攻撃できると述べた。

ミサイル3M-14の戦術-技術的特性は機密情報となっており、公表されたものは存在しない。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の4番艦「ゼリョヌイ・ドル」は2012年8月29日に起工されました。
[小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは2012年8月29日に起工される]

2015年4月2日に進水後、艤装工事が進められ、7月10日から内陸水路経由で黒海への移動を開始し、7月30日に黒海東岸ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは黒海へ到着した]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の5番艦「セルプホフ」は2013年1月25日に起工されました。
[小型ロケット艦セルプホフは起工された]

2015年4月3日に進水後、艤装工事が進められ、7月24日から内陸水路経由で黒海への移動を開始し、8月11日に黒海東岸ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦セルプホフは黒海へ到着した]

その後、この2隻は黒海東部で洋上試験~工場航行試験と国家受領試験~を実施しました。

その国家受領試験も完了し、「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は2015年11月中にロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ編入されます。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフの国家受領試験は完了し、2015年11月にロシア海軍へ引き渡される]

「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は今月中にノヴォロシースクからセヴァストーポリへ移動し、聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役します。

プロジェクト21631小型ロケット艦は、6隻が黒海艦隊へ配備されます。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に9隻が起工され、この内3隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造されています。
[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年11月就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年11月就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定


プロジェクト21631の主要兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

「カリブル」は、2015年10月7日にカスピ小艦隊小型ロケット艦からシリア「イスラム国」拠点へ発射されています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

ロシア海軍の最新鋭戦略原潜ボレイ級3番艦ウラジーミル・モノマーフは弾道ミサイル"ブラヴァー"を2発同時にカムチャツカ半島へ発射した



『タス通信』より
2015年11月14日22時4分配信
【「ウラジーミル・モノマーフ」は2基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」をカムチャツカの射爆場へ成功裏に発射した】
モスクワ、11月14日/タス通信

白海エリアからの2基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の一斉発射は、戦略用途原子力ロケット巡洋艦「ウラジーミル・モノマーフ」艦内から成功裏に実施された。
土曜日、ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部は発表した。

「本日・11月14日、ヴィクトール・シドレンコ1等海佐が艦長を務める北方艦隊のプロジェクト955ボレイ戦略用途ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフは、2基の大陸間弾道ミサイル"ブラヴァー"を白海エリアの指定海域からカムチャツカのクラ射爆場への一斉発射を成功裏に実施しました」
声明では、こう述べられた。

注目されるのは、この一斉発射戦闘訓練計画に従い、水中位置から実施された事に有る。

「2基の大陸間弾道ミサイル"ブラヴァー"の飛翔軌道の数値は正常モードで推移しておりました。
客観的な観測データにより、ミサイルの弾頭は成功裏にカムチャツカのクラ射爆場へ着弾しました」
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国防省
は話した。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

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「ボレイ」級戦略原潜3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、12月19日にロシア海軍へ就役しました。
同艦は、書類上は太平洋艦隊第25潜水艦師団に所属しています。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]

就役前の2014年9月10日に初めて弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはブラヴァー弾道ミサイル発射に成功した]

就役後の12月26日にセヴェロドヴィンスクを出航し、北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着した]

「ウラジーミル・モノマーフ」カムチャツカ回航は2016年になります。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフのカムチャツカ回航は2016年になる]

これに先立ち、今年(2015年)末までに弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射する事になりました。
[ロシア海軍は2015年末までに数回の弾道ミサイル"ブラヴァー"発射を実施する]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは2015年末までに弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射する]

「ウラジーミル・モノマーフ」は、9月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され、9月10日から14日まで海へ出ていました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは短期間海へ出た]

10月末にも短期間出航しています。
セヴェロドヴィンスク在住のオレグ・クレショフ氏のブログより
2015年10月28日14時1分配信
【原子力水中巡洋艦「ウラジーミル・モノマーフ」はセヴェロドヴィンスクへ戻った】

