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ロシア海軍の為の第4のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月30日15時43分配信
【サンクトペテルブルクで新たなプロジェクト「アレクサンドリト」掃海艦の建造が始まった】
モスクワ、8月30日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍の為の第4の最新掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」の建造がサンクトペテルブルク『ネヴァ川中部造船工場』で始まった。
火曜日、『統合造船業営団』広報サービスは発表した。

「中部ネヴァ川造船工場(『統合造船業営団』へ含まれる)で、ロシア海軍の為の第4の新世代対機雷防衛艦の建造作業が始まりました。
現時点で工場の作業員は作業の準備段階、具体的には型の組み立てを行なっています。
続いて単一ガラス繊維強化プラスチック船体の形成を始める為の」

声明では、こう述べられた。

広報サービスは、対機雷防衛艦は、改良された物理的・機構的な特徴を有するポリマー複合材料からの大型の船体の製造を可能とする真空注入技術を使用して工場で建造されると説明した。

プロジェクト12700「アレクサンドリト」掃海艦の船体は、その強度を増大させた複合材料で製造されており、対機雷作戦行動中の艦の生残性を確保する。
また、単一非磁性船体の就役期間は、磁性鋼鉄船体の艦の数倍以上になる。

機雷掃海艦プロジェクト12700は、海軍基地周辺水域の艦にとって安全な距離で機雷を探知、破壊する為に意図されている。
艦の排水量は890トン、全長61メートル、幅10メートル、満載排水量での速力16.5ノット、乗員44名。
艦は機雷へ対処する為、様々な種類の掃海具、更には遠隔操作及び自立型無人水中装置を使用できる。


ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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プロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日にサンクトペテルブルク「ネヴァ川中部造船工場」で起工され、2014年6月27日に進水しました。
[ロシア海軍の新世代掃海艦アレクサンドル・オブホフは進水した]

「アレクサンドル・オブホフ」は2015年12月25日から工場航行試験が行なわれ、現在は国家受領試験が行なわれています。
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プロジェクト12700の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]

2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]

その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、6月7日夜に火災が発生しました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]

2016年6月27日、『ネヴァ川中部造船工場』は、プロジェクト12700の3番艦の建造作業を開始しました。
[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった]

そして8月30日、プロジェクト12700の4番艦の建造作業が始まりました。


既に計4隻のプロジェクト12700掃海艦の建造契約が締結されており、2016-2018年にロシア海軍へ引き渡される予定です。
[ロシア海軍は2015-2018年に4隻の新世代掃海艦プロジェクト12700を受領する]
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ロシア海軍北方艦隊の艦船部隊は北極圏遠征へ出発した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2016年8月30日19時48分配信
【北方艦隊の艦・支援船支隊はセヴェロモルスクを去り、北極圏へ進路を取った】

本日(8月30日)、北方艦隊艦・支援船支隊は、戦闘訓練計画に沿って北方艦隊主要基地セヴェロモルスクからバレンツ海へ出航し、北極東方海域へ進路を取った。

支隊は、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、支援船:救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164で構成される。
昨年末に艦隊へ編入された最新の海洋兵器輸送船「アカデミック・コワリョーフ」も、北極圏航海へ初めて参加する。

常置駐留所からバレンツ海へ出航した北方艦隊艦・支援船支隊は、掃海艦「ポリャールヌイ」、「エリニヤ」、「ヤドリン」で構成されるコラ多種戦力小艦隊掃海艦グループの支援を受け、基地から出航する艦隊の部隊の機雷掃海を保障する演習が実施された。

北方艦隊司令官ニコライ・エフメロフ中将が指摘したように、北極圏を移動する艦船支隊の航海環境の視点から困難な条件下での航海の安全を最大限に確保する為、特殊な水文気象条件を考慮し、結氷状況の常時監視には北方艦隊第45航空・防空軍航空機ヘリコプターが関与する。

遠距離航海の主な目的は、世界の大洋の作戦上重要な海域におけるロシアの海軍の存在の確保、更には、北極ゾーンにおけるロシア連邦の海上船舶航行及び他の海上経済活動の安全保障にある。

艦船支隊は、ノヴォシビルスク諸島までの北方海上航路のルートに沿って一連の演習を実施し、更には、北極の島へ配置された北方艦隊の部隊の駐留場所を訪れる。

移動航路上の指定地点で、支隊北方艦隊の他の戦闘艦及び支援船が補充される。

北方海上航路の海域移動の特定段階において、艦隊艦船支隊国営法人『ロスアトム』原子力砕氷船の随伴が計画されている。

これは、過去数年間の北極圏における北方艦隊の5回目の大規模航海である。
2012年、ロシア海軍の歴史上初めて北方艦隊海軍歩兵コテリヌイ島の無防備の海岸へ初めての海洋揚陸部隊の上陸を実施した。
2013年、北方艦隊旗艦・重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」率いる艦船支隊は、航空司令部「テンプ」を復活させる為、ノヴォシビルスク諸島へ機材を送り届けた。
2014年の北方艦隊部隊の大規模な北極圏航海は、ノヴォシビルスク諸島ロシア連邦の海岸および北極圏の島嶼ゾーンの保護の為の演習となった。
昨年(2015年)の同様の航海中には、タイミル半島の重要な施設の保護の為、北方艦隊北極圏自動車化射撃兵旅団の部隊との軍種間演習が初めて実施された。


ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。

2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
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[聖アンドレイの旗の下に]

2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]

2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]

[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」


2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]

演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。



そして2016年8月30日、北方艦隊艦船支隊北極圏遠征へ出発しました。
今回もノヴォシビルスク諸島まで行くようです。

今回の遠征部隊は、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164、海洋兵器輸送船「アカデミック・コワリョーフ」で構成されていますが、今後、他の艦船も加わるようです。

大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2015年10月23日から2016年4月4日まで地中海、インド洋への遠距離航海を実施しました。
[ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-2016年4月)]

海洋兵器輸送船「アカデミック・コワリョーフ」は、昨年12月に就役したばかりの最新鋭船です。
[弾道ミサイル輸送船アカデミック・コワリョーフはロシア海軍へ就役した]
[ロシア海軍の新型兵器輸送船アカデミック・コワリョーフは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア軍西方管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2016年8月29日22時29分配信
【フィンランド湾で試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」は暴風ゾーンから民間艇を脱出させた】

フィンランド湾で試験を実施している大型揚陸艦「イワン・グレン」は、それを保護しながら民間艇と乗員を脱出させ、ゼレノゴルスクまで同伴した。

15時~16時、フィンランド湾で試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」へ小型艇が接近し、それを艦上へ揚げる為の許可を求めた。
気象条件が急激に悪化している事に関連し(風浪階級3-4の嵐、最大毎秒12メートルの暴風)、強大な波浪の際に難破するという重大な脅威がある為、艇を大型揚陸艦の艦上へ揚げる事が求められた。

複雑な状況を考慮し、艦長は、波浪から保護する為、艇を艦尾へ付けるという唯一正しい決断を下した。
その後、常に(艇の)乗組員を通信で励まし、安全な海域であるゼレノゴルスク水域まで艇に付き添った。

海岸から2カイリで大型揚陸艦の乗組員は、非常事態省の部隊へ艇を引き渡した。
20時00分、艇はゼレノゴルスク沿岸へ係留された。


[新型揚陸艦イワン・グレン]

プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
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その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月末に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
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「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡されます。

「イワン・グレン」の乗組員は北方艦隊将兵で構成されている事から、就役後は北方艦隊へ配備されます。



2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦は『2018-2025年の国家軍備プログラム』において建造される]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]

中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍艦船部隊は2016年9月初頭に湛江へ向かう

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『タス通信』より
2016年8月30日6時59分配信
【太平洋艦隊艦船支隊は9月初頭に国際演習の為、中国へ向かう】
ウラジオストク、8月30日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクーリナ

太平洋艦隊艦船支隊は、9月初頭に南シナ海での中国人民解放軍海軍との大規模演習『海洋協同-2016』へ参加する為、中国へ向かう。
火曜日、タス通信東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐より伝えられた。

「9月初頭、大型対潜艦アドミラル・トリブツ、アドミラル・ヴィノグラードフ、大型揚陸艦ペレスウェート、海洋曳船アラタウ、給油船ペチェンガで構成される支隊は、
太平洋艦隊将兵が9月11日から19日まで南シナ海の海上エリア及び沿岸で実施される中国人民解放軍海軍との大規模演習『海洋協同-2016』へ参加する為、湛江(中華人民共和国)へ進路を取ります」
マトヴェーエフ
は伝えた。

彼は、艦船乗組員が、合同機動、組織的な対水中工作、対潜、対空、対艦防衛の課題へ取り組み、空中及び海上目標への統制砲撃を実施する事を指摘した。
更に、海軍歩兵部隊は、無防備の海岸への揚陸部隊の上陸の為の全ての戦闘訓練複合活動を実行する。

マトヴェーエフは、このような演習がロシア海軍中国海軍との間で定期的に実施されており、既に5回目となる事を指摘した。
それは、両国海軍の実地的な協力の強化と、様々な海上での脅威への対抗を目指すものである。
2015年の演習は8月に日本海で実施された。


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ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

特に、昨年8月に沿海地方で実施された『海洋協同-2015』第2段階では、ロシア海軍中国海軍合同上陸演習が初めて行なわれました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同上陸演習が沿海地方で始まった]

因みに、ロシア海軍は中国以外の外国海軍とも度々合同演習を行なっていますが、合同での上陸演習は、中国以外の海軍とは行なっておりません。
この事実からも、ロシア海軍は中国海軍との合同演習を特に重要視している事は明白です。


今年(2016年)には、『海洋協同-2016』が実施されます。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2016』の打ち合わせが北京で行われた]

合同演習は、9月中旬に南シナ海で実施されます。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2016』は2016年9月12日から19日まで南シナ海で実施される]


そして今回、ロシア海軍(太平洋艦隊)側の『海洋協同-2016』参加艦船が初めて明らかにされました。

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大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)は、2014年からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装が行なわれ、今年7月に復帰しています。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]
その前の6月下旬から7月上旬まで改装後の試験を兼ねてオホーツク海での演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦艇は宗谷海峡を西進した]
「アドミラル・トリブツ」『海洋協同-2012』へ参加しています。

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大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572)は、今年3月下旬から8月上旬まで、東南アジア、インド洋、太平洋への遠距離航海を行なっています。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]
「アドミラル・ヴィノグラードフ」『海洋協同-2012』『海洋協同-2013』へ参加しています。

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大型揚陸艦「ペレスウェート」(077)は、沿海地方の上陸演習へ何度も参加しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦ペレスウェートは上陸演習を行なう為に抜錨した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵部隊は沿海地方で空挺降下及び上陸演習を行なう]
[ロシア海軍歩兵部隊とロシア陸軍戦車部隊は沿海地方で上陸演習を行なった]
「ペレスウェート」『海洋協同-2015』第2段階へ参加しています。
今回の『海洋協同-2016』では、南シナ海中国海軍との合同上陸演習を実施します。

海洋曳船「アラタウ」は、2015年12月のインド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加しています。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]

中型海洋給油船「ペチェンガ」は、2015年2月初頭から8月下旬まで東南アジア、インド洋への遠距離航海を行なっています。
[大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフ遠距離航海(2015年2月-8月)]

「ペレスウェート」「ペチェンガ」は、2013年には地中海東部へ派遣されました。
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~12月)]


これまで『海洋協同』へ毎回参加していた太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、今回は不参加のようです。
「ワリャーグ」は今年初めから地中海へ派遣されており、7月18日に帰港しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは長期航海を終えてウラジオストクへ帰港した]
同艦は今年から近代化改装へ取り掛かる予定であり、この為に不参加となったのでしょうか。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは2020年までに近代化改装を行なう]

『海洋協同』へ何度も参加している駆逐艦「ブイストルイ」も今回は不参加ですが、同艦は現在、ウラジオストク艦船修理工場のドックへ入渠しています。
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今年12月に実施予定のインド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』には参加が予定されていますが。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年7月7日5時16分配信
【ロシア・インド海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加する部隊の構成が定められた】


2015年7月26日、新たなロシア連邦海洋ドクトリンが発表されましたが、この中では中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]

