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ロシア海軍最新鋭原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年4月30日3時2分配信
【原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」はバレンツ海から沿岸演習目標を撃破した】
モスクワ、4月30日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊原子力潜水艦「セヴェロドビンスク」(プロジェクト「ヤーセン」)は、バレンツ海での計画戦闘訓練への取り組みにおいて、有翼ミサイル「カリブル」で沿岸演習目標を撃破した。
北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は発表した。

「北方艦隊の最新多目的原子力潜水艦プロジェクト885セヴェロドヴィンスクの乗組員は、バレンツ海エリアの水中位置からアルハンゲリスク州のチジャ射爆場の沿岸演習目標へ海洋配置有翼ミサイル"カリブル"の発射を成功裏に実施しました。
ミサイルは高い精度で目標を撃破しました」
セルガ
は話した。

彼によると、海洋からの有翼ミサイル発射の統制は、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」艦上の北方艦隊司令部及び潜水艦部隊司令部の代表により行なわれた。
セルガは、セルゲイ・ミチャーエフ1等海佐が指揮する原子力潜水艦の乗組員が、潜水艦の戦闘演習及びミサイル発射の準備において「高い専門性と技量」を示した事を指摘した。

指摘されたように、乗組員は、今後数日間に渡り海上での任務遂行を続け、戦勝記念日(5月9日)の前には常時駐留場所へ戻る。

多目的原子力潜水艦「セヴェロドビンスク」プロジェクト885「ヤーセン」のトップ艦であり、2014年6月にロシア海軍へ就役した。
2016年3月、潜水艦北方艦隊の常時即応戦力に加わった。
運用中に乗組員は一連の兵装、機器、艦載システムの試験を、深海への潜航を含めた様々な操作モードで実行した。


[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]

ソ連邦解体から2年後の1993年12月21日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2010年6月15日に進水したプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は、2013年12月30日、受領-引渡証書への署名(ロシア連邦海軍への納入)が行なわれました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクはロシア海軍へ納入された]

2014年6月17日、ロシア海軍旗初掲揚式典が開催され、北方艦隊潜水艦部隊・第11対空母原潜師団へ編入され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった]
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは最新の原子炉セキュリティシステムを有する]

その後も白海で各種試験が実施され、2014年9月、常駐基地となるザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ向かいました。
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[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクは駐留基地ザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ向かった]

11月10日、ザーパドナヤ・リツァ浮上救助室の動作試験が行なわれました。
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクは救助カプセルの動作試験を行なった]

2015年5月9日の大祖国戦争勝利70周年記念日には、北方艦隊主要基地セヴェロモルスク沖の観艦式へ参加しました。


2015年6月6日、新型機器を搭載する「技術的作業」の為にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」へ回航されました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクはセヴェロドヴィンスク市へ到着した]

その後の動向は明らかにされていませんでしたが、「技術的作業」を終えてザオゼルスクへ戻り、慣熟訓練を続けていたようです。
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[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは戦闘演習の為に出航する]

慣熟訓練を終えた「セヴェロドヴィンスク」は、2016年4月初頭に北方艦隊の演習へ参加し、最新鋭魚雷「フィジーク」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]
[新型誘導魚雷フィジークはロシア海軍へ制式採用された]

そして4月下旬、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)ロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
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原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、汎用有翼ミサイル「カリブル」超音速対艦ミサイル「オーニクス」を搭載しています。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

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艦中央部のミサイル発射機(4連装8基)に最大で32基の「カリブル」「オーニクス」を搭載出来ます。
(この他、「カリブル」魚雷発射管からも発射できるので、更に搭載数を増やす事も可能)


「セヴェロドヴィンスク」は現在までに有翼ミサイルを少なくとも8回発射しています。

2012年11月7日:潜航状態で「カリブル」対艦攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対艦ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月26日:浮上状態で「カリブル」地上攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対地ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月28日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクは3回連続でカリブル有翼ミサイルの発射試験に成功した]

2013年6月:浮上状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
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2013年6月:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
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2013年11月6日:潜航状態で超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射。
[原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射した]

2014年9月初頭:潜航状態で有翼ミサイル(オーニクス?)を発射。
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはミサイルを発射した]

2016年4月30日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
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ロシア海軍の12隻の艦船が地中海東部に滞在している


『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年4月28日19時15分配信
【ロシア海軍の7隻の艦船が地中海で任務を遂行している】

地中海には、ロシア海軍の7隻の艦と、少なくとも5隻の支援船が同時に滞在している。
これは、メディアの報道とボスポラス海峡を通過する艦を追跡するトルコのポータルサイトの分析に基づき、『中央海軍ポータル』が収集したデータによるものである。


ロシア海軍地中海グループの主要打撃戦力はロケット巡洋艦「ワリャーグ」である。
同艦は2016年初頭にシリア沿岸で同型艦「モスクワ」と交代した。
3月には、黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」が合流した。
4月上旬、地中海有翼ミサイル「カリブル」搭載艦のローテーションが行なわれ、グループには小型ロケット艦「セルプホフ」が補充された。

2月21日にボスポラス海峡地中海側へ通過した黒海艦隊偵察艦「プリアゾヴィエ」が海域(地中海)から撤収したという情報は未だ無い。
同時期、シリア沿岸へ海洋掃海艦「コヴロヴェツ」が向かった。
その任務は、機雷敷設に対処する為の海岸線のパトロールである。

2016年4月、黒海艦隊大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」北方艦隊大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は再び地中海へ入った。
シリア沿岸への定期的な訪問は、共和国政府軍の為の兵器と物資の供給と関連している。

「シリア・エクスプレス」任務は、現在、ロシア海軍の支援船も遂行している。

2016年2月、海軍が取得した乾燥貨物船「ドヴィンツィア-50」、「カザン-60」、コンテナ船「アレクサンドル・トカチェンコ」ボスポラス海峡地中海側へ通過した。
これらの船が海峡を逆方向へ通過したとは伝えられていない。

地中海エリアの戦闘艦の安全性と技術的条件は、2016年3月に到来した救助曳航船「プロフェッソル・ニコライ・ムールイ」工作船「PM-138」により保障されている。

以前、メディアは、ロシア海軍総司令部地中海グループの量の倍増を計画していると報じた。
この海域に常時滞在するロシア海軍の艦船は10隻から20隻までとなるべきである。


太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(2015年11月2日出航)は2016年1月初頭からシリア沖に滞在しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]

黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」は2016年3月上旬からシリア沖に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ向かった]

黒海艦隊小型ロケット艦「セルプホフ」は2016年4月初頭からシリア沖に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦セルプホフは地中海へ入った]

黒海艦隊大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」北方艦隊大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、2016年4月下旬にシリアへ向かいました。

輸送船「ドヴィンツィア-50」は4月初頭、輸送船「カザン-60」は2月下旬、コンテナ船「アレクサンドル・トカチェンコ」は2月末にシリアへ向かいましたが、未だ黒海へ戻っていません。

黒海艦隊偵察艦「プリアゾヴィエ」は2016年2月下旬に地中海へ入っています。


黒海艦隊海洋掃海艦「コヴロヴェツ」は2月中旬からシリア沖に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の掃海艦はシリア沖で活動する]

黒海艦隊救助曳航船「プロフェッソル・ニコライ・ムールイ」は2016年3月初頭からシリア沖に滞在しています。


黒海艦隊工作船PM-138は2016年3月初頭からシリアタルトゥースに駐留しています。
[シリアのタルトゥース港に駐留するロシア海軍工作船は交代する]

ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの取り付けが始まった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年4月29日0時0分配信
【ロシア海軍の発注下で建造されているプロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」には国内製造エンジンが装備される】

サンクトペテルブルク造船工場『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)では、コルベット「グレミャーシチー」(プロジェクト20385)へ国内製造のメインエンジンの積載及び設置作業が始まった。

メインエンジンは、輸入代替プログラム実行の枠組みにおいて、海軍総司令部の技術的要件に沿ってコロムナ工場が製造した。
海軍の課題に沿って中央海洋設計局『アルマーズ』と協力企業『北方造船所』は適切な計算を行ない、コルベットの設計特性を損なう事無く国産エンジンの効果的なインテグレートの実行が可能となった。
コルベット「グレミャーシチー」へ設置されるエンジンのタイプは、コロムナ工場にとっては標準的な系列である。
しかし、海軍の決定により、このタイプの動力装置は改良され、操作特性の品質パラメータの改善が可能となった。
コルベット「グレミャーシチー」は5月までに計4基のエンジンを設置する。

メインエンジンの設置開始は、艦の上部構造物の取り付け、艦の発電機と居住保障システムの取り付けが指定期間内に完了した事により可能となった。

コルベット「グレミャーシチー」の進水は2017年の実施が計画されている。

[参考資料]
ロシア海軍
の発注下で『北方造船所』社は4隻のコルベットを建造している。
コルベット「グレミャーシチー」「プロヴォールヌイ」プロジェクト20385により、コルベット「リェチーヴイ」「ストローギー」プロジェクト20380により建造されている。

多目的コルベット(警備艦)は、敵の潜水艦水上艦の検出と破壊、揚陸部隊の上陸支援、更には近海ゾーンにおける様々な任務を果たす為に意図されている。
コルベットは兵装として、砲、ミサイル、対潜複合体、更には最新の電波位置特定複合体(レーダー)を有する。
同プロジェクトのコルベットにはヘリコプターの駐留が可能であり、潜水艦の検出と破壊、更には他の特別な任務の遂行能力が増加している。
プロジェクト20385艦は、海上におけるレーダー反射を低減する技術を用いて建造されている。

[プロジェクト20385コルベットの主な特性]
排水量-2000トン以上
全長-104メートル
幅-13メートル
速力-27ノット
航続距離-4000海里
乗員-99名

[兵装]
汎用ミサイル複合体「カリブル-NK」
高射ミサイル複合体「リドゥート」

砲兵装:A-190-01 100mm砲、2基の30mm高射機関砲AK-630M
対潜兵装:複合体「パケート」
航空兵装:対潜ヘリコプターKa-27PL(Ka-27PS)


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[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

プロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。
[サンクトペテルブルクでフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」及びコルベット「グレミャーシチー」が起工された]
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]

当初、プロジェクト20385には、ドイツMTU社製のディーゼルエンジンが装備される予定でしたが、ヨーロッパ諸国対ロシア制裁により、その供給は途絶えました。
[ロシアは水上艦用のエンジン供給を拒否したドイツとウクライナの企業を訴える]

この為、設計を変更してロシア『コロムナ工場』ディーゼルエンジン「ディーゼルユニットDDA12000」~が搭載される事になりました。
これは以前のプロジェクト20380と同じエンジンです。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

そして2016年4月末、『コロムナ工場』ディーゼルエンジンの設置作業が始まりました。


この影響により「グレミャーシチー」の建造は当初予定よりも遅れてしまい、進水と航行試験は2017年になりました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト20385コルベット"グレミャーシチー"は2017年に進水し、航行試験を開始する]
ロシア海軍への引き渡しは早くても2017年末になるでしょう。


ロシア海軍新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、計11隻が起工され(20380が9隻、20385が2隻)、このうち4隻が海軍へ引き渡されています。

20380/20385は、サンクトペテルブルク「北方造船所」コムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で建造されています。

[「北方造船所」建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号530)
バルト艦隊に配備

「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備

「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備

「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備

「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2017-2018年就役予定

「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2018年就役予定

「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

[「アムール造船工場」建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2016年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2016年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(プロジェクト20380、建造番号2103)
2015年7月22日起工
太平洋艦隊に配備予定

「リェーズキー」Резкий(プロジェクト20380、建造番号2104)
2016年7月1日起工予定
太平洋艦隊に配備予定



将来的には、改良発展型であるプロジェクト20386の建造へ移行する事になりますが、現在の所、具体的な起工予定は明らかにされていません。
[ロシア海軍の将来コルベット・プロジェクト20386]

ロシア海軍カスピ小艦隊のロケット艦は演習で巡航ミサイル"カリブル"を発射した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(カスピ小艦隊)広報サービス発表
2016年4月28日19時33分配信
【カスピ小艦隊の艦は海上でミサイル及び砲射撃を実行した】

