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ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフは地中海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年6月16日18時52分配信
【ロシア海軍の最新救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は太平洋艦隊への移動を行なってる】

太平洋艦隊の常時駐留所への艦隊間移動中の最新大洋救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は、承認された航路であるジブラルタル海峡の通過を完了し、地中海へ入った。

同船の太平洋艦隊への到着は8月に予定されており、同艦隊の捜索救助業務サービスの一員として加わる。
先だって6月10日~13日、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は、必要量の水と食料の補充及び乗組員の休養の為、リスボン港への業務寄港を行なった。

「イーゴリ・ベロウソフ」は6月1日にバルチースクから太平洋艦隊への移動を開始した。
長期航海の開始前、乗組員は一連の準備活動と必要な錬成任務を実施した。

艦隊間移動を行なう際の乗組員及び機器設備の準備状態は、バルト艦隊射爆場での同船の数度の検査航海中に点検された。
5月中に救助船の潜水夫は潜水鐘を使用した深度90メートル及び120メートルへの潜水を何度か実施した。

船の移動準備計画に沿って、電波航法システム及び居住保障システムが点検され、航海士、当直の信号士と無線通信士の訓練、更には船内演習が実施された。
規準量の水、燃料、食料が補充された。

[参照]
「イーゴリ・ベロウソフ」
は、ロシア海軍の為にサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で建造されたプロジェクト21300S救助船のトップである。

それは、海底に横渡った、或いは浮上中の遭難した潜水艦乗組員の救助の為に意図されており、潜水艦水上艦へ空気、電力、救助手段を提供する。
加えて、船は遭難した物体の探知と調査を行なうことが出来る。
船の排水量は5000トン、全長は100メートル以上である。


プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)「イーゴリ・ベロウソフ」は、2005年10月24日にサンクトペテルブルク市「アドミラルティ造船所」で起工され、2012年10月30日に進水しました。
[新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水]

2014年12月25日から最初の洋上試験を開始し、2015年1月7日に終了しました。
[ロシア海軍最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフは最初の洋上試験を終えた]

その後、3月28日には次の洋上試験の為に出航しました。

8月10日、大西洋上で試験を行なう為、サンクトペテルブルクを抜錨しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフは深海試験の為に大西洋へ向かった]


「イーゴリ・ベロウソフ」大西洋上で深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40、深海潜水複合体GVK-450、遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」の深海試験などを実施しました。

深海潜水複合体GVK-450


深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40
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遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」

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大西洋及びバルト海での各種試験を終えた「イーゴリ・ベロウソフ」は2015年10月末にサンクトペテルブルクへ戻ってきました。
[ロシア海軍最新救助船(潜水艦救難艦)イーゴリ・ベロウソフは工場航行試験を完了した]

その後、「イーゴリ・ベロウソフ」バルト海国家受領試験を行ない、2015年12月下旬に完了しました。

2015年12月25日、海軍旗(聖アンドレイ旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはロシア海軍へ就役した]



「イーゴリ・ベロウソフ」搭載艇AS-40は先にウラジオストクへ移送されました。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊の救助船アラゲズへ受け入れられた]

「イーゴリ・ベロウソフ」は、就役後もバルチースクに留まり、錬成訓練を行なっていましたが、2016年6月1日、ウラジオストクへ向け出港しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはウラジオストクへ向かった]

6月10日から13日までポルトガルリスボンへ寄港しました。
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そして6月16日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。


「イーゴリ・ベロウソフ」ウラジオストク到着は2016年8月の予定です。


プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)は、計5隻の建造が計画されており、2番船は2017年末に起工される予定です。

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する

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『タス通信』より
2016年6月16日13時8分配信
【統合造船業営団:「アドミラル・クズネツォフ」は近代化の際に再武装する】
サンクトペテルブルク、6月16日/タス通信

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の兵装は、今後の近代化の際に交換される。
木曜日、タス通信『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフより伝えられた。

「必然的に、そうなりますね」
彼は、同艦の兵装が変更されるのか否かというタス通信の質問に答え、こう話した。

対談者は、どのシステムが交換されるのかという件については明らかにしなかった。

[「クズネツォフ」の近代化]
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」
の近代化には約2年間掛かるが、期間や作業量は調整される事も有り得る。
水曜日、技術的準備状態の回復後に艦船修理工場を去った艦の長期修理の為の契約については、現在、討議されている事を対談者は確認した。

「この重要な作業は2年間に渡るでしょう。
契約に記載された期間は考慮されます。
全ての可能性は平等に存在しており、修理期間の最適化の必要がある場合、作業量は最適化されます」
ラフマノフ
は、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF-2016)において、こう話した。

以前、「クズネツォフ」は今後に近代化されると防衛産業企業体の情報提供者はタス通信へ伝えた。
彼によると、作業は2017年第1クオーター(1-3月)に開始され、数十億ルーブルの費用が掛かる。

その後、『統合造船業営団』軍事造船担当副総裁イーゴリ・ポノマリョフは、契約は未だ署名されておらず、営団「クズネツォフ」長期修理の為の技術的課題は受け取っていないとタス通信へ伝えた。

「アドミラル・クズネツォフ」は、ロシア海軍最大の艦にして、ロシア海軍唯一の航空巡洋艦である。
満載排水量は55000トンになり、数十機の航空機ヘリコプターを搭載できる。
また、「クズネツォフ」対艦ミサイル「グラニート」、高射複合体「クリノーク」及び「カシターン」、更には高射砲AK-630、対潜兵装を装備する。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2015年5月-8月には、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]

2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]

その後、ムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンスと修理(技術的準備状態の回復)が行なわれました。
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[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末からクリミア半島サキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方エイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。
[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

「アドミラル・クズネツォフ」は6月下旬には完了し、その後、艦の点検のためにバレンツ海へ出航し、それが終わった後に新たな艦載機の発着試験も行われます。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月下旬にバレンツ海へ出航する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの新たな航空群の試験は2016年7月に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月以降に地中海東部へ行く]


その「アドミラル・クズネツォフ」は、以前に報じられた通り、6月15日に『第35艦船修理工場』の岸壁を離れ、コラ湾(セヴェロモルスク沖泊地)へ進出しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月15日にムルマンスク艦船修理工場を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはムルマンスク修理工場岸壁を離れ、コラ湾へ進出した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは海上での訓練後にムルマンスク艦船修理工場へ戻る]
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今年10月以降の地中海遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
同艦の近代化改装も、ムルマンスク第35艦船修理工場で実施される事になるようです。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]


以前の報道では、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が兵装にも及ぶのかどうかは明確にされていませんでしたが、今回、ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』の総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、近代化される「アドミラル・クズネツォフ」は必然的に兵装も変更されることになると述べました。
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ただ、現在の「アドミラル・クズネツォフ」の固定兵装(対艦ミサイル複合体「グラニート」、高射ミサイル複合体「キンジャール」(クリノーク)、高射ミサイル・砲複合体「コールチク」(カシターン)、AK-630M 30mmガトリング砲、ロケット爆雷「ウダフ-1」)が全て新型の兵装に変更されるとは限りません。
例えば、長距離対艦ミサイル「グラニート」に代わり、新型の有翼ミサイル(オーニクスカリブルツィルコン)が搭載される可能性はゼロでしょう。
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最も可能性が高いのは、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の話が最初に出た時から名前が挙がっている「パーンツィリ-M」と、現用の「キンジャール」(クリノーク)の代替の為に開発される「M-トール」でしょう。
[ロシア海軍の為に3基の新型高射複合体パーンツィリ-Mが発注される]
[ロシア海軍の為の高射ミサイル"M-トール"は2018-2019年に登場する]

ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは海上での訓練後にムルマンスク艦船修理工場へ戻る

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『タス通信』より
2016年6月15日13時50分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」は試験後に修理を続ける為に基地へ戻る】
ムルマンスク、6月15日/タス通信特派員イリヤ・ヴィノグラードフ

重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」は、海上へ出て試験を実施した後、修理作業を継続する為、ムルマンスク艦船修理工場の常駐停泊所へ戻る。
『タス通信』は、合資会社『艦船修理センター・ズヴェズドーチカ』支所『第35艦船修理工場』広報サービスより伝えられた。

「試験完了後、重航空巡洋艦アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフは、修理作業の第2段階を続ける為、支所の領域へ戻ります」
工場
は伝えたが、その開始時期については明らかにしなかった。

本日(6月15日)、航空母艦は、戦闘準備状態回復の第1段階を完了後、艦船修理工場の水域を去った。

同艦の技術的準備状態の回復中に『第35艦船修理工場』は、巡洋艦メインボイラー、タービン、ディーゼル発電機の修理作業、更には発着甲板の床覆い塗装の復旧を実施した。
現在、同艦はコラ湾セヴェロモルスク泊地へ進出し、技術的準備状態を確認する為にバレンツ海への出航準備を続けている。

先だって『タス通信』北方艦隊広報サービスより伝えられたように、ロシア海軍旗艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」は今週末に海へ出て、戦闘訓練活動を実施する。

「近い内に航空巡洋艦の乗組員は、計画された技術的準備状態の回復中に修復された各機構と機器装置の点検を行ない、その後に海へ出ます」
広報サービスは伝えた。

艦隊は、「アドミラル・クズネツォフ」の飛行士は、クリミアシミュレータ『ニートカ』へ滞在し、既に航空母艦上での飛行訓練へ取り組んでいる事を付け加えた。
しかしながら、同艦の最初の出航の際に海洋飛行士の参加は無い。

「アドミラル・クズネツォフ」は、昨年秋以降、技術的準備状態の回復が実施されていた。
夏にはバレンツ海で更新された航空群の試験を行なう。

タス通信の軍事外交筋によると、航空巡洋艦は今秋には地中海東部へ向かうだろう。
2017年第1クオーター(1~3月)には「クズネツォフ」の近代化が開始されるだろう。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2015年5月-8月には、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
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[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]

2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]

その後、ムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンスと修理(技術的準備状態の回復)が行なわれました。
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[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末からクリミア半島サキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方エイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。
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[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

「アドミラル・クズネツォフ」は6月下旬には完了し、その後、艦の点検のためにバレンツ海へ出航し、それが終わった後に新たな艦載機の発着試験も行われます。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月下旬にバレンツ海へ出航する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの新たな航空群の試験は2016年7月に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月以降に地中海東部へ行く]


その「アドミラル・クズネツォフ」は、以前に報じられた通り、6月15日に『第35艦船修理工場』の岸壁を離れ、コラ湾(セヴェロモルスク沖泊地)へ進出しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月15日にムルマンスク艦船修理工場を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはムルマンスク修理工場岸壁を離れ、コラ湾へ進出した]
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「アドミラル・クズネツォフ」コラ湾(セヴェロモルスク沖泊地)へ進出した後、『第35艦船修理工場』は、同艦が海上での試験と訓練を終えた後、また同工場へ戻り、残りの修理作業(第2段階)を行なうことを明らかにしました。

修理作業の第2段階の具体的な内容は明らかにされていませんが、今回の記事を見る限り、既に完了した第1段階において、機関部(ボイラー、タービン機関)の修理は終わっているようです。


今年10月以降の地中海遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
同艦の近代化改装も、ムルマンスク第35艦船修理工場で実施される事になるようです。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはムルマンスク修理工場岸壁を離れ、コラ湾へ進出した

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『タス通信』より
2016年6月15日11時36分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」は修理後にコラ湾泊地へ向かった】
モスクワ、6月15日/タス通信

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、ムルマンスク第35艦船修理工場で行なわれていた修理を完了した後、コラ湾泊地への移動を始めた。
水曜日、タス通信ロシア連邦国防省の情報提供者より伝えられた。