ロシア海軍黒海艦隊とカスピ小艦隊は抜き打ち演習へ参加する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月26日5時5分配信
【ロシア艦は黒海とカスピ海で演習を実施する】
モスクワ、8月26日-ロシア通信社ノーボスチ

15隻以上のロシア黒海艦隊の戦闘艦と10隻以上のカスピ小艦隊の艦船は、戦闘準備体制の抜き打ち査察の枠組みにおいて出航した。
国防省の情報・マスコミュニケーション部は発表した。

「抜き打ち査察へと入る任務を遂行する為、黒海艦隊からは打撃艦グループ、対潜打撃艦グループ、機雷掃海グループ、揚陸艦支隊の15隻以上の戦闘艦が出航しました」
声明では、こう述べられた。

それには、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、ロケット艦「サムーム」、「ミラーシュ」、警備艦「スメトリーヴイ」、小型対潜艦「アレクサンドロヴェツ」、「カシモフ」、ロケット艇、機雷掃海艦、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」、「アゾフ」、「ヤーマル」、「ツェーザリ・クニコフ」、「サラトフ」が含まれる。

また、当局によると、アストラハン及びカスピースクの駐留所からは、最新小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」、砲艇、泊地掃海艇及び基地掃海艇を含むカスピ小艦隊の10隻以上の戦闘艦艇と支援船が出航した。

演習実施ルート上で艦の戦闘班は、海上での組織的対空及び対機雷防衛、組織的ダメージコントロール演習、狭い海域での艦の通航へ公式に従事する。

戦闘準備体制の抜き打ち査察は、最高司令官(註:ロシア連邦大統領)の命令により実施される。
演習には、南方軍管区の将兵、中央軍管区及び西方軍管区の一部、航空宇宙軍及び空挺軍が参加する。

ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーと『決闘』する

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『タス通信』より
2016年8月24日13時8分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」と潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は黒海で「対戦する」】
モスクワ、8月24日/タス通信

黒海艦隊の最新の警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」が参加する「敵」潜水艦の探索および撃破演習が黒海で始まった。
黒海艦隊の代理人ヴャチェスラフ・トルハチェフは報道機関へ伝えた。

「黒海艦隊の様々なグループの演習が始まりました。
潜水艦を探索し、撃破する為、演習へ参加する新型警備艦アドミラル・グリゴロヴィチ、小型対潜艦アレクサンドロヴェツ、カシモフは魚雷発射を行ないます」
トルハチェフ
は話した。

彼によると、対潜艦は、仮想敵潜水艦の役割を務める潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」の乗組員との「決闘」を行なう。
演習は黒海の海洋射爆場で8月27日まで続けられる。


ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)プロジェクト11356Rの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2016年3月11日に就役しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

6月9日にセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

7月13日には黒海で戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海で砲撃訓練を行なう]

7月24日にはノヴォロシースクへ回航され、その後、セヴァストーポリへ戻り、7月31日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加しました。



プロジェクト06363潜水艦の2番艦B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2014年12月30日に就役しました。
[潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはロシア海軍へ就役した]

黒海へ回航途中の2015年12月8日、シリア沖からシリア国内のISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2015年12月25日にセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはセヴァストーポリへ回航された]

「ロストフ・ナ・ドヌー」も、2016年7月31日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加しました。



そして2016年8月24日、警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、小型対潜艦「アレクサンドロヴェツ」(059)、「カシモフ」(055)と共に出航しました。
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この3隻は黒海で対潜戦闘訓練を行ない、敵潜水艦役を務める「ロストフ・ナ・ドヌー」と「対決」します。

ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"は2025年頃から生産を開始する

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『タス通信』より
2016年8月22日12時46分配信
【将来艦上ヘリコプター「ミノーガ」は10​​年後に生産へ入る】
モスクワ、8月22日/タス通信

プロジェクト「ミノーガ」の枠組みにおいて開発される将来海洋ヘリコプターは、約10年後に量産へ入るだろう。
合資会社『カモフ』(『ロシアン・ヘリコプターズ』へ含まれる)設計主任セルゲイ・ミヘーエフは、タス通信特派員との対談で、こう述べた。

「これは噂ではありません。これは、海軍艦載ヘリコプターの分野の専門家であるカモフ商会に決定されました。
試験設計作業の進捗についてですが、この作業は始まっています。
私が思うに、(それは)約10年を費やすでしょう。
国家受領試験の終了、ヘリコプターの量産開始、軍による評価、これらの後に、それは生まれると私共は思っております」
ミヘーエフ
は話した。

対談者によると、海軍の全ての幹部は「新世代ヘリコプターの開発の必要性を確認しました」
ミヘーエフは、コード名「ミノーガ」の下で作成される将来の機体は、カモフ設計局の伝統である同軸方式(二重反転ローター)となる事を指摘した。
「他の選択肢など有りません。
私は、航空力学の性質が故に、将来も同軸方式の将来を信じております」

彼は話した。

『カモフ』設計主任は、「ミノーガ」の為の専門技術者の作業の適時の完了は、重艦上ヘリコプターKa-27の運用継続により可能となる事を指摘した。

「今日において、海軍の基礎となるこのヘリコプターは艦へ配置され、既に30年に渡り飛んでいます。
それは、幾つかのヴァージョンが作られ、400機以上の機体が製造されています」
ミヘーエフ
は想い起し、今年、航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は5種類のKa-27を搭載すると説明した。

ロシア海軍の為の新たな艦上ヘリコプターの開発について『カモフ』設計主任は2015年夏にタス通信へ伝えた。
海軍航空隊司令官イーゴリ・コジンは、『カモフ』海軍航空隊の為の根本的に新しいヘリコプターを2020年に作成すると発言している。


ロシア(ソ連)ヘリコプターメーカーである『カモフ』は、ソ連/ロシア海軍の一連の艦載ヘリコプターを開発しましたが、艦の格納庫などの制限により、寸法を大幅に変える事は有りませんでした。
これらのヘリコプターには、一貫して二重反転ローターが採用されました。

Ka-25(1961年7月20日初飛行、1971年12月軍備採用)
メインローター直径:15.74m
全長:9.75m
全幅:3.76m
全高:5.37m
通常離陸重量:6970kg
最大離陸重量:7140kg

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Ka-27(1973年12月24日初飛行、1981年軍備採用)
メインローター直径:15.90m
全長:12.25m
全幅:3.80m
全高:5.40m
通常離陸重量:10700kg
最大離陸重量:12000kg

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そして1990年代には、Ka-27シリーズの後継として新型艦載ヘリコプターKa-40(通常離陸重量12000-13000kg、最大離陸重量14000-15000kg)が計画されましたが、資金不足により開発は中止されました。
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現在は、ロシア海軍主力艦載ヘリコプターKa-27の近代化改修が進められており、機体寿命は10年間延長されます。
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27PLとKa-27PSが近代化される]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]

しかし、Ka-27を未来永劫に渡り使用し続ける事は出来ないので、『カモフ』による新たな艦上ヘリコプターが開発されることになりました。
[ロシア海軍の為の将来多目的艦上ヘリコプターが開発される]
[ロシア海軍航空隊の為の新世代艦上ヘリコプターは2020年までに作成される]
[Ka-27の後継となるロシア海軍の新世代艦載ヘリコプターが開発される]

将来艦上ヘリコプター「ミノーガ」(ヤツメウナギ)と命名されており、機体のサイズはKa-27よりも幾分小さくなるようです。
機体設計は全く新しいものとなりますが(つまりKa-27ベースにはならない)、二重反転ローターは受け継がれます。
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプターはミノーガと命名された]
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"の為の新たな通信システムが開発される]
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"は全く新しい設計となる]

「ミノーガ」の開発が完了し、量産が始まるのは、約10年後~2025年頃になるようです。

ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはベトナムを去った

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月23日13時4分配信
【「イーゴリ・ベロウソフ」はベトナムを出航してウラジオストクへの針路を取った
モスクワ、8月23日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊最新大洋救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は、カムラン海軍基地(ベトナム)への業務寄港を終え、ウラジオストクへ針路を取った。
火曜日、東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は報道機関へ伝えた。

同船は6月1日にバルト艦隊主要基地バルチースク市から太平洋艦隊の常時駐屯所へと出航した。
移動中に太平洋艦隊将兵は、リスボン港、オラン港、リマソール港、サラーラ港、コロンボ港、ヴィシャーカパトナム港、チャンギ港への業務寄港を行なった。

「救助船イーゴリ・ベロウソフはカムラン海軍基地への業務寄港を行ない、バルチースクからウラジオストクへの艦隊間移動を続けます。
外国港への停泊中に燃料、真水、食料を補充し、地元の観光名所を見学する為の小旅行が乗組員の為に用意されました」
マトヴェーエフ
は話した。

同船は9月初頭にウラジオストクへ到着し、艦隊の捜索救助業務サービスの一員として加わる。

「イーゴリ・ベロウソフ」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』ロシア海軍の為に建造された救助船である。
それは、海底に横渡った、或いは浮上中の遭難した潜水艦乗組員の救助の為に意図されており、潜水艦水上艦へ空気、電力、救助手段を提供する。
加えて、船は遭難した物体の探知と調査を行なうことが出来る。
船の排水量は5000トン、全長は100メートル以上である。


プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)「イーゴリ・ベロウソフ」は、2005年10月24日にサンクトペテルブルク市「アドミラルティ造船所」で起工され、2012年10月30日に進水しました。
[新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水]

2014年12月25日から最初の洋上試験を開始し、2015年1月7日に終了しました。
[ロシア海軍最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフは最初の洋上試験を終えた]

その後、3月28日には次の洋上試験の為に出航しました。

8月10日、大西洋上で試験を行なう為、サンクトペテルブルクを抜錨しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフは深海試験の為に大西洋へ向かった]


「イーゴリ・ベロウソフ」大西洋上で深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40、深海潜水複合体GVK-450、遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」の深海試験などを実施しました。

深海潜水複合体GVK-450


深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40
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遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」

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大西洋及びバルト海での各種試験を終えた「イーゴリ・ベロウソフ」は2015年10月末にサンクトペテルブルクへ戻ってきました。
[ロシア海軍最新救助船(潜水艦救難艦)イーゴリ・ベロウソフは工場航行試験を完了した]

その後、「イーゴリ・ベロウソフ」バルト海国家受領試験を行ない、2015年12月下旬に完了しました。

2015年12月25日、海軍旗(聖アンドレイ旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはロシア海軍へ就役した]



「イーゴリ・ベロウソフ」搭載艇AS-40は先にウラジオストクへ移送されました。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊の救助船アラゲズへ受け入れられた]

「イーゴリ・ベロウソフ」は、就役後もバルチースクに留まり、錬成訓練を行なっていましたが、2016年6月1日、ウラジオストクへ向け出港しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはウラジオストクへ向かった]

6月10日から13日までポルトガルリスボンへ寄港しました。
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6月16日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフは地中海へ入った]

地中海ではアルジェリアキプロスを訪問し、7月13日にはスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

7月18日にオマーンサラーラ港を訪れて燃料、水、食料を補給し、7月21日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはオマーンのサラーラ港を去り、極東へ向かった]

7月末にスリランカコロンボ港を訪れ、8月1日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはスリランカを去った]

8月3日にはインドヴィシャーカパトナム港を訪れました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはインドを訪れた]

その後、シンガポールチャンギ港を訪れ、8月17日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはシンガポールを去った]

そしてベトナムカムラン港へ寄港し、8月23日に出航しました。
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「イーゴリ・ベロウソフ」ウラジオストク到着は2016年9月初頭の予定です。


プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)は、計5隻の建造が計画されており、2番船は2017年末に起工される予定です。

ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはシリア沖へ向かう前に新型艦載システムの試験を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月22日10時22分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」はシリアへの航海の前に艦載システムの動作を点検する】
モスクワ、8月22日-ロシア通信社ノーボスチ

航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は修理および近代化作業の完了後、シリアへの航海の前に、新たな艦載システムの試験の為、バレンツ海北方艦隊射爆場へ向かう。
ロシア通信社ノーボスチは月曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

現在、航空母艦ムルマンスク第35艦船修理工場に滞在し、近代化と技術的準備状態の回復を行なっている。

「全ての作業が完了した後、アドミラル・クズネツォフは、戦闘演習任務へ取り組むためにバレンツ海の北方艦隊射爆場へ向かい、乗組員と航空隊は、新たな標準装備の戦闘機MiG-29K/KUBの為の新たな艦載システムの試験を行ないます。
これは7月の訓練飛行時に予備試験が行なわれています」

