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ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年12月14日11時21分配信
【クリミアで12機の戦闘機Su-30SMから成る完全な飛行隊が形成された】
セヴァストーポリ、12月14日-ロシア通信社ノーボスチ

クリミア黒海艦隊航空隊多機能戦闘機Su-30SMから成る完全な飛行隊が形成された。
水曜日、『ロシア通信社ノーボスチ』ロシア連邦黒海艦隊情報サービス部長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐より伝えられた。

2016年10月、ロシア連邦国防省は、クリミアへ9機目の多機能戦闘機Su-30SMが到着したと発表した。
12月12日、黒海艦隊航空隊へ更に3機の同型航空機が増強された。

「黒海艦隊海軍航空隊で、最新多目的戦闘機Su-30の完全な飛行隊が形成されました。
航空機は完全な技術的準備状態に在り、乗員は定数が揃っています」
トルハチェフ
は話した。

彼によると、Su-30SM飛行隊は常時戦闘準備状態に在る。

「全ての乗員は、昼間及び夜間の如何なる時間帯も飛行し、あらゆる準備を整え、標的へのミサイル発射を含む全ての範囲の戦闘演習へ取り組んでいます。
Su-30SMは、今日において黒海艦隊海軍航空隊の主要打撃力である事を申し分なく証明しております」
トルハチェフ
は付け加えた。

Su-30は、制空権獲得の為の現代的な戦闘機である。
地表環境を含めた空中目標の破壊、空中空間の監視、奥深くの敵飛行場の遮断、地上及び海上施設に対する行動の為に意図されている。
乗員-2名、実用上昇限度-17.5km、航続距離-3200km、戦闘荷重-6トン。
それは、中距離有翼ミサイル誘導航空爆弾を搭載できる。
Su-30SM(近代化シリーズ)は2012年から装備されている。



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ロシア海軍航空隊の為の多用途複座戦闘機Su-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2015年2月には初めて黒海艦隊の演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊のSu-30SMは艦隊防空演習に参加した]

2015年9月には初めて地上攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の戦闘機Su-30SMは初の地上攻撃演習を行なった]

2015年10月には抜き打ち演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は抜き打ち演習を行なった]

黒海艦隊航空隊(第43独立海洋襲撃機航空連隊)は、2015年末までに合計8機のSu-30SMを受領しました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は戦闘機Su-30SMへの更新を続ける]

黒海艦隊航空隊Su-30SMは、現用の前線爆撃機Su-24を代替します。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の前線爆撃機Su-24は2020年までに多用途戦闘機Su-30SMで代替される]

黒海艦隊航空隊は2016年10月に1機のSu-30SMを受け取りました。

2016年11月28日には4機のSu-30SMロシア海軍へ引き渡されました。
この内の1機は「イルクーツク」と命名されました。
[ロシア海軍航空隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが引き渡された]


ブログ『BMPD』より
【4機の海軍のSu-30SMは西へ行く】
11月末にイルクーツク航空工場からロシア海軍へ引き渡された4機のSu-30SMの内、「45」(イルクーツク)、「47」、「48」黒海艦隊航空隊へ、「70」バルト艦隊航空隊へ配備されます。

12月12日、黒海艦隊サキ飛行場へ3機のSu-30SMが到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊へ3機の多用途複座戦闘機Su-30SMが到着した]


これで黒海艦隊航空隊Su-30SMは合計12機となり、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分が揃いました。
[クリミアのロシア海軍航空隊は1個飛行隊(12機)の戦闘機Su-30SMを受領する]


今後、Su-30SM北方艦隊にも配備されます。
[ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

更に、バルト艦隊向けにも調達されます。
既に1機が引き渡されています。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]


この他、最近にはロシア航空宇宙軍アクロバットチーム「ルースキエ・ヴィーチャズィ」(Russian Knights)Su-30SMへ機種改編しています。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはセヴェロモルスク基地へ帰投した

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『タス通信』より
2016年12月13日14時13分配信
【「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は地中海への航海からセヴェロモルスクへ戻った】
モスクワ、12月13日/タス通信

大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」地中海北方艦隊航空艦グループの一員としての任務を遂行した後、セヴェロモルスクへ到着した。
同艦隊の広報サービス部長ワジム・セルガは報道機関へ伝えた。

「本日、北方艦隊主要基地セヴェロモルスクで、遠距離航海任務を果たした大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの歓迎会が開催されました。
同艦は、北方艦隊航空艦グループの一員として地中海で任務を遂行しました」

彼は話した。

同艦の艦長マキシム・シュミロフ1等海佐は、与えられた任務を成功裏に果たした事を北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフ中将へ報告した。
大型対潜艦の乗組員の一部には、国家及び当局からの表彰が予定されている。

艦隊司令官は、遠距離航海は優れた海洋実習となった事を指摘した。
「この貴重かつ有益な経験は、必ずや他の水上艦の乗組員の演習や訓練へ使用されるでしょう」
提督は付け加えた。

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の航海は60日間続いた。
この間に北方艦隊将兵は14000海里以上を航行した。
今年11月、ロシア対潜艦は、遭難したウクライナ船を救助し、約140海里の距離を曳航した。
地中海への航海は、同艦の乗組員にとっては、2016年における第3の遠距離航海となった。



北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2016年10月15日にロシア海軍機動部隊の一員として地中海東部へ向けて出航しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

地中海へ入った後、11月9日には、空母機動部隊へ接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見、追尾しています。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

その後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は本隊と別れ、11月24日には遭難して航行不能となったウクライナ漁船の救助へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海で遭難したウクライナ漁船の救助へ向かった]

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」ウクライナ漁船ギリシャガウドス島まで曳航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは遭難したウクライナ漁船をギリシャのガヴドス島まで曳航した]


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そして更に地中海を西へ進み、11月30日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海を去り、大西洋へ行く]

その後、イベリア半島沿いに北上してビスケー湾へ入り、12月6日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する]

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そして12月13日、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ帰港しました。


なお、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と共に出航した重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年2月初頭にセヴェロモルスクへ戻ってくるようです。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2017年2月9日にセヴェロモルスクへ帰投する?]

ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドル&セルプホフ近影

ロシア連邦海軍の最新鋭艦であるプロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」(602)「セルプホフ」(603)
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ロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で建造され、2015年12月12日に揃って就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

2016年2月8日から12日まで行なわれたロシア南方軍管区(黒海艦隊を含む)の抜き打ち演習では、上陸部隊の支援砲撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はクリミア半島で上陸演習を行なった]

「ゼリョヌイ・ドル」は2016年2月13日にセヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かい、4月14日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルはシリア沖から戻ってきた]

「セルプホフ」は2016年3月30日にセヴァストーポリを出航して地中海東部へ向かい、 7月24日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦セルプホフは地中海東部へ向かった]

2隻の小型ロケット艦は、7月31日にセヴァストーポリで行なわれた「ロシア海軍の日」観艦式へ参加しました。



8月11日、地中海東部で演習を行なう為に2隻揃ってセヴァストーポリを出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは射撃演習の為に地中海東部へ向かった]
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8月12日にはボスポラス海峡を南下しました。
【alper böler氏のツイート:2016年8月12日13時13分】
ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M級ミサイルコルベットの602ゼリョヌイ・ドルと603セルプホフはボスポラス海峡を南下した。

8月15日、小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」地中海東部(シリア沖)へ到着し、演習が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは地中海東部で演習を開始した]

8月19日、2隻の小型ロケット艦シリア領内のテロ組織「アル=ヌスラ戦線」の施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]


それから約1ヶ月後の9月17日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリア沖から帰投した]


そして10月4日、2隻の小型ロケット艦は再びセヴァストーポリを出航し、地中海東部へ向かいました。

翌10月5日にはボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは再び地中海東部へ向かった]