「航空母艦アドミラル・クズネツォフは、本日、海上への出航の準備作業を行なう為、コラ湾のセヴェロモルスク水域へ進出しました」
対談者は説明した。

タス通信は、この情報を公式に確認していない。

以前、防衛産業企業体の情報提供者は、巡洋艦が6月15日に艦船修理工場の領域を去ると述べた。

「アドミラル・クズネツォフ」は、昨年秋以降、技術的準備状態の回復が実施されていた。
夏にはバレンツ海で更新された航空群の試験を行なう。

タス通信の軍事外交筋によると、航空巡洋艦は今秋には地中海東部へ向かうだろう。
2017年第1クオーター(1~3月)には「クズネツォフ」の近代化が開始されるだろう。


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2016年6月15日10時36分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は修理後に泊地へ出た】

こちらは「造船業界の情報提供者」の談話ですが、言っている内容は大体同じです。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2015年5月-8月には、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
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[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]

2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]

その後、ムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンスと修理(技術的準備状態の回復)が行なわれました。
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[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末からクリミア半島サキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方エイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。
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[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

「アドミラル・クズネツォフ」は6月下旬には完了し、その後、艦の点検のためにバレンツ海へ出航し、それが終わった後に新たな艦載機の発着試験も行われます。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月下旬にバレンツ海へ出航する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの新たな航空群の試験は2016年7月に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月以降に地中海東部へ行く]


その「アドミラル・クズネツォフ」は、以前に報じられた通り、6月15日に第35艦船修理工場の岸壁を離れ、コラ湾(セヴェロモルスク沖泊地)へ進出しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月15日にムルマンスク艦船修理工場を去る]
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今年10月以降の地中海遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
同艦の近代化改装も、ムルマンスク第35艦船修理工場で実施される事になるようです。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入った

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年6月15日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

6月15日午前1時頃、ロシア海軍「スラバ級ミサイル巡洋艦」宗谷岬北西約70kmを東進し、宗谷海峡を東へ通過しました。

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無論、今更言うまでも無く、この「スラバ級ミサイル巡洋艦」は、ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」です。


2015年11月2日、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、ロシア-インド海軍合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加する為、3隻の艦船(駆逐艦「ブイストルイ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「アラタウ」)を伴ってウラジオストクを抜錨し、インドへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと駆逐艦ブイストルイはインドへ向かった]

太平洋艦隊艦船支隊は、2015年11月4日午前10時頃に対馬海峡を通過しました。
日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイトより
2015年11月5日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

この間(つまり11月3日頃)に日本海で一連の訓練が実施され、対馬海峡を通過する際に1905年5月のツシマ沖海戦の戦没者の追悼式典を開催しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は日本海で演習を行なった]

11月9日、「太平洋」上で一連の演習が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は太平洋上で演習を実施した]

11月20日まで南西諸島周辺海域に滞在し、投錨して洋上補給、ヘリコプター発着訓練などを行なっていました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は2015年11月中旬に南西諸島周辺海域で行動していた]

その後、南下して南シナ海へ向かい、12月2日にはマラッカ海峡を通過してインド洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド洋へ入った]

12月6日、インド東岸ヴィシャーカパトナム港へ到着しました。
[インド海軍との合同演習に参加するロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインドのヴィシャーカパトナム港へ到着した]

合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』は12月7日から始まりました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』が始まった]

太平洋艦隊艦船支隊は、12月7日から9日までヴィシャーカパトナム港へ滞在し、両国海軍代表団による海上演習の打ち合わせ、インド海軍将兵の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」見学、両国海軍将兵のスポーツ大会、ロシア海軍将兵の地元観光などが行なわれました。

12月10日、ロシア海軍インド海軍の演習参加艦船はヴィシャーカパトナム港を抜錨し、海上での実地演習(アクティブ・フェーズ)を開始しました。
[合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加するロシア海軍とインド海軍の艦船はヴィシャーカパトナムを抜錨した]
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』を行なっている]

海上での実地演習は12月11日も引き続き行なわれました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』海上段階2日目(2015年12月11日)]

演習は12月12日に完了し、インド海軍フリゲート「サヒャディ」で最後の会合が行なわれ、送別式典が開催されました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は終了した]


合同演習が終わった後、太平洋艦隊艦船支隊は東西に分かれ、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は単独で西へ、その他の3隻(駆逐艦「ブイストルイ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「アラタウ」)は東へ向かいました。

単艦行動になった親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、12月24日から26日までオマーンサラーラ港へ寄港した後、アデン湾付近で新年を迎えました。
[インド海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は洋上で2016年の元旦を迎える]

2016年1月3日、スエズ運河を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはスエズ運河を通過して地中海へ入った]

その後、ロシア海軍地中海作戦連合部隊の旗艦任務に就き、シリア沖で行動していました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]
[ロシア海軍の12隻の艦船が地中海東部に滞在している]

その後の「ワリャーグ」の動向は公表される事は有りませんでしたが、6月3日から5日までシンガポールを訪れました。
(つまり5月半ば頃には地中海を出てインド洋方面へ向かっていた)
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールを訪れた]

「ワリャーグ」シンガポールを出航後、東シナ海を北上し、6月12日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは対馬海峡を通過した]
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しかし、「ワリャーグ」ウラジオストクへ戻る事は無く、沿海地方を素通りして日本海を北上し、今回の発表の通り、6月15日に宗谷海峡を通過し、今度はオホーツク海へ入りました。
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「ワリャーグ」の行き先は不明ですが、現在、クリル諸島(千島列島)中部のマトゥア島(松輪島)では、太平洋艦隊の基地を建設する為の調査が行なわれています。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける]

バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはロシア海軍地中海作戦連合部隊へ参加する

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『タス通信』より
2016年6月14日12時33分配信
【バルト艦隊の警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は地中海のロシア連邦海軍連合部隊へ補充される】
カリーニングラード、6月14日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ、アレクサンドル・アルヒポフ

地中海へ向かったバルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は、ロシア艦船常設作戦連合部隊へ補充される。
火曜日、同艦隊の公式代理人ウラジーミル・マトヴェーエフは発表した。

「警備艦ヤロスラフ・ムードルイは、地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として任務を遂行する事になります」
彼は話した。

「ヤロスラフ・ムードルイ」は、6月1日にバルト艦隊主要基地から航海へ出発した。
艦隊の代理人が指摘したように、遠距離航海はロシア連邦海軍の戦闘訓練計画に沿って実施される。

マトヴェーエフによると、同艦は先週末に燃料、水、食料の在庫を補充する為、マルタの港を訪れた。
『ロシアの日』「ヤロスラフ・ムードルイ」を同国のロシア連邦全権大使ウラジーミル・マリギンが訪れ、祭日のバルト艦隊船員を祝福した。


プロジェクト11540警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(ヤロスラフ賢公)は、1991年に起工され、2009年6月19日にロシア海軍へ納入されました。
[ネウストラシムイ級2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はロシア海軍へ納入された]

2009年7月24日、海軍旗初掲揚式典が開催され、バルト艦隊へ編入し、正式にロシア海軍へ就役しました。
[フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」、バルト艦隊に編入]

2011年末から2012年初頭に掛けて重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」地中海遠征へ参加しました。
[アドミラル・クズネツォフ地中海遠征2011-2012]

2012年6月末には国際海軍演習FRUKUS(France、Russia、United Kingdom、United States)へ参加しました。
[バルト艦隊フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」は、国際海軍演習「FRUKUS-2012」に参加する]

2012年7月初頭から9月末まで地中海への遠距離航海を実施しました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

2012年12月17日から2013年7月5日まで地中海への遠距離航海を実施しました。
[バルト艦隊艦船は地中海へ向かった]
[バルト艦隊艦船部隊は地中海から戻ってきた]

この間の2013年1月下旬には、地中海東部及び黒海で実施されたロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習に参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬) ]

帰港後にカリーニングラードでオーバーホールを行なった後、2014年8月から2015年2月まで長期遠洋航海を行ない、太平洋方面のインドネシアまで進出しました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

その後、ガスタービンエンジン(高速航行用)の1基が破損し、修理されることになりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイは2016年初頭に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイはガスタービンエンジン修理後の係留試験を行なった]

修理完了後にロシア海軍へ復帰し、2016年4月にはコルベット「ボイキー」(2013年5月16日就役)と共にバルト艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に砲撃訓練を行なった]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に対潜戦闘訓練を行なった]


2016年5月末以降の動向は明らかにされていませんが、6月11日、地中海中部マルタ島へ寄港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイ、マルタ島訪問(2016年6月11日)]
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そして今回、バルト艦隊広報部から、「ヤロスラフ・ムードルイ」は2016年6月1日にバルト艦隊主要基地:バルチースクを出航し、地中海へ向かっていた事が初めて明らかにされました。

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今後、「ヤロスラフ・ムードルイ」地中海東部(シリア沖)へ行き、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)へ参加します。

現在、地中海東部(シリア沖)には10隻以上のロシア海軍艦船が展開していますが、警備艦(フリゲート)クラスの水上戦闘艦は黒海艦隊の「プイトリーヴイ」のみです。
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そこで、今年初頭に修理を終えて復帰した「ヤロスラフ・ムードルイ」地中海東部へ派遣される事になったようです。

なお、「ヤロスラフ・ムードルイ」の舷側番号は、就役以降一貫して「727」でしたが、最近、「777」に変更されました。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは対馬海峡を通過した

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年6月13日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

2016年6月12日午前11時頃、ロシア海軍スラヴァ級ミサイル巡洋艦対馬海峡を北上しました。

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むろん言うまでも無く、この「スラヴァ級ミサイル巡洋艦」は、ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」です。


2015年11月2日、ロシア-インド海軍合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加する太平洋艦隊艦船支隊の4隻(太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」を含む)は、ウラジオストクを抜錨し、インドへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと駆逐艦ブイストルイはインドへ向かった]

支隊は、2015年11月4日午前10時頃に対馬海峡を通過しました。
日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイトより
2015年11月5日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

この間(つまり11月3日頃)に日本海で一連の訓練が実施され、対馬海峡を通過する際に1905年5月のツシマ沖海戦の戦没者の追悼式典を開催しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は日本海で演習を行なった]

11月9日、「太平洋」上で一連の演習が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は太平洋上で演習を実施した]

11月20日まで南西諸島周辺海域に滞在し、投錨して洋上補給、ヘリコプター発着訓練などを行なっていました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は2015年11月中旬に南西諸島周辺海域で行動していた]

その後、南下して南シナ海へ向かい、12月2日にはマラッカ海峡を通過してインド洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド洋へ入った]

12月6日、インド東岸ヴィシャーカパトナム港へ到着しました。
[インド海軍との合同演習に参加するロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインドのヴィシャーカパトナム港へ到着した]

合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』は12月7日から始まりました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』が始まった]

太平洋艦隊艦船支隊は、12月7日から9日までヴィシャーカパトナム港へ滞在し、両国海軍代表団による海上演習の打ち合わせ、インド海軍将兵の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」見学、両国海軍将兵のスポーツ大会、ロシア海軍将兵の地元観光などが行なわれました。

12月10日、ロシア海軍インド海軍の演習参加艦船はヴィシャーカパトナム港を抜錨し、海上での実地演習(アクティブ・フェーズ)を開始しました。
[合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加するロシア海軍とインド海軍の艦船はヴィシャーカパトナムを抜錨した]
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』を行なっている]

海上での実地演習は12月11日も引き続き行なわれました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』海上段階2日目(2015年12月11日)]

演習は12月12日に完了し、インド海軍フリゲート「サヒャディ」で最後の会合が行なわれ、送別式典が開催されました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は終了した]


合同演習が終わった後、太平洋艦隊艦船支隊は東西に分かれ、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は単独で西へ、その他の3隻(駆逐艦「ブイストルイ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「アラタウ」)は東へ向かいました。

