ロシア海軍航空隊は2020年までに計28機の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領する
- カテゴリ:ロシアの対潜哨戒機

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年1月13日13時15分配信
【ユジン:ロシア連邦は海軍2020年までに28機の対潜航空機Il-38を受領する】
モスクワ、1月13日-ロシア通信社ノーボスチ
イリューシン記念航空複合体は2016年11月にロシア連邦海軍へ更に2機の対潜航空機Il-38を引き渡し、契約下で海軍航空隊は2020年までに合計28機の機体を受け取る。
同社の総取締役代理ユーリー・ユジンは伝えた。
「今日において私共は5機の航空機Il-38Nノヴェッラを海軍航空隊へ引き渡しております。
契約下で私共は今年11月にこの航空機を更に2機引き渡します」
彼は水曜日に記者団へ話した。
ユジンは、軍当局との契約に従い、2020年までに「イリューシン」は28機のIl-38Nを引き渡す事を指摘した。
Il-38は、イリューシン試作設計局が旅客機Il-18Vをベースに開発した対潜航空機である。
航空機は、独自或いは対潜艦と合同での潜水艦の探索と破壊、海上偵察、捜索救助活動、機雷源の敷設の為に意図されている。
『イリューシン』公式サイトより
【Il-38対潜航空機】
旅客機Il-18をベースに開発された対潜哨戒機Il-38は、1961年9月27日に初飛行し、1967年から1972年までに65機が生産されました。
現用のIl-38は、Il-38N仕様への近代化改修を受けます。
Nは「ノヴェッラ」Новелла(短編小説、新規追加条項)の略です。
Il-38の上部に追加されたのが「ノヴェッラ-P-38」複合体です。

北方艦隊は、2012年3月にIl-38N(15号機)を受領していますが、これはプロトタイプのようです。
[ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nの飛行訓練を開始した]

2014年7月15日、Il-38Nの「量産機」(機体番号19)がロシア海軍へ引き渡されました。
[近代化された対潜哨戒機Il-38Nは7月15日にロシア海軍へ引き渡される]
[近代化された対潜哨戒機Il-38N量産1号機はロシア海軍へ引き渡された]
その後、27号機、24号機、23号機が改修を終えてロシア海軍航空隊へ引き渡されています。
2015年3月30日には太平洋艦隊航空隊が初めてIl-38Nを受領しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
6月30日、5機目となる「フョードル・ゾロトゥヒン」号(機体番号78、RF-75338)がモスクワ近郊のジュコーフスキー飛行場でロシア海軍航空隊へ引き渡され、7月20日にカムチャツカ半島の航空基地(エリゾヴォ)へ到着しました。
[ロシア海軍航空隊は5機目の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカへ配備される]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカのエリゾヴォ基地へ到着した]
Il-38Nの第1バッチ近代化改修機の5機は、以下の航空基地へ配備されます。
・19号機「ラジー・パンコフスキー」(RF-75355):エイスク(クラスノダール地方)
・27号機「ヤコフ・クテポフ」(RF-75320):エイスク(クラスノダール地方)
・23号機(RF-75322):ニコラエフカ(沿海地方)
・24号機(RF-75341):エリゾヴォ(カムチャツカ半島)
・78号機「フョードル・ゾロトゥヒン」(RF-75338):エリゾヴォ(カムチャツカ半島)
Il-38Nの第1バッチ近代化改修(2012年契約締結)は5機で終了しますが、これに続く第2バッチの近代化改修の為の契約は既に締結されています。
[ロシア海軍航空隊の為の対潜哨戒機Il-38近代化改修の第2バッチの契約が締結された]
そして今回、製造元のイリューシンより、第2バッチの第1陣2機が今年11月にロシア海軍へ引き渡される事が明らかにされました。
ロシア海軍が保有する対潜航空機Il-38は、全機が近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Il-38は全機が近代化される]
今回の「イリューシン」社幹部の発言によると、2020年までに合計で28機がIl-38N仕様へ近代化改修されるとの事です。
以前にも「イリューシン」社のトップが同様の事を述べています。
[ロシア海軍は2020年までに28機の対潜哨戒機Il-38を近代化改修する]
なお、ロシア海軍航空隊の他の対潜航空機(Tu-142M3海洋哨戒機、Be-12対潜水陸両用機、Ka-27PL対潜ヘリコプター)も、全て現用機が近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊の2015年の更新計画]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]
そしてIl-38の後継機の選定も進められています。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Il-38と電子偵察機Il-20の後継となる統一プラットフォームは2020年に初飛行する]