その後、2隻の小型ロケット艦は進路を西へ取り、10月9日にマルタ島ヴァレッタ港へ入港しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフは地中海中部のマルタ島を訪れた]

10月16日には北アフリカスペイン領セウタへ寄港しました。


その後、ジブラルタル海峡を通過し、ヨーロッパ大陸沿いに北上し、バルト海へ入り、10月28日にはバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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そして2隻はバルト艦隊へ転属しました。
黒海艦隊サイトより
【小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」】
【小型ロケット艦「セルプホフ」】

バルチースクに停泊する「ゼリョヌイ・ドル」と「セルプホフ」(2016年11月22日)
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小型ロケット艦「セルプホフ」(2016年12月10日)
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小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」(2016年12月12日)
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近代化されたロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは航行試験を終えた

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年12月12日15時8分配信
【ディーゼルエレクトリック潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は近代化の後の航行試験を完了した】

近代化が行なわれた大型潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、10日間の航行試験プログラムを完了し、アムール造船工場の試験実施基地へ戻った。

同社広報サービスが伝えたように、潜水艦は12月10日・土曜日にボリショイ・カーメニ市の工場桟橋へ係留された。

「試験チームのプロ意識と整然とした行動、更には潜水艦乗組員の努力により、設定された試験プログラムは仕上げられました。
乗組員とチームは健常です」

広報サービスは説明した。

アムール造船工場での潜水艦の修理と近代化は2013年に始まった。
当初、作業は2015年には完了する予定だった。
しかし、2016年5月になってから潜水艦はドックを出て進水した。

「コムソモリスク・ナ・アムーレ」(2015年までB-187)は、プロジェクト877ディーゼルエレクトリック潜水艦である。
1993~1995年に3度の戦闘勤務を行ない、完全な自立行動により「優秀」と評価された。

1995年、同艦の乗組員は「戦闘訓練の結果による太平洋艦隊で最高の艦」の優勝ペナントを獲得した。



[潜水艦B-187]

プロジェクト877大型潜水艦B-187は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市アムール造船工場で1991年5月7日に起工され、同年10月5日に進水、そして同年12月30日には受領-引渡証書への署名が行なわれ、ソ連海軍へ納入されました。
翌1992年に太平洋艦隊へ正式編入、第182独立潜水艦旅団の所属となり、カムチャツカ半島へ配備されました。

1993年1月~3月、1994年8月~9月、1995年3月15日~4月28日に戦闘勤務を実施。

1997年8月、東南アジアでの兵器展示会への参加準備の為、ウラジオストクへ回航されました。
1997年10月にはタイの展示会「タイ-97」(10月20日~27日)へ参加し、11月にはベトナムカムラン湾へ停泊、翌12月にはマレーシアの展示会「リマ-97」(12月2日~8日)へ参加しました。
この双方の展示会において、B-187は、輸出用潜水艦プロジェクト636「見本」として出展されました。
この時、西側は、本艦の艦名をBN-529「ロシア」と勘違いしています。

東南アジアから帰港後、B-187ウラジオストク(ウリス湾)第19潜水艦旅団へ転属しました。

2003年、B-187は修理の為、ボリショイ・カーメニへ回航、その後、近代化改装を行なう為、コムソモリスク・ナ・アムーレ市アムール造船工場へ回航され、現在に至っています。

就役から24年が経過した2015年7月20日に「コムソモリスク・ナ・アムーレ」と命名されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のキロ級潜水艦B-187はコムソモリスク・ナ・アムーレと命名された]

2015年10月には造船台を出渠し、浮きドック「ゼーヤ」へ載せられ、引き続き艤装工事が進められました。
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2016年5月5日、潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は再び進水し、艤装岸壁へ係留されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のキロ級潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは進水した]

その後、係留試験が行なわれ、2016年12月には航行試験が行なわれ、12月10日に終了しました。

「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、早ければ2016年12月末には太平洋艦隊へ復帰します。


現在、太平洋艦隊には8隻のプロジェクト877潜水艦が配備されていますが、この内の何隻かは近代化改装され、更にはプロジェクト06363潜水艦6隻が新たに建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊は通常動力潜水艦を増強する]

ロシア海軍黒海艦隊航空隊へ3機の多用途複座戦闘機Su-30SMが到着した

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『インタファクス』より
2016年12月12日14時29分配信
【ロシア連邦黒海艦隊は3機の超機動戦闘機により強化される】
モスクワ、12月12日、インタファクス・ロシア

ロシア連邦黒海艦隊航空隊は3機の多機能戦闘機Su-30SMにより強化される。
月曜日に黒海艦隊情報供給部長ヴャチェスラフ・トルハチェフは発表した。

「常時駐屯場所であるサキ飛行場へ、3機の多機能超機動戦闘機Su-30SMが同時に到着しました。
戦闘機は、ロシア連邦黒海艦隊の独立海洋襲撃機航空連隊へ加わります」

彼は話した。

Su-30SM『スホーイ』商会が開発し、『イルクーツク航空工場』で量産されている。
航空機は、艦隊の航空群更新プログラムの枠組みにおいて黒海艦隊航空隊へ引き渡されたとトルハチェフは話した。

彼によると、Su-30SMの乗員は、以前にエイスクロシア海軍航空隊訓練センターで訓練を行なっており、新たな機体の導入プログラムの下で飛行実施の準備を行なう。

『インタファクス』が伝えたように、ロシア連邦黒海艦隊は、新たな艦、潜水艦、新たな種類の兵器と軍用装備を受け取る。
以前、ロシア軍は、クリミア自己完結グループ部隊を作成したと表明した。
『インタファクス』が伝えたように、クリミアには対空防衛システムS-400が展開している。



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ロシア海軍航空隊の為の多用途複座戦闘機Su-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2015年2月には初めて黒海艦隊の演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊のSu-30SMは艦隊防空演習に参加した]

2015年9月には初めて地上攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の戦闘機Su-30SMは初の地上攻撃演習を行なった]

2015年10月には抜き打ち演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は抜き打ち演習を行なった]

黒海艦隊航空隊(第43独立海洋襲撃機航空連隊)は、2015年末までに合計8機のSu-30SMを受領しました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は戦闘機Su-30SMへの更新を続ける]

クリミア半島海軍航空隊(黒海艦隊所属)には、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分となる12機程度の戦闘機Su-30SMが2016年までに配備されます。
[クリミアのロシア海軍航空隊は1個飛行隊(12機)の戦闘機Su-30SMを受領する]

黒海艦隊航空隊Su-30SMは、現用の前線爆撃機Su-24を代替します。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の前線爆撃機Su-24は2020年までに多用途戦闘機Su-30SMで代替される]

2016年11月28日には4機のSu-30SMが引き渡されました。
この内の1機は「イルクーツク」と命名されました。
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[ロシア海軍航空隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが引き渡された]

ブログ『BMPD』より
【4機の海軍のSu-30SMは西へ行く】
11月末にイルクーツク航空工場からロシア海軍へ引き渡された4機のSu-30SMの内、「45」(イルクーツク)、「47」、「48」黒海艦隊航空隊へ、「70」バルト艦隊航空隊へ配備されます。

今回、黒海艦隊サキ飛行場へ到着したのは、この3機でしょう。
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今後、Su-30SM北方艦隊にも配備されます。
[ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

更に、バルト艦隊向けにも調達されます。
既に1機が引き渡されています。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年12月12日9時1分配信
【太平洋艦隊の艦船は演習『インドラ・ネイヴィー』へ参加する為にインド海軍基地へ向かっている】
ウラジオストク、12月12日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊戦闘艦支隊は、ロシア-インド海軍の国家間演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加する為、インド海軍東部艦隊の基地ヴィシャーカパトナム市への進路を保っている。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフは報道陣へ伝えた。