本日(4月28日)、軍管区司令官アレクサンドル・ガルキン大将の統制下で行なわれた南方軍管区の軍を制御する指揮幕僚訓練において、カスピ小艦隊の艦艇連合部隊はミサイル複合体「カリブル」を使用した戦術演習を海上で実施した。

小艦隊の打撃艦グループは海上目標へのミサイル射撃を実行した。
全ては成功裏に撃破された。

実施された演習は、カスピ海における戦闘訓練活動の最終エピソードとなった。
4月24日から28日までカスピ小艦隊の艦艇部隊は冬期演習期間の最終査察の枠組みにおいて、海上での戦術演習を実施した。
カスピ海の海洋射爆場において、ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」、小型砲艦「ヴォルゴドンスク」、「マハチカラ」を含む20隻以上の戦闘艦、戦闘艇、支援船が指定任務の遂行へ関わった。

海上での実地活動への取り組み中に小艦隊の戦術艦艇グループは、対機雷、対空、対潜防衛、放射線及び化学兵器からの防護、更には艦のダメージコントロール演習を実施した。

全ての指定任務は、現実の戦闘に近い条件下で実行され、煙幕及び欺瞞目標が設置された。

初期段階で掃海艦は対機雷防衛演習を実施し、艦からの掃海網による海上機雷の掃海が行なわれた。

ロケット艦、砲艦、掃海艦の乗組員は、ミサイル、砲、機雷掃海兵装を使用した20以上の戦闘演習を実施した。

1000発以上の様々な弾薬が費やされた。
戦術演習中に南方軍管区第4航空・防空軍との協同活動へ取り組んだ。

海上での戦術練習は、カスピ小艦隊の艦艇部隊の冬期演習期間の戦闘訓練の最終段階となった。

海上での戦闘演習任務遂行の分析と評価は、艦が駐留地へ戻った後、技術的観察・管理手段により、カスピ小艦隊司令部が実施する。


カスピ小艦隊ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」の4隻は、2015年10月7日にシリア「イスラム国」拠点へ26基の有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しています。

[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

この4隻は、2015年11月20日にも、ISIL拠点へ18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


2016年4月25日、この4隻と小型砲艦「ヴォルゴドンスク」「マハチカラ」など20隻以上の艦艇は演習の為に出航しました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊のロケット艦は演習で巡航ミサイル"カリブル"を発射する]


今回の演習では、有翼ミサイル「カリブル」の対艦型が発射されたようです。
(「カリブル」には対地型、対艦型、対潜型の3種類のミサイルが有る)
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

ロシア海軍航空隊の対潜航空機はバレンツ海で『対潜道』を研究する


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年4月27日14時53分配信
【ロシア連邦海軍の対潜航空隊はバレンツ海で演習を実施する】
モスクワ、4月27日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍対潜航空機および対潜ヘリコプターは、バレンツ海エリアで仮想敵潜水艦を探知、破壊する実地演習へ取り組む。
水曜日、北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は発表した。

バレンツ海上空で、北方艦隊、太平洋艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊の航空機及びヘリコプターの乗員は任務を遂行する。

「集会には、海軍航空隊の対潜航空機Il-38、Tu-142、対潜ヘリコプターKa-27PLの乗員が参加し、機上対潜複合体を使用した組織的な潜水艦の捜索、検出、追尾任務へ実地で取り組み、更には機雷敷設、爆雷及び魚雷発射の実地演習を行ないます」
セルガ
は話した。

彼は、集会の理論的部門の過程で参加者は機材や兵器の将来的な形態を研究し、対潜戦闘任務を果たす上での新たな戦術の使用経験を共有し、更には海軍航空隊が装備する対潜複合体の有効性の比較分析が行なわれたと付け加えた。


2014年4月、ロシア海軍対潜航空部隊北方艦隊基地へ集まり、初の対潜戦闘競技会が開催されました。
[ロシア海軍航空隊の「対潜道」競技会が開催された]
この時には、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊対潜航空隊対潜哨戒機Il-38Tu-142、対潜水陸両用機Be-12、対潜ヘリコプターKa-27PLが参加しました。


それから2年後、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊対潜航空隊が再び北方艦隊基地へ集まり、合同演習が実施されます。

おそらくは、北方艦隊及び太平洋艦隊対潜哨戒機Il-38Tu-142、バルト艦隊及び黒海艦隊対潜ヘリコプターKa-27PLが参加するようです。

ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海へ戻ってきた


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年4月27日14時40分配信
【軍艦「アドミラル・エッセン」は北方艦隊での試験後にバルト海へ到着した】
カリーニングラード、4月27日-ロシア通信社ノーボスチ

カリーニングラード沿バルト造船工場「ヤンターリ」ロシア連邦国防省の為に建造した警備艦「アドミラル・エッセン」は、北方艦隊海洋射爆場で実施された国家受領試験の最終段階を終えた後、バルト海へ到着した。
ロシア通信社ノーボスチは工場の代理人セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「近日中に同艦は工場へ到着し、検査及び引き渡し準備を始めます。
現在、アドミラル・エッセンは海洋射爆場での航空機を使用した作業を完了し、その後、基地へ戻り、その後、我々の所へ戻ります。
御客様への御引渡しは5月下旬を予定しております」
ミハイロフ
は話した。

警備艦「アドミラル・エッセン」の国家受領試験は2016年1月30日に始まり、第1段階試験はバルト艦隊射爆場で実施された。
4月初頭、同艦は艦載兵装複合体の試験を実施する為、北方艦隊への艦隊間移動を完了した。

警備艦「アドミラル・エッセン」は2011年7月8日に起工され、2014年11月7日に進水し、工場航行試験は2015年10月に始まった。
ロシア連邦国防省の発注下で沿バルト造船工場「ヤンターリ」は、合資会社「北方計画設計局」が開発した6隻のプロジェクト11356警備艦シリーズを建造する。
トップ艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2016年3月11日に発注者へ引き渡された。

プロジェクト11356警備艦は、単独或いは連合部隊の一員としての水上艦及び潜水艦に対する戦闘行動、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
艦は、汎用ミサイル砲兵装と、対潜及び対空防衛の為の現代的な電波技術装置を有している。

このシリーズの艦の排水量は約4000トン、全長125メートル、速力30ノット、乗員180名である。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工されました。

それから3年以上経った2014年11月7日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンは進水した]


2014年11月末、進水した「アドミラル・エッセン」高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の垂直発射機が設置されました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]

2015年5月20日、造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月20日11時36分配信
【「アドミラル・エッセン」は係留試験を開始した】

出航前の消磁作業を終えた後、2015年10月18日にカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ回航されました。
その後、バルチースク基地で出航準備が進められました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海への出航を準備している]

11月5日、工場航行試験の為に出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは洋上試験の為に出航した]

工場航行試験を終えた後、2016年1月30日から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンの国家受領試験が始まる]

2月初頭にバルト海へ出航し、主にメインエンジン(ガスタービンエンジン)の動作チェックが行なわれました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]

その後もバルト海で各種試験が続けられ、3月下旬までに国家受領試験の第1段階は終了しました。

3月21日までにカリーニングラードからクロンシュタット(レニングラード海軍基地)へ移動しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"発射試験を行なう]

3月23日、クロンシュタットを抜錨し、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはクロンシュタットを抜錨し、バレンツ海へ向かった]

3月30日、遠距離航海から帰港途中の北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海で合流しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海で最新警備艦アドミラル・エッセンと合流した]

4月4日、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、バレンツ海国家受領試験の第2段階が実施され、4月19日までに完了しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海での試験を完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・エッセン」カリーニングラードへ向かい、現在はバルト海へ入っています。
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同艦は近日中にカリーニングラードへ戻り、ロシア海軍への引き渡しの準備が行なわれます。

「アドミラル・エッセン」は2016年5月下旬(5月20日~31日の間)の引き渡しが予定されています。


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、この内の3隻が進水し、1番艦が就役しています。
[ロシア海軍の新鋭フリゲート・プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)近影]
6隻の建造が計画されており、全て黒海艦隊へ配備されます。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月下旬就役予定

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2016年8月就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2018年以降に就役予定

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2018年以降に就役予定


4番艦以降の建造工事は2015年春から凍結されていましたが、同年8月に再開されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356Rフリゲートの建造は再開された]

プロジェクト11356Rの4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

ただし、4番艦と5番艦は、インドへ売却される可能性もあります。
(売却の為の交渉は実際に行われている)
[ロシア海軍向けプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦3隻はインドへ売却されるかもしれない]

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対潜戦闘訓練を実施した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス(セヴェロモルスク)発表
2016年4月26日17時7分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員はバレンツ海における対潜演習を完了した】

本日(4月26日)、北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員は、バレンツ海における対潜防衛演習を完了した。

数日間に渡り、大型対潜艦の乗組員は、単艦並びに他の水上艦、潜水艦、更には対潜ヘリコプターKa-27、対潜航空機Il-38、Tu-142乗員と連携した組織的な潜水艦の捜索及び追尾を含む対潜錬成戦闘訓練任務の様々な要素へ取り組んだ。

また、船員は、対潜兵器を組み合わせた複合戦闘演習、魚雷発射、深海爆撃を成功裏に実行した。

大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、プロジェクト1155大型対潜艦である。
それは、対潜ミサイル複合体、反応爆雷装置、魚雷発射管、その他の種類の砲及びミサイル兵器で武装している。
近年において北方艦隊大型対潜艦は、積極的に大西洋、地中海、更には北極圏開発の為の遠距離航海の任務を果たしている。

4月初頭、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、約半年間に渡って続いた北大西洋、地中海、紅海、アラビア海への遠距離航海任務を成功裏に遂行した後、北方艦隊主要基地セヴェロモルスクへ戻ってきた。


北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2015年10月23日から2016年4月4日まで遠距離航海を実施しました。
[ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-2016年4月)]

この間、2015年12月初頭にはパキスタンを訪問し、同国海軍と合同演習を実施しました。
[ロシア海軍とパキスタン海軍の合同演習『アラビアン・モンスーン-2015』は完了した]

2016年1月下旬にはシリア沖で外国メディアの取材を受けました。
[シリア沖のロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフを外国メディアが取材した]

そして帰港から約3週間後、今度はバレンツ海で対潜戦闘訓練を行ないました。
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ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2016年4月26日16時48分配信
【北方艦隊の甲板戦闘機Su-33及び襲撃機Su-25UTGの乗員はクリミアへ到着した】

本日(4月26日)、クリミア地域サキ市黒海艦隊飛行場へ北方艦隊海軍航空隊独立艦上戦闘機航空連隊航空機が到着した。

戦闘訓練計画に沿って、北方艦隊甲板航空隊の飛行士は、クリミア(航空機)地上試験訓練複合体基盤ニートカで1ヶ月間のサイクル実地訓練を実施する。

クリミアには、約10機の甲板戦闘機Su-33及び襲撃機(練習機)Su-25UTGが到着した。
更に、北方艦隊海軍航空隊航空機An-12、An-26、An-72は、半島へ航空機整備の為の整備要員及び機材を送り届けた。

航空機材の定期整備と飛行士の慣熟飛行の実施後、5月上旬から複合体での発艦及び着艦への取り組みが開始されるだろう。

ニートカ(НИТКА)(航空機)地上試験訓練複合体は、甲板航空隊飛行士の航空巡洋艦の甲板からの航空機の発艦及び着艦手法への取り組みの為に意図されている。


[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた]

ロシア海軍艦上戦闘機Su-33は、北方艦隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」にのみ配備されており、空母「アドミラル・クズネツォフ」を母艦としています。
(普段はセヴェロモルスク-3飛行場に駐留)
現在の総保有機は21機であり、この内の14機程度が稼働状態に在ります。
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この他、第279連隊は7機の練習機Su-25UTGを保有しています。
[艦上練習機Su-25UTGは寿命延長改修を行なった]

クリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」は、2014年春以降、ロシア海軍航空隊の手に戻っています。
[ロシア海軍航空隊の2つの「ニートカ」]
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2014年9月初頭、第279連隊Su-33は、クリミア「ニートカ」へ戻ってきました。
[ロシア海軍艦上航空隊はクリミアのニートカへ戻ってきた]