単艦行動になった親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、12月24日から26日までオマーンサラーラ港へ寄港した後、アデン湾付近で新年を迎えました。
[インド海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は洋上で2016年の元旦を迎える]

2016年1月3日、スエズ運河を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはスエズ運河を通過して地中海へ入った]

その後、ロシア海軍地中海作戦連合部隊の旗艦任務に就き、シリア沖で行動していました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]
[ロシア海軍の12隻の艦船が地中海東部に滞在している]

その後の「ワリャーグ」の動向は公表される事は有りませんでしたが、6月3日から5日までシンガポールを訪れました。
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(つまり5月半ば頃には地中海を出てインド洋方面へ向かっていた)
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールを訪れた]

そしてシンガポールを出航後、東シナ海を北上し、6月12日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。

ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"近影(2016年5月末-6月初頭)

21世紀に入ってから計画・建造されたロシア海軍新世代水上戦闘艦(大洋ゾーン艦)プロジェクト22350大型警備艦(フリゲート)の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)

現在は北方艦隊基地セヴェロモルスクに駐留し、今年末の就役を目指して各種試験が行なわれています。

[2016年5月末頃の「アドミラル・ゴルシコフ」]
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[2016年6月初頭頃の「アドミラル・ゴルシコフ」]
艦上に満艦飾が飾られているのは、北方艦隊創設記念日(6月1日)を祝っての事でしょうか。
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[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水しました。


進水後、『北方造船所』の岸壁で艤装工事が進められました。
[艤装中のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」近影]
[ロシア海軍最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」近影(2013年3月)]

2013年7月末までに艦長オレグ・グセフ1等海佐以下186名の正規乗組員が乗艦しました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」へ正規乗組員全てが乗艦した]

2013年7月31日からは『北方造船所』岸壁で係留試験が開始されました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の係留試験が始まった]

しかし、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載予定のA-192M 130mm単装砲の開発と製造は遅延に遅延を重ね、この為、「アドミラル・ ゴルシコフ」の就役も当初計画より大幅に遅れる事になりました。
[ロシア海軍への新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の引き渡しは130mm砲の問題により延期される]

130mm砲は2014年9月に入り、ようやく「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へ届けられ、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載されました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の為の130mm砲は完成した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」に130mm砲が搭載された]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始しました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は航行試験の準備が出来ている]

11月8日、『北方造船所』岸壁を離れ、クロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はサンクトペテルブルクを去った]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]

11月18日、クロンシュタットを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は工場航行試験を開始した]


「アドミラル・ゴルシコフ」の試験は、就役後の配備先となる北方艦隊海上射爆場、つまりバレンツ海へ移動して実施されるとも言われていましたが、結局はフィンランド湾で実施されることになりました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊で今後の洋上試験を実施する]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年5月中旬にフィンランド湾で洋上試験を行なう]

5月15日、「アドミラル・ゴルシコフ」サンクトペテルブルクを抜錨し、洋上試験(第2段階)へ向かいました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の為に抜錨した]

その後はバルチースク基地へ移動し、洋上試験を続けていました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験を再開した]

7月26日の「ロシア海軍の日」には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]
[ロシア大統領ウラジーミル・プーチンはロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を訪れた]

9月3日にバルチースクを出航し、9月7日にクロンシュタットへ到着しました。


9月11日、建造元の『北方造船所』は、「アドミラル・ゴルシコフ」バルト海における洋上試験(第2段階)を完了したと発表しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の第2段階を完了した]

その同じ日、「アドミラル・ゴルシコフ」は午前9時にクロンシュタットを出航し、フィンランド湾で洋上試験を行ない、同日の午後8時に帰港しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィンランド湾で昼夜の洋上試験を行なった]


その後、バルチースク基地へ移動した「アドミラル・ゴルシコフ」は、9月22日に白海へ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海へ向かった]

9月24日にはバルト海を出て北海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバルト海を出て北海へ入った]

9月30日、白海沿岸セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海沿岸のセヴェロドヴィンスクへ到着した]

10月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」国家受領試験を実施する為、白海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の最終段階を実施する為に白海へ出航した]

11月2日、A-192M「アルマート」130mm単装砲の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で130mm砲を発射した]

11月25日、白海有翼ミサイル(カリブル)の発射試験が行なわれました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

12月25日、白海での洋上試験の第1段階は完了しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海での洋上試験第1段階を完了した]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海方面へ移動し、2016年2月24日にはA-192M「アルマート」130mm単装砲の対空射撃試験を実施しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で砲撃試験を実施した]

2016年2月末からはロスリャコヴォ村(ムルマンスク近郊)をベースにして海上試験を続けました。
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3月初頭には艦載ヘリコプターKa-27の発着試験が行われました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はヘリコプターの着艦試験を行なった]

3月23日にはA-192M「アルマート」130mm単装砲による海上砲撃試験が行われました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で海上目標への砲撃試験を行なった]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動し、バレンツ海で各種試験が続けられています。
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就役後は北方艦隊(おそらくは第43ロケット艦師団)へ配備される「アドミラル・ゴルシコフ」には舷側番号417(400番台)が割り当てられていますが、北方艦隊の水上艦で400番台は駆逐艦になります。
(つまり、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」駆逐艦に相当する艦として扱われている)


「アドミラル・ゴルシコフ」は、2016年12月末までにロシア海軍へ引き渡される予定です。
[最新鋭のプロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフは2016年12月にロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイ、マルタ島訪問(2016年6月11日)

ロシア海軍当局からの公式発表は有りませんが、バルト艦隊所属の警備艦(フリゲート)「ヤロスラフ・ムードルイ」は、6月11日にマルタ島ヴァレッタ港へ寄港しました。
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プロジェクト11540警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(2009年6月19日竣工/7月24日就役)は、2014年8月から2015年2月まで長期遠洋航海を行ない、太平洋方面のインドネシアまで進出しました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

その後、ガスタービンエンジン(高速航行用)の1基が破損し、修理されることになりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイは2016年初頭に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイはガスタービンエンジン修理後の係留試験を行なった]

修理完了後にロシア海軍へ復帰し、2016年4月にはコルベット「ボイキー」(2013年5月16日就役)と共にバルト艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に砲撃訓練を行なった]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に対潜戦闘訓練を行なった]


2016年5月末以降の動向は明らかにされていませんが、6月11日、地中海中部マルタ島へ寄港しました。

つまり、5月後半辺りには母港バルチースクを出航していた事になりますが、バルト艦隊広報部からの発表は全く有りませんでした。
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今後、「ヤロスラフ・ムードルイ」地中海東部へ行き、ロシア海軍地中海作戦連合部隊へ参加する事になるでしょう。

現在、地中海東部(シリア沖)には10隻以上のロシア海軍艦船が展開していますが、警備艦(フリゲート)クラスの水上戦闘艦は黒海艦隊の「プイトリーヴイ」のみです。
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そこで、今年初頭に修理を終えて復帰した「ヤロスラフ・ムードルイ」地中海東部へ派遣される事になったようです。

なお、「ヤロスラフ・ムードルイ」の舷側番号は、就役以降一貫して「727」でしたが、最近、「777」に変更されました。

ロシア海軍の為の新たな北極圏複合補給艦プロジェクト03183の開発は2018年までに完了する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年6月10日13時34分配信
【(ロシア)海軍の為の新たな北極圏複合補給艦が作成される】

2018年までに北極ゾーンにおける海軍の必要性の為の新たな複合補給艦の開発が完了する。
6月10日・金曜日、海軍の代理人は報道陣へ伝えた。


将来艦は、新たな軍備プログラムの形成下で具体化される。
このプロジェクトコード番号03183が割り当てられた。
開発の更なる詳細については、未だ秘密のままである。

現時点においては、北極における海軍の必要性の為、『アドミラルティ造船所』ディーゼルエレクトリック砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」が建造されており、6月10日・金曜日に進水した。
それは、砕氷の保障、結氷条件下での海軍力の駐留および展開、更には、艦の曳航を保障する為に意図されている。
への引き渡しは2017年に予定されている。

また、『アドミラルティ造船所』では、2隻のプロジェクト23550砕氷哨戒艦が建造される。
それは、曳船、砕氷船、哨戒艦の特質も併せ持ち、最大で厚さ1.5メートルの結氷を突破できる。
その1隻目は2018年に海軍へ受け入れられる。


記事中で触れられているように、2016年6月10日、ロシア海軍向けの砕氷船としては40数年ぶりとなるプロジェクト21180砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」が進水しました。
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは進水した]

この他にロシア海軍は、北極圏向けとして2隻のプロジェクト23550砕氷哨戒艦の建造を計画しています。
[新型砕氷哨戒艦プロジェクト23550の1番艦は2018年にロシア海軍へ引き渡される]


そして更に、北極圏向けとしてプロジェクト03183複合補給艦の設計が進められている事が明らかにされました。

ロシア海軍の為の新たな複合補給艦(船)については、2013年1月に名前が出てきただけであり、その後は全く音沙汰が無かったのですが、水面下で開発は進められていたようです。
[ロシア海軍は支援船を更新する]

プロジェクト03183複合補給艦の設計は2018年には完了し、新たな軍備プログラム:『2018-2025年の国家軍備プログラム』の下で建造される事になるようです。

プロジェクト03183複合補給艦の詳細は不明ですが、ロシア/ソ連海軍には、かつて1隻だけ「複合補給艦」が有りました。
それがプロジェクト1833複合補給艦「べレジナ」(1977年12月30日就役、2002年除籍)です。
[複合補給艦「べレジナ」]
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「ベレジナ」が除籍されてから約20年を経て、新たな「複合補給艦」ロシア海軍に登場します。
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ロシア北極圏を戦略的に重要な海域と位置付けており、2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されています。
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[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]

新型砕氷哨戒艦プロジェクト23550の1番艦は2018年にロシア海軍へ引き渡される

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年6月10日13時53分配信
【砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」のような種類は1隻だけに留まるかもしれない】

「イリヤー・ムーロメツ」は、おそらくは唯一のプロジェクト21180砕氷船となるだろう。
現時点において、ロシア国防省は、このクラスの船を発注する計画を持っていない。
これは、6月10日・金曜日の砕氷船の進水式典において知られるようになった。


国防省の代理人は、優先順位が変更され、現在、軍当局は新たな砕氷哨戒艦プロジェクト23550の建造へ向いていると述べた。

昔ながらの砕氷船とは異なり、プロジェクト23550は、曳船及び哨戒艦の特質も併せ持っている。
同時に、それは、最大で厚さ1.5メートルの結氷を突破できる。
艦の排水量は8500トンである。

汎用艦は、北極水域の保護と監視、港で拘留した船の護送及び曳航、保障船への随伴と支援、救助活動への参加、最上甲板での特殊貨物コンテナの輸送、更には、海上及び沿岸施設の消火の為に意図されている。

シリーズの1番艦は2016年に『アドミラルティ造船所』での起工が予定されている。
その海軍への引き渡しは2018年に予定されている。




2016年6月10日、ロシア海軍向けの砕氷船としては40数年ぶりとなるプロジェクト21180砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」が進水しました。
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは進水した]

しかし、今回の記事で触れられているように、現在の所、プロジェクト21180砕氷船の2番船以降の建造計画は有りません。
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プロジェクト21180砕氷船北極圏向けですが、この他にロシア海軍は、北極圏向けとして2隻のプロジェクト23550砕氷哨戒艦の建造を計画しています。
[ロシア海軍の為のプロジェクト23550砕氷哨戒艦建造の為のプレートカットは2016年秋に始まる]
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プロジェクト23550砕氷哨戒艦は、砕氷船、哨戒艦、曳船などの機能を併せ持った多機能水上艦であり、満載排水量は8500トンと、かつてのプロジェクト956駆逐艦(ソブレメンヌイ級)プロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)に匹敵します。
(ただ、全長は9561155よりも短く、幅は広いので、かなりファットな艦になりますが)