「大型対潜艦アドミラル・トリブツと大型海洋給油船ボリス・ブートマで構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、ロシア-インド海軍の国家間演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加します。
インドの港への艦船の到着は12月14日を予定しております」
マトヴェーエフ
は伝えた。

彼は、艦船支隊が10月中旬に艦隊主要基地ウラジオストク市から出航した事を想い起した。
艦船は太平洋インド洋で戦闘任務を遂行し、インドネシアタンジュンプリオク港の国際兵器展示会『インドディフェンス-2016』へ参加し、業務寄港の為にサッタヒープ港(タイ)を訪れた。

『インドラ・ネイヴィー-2016』は2016年12月14日から21日まで実施される。
演習の沿岸フェーズは12月14日から18日までヴィシャーカパトナムで実施される。
この中で、協同活動の打ち合わせ、戦術的集会、相互の公式訪問と受け入れ、スポーツ及び文化行事が行なわれる。
海上部分はベンガル湾海域で12月19日から21日まで実施される。
演習の参加者は、通信訓練を実施し、空中攻撃手段の撃退、夜間の艦船機動、海上及び空中目標への砲射撃、臨検活動、航行中の物資補充と他の活動へ取り組む。
また、艦上ヘリコプターが一連の演習任務を遂行する。

国際海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2016』の統制はインド側により実行される。

最初のロシア-インド海軍演習は2003年5月に実施された。
2005年、ロシア-インド合同演習『インドラ』の名を持つ事になった。
その後、ロシア海軍艦船支隊インド海軍の2国間演習は、2007年、2014年、2015年に実施された。



太平洋艦隊艦船支隊は2016年10月15日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインド洋へ向かった]

[太平洋艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
駆逐艦「ブイストルイ」
大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」
救助曳船「アラタウ」


支隊は10月20日午後5時頃に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年10月21日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月1日にインドネシアタンジュンプリオク港を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアのタンジュンプリオク港を訪問した]

11月6日にタンジュンプリオク港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアを去った]


その後、駆逐艦「ブイストルイ」救助曳船「アラタウ」の2隻は本隊と別れ、11月17日午後3時頃には対馬海峡を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年11月18日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月21日までに駆逐艦「ブイストルイ」ウラジオストクへ帰港しました。
救助曳船「アラタウ」も帰港したようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイはウラジオストクへ帰投した]


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一方、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」の2隻となった太平洋艦隊艦船支隊は12月初頭にタイ王国サッタヒープ港を訪れ、12月6日に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイ訪問を終えた]

太平洋艦隊艦船支隊は、12月14日から21日までヴィシャーカパトナムベンガル湾で実施されるロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加します。

ヴィシャーカパトナム到着は12月14日に予定されています。
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記事中で触れられているロシア海軍インド海軍の最初の合同演習は、2003年5月にインド沿岸で実施されています。
この時には、太平洋艦隊黒海艦隊の艦船が参加しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級駆逐艦]
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その2・黒海艦隊ロケット巡洋艦モスクワ]
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その3・黒海艦隊の警備艦]

『インドラ-2007』は2007年4月24日から26日までウラジオストク沖(ピョートル大帝湾)で実施されました。
[ロシア・インド海軍合同演習開始]
[ロシア・インド海軍合同演習「インドラ-2007」]

『インドラ・ネイヴィー-2015』は、2015年12月7日から12日までヴィシャーカパトナムベンガル湾で実施されています。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]
今回の『インドラ・ネイヴィー-2016』も同じ場所で実施されます。

ソ連/ロシア海軍の最初の原子力潜水艦レニンスキー・コムソモールは記念艦となる

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『インタファクス』より
2016年12月9日13時51分配信
【ソヴィエト初の原子力潜水艦は(2017年)2月に再び進水する】
モスクワ、12月9日、インタファクス-ロシア

ソヴィエト初の原子力潜水艦K-3「レニンスキー・コムソモール」博物館として保存され、再び進水する。
艦船修理工場『ネルパ』のブログが伝えたように、進水は2017年2月に計画されている。

「この間に、造船台のプレート上での潜水艦の水密作業を完了し、単一船体を形成します~これは原子力潜水艦の艦首ブロックと移植区画の間の接合部の溶接です」
艦船修理工場『ネルパ』
の声明では、こう述べられた。

ロシア連邦政府海洋協議会のメンバーで、元北方艦隊司令官ヴャチェスラフ・ポポフは、12月末に海洋協議会の会議で、K-3「レニンスキー・コムソモール」の今後についての議論を開始すると『インタファクス』へ伝えた。
「現在は、博物館を作成する為の設計者を選択する問題が有ります。
僕の個人的な意見といたしましては、それは、レニンスキー・コムソモールを作成したマラヒート(サンクトペテルブルク海洋機械製造局「マラヒート」)であるべきです。
ポポフ
は話した。

また、対談者(ポポフ)は、海洋協議会潜水艦博物館の配置場所の問題について決定を下すと付け加えた。
以前、元司令官は、K-3は、北方艦隊或いは中央海軍博物館の支所として北極圏で保存されなければならないと『インタファクス』へ語った。

「レニンスキー・コムソモール」は、ソヴィエトで最初の、世界で3番目の原子力潜水艦であり、1957年に進水した。
1967年、戦闘勤務中に第1及び第2区画で火災が発生したが故に、原子力潜水艦では39名が死亡した。
1991年、潜水艦海軍の編制から除外された。
K-3の動力区画(原子炉区画)は2007年に撤去され、長期保管のためにサイダ湾へ送られた。
ロスアトムとの契約下で工場は実物大摸擬区画を作成した。
現在、原子力潜水艦艦船修理工場『ネルパ』で永久保存されている。



ソヴィエト連邦初の原子力潜水艦であるK-3は、プロジェクト627「キト」巡洋潜水艦(NATOコード名「ノヴェンバー」)の1番艦として、1956年9月24日にモロトフスク(現セヴェロドヴィンスク)第402造船工場(現セヴマシュ)で起工されました。
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1957年10月9日に進水した後に係留試験が始まり、翌1958年6月に終了しました。

1958年7月21日には、ソ連海軍総司令官セルゲイ・ゴルシコフ提督、ソ連造船業相ボリス・ブートマが出席し、ソ連邦海軍旗の初掲揚式典が開催されました。
この時点で、K-3は未だ航海試験も始まっていませんでした。

1958年7月3日、工場航行試験をすっ飛ばして、いきなり国家受領試験が始まりました。
翌7月4日10時3分、初めてK-3原子力機関が始動しました。

1958年8月には潜水航行試験が行なわれました。

1958年11月26日から12月2日まで白海で潜航試験が行なわれ、深度310mまで潜航しました。

1958年12月17日、巡洋潜水艦K-3受領証書への署名が行なわれ、ソ連海軍へ納入されました。

しかし、初めての原子力潜水艦という事も有り、色々と問題点が発覚した為、1958年1月には「試験運用」へ移行しました。
プロジェクト627の2番艦以降は、改良型のプロジェクト627Aとして建造されることになりました。

翌1959年も白海で各種試験に従事し、同年10月下旬に、ようやく白海からバレンツ海北方艦隊基地ザーパドナヤ・リツァ(ザオゼルスク)へ移動しました。
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1959年11月1日から15日まで初の遠距離航海を行ない、グリーンランド付近まで進出しましたが、浮上時に氷に衝突して損傷しました。

帰港後、1959年12月から1960年5月までセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」で修理と近代化改装を行ない、新たな航法複合体が設置されました。