2015年7月中旬から9月初頭にも第279連隊Su-33Su-25UTGは、クリミア「ニートカ」で飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊は訓練の為、クリミアのニートカへ進出した]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカで訓練を続ける]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカでの訓練を終えた]



そして2016年4月26日、第279連隊Su-33Su-25UTGは、クリミア「ニートカ」へ進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカへ移動した]

第279連隊「ニートカ」で1ヶ月以上に渡る「発着艦」訓練を行ないます。


Su-33は、順次寿命延長近代化改修が行なわれており、少なくとも2025年までは運用されることになります。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]

ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカへ移動した

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2016年4月26日12時45分34秒配信
【北方艦隊航空隊の甲板航空機グループの第1陣は、地上「空母」で訓練する為にクリミアへ移動した】
モスクワ、4月26日、インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)

北方艦隊海軍航空隊第279独立艦上戦闘機航空連隊の数機の航空機は火曜日にクリミアへ着陸し、航空母艦を模した地上試験訓練複合体基盤ニートカで甲板飛行士のサイクル訓練を行なう。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』は火曜日に情報提供者より伝えられた。

「本日、第279連隊が装備している4機のSu-33と3機のSu-25UTGは、サキ市エリアの飛行場へ着陸しました」
対談者は説明した。

彼によると、第279連隊航空機グループの第1陣は月曜日に到着する筈であったが「天候条件の為、グループは、その途中のボリソグレブスクへ着陸しました」
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彼は、甲板への着艦をシミュレートするクリミアニートカ複合体における2014年及び2015年のフライトは、妨げられる事無く容易に実施できたことを想い起した。

「今年5月~6月の北方艦隊航空隊飛行士のフライト実施の為、航空機拘束装置は一定のサイクルに限り動作可能となっております」
対談者は指摘した。

以前、2016年秋に北方艦隊航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の次の遠距離航海が計画されていると伝えられた。
艦上へ2個航空連隊~第279連隊と、軍備として最新戦闘機MiG-29KRMiG-29KUBRを受け取った新編成の第100連隊を乗せて海洋への出航が意図されている。

データによると、第100航空連隊は、現在、エイスク(クラスノダール地方)へ新たに建設された複合体ニートカへ滞在している。
しかし、公開情報によると、この複合体の訓練飛行の為の技術的準備が整うのは今年末である。
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[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた]

ロシア海軍艦上戦闘機Su-33は、北方艦隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」にのみ配備されており、空母「アドミラル・クズネツォフ」を母艦としています。
(普段はセヴェロモルスク-3飛行場に駐留)
現在の総保有機は21機であり、この内の14機程度が稼働状態に在ります。
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この他、第279連隊は7機の練習機Su-25UTGを保有しています。
[艦上練習機Su-25UTGは寿命延長改修を行なった]

クリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」は、2014年春以降、ロシア海軍航空隊の手に戻っています。
[ロシア海軍航空隊の2つの「ニートカ」]
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2014年9月初頭、第279連隊Su-33は、クリミア「ニートカ」へ戻ってきました。
[ロシア海軍艦上航空隊はクリミアのニートカへ戻ってきた]

2015年7月中旬から9月初頭にも第279連隊Su-33Su-25UTGは、クリミア「ニートカ」で飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊は訓練の為、クリミアのニートカへ進出した]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカで訓練を続ける]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカでの訓練を終えた]

一方、エイスクへ建設中の新ニートカでは、2015年末に創設された艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊の錬成訓練が進められています。
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[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

記事中で触れられていますが、第279連隊の母艦である重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、今年秋に地中海東部へ向かう予定です。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]


そして、今年(2016年)も第279連隊Su-33Su-25UTGは、クリミア「ニートカ」へ進出しました。
[ロシア海軍はクリミアのニートカを2016年末までに復活させる]



Su-33は、順次寿命延長近代化改修が行なわれており、少なくとも2025年までは運用されることになります。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]

ロシア海軍カスピ小艦隊のロケット艦は演習で巡航ミサイル"カリブル"を発射する

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『タス通信』より
2016年4月25日10時51分配信
【カスピ小艦隊のロケット艦は複合体「カリブル-NK」からの射撃演習を実施する】
モスクワ、4月25日/タス通信

カスピ小艦隊の20隻以上の艦艇及び支援船は演習の為に出航し、複合体「カリブル-NK」からの射撃を実施する。
月曜日、南方軍管区広報サービスは発表した。

「冬期間の最終査察の枠組みにおいて、カスピ小艦隊の艦艇グループは駐留所マハチカラ及びアストラハンから出航し、カスピ海での査定戦術演習の実施へ着手しました」
広報サービスは話した。

ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」、小型砲艦「ヴォルゴドンスク」、「マハチカラ」を含む合計20隻以上の戦闘艦、戦闘艇、支援船が海上射爆場で戦闘演習任務を遂行する。

海上で艦艇乗員は沿岸及び空中目標へのミサイル複合体及び砲射撃を実施する。
演習のエピソードの1つは、ロケット艦による仮想敵水上艦とのミサイル戦闘となり、乗組員は、ミサイル複合体「カリブル-NK」、A-190砲及び「ドゥエト」を使用した射撃を実施する。


カスピ小艦隊ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」の4隻は、2015年10月7日にシリア「イスラム国」拠点へ26基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。

[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

この4隻は、2015年11月20日にも、ISIL拠点へ18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


そして2016年4月25日、この4隻と小型砲艦「ヴォルゴドンスク」「マハチカラ」など20隻以上の艦艇は演習の為に出航しました。

今回の演習では、有翼ミサイル「カリブル」、A-190-01 100mm砲、30mm機関砲「ドゥエト」の実弾射撃も実施されるとの事です。

有翼ミサイル「カリブル-NK」


A-190-01「ウニヴェルサール」100mm砲
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30mm機関砲「ドゥエト」
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ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはカンボジアのシアヌークビルを訪れた

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『タス通信』より
2016年4月25日10時5分配信
【太平洋艦隊艦船支隊は非公式訪問の為にカンボジアの港へ入った】
ウラジオストク、4月25日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクーリナ

インドネシア多国籍演習『コモド-2016』へ参加した太平洋艦隊艦船支隊は、非公式訪問の為にカンボジアシアヌークビル港へ入った。
東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス代表ローマン・マルトフは発表した。

支隊の構成には、大型対潜艦「アドミラル・ヴノグラードフ」、大洋救助船「フォーチー・クルイロフ」、給油船「イルクト」が含まれている。

「太平洋艦隊将兵のカンボジア王国訪問の主な目的は、両国海軍間の国際海軍協力の発展と乗組員の休養です。
ロシア軍事船員を迎える為、当事国によるツアープログラムが用意されています」
マルトフ
は話した。

滞在中、シアヌークビル港の住民とゲストは、見学の為に大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」を訪れる事が出来る。
訪問は4月27日に終了し、その後、太平洋艦隊艦船支隊ブルネイ・スルタン国の沿岸へ向かう。

太平洋艦隊艦船支隊は、2016年3月28日にウラジオストクを出航した(註:実際には3月26日頃に出航)。
遠距離航海中に太平洋艦隊将兵インドネシアパダン港を訪問し、スマトラ島沖で実施された多国籍演習『コモド-2016』へ参加した事を軍管区の代理人は想い起した。


[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-)]

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」を中核とする太平洋艦隊艦船支隊は、2016年3月末(3月26日頃?)にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは遠距離航海へ出発した]

[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:アレクサンドル・ポタポフ1等海佐
大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
中型海洋給油船「イルクト」


3月28日に対馬海峡を通過し、この際のロシア海軍の慣例として、ロシア-日本戦争中の1905年5月27日のツシマ沖海戦(日本海海戦)ロシア海軍の戦死者の追悼式典を開催し、花輪を投下しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊は対馬海峡を南下した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊はツシマ沖海戦の戦死者を追悼した]

「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、各種演習を実施しながらインドネシアへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは太平洋上で演習を実施した]

4月11日にインドネシアパダンへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』へ参加する為にインドネシアを訪れた]

4月12日、アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』が始まりました。
【国際海軍演習『コモド』公式サイト】
[ロシア海軍太平洋艦隊が参加する国際海軍演習『コモド-2016』が始まった]

4月14日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊を含めた演習参加艦はパダンを出航し、演習実施海域へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』実施海域へ向かった]

アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』は4月16日に終了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した]

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その後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊カンボジアへ向かい、4月24日にシアヌークビル港へ入港しました。

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シアヌークビル港には4月27日まで滞在し、その後、ブルネイへ向かいます。


今後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、5月に実施されるASEAN(東南アジア諸国連合)の国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加します。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ソーブラジテルヌイ"はエンジンのオーバーホールを行なう

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年4月22日12時13分配信
【ディーゼルが分解されたコルベット「ソーブラジテルヌイ」は5月末に復帰する】

4月初頭からサンクトペテルブルク企業『北方造船所』においてディーゼルエンジンの修理を行なっているバルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」は、5月末に工場水域を去り、常時駐屯所へ向かう。

現在、『北方造船所』の専門技術者は、同艦の船外海水バルブの作業を実施しており、モスクワ州『コロムナ工場』の専門技術者は、コルベットディーゼルエンジンを完全に分解した。

『海軍産業』造船業界の情報提供者から伝えられた所によれば、同艦には深刻な事態は何も起こっていない。
「ソーブラジテルヌイ」における作業の大部分は、日常的な性質のものである~様々な業界の専門技術者が、摩耗及び不調の可能性の程度を見定める為にコルベットの機器を検査する。

注目されるのは、プロジェクト20380コルベットは動力装置が「弱点」であり、それは頻繁にトラブルを起こしているという事である。
2012年、「ソーブラジテルヌイ」は機関室で火災を起こした。
この為、同艦は国際海軍演習への参加を取り止めた。

2014年秋、コルベット「ストイーキー」は、4基の内の3基のディーゼル発電機が一度に故障した。
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この内の1基は、サンクトペテルブルクからバルチースクへの同艦の移動中に破損した。

同プロジェクトのコルベット「ステレグーシチー」は、2015年3月に沿バルト造船工場「ヤンターリ」で修理が行なわれ、その1ヶ月後、演習時に同艦の機関室で火災が発生した。
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コルベットは再び修理が必要となった。
事件後、同艦の艦長と副長は更迭された。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]


プロジェクト20380「ステレグーシチー」型コルベット2番艦「ソーブラジテルヌイ」は、2003年5月20日に起工され、2010年3月31日に進水、2011年10月14日に就役しました。
[ロシア海軍の新型コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ソーブラジテルヌイ」]

就役後はバルト艦隊に配備され、2012年3月1日付のロシア海軍総司令官指令により親衛称号が授与され、同年7月29日に親衛海軍旗授与式典が開催されました。

2012年9月2日、機関室から出火して損傷し、2013年5月中旬に修理を終えて復帰しました。
[コルベット「ソーブラジテルヌイ」は修理を終えて復帰した]

ロシア海軍で初めて高射ミサイル「リドゥート」を搭載した「ソーブラジテルヌイ」は、、度々このミサイルの発射訓練を行なっています。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」はリドゥ―ト艦対空ミサイルを発射した]
[バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」のリドゥ―ト艦対空ミサイルは対艦ミサイルを撃墜した]
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」はリドゥ―ト艦対空ミサイルを海上目標へ命中させた]
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ソーブラジテルヌイ"は対艦ミサイル迎撃訓練を行なった]

他の同型艦と共に演習へ参加する事も有ります。
[3隻のステレグーシチー型コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]
[3隻のステレグーシチー型コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]
[ロシア海軍バルト艦隊のプロジェクト20380コルベットは4隻揃って演習に参加した]

この他、太平洋艦隊向けに建造された同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員の訓練も「ソーブラジテルヌイ」で行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]


そして、就役から5年以上が経過した「ソーブラジテルヌイ」は、建造元の『北方造船所』(サンクトペテルブルク)へ戻り、ディーゼルエンジンなどのオーバーホールが行なわれる事になりました。