「ウラジーミル・モノマーフ」からの弾道ミサイル「ブラヴァー」発射は今年10月~11月に予定されていました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは2015年10-11月にカムチャツカへ弾道ミサイルを発射する]

しかし、10月中に「ブラヴァー」発射は実施されず、最終的には、11月16日までに白海からカムチャツカ「ブラヴァー」を2基同時に発射する事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略原潜ボレイ級3番艦ウラジーミル・モノマーフは2015年11月16日までに弾道ミサイル"ブラヴァー"を2発同時にカムチャツカ半島へ発射する]

そして、2015年11月14日夜、「ブラヴァー」2発が発射されました。


今回のロシア国防省発表では「ウラジーミル・モノマーフ」の艦長はヴィクトール・シドレンコとされていますが、同氏は「ウラジーミル・モノマーフ」セカンドチームの指揮官です。
(ファーストチーム指揮官はアレクサンドル・ナジェージン)

「ブラヴァー」2基の一斉発射は、2011年12月23日に「ボレイ」級1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」が実行して以来、ほぼ4年ぶりになります。
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]


今回の「ブラヴァー」は、2013年秋から計画されていたものであり、現在の情勢とは全く関係が有りません。

「ボレイ」級2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」ロシア海軍へ引き渡される前の2013年9月6日、白海弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を実施しましたが、失敗に終わりました。
[2隻のボレイ級戦略原潜の国家試験はSLBMブラヴァー試射失敗により中断される]

これを受け、セルゲイ・ショイグ国防相は、更に5回の「ブラヴァー」発射の実施を命じました。

2014年には3隻が1発ずつ「ブラヴァー」を発射しました。

9月10日、就役前の「ウラジーミル・モノマーフ」白海から弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはブラヴァー弾道ミサイル発射に成功した]

10月29日、「ユーリー・ドルゴルーキー」バレンツ海からカムチャツカへ向けて弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはバレンツ海からの弾道ミサイル発射に成功した]

11月28日、「アレクサンドル・ネフスキー」バレンツ海から弾道ミサイル「ブラヴァー」発射に成功しました。
[ロシア海軍最新戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーからの弾道ミサイル"ブラヴァー"発射は成功した]

2015年の発射計画は二転三転し、当初は太平洋から「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」「ブラヴァー」を発射する予定でしたが取り止めとなり、その後、「アレクサンドル・ネフスキー」オホーツク海から、「ウラジーミル・モノマーフ」或いは「ユーリー・ドルゴルーキー」バレンツ海から「ブラヴァー」を発射するという話が出たり、挙句の果てにはロシア海軍総司令官「くじ引きする」などと言い出す始末でしたが、結局、「ウラジーミル・モノマーフ」白海から2発同時に発射しました。

これで、2013年のショイグ国防相の命令はすべて実行されたという事になります。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソールを訪れた

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『タス通信』より
2015年11月13日11時36分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はキプロスの港へ入った】
モスクワ、11月13日/タス通信

北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」リマソール港への業務寄港を行なった。
11月13日、北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガは報道機関へ伝えた。

「地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは、今朝、リマソール港への業務寄港を行ないました。
これは、大型対潜艦の(10月23日からの)長期航海中の最初の外国港への訪問です」
セルガ
は話した。

彼によると、リマソールへの寄港中に乗員は休養の機会を与えられ、地元の観光名所を見学できる。
更に、必要な物資が補充される。

「遠距離航海中にヴィツェ・アドミラル・クラコーフは5200海里以上を航行し、その距離の一部では海上の嵐を乗り越えました」
艦隊の代理人は強調した。


プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]

地中海から戻った後、2015年3月から7月末までムルマンスク第35艦船修理工場ガスタービン機関を含むオーバーホールが行なわれ、8月初頭には修理後の点検の為の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した]

その後は何度かバレンツ海で演習を行ない、10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]

それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く]

11月2日には英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]