1960年12月から1961年2月まで「セヴマシュ」で係留試験が行なわれました。

1961年5月26日から8月7日まで航海試験が行なわれ、再びザーパドナヤ・リツァ(ザオゼルスク)へ配備されました。

1961年9月17日から31日までカラ海において、北極海での水中航行時の航法複合体の動作試験が行なわれました。
この間、9月20日から24日まで魚雷の実弾射撃を実施しています。

1962年7月4日から21日まで検査航海を行なった後、7月11日から21日まで北極圏航海を行ないました。
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水中航行中に原子炉の冷却循環ポンプが故障し、潜航したまま修理を行なっています。

1962年9月に核燃料棒の不備が発覚し、セヴェロドヴィンスクへ回航されました。

1962年10月9日、「レニンスキー・コムソモール」(レーニン共産党青年団)と命名されました。

1963年2月26日から1965年10月29日まで原子炉の交換と近代化改装が行なわれました。
撤去された核燃料棒はカラ海へ投棄されました。

1965年10月29日から11月7日まで航海試験を行ない、同年11月24日に海軍へ引き渡され、11月29日にはザーパドナヤ・リツァへ戻りました。

1965年12月17日、ソ連の宇宙飛行士ユーリー・ガガーリン「レニンスキー・コムソモール」を訪れました。

1966年3月23日に白海で氷に衝突して潜望鏡を曲げました。

1966年7月10日から8月29日まで遠距離航海を行ない、大西洋、サルガッソー海、メキシコ湾まで進出し、魚雷発射訓練を行ないました。

1967年3月12日から4月30日までポリャールヌイ第10艦船修理工場で船体のメンテナンスが行なわれました。
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1967年7月10日から9月11日まで遠距離航海を行ない、地中海へ進出しました。
地中海から戻る途中の9月4日、ノルウェイ海で火災事故を起こし(第1区画から出火し、第2区画に延焼)、乗員39名が死亡しました。
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1967年9月14日から11月5日までセヴェロドヴィンスクで修理が行なわれました。

1968年7月21日から29日までワルシャワ条約機構諸国海軍北方艦隊バルト艦隊の合同演習へ参加しました。

1968年12月8日からポリャールヌイ第10艦船修理工場でオーバーホールが行なわれ、1971年12月28日に復帰しました。

1972年1月にはグレミハ基地へ移動しました。
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1972年10月29日から11月5日まで演習を行ないました。

1973年5月12日から6月1日まで遠距離航海を行ない、大西洋地中海へ進出しました。

1975年2月に第7区画で火災が発生し乗員2名が重傷を負いました。

1975年4月24日から6月13日までバレンツ海、ノルウェイ海、グリーンランド海で哨戒活動を実施しました。

1976年1月31日から2月21日までグレミハの浮きドックで定期修理が行なわれました。

同年6月1日から27日までポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が行なわれました。

1977年7月25日、「大型潜水艦」に再分類されました。

1977年12月29日からポリャールヌイ第10艦船修理工場で定期修理が始まりました。

1978年1月8日、修理中に火災が発生しました。

1978年12月30日に修理を終えて復帰しました。

1982年5月25日から6月25日までバレンツ海、ノルウェイ海、グリーンランド海で哨戒活動を実施しました。

1985年1月から9月末までポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が行なわれました。

1985年には、「オケアン-85」、「大西洋-85」、「北方-85」といった大規模演習へ参加しました。

1985年7月2日から27日までノルウェイ海で哨戒活動を実施しました。

1986年4月からポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が始まりました。

しかし修理は完了する事無く、1987年10月17日には海軍の戦闘編制から除外されました(事実上の退役)。

1988年9月9日には練習船となり、グレミハ基地に固定されました。

1989年3月14日、B-3と改称されました。

1991年には北方艦隊の編制表から消されました。

1993年9月30日、正式に海軍から除籍されました。

その後も係留保管されていましたが、2002年11月にポリャールヌイ第10艦船修理工場へ到着しました。

2003年5月30日から7月3日に使用済み核燃料が撤去されました。

2005年10月28日にはスネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、博物館への改装が行なわれる事になりました。
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2007年以降、原子炉区画が撤去され、代わりのダミー区画が製造されました。
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そして、2017年初頭までにはダミー区画の挿入が完了し、2017年2月に再進水する予定です。
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「レニンスキー・コムソモール」は、ムルマンスクで保存されている原子力砕氷船「レーニン」の隣に置かれる事になるようです。
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ロシア海軍航空隊最年長の艦上戦闘機パイロット、イーゴリ・マトコフスキー大佐


テレビ局『ズヴェズダー』より
2016年12月9日13時55分配信
【ロシア英雄は艦上機飛行士という職業の微妙な差異について話した】

ロシア英雄で、勇敢勲章を保持するイーゴリ・マトコフスキー大佐は、テレビ局『ズヴェズダー』へ艦上機飛行士という職業の微妙な差異について話した。

「この職業は、無頓着、無関心な人には勤まりません。
非凡な飛行士となれる者がマスターするのは1つの事だけでは有りません。
陸上の飛行場から上手に飛行できても、艦は貴方の前に多くの心理的なハードルを置きます。
従いまして、全ての人が、この職業をマスターする事は出来ません」
マトコフスキー
は話した。

イーゴリ・マトコフスキーは、我々の艦隊において、最も経験豊かな艦上航空隊飛行士の1人であり、「アドミラル・クズネツォフ」の甲板へ244回の着艦を行なっている。
彼は、ロシア海軍において、航空母艦へ200回以上の着艦の経験を有する3名の飛行士の1人である。

2008年4月21日には、長年の軍務遂行で発揮された勇気と英雄的行為に対し、ロシア連邦英雄「金星」メダルが授与された。

今、マトコフスキーは、ロシアの若いパイロットの訓練に従事している。
彼等が与えられた任務を申し分なく遂行できるようにする為に。

12月9日、ロシア祖国英雄の日を祝う。
この祭日は、戦闘中の格別の勇敢さを表彰する為にエカテリーナ2世聖大致命者凱旋者ゲオルギイ勲章を創設した18世紀以来の歴史が有る。
ソヴィエト連邦において、この祭日は廃止され、ロシアで2007年に復活した。



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イーゴリ・フェオクトヴィチ・マトコフスキー氏は、1961年5月21日にウクライナ共和国セヴァストーポリで生まれました。
1982年にエイスクV.M.コマロフ記念高等軍事飛行士航空学校を卒業し、バルト艦隊航空隊第846独立親衛襲撃機航空連隊へ配属されました。

1996年にN.G.クズネツォフ記念海軍アカデミーを卒業した後、北方艦隊航空隊へ転属し、翌1997年には第279独立艦上戦闘機航空連隊へ配属され、30代後半になってから艦上戦闘機へ転科する事になりました。
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この時の第279艦上戦闘機航空連隊司令チムール・アパキージェ大佐も、元々はバルト艦隊航空隊襲撃機航空連隊Su-17パイロットであり、マトコフスキー氏が同連隊へ着任した頃には連隊副司令でしたから、先輩であるアパキージェ大佐に引き抜かれて第279連隊へ来たようです。
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]

1998年に初めて重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。

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2006年から2009年まで第279独立艦上戦闘機航空連隊司令を務め、2008年4月21日には「ロシア連邦英雄」勲章を授与されました。
[遠征に参加した将兵達は、勲章を授与された]

第279航空連隊司令から退いた後も「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征に参加し、2014年3月上旬には「アドミラル・クズネツォフ」への200回目の着艦を達成しました。
[2名のSu-33パイロットは空母アドミラル・クズネツォフへの200回目の着艦を達成した]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]

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今回の「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征にも参加しており、現在までに244回の着艦を行なっています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