プロジェクト20380コルベットは、『コロムナ工場』で製造された「ディーゼルユニットDDA12000」(ディーゼルエンジン「16D49」2基から成るユニット)を搭載しています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

ロシア海軍黒海艦隊はクリミアで上陸演習を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2016年4月22日11時49分配信
【黒海艦隊は揚陸艦及びロケット艇の打撃グループの戦術演習を実施する】

黒海艦隊の複数の戦闘訓練射爆場で同時に、クリミア海軍基地の編制に含まれている揚陸艦部隊及びロケット艇部隊の戦術演習が実施される。

海上では、大型揚陸艦「ヤマル」、「アゾフ」、小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「ミラーシュ」、エアクッションロケット艦「サムーム」、ロケット艇「R-109」、「R-239」、「イワノヴェツ」、「シューヤ」、そして海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」が任務を遂行する。

翌日に艦艇グループは、無警護の泊地に停泊中の艦艇の合同機動演習、通信の行動訓練、敵の空中攻撃に対する組織的防衛へ取り組む。

演習の各エピソードを支援する為、黒海艦隊海軍航空隊多機能戦闘機Su-30SM対潜水陸両用機Be-12が参加する。

次に、海洋揚陸射爆場オプークのエリアで、艦艇支隊は、沿岸に位置する目標と標的艇へ火力支援の為の砲射撃を実行する。

演習は、戦術海洋揚陸部隊無防備の海岸への上陸で完了する。

合計で(黒海)艦隊の15隻の戦闘艦艇及び支援船が演習活動に関わる。


2016年4月22日から始まった今回のクリミア半島での上陸演習には、ロシア黒海艦隊第197揚陸艦旅団と、第41ロケット艇旅団の2個大隊~第166ノヴォロシースク小型ロケット艦大隊及び第295スリンスクロケット艇大隊第68水域保護艦旅団第418掃海艦大隊に所属する艦艇が参加しています。

第197揚陸艦旅団に所属する大型揚陸艦「ヤマル」、「アゾフ」は、2016年2月下旬まで「シリア・エクスプレス」(黒海沿岸からシリアタルトゥースへの輸送任務)に従事していましたが、以後はシリアへ派遣されていません。

第166ノヴォロシースク小型ロケット艦大隊に所属する小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」(プロジェクト21631「ブヤン-M」、2015年12月12日就役)は、2016年2月中旬から4月上旬までシリア沖へ派遣されており、4月14日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルはシリア沖から戻ってきた]

第166ノヴォロシースク小型ロケット艦大隊小型ロケット艦「ミラーシュ」(プロジェクト12341、1987年2月24日)は、2008年8月の南オセチア紛争においては、グルジア海軍の艦艇部隊と交戦し、警備艇1隻を対艦ミサイル「マラヒート」で撃沈、もう1隻の戦闘艇高射ミサイル「オサー-M」で撃破しました。
[アブハジア沖海戦(仮)続報・その3]
[アブハジア沖海戦「詳細」]

2015年6月下旬から8月下旬まで地中海東部へ派遣されていました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦ミラーシュは地中海から帰投した]

第166ノヴォロシースク小型ロケット艦大隊エアクッションロケット艦「サムーム」第295スリンスクロケット艇大隊ロケット艇「R-109」も2014年~2015年に地中海東部へ派遣されています。
[ロシア海軍黒海艦隊のエアクッションロケット艦サムームはセヴァストーポリへ戻った]
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

第295スリンスクロケット艇大隊ロケット艇R-71「シューヤ」は、1980年代に高射ミサイル砲複合体「コールチク」の試験に従事していました。
[「コールチク」CIWS試験艇R-71]


演習には、黒海艦隊航空隊戦闘機Su-30SM対潜水陸両用機Be-12も参加します。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は戦闘機Su-30SMへの更新を続ける]
[ロシア海軍航空隊のチャイカは復活する]

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に対潜戦闘訓練を行なった

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『タス通信』より
2016年4月22日14時4分配信
【バルト艦隊の艦は「敵」潜水艦を破壊した】
カリーニングラード、4月22日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ、アレクサンドル・アルヒポフ

コルベット「ボイキー」警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は、バルト艦隊海軍航空隊対潜ヘリコプターKa-27PLと協同で演習中に「敵」潜水艦を発見し、仮想破壊した。
同艦隊の公式代理人ウラジーミル・マトヴェーエフは発表した。

「コルベット"ボイキー"と警備艦ヤロスラフ・ムードルイで構成される捜索打撃艦グループは、対潜兵器を使用して仮想敵潜水艦を撃破しました」
彼は話した。

敵潜水艦の役割は、ディーゼルエレクトリック潜水艦「ワルシャワンカ」級が演じた。

「捜索打撃グループが潜水艦を破壊した事により、"敵"は、彼らに与えられた任務~-バルト艦隊海洋揚陸部隊の沿岸への上陸を挫折させる~を果たす事が出来なくなりました」
マトヴェーエフ
は指摘した。

更に演習の一環として、艦は海上目標への砲射撃を実行し、対潜ヘリコプターの飛行士は艦の甲板への着艦へ取り組んだ。


ロシア海軍バルト艦隊プロジェクト11540警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(2009年6月19日竣工/7月24日就役)は、2014年8月から2015年2月まで長期遠洋航海を行ない、太平洋方面のインドネシアまで進出しました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

その後、ガスタービンエンジン(高速航行用)の1基が破損し、修理されることになりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイは2016年初頭に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイはガスタービンエンジン修理後の係留試験を行なった]

修理完了後にロシア海軍へ復帰し、2016年4月上旬にはコルベット「ボイキー」と共にバルト艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に砲撃訓練を行なった]


プロジェクト20380コルベット3番艦「ボイキー」は、2013年5月16日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[コルベット「ボイキー」はロシア海軍へ就役した]

就役後は度々バルト艦隊の演習へ参加しています。
[3隻のステレグーシチー型コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]
[ロシア海軍バルト艦隊のプロジェクト20380コルベットは4隻揃って演習に参加した]
[ロシア海軍バルト艦隊の3隻の最新コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]


そして今回、「ヤロスラフ・ムードルイ」「ボイキー」は対潜戦闘訓練を実施しました。

「ヤロスラフ・ムードルイ」対潜ミサイル複合体「ヴォドパード」「ボイキー」対潜魚雷複合体「パケート-NK」を装備しており、これらの対潜兵器が使用されたようです。

対潜訓練の「相手役」は、バルト艦隊潜水艦が務めました。

どの潜水艦が演習へ参加したのかは公表されていませんが、可能性が高いのは、4月初頭に修理を終えて復帰した「ヴィボルグ」でしょう。
[ロシア海軍バルト艦隊のキロ級潜水艦ヴィボルグは修理を終えて復帰した]

ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海での試験を完了した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年4月19日17時0分配信
【軍艦「アドミラル・エッセン」のバレンツ海における試験は完了した】
カリーニングラード、4月19日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア国防省の為に沿バルト造船工場「ヤンターリ」で建造された第2のプロジェクト11356警備艦「アドミラル・エッセン」は、北方艦隊における国家受領試験の最終段階を完了した。
工場の代理人セルゲイ・ミハイロフは報道機関へ伝えた。

「工場航行試験と国家受領試験の合同プログラム下における北方艦隊射爆場での国家受領試験の最終段階となる艦の航空兵装試験は、ヘリコプターKa-31Rの支援を受けて完了しました。
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この作業はバレンツ海エリアで成功裏に完了しました」
ミハイロフ
は話した。

警備艦「アドミラル・エッセン」の国家受領試験は2016年1月30日に始まり、第1段階試験はバルト艦隊射爆場で実施された。
4月初頭、同艦は艦載兵装複合体の試験を実施する為、北方艦隊への艦隊間移動を完了した。

ミハイロフは、現在、同艦は受け入れ基地であるバルチースク市への移動を準備していると指摘した。
警備艦「アドミラル・エッセン」ロシア海軍への引き渡しは2016年5月末に実行される。

警備艦「アドミラル・エッセン」は2011年7月8日に起工され、2014年11月7日に進水し、工場航行試験は2015年10月に始まった。
ロシア連邦国防省の発注下で沿バルト造船工場「ヤンターリ」は、合資会社「北方計画設計局」が開発した6隻のプロジェクト11356警備艦シリーズを建造する。
トップ艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2016年3月11日に発注者へ引き渡された。

プロジェクト11356警備艦は、単独或いは連合部隊の一員としての水上艦及び潜水艦に対する戦闘行動、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
艦は、汎用ミサイル砲兵装と、対潜及び対空防衛の為の現代的な電波技術装置を有している。

このシリーズの艦の排水量は約4000トン、全長125メートル、速力30ノット、乗員180名である。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工されました。

それから3年以上経った2014年11月7日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンは進水した]


2014年11月末、進水した「アドミラル・エッセン」高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の垂直発射機が設置されました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]

2015年5月20日、造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月20日11時36分配信
【「アドミラル・エッセン」は係留試験を開始した】

出航前の消磁作業を終えた後、2015年10月18日にカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ回航されました。
その後、バルチースク基地で出航準備が進められました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海への出航を準備している]

11月5日、工場航行試験の為に出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは洋上試験の為に出航した]

工場航行試験を終えた後、2016年1月30日から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンの国家受領試験が始まる]

2月初頭にバルト海へ出航し、主にメインエンジン(ガスタービンエンジン)の動作チェックが行なわれました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]

その後もバルト海で各種試験が続けられ、3月下旬までに国家受領試験の第1段階は終了しました。

3月21日までにカリーニングラードからクロンシュタット(レニングラード海軍基地)へ移動しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"発射試験を行なう]

3月23日、クロンシュタットを抜錨し、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはクロンシュタットを抜錨し、バレンツ海へ向かった]

3月30日、遠距離航海から帰港途中の北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海で合流しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海で最新警備艦アドミラル・エッセンと合流した]

4月4日、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、バレンツ海国家受領試験の第2段階が実施され、4月19日までに完了しました。

この試験には、北方艦隊早期警戒ヘリコプターKa-31Rも協力しました。
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バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・エッセン」は、今後カリーニングラードへ戻り、ロシア海軍への引き渡しの準備が行なわれます。

「アドミラル・エッセン」は、現在の所、2016年5月末の引き渡しが予定されています。


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、この内の3隻が進水し、1番艦が就役しています。
[ロシア海軍の新鋭フリゲート・プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)近影]
6隻の建造が計画されており、全て黒海艦隊へ配備されます。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月末就役予定

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2016年8月就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2018年以降に就役予定

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2018年以降に就役予定


4番艦以降の建造工事は2015年春から凍結されていましたが、同年8月に再開されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356Rフリゲートの建造は再開された]

プロジェクト11356Rの4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

ただし、4番艦と5番艦は、インドへ売却される可能性もあります。
(売却の為の交渉は実際に行われている)
[ロシア海軍向けプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦3隻はインドへ売却されるかもしれない]

ロシア海軍北方艦隊基地に潜水艦弾道ミサイル"ブラヴァー"の収納施設が建設される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年4月18日16時1分配信
【(ロシア)特殊建設:ミサイル「ブラヴァー」を収容する為の施設がセヴェロモルスクに建造される】
モスクワ、4月18日-ロシア通信社ノーボスチ

海洋配置大陸間弾道ミサイルR-30「ブラヴァー」の収容及び準備の為の複合施設はセヴェロモルスクに建設されている。
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火曜日にロシア特殊建設の広報サービスは発表した。

「セヴェロモルスクへ製品ブラヴァーの収容と準備、その更なる使用の為の複合施設が建設されています。
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この複合体は、艦隊の潜水部隊の潜水艦を、世界の大洋での戦闘当直へ出航する直前まで支援する為に意図されています。
現時点では、施設の第1段階の作業が完了しています」
『特殊建設』
は発表した。

また、ガジエヴォセヴェロモルスクへ弾薬庫を建設する為の作業が「ハイテンポで」進められている。

「既に昨年、最初の2つの保管庫が納入されています。
今年には、残りの建設物も操業へ入る計画となっております」
『特殊建設』
は話した。

広報サービスは、特に「ムルマンスク州のガジエヴォでは、係留フロントと接岸インフラストラクチュアが積極的なペースで作成され、セヴェロモルスクの保管庫と、将来の北方艦隊航空隊の主要飛行場となる飛行場セヴェロモルスク-1が建設される」事を指摘した。