対談者は話した。

彼は、北方艦隊射爆場での錬成任務への取り組みが完了した後、同艦はセヴェロモルスクの常時駐留地点へ戻り、地中海への遠距離航海の為の出航命令が下るだろうと付け加えた。

以前、北方艦隊司令部の高位の情報提供者は、「アドミラル・クズネツォフ」の乗組員が今秋に実施されるべき地中海への航海の準備を開始したとロシア通信社ノーボスチへ伝えた。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2016年前半はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホール(技術的準備状態の回復)が行なわれ、6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

7月31日の「ロシア海軍の日」には、セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は2016年10月よりも早くはならない]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月20日よりも前に地中海へ向かうかもしれない]

地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]


「アドミラル・クズネツォフ」の為の新たな艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBR(註:インド海軍向けのMiG-29K/MiG-29KUBと区別する為、ロシア海軍向けの機体に対して非公式に用いられている呼称。R「ロシア」の頭文字)は2015年末までに契約分全機(24機)が納入され、2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

第100独立艦上戦闘機航空連隊は、2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
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「アドミラル・クズネツォフ」には、艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]

2016年8月8日、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29KRが初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]
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「アドミラル・クズネツォフ」は8月12日にムルマンスク第35艦船修理工場へ戻り、オーバーホール(技術的準備状態の回復)及び部分的な近代化改装作業の第2段階が実施されます。
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この作業は2016年9月末までの完了が予定されています。。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフのオーバーホールは2016年9月末に完了する]

その後(2016年10月上旬頃)、「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア沖へ向かう前に、バレンツ海「新たな艦載システム」の動作点検を行ないます。
この「新たな艦載システム」は、おそらくは上記の艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムの事でしょう。


今年10月以降の地中海遠征から戻った後、2017年から「アドミラル・クズネツォフ」の本格的な近代化改装が始まります。
同艦の近代化改装も、ムルマンスク第35艦船修理工場で実施される事になります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2017年から近代化改装を開始する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]

ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2016』は2016年9月12日から19日まで南シナ海で実施される

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『タス通信』より
2016年8月22日7時13分配信
【ロシアと中国は国際演習『海洋協同-2016』の計画で合意した】
ウラジオストク、8月22日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクーリナ

9月12日から19日まで中国で実施されるロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』の準備の為の最終会合が湛江(チャンチアン)市(中華人民共和国)で開催され、演習及び文化的活動計画で合意された。
月曜日、タス通信東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐より伝えられた。

「最終計画会議中に、双方は演習実施海域の測量の実施、演習実施計画で合意し、スポーツ及び文化的活動の計画案に署名しました」
マトヴェーエフ
は話した。

彼によると、演習中に太平洋艦隊中国人民解放軍海軍の部隊は、南シナ海において、海上での組織的な艦船の保護及び防衛、そして合同揚陸部隊の上陸といった活動へ取り組む。


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ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

特に、昨年8月に沿海地方で実施された『海洋協同-2015』第2段階では、ロシア海軍中国海軍合同上陸演習が初めて行なわれました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同上陸演習が沿海地方で始まった]

因みに、ロシア海軍は中国以外の外国海軍とも度々合同演習を行なっていますが、合同での上陸演習は、中国以外の海軍とは行なっておりません。
この事実からも、ロシア海軍は中国海軍との合同演習を特に重要視している事は明白です。


そして今年(2016年)には『海洋協同-2016』が実施されます。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2016』の打ち合わせが北京で行われた]

合同演習は、9月12日から19日まで南シナ海で実施されます。

今回も、昨年に続きロシア海軍中国海軍合同上陸演習が実施されるようです。


2015年7月26日、新たなロシア連邦海洋ドクトリンが発表されましたが、この中では中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]

ロシア海軍黒海艦隊の為の第6のプロジェクト06363潜水艦コルピノは航行試験を開始した

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年8月19日15時16分配信
【最新ディーゼルエレクトリック潜水艦「コルピノ」は航行試験へ出発した】

ディーゼルエレクトリック潜水艦「コルピノ」は工場航行試験を開始した。
これは、サンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』で黒海艦隊の為に建造されているプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」潜水艦シリーズの最後~6隻目となる。


潜水艦「コルピノ」は2014年10月30日に起工され、2016年5月31日に進水した。
海軍への引き渡しは2016年末に予定されている。

現在、海軍には、同プロジェクト潜水艦4隻が就役している~「ノヴォロシースク」、「ロストフ・ナ・ドヌー」、「スタールイ・オスコル」、「クラスノダール」
「クラスノダール」は、「航海中の事故」の後、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で2ヶ月に渡る修理を行ない、今、黒海艦隊の常時駐留場所へと向かう。

第5の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、6月に工場航行試験へ出発した。
海軍への引き渡しは今年11月に予定されている。

プロジェクト636.3「ワルシャワンカ」潜水艦は第3世代に属する。
水中排水量3950トン、水中速力20ノット、潜航深度300メートル、乗組員52名。
近代化されたプロジェクト636は戦闘効率が向上している。
その兵装には、口径533mmの魚雷(6門の発射管)、機雷、有翼ミサイル「カリブル」が在る。


[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦の6番艦B-271「コルピノ」は、5番艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」共に2014年10月30日に起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは起工された]

2016年5月31日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第6のプロジェクト06363潜水艦コルピノは進水した]


そして8月19日、工場航行試験を開始する為にサンクトペテルブルクより出航しました。

「コルピノ」は、5番艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と共に2016年11月末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト06363潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは2016年11月末までにロシア海軍へ引き渡される]


現在、ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は4番艦まで就役しており、今年(2016年)には更に2隻が就役します。
全てサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されています。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊へ配備

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年7月3日就役
黒海艦隊に配備

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月5日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年3月18日進水/2016年11月末就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年5月31日進水/2016年11月末就役予定
黒海艦隊に配備予定



プロジェクト06363潜水艦は、今後、太平洋艦隊向けにも6隻が建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦はサンクトペテルブルクで建造される]

近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年9月に航行試験を開始する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年8月19日20時42分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は今秋に航行試験へと出航する】

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は今年秋に海上での航行試験を開始する。
以前、修復された艦は晩夏に試験を開始すると伝えられていた。


『海軍産業』(フロートプロム)は、北方艦隊巡洋艦の修理と近代化を実施しているセヴェロドヴィンスク工場『ズヴェズドーチカ』の広報サービスより伝えられた。

「8月末には、そのような計画(航行試験)は有りませんね」
対談者は説明した。

2017年初頭には、「マルシャル・ウスチーノフ」地中海での戦闘勤務へと向かわなければならない。

「マルシャル・ウスチーノフ」(プロジェクト1164「アトラント」)は、『61コムーナ記念工場』で1978年に起工された。
これまでの勤務中に「マルシャル・ウスチーノフ」は、ミサイル、砲、対潜複合体を使用した370回以上の戦闘演習を実施した。
巡洋艦は、ほぼ15万海里を航行し、公海上で1089時間を過ごした。

プロジェクト「アトラント」巡洋艦の排水量は13800トン、全長-186メートル、最大幅-20.8メートル。
艦は34ノットまでの速力を発揮できる。
乗組員は510名。
巡洋艦の主要打撃兵装は、16基のミサイル複合体P-500「バザーリト」発射機である。
加えて同艦は、砲、対空防衛手段のミサイル、魚雷発射管、深海爆弾を発射する為の反応弾発射機を装備する。


北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

既に「マルシャル・ウスチーノフ」には、MR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されています。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でしたが、2016年末に延期されました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は今年9月に開始され、今年12月末までにロシア海軍へ復帰します。
以前には、早ければ8月末から航行試験を開始すると伝えられていたのですが、今回の記事によると、8月末に航行試験開始の可能性は消えました。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年8月末-9月に航行試験を開始する]


近代化改装を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」は、復帰後の2017年初頭に地中海へ向かいます。
[近代化改装されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2017年初頭に地中海へ行く]


「マルシャル・ウスチーノフ」以外のプロジェクト1164ロケット巡洋艦も、今後の近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]

太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、2020年までに近代化改装が実施されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは2020年までに近代化改装を行なう]

ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年8月19日17時1分配信
【小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」と「セルプホフ」はシリア領内のテロリスト組織「アル=ヌスラ戦線」の目標へ有翼ミサイル「カリブル」発射を実行した】

本日(8月19日)午前10時55分、戦闘演習中の黒海艦隊小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は、地中海東部の射撃海域からシリア領内のテロリスト組織「アル=ヌスラ戦線」の目標へ有翼ミサイル「カリブル」の3回の発射を実行した。

攻撃の結果、ターザ近郊地域の指揮所とテロリスト基地、更にはアレッポ県の迫撃砲の弾薬生産工場と大型武器倉庫が破壊された。

客観的な監視によると、攻撃の結果、計画目標は破壊された。



民間人の安全を保障する為、ミサイルは無人地域の上を飛翔した。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は、ロシア内陸部ゼレノドリスクA.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場で建造され、2015年12月12日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

2016年2月8日から12日まで行なわれたロシア南方軍管区(黒海艦隊を含む)の抜き打ち演習では、上陸部隊の支援砲撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はクリミア半島で上陸演習を行なった]


「ゼリョヌイ・ドル」は2016年2月13日にセヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かい、4月14日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルはシリア沖から戻ってきた]

「セルプホフ」は2016年3月30日にセヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かい、 7月24日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦セルプホフは地中海東部へ向かった]


2隻の小型ロケット艦は、7月31日にセヴァストーポリで行なわれた「ロシア海軍の日」観艦式へ参加しました。


8月11日、地中海東部で演習を行なう為に2隻揃ってセヴァストーポリを出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは射撃演習の為に地中海東部へ向かった]
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8月12日にはボスポラス海峡を南下しました。
【alper böler氏のツイート:2016年8月12日13時13分】
ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M級ミサイルコルベットの602ゼリョヌイ・ドルと603セルプホフはボスポラス海峡を南下した。

8月15日、小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」地中海東部(シリア沖)へ到着し、演習が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは地中海東部で演習を開始した]

そして8月19日、2隻の小型ロケット艦シリア領内のテロ組織「アル=ヌスラ戦線」の施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。


有翼ミサイル「カリブル」は、2015年10月7日にカスピ小艦隊警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」(「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」の同型艦)からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ発射されています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

カスピ小艦隊の4隻の艦は、11月21日にも「カリブル」による攻撃を行なっています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

12月8日には黒海艦隊潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」地中海東部から「カリブル」による攻撃を行なっています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフのオーバーホールは2016年9月末に完了する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月19日10時14分配信
【情報筋:航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理は10月までに完了する】
モスクワ、8月19日-ロシア通信社ノーボスチ

ムルマンスク第35艦船修理工場で実施されているロシア航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化作業は9月末までに完了する。
ロシア通信社ノーボスチは金曜日にロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

以前、北方艦隊司令部の高位の情報提供者は、「アドミラル・クズネツォフ」の乗組員が今秋に実施されるべき地中海への航海の準備を開始したとロシア通信社ノーボスチへ伝えた。

「現在、航空母艦は、近代化及び技術的準備状態の回復の第2段階を実行する為、第35艦船修理工場へ到着しています。
作業は9月末までに完了しなければならず、その後、同艦は出航の準備が整います」

対談者は話した。

彼は、「アドミラルクズネツォフ」の近代化は2つの段階に分けられる事が決定されたと説明した。
航空母艦は今夏に出航し、艦上飛行士が同艦の航空団の基礎を成す新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBの発着艦へ取り組む事を可能にした。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2016年前半はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホール(技術的準備状態の回復)が行なわれ、6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

7月31日の「ロシア海軍の日」には、セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は2016年10月よりも早くはならない]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月20日よりも前に地中海へ向かうかもしれない]

地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]


「アドミラル・クズネツォフ」の為の新たな艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBR(註:インド海軍向けのMiG-29K/MiG-29KUBと区別する為、ロシア海軍向けの機体に対して非公式に用いられている呼称。R「ロシア」の頭文字)は2015年末までに契約分全機(24機)が納入され、2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

第100独立艦上戦闘機航空連隊は、2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
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「アドミラル・クズネツォフ」には、艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]