特に今回、「アドミラル・クズネツォフ」は、2種類の艦上戦闘機Su-33MiG-29K/KUBを載せていますが、両機種とも別々の部隊(第279艦上戦闘機航空連隊第100艦上戦闘機航空連隊)に所属しているので、ロシア海軍航空隊最年長の現役パイロットであるイーゴリ・マトコフスキー大佐が両部隊を統括しているようです。

今回、マトコフスキー大佐は「陸上の飛行場から上手に飛行できても、艦は多くの心理的なハードルを置く」と言っていますが、これは、かつての同氏自身の経験を指しているのでしょう。
バルト艦隊の陸上航空隊で10年以上に渡りパイロットとして勤務した後、30代後半で艦上機へ転科した自分自身に・・・

新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された

本日(2016年12月9日)、プロジェクト12700「アレクサンドリト」掃海艦の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」がロシア連邦海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフは2016年12月9日にロシア海軍へ就役する]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年12月9日12時29分配信
【ロシア海軍へ新たな掃海艦「アレクサンドル・オブホフ」が補充された】

12月9日・金曜日、プロジェクト12700掃海艦のトップ「アレクサンドル・オブホフ」はバルト艦隊へ引き渡された。
式典は、クロンシュタットのペトロフスキードックで開催された。


「海軍へのアレクサンドル・オブホフの引き渡しは、我々の機雷掃海部隊の歴史に新たなページを開きます」
艦への聖アンドレイ旗掲揚式典において、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は表明した。
「全ての科学技術的作業が、この掃海艦のプロジェクトの準備と建造に使用されています」

彼によると、更に7隻の艦の建造が計画されており、将来的に、海軍は、40隻ほどの同プロジェクト掃海艦の受領を望んでいる。

西方軍管区司令官アンドレイ・カルタポロフ大将は、バルト艦隊が遥か以前から新たな(掃海)艦を受領しておらず、従って、プロジェクト「アレクサンドリト」掃海艦のトップの引き渡しは、全てのバルト艦隊船員にとって喜ばしい出来事である事を指摘した。

次に、中央海洋設計局『アルマーズ』総取締役アレクサンドル・シリャフテンコは、プロジェクト「アレクサンドリト」沿岸哨戒艦を開発する為の基礎プラットフォームになる事が出来ると考えている。

最新対機雷防衛艦「アレクサンドル・オブホフ」海軍への引き渡しは、フランス側の機雷探知システムの納入の取り消しと、代替用の国産機器の導入と試験の必要が有ったが故に、何度も延期された。

2014年4月にロシア連邦国防省『中部ネヴァ川造船工場』の間で署名された契約に沿って、更に3隻のプロジェクト「アレクサンドリト」掃海艦が建造されなければならない。

第2の掃海艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2017年秋にならなければ進水しない~計画より1年遅れて。
遅延は、6月初頭に建造中の艦で発生した火災に関連する。

中央海洋設計局『アルマーズ』により設計された艦の排水量は890トン、16.5ノットの速力を発揮する。
艦の主な用途は、海軍基地海域での機雷の探知と破壊である。

「アレクサンドル・オブホフ」は様々な種類の掃海具自動無人潜水装置を使用できる。
機雷へ対処する為の追加手段として、艦にはフランス製の無人艇「インスペクトル Mk2」が設置される。




ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日にサンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で起工されました。

プロジェクト12700の船体はガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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起工から約3年後の2014年6月27日に進水しました。
[ロシア海軍の新世代掃海艦アレクサンドル・オブホフは進水した]


進水後に艤装工事が行なわれ、2015年2月から係留試験が始まりました。

2015年7月26日の「ロシア海軍の日」には、他の新型艦と共にバルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]

2015年12月25日、当初の予定よりも大幅に遅れて工場航行試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新掃海艦アレクサンドル・オブホフは洋上試験を開始した]


当初、「アレクサンドル・オブホフ」は2015年11月にロシア海軍へ納入される予定でしたが、2016年に延期される事になりました。
[最新掃海艦アレクサンドル・オブホフは2015年11月にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

2016年7月26日にはサンクトペテルブルクへ入港しました。


2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクの記念行事へ参加しました。
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8月1日にサンクトペテルブルクを出航しました。


9月22日、最終洋上試験となる国家受領試験がようやく始まりました。
[ロシア海軍新世代掃海艦アレクサンドル・オブホフは国家受領試験を開始した]

国家受領試験は11月末までには完了し、2016年12月9日に聖アンドレイ旗掲揚式典、即ちロシア海軍への就役式典が開催されました。
同時に造船工場からロシア海軍への納入証書への署名も行なわれたようです。

正式にロシア海軍へ就役した「アレクサンドル・オブホフ」は、バルト艦隊へ編入されました。


記事中で触れられていますが、「アレクサンドル・オブホフ」には、フランス無人艇「インスペクトル Mk2」が搭載されます。

『ECAグループ』公式サイトより
【無人水上艇インスペクトル Mk2】

無人艇「インスペクトル Mk2」は、フランスからロシアへの輸出が禁止されている品目に含まれていなかったので、現在でも普通に輸入できたようです。
ただし、プロジェクト12700の2番艦以降には、別の無人艇が搭載されることになります。

サンクトペテルブルクのネヴァ川で試験中の「インスペクトル Mk2」
(試験中の為に人が乗っています)

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プロジェクト12700の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工されています。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]
しかし、建造中の2016年6月7日に火災事故を起こしました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]

2016年6月27日には3番艦の船体形成作業が開始されました。
[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった]

2016年8月30日には4番艦の船体形成作業が開始されました。
[ロシア海軍の為の第4のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった]

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2017年2月9日にセヴェロモルスクへ帰投する?


『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年12月8日19時53分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」は(2017年)2月初頭に北方艦隊(の基地)へ戻る】

現在、地中海に滞在している航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年2月9日にはセヴェロモルスクに居るだろう。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)は、情勢に通じている情報提供者より伝えられた。


以前には、同艦が基地へ戻った際に修理と近代化が実行されると報じられた。

12月5日・月曜日、航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」艦上へ戦闘機Su-33が着艦を始めた時に航空拘束装置のケーブルが切断され、航空機の喪失を招いた事が知られるようになった。

それ以前の巡洋艦の航空団の航空機の事故としては、1ヶ月前に満たない11月13日に訓練飛行中の戦闘機MiG-29Kが事故により失われた。
同機は地中海へ沈んだ。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、更に水上艦支援船を含む航空艦グループは、10月15日に大西洋及び地中海への遠距離航海を始めた事が想い起される。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]

今回の「ロシア海軍空母機動部隊」は、以下の艦で構成されています。

[北方艦隊航空艦グループ](指揮官:北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将)
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」
重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
中型海洋給油船「カーマ」
救助曳船「ニコライ・チケル」

(註:大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は2016年11月下旬にグループより離脱)

10月17日にはノルウェートロンヘイム沖を航行していました。
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「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]

「ロシア海軍空母機動部隊」ブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月24日にはポルトガル沖を航行していました。


10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。


その後、ロシア航空艦グループ北アフリカスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

更には、地中海中部マルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。
[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]

11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]

その後、ロシア海軍空母部隊地中海を東へ進みました。


11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」も、現在はロシア海軍空母機動部隊へ加わっているようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島シリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]

11月9日、ロシア海軍空母機動部隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

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ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」シリア有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」Su-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95MSシリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]


「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、今もシリアタルトゥース沖に居ます。
[空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している]


その「アドミラル・クズネツォフ」ですが、2017年2月9日にセヴェロモルスクへの帰港が予定されているという未確認情報が出てきました。
仮に、この情報が本当だとすると、大雑把に計算して「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年12月末~2017年1月初頭には/strong>地中海東部(シリア沖)から去る事になるでしょう。