プロジェクト23550砕氷哨戒艦2隻の建造契約は今年5月にサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』ロシア国防省(ロシア海軍)との間で締結され、2020年までの引き渡しが予定されています。
[ロシア海軍の為の砕氷哨戒艦プロジェクト23550の建造契約が締結された]

1番艦は、早ければ2018年末にはロシア海軍へ引き渡される見込みです。


ロシア北極圏を戦略的に重要な海域と位置付けており、2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されています。
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[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]

ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは進水した

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『タス通信』より
2016年6月10日12時25分配信
【サンクトペテルブルクで半世紀ぶりの軍用砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」が進水した】
サンクトペテルブルク、6月10日/タス通信

国内海軍の為のこのクラスの船としては45年ぶりとなるプロジェクト21180ディーゼルエレクトリック砕氷船のトップ「イリヤー・ムーロメツ」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で進水した。
タス通信特派員は現地より伝えた。

式典には、ロシア海軍総参謀長アンドレイ・ヴォロジンスキー中将、(ロシア)国防省国家防衛発注供給部のトップ、アンドレイ・ヴェルニゴラ、『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフが出席した。

「本日、50年間の中断の後、この傾斜船台から、より多くの機能を有する私達の新たな砕氷補給艦が進水します。
60年前、この船台では、原子力砕氷船レーニンが起工された事は象徴的であります」
ブザコフ
は話した。

彼は、「イリヤー・ムーロメツ」が期日通りに納入される事を確約した。
それは2017年になるだろう。
そして造船所総取締役は、2016年秋には「この船台で、北極圏で使用する為の次の艦が起工される」事を指摘した。

以前、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、ロシア海軍補助艦隊更新プログラムの枠組みへ、「イリヤー・ムーロメツ」型砕氷船の建造を組み込む事も有り得ると述べた。
然るべき決定は、トップ船の運用結果により下される。

「イリヤー・ムーロメツ」は2015年4月23日に起工された。
同船の排水量は6000トン、自立航行期間は60日、航続距離9000海里。
砕氷船の乗員は35名で構成される。

この船は砕氷船として使用する為だけに意図されているわけでは無く、「イリヤー・ムーロメツ」は更に海洋曳船及び哨戒艦としての機能も果たす。

[原子力砕氷船]
ロシア海軍
原子力砕氷船を発注する計画を持っていない。
本日、海軍総司令部技術管理部長イーゴリ・ズヴァリチ少将は報道陣へ伝えた。

「それは、ロスアトムの特権です」
彼は強調した。


現在のロシアは、原子力砕氷船「アルクチカ」型を筆頭に各種砕氷船を保有していますが、これらの砕氷船ロシア海軍の所属ではありません。

ソ連邦海軍時代には、プロジェクト97砕氷船が8隻建造され、1960年から1970年に掛けて就役しました。
プロジェクト97『アドミラルティ造船所』で建造されました。

先代の砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」(プロジェクト97K)は1965年12月にソ連海軍へ納入され、太平洋艦隊へ配備されました。
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ソ連邦解体後の1993年6月にロシア海軍から除籍されました。

それから20年以上経った2015年4月23日、新たなプロジェクト21180砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」が起工されました。
[ロシア海軍の為の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは2015年4月23日に起工される]
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは起工された]


そして2016年6月10日に進水しました。





「イリヤ―・ムーロメツ」は2017年にロシア海軍へ引き渡され、北方艦隊へ配備されます。

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイはシリア沖からセヴァストーポリへ戻った

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『タス通信』より
2016年6月10日11時27分配信
【警備艦「ラードヌイ」は地中海からセヴァストーポリへ戻った】
モスクワ、6月10日/タス通信

黒海艦隊警備艦「ラードヌイ」は、地中海への遠距離航海からセヴァストーポリへ戻った。
同艦隊の代理人ヴャチェスラフ・トルハチェフは発表した。

「6月初頭、警備艦ラードヌイは地中海で黒海艦隊の水上艦連合部隊及び遠海ゾーン部隊作戦司令部との合同演習へ参加しました。
仮想敵潜水艦の探知、破壊、空中攻撃手段からの艦船支隊の組織的防衛、船団護送の課題への取り組みが行なわれました」

彼は話した。

「ラードヌイ」に加え、演習には、警備艦「スメトリーヴイ」「プイトリーヴイ」、更には、6月9日にセヴァストーポリへ到着したフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」が参加した。
艦の乗組員は、特に、海上及び空中目標に対する砲及びミサイル射撃へ取り組んだ。


プロジェクト1135警備艦(NATOコード名「クリヴァクI」)「ラードヌイ」は、クリミア半島ケルチ市「ザリフ」造船所で1979年5月25日に起工され、1980年5月7日に進水、1980年12月29日にソ連海軍へ納入され、1981年2月25日に海軍旗初掲揚式典(就役式典)が開催され、黒海艦隊へ編入されました。
現在、ロシア海軍に在籍する唯一のプロジェクト1135です。

就役後は、度々地中海へ派遣されています。

2009年10月、バルト海で実施される演習へ参加する為に同海域へ向かう途中、大西洋上で消息を絶った貨物船「アークティック・シー」の捜索を命じられ、ハイジャックされていた同船を救出しました。
[ロシア海軍フリゲート、貨物船「アークティック・シー」ハイジャック犯を拘束]
[ロシア警備艦「ラドヌイ」はセヴァストーポリへ戻る]

2011年12月から2012年1月中旬まで重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征へ参加しました。
[空母クズネツォフ第4次地中海遠征]
[フリゲート「ラードヌイ」はセヴァストーポリへ帰港した]

2013年から2014年までセヴァストーポリの艦船修理工場でオーバーホールが実施され、2014年12月下旬、修理後の試験航海を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のクリヴァクI級フリゲート"ラードヌイ"は修理後の最初の航海を終えた]

2015年2月初頭から5月下旬まで地中海東部へ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイはクリミアへ帰ってきた]
この間、2015年5月下旬には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』(第1段階)へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年9月下旬から10月初頭まで地中海東部へ派遣され、同海域での演習に参加しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]

2016年2月上旬には黒海艦隊の抜き打ち演習へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『抜き打ち演習』を実施する]

5月5日、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイは地中海東部へ向かった]

その後、6月初頭まで地中海東部に滞在し、6月10日にセヴァストーポリへ帰港しました。


地中海を離れる直前(6月初頭)、警備艦「ラードヌイ」は、同じく地中海東部に居た黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」、「プイトリーヴイ」、そして今年3月に就役した最新鋭警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」と演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海東部へ行く]
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ向かった]
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]


現在、地中海東部に居るロシア海軍の艦船は、この14隻になります。

警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊)
小型ロケット艦「セルプホフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「サラトフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ヤマル」(黒海艦隊)
軍用輸送船「ドヴィンツィヤ-50」(黒海艦隊)
軍用輸送船「ヴォログダ-50」(黒海艦隊)
海洋掃海艦「コヴロヴェツ」(黒海艦隊)
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムールイ」(黒海艦隊)
海洋曳船MB-31(黒海艦隊)
中型海洋給油船「イマン」(黒海艦隊)
サルベージ船KIL-158(黒海艦隊)
中型偵察艦SSV-201「プリアゾヴィエ」(黒海艦隊)
工作船PM-138(黒海艦隊)

ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で砲撃訓練を実施した

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『タス通信』より
2016年6月9日13時47分配信
【駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」はバレンツ海で砲射撃を実施した】
ムルマンスク、6月9日/タス通信

木曜日、駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」は、仮想敵水上艦との戦闘への取り組みを含めた砲射撃をバレンツ海で実施した。
北方艦隊広報サービスは発表した。

「乗組員は仮想敵水上艦との砲撃戦実施へ取り組み、高速小型目標及び浮揚機雷を攻撃しました」
広報サービスは話した。
射撃には、砲複合体AK-130及びAK-630が関わった。

水曜日、「アドミラル・ウシャコーフ」は、計画戦闘訓練の枠組みでバレンツ海へ出航した。
数日中に船員は機雷源の強行突破、対潜及び対空防衛の課題を解決する。

駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」は1988年5月に起工され、1994年春に就役した。


[ソブレメンヌイ級17番艦アドミラル・ウシャコーフ(旧ベッストラーシヌイ) ]

今や北方艦隊で唯一のプロジェクト956駆逐艦となった「アドミラル・ウシャコーフ」(1994年4月17日就役)は、この10年ほどは遠距離航海へ行く事は有りませんでしたが、時々バレンツ海へ出て演習を行なっています。

昨年7月初頭にもバレンツ海で砲撃訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で砲撃演習を行なう]


そして今年(2016年)も、6月8日からバレンツ海で砲撃訓練を行なっています。

ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した



『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月9日12時48分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は駐留所セヴァストーポリへ到着した】
モスクワ、6月9日-ロシア通信社ノーボスチ

最新フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、常時駐留所セヴァストーポリへ到着した。
木曜日、黒海艦隊情報供給部長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐は表明した。

「本日、セヴァストーポリへ、バルト艦隊から黒海艦隊への艦隊間移動を終えた最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"が到着しました。
これは、黒海艦隊が35年ぶりに受け取った遠海ゾーン水上艦です。
アナトーリー・ヴェリチコ2等海佐指揮下の艦は、国家受領試験プログラムを完全に終了し、3月11日には海軍旗が揚げられました」

彼は話した。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、艦隊間移動の枠組みにおいて5月6日にバルチースクを出航した。
地中海の海軍常設グループの一員として滞在中に、乗組員は錬成訓練を成功裏に実施し、海上で意図された任務を遂行する為の準備を確認し、更には、マルタ島への業務寄港を行なった。

黒海艦隊情報供給部長は、セヴァストーポリ湾泊地内部でフリゲート対水中工作艇黒海艦隊海軍航空隊ヘリコプターKa-27に付き添われ、到着した艦に敬意を表して入口の防波堤から礼砲が贈られたと付け加えた。

リポートによれば、艦の歓迎式典には、クリミアロシア連邦大統領全権代表オレグ・ベラベンツェフ、南方軍管区司令官アレクサンドル・ガルキン、共和国のトップ、セルゲイ・アクショーノフ、黒海艦隊司令官アレクサンドル・ヴィトコ、セヴァストーポリ知事セルゲイ・メニャイロ、更には黒海艦隊の退役将兵、公共機関の代表、聖職者が出席した。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦の1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水しました。
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は進水した]

その後、2014年12月初頭から造船所の岸壁で係留試験が開始されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月5日8時7分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は係留試験を開始した】

12月21日にはガスタービンエンジンが初めて始動されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月21日14時24分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めてエンジンを始動した】

そして2015年2月17日、出航前の消磁作業の為、「ヤンターリ」浮きドックへ入りました。
[ロシア海軍の新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は消磁作業を開始した]

消磁作業は3月下旬に完了し、4月8日に「ヤンターリ」造船所の在るカリーニングラードからバルチースク海軍基地へ移動しました。

4月下旬に1回目の洋上試験が実施され、4月29日に完了しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年5月初頭から2回目の洋上試験を開始する]

そして5月5日に2回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を開始した]

2回目の試験は5月7日には終わり、バルチースク基地へ戻りました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を終えた]

5月16日から3回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は5月16日から洋上試験を再開する]

この3回目の洋上試験中、初めて「アドミラル・グリゴロヴィチ」の砲兵装~A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲と、AK-630M 30mmガトリング砲の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは初めての砲撃試験を行なった]

5月28日、4回目の洋上試験へ出発しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは洋上試験を続ける]

7月26日の「ロシア海軍の日」には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]