2013~2014年、ガジエヴォには5つの建物が建設され、更に7つが再建され、20キロメートル以上に渡る工学ネットワークは、ここへ駐留する原子力潜水艦の放射線監視の為の必要な技術的方式とシステムを保障する。
建設現場の配置と組立試験複合体が用意された。


ロシア北方艦隊原潜基地ガジエヴォには、最新鋭戦略原潜「ボレイ」級の為の各種インフラが建設されています。
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[ロシア海軍北方艦隊原潜基地ガジエヴォに最新原潜駐留インフラが建設された]

そして、ガジエヴォセヴェロモルスクには、「ボレイ」級の主兵装である弾道ミサイル「ブラヴァー」の収納施設の建設も進められています。

既に北方艦隊には、弾道ミサイル「ブラヴァー」も輸送できる兵器輸送船「アカデミック・コワリョーフ」も配備されています。
[ロシア海軍の新型兵器輸送船アカデミック・コワリョーフは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
[弾道ミサイル輸送船アカデミック・コワリョーフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"は2018年から生産を開始するかもしれない

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『タス通信』より
2016年4月19日9時1分配信
【極超音速ミサイル「ツィルコン」は2018年の生産開始が計画されている】
モスクワ、4月19日/タス通信

現在、国家受領試験が実施されている極超音速ミサイル「ツィルコン」は、2018年には生産を開始できるだろう。

火曜日にタス通信ロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「ツィルコンの国家試験は、契約によると2017年の完了が計画されており、その翌年から量産を開始します」
対談者は話した。

[「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装として極超音速ミサイル「ツィルコン」を受け取る]
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更に造船業界の情報提供者は、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」が近代化の過程で極超音速ミサイル「ツィルコン」を受け取ると付け加えた。

2月中旬、造船業界の他の情報提供者は、「ツィルコン」が飛翔開発試験を実施しているとタス通信へ伝えた。
彼によると、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、近代化の過程で、このミサイルにより武装する。


「アドミラル・ナヒーモフは、修理及び高度な近代化の過程で打撃複合体を交換します。
その結果、極超音速ミサイル"ツィルコン"を受け取ります」

対談者は話した。

「ツィルコン」の性能は秘密である。
公表された情報によると、新たなミサイルの射程距離は400kmに達する事が可能であり、その飛翔速度は音速の5倍に相当する事が示されている。

「アドミラル・ナヒーモフ」(1992年まで「カリーニン」)は、プロジェクト1144巡洋艦(コード名「オルラン」)に属する。
その排水量は24500トンに達し、兵装には、特に、対艦ミサイル「グラニート」、高射ミサイル複合体「フォルト」「オサー-MA」が含まれる。
1999年以降、巡洋艦は岸壁に繋がれていた。
2013年春、艦の修理及び近代化の為の契約が締結され2014年秋には乾ドックへ設置された。


極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ5~マッハ6になるようです。

一説によると、ロシア・インド共同開発極超音速ミサイル「ブラーモス-II」ロシア向けヴァージョンとの事です。
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「ツィルコン」の発射試験は既に開始されています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は2015年秋から始まっており、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で発射試験が行なわれているようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の制式採用は2020年以降になると言われていました。
[極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"は2020年以降にロシア海軍へ制式採用される]

しかし、今回の記事に登場する「ロシア防衛産業企業体の(匿名の)情報提供者」は、「ツィルコン」の国家試験は2017年に完了し、その翌年、つまり2018年からは量産に入る事が出来ると発言しました。


「ツィルコン」は、数年後に大規模な近代化改装が行なわれる重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」に装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備するかもしれない]

更には、今回の記事で触れられているように、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」も装備する事になります。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]

この他、現在開発中のロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」級にも装備されます。
[ロシア海軍第5世代原潜ハスキー級は多用途原潜と戦略原潜を統合する?]

更には、航空機発射型地上発射型も構想されているようです。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した

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『タス通信』より
2016年4月18日11時55分配信
【ロシア連邦の船員はインドネシアの演習で船を解放した】
ウラジオストク、4月18日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクーリナ

太平洋艦隊の船員は、インドネシアスマトラ島付近での演習『コモド-2016』において、仮想テロリストに乗っ取られた船を解放し、人道支援活動へ参加した。
同艦隊の公式代理人ローマン・マルトフ1等海佐は発表した。

「4月14日から16日までの2日間、インドネシアのスマトラ島海域において、15ヶ国から成る国際部隊の一員としてロシア艦船は約10の海上でのエピソードへ取り組みました。
1日目にロシア支隊は合同機動演習を実施しました。
その後、ロシア船員は指定海域でのパトロールに取り掛かりました」
マルトフ
は話した。

彼によると、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は水上救助演習へ参加し、負傷者を表したマネキンを艦上へ引き揚げた。
演習の枠組みにおいて太平洋艦隊海軍歩兵から成る対テログループは、仮想テロリストに「乗っ取られた」船へ乗り込み、乗組員を解放した。

更にロシア船員は、4月16日に合同人道支援活動へ参加し、災害に遭ったという想定下で「被害者」を艦上へ受け入れた。
「同日、多国間演習へ参加している航行中の艦船は、海上で別れの式典を開催しました」
マルトフ
は付け加えた。

彼によると、4月24日から27日、太平洋艦隊の艦船は、カンボジアシアヌークビル港へ滞在する。


[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-)]

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」を中核とする太平洋艦隊艦船支隊は、2016年3月末(3月26日頃?)にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは遠距離航海へ出発した]

[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:アレクサンドル・ポタポフ1等海佐
大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
中型海洋給油船「イルクト」


3月28日に対馬海峡を通過し、この際のロシア海軍の慣例として、ロシア-日本戦争中の1905年5月27日のツシマ沖海戦(日本海海戦)ロシア海軍の戦死者の追悼式典を開催し、花輪を投下しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊は対馬海峡を南下した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊はツシマ沖海戦の戦死者を追悼した]

「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、各種演習を実施しながらインドネシアへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは太平洋上で演習を実施した]

4月11日にインドネシアパダンへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』へ参加する為にインドネシアを訪れた]

4月12日、アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』が始まりました。
【国際海軍演習『コモド』公式サイト】
[ロシア海軍太平洋艦隊が参加する国際海軍演習『コモド-2016』が始まった]

4月14日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊を含めた演習参加艦はパダンを出航し、演習実施海域へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』実施海域へ向かった]

アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』は4月16日に終了しました。

今後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊カンボジアへ向かいます。
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「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、5月に実施されるASEAN(東南アジア諸国連合)の国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加します。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]


ロシア海軍は、2014年3月末-4月初頭に南シナ海ナトゥナ(リアウ)諸島海域で実施された『コモド-2014』にも参加しています。
[多国籍海軍演習KOMODOが始まった]
[多国籍海軍演習KOMODO-2014は続く]



この時には、太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」、給油船「イルクト」、救助曳船「アラタウ」が派遣されました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]

ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは浮きドックへ入った

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年4月18日11時28分配信
【ジャッキー・チェンが主演し、ゲンナジー・ヤニチャルが艦長を務めた潜水艦は工場へ移された】

芸術映画『72メートル』とジャッキー・チェンの映画『ファーストストライク』(ファイナル・プロジェクト)の撮影に参加した黒海艦隊の潜水艦「アルローサ」は、船外海水バルブの修理を実施した。
その後、艦は更なる作業の為、『第13艦船修理工場』の船台へ移された。

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「同社の浮きドックのアルローサが入った場所には、黒海艦隊の給油船イワン・ブブノフが居ました」
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黒海艦隊
の情報提供者は『海軍産業』(フロートプロム)へ話した。

プロジェクト877V潜水艦「アルローサ」は、2015年末までに修理と近代化を実行し、ロシア海軍へ引き渡されなければならなかった。
にも関わらず、それは実現せず、他の『海軍産業』(フロートプロム)への情報提供者によると、潜水艦の作業は、更に、少なくとも数ヶ月間は続けられる。

修理完了後、「アルローサ」は更に5年間は戦闘任務を遂行できるようになり、その後、再び工場へ戻る必要がある。

プロジェクト877V大型潜水艦B-871「アルローサ」は、ニジニ・ノヴゴロド「クラースノエ・ソルモヴォ」工場で建造され、1990年12月1日に戦闘編制へ加入した。
ほぼ4半世紀に渡り、同艦は大規模修理を実施した事は無かったが、定期的に国際演習へ参加し、深海への潜航を含む戦闘任務を遂行した。
長い間、B-871黒海艦隊で唯一の戦闘可能な潜水艦だった。

加えて、潜水艦は芸術映画の撮影に参加している。
中でも、ジャッキー・チェンアクション映画『ファーストストライク』(ファイナル・プロジェクト)と、作家アレクサンドル・ポクロフフスキーの作品を基にした国内映画『72メートル』で主導的な役割を果たした。


[ポンプジェット潜水艦アルローサ(旧ブログ)]

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ロシア黒海艦隊潜水艦B-871「アルローサ」(1990年就役)は、2014年6月からセヴァストーポリ第13艦船修理工場(黒海艦隊直営)で修理及び近代化が行なわれています。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサは近代化改装を行なっている]

「アルローサ」の近代化改装作業は2015年末までに完了する予定でしたが、今回の記事の通り、未だ完了しておらず、2016年4月18日までに第13艦船修理工場の浮きドックへ入渠しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは2015年12月末までに復帰する]

近代化改装終了後、「アルローサ」の寿命は5年間延長され、2021年頃まで現役に留まる事が可能となります。


記事中で触れられているように、B-871「アルローサ」は、長年~1990年代末から2010年代前半まで~に渡り、ロシア黒海艦隊で唯一の行動可能な潜水艦でした。

しかし、2014年以降、黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦が就役し、この問題は解消されました。
[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦は2014年に2隻、2015年に2隻が就役し、今年末にも2隻が就役します。

2014年に就役した2隻は、既に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ回航されており、今年中には更に2隻が回航され、来年には最後の2隻が回航され、6隻が黒海に揃います。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはセヴァストーポリへ回航された]

この内の1隻(ロストフ・ナ・ドヌー)は、回航途中の2015年12月8日、シリア沖からシリア国内のISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

艦齢25年のベテラン潜水艦「アルローサ」は、新造潜水艦6隻と共に黒海艦隊潜水艦部隊で勤務する事になります。
[ロシア黒海艦隊は2017年に7隻の潜水艦を有する]


今回の記事のタイトルにもなっていますが、潜水艦「アルローサ」は、過去に2本の映画に「出演」しています。

『ファーストストライク』(ファイナル・プロジェクト):1996年公開
0:45辺りから登場する潜水艦B-871です。


ロシア映画『72メートル』:2004年公開
この映画では、北方艦隊潜水艦「スラヴィヤンカ」Славянка(スラブ娘)になっています。

クロンシュタット海洋工場はロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦のガスタービンエンジンを修復した

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年4月16日21時54分配信
【クロンシュタットで北方艦隊の艦のガスタービンエンジンが修理された】

『クロンシュタット海洋工場』は北方艦隊の艦のガスタービンエンジンを修理した。
同社の広報サービスは発表した。


「艦載ガスタービンエンジンDT-59は、定期修理を行なう為、2015年春に当工場へ受け入れられました。
エンジンは修理過程で完全に分解されました。
回転式コンプレッサーとタービンブレードは取り外され、非破壊方式による問題点の検査を受け、研磨処理が行なわれ、強度を高める為の手順が実施されました。
ローターのバランスが取られ、エンジンのパーツや他の動作の整合性が確認されました。
2016年3月、新たに組み立てられたエンジンは、工場試験を成功裏に実施しました」
『海軍産業』(フロートプロム)
『クロンシュタット海洋工場』広報サービスより伝えられた。