「アドミラル・クズネツォフ」は2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航していますから、仮に2017年2月9日に帰港するのならば、ほぼ4ヶ月に渡る遠距離航海になります。

2016年7月末、元ロシア海軍第1副総司令官イーゴリ・カサトノフ提督は、「アドミラル・クズネツォフ」地中海への航海は4ヶ月程度になると述べています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]


今回の遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が行なわれます。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバルト海で最終洋上試験を行なう


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年12月8日11時12分配信
【「アドミラル・マカロフ」はバルト海で試験の最終段階を行なう】
カリーニングラード、12月8日-ロシア通信社ノーボスチ

カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された最新警備艦(フリゲート)「アドミラル・マカロフ」は、バルト海における国家受領試験の最終段階を実行する。
西方軍管区下のバルト艦隊広報サービス・情報供給部長ローマン・マルトフ1等海佐は報道陣へ伝えた。

「艦の乗組員とバルト艦隊海軍航空隊は、警備艦アドミラル・マカロフの国家受領試験最終フェイズの次の段階を保障します。
試験プログラムには、13隻の艦及び支援船、更には航空機Su-24、Su-27、艦載ヘリコプターKa-27が関与します」

士官は伝えた。

彼は、試験計画に沿って、バルト艦隊の海洋射爆場において、警備艦は既に、沿岸および空中の目標を模した実際の標的へのミサイル発射と砲射撃を成功裏に実行している事を指摘した。
また、反応深海爆弾RBU-6000装置、対水中工作手段、航空複合体の試験が行なわれる。

国家受領試験の最終段階中に、バルト海で同日にヘリコプターKa-27乗員は、昼間及び夜間に10回以上の警備艦の甲板への着艦を行なう。

プロジェクト1135.6フリゲート(コード名「ブレヴェストニク」)は、遠海ゾーン多目的警備艦である。
単独或いは連合部隊の一員として水上艦及び潜水艦へ対抗する戦闘行動、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
排水量は約4000トン、全長125メートル、30ノットの速力を発揮する。

フリゲートの基本的な打撃兵装は、対艦有翼ミサイル「カリブル」型の為の垂直発射装置を有する汎用艦載発射複合体である。

今年には既に海軍へ2隻のシリーズ艦~「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」が引き渡されている。
11月中旬、「アドミラル・グリゴロヴィチ」地中海からシリアのテロリストの施設へのミサイル発射を実行した。

フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、『ヤンターリ』工場で2012年2月29日に起工され、2015年9月2日に進水した。
海軍への引き渡しは今年末までに予定されている。



[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工されました。
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]

それから3年半後の2015年9月2日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは進水した]

2016年4月1日、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの係留試験が始まった]

2016年7月9日に『ヤンターリ』造船所からバルチースク海軍基地へ移動しました。
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7月29日、工場航行試験が開始されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの航行試験が始まった]

工場航行試験は9月下旬までに終了し、10月7日からは最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの国家受領試験が始まった]

10月16日、「アドミラル・マカロフ」は、有翼ミサイル「カリブル」などの兵装試験を実施する為、バレンツ海方面の移動を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にバレンツ海へ向かった]

10月24日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にセヴェロモルスクへ到着した]

11月初頭にはバレンツ海で沿岸目標への有翼ミサイル「カリブル」発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も各種兵装の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのバレンツ海における兵装試験は完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・マカロフ」は、11月25日にバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフは北方での兵装試験を終えてバルチースクへ戻った]

そして12月8日からバルト海で最終洋上試験が始まりました。

この試験が終わった後、ロシア海軍への引き渡しの準備が行なわれます。

「アドミラル・マカロフ」は、2016年12月にロシア海軍へ引き渡される予定です。
『タス通信』より
2016年10月30日15時41分配信
【第3のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・マカロフ」は12月に(ロシア)海軍へ引き渡される】

就役後は、他の同型艦と同様に黒海艦隊へ配備されます。


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、2隻が就役しています。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月31日納入/2016年6月7日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2016年12月就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工


ただし、4番艦と5番艦は、現在、工事が中断されています。


2016年10月15日、インドゴアロシアインドによる各種兵器輸出協定が締結されました。
この中には、プロジェクト11356フリゲートの売却も含まれています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月15日13時12分配信
【プロジェクト11356フリゲートは「ブラーモス」ミサイルを装備できる】

ロシアインドへ4隻のプロジェクト11356フリゲートを売却しますが、この内の2隻はロシアの造船所で建造し、あとの2隻はインドの造船所でライセンス建造するとの事です。

ロシアで「建造」される2隻が、工事が中断された「アドミラル・ブタコフ」「アドミラル・イストミン」である可能性は高いでしょう。

ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される

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『タス通信』より
2016年12月7日14時47分配信
【戦闘機Su-30SMは『2017年の国家防衛発注』の枠組みにおいてバルト艦隊の海軍航空隊へ補充される】
カリーニングラード、12月7日/タス通信特派員アレクサンドル・アルヒポフ

新たな戦闘機Su-30SMバルト艦隊海軍航空隊へ軍備採用され、最初の航空機は12月8日にカリーニングラード近郊のチェルニャホフスク市の飛行場へ到着する。
同艦隊の広報サービスは発表した。

「2017年の国家防衛発注の枠組みにおいてバルト艦隊の海軍航空隊へ、このタイプの戦闘機が更に数機引き渡されます」
声明では、こう述べられた。

広報サービスが指摘したように、最初のSu-30SM乗員は、エイスク海軍航空隊戦闘動作・飛行再訓練センターで再訓練を受けた。
更なる飛行士の準備は、直接に新たな航空機をマスターした同僚が助け、航空基地へ戦闘機が受け入れられる。

Su-30SMは、ロシアの第4++世代多目的重戦闘機Su-30の最後の近代化型であり、超機動性を有し、フェーズドアレイアンテナ方式の電波位置特定機(レーダー)、推力ベクトル制御エンジン、前部水平翼(カナード)を装備する。



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ロシア海軍航空隊の為の多用途複座戦闘機Su-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2015年2月には初めて黒海艦隊の演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊のSu-30SMは艦隊防空演習に参加した]

2015年9月には初めて地上攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の戦闘機Su-30SMは初の地上攻撃演習を行なった]

2015年10月には抜き打ち演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は抜き打ち演習を行なった]

黒海艦隊航空隊(第43独立海洋襲撃機航空連隊)は、2015年末までに合計8機のSu-30SMを受領しました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は戦闘機Su-30SMへの更新を続ける]

クリミア半島海軍航空隊(黒海艦隊所属)には、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分となる12機程度の戦闘機Su-30SMが2016年までに配備されます。
[クリミアのロシア海軍航空隊は1個飛行隊(12機)の戦闘機Su-30SMを受領する]

黒海艦隊航空隊Su-30SMは、現用の前線爆撃機Su-24を代替します。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の前線爆撃機Su-24は2020年までに多用途戦闘機Su-30SMで代替される]

2016年11月28日までに数機のSu-30SMが引き渡されました。
(おそらくは黒海艦隊第43独立海洋襲撃機航空連隊へ)
この内の1機は「イルクーツク」と命名されました。
[ロシア海軍航空隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが引き渡された]


今後、Su-30SM北方艦隊にも配備されます。
[ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

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更に、バルト艦隊向けの調達も予定されている事が明らかにされました。

バルト艦隊向けのSu-30SMチェルニャホフスク飛行場へ配備されることになるようですが、ここには第4独立親衛海洋襲撃機航空連隊前線爆撃機Su-24が駐留しております。
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ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される

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『イズベスチヤ』より
2016年12月6日0時1分配信
【Su-30はバレンツ海を閉鎖する】