11月4日未明、ジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

11月5日~6日には艦載ヘリコプターKa-27の訓練が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦載ヘリコプターKa-27は地中海で訓練を行なった]

11月9日、チュニス海峡(シチリア海峡)黒海艦隊大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料(軽油)真水の洋上補給を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシチリア海峡付近で洋上補給を行なった]

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その後、地中海東部へ向かい、11月13日にはキプロスリマソール港を訪れました。

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は昨年10月31日にもリマソール港へ寄港しており、ほぼ1年ぶりになります。

現在、地中海東部には、ロシア海軍黒海艦隊親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「スメトリーヴイ」、海洋曳船MB-31、工作船PM-56が滞在しており、この他に数隻の大型揚陸艦が交代でシリアへの「貨物」輸送~シリア・エクスプレス~を行なっています。

ロシア海軍黒海艦隊航空隊は戦闘機Su-30SMへの更新を続ける

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2015年11月12日11時47分配信
【黒海艦隊は最新戦闘機による海洋航空隊の軍備更新を続ける】

黒海艦隊は、最新多目的戦闘機Su-30SMによる独立海洋襲撃機航空連隊の飛行隊の軍備更新を完了する。

航空機は、就役設定期限を迎え、そして艦隊独立航空連隊の基礎となっている前線爆撃機Su-24を代替する。

最初の年に黒海艦隊海洋航空隊の飛行士は、8機の新型戦闘機を受領し、慣熟した。
クリミアSu-30SM乗員は指定目標への無誘導ロケット発射及び爆撃を行ない、新たな航空機の高い効率性を証明した。

2016年、黒海艦隊海洋航空隊の新たな軍用装備の更新計画に従い、更に数機の戦闘機Su-30SMが受領される。

来年1月、20名の黒海艦隊飛行士は、新型航空機の為の再訓練を行なう。


多用途複座戦闘機Su-30SMは、2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されています。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2015年2月には初めて黒海艦隊の演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊のSu-30SMは艦隊防空演習に参加した]

2015年9月には初めて地上攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の戦闘機Su-30SMは初の地上攻撃演習を行なった]

2015年10月には抜き打ち演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は抜き打ち演習を行なった]

黒海艦隊航空隊(第43独立海洋襲撃機航空連隊)は、現在までに合計8機のSu-30SMを受領しています。

クリミア半島海軍航空隊(黒海艦隊所属)には、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分となる12機程度の戦闘機Su-30SMが2016年までに配備されます。
[クリミアのロシア海軍航空隊は1個飛行隊(12機)の戦闘機Su-30SMを受領する]

黒海艦隊航空隊Su-30SMは、現用の前線爆撃機Su-24を代替します。
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ロシア海軍航空隊向けの戦闘機Su-30SMは、2020年までに計50機以上が調達されます。
[ロシア海軍航空隊は2020年までに戦闘機Su-30SMを50機以上調達する]

ロシア海軍の最新鋭戦略原潜ボレイ級3番艦ウラジーミル・モノマーフは2015年11月16日までに弾道ミサイル"ブラヴァー"を2発同時にカムチャツカ半島へ発射する

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『タス通信』より
2015年11月11日10時38分配信
【情報筋:「ウラジーミル・モノマーフ」は11月16日までにカムチャツカの射爆場へ2基の「ブラヴァー」を発射する】
モスクワ、11月11日/タス通信

情報提供者によると、原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」(「ボレイ」型)は、数日中に実施されるカムチャツカクラ射爆場への2基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」発射が成功し、発射装置が通常通りに動作した場合にのみ、ロシア海軍の戦闘即応部隊の一員として加えられる。
水曜日、タス通信ロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「現在知られている計画によれば、遅くとも11月16日にはウラジーミル・モノマーフは、水中位置から2基のブラヴァーをカムチャツカのクラ射爆場へ発射します。
おそらく、一斉発射は白海エリアで実行されるでしょう」