8月27日、高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の発射試験が初めて実行されました。
[ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で対空ミサイルを発射した]

10月初頭に工場航行試験は完了しました。

10月14日から国家受領試験が開始され、10月16日にバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチの国家受領試験が始まる]
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは国家受領試験の為にバルト海へ出航した]

10月27日、バルト海A-190「ウニヴェルサール」100mm砲、AK-630 30mm機関砲、RBU-6000対水中ロケット爆雷の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で砲撃を行なった]

10月29日、バルト海高射ミサイル複合体「シチーリ-1」を発射しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で艦対空ミサイルを発射した]


しかし、「アドミラル・グリゴロヴィチ」の主要打撃兵装である有翼ミサイル「カリブル」(の対地攻撃型)の発射試験はバルト海では実施できない為、ロシア北方艦隊の担当海域(バレンツ海方面)へ回航して発射試験を行なう事になりました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバレンツ海方面で巡航ミサイル"カリブル"の発射試験を行なう]

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「アドミラル・グリゴロヴィチ」バルチースクを出てクロンシュタットへ寄った後、12月13日頃に出航し、12月21日に北方艦隊基地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは北方艦隊基地へ到着した]

12月30日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」バレンツ海有翼ミサイル「カリブル」の発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後、バルチースクへ戻り、2016年2月11日には「ヤンターリ」造船所へ移動しました。
[プロジェクト11356R警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは2016年3月上旬にロシア海軍へ就役する]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、就役前の最後の点検航海を行ない、3月3日夜にはカリーニングラードへ戻りました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ引き渡す前の最後の点検航海を終えた]

2016年3月10日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト11356Rフリゲート1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ納入された]

翌3月11日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊第30水上艦師団へ編入されました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[オムスク州はロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチを後援する]



就役後も暫くの間はバルチースク海軍基地に留まっていましたが、5月6日、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かった]
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5月24日には地中海中央に位置するマルタ島ヴァレッタへ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチ、マルタ島訪問(2016年5月24日)]

その後、地中海東部ロシア海軍地中海作戦連合部隊へ参加し、同海域で訓練を行ないました。
[シリア上空で目撃されたロシア海軍航空隊の長距離哨戒機Tu-142M3は、地中海で警備艦アドミラル・グリゴロヴィチと合同演習を行なっていた]

6月8日にはボスポラス海峡(イスタンブール沖)を北上して黒海へ入り、翌6月9日、セヴァストーポリへ到着しました。
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なお、6月7日には同型艦(2番艦)「アドミラル・エッセン」が就役しており、同艦も今後セヴァストーポリへ回航されます。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月7日22時50分配信
【サンクトペテルブルクでの掃海艦の火災は(ロシア)海軍への引き渡し時期には影響しない】
モスクワ、6月7日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト12700掃海艦「ゲオルギー・クルバトフ」の火災は、この艦の海軍への引き渡し時期には影響しない。
ロシア通信社ノーボスチは、『ネヴァ川中部造船工場』広報秘書官アレクサンドル・マラホフより伝えられた。

同艦は2017年の海軍への引き渡しが計画されている。

以前、火曜日夜にサンクトペテルブルクコルピノ地区『統合造船業営団』造船工場で建造中の艦が燃えたと報じられた。
火災面積は600平方メートルになる。

「この火災は、艦の建造に影響を与える事は有りません。
同艦は、以前の予定通りの時期に御客様へ御引き渡しいたします」
マラホフ
は話した。

彼は、火災が、建造の技術的段階の間に発生したと説明した~船台の周囲に足場が建てられた時、艦の船体の周辺が燃えた。

他の工場の代理人は、艦の船体が不燃性材料で作られているとロシア通信社ノーボスチへ伝え、「補助材料が燃えた可能性がある」事を指摘した。

ロシア海軍の為に建造される新世代対機雷防衛艦「ゲオルギー・クルバトフ」(プロジェクト12700の最初の生産艦)は、2016年7月29日の進水、2017年夏の試験実施が計画されていた。
同艦は2015年4月24日に『ネヴァ川中部造船工場』で起工された。
艦は、海軍基地周辺水域の艦にとって安全な距離で機雷を探知、破壊する為に意図されている。
艦の排水量は890トン、全長61メートル、幅10メートル、満載排水量での速力16.5ノット、乗員44名。
それは、真空注入により形成されるガラス繊維強化プラスチックの船体を有する世界最大級の艦である。


ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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プロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日にサンクトペテルブルク「ネヴァ川中部造船工場」で起工され、2014年6月27日に進水しました。
[ロシア海軍の新世代掃海艦アレクサンドル・オブホフは進水した]

2015年12月25日から航行試験が開始され、現在の所は2016年6月末までにロシア海軍へ引き渡される予定となっています。
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[新世代掃海艦アレクサンドル・オブホフは2016年6月にロシア海軍へ引き渡される]

プロジェクト12700の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]


起工から1年以上経った2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]

その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、6月7日夜に火災が発生しました。
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既に火災は鎮火されていますが、建造元の「ネヴァ川中部造船工場」は、今回の火災は「ゲオルギー・クルバトフ」の引き渡し時期~2017年秋~には影響しないと表明しました。

とは言うものの、今年7月29日に予定されていた進水式典は延期されることになるでしょうし、引き渡し時期は早くても2017年末になるでしょうが・・・


既に計4隻のプロジェクト12700掃海艦の建造契約が締結されており、2016-2018年にロシア海軍へ引き渡される予定です。
[ロシア海軍は2015-2018年に4隻の新世代掃海艦プロジェクト12700を受領する]

近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年6月7日16時38分配信
【修復された「マルシャル・ウスチーノフ」は2016年第3クオーター(7月~9月)に海へ出る】

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』で大規模修理を行なっているロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2016年第3クオーター(7月~9月)には航行試験の為に出航する。
『海軍産業』(フロートプロム)特派員はセヴェロドヴィンスク企業の広報サービスより伝えられた。


「システム及び機構の係留試験が実施されています。
乗組員は既に艦内へ居住しています。
工場航行試験の為の出航予定時期は2016年第3クオーター(7月~9月)です。
納入予定時期は、(今年の)12月です」
『ズヴェズドーチカ』
は話した。

セヴェロドヴィンスク造船所は、2011年に巡洋艦を修理と近代化の為に受け入れた。
2012年10月、「マルシャル・ウスチーノフ」『ズヴェズドーチカ』のドック室へ移され、固定船台基盤へ設置された。
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この期間中に、艦の排水システム、ビルジポンプ、消防システム、推進軸、スクリュー、スタビライザー、他のシステム及び機構の作業が実施された。
巡洋艦の船体は修復され、塗装された。
2013年、「マルシャル・ウスチーノフ」はドックから出て進水し、艤装及び近代化作業を継続する為、岸壁へ配置された。

近代化の過程において、ガスタービン発電機の1基と淡水化装置などの交換される機器の一部は、工場への供給が遅延した。
また、問題点洗い出しの結果に基づいて造船所が行なった作業量は、見積もりを大幅に超えた為、「マルシャル・ウスチーノフ」の艦上システムの係留試験は昨年12月にようやく始まった。
更新された巡洋艦海軍への復帰は2016年末に予定されている。

「マルシャル・ウスチーノフ」は、ロシア海軍に在籍するプロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦3隻のうちの1隻である。
艦の主兵装は、距離550kmの海上目標を攻撃できる有翼ミサイル「バザーリト」である。


北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

既に「マルシャル・ウスチーノフ」には、MR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されています。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でした。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]

しかし、「新たなミサイル複合体」が搭載される事になった為も有り、2016年に延ばされました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」は、2016年第3クオーター(7月~9月)に航行試験を開始し、今年12月末までにロシア海軍へ復帰します。


「マルシャル・ウスチーノフ」以外のプロジェクト1164ロケット巡洋艦も、今後の近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]

太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、2020年までに近代化改装が実施されます。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは2020年までに近代化改装を行なう]

黒海艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」の近代化改装実施時期は今のところ明確にされていませんが、現在、同艦はセヴァストーポリの浮きドックへ入渠しています。
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シリア上空で目撃されたロシア海軍航空隊の長距離哨戒機Tu-142M3は、地中海で警備艦アドミラル・グリゴロヴィチと合同演習を行なっていた


『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年6月7日13時15分配信
【シリア上空のTu-142は新たなフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の演習に随行していた】

軍組織の情報提供者は、ロシア海軍航空隊の遠距離対潜航空機Tu-142M3がシリア上空に現れた理由について『Lenta.Ru』へ伝えた。
対談者によると、航空機は地中海へ向かい、新たなフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」との合同演習を実施した。


「これは、我々の航空機にとっては通常のルートです~イラン、イラク、シリアの通過は。
Tu-142は地中海へ向かい、アドミラル・グリゴロヴィチ及び他の艦と共に合同での潜水艦の捜索、探知活動へ取り組み、その後、同じルートで戻りました」

情報提供者は話した。

シリア領内のイドリブ県付近の上空を飛行していたTu-142M3を撮影したビデオは、月曜日・6月6日にインターネットの動画アップロードサイトに登場した。

航空機Tu-142M3は、戦略爆撃機Tu-95を基にして作成された遠距離対潜航空機Tu-142の近代化ヴァージョンである。
現在、ロシア海軍航空隊に所属するこのタイプの航空機は、ヴォログダ州キぺロヴォ基地に駐留している。

プロジェクト11356フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2016年4月に海軍へ引き渡され、現在は地中海に居る。
木曜日・6月9日には同艦はセヴァストーポリへ到着する見込みである。


現在、ロシア海軍航空隊遠距離哨戒機Tu-142M3(空軍の戦略爆撃機Tu-95の海軍型)は、北方艦隊に12機、太平洋艦隊に12機が在籍しています。
北方艦隊所属機はキぺロヴォ太平洋艦隊所属機はカーメニ・ルチェイに配備されています。

キぺロヴォ(第7050航空基地)
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カーメニ・ルチェイ(第7062航空基地)
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これらのTu-142M3は、2020年までに全機が近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142は近代化改修される]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]


そのTu-142M3が、6月5日にシリア上空で目撃されました。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142M3はシリア上空で目撃された]


この機体は、北方艦隊キぺロヴォ基地から発進し、そのまま南下してイラン、イラク、シリア上空を通過して地中海へ出ました。
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地中海へ出たTu-142M3は、黒海艦隊基地へ回航中のプロジェクト11356Rフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2016年3月11日就役)との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチ、マルタ島訪問(2016年5月24日)]

記事末尾で触れられていますが、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は6月9日にセヴァストーポリへ到着します。
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第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した

本日・2016年6月7日、プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」はロシア連邦海軍へ正式に就役しました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年6月7日にロシア海軍へ就役する]
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月7日15時29分配信
【最新フリゲート「アドミラル・エッセン」はロシア海軍へ引き渡された
モスクワ、6月7日-ロシア通信社ノーボスチ

黒海艦隊の為に工場『ヤンターリ』で建造された最新のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・エッセン」は、艦への聖アンドレイ旗掲揚式典の枠組みにおいて、海軍へ引き渡された。
火曜日にバルト艦隊広報サービスは発表した。

「アドミラル・エッセン」は、黒海艦隊の為にカリーニングラード工場『ヤンターリ』が建造した6隻のプロジェクト11356フリゲートシリーズの2隻目である。
第2グループ3隻のフリゲートの建造は、ウクライナからの艦の為の動力装置供給の挫折に関連し、現在は休止している。

「カリーニングラードの沿バルト造船工場ヤンターリで、警備艦アドミラル・エッセンへのロシア海軍旗掲揚式典が開催されました」
声明では、こう述べられた。

広報サービスは、式典においてロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将の命令文が読み上げられ、警備艦はセヴァストーポリに駐留する黒海艦隊水上艦連合部隊へ加入した事を指摘した。