2016年8月8日、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29KRが初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]
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「アドミラル・クズネツォフ」は8月12日にムルマンスク第35艦船修理工場へ戻り、オーバーホール(技術的準備状態の回復)作業の第2段階が実施されます。
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今回の記事に登場する「ロシア防衛産業企業体の情報提供者」によると、作業は2016年9月末までに完了するとの事です。


今年10月以降の地中海遠征から戻った後、2017年から「アドミラル・クズネツォフ」の本格的な近代化改装が始まります。
同艦の近代化改装も、ムルマンスク第35艦船修理工場で実施される事になります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2017年から近代化改装を開始する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]

ただし、今回の記事によると、現在の「アドミラル・クズネツォフ」「技術的準備状態の回復」作業において、近代化改装工事の一部も実施されることになるようです。

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾で海賊対処任務に就いた

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月18日13時23分配信
【軍艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はアデン湾で対海賊当直を開始した】
カリーニングラード、8月18日-ロシア通信社ノーボスチ

バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」ジブチ港から出航し、アデン湾で対海賊当直を開始した。
バルト艦隊広報サービス代表ローマン・マルトフ1等海佐は報道陣へ伝えた。

「バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはジブチ港を去り、インド洋へ出航しました。
現在、ロシア戦闘艦は港を離れ、アフリカの角海域で対海賊当直に就いています」
マルトフ
は話した。

彼は、ロシア警備艦ジブチへの業務寄港中に軍事船員は必要な艦の物資を補充し、当直に就いていない乗組員は沿岸を訪れた事を指摘した。
停泊中にロシア軍事船員は必要な保守作業を実施し、艦の検査を行なった。

「ヤロスラフ・ムードルイ」は、6月1日にバルト艦隊主要基地バルチースクから出航した。
同艦の遠距離航海はロシア海軍の戦闘訓練計画に沿って実施される。
艦の航海の主な目的の1つは、地中海ロシア海軍常設艦船作戦連合部隊の一員としての任務遂行、更には、アフリカの角海域での民間船舶航行の安全保障である。

「ヤロスラフ・ムードルイ」は最新の多目的警備艦であり、2009年から海軍へ加わっている。
同艦は、敵潜水艦の捜索、探知および追跡、海上での戦闘艦の対艦及び対潜防衛の保障、陸上部隊の戦闘活動を支援し、海洋揚陸部隊の上陸を支援する為に意図されている。


バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(2009年7月24日就役)は、2016年6月1日にバルチースクを出航し、6月11日には地中海中部マルタ島を訪問、6月14日にマルタを出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイ、マルタ島訪問(2016年6月11日)]
[バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはロシア海軍地中海作戦連合部隊へ参加する]

その後、地中海東部へ到着し、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の一員として行動していました。

6月17日にはアメリカ海軍駆逐艦と「ニアミス」を起こしました。
[地中海東部でアメリカ海軍駆逐艦はロシア海軍の警備艦ヤロスラフ・ムードルイへ接近した]

その後の動向は一切明らかにされていませんでしたが、地中海を出て紅海へ移動し、ジブチ港へ寄港していました。
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そして8月18日にジブチを出航し、アフリカの角(アデン湾)海賊対処任務に就きました。
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「ヤロスラフ・ムードルイ」は、以前にも2014年9月~10月にアデン湾で海賊対処任務に就いており、今回で2度目になります。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]


なお、「ヤロスラフ・ムードルイ」の舷側番号は、就役以降一貫して「727」でしたが、最近、「777」に変更されました。

「ヤロスラフ・ムードルイ」は、2012年4月からロシア皇帝家(ロマノフ家)の後援を受けています。
[ロマノフ家は警備艦ヤロスラフ・ムードルイを後援する]

ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはタイへ向かった

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『タス通信』より
2016年8月18日4時45分配信
【太平洋艦隊の病院船「イルティシュ」はASEANの演習へ参加する為にバンコクへ向かった】
ウラジオストク、8月18日/タス通信特派員マリーナ・シャチロワ

太平洋艦隊病院船「イルティシュ」は、ASEAN(東南アジア諸国連合)が参加する国際演習へ参加する為、木曜日にウラジオストクからバンコク(タイ)へ向かった。
タス通信は、東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐より伝えられた。

「太平洋艦隊病院船イルティシュはASEAN諸国の人道へ指向される国際演習へ参加する為に出航し、バンコク港(タイ王国)への移動を開始しました。
合同演習『ADMMプラス』は、2016年9月1日から11日まで、南シナ海のチョンブリ-及びサイアム湾海域で実施されます」

艦隊の代理人は伝えた。

彼によると、演習中に自然災害時の援助活動への取り組みが行なわれる。
「イルティシュ」は重傷者を受け入れる為の病室が配置され、艦隊の医療チームは援助を提供し、海上条件下での活動を実施する。
仮想被災者は、艦載ヘリコプターK-27PS及び高速艇により送られる。

プロジェクト320病院船「イルティシュ」は、沿岸および海上での負傷者及び病人を受け入れる事が出来る。
船内には、患者100名分のベッドが在り、緊急時には450名を受け入れる。
更に200名分のリハビリテーション用のベッドが在る。
航海へ行く前に同船は近代化が実施され、医療機器は最新のものとなった。


プロジェクト320病院船「イルティシュ」は、ポーランドシュチェチン造船所で1988年11月25日に起工され、1989年7月6日に進水し、1990年7月31日に竣工し、1990年8月10日にソ連海軍へ就役しました。
就役後は太平洋艦隊へ配備されました。

2013年秋からナホトカ艦船修理工場で近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のオビ級病院船は復帰する]

近代化改装終了後、2016年5月にはクリル諸島マトゥア島(松輪島)の調査へ参加しました。
[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]

その後、2016年8月18日、ASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス』へ参加する為、ウラジオストクを出航してタイバンコクへ向かいました。

ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはシンガポールを去った

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月17日4時33分配信
【救助船「イーゴリ・ベロウソフ」はチャンギ港から出航した】
ウラジオストク、8月17日-ロシア通信社ノーボスチ、スヴェトラーナ・ザジェーラ

太平洋艦隊救助船「イーゴリ・ベロウソフ」海軍基地チャンギ港(シンガポール)から出航した。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービスは発表した。

「救助船イーゴリ・ベロウソフは海軍基地チャンギへの業務寄港を行ない、バルト艦隊から太平洋艦隊への艦隊間移動を続けます。
外国港への停泊中、駐屯場所へ燃料、真水、食料が補充され、乗組員の為に、観光名所を見学する為の旅行が用意されました」

声明では、こう述べられた。

「イーゴリ・ベロウソフ」は6月1日にバルト艦隊主要基地バルチースク市から太平洋艦隊の常時駐屯所へと出航した。
移動中に太平洋艦隊将兵は、リスボン港、オラン港、リマソール港、サラーラ港、コロンボ港、ヴィシャーカパトナム港への業務寄港を行なった。

同船は9月初頭にウラジオストクへ到着し、艦隊の捜索救助業務サービスの一員として加わる。

「イーゴリ・ベロウソフ」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』ロシア海軍の為に建造された救助船である。
それは、海底に横渡った、或いは浮上中の遭難した潜水艦乗組員の救助の為に意図されており、潜水艦水上艦へ空気、電力、救助手段を提供する。
加えて、船は遭難した物体の探知と調査を行なうことが出来る。
船の排水量は5000トン、全長は100メートル以上である。


プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)「イーゴリ・ベロウソフ」は、2005年10月24日にサンクトペテルブルク市「アドミラルティ造船所」で起工され、2012年10月30日に進水しました。
[新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水]

2014年12月25日から最初の洋上試験を開始し、2015年1月7日に終了しました。
[ロシア海軍最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフは最初の洋上試験を終えた]

その後、3月28日には次の洋上試験の為に出航しました。

8月10日、大西洋上で試験を行なう為、サンクトペテルブルクを抜錨しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフは深海試験の為に大西洋へ向かった]


「イーゴリ・ベロウソフ」大西洋上で深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40、深海潜水複合体GVK-450、遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」の深海試験などを実施しました。

深海潜水複合体GVK-450


深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40
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遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」

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大西洋及びバルト海での各種試験を終えた「イーゴリ・ベロウソフ」は2015年10月末にサンクトペテルブルクへ戻ってきました。
[ロシア海軍最新救助船(潜水艦救難艦)イーゴリ・ベロウソフは工場航行試験を完了した]

その後、「イーゴリ・ベロウソフ」バルト海国家受領試験を行ない、2015年12月下旬に完了しました。

2015年12月25日、海軍旗(聖アンドレイ旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはロシア海軍へ就役した]



「イーゴリ・ベロウソフ」搭載艇AS-40は先にウラジオストクへ移送されました。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊の救助船アラゲズへ受け入れられた]

「イーゴリ・ベロウソフ」は、就役後もバルチースクに留まり、錬成訓練を行なっていましたが、2016年6月1日、ウラジオストクへ向け出港しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはウラジオストクへ向かった]

6月10日から13日までポルトガルリスボンへ寄港しました。
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6月16日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフは地中海へ入った]

地中海ではアルジェリアキプロスを訪問し、7月13日にはスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

7月18日にオマーンサラーラ港を訪れて燃料、水、食料を補給し、7月21日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはオマーンのサラーラ港を去り、極東へ向かった]

7月末にスリランカコロンボ港を訪れ、8月1日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはスリランカを去った]

8月3日にはインドヴィシャーカパトナム港を訪れました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはインドを訪れた]

その後、シンガポールチャンギ港を訪れ、8月17日に出航しました。
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「イーゴリ・ベロウソフ」ウラジオストク到着は2016年9月初頭の予定です。


プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)は、計5隻の建造が計画されており、2番船は2017年末に起工される予定です。

ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月20日よりも前に地中海へ向かうかもしれない

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『インタファクス』より
2016年8月16日9時41分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は10月20日よりも前に遠距離航海へ出発するかもしれない】
モスクワ、8月16日、インタファクス・ロシア

北方艦隊の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、以前に予定されていた時期-10月20日よりも前に遠距離航海へ向かうかもしれない。
『インタファクス』は火曜日に消息筋より伝えられた。

「8月12日、航空母艦はメンテナンス及び技術的準備状態の回復の第2段階を続行する為、第35艦船修理工場へ到着しました。
以前、この操作は8月15日以降に計画されていました。
同艦が第35艦船修理工場を去るのは10月1日ではなく、少なくとも1週間程度は早くなるでしょう。
従いまして、遠距離航海への航空母艦の出発も、以前に計画されていた10月20日以降よりも前になるでしょう」

対談者は話した。

航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」率いる北方艦隊艦船グループの遠距離航海の航路については、未だ伝えられていない。
以前、航空母艦は数度に渡り地中海東部で任務を遂行した。

伝えられるところによれば、4~5ヶ月間に渡って続く航海で、航空母艦は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船を伴う。

最近まで第35艦船修理工場(『統合造船業営団』の構成に含まれている艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の支所)でメンテナンス及び技術的準備状態の回復の第1段階が実施されていた航空母艦は、その後、北方艦隊海軍航空隊第279独立艦上戦闘機航空連隊及び最近に編成された第100独立艦上戦闘機航空連隊の艦上飛行士の訓練を支援した。

第279独立艦上戦闘機航空連隊の航空機は、サキ航空隊地上試験訓練複合体「ニートカ」での訓練を実施した後、7月初頭に航空母艦へ到着した。

現在、第100独立艦上戦闘機航空連隊の航空機は、同連隊の航空機の大部分がエイスク(クラスノダール地方)に建設されている新たな複合体ニートカに滞在している為、航空母艦の遠距離航海への参加及び飛行士の航空母艦での飛行訓練の完全なサイクルに関しては完全に明瞭では無い。

公式データによると、この複合体は今年末までに飛行訓練の為の技術的準備が整う。
一方、クリミア複合体ニートカは再び休止する。

公式データによると、サキ複合体ニートカでは、民間の試験飛行士、更には第100独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士を含む計7名のMiG-29KR飛行士が飛行訓練を行なっていた。

第100独立艦上戦闘機航空連隊の軍備は、生産組合『ミグ』により開発された新たな戦闘機MiG-29KRとMiG-29KUBRであり、第279独立艦上戦闘機航空連隊の軍備は航空機Su-33Su-25UTGである。