対談者は話した。

「それ以外のブラヴァーの発射については、今年の実行は計画されてはおりません」
彼は付け加えた。

情報提供者によると、発射が成功し、発射装置が通常通りに動作した場合にのみ、「ウラジーミル・モノマーフ」ロシア海軍の戦闘即応部隊の一員として加えられる。
来年の8月~9月に潜水艦北方艦隊から太平洋艦隊へ回航される対談者は説明した。

以前、「ウラジーミル・モノマーフ」の回航は2015年に予定されていたが、今年、カムチャツカには1隻の「ボレイ」「アレクサンドル・ネフスキー」のみが到着した。

「ウラジーミル・モノマーフ」からの「ブラヴァー」発射は、このミサイルの2015年の最初の発射となる。
以前には3度の発射が2014年9月~11月に実施された。
それは、この潜水艦、更には同型の「ユーリー・ドルゴルーキー」「アレクサンドル・ネフスキー」が含まれていた。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

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「ボレイ」級戦略原潜3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、12月19日にロシア海軍へ就役しました。
同艦は、書類上は太平洋艦隊第25潜水艦師団に所属しています。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]

就役前の2014年9月10日に初めて弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはブラヴァー弾道ミサイル発射に成功した]

就役後の12月26日にセヴェロドヴィンスクを出航し、北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着しました。

[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着した]

「ウラジーミル・モノマーフ」カムチャツカ回航は2016年になります。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフのカムチャツカ回航は2016年になる]

これに先立ち、今年(2015年)末までに弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射する事になりました。
[ロシア海軍は2015年末までに数回の弾道ミサイル"ブラヴァー"発射を実施する]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは2015年末までに弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射する]

「ウラジーミル・モノマーフ」は、9月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され、9月10日から14日まで海へ出ていました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは短期間海へ出た]

10月末にも短期間出航しています。
セヴェロドヴィンスク在住のオレグ・クレショフ氏のブログより
2015年10月28日14時1分配信
【原子力水中巡洋艦「ウラジーミル・モノマーフ」はセヴェロドヴィンスクへ戻った】

「ウラジーミル・モノマーフ」からの弾道ミサイル「ブラヴァー」発射は今年10月~11月に予定されていました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは2015年10-11月にカムチャツカへ弾道ミサイルを発射する]

しかし、10月中に「ブラヴァー」発射は実施されず、最終的には、11月16日までに白海からカムチャツカ「ブラヴァー」を2基同時に発射する事になりました。

「ブラヴァー」2基の一斉発射は、2011年12月23日に「ボレイ」級1番艦「ユーリー・ドルゴルーキー」が実行して以来、ほぼ4年ぶりになります。
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシチリア海峡付近で洋上補給を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年11月9日12時15分配信
【地中海で遠距離航海任務を遂行している大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員は水と燃料の在庫を補充した】

地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員は、停泊地において黒海艦隊給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料真水の在庫の計画補充を行なった。

大型対潜艦の投錨停泊はチュニス海峡エリアの公海上で実施された。
物資補充は液体貨物移送の安全対策を遵守して実行された。

乗組員は更に艦のダメージコントロール演習を実施した。
緊急事態班の要員は、固定並びに携帯消火設備の使用へ取り組んだ。

現在、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、地中海の東方へ向かって移動を続けている。
遠距離航海開始以来、同艦は4000海里以上を航行し、その距離の一部では海上の嵐を乗り越えた。

大型対潜艦の遠距離航海は、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊対潜艦連合部隊司令官アレクサンドル・マシネツキー1等海佐の指揮下で実施される。


プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]

地中海から戻った後、2015年3月から7月末までムルマンスク第35艦船修理工場ガスタービン機関を含むオーバーホールが行なわれ、8月初頭には修理後の点検の為の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した]

その後は何度かバレンツ海で演習を行ない、10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]

それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く]

11月2日には英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]