国防省は新たな戦闘機を北極圏へ転進させる。
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ロシア国防省は、北極圏最新戦闘機Su-30SMの展開を始める。
北方艦隊海軍航空隊へ加わり、セヴェロモルスク-3飛行場に駐留する機体の任務は、敵の航空機、攻撃用無人機、有翼ミサイル、更には敵の戦闘艦からバレンツ海をカバーする事に有る。
現代的な「空対空」、「遠距離」ミサイルに加え、更に、ユニークな超音速対艦ミサイルKh-31で武装する。
専門家によれば、バレンツ海ロシア艦潜水艦には信頼できる航空の盾が無く、防御は手薄であった。
Su-30SMの展開は、この問題を完全に解決する。

推力ベクトル可変エンジンを有する複座多機能超機動戦闘機Su-30SMは、2012年に国防省へ軍備採用された。
現時点において、ロシア航空宇宙軍及び海軍航空隊は、契約が締結された116機の機体の内の約60機を受領している。
フマイミーン航空基地に駐留するSu-30は、積極的にシリア作戦へ参加し、前線爆撃機及び戦略爆撃機を護衛している。
総計約25トンの「30」は、10トン以上のミサイル及び爆弾を12ヶ所の懸架点へ搭載できる。

複数の軍当局及び航空業界の情報筋が『イズベスチヤ』へ話したように、最初の2機のSu-30は、近い内にセヴェロモルスク-3飛行場へ到着する。
新着の機体は、北方艦隊海軍航空隊第279独立艦上戦闘機航空連隊第3飛行中隊へ加入する。
更に多くの最新戦闘機が受け入れられ、独立航空連隊の形成が計画されている。

北方艦隊の艦船を敵の航空機、無人機、有翼ミサイルの攻撃から保護する事に加え、最新戦闘機は、敵の艦船、電波位置特定ステーション(レーダー)、高射システム、他の敵地上施設へ打撃を与えられる。
これらの任務を遂行する為、「海の」Su-30は、習熟を完了した後、機上の兵器庫へ超音速ミサイルKh-31(NATO分類「クリプトン」)が補充される。
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総重量700kg以上のKh-31は、時速2500kmの速度へ達し、距離200kmの目標を攻撃できる。
現在、国防省の軍備であるミサイルには、2つのヴァージョンが有る。
対艦用Kh-31には、敵の探知を助ける小型レーダー自動誘導頭部に設置されている。
1基のミサイルさえ到達すれば、「タイコンデロガ」型巡洋艦~今、アメリカ合衆国海軍の軍備として在るロケット艦~の沈没は確実に実現する。

対電波位置特定器(レーダー)ヴァーションKh-31は、自動誘導弾頭、敵の放射熱を検出する電波位置特定ステーション(レーダー)を装備する。
ミサイルの100kg弾頭の爆発は、電波位置特定器だけではなく、ステーション全体、更には、すぐ近くの機材も破壊する。

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「ムルマンスク州のキルピヤヴルに駐留していた第9親衛戦闘機連隊が2008年に解散した後、北方艦隊の軍事基地、艦船、潜水艦はロシア航空宇宙軍の対空防衛網の一部にのみカバーされておりました」
軍事史家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
「ですが、これでは不十分です。
近隣の戦闘機飛行中隊の迎撃機MiG-31は、モンチェゴルスクに在る北方艦隊司令部と主要基地セヴェロモルスクをカバーします。
演習で示されたように、バレンツ海のパトロールに艦上戦闘機Su-33を使用する事は非効率的です。
そして、ロシア航空宇宙軍のMiG-31は、それよりも重要な任務を有しております。
それに加えて、北方艦隊の高緯度におけるロシアとNATO(北大西洋条約機構)の間の対立の増大という条件において、バレンツ海の攻撃航空隊は、明らかに十分ではありませんしね」




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ロシア海軍航空隊の為の多用途複座戦闘機Su-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2015年2月には初めて黒海艦隊の演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊のSu-30SMは艦隊防空演習に参加した]

2015年9月には初めて地上攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の戦闘機Su-30SMは初の地上攻撃演習を行なった]

2015年10月には抜き打ち演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は抜き打ち演習を行なった]

黒海艦隊航空隊(第43独立海洋襲撃機航空連隊)は、2015年末までに合計8機のSu-30SMを受領しました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は戦闘機Su-30SMへの更新を続ける]

クリミア半島海軍航空隊(黒海艦隊所属)には、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分となる12機程度の戦闘機Su-30SMが2016年までに配備されます。
[クリミアのロシア海軍航空隊は1個飛行隊(12機)の戦闘機Su-30SMを受領する]

黒海艦隊航空隊Su-30SMは、現用の前線爆撃機Su-24を代替します。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の前線爆撃機Su-24は2020年までに多用途戦闘機Su-30SMで代替される]

2016年11月28日までに数機のSu-30SMが引き渡されました。
(おそらくは黒海艦隊第43独立海洋襲撃機航空連隊へ)
この内の1機は「イルクーツク」と命名されました。
[ロシア海軍航空隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが引き渡された]


これまでに黒海艦隊にしか配備されていないSu-30SMですが、次の配備先は、近年ロシアが戦略的に重要視している北極圏を担当する北方艦隊になるようです。

配備先は、セヴェロモルスク-3飛行場に駐留する「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」との事です。
ロシア海軍で唯一の艦上戦闘機Su-33部隊である同連隊は2個飛行中隊で構成されていますが、新たに第3飛行中隊が設立されてSu-30SMが配備されます。
[艦上戦闘機Su-33]
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北方艦隊には、もう1つの戦闘機部隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が所属していますが、こちらの装備機は艦上戦闘機MiG-29K/KUBですから、スホーイの同系列機を有する第279連隊へ暫定的に配備されることになったようです。
[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]

保有機数が増えれば、将来的にはSu-30SMで構成される独立戦闘機航空連隊が設立されるようです。
航空連隊となるのであれば、少なくとも20~24機程度のSu-30SM北方艦隊へ配備される事になるでしょう。

上記のように、北方艦隊には2個の戦闘機航空連隊が有るには有るのですが、双方とも艦上機部隊であり、いつもムルマンスク周辺に居るとは限りません。
個々の戦闘機の能力に言及すれば、Su-33は航続距離は比較的長いのですが、基本的には対空戦闘専門であり、対艦攻撃能力は有りません。
MiG-29K/KUBは対艦攻撃能力を有しており、今回の記事中で触れられているKh-31も搭載・運用出来ますがSu-33に比べて航続距離は短く、ムルマンスク周辺コラ半島全体をカバーするには、いささか心許ないでしょう。
ロシア航空宇宙軍の戦闘機部隊も近くに居ますが、海軍基地や艦船などの防衛だけに専念させる事は出来ません。


そこで、ロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊向けに大量生産中の多用途戦闘機Su-30SM北方艦隊へ配備される事になったようです。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する

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『タス通信』より
2016年12月6日13時5分配信
【対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はラマンシュ海峡へ入った】
ムルマンスク、12月6日/タス通信

北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、ラマンシュ海峡の最も狭い部分であるカレー海峡を通過し、その後、大西洋北東海域へ向かう。
同艦隊の広報サービスは発表した。

「大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは、ラマンシュ海峡へ入りました。
大西洋をイベリア沿いに移動中に大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは一連の戦闘演習活動を行ない、艦の対空及び対潜防衛を保障する為の演習、更には、艦上航空隊~ヘリコプターKa-27を使用した一連の救助活動実施の訓練を行ないました」

広報サービスは話した。

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、11月30日に地中海ロシア海軍作戦連合部隊の一員としての任務遂行を完了した。
11月24日、同艦の乗組員は、地中海で遭難したウクライナ漁船を援助した。