専門家は、「アドミラル・クズネツォフ」艦上の戦闘機MiG-29KRの存在は、この航空機が水上及び地上目標へ打撃を与える事が可能であるが故に、大いなる打撃力を得る事になると考える。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2016年前半はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホール(技術的準備状態の回復)が行なわれ、6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

7月31日の「ロシア海軍の日」には、セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は2016年10月よりも早くはならない]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]

地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]


「アドミラル・クズネツォフ」の為の新たな艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBR(註:インド海軍向けのMiG-29K/MiG-29KUBと区別する為、ロシア海軍向けの機体に対して非公式に用いられている呼称。R「ロシア」の頭文字)は2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

第100独立艦上戦闘機航空連隊は、2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
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「アドミラル・クズネツォフ」には、艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]

2016年8月8日、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29KRが初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]
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「アドミラル・クズネツォフ」は8月12日にムルマンスク第35艦船修理工場へ戻り、オーバーホール(技術的準備状態の回復)作業の第2段階を実施します。
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以前の計画では、8月15日以降に第35艦船修理工場へ戻り、オーバーホール作業は10月1日までに終了し、その後、10月20日以降に地中海への遠距離航海へ出発する事になっていました。
しかし、予定よりも早く第35艦船修理工場へ戻った為、オーバーホールの完了も予定より早くなるかもしれず、これに伴い、遠距離航海へ出発する時期も早まるかもしれません。

ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ウスチ・カムチャツクは機雷敷設及び魚雷発射訓練を行なった

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2016年8月15日6時51分配信
【太平洋艦隊の潜水艦「ウスチ・カムチャツク」は海上で戦闘訓練任務を遂行した】
ペトロパブロフスク・カムチャツキー、8月15日、インタファクス-極東

太平洋艦隊ディーゼル潜水艦「ウスチ・カムチャツク」の乗組員は、同艦隊の海上射爆場において一連の戦闘訓練任務を成功裏に遂行した。
月曜日に太平洋艦隊広報サービスは発表した。

「錬成任務への移行の枠組みにおいてウスチ・カムチャツク乗組員は、艦隊の機雷掃海部隊と協同で水上及び地中位置への掃海網の敷設を行ない、自身での機雷源形成の任務へ取り組み、そして機雷の敷設を実行しました」
声明では、こう述べられた。

加えて、「ウスチ・カムチャツク」の乗組員は、仮想敵の潜水艦及び水上艦の探索および追跡の複合活動へ取り組み、その後、模擬目標への魚雷発射訓練を実施した。
客観的な監視手段は、魚雷発射が成功裏に実施された事を確認した。

「出航中に船員は様々な種類の訓練を含む10回の艦内演習:ダメージコントロール、乗組員の組織的な日常活動、水上及び水中での航法、複合戦闘訓練を実施し、艦及び乗組員の高い有効性が確認されました」
声明は伝えた。

広報サービスは、プロジェクト877ディーゼルエレクトリック潜水艦が騒音の少ない潜水艦の1つである事を指摘した。
これらは、水上艦及び潜水艦との戦闘、機雷源の敷設、偵察の実施の為に意図されている。


プロジェクト877通常動力潜水艦B-464は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市『レーニン共産党青年団記念造船工場』(現アムール造船工場)で1989年5月26日に起工され、同年9月23日に進水し、翌1990年1月30日に当時のソ連海軍へ引き渡され、赤旗太平洋艦隊へ編入されました。

就役後はペトロパブロフスク・カムチャツキーに駐留する第182潜水艦旅団へ配備され、カムチャツカ方面で活動していました。
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2003年3月19日に「ウスチ・カムチャツク」と命名されました。

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2011年11月30日、ウラジオストク南部ウリス湾へ回航され、翌12月1日に第19潜水艦旅団へ転属しました。
[キロ級潜水艦「ウスチ・カムチャツク」はウラジオストクに配置換えされる]

以後、ウリス湾を拠点として活動しています。
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ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦と大型対潜艦はバレンツ海で砲撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2016年8月15日18時45分配信
【北方艦隊の艦は海上及び沿岸目標への戦闘砲射撃を実施した】

北方艦隊の夏季演習期間中の部隊及び軍の戦闘訓練計画に沿って、駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、「セヴェロモルスク」で構成される打撃艦グループは、バレンツ海及びコラ半島沿岸の艦隊射爆場において、海上及び閉鎖された沿岸の目標への砲射撃を実施した。

射撃は、主要艦砲-駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」130mm砲及び大型対潜艦100mm砲から、事前に放出された海上目標及び沿岸目標へ実施された。

戦闘演習実施の枠組みにおいて、見えない沿岸目標への射撃の為の照準の為、航空隊と、陸軍及び北方艦隊沿岸部隊独立自動車化射撃兵旅団無人機部隊との連携への取り組みが行なわれた。
更には、彼等の支援による射撃の実施の有効性が評価された。

砲射撃の完了後、艦船グループはバレンツ海で任務の遂行を続ける。

安全上の理由により、バレンツ海の砲射撃実施エリアと、その上空は、船舶航行及び民間航空機の飛行が禁じられた。


北方艦隊の駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、「セヴェロモルスク」は、2016年8月10日に出航し、バレンツ海で対潜戦闘訓練を行なっていました。

『タス通信』より
2016年8月10日10時12分配信
【北方艦隊の対潜艦はバレンツ海の演習で「敵」を探索する】

8月15日には原潜「オブニンスク」の魚雷発射訓練で「敵役」を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦オブニンスクはバレンツ海で魚雷を発射した]

その後、バレンツ海で砲撃訓練を実施しました。

この3隻は、砲撃訓練終了後もバレンツ海で任務を遂行するとの事ですから、演習はこれで終わりではないようです。

ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島へ向かった

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『Lenta.Ru』より
2016年8月15日12時50分配信
【戦略ロケット艦「ウラジーミル・モノマーフ」は太平洋艦隊へと去った】

戦略用途ロケット水中巡洋艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、太平洋艦隊の常時勤務場所へと向かった。
8月15日・月曜日、『Lenta.Ru』防衛産業の情報提供者より伝えられた。

新たなプロジェクト966「ボレイ」ロケット艦は、2015年にK-550「アレクサンドル・ネフスキー」が到着した後、太平洋艦隊潜水艦部隊の一員となる同型の第2の艦となる。

「モノマーフは、試験と乗組員の習熟を完了した後、以前に承認された計画に沿って極東へ向かいました。
艦隊間移動中に巡洋艦は戦闘任務を遂行します。
常時駐留地ヴィリュチンスクへの到着は、9月になるでしょう」

情報提供者は伝えた。

「モノマーフ」太平洋艦隊第25潜水艦師団の一員として勤務に就く。
現在、同隊には「アレクサンドル・ネフスキー」の他に、1980年から1982年に海軍へ就役した3隻のプロジェクト667BDR「カリマール」ロケット艦が含まれている。
2020年末までには、全ての同プロジェクト艦が「ボレイ」型ロケット艦と入れ代わる事になるだろう。

「ウラジーミル・モノマーフ」『セヴマシュ』工場で2006年3月に起工され、2012年12月に進水し、翌年秋に試験へと出発し、それが完了した後、2014年12月に海軍へ引き渡された。
艦の水中排水量は24000トン、最大速力は29ノット、潜航深度は480メートルである。
同プロジェクトの潜水艦は、16基の大陸間弾道ミサイルR-30「ブラヴァー」を有するD-30ミサイル複合体で武装する。

現在、3隻のプロジェクト955ロケット艦ロシア海軍に在籍している:K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」、K-550「アレクサンドル・ネフスキー」、K-551「ウラジーミル・モノマーフ」
更に4隻の同型の水中巡洋艦が、現在、様々な建造段階に在る。
2016年末までに8番艦の起工が予定されている。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

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第4世代プロジェクト955原子力戦略用途水中巡洋艦「ボレイ」の3番艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水2014年12月10日に竣工、12月19日にロシア海軍へ就役しました。
同艦は、書類上は太平洋艦隊第25潜水艦師団に所属しています。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]

就役前の2014年9月10日に初めて弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはブラヴァー弾道ミサイル発射に成功した]

就役後の12月26日にセヴェロドヴィンスクを出航し、北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフは北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着した]

以後もガジエヴォに「仮住まい」しながら慣熟訓練を行ない、2015年11月14日夜には弾道ミサイル「ブラヴァー」2発を一斉発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略原潜ボレイ級3番艦ウラジーミル・モノマーフは弾道ミサイル"ブラヴァー"を2発同時にカムチャツカ半島へ発射した]

2016年も引き続きバレンツ海で各種訓練を行なっています。

[ロシア海軍最新鋭原子力戦略用途水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフはバレンツ海での訓練を終えて基地へ戻った]

「ウラジーミル・モノマーフ」は、2016年5月末までには戦闘勤務(戦略パトロール任務)へ就く為の準備が整いました。
[ロシア海軍最新鋭原子力戦略用途水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフは戦闘準備を整える]

そして2016年8月15日、「ウラジーミル・モノマーフ」は、北方艦隊基地を去り、カムチャツカの原潜基地ヴィリュチンスクへ向かいました。
記事中では触れられていませんが、北極海経由でカムチャツカへと移動します。
ヴィリュチンスクへの到着は9月下旬になるでしょう。
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記事中で触れられていますが、同型艦「アレクサンドル・ネフスキー」は、2015年9月30日にヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]

太平洋艦隊には、最終的に4隻の「ボレイ」級戦略原潜が配備され、現在配備されているプロジェクト667BDR(デルタIII級)と交代します。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ4隻の第4世代戦略原潜ボレイ級が配備される]

ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは地中海東部で演習を開始した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年8月15日14時26分配信
【地中海でロシア海軍艦艇グループの演習が始まった】

8月15日、ロシア打撃艦グループ地中海東部で戦術演習を開始した。
地中海における演習活動は、海軍の戦闘訓練計画に基づいて実施される。

演習中、テロリストに関連した危機的状況下で行動する艦隊の部隊の能力がチェックされる。

小型ロケット艦「セルプホフ」「ゼリョヌイ・ドル」で構成される打撃艦グループは、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の艦船と連携し、実際の戦闘に限りなく近い条件下での砲及びミサイル射撃の実施を含めた一連の任務へ取り組む。

小型ロケット艦「セルプホフ」「ゼリョヌイ・ドル」は、最新の海洋配置長距離有翼ミサイル「カリブル」を装備する近代化された「ブヤン-M」シリーズ艦である。

ロシア海軍の同クラスの艦のミサイルは、2015年、シリアに位置するテロ組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の施設へ効果的な打撃を与えた。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は、ロシア内陸部ゼレノドリスクA.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場で建造され、2015年12月12日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

2016年2月8日から12日まで行なわれたロシア南方軍管区(黒海艦隊を含む)の抜き打ち演習では、上陸部隊の支援砲撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はクリミア半島で上陸演習を行なった]


「ゼリョヌイ・ドル」は2016年2月13日にセヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かい、4月14日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルはシリア沖から戻ってきた]

「セルプホフ」は2016年3月30日にセヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かい、 7月24日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦セルプホフは地中海東部へ向かった]


2隻の小型ロケット艦は、7月31日にセヴァストーポリで行なわれた「ロシア海軍の日」観艦式へ参加しました。



8月11日、地中海東部で演習を行なう為に2隻揃ってセヴァストーポリを出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは射撃演習の為に地中海東部へ向かった]
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8月12日にはボスポラス海峡を南下しました。
【alper böler氏のツイート:2016年8月12日13時13分】
ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M級ミサイルコルベットの602ゼリョヌイ・ドルと603セルプホフはボスポラス海峡を南下した。


そして8月15日、小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」地中海東部(シリア沖)へ到着し、演習が始まりました。


現在、地中海東部には、「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」以外に、少なくとも以下の8隻のロシア海軍の艦船が滞在しています。
この内の何隻かは「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」の演習へ参加するようです。

警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊)
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」(北方艦隊)
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊)
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」(黒海艦隊)
海洋曳船MB-31(黒海艦隊)
中型海洋給油船「イマン」(黒海艦隊)



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なお、本日、カスピ小艦隊の20隻以上の艦艇も、カスピ海で演習を行なう為に出航しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月15日11時0分配信
【カスピ小艦隊の艦艇は大規模演習の為に出航した】