これは、今年にクロンシュタット工場が修理した第2の海上エンジンである。
以前、『クロンシュタット海洋工場』は、修復されたエンジンDT-59太平洋造船所『ダーリザヴォード』へ引き渡す準備が整ったと報告した。
それは2015年6月から修理されていた。
2016年1月~2月に、それは試験台における試験が実施された。

ガスタービン専門作業所は1967年にクロンシュタット艦船修理工場に作成された。
これまでに、ソヴィエト社会主義共和国連邦及びロシア海軍の為に、350以上の様々な派生型のエンジン及び装置が修理された。
工場の別の作業の方向性は、ガス汲み上げステーションのニーズの為の変換された船舶用エンジンの修理である。


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【『クロンシュタット海洋工場』公式サイト】

[ガスタービンエンジン代替問題]

ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」ウクライナ「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていました。
(ロシアの3社で主要パーツを製造し、それをウクライナへ送って組み立てる)

しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化し、ガスタービンエンジンに関する「分業体制」も瓦解しました。

この為、ガスタービンエンジンの生産は全てロシア国内で行なう事になり、現在、その為の体制を再構築中であり、今後は「ゾーリャ機械設計」に代わって科学生産合同「サトゥルン」ガスタービンエンジンの最終組立を行なう事になります。
[ロシアは2018年から艦艇用ガスタービンを量産する]

一方、ロシア海軍現用艦ガスタービンエンジンの修理も、これまではウクライナ(ムィコラーイウの「ゾーリャ機械設計」社)に依存していましたが、当然ながら、こちらの方も御破算となりました。
この為、ガスタービンの修理もロシア国内で行なう事になりました。

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当初は、ロシア国内の複数の航空機工場ガスタービンを送っていたのですが、これで何かと不便なので、1960年代末から民間用ガスタービンエンジンの修理を行なっていたクロンシュタット海洋工場が、ロシア海軍現用艦艇ガスタービンエンジンの修理やメンテナンスなども一手に引き受ける事になりました。
[ロシア海軍艦艇のガスタービンエンジンの修理はクロンシュタットで行なわれる]
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

記事中で触れられているように、クロンシュタット海洋工場は、既に太平洋艦隊の為のガスタービンエンジンDT-59の修理を終えています。
おそらくは、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」のエンジンの事でしょう。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]


そして今度は、北方艦隊の為のガスタービンエンジンDT-59の修復が完了しました。
どの艦のエンジンを修理したのかについては触れられていませんが、おそらくは、ムルマンスクで改装中の大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」のエンジンでしょう。
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコはオーバーホールの第1段階を終えた]


プロジェクト1155/11551大型対潜艦は、2021年までに6隻の近代化改装が計画されており、他の艦のガスタービンエンジンもクロンシュタット海洋工場で修復される事になるでしょう。

最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは2016年秋にロシア海軍へ引き渡される

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『タス通信』より
2016年4月15日15時24分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は2016年第3クオーター(7-9月)に海軍へ引き渡される】
カリーニングラード、4月15日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ

大型揚陸艦「イワン・グレン」は、2016年第3クオーター(7-9月)にロシア海軍へ引き渡される。
沿バルト造船工場「ヤンターリ」総取締役エドゥアルト・エフィーモフは記者団へ伝えた。

「公共合資会社ネフスキー計画設計局により開発されたプロジェクト11711のトップ艦である大型揚陸艦イワン・グレンは、今年の納入プログラムに在ります。
今日において同艦は係留試験を完了しており、間もなく、5月にはバルト海での工場航行プログラムの実行へ取り掛かる事になるでしょう。
発注者への引き渡しは、2016年第3クオーター(7-9月)に実施されます」

彼は話した。

総取締役によると、「イワン・グレン」は2004年に起工され、進水は2012年になり、不安定な資金供給や、その他の理由により建造は中断されたにも関わらず
「艦は、現代的で汎用性のある機器と戦闘能力を受け取ります」
エフィーモフは、国防省が建造中に「性能が向上した基本設備、兵装への変更を加えた」事を指摘した。
「イワン・グレンは、最大限に自動化されており、艦の手動での制御は最小限に抑えられています」
彼は発言した。

[大型揚陸艦「イワン・グレン」]
軍事砲術学者、レニングラード海洋防衛砲司令官イワン・グレン中将に敬意を表して命名されたプロジェクト11711のトップ艦「イワン・グレン」は、2004年4月に沿バルト造船工場「ヤンターリ」で起工され、2012年5月に進水した。
2015年10月に係留試験が始まった。
昨年12月末、同艦へ乗組員-約100名の士官、准士官、水兵が居住した。

プロジェクト11711艦は、揚陸部隊の上陸、軍用車両及び兵器の輸送の為に意図されている。
同プロジェクトの大型揚陸艦は、戦車13両或いは歩兵戦闘車36両、更には300名までの揚陸部隊を積載できる。
兵装として、6銃身30mm機関砲と2機の輸送戦闘ヘリコプターKa-29が在る。

艦の排水量は5000トン、全長120メートル、幅16.5メートル、速力18ノット、自立航行期間30日。


[新型揚陸艦イワン・グレン]

プロジェクト11771の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード「ヤンターリ」造船所で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」は今年5月から航行試験(工場航行試験)を開始します。
その後に国家受領試験が実施され、これが終わればロシア海軍への引き渡し準備が完了します。

「イワン・グレン」は2016年6月頃までにロシア海軍へ引き渡される予定だったのですが、3ヶ月ほど延期され、2016年9月頃となりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦イワン・グレンは2016年6月頃にロシア海軍へ引き渡される]


現在、「ヤンターリ」造船所は、黒海艦隊向けのプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)の3番艦までの作業を優先させており、「イワン・グレン」は後回しにされているようです。
1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は今年3月にロシア海軍へ就役し、2番艦「アドミラル・エッセン」は今年5月、3番艦「アドミラル・マカロフ」も今年8月頃の就役を目指しています。

特に、2番艦「アドミラル・エッセン」は、最終段階の試験を実施する為、現在、カリーニングラードを離れて北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航されており、「ヤンターリ」造船所の多数の技術者も同行しています。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
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2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦の建造は2018年に始まる]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に砲撃訓練を行なった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年4月15日15時4分配信
【(バルト)艦隊の艦は仮想敵の空中及び海上目標を破壊した】
モスクワ、4月15日-ロシア通信社ノーボスチ

バルト艦隊コルベット「ボイキー」及び警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」の乗組員は、査察を受けている間に仮想敵の空中及び海上目標を破壊した。
金曜日、バルト艦隊の代理人ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は報道機関へ伝えた。

西方軍管区司令官アンドレイ・カルタポロフ大将は、コルベット「ボイキー」に乗ってバルト艦隊の艦の活動を評価し、船員の素晴らしい専門的な技量に注目した。

「バルト艦隊の冬期訓練期間を総括する査察の枠組みにおいて、コルベット"ボイキー"と警備艦ヤロスラフ・ムードルイの乗組員は、空中及び海上目標への砲射撃を実行しました」
マトヴェーエフ
は話した。

彼によると、艦の電波位置特定検出手段(レーダー)は、2つの空中目標グループを捕捉、追尾した。
高速かつ低空飛行という想定の仮想敵の役割は、バルト艦隊海軍航空隊前線爆撃機Su-24対潜ヘリコプターKa-27が演じた。
空中標的として使用された航空爆弾SAB-250は、前線爆撃機Su-24により投下された。

「艦は電波電子戦手段を活性化させ、能動的及び受動的干渉を提供しました。
射撃境界線へ接近した目標に対し、コルベット(と警備艦)の乗組員は、艦載複合体A-190及びAK-100、コールチク及びAK-630からの実地射撃を行ない、仮想敵機は破壊されました」
バルト艦隊
の代理人は指摘した。

空中目標を破壊する任務を遂行した後、艦は、仮想敵の戦闘艦支隊を模した曳航された盾船砲複合体を発射した。
全ての目標への射撃の結果、それは破壊された。
「加えて、艦は、艦隊の海軍航空隊のヘリコプターKa-27PLと連携し、対機雷・対潜防衛、移動中のヘリコプターの発着艦及びホバリング課題へ取り組み、連携機動、組織的連携及び通信の要素に取り組みました」
マトヴェーエフ
は付け加えた。


ロシア海軍バルト艦隊プロジェクト11540警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(2009年6月19日竣工/7月24日就役)は、2014年8月から2015年2月まで長期遠洋航海を行ない、太平洋方面のインドネシアまで進出しました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

その後、ガスタービンエンジン(高速航行用)の1基が破損し、修理されることになりました。

ロシア海軍艦艇用ガスタービン機関の製造(ユニットの最終組立)や修理に関してはウクライナ(「ゾーリャ機械設計」社)に依存していましたが、2014年3月以降、ウクライナとの関係が悪化し、もはやウクライナに頼る事は出来なくなりました。
そこで、ガスタービンエンジンの製造や修理はロシア国内で行なう事になりました。
[ガスタービンエンジン代替問題]

「ヤロスラフ・ムードルイ」ガスタービンは、サマーラで修理されることになりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイは2016年初頭に復帰する]

ガスタービンの修理が完了した「ヤロスラフ・ムードルイ」は、2016年3月初頭からカリーニングラード「ヤンターリ」造船所で係留試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイはガスタービンエンジン修理後の係留試験を行なった]

その後、ロシア海軍へ復帰し、今回の記事の通り、バルト艦隊の演習へ参加して艦載砲(AK-100 100mm単装砲高射ミサイル砲複合体「コールチク」)の実弾射撃を実施しました。


プロジェクト20380コルベット3番艦「ボイキー」は、2013年5月16日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[コルベット「ボイキー」はロシア海軍へ就役した]

就役後は度々バルト艦隊の演習へ参加しています。
[3隻のステレグーシチー型コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]
[ロシア海軍バルト艦隊のプロジェクト20380コルベットは4隻揃って演習に参加した]
[ロシア海軍バルト艦隊の3隻の最新コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]

そして今回は、オーバーホールを終えて現役復帰した警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」のモニタリング役として演習へ参加しました。

ロシア海軍はクリミアのニートカを2016年末までに復活させる

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年4月15日15時3分配信
【海軍航空隊パイロットの為のクリミアの射爆場は2016年末までに更新される】

クリミアのサキ市の艦上航空隊地上試験訓練複合体(ニートカ)は、2016年末までに完全に回復する。

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ロシア連邦軍参謀本部は、エイスク市(クラスノダール地方)複合体ニートカの施設の建設の継続を決定している。
同時に、艦上航空隊飛行士の訓練の混乱を避ける為、今年末までに黒海艦隊複合体ニートカの技術的準備状態の回復も決定した。

2016年4月、軍当局の情報提供者は、同様の複合体エイスクに建設されている事に関連し、サキの複合体の放棄を計画していると『Lenta.ru』へ伝えた。
「資金不足」という条件下では、エイスクの複合体の準備に専念するのが妥当と思われた。

軍当局の代理人は、その後、準備が整っていないエイスクの複合体は、戦闘機MiG-29KR/KUBRを装備する甲板航空隊の新たな航空連隊の戦闘訓練計画を狂わせる恐れがあると指摘した。
「今、彼等はクリミアへ飛ぶ事は出来ますが、設備の寿命は尽きており、エイスクの複合体の納入までは、連隊の完全な訓練は出来ないでしょう」
彼は発言した。

サキ複合体ニートカは、海軍甲板航空機の試験を実施する為、1977年~1984年に建設された。
航空機Su-25UTG、Su-27K(後のSu-33)、そしてMiG-29Kの試験が実施された。
1992年4月、複合体ウクライナへ移管された。
ロシア連邦へのクリミア復帰後、2014年晩夏にロシアの飛行士はサキでの戦闘訓練を再開した。


ソヴィエト連邦時代(1980年代初頭)、ウクライナには航空母艦の飛行甲板を模した発着艦訓練施設「ニートカ」が建設されました。
[地上試験・訓練複合体「ニートカ」]
[サキ飛行実験センター(ニートカ)]
[Нитка(ニートカ)~知られざる旧ソ連の蒸気カタパルト開発の経緯~]