行事には、バルト艦隊参謀長セルゲイ・ポポフ中将、ロシア連邦海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将、更には、沿バルト造船工場『ヤンターリ』が加入する『統合造船業営団』の代表が出席した。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工されました。

それから3年以上経った2014年11月7日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンは進水した]


2014年11月末、進水した「アドミラル・エッセン」高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の垂直発射機が設置されました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]

2015年5月20日、造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月20日11時36分配信
【「アドミラル・エッセン」は係留試験を開始した】

出航前の消磁作業を終えた後、2015年10月18日にカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ回航されました。
その後、バルチースク基地で出航準備が進められました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海への出航を準備している]

11月5日、工場航行試験の為に出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは洋上試験の為に出航した]

工場航行試験を終えた後、2016年1月30日から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンの国家受領試験が始まる]

2月初頭にバルト海へ出航し、主にメインエンジン(ガスタービンエンジン)の動作チェックが行なわれました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]

その後もバルト海で各種試験が続けられ、3月下旬までに国家受領試験の第1段階は終了しました。

3月21日までにカリーニングラードからクロンシュタット(レニングラード海軍基地)へ移動しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"発射試験を行なう]

3月23日、クロンシュタットを抜錨し、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはクロンシュタットを抜錨し、バレンツ海へ向かった]

3月30日、遠距離航海から帰港途中の北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海で合流しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海で最新警備艦アドミラル・エッセンと合流した]

4月4日、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、バレンツ海国家受領試験の第2段階が実施され、4月19日までに完了しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海での試験を完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・エッセン」カリーニングラードへ戻りました。
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[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海へ戻ってきた]

「アドミラル・エッセン」は、2016年5月26日にロシア海軍へ納入され、翌5月27日に正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催される予定でした。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年5月26日にロシア海軍へ納入される]
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年5月27日にロシア海軍へ就役する]

しかし、急遽もう一度点検出航を行なう事になった為、延期されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンのロシア海軍への引き渡しは延期された]

2016年5月31日、受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト11356R警備艦アドミラル・エッセンはロシア海軍へ納入された]


そして2016年6月7日、カリーニングラード市沿バルト造船工場『ヤンターリ』の岸壁で、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗(海軍旗)初掲揚式典が開催され、ロシア海軍へ就役、黒海艦隊第30水上艦師団へ編入されました。
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ロシア海軍の艦の就役は
1:受領-引渡証書への署名(造船所から海軍への艦の納入)
2:海軍旗の初掲揚式典・各艦隊部隊への編入(艦の正式な海軍への就役)
の2段階で行なわれますが、「アドミラル・エッセン」の場合、1は2016年5月31日に実施され、2は6月7日に実施されました。


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、2隻が就役しています。
6隻の建造が計画されており、全て黒海艦隊へ配備されます。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月31日納入/2016年6月7日就役

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2016年8月就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2018年以降に就役予定

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2018年以降に就役予定


ただし、4番艦と5番艦は、インドへ売却される可能性もあります。
(売却の為の交渉は実際に行われている)
[ロシア海軍向けプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦3隻はインドへ売却されるかもしれない]

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月15日にムルマンスク艦船修理工場を去る

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『タス通信』より
2016年6月7日13時5分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」は6月15日にムルマンスクの艦船修理工場を去る】
モスクワ、6月7日/タス通信

ロシアで唯一の航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は6月15日にムルマンスク第35艦船修理工場を去る。
タス通信は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「クズネツォフは6月15日にムルマンスク泊地へ進出します。
この時点で、修理と技術的準備状態の回復は完了します」

対談者は話した。
彼によると、同艦は「遠距離大洋ゾーン」で勤務する為の準備が完全に整っている。

タス通信は、この情報を公式に確認していない。

以前、6月20日以降に「クズネツォフ」バレンツ海へ進出し、7月1日以降に艦は更新された航空群の試験を開始しなければならないと報じられた。

タス通信の軍事外交筋によると、航空巡洋艦は今秋には地中海東部へ向かうだろう。
2017年第1クオーター(1~3月)には「クズネツォフ」の近代化が開始されるだろう。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2015年5月-8月には、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
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[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]

2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]

現在はムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンス(技術的準備状態の回復)中です。
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[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末からクリミア半島サキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方エイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。
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[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

「アドミラル・クズネツォフ」は6月下旬には完了し、その後、艦の点検のためにバレンツ海へ出航し、それが終わった後に新たな艦載機の発着試験も行われます。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月下旬にバレンツ海へ出航する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの新たな航空群の試験は2016年7月に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月以降に地中海東部へ行く]

今回の記事によると、「アドミラル・クズネツォフ」は6月15日には第35艦船修理工場の岸壁を離れ、泊地へ進出するとの事です。


地中海遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]

ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年6月7日12時2分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」近代化の為にユニークなドックが建設される】

ムルマンスク第35艦船修理工場は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」近代化の為の準備を始める:これは、2つのドック室を完全に1つに統合する為のユニークな手順が行なわれる。
その結果、全長400メートル、幅80メートルの国内最大の「乾燥貯水池」が得られる。


『イズベスチヤ』が伝えているように、「アドミラル・クズネツォフ」のような艦を受け入れる事が出来る最も近い乾ドックは、セヴェロドヴィンスクの艦船修理工場に在る。
しかし、そこでは、同様のサイズと排水量の巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」が近代化に従事しており、その修理は少なくとも2020年までは続くだろう。
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(今年)6月には、巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の技術的準備状態の回復の為の契約へ署名されなければならず、今年末には艦の近代化の為の作業量が決定される。
現在、『統合造船業営団』(ロシア)国防省は、作業の量と性質について討議している。

技術的準備状態の回復は、艦の主動力装置推進スクリュー群に関わる作業である:ボイラー、蒸気送入管、推進用シャフト。
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その後、飛行甲板及び航空機拘束装置の近代化の問題について決定される。
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現時点で「アドミラル・クズネツォフ」は、新たな翼~艦上戦闘機MiG-29K/KUBの受け入れを準備している。
6月末には航空隊との連携へ取り組む為の同艦の出航が計画されており、今秋に巡洋艦地中海への遠距離航海へと向かう。
帰港後、同艦は近代化を開始し、2~3年に渡って続く。


ムルマンスク市北方に位置する「第35艦船修理工場」(セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』ムルマンスク支所)では、現在、北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」のメンテナンス作業が行なわれています。
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2017年初頭からは、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]

以前にはセヴェロドヴィンスクで近代化改装を行なうと言われていましたが、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装で屋外ドックが空かない為、これまで同艦の修理や整備を一手に引き受けていた「第35艦船修理工場」が近代化改装も手掛ける事になりました。

しかし、「第35艦船修理工場」の現在の乾ドックでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠出来ません。

そこで、現在の2つの乾ドックを一緒にし、周りを掘り下げて全長400メートル、幅80メートルに拡張する工事が行なわれることになりました。
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工事が完了すれば、「アドミラル・クズネツォフ」も入渠出来るようになります。

ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142M3はシリア上空で目撃された


『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年6月6日15時34分配信
【ビデオ:アレッポ上空で対潜航空機Tu-142が目撃された】

シリアのアレッポ県上空において、偵察及び潜水艦との戦闘の為に開発されたロシアのTu-142と推定される航空機が目撃された。
『ガゼータ・ロシア』は、『The Aviationist』を引用して報じた。


ロシア対潜航空機のフライトを示したビデオは、2003年以来初のアメリカ合衆国による地中海からの航空母艦による中近東への攻撃から1日が過ぎた6月5日に撮影された。

新聞は、以前にTu-142シリアの目標に対するロシアの空爆では使用されていなかった事を指摘した。

以前、アメリカの戦闘機が地中海航空母艦から「イスラム国」(註)グループの所在地への攻撃を行なった事が伝えられた。
同時に、アメリカ合衆国海軍司令部は、標的として攻撃されたのは、イラク或いはシリアのどちらのテロリストだったのか、更には、どのような目標を破壊したのかについては明らかにしなかった。

Tu-142は、ソヴィエト及びロシア遠距離対潜航空機である。
元々は、哨戒エリアで敵の潜水艦を探知、破壊する為に意図されている。
現在、航空機Tu-142の総数は20機以上である。
2020年末までに、これらは全て近代化が行なわれなければならない。

(註:ロシアでは非合法のテロリスト組織)


現在、ロシア海軍航空隊遠距離哨戒機Tu-142M3(空軍の戦略爆撃機Tu-95の海軍型)は、北方艦隊に12機、太平洋艦隊に12機が在籍しています。
北方艦隊所属機はキぺロヴォ太平洋艦隊所属機はカーメニ・ルチェイに配備されています。

キぺロヴォ(第7050航空基地)
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カーメニ・ルチェイ(第7062航空基地)
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これらのTu-142M3は、2020年までに全機が近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142は近代化改修される]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]


そのTu-142M3ですが、今回の記事の通り、シリアアレッポ上空で目撃されました。

この機体は、北方艦隊キぺロヴォ基地所属でしょう。
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今回の記事で触れられている『The Aviationist』の元記事。
2016年6月5日配信
【ロシアのTu-142は初めてシリア上空に現れた】

ロシアは2015年9月末からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点への空爆を行なっていますが、地上攻撃能力の無いTu-142M3シリア上空に現れた理由は、記事中でも触れられているアメリカ海軍の空母が地中海東部からシリアもしくはイラクのISIL拠点を攻撃した事と関連付けられるかもしれません。

これまでにもアメリカ海軍シリアイラクISIL拠点を攻撃していますが、それはペルシャ湾側に展開した空母によるものでした。

しかし今回、アメリカ海軍は、ロシア海軍の艦艇が多数展開している地中海東部から初めて攻撃を実施しました。

ロシア海軍にしてみれば、これは「自分のシマへ土足で上がり込まれた」ようなものです。

ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月6日10時41分配信
【ロシア地理学協会の学術探検でクリル諸島マトゥア島の掩体壕の半分以上が調査された】
モスクワ、6月6日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦国防省ロシア地理学協会の学術探検の参加者は、クリル諸島マトゥア島の86ヶ所の砲台及び機関銃座の掩体壕の内の50ヶ所を調査した。
東方軍管区広報サービス部長アレクサンドル・ゴルデーエフは報道機関へ伝えた。

「ロシア連邦国防省と>ロシア地理学協会の学術探検において、マトゥア島の86ヶ所の砲台及び機関銃座の掩体壕の内の50ヶ所が調査されました。
また、サリチェフ火山の麓の小山の斜面では、回廊の剥き出しと倉庫の撤去が続けられています。
5つの探索グループは、ブルドーザー、パワーショベル、他の特殊車両を使用した掘削作業を行なっています」
ゴルデーエフ
は話した。

また、参加者は揚陸艦を接岸させる為のドヴォイナヤ湾海岸での準備作業を続けている。
ゴルデーエフは更に、現在、島には既に移動式飛行場複合体と排水システムが展開し、あらゆるタイプのヘリコプターの着陸の準備が完了している事を想い起した。

200名と6隻の艦船から成る遠征隊は、5月7日にウラジオストクを出航し、5月14日にマトゥア島へ到着した。


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現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍沿岸ミサイル部隊は駐留していますがロシア海軍「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。

クリル諸島に駐留するロシア海軍沿岸ミサイル部隊は、2016年中には新たな地対艦ミサイルを受け取ります。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島に新たな地対艦ミサイルを配備する]

2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島ロシア海軍「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]



2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」サルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊ウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。
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以後、現在までマトゥア島太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれています。
[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]

マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められています。
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[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]


5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われています。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]

更には、旧日本軍の地下施設(掩体壕など)の本格的な調査(重機による掘削)も始まっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する]