出航したのは、プロジェクト11661K警備艦「タタールスタン」、「ダゲスタン」、プロジェクト21631小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ヴェリキー・ウスチュグ」、プロジェクト21630小型砲艦「ヴォルゴドンスク」、「マハチカラ」、基地掃海艇泊地掃海艇、その他の支援船です。

カスピ小艦隊の艦船グループは、仮想敵の水上艦及び航空機(南方軍管区所属機)との戦闘、陸上、海上、空中目標への砲とミサイルの発射、移動中の支援船からの物資の受け入れの訓練を実施します。

ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦オブニンスクはバレンツ海で魚雷を発射した

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『タス通信』より
2016年8月15日12時2分配信
【北方艦隊の潜水艦はバレンツ海で「敵」艦を攻撃した】
ムルマンスク、8月15日/タス通信特派員イリヤ・ヴィノグラードフ

月曜日、北方艦隊多目的原子力潜水艦「オブニンスク」は、バレンツ海の演習において仮想敵の艦船支隊を魚雷兵器で攻撃した。
タス通信は同艦隊の広報サービスより伝えられた。

「潜水艦の乗組員は指定の深度及び距離で艦船支隊へ4基の魚雷を実際に発射しました」
広報サービスは話した。

仮想敵の役割は、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、「セヴェロモルスク」、小型対潜艦「ブレスト」、「ユンガ」が務めた。
艦隊が説明したように、射撃は成功裏に実施され、目標は指定された精度で撃破された。


プロジェクト671RTMK「シチューカ」(NATOコード名「ヴィクターIII」)巡洋潜水艦K-138は、1988年12月7日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)アドミラルティ造船所で起工され、1989年8月5日に進水しました。
その後、内陸水路経由でセヴェロドヴィンスクへ運ばれ、1989年11月から12月に掛けて工場航行試験及び国家受領試験が実施されました。
1990年5月10日に海軍へ納入され、赤旗北方艦隊・第1潜水艦小艦隊・第33潜水艦師団へ編入されました。

1992年7月3日、原子力大型潜水艦に類別変更され、B-138と改称されました。

2000年5月5日、オブニンスク市と後援協定が締結され、「オブニンスク」と命名されました。

2001年7月、第11潜水艦師団(対空母師団)へ転属しました。

2011年から艦船修理工場「ネルパ」で修理(と寿命延長近代化)が行なわれ、2014年5月16日に進水しました。
[修理中のヴィクターIII級原潜オブニンスクは進水した]
修理は2015年秋に完了しました。

2014年12月8日、バレンツ海から沿岸の射爆場へ有翼ミサイル(カリブル?)を発射しました。
[ロシア海軍のヴィクターIII級原潜オブニンスクはバレンツ海から巡航ミサイルを発射した]

2015年7月26日の「ロシア海軍の日」セヴェロモルスク北方艦隊の観艦式へ参加した事以外、「オブニンスク」の動向が当局から公表される事は有りませんでしたが、2015年12月22日に「遠距離航海任務」を終えてザオゼルスク基地へ帰港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦オブニンスクは長期航海を終えて基地へ戻ってきた]


その後の動向も公表される事は有りませんでしたが、今回の記事の通り、8月15日にバレンツ海で魚雷発射訓練を行ないました。


今回の記事で「敵役」として名前が出ている大型対潜艦2隻、小型対潜艦2隻は、8月10日に出航し、バレンツ海で対潜戦闘訓練を行なっていました。

『タス通信』より
2016年8月10日10時12分配信
【北方艦隊の対潜艦はバレンツ海の演習で「敵」を探索する】

「オブニンスク」は、この対潜艦部隊魚雷を発射したようです。

記事中では「目標は撃破された」と書かれていますが、無論、この4隻へ魚雷が命中したわけでは無く、曳航標的を撃破したのでしょう。


現在のロシア連邦海軍における原子力潜水艦の分類は以下の通りです。

重原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト941「アクラ」(タイフーン)
原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト667BDRM「デリフィン」(デルタIV)、プロジェクト667BDR「カリマール」(デルタIII)、プロジェクト955「ボレイ」
原子力水中巡洋艦:プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)、プロジェクト885「ヤーセン」
原子力巡洋潜水艦:プロジェクト971「シチューカ-B」(アクラ)
原子力大型潜水艦:プロジェクト945「バラクーダ」(シエラI)、プロジェクト945A「コンドル」(シエラII)、プロジェクト671RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)


弾道ミサイル或いは有翼ミサイルの専用垂直発射機を装備する原潜西側で言う所のSSBNSSGNに該当する艦は「水中巡洋艦」に分類されています。
一方、いわゆる「魚雷攻撃型原潜」は、「原子力大型潜水艦」に分類されています。
今回の記事に登場する「オブニンスク」も含めて。

ただ、プロジェクト971のみは「原子力巡洋潜水艦」と、「原子力水中巡洋艦」「原子力大型潜水艦」の中間的な分類となっております。
上記の分類はソ連邦解体後の1992年に定められたものですが、この当時、971魚雷発射管から発射できる長射程有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)を搭載し、原子力戦略用途水中巡洋艦を補完する戦力と見なされていた為、他の魚雷攻撃型原潜と区別して「巡洋潜水艦」となりました。

ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは射撃演習の為に地中海東部へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年8月11日12時41分配信
【ロシア黒海艦隊の打撃艦グループは地中海東部で戦術演習を実施する】

黒海艦隊の戦闘訓練計画に沿って、最新鋭小型ロケット艦「セルプホフ」「ゼリョヌイ・ドル」を含む打撃艦グループは、2016年8月15日から地中海東部戦術演習を開始する。
演習には海軍の数隻の支援船が関わる。

現在、小型ロケット艦は主要駐留地点(セヴァストーポリ市)から出航しており、黒海から地中海への承認された航路を移動している。

戦術演習では、テロリストの脅威に関連した危機的状況下で行動する艦隊の部隊の能力がチェックされる。

黒海艦隊打撃艦グループの一連の戦闘演習任務の遂行が計画されている。
特に、小型ロケット艦「セルプホフ」「ゼリョヌイ・ドル」は、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊と連携し、国際信号コード(MSS-65)に沿った信号の発信による組織的通信、遭難した艦の救助任務、船上へ侵入したテロリストの拘留、更には、実際の戦闘に限りなく近い条件下での及びミサイル射撃の実施へ取り組む。

黒海艦隊艦船の駐留地点への帰港は2016年8月末に予定されている。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は、ロシア内陸部ゼレノドリスクA.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場で建造され、2015年12月12日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

2016年2月8日から12日まで行なわれたロシア南方軍管区(黒海艦隊を含む)の抜き打ち演習では、上陸部隊の支援砲撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はクリミア半島で上陸演習を行なった]


「ゼリョヌイ・ドル」は2016年2月13日にセヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かい、4月14日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルはシリア沖から戻ってきた]

「セルプホフ」は2016年3月30日にセヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かい、 7月24日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦セルプホフは地中海東部へ向かった]


2隻の小型ロケット艦は、7月31日にセヴァストーポリで行なわれた「ロシア海軍の日」観艦式へ参加しました。



8月11日、地中海東部で演習を行なう為に2隻揃ってセヴァストーポリを出航しました。
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8月12日にはボスポラス海峡を南下しました。
【alper böler氏のツイート:2016年8月12日13時13分】
ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M級ミサイルコルベットの602ゼリョヌイ・ドルと603セルプホフはボスポラス海峡を南下した。


小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」は、8月15日から地中海東部(シリア沖)で演習を実施します。

演習中に2隻の艦はミサイルを発射するとの事ですから、A-190-01「ウニヴェルサール」100mm砲有翼ミサイル「カリブル」を発射するようです。


現在、地中海東部には、少なくとも以下の8隻のロシア海軍の艦船が滞在しています。
この内の何隻かは「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」の演習へ参加する事になるでしょう。

警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊)
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」(北方艦隊)
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊)
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」(黒海艦隊)
海洋曳船MB-31(黒海艦隊)
中型海洋給油船「イマン」(黒海艦隊)
工作船PM-138(黒海艦隊)



なお、カスピ小艦隊プロジェクト11661K警備艦「タタールスタン」、「ダゲスタン」、プロジェクト21631小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ヴェリキー・ウスチュグ」支援船から成る「打撃艦グループ」も、8月15日からカスピ海南西部戦術演習を実施します。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月9日11時46分配信
【ロシア海軍カスピ小艦隊の演習は8月15日から20日まで実施される】

こちらも、「テロリストの脅威に関連した危機的状況下で行動する艦隊の部隊の能力がチェック」され、「実際の戦闘に限りなく近い条件下での砲及びミサイル射撃」が実行されます。
(「ダゲスタン」、「グラード・スヴィヤージスク」、「ヴェリキー・ウスチュグ」有翼ミサイル「カリブル」を装備)

カスピ小艦隊には、もう1隻のプロジェクト21631小型ロケット艦「ウグリーチ」が居ますが、同艦は国際海軍競技会『海洋杯-2016』(8月1日~13日)に出場している為、今回の戦術演習には参加していません。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は国際海軍競技会『海洋杯-2016』へ参加する為にノヴォロシースクへ到着した]

ロシア海軍第5世代多用途原潜ハスキー級の建造は2020年以降に始まる

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月8日22時42分配信
【第5世代原子力潜水艦の建造は2020年以降に始まる】
モスクワ、8月8日-ロシア通信社ノーボスチ

(ロシア)国防省第5世代多目的原子力潜水艦の開発契約を承認し、潜水艦の建造は2020年以降に開始される。
サンクトペテルブルク海洋機械製造局『マラヒート』総取締役ウラジーミル・ドロフェーエフは発表した。

「国防省との契約が締結され、新世代艦の作成作業が始まりました。
次世代艦が作成される時期は-2020年以降には現実のものとなるでしょう」
ドロフェーエフ
ラジオ局『エコー・モスクワ』の生放送で発言した。

以前、『統合造船業営団』は、第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー」の外観の形成作業が始まったと発表した。
それは、プロジェクト885「ヤーセン」原子力潜水艦を代替する。

これまでに知られているのは、新たな多目的潜水艦将来戦略原子力潜水艦と最大限の統一を図る事と、その兵装が極超音速有翼ミサイル「ツィルコン」という事だけである。


ソ連/ロシア海軍攻撃原潜(多用途原潜)を手掛けてきた『マラヒート』機械製造局は、既に第5世代多用途原子力潜水艦「ハスキー」の設計作業に取り掛かっています。
[第5世代多用途潜水艦はステルス性を重視する]
[ロシア海軍第5世代多用途原潜は複殻式船体となり、排水量は12000トン以下になるだろう]
[ロシア海軍第5世代多用途原潜は水中無人機を搭載する]
[ロシア海軍第5世代多用途原子力潜水艦の開発作業は進行中である]
[ロシア海軍の為の第5世代多用途原潜ハスキー級の開発は進められている]

第5世代多用途原子力潜水艦「ハスキー」は、モジュール方式(基本型は攻撃原潜であり、有翼ミサイル区画を挿入すれば有翼ミサイル原潜になる)となるようです。
[ロシア海軍の為の第5世代多用途原子力潜水艦はモジュール方式となる]

この他、旧ソ連海軍「アルファ」級のような大幅な自動化による省力化も検討されています。
[ロシア海軍は自動化原潜の建造を検討する]

「ハスキー」級には、現在開発中の極超音速有翼ミサイル「ツィルコン」が装備されます。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]
[ロシア海軍第5世代多用途原子力潜水艦ハスキー級は極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"を装備する]

ロシア造船業界の総元締・総本山である『統合造船業営団』は、「ハスキー」級の設計原案は2018年には出来上がると発表しました。
[ロシア海軍第5世代多用途原子力潜水艦ハスキー級の設計原案は2018年に出来上がる]

2016年4月、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、第5世代原子力潜水艦「ハスキー」級多用途原潜戦略原潜を統合すると発言しました。
[ロシア海軍第5世代原潜ハスキー級は多用途原潜と戦略原潜を統合する?]