ソ連邦解体後はウクライナに接収され、ロシアウクライナと協定を結んで「ニートカ」を使用していました。
2012年8月、改訂された「ニートカ」使用協定にロシア・ウクライナ国防相が署名しました。
[ロシアとウクライナは艦上機訓練施設ニートカ使用協定を改訂した]

しかし、2013年にはロシア「ニートカ」を使用しませんでした。
[ロシアは2013年にウクライナのニートカを使用しない]

その一方、ロシアは、クラスノダール地方エイスク市に新たな「ニートカ」の建設を開始しました。
[ロシアは、2010年に空母パイロット訓練センターの建設を開始する]

その後、2014年3月18日にロシアウラジーミル・プーチン大統領クリミア自治共和国ロシア連邦へ編入する条約に署名した事により、クリミア半島サキに在る「ニートカ」は再びロシアの手に戻りました。
[ウクライナの訓練複合体ニートカ要員はクリミアへ忠誠を誓う]
[クリミア半島のニートカは2015年2月末から本格的に稼働を再開する]

これにより、クリミア旧ニートカは主に現用のロシア海軍艦上戦闘機隊の訓練に使われ、エイスク新ニートカは主にロシア海軍航空隊の新型航空機の各種試験と訓練に使われる事になりました。
[ロシア海軍航空隊の2つの「ニートカ」]

2014年9月初頭、ロシア海軍Su-33艦上戦闘機は、クリミア「ニートカ」へ戻ってきました。
[ロシア海軍艦上航空隊はクリミアのニートカへ戻ってきた]

2015年7月~9月にもクリミア「ニートカ」Su-33艦上戦闘機の訓練が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカでの訓練を終えた]


一方、エイスク新ニートカでは、2015年末に創設された艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊の錬成訓練が進められています。
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[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

この他にもエイスクでは、艦載機を有する水上艦の艦長の研修などが行なわれています。
[ロシア海軍航空隊は艦載機を有する新世代水上艦の艦長の訓練を活性化させる]


そして2016年4月初頭、クリミア「ニートカ」の今後の使用は断念されるという話が出てきました。
[ロシア海軍航空隊はクリミアのニートカを今後使用しない]

これまでに情勢の変化の為、使用しなかったり使用されたりと、方針が二転三転してきたクリミア「ニートカ」ですが、今回の記事の通り、また一転して今年末までに修復して再び使用される事になったようです。

ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"は2016年7月1日に起工される

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年4月14日17時50分配信
【コルベット「リェーズキー」はアムール造船工場で起工される】

2016年7月にアムール造船工場で中央設計局「アルマーズ」により開発された戦闘艦プロジェクト20380が起工される。

軍事産業企業体の情報提供者が『インタファクス』特派員へ伝えた所によれば、艦の供給の為の契約へ署名された。
コルベット「リェーズキー」と命名された。
艦の起工は2016年7月1日に行なわれる。

ロシア海軍には4隻の同プロジェクト艦:「ステレグーシチー」、「ソーブラジテルヌイ」、「ボイキー」、「ストイーキー」が在籍し、全てバルト艦隊に所属している。
更に7隻のコルベットが建造されている。

同プロジェクトの基本的な対艦兵装は、弾薬として射程距離260kmのミサイルKh-35を8基有する4連装コンテナ発射装置2基から成るミサイル複合体「ウラン-U」である。
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5番艦から複合体「ウラン-U」「カリブル-NK」と交換されている。

プロジェクト20380コルベットの全長は105メートル、幅13メートル、排水量2200トン。
この多目的警備艦は、水上艦及び潜水艦との戦闘、対空防衛の提供、海洋揚陸部隊の上陸と活動の支援の為に意図されている。


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[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

現在、ロシア極東コムソモリスク・ナ・アムーレ市アムール造船工場では、太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベット3隻の建造が進められています。

1隻目の「ソヴェルシェーンヌイ」(2006年6月30日起工、2015年5月22日進水)は、現在、沿海地方ボリショイ・カーメニで最終艤装工事が進められています。
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2隻目の「グロームキー」(2012年4月20日起工)は2016年にロシア海軍へ引き渡される予定です。
[最新鋭コルベット"グロームキー"は2016年11月までにロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]

3隻目の「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は2015年7月22日に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20380コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はコムソモリスク・ナ・アムーレで起工された]

そして2016年7月1日に4隻目の「リェーズキー」が起工されます。

プロジェクト20380コルベットは、太平洋艦隊向けとして少なくとも4隻建造されます。


ロシア海軍新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、計11隻が起工され(20380が9隻、20385が2隻)、このうち4隻が海軍へ引き渡されています。

20380/20385は、サンクトペテルブルク北方造船所(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)コムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で建造されています。

[「北方造船所」建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号530)
バルト艦隊に配備

「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備

「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備

「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備

「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2017年就役予定

「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2018年就役予定

「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

[「アムール造船工場」建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2016年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2016年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(プロジェクト20380、建造番号2103)
2015年7月22日起工
太平洋艦隊に配備予定

「リェーズキー」Резкий(プロジェクト20380、建造番号2104)
2016年7月1日起工予定
太平洋艦隊に配備予定


なお、極東のアムール造船工場プロジェクト20380コルベットを建造した場合、サンクトペテルブルク「北方造船所」で建造するよりも価格が30パーセントほど高くなります。
(アムール造船工場建造艦は130億ルーブル、「北方造船所」建造艦は100億ルーブル)

これには、各種コンポーネントの輸送費用(物によってはロシア西方から極東まで船で運ぶ必要がある)、電気料金が割高などの要因があります。


今後は、更なる改良発展型であるプロジェクト20386の建造が計画されています。
[ロシア海軍の将来コルベット・プロジェクト20386]

ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルはシリア沖から戻ってきた


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2016年4月14日19時40分配信
【黒海艦隊の新たなロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」は初めての地中海公開からセヴァストーポリへ戻ってきた】

本日(4月14日)、地中海ロシア海軍常設グループの一員としての任務を滞りなく遂行した黒海艦隊小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」は、2ヶ月間の航海を終えてセヴァストーポリへ戻ってきた。

小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」は2016年2月13日に遠距離航海へ出発し、この航海は、新たな艦の乗組員にとっては初めてとなった。

(地中海のロシア海軍)グループの艦は、同型プロジェクトの小型ロケット艦「セルプホフ」と交代した。

同艦が戻ってきたセヴァストーポリでは歓迎式典が開催され、クリミア海軍基地司令部、ロケット艇部隊の代表、退役将兵、船員の家族や友人が出席した。

黒海艦隊の一員として2隻の同型プロジェクトの小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は任務を遂行する事が想い起される。
これらは、海軍造船プログラム実行の枠組みにおいて建造された近代化された「ブヤン-M」シリーズである。
新たな艦の排水量は増大し、自己防衛手段に加え、最新のミサイル複合体を装備する。


プロジェクト21631小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」は、ロシア内陸部ゼレノドリスクA.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場で建造され、2015年12月12日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

2016年2月13日、セヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かいました。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備するロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは掃海艦と共に地中海へ向かった]

2月14日にボスポラス海峡(イスタンブル)ダータネルス海峡を通過しました。


2月15日に2隻とも地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルと海洋掃海艦コヴロヴェツは地中海へ入った]

2月17日にはシリアタルトゥース港へ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルはシリアのタルトゥース港へ到着した]

その後もシリア沖に滞在していましたが、4月13日にボスポラス海峡(イスタンブル)ダータネルス海峡を通過し、黒海へ入りました。

そして4月14日、セヴァストーポリへ帰港しました。

既に同型艦の「セルプホフ」は、「ゼリョヌイ・ドル」と交代する為に地中海東部へ派遣されています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦セルプホフは地中海へ入った]
[ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦は常に地中海へ展開する]


現在、地中海東部(シリア沖)には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」、そして小型ロケット艦「セルプホフ」を中核とする作戦部隊が展開しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ向かった]

この他の最近の主な動向としては、4月5日に軍用輸送船「ドヴィンツィヤ-50」(黒海艦隊)、4月9日には大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(黒海艦隊)軍用輸送船「ヴォログダ-50」(黒海艦隊)ボスポラス海峡(イスタンブル)を南下して地中海へ入っています。
これと入れ違いに、4月4日には大型揚陸艦「サラトフ」(黒海艦隊)、4月8日には大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊)、「アレクサンドル・オトラコフスキー」(北方艦隊)ボスポラス海峡を北上し、地中海から黒海へ戻っています。
これらの大型揚陸艦輸送船は、「シリア・エクスプレス」と呼ばれるシリアへの輸送任務に就いています。

従いまして、現在、地中海東部に居るロシア海軍の艦船は、少なくとも10隻になります。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(太平洋艦隊、地中海作戦連合部隊旗艦)
警備艦「スメトリーヴイ」(黒海艦隊)
小型ロケット艦「セルプホフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(黒海艦隊)
軍用輸送船「ドヴィンツィヤ-50」(黒海艦隊)
軍用輸送船「ヴォログダ-50」(黒海艦隊)
海洋掃海艦「コヴロヴェツ」(黒海艦隊)
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムールイ」(黒海艦隊)
中型偵察艦SSV-201「プリアゾヴィエ」(黒海艦隊)
工作船PM-138(黒海艦隊)



「ゼリョヌイ・ドル」の主兵装は有翼ミサイル「カリブル」ですが、既にこのミサイルは、シリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ向けて何度か発射されています。
この攻撃には、「ゼリョヌイ・ドル」の同型艦も参加しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

地中海東部(シリア沖)からも、昨年12月9日にISIL拠点へ「カリブル」が発射されています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』実施海域へ向かった

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『タス通信』より
2016年4月14日9時34分配信
【太平洋艦隊の艦船は国際演習『コモド』の為にインド洋へ出航した】
ウラジオストク、4月14日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクーリナ

太平洋艦隊艦船支隊は、インド洋での多国籍演習『コモド-2016』の為、木曜日にインドネシアパダン港から出航した。
タス通信東方軍管区広報サービス代表ローマン・マルトフより伝えられた。

「4月14日から16日、インドネシア沿岸の西スマトラ地方で、国際部隊は、対テロ及び人道活動を実施し、海洋資源保護、更には自然災害の余波を克服する支援へ取り組みます。
演習には、アジア太平洋地域の32ヶ国の20隻の艦船と代表が関与します」
マルトフ
は話した。

演習中に太平洋艦隊の艦船は合同機動演習を行ない、指定海域をパトロールし、水中での犠牲者の救助演習を実施し、海賊に仮想捕獲された船を解放する。
演習には、対テログループと甲板航空隊のヘリコプターKa-27が参加する。

ロシア軍事船員は演習中にオーストラリア、中国、アメリカ合衆国、日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国を含めた15ヶ国の艦船と協同活動を行なう。

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」、大洋救助船「フォーチー・クルイロフ」、給油船「イルクト」で構成され、アレクサンドル・ポタポフ1等海佐指揮下の太平洋艦隊艦船支隊は、2016年3月28日にウラジオストクを出航した(註:実際には3月26日頃に出航)。
支隊パダン港への寄港は、ロシア太平洋艦隊将兵の遠距離航海中の初めての非公式訪問となった。


[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-)]

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」を中核とする太平洋艦隊艦船支隊は、2016年3月末(3月26日頃?)にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは遠距離航海へ出発した]

[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:アレクサンドル・ポタポフ1等海佐
大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
中型海洋給油船「イルクト」


3月28日に対馬海峡を通過し、この際のロシア海軍の慣例として、ロシア-日本戦争中の1905年5月27日のツシマ沖海戦(日本海海戦)ロシア海軍の戦死者の追悼式典を開催し、花輪を投下しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊は対馬海峡を南下した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊はツシマ沖海戦の戦死者を追悼した]

太平洋艦隊広報部の発表によると、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、太平洋及びインド洋への遠距離航海を行ない、5ヶ国を訪問し、2つの国際海軍演習へ参加するとの事です。
その1つは、2016年4月にインドネシアスマトラ島付近の海域で実施されるアジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』です。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2016年4月に国際海軍演習『KOMODO-2016』へ参加する]

もう1つが、5月に実施されるASEAN(東南アジア諸国連合)の国際海軍演習『ADMMプラス-2016』です。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、各種演習を実施しながらインドネシアへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは太平洋上で演習を実施した]