11月4日未明、ジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

11月5日~6日には艦載ヘリコプターKa-27の訓練が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦載ヘリコプターKa-27は地中海で訓練を行なった]

そして11月9日、チュニス海峡(シチリア海峡)黒海艦隊大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料(軽油)真水の洋上補給を受けました。
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大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」は、今年6月1日にセヴァストーポリを出航し、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加し、6月下旬から8月初頭まで大西洋で行動し、その後、地中海へ戻り、現在まで同海域に滞在しています。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」ガスタービン機関ですが、ロシア海軍ガスタービン推進艦も、西側諸国海軍と同様に燃料として軽油(ディーゼル燃料)を使用している事が伺えます。
(重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」プロジェクト956駆逐艦といった蒸気タービン推進艦重油を使用)

今後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」地中海東部へ向かい、ロシア海軍地中海作戦連合部隊へ加わる事になるでしょう。

現在、地中海東部には、黒海艦隊親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「スメトリーヴイ」、海洋曳船MB-31、工作船PM-56が滞在しており、この他に数隻の大型揚陸艦が交代でシリアへの「貨物」輸送~シリア・エクスプレス~を行なっています。

最近では、大型揚陸艦に加え、ロシア海軍が購入した中古の民間貨物船も輸送任務に就いています。
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ロシア海軍とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は2015年12月上旬にベンガル湾で実施される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月9日12時44分配信
【ロシア-インド海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2015』の計画で合意した】
モスクワ、11月9日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア軍インド軍の代表は海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2015』の計画で合意した。
東方軍管区広報サービス部長アレクサンドル・ゴルデーエフ大佐は発表した。

合意は、インドヴィシャーカパトナム市における会議中に達成された。
それには、東方軍管区、太平洋艦隊、インド海軍の代表が出席した。

「当事者は、演習で実施されるエピソードの計画、領海へ入る太平洋艦隊艦船支隊の計画、実地行動へ取り組む際の安全保障対策及び双方の戦力の明確化について合意しました」
ゴルデーエフ
は話した。

海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は、12月7日から12日までベンガル湾インド領海で実施される。
「来たる合同演習の主な目的は、船舶航行及び海洋活動を保護するロシアとインドの海軍協力の強化に在ります」
ゴルデーエフ
は指摘した。

以前にインド国防省が発表したように、演習『インドラ-2015』は、射爆場「マハジャン」において、参加要員の再配置の為の時間を除いて13日間程度に渡り続けられる。
そのテーマは、国際連合の委任統治下の担当ゾーンにおける「平和強制の為の合同活動実施の準備」である。
ロシアからは南方軍管区自動車化歩兵大隊が、インドからは擲弾兵連隊の第13大隊の部隊が派遣される。


ロシア海軍インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加する太平洋艦隊艦船支隊は、2015年11月2日にウラジオストクを抜錨し、インドへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと駆逐艦ブイストルイはインドへ向かった]

[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:沿海地方多種戦力小艦隊副司令官アレクサンドル・ユーリエヴィチ・ユルダシェフ少将
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
駆逐艦「ブイストルイ」
大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」
救助曳船「アラタウ」


11月4日午前10時頃に対馬海峡を通過しました。
日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイトより
2015年11月5日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

この間(つまり11月3日頃)に日本海で一連の訓練が実施され、対馬海峡を通過する際に1905年5月のツシマ沖海戦の戦没者の追悼式典を開催しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は日本海で演習を行なった]

11月9日、太平洋上で一連の演習が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は太平洋上で演習を実施した]


合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』は、2015年12月7日から12日までインド東岸ベンガル湾で実施されます。
太平洋艦隊艦船支隊は、12月7日から9日までインド東岸ヴィシャーカパトナム港へ滞在します。
実際に海上での実地演習(活動段階)が実行されるのは、12月10日から12日までとなっております。


2015年7月26日、新たなロシア連邦海洋ドクトリンが発表されましたが、この中ではインド並びに中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]