しかし、「ハスキー」級を設計する『マラヒート』機械製造局のトップ、ウラジーミル・ドロフェーエフ氏は、「ハスキー」級弾道ミサイルを搭載する事は出来ないと述べました。
[ロシア海軍第5世代多用途原潜ハスキー級は第4世代原潜ヤーセン級の経験を基に開発され、弾道ミサイルを搭載しない]

「ハスキー」級の開発契約は既に締結されており、2020年以降に建造が始まります。

ロシア海軍第4世代多用途原潜プロジェクト885「ヤーセン」の建造は、2023年に就役する予定の7番艦で終了します。
[ロシア海軍第4世代多用途原潜ヤーセン級は2023年までに計7隻が就役する]

その後、第5世代多用途原潜「ハスキー」級の建造へ移行する事になるでしょう。
或いは、「ヤーセン」級が全て完成する前に「ハスキー」級の建造が始まる可能性も有りますが・・・

ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2016年8月9日16時24分配信
【戦闘機MiG-29KRは航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」への初めての着艦を行なった】
モスクワ、8月9日、インタファクス-ロシア

最近に再編された北方艦隊海軍航空隊第100独立艦上戦闘機航空連隊の標準装備である戦闘機MiG-29KRは、重航空機巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の甲板への初めての着艦を行なった。
火曜日、『インタファクス』は消息筋より伝えられた。

「昨日(8月8日)の夕方、連隊司令が操縦する第100独立艦上戦闘機航空連隊の機体は初めて航空母艦へ着艦しました」
対談者は説明した。

以前、7月31日の海軍の日を祝った後、航空母艦は艦上航空隊飛行士の訓練を続行する為にセヴェロモルスク泊地へ入ると伝えられた。

「おおよそ8月15日以降、航空母艦はメンテナンス及び技術的準備状態の回復の第2段階を続行する為に第35艦船修理工場へ戻り、10月1日まで滞在します
対談者は説明した。

航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」率いる北方艦隊艦船グループは、10月20日以降に遠距離航海への出発が計画されている。
以前、航空母艦は数度に渡り地中海東部で任務を遂行した。

伝えられるところによれば、4~5ヶ月間に渡って続く航海で、航空母艦は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船を伴う。

最近まで第35艦船修理工場(『統合造船業営団』の構成に含まれている艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の支所)でメンテナンス及び技術的準備状態の回復の第1段階が実施されていた航空母艦は、その後、北方艦隊海軍航空隊第279独立艦上戦闘機航空連隊の艦上飛行士の訓練を支援した。

第279独立艦上戦闘機航空連隊の航空機は、サキ航空隊地上試験訓練複合体「ニートカ」での訓練を実施した後、7月に航空母艦へ到着した。

現在、第100独立艦上戦闘機航空連隊の航空機は、同連隊の航空機の大部分がエイスク(クラスノダール地方)に建設されている新たな複合体ニートカに滞在している為、航空母艦の遠距離航海への参加及び飛行士の航空母艦での飛行訓練の完全なサイクルに関しては完全に明瞭では無い。

公式データによると、この複合体は今年末までに飛行訓練の為の技術的準備が整う。

第100独立艦上戦闘機航空連隊の軍備は、生産組合『ミグ』により開発された新たな戦闘機MiG-29KRとMiG-29KUBRであり、第279独立艦上戦闘機航空連隊の軍備は航空機Su-33Su-25UTGである。

専門家は、「アドミラル・クズネツォフ」艦上の戦闘機MiG-29KRの存在は、この航空機が水上及び地上目標へ打撃を与える事が可能であるが故に、大いなる打撃力を得る事になると考える。
戦闘機Su-33は、艦船へ対空防衛を提供する為に意図されている。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2016年前半はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホール(技術的準備状態の回復)が行なわれ、6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

7月31日の「ロシア海軍の日」には、セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
今回の記事に登場する「消息筋」によると、10月20日以降に出航するとの事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は2016年10月よりも早くはならない]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]

地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]


「アドミラル・クズネツォフ」の為の新たな艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBR(註:インド海軍向けのMiG-29K/MiG-29KUBと区別する為、ロシア海軍向けの機体に対して非公式に用いられている呼称。R「ロシア」の頭文字)は2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

第100独立艦上戦闘機航空連隊は、2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
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「アドミラル・クズネツォフ」には、艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]

そして2016年8月8日、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29KRが初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。


MiG-29K/MiG-29KUBの試作機とインド海軍向けの機体は2009年9月28日に「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しておりますが、今回はロシア海軍向けの機体が初めて着艦しました。

ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装により新たな情報管理システムを受け取る

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月8日11時37分配信
【巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は新たな情報管理システムを受け取る】
モスクワ、8月8日-ロシア通信社ノーボスチ

重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化の過程で、艦長の意思決定を補助し、艦への映像を提供する新たな情報管理システムを装備する。
月曜日、ロシア通信社ノーボスチ『統合機器製造営団』広報秘書官レオニード・ホジンより伝えられた。

新たな開発は、乗組員の作業の利便性、意思決定及び情報伝達のスピード、更には艦全体の制御操作を増大させる。
巡洋艦の近代化はセヴェロドヴィンスク企業『セヴマシュ』で実施されており、2018年には完了しなければならない。

「『統合機器製造営団』は、戦闘艦の近代化及び修理作業の枠組みにおいて、プロジェクト1144オルラーン重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの為の新たな情報管理システムを作成します」
ホジン
は話した。

彼は、現在、巡洋艦には、小さな一組のパラメータを有する情報案内システムが装備されていると説明した。

「我々は、その能力を大幅に拡張する事になるでしょう。
作成される重要な管理ネットワークには、内部通信、データ保管、ビデオ中継ネットワーク、スタッフの意思決定を補助するインテリジェンスシステムが含まれます」
『統合機器製造営団』
の公式代理人は強調した。

彼によると、新たなシステムでは、展開される可能性のある出来事についてのシナリオを予測し、正しい行動の為の選択肢を提示する事を可能にする。
また、乗組員の助けを借りて、様々なデータライブラリを引きだし、映像を含めた現代的な情報通信技術を利用できるようになる。

プロジェクト1144「オルラーン」重原子力ロケット巡洋艦航空母艦を除き、原子力推進装置を有する世界最大の打撃戦闘艦であり、大型の水上目標及び沿岸目標の撃破、更には戦闘艦連合部隊へ総合的な対空・対潜防衛を提供する為に意図されている。
同プロジェクト艦の排水量は25800トン、全長250メートル、乗組員は120名の士官を含む759名である。


プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」(1989年4月21日就役、旧名「カリーニン」)は、1999年8月にオーバーホールの為、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所へ回航されましたが、実際には殆ど作業は行なわれず、岸壁に係留されていました。
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近代化改装の為の契約は2013年6月に締結され、以後、近代化改装工事が行なわれています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2018年に復帰する]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2019年に完了する]
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2014年10月24日からは「セヴマシュ」の屋外ドック(貯水池)へ入渠しています。
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[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはセヴマシュ造船所の屋外ドックへ入渠した]

近代化改装に当たり、「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装やレーダー等を含む古い各種機器を撤去、解体しました。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの古い各種機器の解体・撤去は2015年中に完了する]

既にタービンエンジンの修理も始まっています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフのタービンエンジンの修復が開始された]

ロシア海軍首脳と造船所のトップは、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装が2018年には終了すると繰り返し表明しています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2018年にロシア海軍への復帰を予定している]
[ロシア海軍は近代化された重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフを2018年に受領する]
[セヴェロドヴィンスク造船所は重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフを2018年にロシア海軍へ納入できる]

2015年8月末までに「アドミラル・ナヒーモフ」の古い各種機器の撤去、解体作業は完了し、続いて艦の清掃や洗浄などが行なわれました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの機器の解体・撤去作業は完了した]

「アドミラル・ナヒーモフ」の船体の清掃などと並行して行なわれていた船体構造の点検では特に問題点は見つからず、ショットピーニングなどの作業が終わった後、新たな各種機器の設置作業へ取り掛かります。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは船体構造の点検を終えた]

「アドミラル・ナヒーモフ」へ設置される新たな各種機器(兵装)は既に発注されています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為、『セヴマシュ』は新たなガントリークレーン「ヴィーチャズィ」を導入しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]


「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は、2018年末~2019年前半頃には完了する予定であり、その後、同型艦「ピョートル・ヴェリキー」の近代化改装が始まります。
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[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備するかもしれない]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊はウラジオストクへ帰投した

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『タス通信』より
2016年8月8日4時34分配信
【太平洋艦隊艦船支隊は136日間の航海を終えてウラジオストクへ戻ってきた】
ウラジオストク、8月8日/タス通信特派員マリーナ・シャチロワ

太平洋艦隊艦船支隊は136日間に渡る太平洋及びインド洋航海を終えてウラジオストクへ戻ってきた。
タス通信東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐より伝えられた。

「本日、太平洋艦隊主要基地では、大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ、大洋救助船フォーチー・クルイロフ、給油船イルクトで構成される艦船支隊の歓迎式典が開催されました」
マトヴェーエフ
は伝えた。

「支隊指揮官アレクサンドル・ポタポフ1等海佐は、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将へ、遠距離航海から帰港した艦船支隊は、機器の修理と必要な物資の補充後に与えられた任務を遂行する準備が整うと報告しました。
艦隊司令官は艦隊軍事評議会に代わり、遠距離大洋航海で与えられた任務を成功裏に果たした乗組員を祝福し、海軍の伝統に沿って子豚の丸焼きを贈りました」
太平洋艦隊
の代理人は話した。

太平洋艦隊支隊は2016年3月にウラジオストクを去った。
136日間の航海中に艦船は2つの大洋を渡り、26000海里以上を航行した。

4月に支隊海軍演習『コモド-2016』へ参加し、パダン港(インドネシア)へ寄港した。
更に艦船乗組員は国際対テロ演習『ADMMプラス』へ参加し、その最中にムアラ港(ブルネイ)チャンギ海軍基地(シンガポール)を訪問した。
今年5月に太平洋艦隊艦船はティラワ港(ミャンマー)への寄港を行なった。


[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」を中核とする太平洋艦隊艦船支隊は、2016年3月末(3月26日頃?)にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは遠距離航海へ出発した]

[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:アレクサンドル・ポタポフ1等海佐
大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
中型海洋給油船「イルクト」


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3月28日に対馬海峡を通過し、この際のロシア海軍の慣例として、ロシア-日本戦争中の1905年5月27日のツシマ沖海戦(日本海海戦)ロシア海軍の戦死者の追悼式典を開催し、花輪を投下しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊は対馬海峡を南下した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊はツシマ沖海戦の戦死者を追悼した]


「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、各種演習を実施しながらインドネシアへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは太平洋上で演習を実施した]

4月11日にインドネシアパダンへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』へ参加する為にインドネシアを訪れた]

4月12日、アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』が始まりました。
【国際海軍演習『コモド』公式サイト】
[ロシア海軍太平洋艦隊が参加する国際海軍演習『コモド-2016』が始まった]

4月14日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊を含めた演習参加艦はパダンを出航し、演習実施海域へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際演習『コモド-2016』実施海域へ向かった]

アジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』は4月16日に終了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した]

その後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊カンボジアへ向かい、4月24日から27日までシアヌークビル(コンポンソム)港を訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはカンボジアのシアヌークビルを訪れた]

5月1日、ASEAN(東南アジア諸国連合)の国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する為、ブルネイムアラ港を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する為にブルネイを訪れた]

国際海軍演習『ADMMプラス-2016』は、5月2日から10日までブルネイ及びシンガポール沖海域で実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

5月8日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊シンガポールを訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはシンガポールを訪れた]

5月10日以降にシンガポールを去り、5月18日から22日までミャンマーティラワ港(Myanmar International Terminals Thilawa:MITT)を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはミャンマーのティラワ港(MITT)を訪れた]

ミャンマーを去った後、南シナ海へ戻り、更に東シナ海を北上し、6月9日には尖閣諸島の接続水域(領海の外縁の海域)を航行しました。
同日には中国海軍の艦も尖閣諸島の接続水域へ入っています。
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その後の「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊の動向は一切公表されず、ウラジオストクへ戻る事も無く、6月下旬から実施された太平洋艦隊オホーツク海演習にも参加しませんでした。

それから1ヶ月以上が経った7月16日~17日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊は、国際海軍演習『リムパック-2016』実施海域のハワイ沖に現れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはハワイ沖へ現れた]