6月6日までに、調査対象(日本軍砲台跡など)86ヶ所の内の50ヶ所の調査が終わりました。


なお、松輪島日本軍陸上砲台は、1944年6月1日にアメリカ海軍潜水艦「へリング」(SS-233)を撃沈しています。
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ロシア海軍の高射ミサイル複合体ギブカはアップグレードされる

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月4日21時43分配信
【高射ミサイル複合体「ギブカ」は(ロシア)海軍の要求に沿って近代化される】
モスクワ、6月4日-ロシア通信社ノーボスチ

艦上配置高射ミサイル複合体「ギブカ」は、(ロシア)海軍の要求に沿って近代化される。
土曜日、『ラテープ』社(コンツェルン『アルマーズ・アンテイ』へ加入)総取締役マラート・イズグトジノフは発表した。

現在、高射ミサイル複合体「ギブカ」は、2015年10月にカスピ海から有翼ミサイル「カリブル」シリアの過激派を攻撃したプロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦へ配置されている。

「伝統的な我々のテーマ~海洋配置複合体~についてですが、私共の主な方向性は、我々の高射ミサイル複合体ギブカの近代化になります」
イズグトジノフ
ラジオ局『ロシアニュース』の生放送で、こう話した。

彼は、「ギブカ」の近代化が海軍からの方策の指導下で行なわれていると付け加えた。

『ラテープ』は、艦載高射ミサイルの管理システム及び砲複合体を製造するロシア企業である。


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ロシア海軍高射ミサイル複合体「ギブカ」は、持ち運び式高射ミサイル複合体「イグラ」(SA-18「グロース」)の艦載ヴァージョンであり、2006年に軍備採用されました。

「ギブカ」は、プロジェクト21630「ブヤン」小型砲艦(3隻就役)と、その発展型であるプロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦(5隻就役、4隻建造中)に搭載されています。
[「アストラハン」就航]
[アストラハン型砲艦「ヴォルゴドンスク」就役]
[小型砲艦マハチカラ就役]

[新世代小型ロケット艦「ブヤン-M」]

この他、プロジェクト1155大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の近代化改装の際にも搭載されました。
[大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」近況]


その「ギブカ」も軍備採用から10年が経過しており、改良型が開発されることになりました。

改良の具体的な内容は明らかにされていませんが、或いは、ロシアの最新の持ち運び式高射ミサイル複合体「ヴェルバ」(「イグラ」系列の発展型)が装備されるのでしょうか・・・?
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ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月4日8時26分配信
【(ロシア)国防省とロシア地理学協会の学術探検においてマトゥア島の土木工事が行なわれる】
モスクワ、6月4日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦国防省ロシア地理学協会の学術探検の参加者は、クリル諸島マトゥア島の要塞建造物の調査の為の土木工事を開始した。
東方軍管区広報サービス部長アレクサンドル・ゴルデーエフは報道機関へ伝えた。

「サリチェフ火山の麓の小山の斜面で、撤去された倉庫から回廊(要塞や拠点の強化エリア、要塞の建物間を繋ぐための地下回廊)が見つかりました。
5つの探索グループは、ブルドーザー、パワーショベル、他の特殊車両を使用した掘削作業を行なっています」
ゴルデーエフ
は話した。

彼によると、各作業の開始前に大気のサンプルが採取され、有害物質の存在に関する分析が行なわれた。
また、参加者は揚陸艦を接岸させる為のドヴォイナヤ湾海岸での準備作業を続けている。
ゴルデーエフは更に、現在、島には既に移動式飛行場複合体と排水システムが展開し、あらゆるタイプのヘリコプターの着陸の準備が完了している事を想い起した。
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国防省、ロシア地理学協会、東方軍管区と太平洋艦隊の200名と6隻の艦船は5月7日にウラジオストクを出航し、5月14日にマトゥア島へ到着した。


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現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍沿岸ミサイル部隊は駐留していますがロシア海軍「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。

クリル諸島に駐留するロシア海軍沿岸ミサイル部隊は、2016年中には新たな地対艦ミサイルを受け取ります。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島に新たな地対艦ミサイルを配備する]

2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島ロシア海軍「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]



2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」サルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊ウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。
以後、現在までマトゥア島太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれています。
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[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]

マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められています。
[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]


5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われています。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]

更には、旧日本軍の地下施設の本格的な調査(重機による掘削)も始まっています。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールを訪れた


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年6月4日15時8分配信
【ロシア国防省代理アナトーリー・アントノフは親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」艦上でASEAN加盟国の軍事代表団を出迎えた】

6月4日、シンガポール太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」艦上で、ロシア連邦国防相代理アナトーリー・アントノフと対話パートナーのASEAN加盟国軍事代表団の歓迎会が行なわれた。

歓迎会は、ロケット巡洋艦「ワリャーグ」の業務寄港プログラムの枠組みにおいて、チャンギ海軍基地で開催された。

「我々の国の軍隊間の友好関係の強化は、アジア太平洋地域の安定と安全保障を強固なものにします」
アナトーリー・アントノフ
は述べた。

イベントは、6月3日から5日までシンガポールで行なわれるアジア安全保障の為の第15回国際会議「シャングリラ対話」の枠組みで開催された。


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ロシア-インド海軍合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加する太平洋艦隊艦船支隊の4隻(太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」を含む)は、2015年11月2日にウラジオストクを抜錨し、インドへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと駆逐艦ブイストルイはインドへ向かった]

支隊は11月4日午前10時頃に対馬海峡を通過しました。
日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイトより
2015年11月5日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

この間(つまり11月3日頃)に日本海で一連の訓練が実施され、対馬海峡を通過する際に1905年5月のツシマ沖海戦の戦没者の追悼式典を開催しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は日本海で演習を行なった]

11月9日、「太平洋」上で一連の演習が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は太平洋上で演習を実施した]

11月20日まで南西諸島周辺海域に滞在し、投錨して洋上補給、ヘリコプター発着訓練などを行なっていました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は2015年11月中旬に南西諸島周辺海域で行動していた]

その後、南下して南シナ海へ向かい、12月2日にはマラッカ海峡を通過してインド洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド洋へ入った]

12月6日、インド東岸ヴィシャーカパトナム港へ到着しました。
[インド海軍との合同演習に参加するロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインドのヴィシャーカパトナム港へ到着した]

合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』は12月7日から始まりました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』が始まった]

太平洋艦隊艦船支隊は、12月7日から9日までヴィシャーカパトナム港へ滞在し、両国海軍代表団による海上演習の打ち合わせ、インド海軍将兵の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」見学、両国海軍将兵のスポーツ大会、ロシア海軍将兵の地元観光などが行なわれました。

12月10日、ロシア海軍インド海軍の演習参加艦船はヴィシャーカパトナム港を抜錨し、海上での実地演習(アクティブ・フェーズ)を開始しました。
[合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加するロシア海軍とインド海軍の艦船はヴィシャーカパトナムを抜錨した]
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』を行なっている]

海上での実地演習は12月11日も引き続き行なわれました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』海上段階2日目(2015年12月11日)]

演習は12月12日に完了し、インド海軍フリゲート「サヒャディ」で最後の会合が行なわれ、送別式典が開催されました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は終了した]


合同演習が終わった後、太平洋艦隊艦船支隊は東西に分かれ、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は単独で西へ、その他の3隻(駆逐艦「ブイストルイ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「アラタウ」)は東へ向かいました。

単艦行動になった親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、12月24日から26日までオマーンサラーラ港へ寄港した後、アデン湾付近で新年を迎えました。
[インド海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は洋上で2016年の元旦を迎える]

2016年1月3日、スエズ運河を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはスエズ運河を通過して地中海へ入った]

そしてロシア海軍地中海作戦連合部隊の旗艦任務に就き、シリア沖で行動していました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]
[ロシア海軍の12隻の艦船が地中海東部に滞在している]
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その後の「ワリャーグ」の動向は公表される事は有りませんでしたが、今回の発表の通り、6月4日にシンガポールを訪れ、アジア安全保障会議(シャングリラ対話)の為にシンガポールに滞在していたロシア国防相代理アナトーリー・アントノフ氏とASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国国防相の歓迎レセプションが艦上で開催されました。
(つまり5月半ば頃には地中海を出てインド洋方面へ向かっていた)


アジア安全保障会議(シャングリラ対話)には、ASEAN諸国の他に、日本、アメリカ、韓国などの国防相級閣僚も参加しています。
ロシアからは、国防相代理アナトーリー・アントノフ氏が参加しています。
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『朝日新聞デジタル』より
2016年6月4日20時35分
【シンガポールで日韓防衛相会談、閣僚間のホットライン整備へ】

『AFP通信』より
2016年6月4日11時54分配信
【「南シナ海で自ら孤立の長城」=米国防長官、中国を批判-協力強化も・アジア安保会議】

『ロイター通信』より
2016年6月4日20時18分配信
【中谷防衛相、中国軍の副参謀長に訪中を打診】


なお、ロシア国防相代理アナトーリー・アントノフ氏は、シンガポールにおいて「防衛当局を通じての中国との交流拡大は、我々(ロシア)の最優先事項である」と述べています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月3日16時29分配信
【中華人民共和国との軍事交流の拡大はロシアにとって最優先事項である】

ロシア海軍の為の高射ミサイル"M-トール"は2018-2019年に登場する

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『タス通信』より
2016年6月3日11時28分配信
【『アルマーズ・アンテイ』:高射複合体「トール」の海上ヴァージョンは2018~2019年に登場するだろう】
アスタナ、6月3日/タス通信

高射ミサイル複合体「トール」の海上ヴァージョンは2018~2019年には登場するだろう。
このプロジェクトへロシア海軍総司令部は関心を持っている。
コンツェルン『アルマーズ・アンテイ』広報サービスは、展示会『KADEX-2016』の最中に報道陣へ伝えた。

コンツェルンは、陳腐化する艦載複合体「オサー」及び「キンジャール」を代替する必要性に鑑み、海軍「トール」海上ヴァージョン作成の可能性に関心を有していると説明した。

「この問題にコンツェルンは取り組んでおり、複合体オサー及びキンジャール型の生産及び設置や、他の海軍の艦での企業協力の経験を考慮し、更には陸上モデル高射ミサイル複合体トールの生産品一式の使用の可能性は、短期間で(最初の高射ミサイル複合体モデルは2018~2019年には登場するであろう)、かつ最小限のコストでのトールの海上ヴァージョンの作成へと結論付けられるでしょう」
『アルマーズ・アンテイ』
は強調した。

同時に、複合体の艦載ヴァージョンの一連の数値は、既存の「トール」系列に優越すると広報サービスは述べている。

昨年、イジェフスク電子機械工場『クーポル』(『アルマーズ・アンテイ』へ加入しており、複合体「トール」生産の主導企業)総取締役ファニル・ジャトジノフは、同社が「トール」の海上ヴァージョンの開発を計画していると発言した。
彼によると、それは、艦の近代化を実施する際の複合体の使用についての話である。
同社のトップは、他の詳細は明らかにしなかった。



ロシア海軍の個艦防空用高射ミサイル複合体「キンジャール」は、陸上用高射ミサイル複合体「トール-M1」(SA-15ガントレット)の艦載型です。


ミサイル管制レーダー「ポドカート」(右端)
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8連装ミサイル垂直発射機
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「キンジャール」の開発は1975年からスタートし、プロジェクト1124K小型対潜艦MPK-104に試作品が搭載され、1982年から黒海で試験が行われました。
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現在では、プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、プロジェクト1155/11551大型対潜艦が装備しています。