4月11日にインドネシアパダンへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』へ参加する為にインドネシアを訪れた]
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4月12日、アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊が参加する国際海軍演習『コモド-2016』が始まった]

そして4月14日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊を含めた演習参加艦はパダンを出航し、演習実施海域へ向かいました。

【国際海軍演習『コモド』公式サイト】


ロシア海軍は、2014年3月末-4月初頭に南シナ海ナトゥナ(リアウ)諸島海域で実施された『コモド-2014』にも参加しています。
[多国籍海軍演習KOMODOが始まった]
[多国籍海軍演習KOMODO-2014は続く]



この時には、太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」、給油船「イルクト」、救助曳船「アラタウ」が派遣されました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]

極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"は2020年以降にロシア海軍へ制式採用される

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『インタファクス』より
2016年4月13日13時10分配信
【ロシア海軍は2020年以降に極超音速ミサイルを受領する】
モスクワ、4月13日、インタファクス-ロシア

試験-設計作業が展開中の極超音速ミサイル「ツィルコン」は、将来的には超音速有翼ミサイル「オーニクス」の代替を意図しており、試験の第1段階が実施されている。
水曜日、『インタファクス』は、ロシア連邦軍事産業委員会に近い情報提供者より伝えられた。

「製品のプロトタイプの飛翔試験は6ヶ月前の2015年秋から始まっています。
専門技術者の見積もりによれば、それ(試験)は約5年に渡り続けられるでしょう」

対談者は話した。

彼は、「ツィルコン」の前任者である対艦ミサイル「オーニクス」の試験は「遥かに長かった」事を想い起した。

「ツィルコンの場合、飛翔試験は続いており、それ以外で御説明できるのは、それが様々な手段から発射され、マッハ5-6(マッハ1は音の速度に匹敵し、秒速300m或いは時速1224km)で飛翔するようになるという事です」
情報提供者は強調した。

以前に伝えられたように、「ツィルコン」の試験設計作業は、ミサイル「オーニクス」を開発、製造した「科学生産合同・機械製造」(レウトフ、モスクワ州)により実行されている。
基本的なな前提として、「ツィルコン」の飛翔距離は「オーニクス」に匹敵し、約500kmになる。
このミサイルは、(水上)艦原子力潜水艦、更には航空機沿岸移動ミサイル複合体へ装備できる。

ミサイル「オーニクス」、そしてミサイル「ツィルコン」は、非核抑止概念の実現において、非常に重要な役割を担うと見られる。

前ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、以前、ロシア海軍は2020年には、高精度長距離兵器を装備する「戦略非核抑止力グループ」を作成しなければならないと表明した。

このグループの基礎は、原子力潜水艦プロジェクト885M「ヤーセン」、近代化された原子力潜水艦プロジェクト949M、重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト1144から成る。

非核抑止力とは、脅威となる潜在敵国の重要な軍事施設及び経済施設へ、必要に応じて攻撃を加える能力が存在している事を意味する。


極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルであり、2020年頃の実用化を目指しています。
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ5~マッハ6になるようです。

一説によると、ロシア・インド共同開発極超音速ミサイル「ブラーモス-II」ロシア向けヴァージョンとの事です。
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「ツィルコン」の発射試験は既に開始されています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

今回の記事によると、「ツィルコン」の試験は2015年秋から始まったとの事であり、おそらくはアルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で発射試験を行なったようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の試験は約5年に渡り続くとの事ですから、試験が終わり制式採用されるのは2020年以降になります。

「ツィルコン」は、数年後に大規模な近代化改装が行なわれる重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」に装備されます。
(そして、先に近代化改装される同型艦「アドミラル・ナヒーモフ」も)
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備するかもしれない]

この他、現在開発中のロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」級にも装備されます。
[ロシア海軍第5世代原潜ハスキー級は多用途原潜と戦略原潜を統合する?]

更には、航空機発射型地上発射型も構想されているようです。

近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省(ロシア連邦海軍)広報サービス・情報管理部発表
2016年4月13日5時0分配信
【大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は修理を実施した後、(2016年)7月に(ロシア)海軍の戦闘編制へ復帰する】

プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、『ダーリザヴォード』社で修理と技術的準備状態の回復を実施後、2016年7月に海軍の戦闘編制へ復帰し、太平洋艦隊の一員としての任務遂行を続ける。
現在、同艦は試験を行なっている。

2021年までの国家防衛発注の枠組みにおいて、北方艦隊及び太平洋艦隊に所属する6隻のプロジェクト1155大型対潜艦の修理と近代化の実施が計画されている。
海軍総司令部の技術的課題に沿って、艦は居住保障システムと電波無線兵装を更新する大量の作業を実施する。

プロジェクト1155大型対潜艦は、今日のロシア海軍の対潜戦力の基礎を構成しており、遠海及び大洋ゾーンにおいて、単独あるいは艦船グループの一員ととして行動できる。


プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、1980年4月19日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)のA.A.ジダーノフ記念造船工場(現「北方造船所」)で起工され、1983年3月26日に進水し、1986年2月15日に就役し、太平洋艦隊へ配備されました。
[ウダロイ型6番艦「アドミラル・トリブツ」]

2009年6月29日から11月16日まで初のソマリア海賊対処任務の為、アデン湾へ派遣されました。
[ロシア海軍第4次ソマリア遠征]

2011年12月10日から2012年5月3日まで2度目のソマリア海賊対処任務の為、アデン湾へ派遣されました。
アデン湾から帰港途中に中国海軍との合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊第7次海賊対処部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装が始まりました。

ガスタービンエンジンクロンシュタット海洋工場で修理されました。
[ロシア海軍艦艇のガスタービンエンジンの修理はクロンシュタットで行なわれる]

今回の「アドミラル・トリブツ」の近代化改装は電子機器の交換がメインであり、新たに汎用射撃管制システム「バギラ-M」、戦闘情報管理システム「シグマ」、航海レーダーMR-231、MR-231-3が搭載されました。

汎用射撃管制システム「バギラ-M」
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【戦闘情報管理システム「シグマ-E」】

【航海レーダーMR-231】

【航海レーダーMR-231-3】

これに伴い、ディーゼル発電機も、従来の200kw×1基から300kw×2基に換装されました。


「アドミラル・トリブツ」以外では、北方艦隊大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」が2014年からムルマンスク第35艦船修理工場で近代化改装が行なわれています。
[ロシア海軍の水上艦及び潜水艦約20隻が近代化改装されている]


そして今回、ロシア海軍広報部は、2021年までに計6隻のプロジェクト1155大型対潜艦の近代化改装が計画されている事を明らかにしました。

太平洋艦隊「マルシャル・シャーポシニコフ」は、今年3月末から近代化改装工事を始めています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]

ロシア海軍太平洋艦隊が参加する国際海軍演習『コモド-2016』が始まった

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『タス通信』より
2016年4月12日8時0分配信
【ロシア連邦艦船が参加する海軍演習『コモド-2016』はインドネシアで始まった】
バンコク、4月12日/タス通信特派員アレクセイ・スコヴォロンスキー

ロシアを含むアジア太平洋地域の30ヶ国以上が参加する国際海軍演習『コモド-2016』インドネシアで始まった。
主催者によると、演習には28隻の海上艦が関与し、この内の6隻はインドネシアから派出される。

「我々は、太平洋からインド洋まで広がる友好国の海軍と協力する必要があります。
私は、このような演習を実施する必要がある事に完全に賛同いたします」
インドネシア大統領ジョコ・ウィドド
は、参加国の艦の査閲中に表明した。
このイベントは西スマトラ州パダン市で火曜日に始り、演習は4月16日まで続く。

太平洋艦隊艦船支隊は、演習『コモド-2016』へ参加する為、前日にインドネシアへ到着した。
東方軍管区広報サービスによると、ロシアからは大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」、大洋救助船「フォーチー・クルイロフ」、給油船「イルクト」が派遣される。
この演習へロシア人船員が参加するのは2回目となる。

演習中に、国際チームによる海洋資源の保全と自然災害の克服に関する作戦実施の合同活動への取り組みが計画されている。
演習には、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国、更にはアメリカ合衆国、日本、オーストラリア、その他のアジア太平洋諸国の代表が関わる。


[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-)]

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」を中核とする太平洋艦隊艦船支隊は、2016年3月末(3月26日頃?)にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは遠距離航海へ出発した]

[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:アレクサンドル・ポタポフ1等海佐
大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
中型海洋給油船「イルクト」


3月28日に対馬海峡を通過し、この際のロシア海軍の慣例として、ロシア-日本戦争中の1905年5月27日のツシマ沖海戦(日本海海戦)ロシア海軍の戦死者の追悼式典を開催し、花輪を投下しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊は対馬海峡を南下した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊はツシマ沖海戦の戦死者を追悼した]

太平洋艦隊広報部の発表によると、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、太平洋及びインド洋への遠距離航海を行ない、5ヶ国を訪問し、2つの国際海軍演習へ参加するとの事です。
その1つは、2016年4月にインドネシアスマトラ島付近の海域で実施されるアジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』です。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2016年4月に国際海軍演習『KOMODO-2016』へ参加する]

もう1つが、5月に実施されるASEAN(東南アジア諸国連合)の国際海軍演習『ADMMプラス-2016』です。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、各種演習を実施しながらインドネシアへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは太平洋上で演習を実施した]

4月11日にインドネシアパダンへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』へ参加する為にインドネシアを訪れた]
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そして4月12日、アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』が始まりました。
【国際海軍演習『コモド』公式サイト】


ロシア海軍は、2014年3月末-4月初頭に南シナ海ナトゥナ(リアウ)諸島海域で実施された『コモド-2014』にも参加しています。
[多国籍海軍演習KOMODOが始まった]
[多国籍海軍演習KOMODO-2014は続く]



この時には、太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」、給油船「イルクト」、救助曳船「アラタウ」が派遣されました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]

ロシア海軍は2018-2019年に最後のタランタル級ロケット艇を受け取る

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年4月10日20時43分配信
【「ヴィンペル」はロシア海軍の為に輸出用ロケット艇を完成させる】

ロシア国防省と造船工場「ヴィンペル」は、2隻のプロジェクト12418「モルニヤ」ロケット艇の修理契約を締結した。
近代化されたロケット艇は2018~2019年に発注者へ引き渡される。


『PortNews』ルイビンスク造船所広報サービスを引用して報じたように、これは、工場番号01301「ヴィンペル」艇01302「モルニヤ」艇についての話である。
契約に沿って、1隻目は2018年11月25日に黒海艦隊へ受け入れられる。
その1年後には、改善された「モルニヤ」カスピ小艦隊へ向かう。

当初、艦艇は輸出を意図した船体をベースに建造された。
再装備の際、これらはプロジェクト12418と同類の兵装を受け取る。
それには、16基の対艦ミサイル「ウラン」、対空防衛手段、76mm汎用砲が含まれる。

プロジェクト12418艇は、近代化されたプロジェクト1241の最新シリーズである。
ロシア海軍の軍備として、同様の戦闘艇が約30隻在籍している。
これらは、公海及び沿岸ゾーンで輸送船、水上戦闘艦、揚陸艦を撃破する為に意図されている。


【ルイビンスク造船工場「ヴィンペル」公式サイト】
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プロジェクト12418ロケット艇は、ロシア海軍プロジェクト12411「モルニヤ」シリーズ(NATOコード名「タランタル」)の輸出ヴァージョンです。
対艦ミサイルは、主に輸出用となっている「ウラン」を計16基搭載します。
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プロジェクト12418は計4隻が建造され、ベトナムに2隻、トルクメニスタンに2隻が輸出されました。
この内、ベトナム向けの2隻がルイビンスク「ヴィンペル」造船所で建造されました。
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「ヴィンペル」造船所では、更に2隻の「モルニヤ」を輸出用として起工しましたが、何処の国も買わなかった為、ロシア海軍が引き取る事になりました。
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1番艇は2018年11月に黒海艦隊へ、2番艇は2019年11月にカスピ小艦隊へ就役します。