つまり、尖閣諸島を通った後、進路を東へ転じて太平洋上を進み、ハワイ沖へ行ったという事でしょう。
(太平洋艦隊広報部は、この件には一切触れていませんが)
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その後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」支隊太平洋を西へ進み、8月5日午後に津軽海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年8月8日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

日本防衛当局の発表では大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」にしか触れられていませんが、無論、「フォーチー・クルイロフ」「イルクト」も同時に通過しています。
或いは、他の2隻は「アドミラル・ヴィノグラードフ」から少し離れていたのかもしれませんが。
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そして8月8日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ支隊は8月8日にウラジオストクへ帰港する]

ロシア海軍のプロジェクト20380コルベットの為の複合材料製上部構造物はサンクトペテルブルクで製造された

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年8月5日16時54分配信
【ネヴァ川中部工場はプロジェクト20380コルベットの為の上部構造物を作った】

サンクトペテルブルクの『ネヴァ川中部造船工場』では、『北方造船所』で建造されているプロジェクト20380コルベットの為の多層製上部構造物が進水した。
上部構造物は近い内に、艦へ設置する為に発注者の元へ曳航される。


8月5日・金曜日に『世界武器貿易分析センター』が伝えたように、以前、既に『ネヴァ川中部造船工場』は5隻のプロジェクト20380コルベット及び1隻のプロジェクト20385コルベットの為の上部構造物を『北方造船所』及び『アムール造船工場』へ引き渡している。

上部構造物の建造の為の複合材料としてガラス繊維強化プラスチックが選択されたのは、主として、その重量、強度及び難燃性の高度な要求に起因する。
鉄製の上部構造物は重く、そのボリュームが大きい場合には艦の安定性に影響を与える。
当初は、軽量化の為の設計にはアルミニウムが使用されていた。
その主な欠点は、燃え易く、そして燃焼時に有害物質が排出される事に有る。
複合材料は燃える事は無く、ただ単に燻ぶるだけであり、ガスを排出しない。
また、それは更に軽量で、艦の為に最適であり、多くの機器や兵器の設置を可能にする。

現在、工場は、プロジェクト20380/20385コルベット上部構造物作成に使用されるパネルの中間層を製造する為の2つの新たな生産部門を組織化している。
新たな生産設備は、受注数が増加したが故に必要となった。

『北方造船所』では、現在、2隻のプロジェクト20380コルベット「リェチーヴイ」「ストローギー」が建造されている。
船体の形成は2016年末までに完了しなければならない。
海軍への引き渡しは2018年に計画されている。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]



プロジェクト20380コルベット「リェチーヴイ」「ストローギー」は2015年2月20日にサンクトペテルブルクの『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。
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[ロシア海軍の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"と"ストローギー"はサンクトペテルブルクで起工された]
ロシア海軍への引き渡しは2018年に予定されています。

プロジェクト20380コルベットの上部構造物はガラス繊維強化プラスチック製であり、サンクトペテルブルク『ネヴァ川中部造船工場』で製造され、造船所へ移送されています。
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記事中で触れられていますが、これまでにプロジェクト20380コルベット5隻:「ステレグーシチー」、「ソーブラジテルヌイ」、「ボイキー」、「ストイーキー」、「ソヴェルシェーンヌイ」プロジェクト20385コルベット1隻:「グレミャーシチー」の上部構造物が製造されました。


そして今回、『ネヴァ川中部造船工場』は、『北方造船所』で建造されているプロジェクト20380コルベット~おそらくは「リェチーヴイ」の上部構造物を製造しました。
この上部構造物は、近い内に『北方造船所』へ移送されることになります。
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ロシア海軍新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、計12隻が起工され(20380が10隻、20385が2隻)、このうち4隻が海軍へ引き渡されています。

20380/20385は、サンクトペテルブルク北方造船所(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)コムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で建造されています。

[「北方造船所」建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号530)
バルト艦隊に配備

「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備

「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備

「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備

「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2017年就役予定

「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2018年就役予定

「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

[「アムール造船工場」建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2016年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2016年末以降就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(プロジェクト20380、建造番号2103)
2015年7月22日起工/2017-2018年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「リェーズキー」Резкий(プロジェクト20380、建造番号2104)
2016年7月1日起工/2019年就役予定
太平洋艦隊に配備予定



今後は、更なる改良発展型であるプロジェクト20386の建造が計画されています。
[ロシア海軍の将来コルベット・プロジェクト20386]

ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する

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『イズベスチヤ』より
2016年8月5日0時1分配信
【航空母艦クズネツォフはMiG-29の為の設備を追加する】

ユニークな座標表示システムは甲板での新たな戦闘機の使用を可能にする。
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今年末までにシリア沿岸へ向かわなければならないロシア海軍のフラッグシップ~重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」では、現在、ユニークなシステムの設置作業が進められている。
これは、
艦上戦闘機MiG-29KRとMiG-29KUBRの離艦前の入力に適応した(海洋飛行士の用語で言う所の「記入する」)超精密座標慣性航法システムである。
必要な情報を受信しなければ、「ミグ」は高精度で敵目標を攻撃する事は出来ないのみならず、ロシア空母の甲板から発艦する事すら疑わしいだろう。

「現在、システムの設置作業は既に完全に進められています。
システムの準備が完全に整う正確な時期に関しましては、私から申し上げる事は出来ません。
ですが、シリアへの航海までには、全てが準備され、飛び回る事が出来るようになります」
ロシア海軍
の代理人は匿名を条件に『イズベスチヤ』へ話した。

最近まで「クズネツォフ」艦上には類似したシステムが設置されていた。
これは、戦闘機Su-33練習訓練機Su-25UTGの為にのみ動作する事が可能なより古いアナログ慣性システムであり、MiG-29KR/KUBRのデジタル慣性航法システムとは互換性が無かった。

最新の艦載システムは『ラメンスコエ機器製造設計局』が開発し、『イズベスチヤ』の対談者によると、多くの技術的解決策が用いられた製品は、インド航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の建造においてテストされた。

「システムの主な特徴は、それが最新のMiG-29KRの『慣性』のみならず、Su-33とSu-25UTGに設置された前世代のシステムでも同時に表示される事に有ります」
対談者は総括した。

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ロシア連邦名誉試験飛行士ローマン・タスカエフ『イズベスチヤ』へ話したように、機上慣性システムは空間上での航空機の位置を算定する:針路、ローリング値、タンジェント値(航空機の縦軸と水平面の間の角度)、航空機の上昇あるいは降下状態の表示、そして他のフライト実行の為のみならず、最も重要なのは、爆撃及びミサイル発射に必要な一連の表示。
航空機の照準複合体は、空間での状況に関する慣性航法システムからのデータを受け取り、目標を攻撃する為に最適な位置を算出する。

「慣性航法システムは最も重要なシステムの1つであり、事実上、全ての航空機が有しており、衛星ナビゲーションを代替する事は不可能です。
ですが、『慣性』の動作を調整する為に、離艦前の初期の座標を入力する事は必要です」
タスカエフ
『イズベスチヤ』へ説明した。
「しかも、1秒の誤差は、その後の座標データの10メートルの不正確さをもたらします。
陸上飛行場からの航空機の離陸の課題については、事前に飛行場から通知された出発点の座標データを慣性航法システムへ入力すれば非常に簡単に解決出来ます。
しかし、海上の艦は移動しており、その針路は変更され、揺れます。
慣性航法システムを配置する際には、この全てを考慮する必要があります」


軍事史家で海軍の歴史に関する著書を記しているドミトリー・ボルテンコフによると、慣性航法システムを表示する最新艦載システムの設置無くしてロシアMiG-29KR/KUBRシリアの作戦へ参加する事は出来ない。

「ロシア海軍のMiG-29は、航空母艦クズネツォフの甲板からのフライトを行なっていません。
この機体を軍備として受領した第100艦上戦闘機連隊のパイロットのフライトは、未だエイスク及びサキの陸上飛行場からのみです」
ボルテンコフ
『イズベスチヤ』へ説明した。

同時に、専門家によると、『ラメンスコエ機器製造設計局』の製品のお蔭で、古いSu-33も、最新の「ミグ」と同時に効果的に動作し、ロシア海軍空母群旗艦は、広範囲の戦闘任務を効果的に果たす事が出来るようになる。

「Su-33については秘密でも何でもありません~これは、むしろ迎撃機であり、空中戦闘を行なう事は出来ますが、地上目標を攻撃する為の武装は無誘導ロケット弾及び通常爆弾のみであり、MiG-29KR/KUBRのように非常に効果的な高精度航空攻撃手段は使用できません」
ボルテンコフ
は指摘した。

航空機製造工業の消息筋が『イズベスチヤ』へ話したように、現在、世界で2つの国~ロシアアメリカ合衆国のみが、慣性航法システムを表示する現代的な艦載システムを有している。

「市場におけるこのようなシステムの提案の多くは、艦上ヘリコプターの為のものであり、これらの航空機は高い精度を必要としていません。
同時に、特殊な高精度兵器を搭載する艦上戦闘機は、その速度が毎時1000kmで測定される為、超精密座標のみを必要とします。
このような製品はアメリカのみが有しており、航空母艦や揚陸艦へ設置されております、そしてロシアも。
特に、手元のデータによりますと、フランスの航空母艦シャルル・ド・ゴールと、ブリテンが建造中のクイーン・エリザベスは、アメリカ合衆国が提示した複合体を発注しています」

対談者は指摘した。


[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]
[艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB(旧ブログ)]
[RSKミグMiG-29K/MiG-29KUB艦上戦闘機(RSKミグ公式サイト)]

ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の新たな艦上戦闘機は、当初、Su-27KUB(1999年初飛行)とMiG-29K/KUB(2007年初飛行)の2機種から選ぶ事になっていました。
[ロシア海軍は、2016年以降に新しい艦上戦闘機を採用する]

その後、2009年2月にはMiG-29K/KUBに絞られる事になりました。
[ロシア海軍、MiG-29KUBを導入]

艦上戦闘機MiG-29K/KUB24機の供給契約が締結されたのは、それから3年後の2012年2月29日でした。
[ロシア国防省は艦上戦闘機MiG-29K/KUBの購入契約を締結した]

ロシア海軍向けのMiG-29KUB量産1号機は2013年10月下旬に初飛行しました。
[ロシア海軍の為の艦上戦闘機MiG-29KUB量産1号機は飛行試験を開始した]

2013年11月下旬、当初の計画通りに2機のMiG-29K(単座型)と2機のMiG-29KUB(複座型)ロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍は最初の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBを受領した]

そして2014年12月2日までに8機のMiG-29Kと2機のMiG-29KUBが、当初の計画通りにロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍へ10機の艦上戦闘機MiG-29K/KUBが引き渡された]

2015年12月末までに10機のMiG-29Kが引き渡され、契約分全機の納入が完了しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

MiG-29Kは、現用の艦上戦闘機Su-33と共に重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」で運用されます。
[新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBはロシア海軍現用艦載機と共に運用される]


MiG-29Kのパイロットの養成は、クラスノダール地方エイスク市に建設された戦闘応用・飛行再訓練センター(新「ニートカ」)行なわれました。
[ロシア北方艦隊のパイロットは新たな艦上戦闘機MiG-29Kをマスターする]
[エイスクの新ニートカは本格的に稼働を始める]
[ロシア海軍航空隊はエイスクで艦上戦闘機MiG-29K/KUBのパイロットを養成する]
[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]

2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]

そして2016年3月20日、第100独立艦上戦闘機航空連隊としての本格的な飛行訓練が始まりました。
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
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今回の記事ではMiG-29KR/MiG-29KUBRと呼ばれていますが、これはインド海軍向けのMiG-29K/MiG-29KUBと区別する為、ロシア海軍向けの機体に対して非公式に用いられている呼称です。
(R「ロシア」の頭文字)


MiG-29K/KUBの母艦となる「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年前半はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホールが行なわれ、6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は2016年10月よりも早くはならない]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]

地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]

今年の地中海遠征には艦上戦闘機MiG-29K/KUBの参加も予定されておりますが、これに先立ち、「アドミラル・クズネツォフ」には、MiG-29K/KUBを運用する為の新たな慣性航法システムが設置されました。
(MiG-29K/MiG-29KUBは2009年9月28日と29日に「アドミラル・クズネツォフ」で発着艦試験を行なっており、ただ単に発着艦するだけなら可能ですが)