一方、陸上タイプの方は、2000年代に改良型の「トール-M2」が開発されました。
「トール-M2KM」は、その最新ヴァージョンです。



そして、海軍の「キンジャール」の代替として、「トール-M2KM」の艦載ヴァージョンである「M-トール」も開発される事になりました。
[ロシア海軍の為の新型高射ミサイル「M-トール」が開発される]

「M-トール」は、ロシア海軍の新造艦・新世代艦への装備では無く、既に就役している艦の近代化改装の際に換装する事が想定されています。


この他、「キンジャール」の前の世代の個艦防空用ミサイルであり、現在もロシア海軍の多くの水上艦に装備されている高射ミサイル複合体「オサー-M」(1973年軍備採用、現在は改良型の「オサー-MA」、「オサー-MA2」へ移行)の代替としても意図されているとの事です。

現在、「オサー-M」を搭載しているのは、プロジェクト1164(スラヴァ級)ロケット巡洋艦プロジェクト12661K警備艦(1番艦のみ)、プロジェクト1135/1135M(クリヴァクI/II)警備艦、プロジェクト1239(ダーガチ)エアクッションロケット艦、プロジェクト12341(ナヌチュカ)小型ロケット艦、プロジェクト1124/1124M(グリシャ)小型対潜艦です。

『ロシア黒海艦隊サイト』より
【「オサー-M」】

「オサー-MA」昇降式連装発射機(プロジェクト1164ロケット巡洋艦「モスクワ」)
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つまり、ロシア海軍の現用の「キンジャール」及び「オサー-MA」搭載艦が、近代化改装の際に「M-トール」へ換装するという事になります。


ただ、全ての「キンジャール」及び「オサーMA」搭載艦が「M-トール」へ換装する事は考えられず、換装される艦は限られてくるでしょう。

「M-トール」の配備は早くても2018年か2019年であり、それ以降でなければ、このミサイルを装備する事は出来ません。

例えば、「キンジャール」を装備するプロジェクト1155大型対潜艦は、2021年までに6隻の近代化改装が計画されていますが、「M-トール」を装備できるのは最後の2隻くらいでしょう。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

ロシア海軍のプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)は近代化改装でカリブルとオーニクスを装備しない

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『タス通信』より
2016年6月3日12時50分配信
【統合造船業営団:ロシア海軍の大型対潜艦は「カリブル」で再装備しない】
アスタナ、6月3日/タス通信

ロシア海軍大型対潜艦ミサイル複合体「カリブル-NK」での再装備は、未だ始まっていない。
『タス通信』展示会『KADEX-2016』会場で『統合造船業営団』軍事造船担当副総裁イーゴリ・ポノマリョフより伝えられた。

昨年夏、当時のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、最初のプロジェクト1155艦「オーニクス」及び「カリブル」での再武装を2年後、即ち2017年に完了すると発言した。

「現時点において、プロジェクト1155の戦術-技術的課題を、私共は国防省から最後まで受け取ってはおりませんし、そのような作業は全く展開されておりません」
ポノマリョフ
は質問に答え、こう話した。

「更に申し上げますと、私共は、そのような作業の準備を整えてはおります。
経験、人員、製造能力を我々は持っておりますから」
『統合造船業営団』
副総裁は強調した。

ポノマリョフは、高度な近代化についての問題は、常に議論の余地がある事を指摘した。
そのような作業の費用は、新規建造艦の80パーセントに達するであろうし、近代化される艦の就役時期は著しく短いだろう。

「私共から、海軍のこの作業について、作業遂行の価値、作業遂行の妥当性を見てみますと、新しい艦を発注した方が宜しいでしょうね」
営団副総裁は締め括った。


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プロジェクト1155「フレガート」大型対潜艦は、1980年から1991年に掛けて12隻がソ連海軍へ就役し、ソ連邦解体後の1999年に改良型のプロジェクト11551が1隻就役しました。
【大型対潜艦ウダロイ型(旧ブログ)】
【ウダロイ級全艦リスト】

現在は、太平洋艦隊北方艦隊に4隻ずつ在籍しています。

[太平洋艦隊]
アドミラル・トリブツ:1986年2月15日就役
マルシャル・シャーポシニコフ:1986年2月15日就役
アドミラル・ヴィノグラードフ:1989年5月1日就役
アドミラル・パンテレーエフ:1992年5月1日就役

[北方艦隊]
ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ:1982年2月9日就役
セヴェロモルスク:1987年12月30日就役
アドミラル・レフチェンコ:1989年5月1日就役
アドミラル・チャバネンコ(11551):1999年1月28日就役


現在、北方艦隊大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」は長期修理中です。
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコはオーバーホールの第1段階を終えた]15-0701k.jpg

太平洋艦隊所属艦では、「アドミラル・トリブツ」が近代化改装を行なっています。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]
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プロジェクト1155/11551大型対潜艦の近代化の話は、2013年3月に初めて出てきました。
[ロシア海軍はウダロイ級を近代化する]

2015年7月、当時のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、近代化されるプロジェクト1155/11551大型対潜艦が新たな有翼ミサイル「カリブル」「オーニクスを搭載すると発言しました。
[ロシア海軍のプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)は近代化改装により新型有翼ミサイルを搭載する]


ロシア海軍は2021年までに6隻のプロジェクト1155大型対潜艦の近代化改装を計画しておりますが、2016年4月から近代化改装を開始した「マルシャル・シャーポシニコフ」の新たな装備兵器リストに「カリブル」「オーニクス」は無く、対艦ミサイル「ウラン」が搭載される事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]


そして今回、ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』の副総裁イーゴリ・ポノマリョフ氏は、プロジェクト1155/11551大型対潜艦への「カリブル」「オーニクス」の装備を事実上否定しました。
そのような近代化改装を行なう事は可能ではあるが、費用対効果から見ても割に合わず、そんな事をするくらいなら新しく艦を建造した方が良いと。

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の契約は未だ締結されていない

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『タス通信』より
2016年6月3日12時26分配信
【巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化の為の契約は未だ締結されていない】
アスタナ、6月3日/タス通信

ロシア連邦国防省『統合造船業営団』は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化の為の契約へ未だ署名していない。
『タス通信』展示会『KADEX-2016』会場で『統合造船業営団』軍事造船担当副総裁イーゴリ・ポノマリョフより伝えられた。

「いいえ、私共は、国防省の任務を遂行する為の同艦の出航準備及びメンテナンス契約下の作業を実行しております」
彼は、「クズネツォフ」の近代化の為の契約に関する質問に答え、こう話した。

また、『統合造船業営団』航空巡洋艦の近代化の為の技術的課題を未だ受け取っていない事をポノマリョフは明らかにした。
「それを受け取った後でのみ、作業は開始されます」
対談者は話した。

メンテナンス契約下の作業は殆ど完了しており、艦は出航準備が出来ている事をポノマリョフは指摘した。
以前、防衛産業企業体の情報提供者は、「クズネツォフ」が6月20日以降に出航すると『タス通信』へ伝えた。
ロシア連邦国防省のトップ、セルゲイ・ショイグは、同艦の更新された航空グループの試験は7月1日以降に開始しなければならないと述べた。

他の「防衛産業」の情報提供者は、数十億ルーブルの費用の「クズネツォフ」の近代化の為の契約は6月の署名が予定されていると『タス通信』へ伝えた。
彼によると、作業自体は、今秋には向かう事が出来る地中海への巡洋艦の遠距離航海から戻った後、2017年の第1クオーター(1月-3月)に開始される。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2015年5月-8月には、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
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[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]

2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]

現在はムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンス(技術的準備状態の回復)中です。
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[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末からクリミア半島サキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方エイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。
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[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

「アドミラル・クズネツォフ」は6月下旬には完了し、その後、艦の点検のためにバレンツ海へ出航し、それが終わった後に新たな艦載機の発着試験も行われます。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月下旬にバレンツ海へ出航する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの新たな航空群の試験は2016年7月に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月以降に地中海東部へ行く]


地中海遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の為の契約は6月に署名されると伝えられていたので、今回、『タス通信』は、6月2日からカザフスタン共和国で開催されている航空宇宙技術展示会『KADEX-2016』会場で『統合造船業営団』軍事造船担当副総裁イーゴリ・ポノマリョフへ、この点(現時点で契約は締結されているのか?)について質問した所、「Нет」(いいえ)との答えが返ってきました。
(無論、今月末までに締結される可能性を否定するものではありませんが)

ただ、「アドミラル・クズネツォフ」のメンテナンスは殆ど完了し、出航準備が出来ているとは述べています。

ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月以降に地中海東部へ行く

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『インタファクス』より
2016年6月2日10時45分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」が遠距離航海へ向かうのは(2016年)10月よりも早くなる事は無い】
モスクワ、6月2日、インタファクス・ロシア

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』支所-第35艦船修理工場は、(2016年)10月初頭までに北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」のメンテナンスと技術的準備状態回復を完了する。
『インタファクス』は木曜日に消息筋より伝えられた。

「従いまして、航空母艦の遠距離航海は(2016年)10月1日よりも前に始まる事は無いでしょう」
対談者は説明した。

彼によると「こういった事情ですので、6月末までに航空母艦は泊地へ出て艦上航空隊の飛行士の訓練を保障し、並行して修理作業が続けられます」
その後、巡洋艦は、遠距離航海の準備を完了する為に第35艦船修理工場(『統合造船業営団』へ加入)へ戻る。

航海へ出発する「アドミラル・クズネツォフ」の航空団は、航空機Su-33及びSu-25UTGを有する第279独立艦上戦闘機航空連隊と、航空機MiG-29の異なるモデル(MiG-29K/KUB)を装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊で構成されるだろう。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2015年5月-8月には、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
16-0525i.jpg
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]

2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]

現在はムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンス(技術的準備状態の回復)中です。
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[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末からクリミア半島サキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方エイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。
16-0323c.jpg
[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

「アドミラル・クズネツォフ」は6月下旬には完了し、その後、艦の点検のためにバレンツ海へ出航し、それが終わった後に新たな艦載機の発着試験も行われます。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月下旬にバレンツ海へ出航する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの新たな航空群の試験は2016年7月に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋(9月-10月)に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]


今回の記事に登場する消息筋によると、「アドミラル・クズネツォフ」地中海への遠距離航海へ出発するのは今年10月1日以降になります。

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「アドミラル・クズネツォフ」は6月末には第35艦船修理工場岸壁から泊地(セヴェロモルスク沖?)へ進出して艦上戦闘機部隊の発着訓練を行ない、その後、再び第35艦船修理工場へ戻って修理を完了し、それから地中海へ向けて出航するとの事です。
艦上戦闘機部隊の発着訓練と並行して修理作業も続けられます。


「アドミラル・クズネツォフ」に関しては、2008年にも似たような事例があります。

『RBK』より
2008年12月8日12時59分配信
【艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理を完了した】

「アドミラル・クズネツォフ」は、2008年11月末頃まで7ヶ月間掛けて艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(のムルマンスク支所である第35艦船修理工場)で修理が行なわれ、主動力装置(つまり蒸気タービンエンジン)の更新、ボイラー機器、空調システム、航空機用昇降機の修復、ケーブル配線の交換、巡洋艦の各区画の兵装システムの復旧作業が実施されました。
「更新」というのは、要するに、エンジンを丸ごと交換したわけでは無いが、パーツを大幅に入れ替える「リビルド」を行なったという事です。

この間、2008年10月初頭には北方艦隊の大規模演習へ参加しています。
[空母アドミラル・クズネツォフは出港した]
[メドベージェフ大統領、ロシア空母を訪れる]

「アドミラル・クズネツォフ」は2008年12月5日に地中海遠征へ出発しました。
(翌2009年3月に帰港)
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]

つまり、この時(2008年)、「アドミラル・クズネツォフ」は、地中海遠征へ出発する前まで修理作業が行なわれ、それと並行して演習へ参加していたという事になります。


地中海遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]