広報サービスが指摘したように、10月15日に北方艦隊主要基地を出てから始まった遠距離航海中に、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は12000海里以上を航行した。
近い内に対潜艦の乗組員は、遠距離航海計画に沿って北東大西洋での任務遂行を継続する。



北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、2016年10月15日にロシア海軍機動部隊の一員として地中海東部へ向けて出航しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

地中海へ入った後、11月9日には、空母機動部隊へ接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見、追尾しています。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

その後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は本隊と別れ、11月24日には遭難して航行不能となったウクライナ漁船の救助へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海で遭難したウクライナ漁船の救助へ向かった]

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」ウクライナ漁船ギリシャガウドス島まで曳航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは遭難したウクライナ漁船をギリシャのガヴドス島まで曳航した]


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そして更に地中海を西へ進み、11月30日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海を去り、大西洋へ行く]

その後、イベリア半島沿いに北上してビスケー湾へ入り、12月6日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
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「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」大西洋北東部で行動する事になるようです。

ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイ訪問を終えた

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年12月6日9時49分配信
【太平洋艦隊戦闘艦支隊はタイへの訪問を完了した】
ウラジオストク、12月6日-ロシア通信社ノーボスチ

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」で構成されるロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は、タイ王国サッタヒープ港への訪問を完了した。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフは報道陣へ伝えた。

「寄港プログラムの枠組みにおいて、航海司令部とタイ王国海軍及び同市行政部の代表との表敬会合が開催されました」
マトヴェーエフ
は伝えた。

彼によると、外国港への停泊中に艦は水と食料の在庫を補充し、ロシア軍事船員は沿岸で休養し、地元の観光名所を見学する機会を与えられた。
また、2ヶ国の将兵の間でサッカーの友好試合が開催された。

太平洋艦隊艦船支隊は10月中旬に艦隊主要基地-ウラジオストクから出航した。
艦船は太平洋及びインド洋で戦闘任務を遂行し、インドネシアタンジュンプリオク港への寄港時に国際兵器展示会『インドディフェンス-2016』へ参加した。



太平洋艦隊艦船支隊は2016年10月15日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインド洋へ向かった]

[太平洋艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
駆逐艦「ブイストルイ」
大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」
救助曳船「アラタウ」


支隊は10月20日午後5時頃に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年10月21日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月1日にインドネシアタンジュンプリオク港を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアのタンジュンプリオク港を訪問した]

11月6日にタンジュンプリオク港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアを去った]


その後、駆逐艦「ブイストルイ」救助曳船「アラタウ」の2隻は本隊と別れ、11月17日午後3時頃には対馬海峡を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年11月18日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月21日までに駆逐艦「ブイストルイ」ウラジオストクへ帰港しました。
救助曳船「アラタウ」も帰港したようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイはウラジオストクへ帰投した]


一方、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」の2隻となった太平洋艦隊艦船支隊の動向は公表されませんでしたが、その後も東南アジア海域に居たらしく、12月初頭にはタイ王国サッタヒープ港を訪れ、12月6日に出航しました。
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ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年12月5日17時55分配信
【専門家:「アドミラル・クズネツォフ」のSu-33パイロットは航空機を救う事は出来なかった】

12月5日・月曜日、巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の航空拘束装置のケーブルが切断されたが故の事故で艦上多目的戦闘機Su-33が失われた。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)は、航空艦を指揮した経験を持つロシア海軍士官から、同様の状況において艦の乗組員とパイロットは、どのように行動しなければならないのかを聞いた。


匿名を希望する専門家によると、飛行士は唯一正しい行動を取った。
「似たようなケースは2005年にも有りました、
それは、射出による緊急脱出を除き、飛行士は他には何も実行できない事を示しております」

対談者は説明した。

実際には、航空拘束装置ケーブルが切断された事により、航空機は、再び離艦する為の十分な速度へ達する事が出来なかった。

「航空機の速度は、着艦時には時速約200kmですが、ケーブルが切断されれば、それは時速160kmか、それ以下に減速されます。
航空機は、このようなスピードでは再び離艦は出来ません。
従いまして、ケーブルを切断した航空機の命運は尽き、勇敢なる飛行士は射出により緊急脱出するしか無いのです」

専門家は強調した。

[アメリカの航空母艦において航空拘束装置のケーブルが切断された際に乗組員が見舞われた非常事態]
公開情報によると、同様の事故は、2003年にアメリカ合衆国海軍の航空母艦「ジョージ・ワシントン」で起こった。
その後、戦闘機F/A-18Eホーネットは艦上から落下し、切断されたケーブルにより数名の乗組員が負傷した。


専門家が説明したように、航空拘束装置ケーブルは、各々の着艦の後に検査され、交換は摩耗状態に依存する。
「摩耗の度合を考慮すれば、一定の割合でケーブルを交換すべきですね」
彼は締め括った。

「アドミラル・クズネツォフ」航空拘束装置には合計で4本のケーブルが有る。
航空機の着艦の際、それは12cm持ち上がる。
1本目のケーブルは、飛行甲板の端から46メートルの距離が有り、そこから互いに12メートル離れて2本のケーブルが有り、更に4本目のケーブル~予備~が有る。
パイロットは着艦を行なう際、航空機の特殊な制動鉤(フック)へ2本目のケーブルを引っ掛ける事が必要であり、そして3本目は尚の事良い。
飛行士は引っ掛ける時まで燃料を排出する事は無く、必要な場合には再び機体を空中へ上げる。

「アドミラル・クズネツォフ」における同様の事故は、2005年秋に大西洋北部で起こった。
戦闘機Su-33の着艦時に航空拘束装置ケーブルが切断され、航空機は甲板から飛び立ったが、海に沈んだ。
パイロットは射出による緊急脱出に成功した。
戦闘機が引き揚げられる事は無かった。

2016年11月13日、ロシア「アドミラル・クズネツォフ」航空団の戦闘機MiG-29KRは、技術的不具合が故の事故で失われた。
12月5日・月曜日、航空拘束装置の(ケーブル)切断が故の事故で、更に1機の艦上多目的戦闘機Su-33が失われた事が知られるようになった。



[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた]

ロシア海軍艦上戦闘機Su-33は、北方艦隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」にのみ配備されており、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を母艦としています。
(普段はセヴェロモルスク-3飛行場に駐留)
現在の総保有機は21機であり、少なくとも16機程度が稼働状態に在ります。
(機体番号60、62、66、67、68、71、76、77、78、79、80、84、85、86、87、88)
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稼動状態に在る16機のSu-33は寿命延長近代化改修が行なわれており、少なくとも2025年までは運用されることになります。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]

第279連隊Su-33は、2016年4月26日から6月24日までクリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」で「発着艦」訓練を行ないました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカでの発着訓練を完了した]


その後、7月1日からは母艦「アドミラル・クズネツォフ」での飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の飛行訓練が始まった]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア海軍空母機動部隊は、2016年10月15日に地中海へ向けて出航し、現在はシリア沖に展開しています。
Su-33は、10機程度が搭載されています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機シリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルKh-101を発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

元々は空対空専門のSu-33でしたが、今回の地中海遠征へ出発する前に、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24-33が装備されました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]


11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

そして12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しており、今回の地中海遠征において2度目の事故です。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

記事中でも触れられていますが、11年前の2005年9月5日、大西洋上に居た「アドミラル・クズネツォフ」において、全く同様の事故が起こっています。




今回の記事に登場する「航空艦を指揮した経験を有するロシア海軍士官」(元「アドミラル・クズネツォフ」艦長?)は、着艦拘束装置のケーブルが切れた理由について直接には言及していませんが、
「ケーブルは毎回の着艦後に検査される」
「ケーブルの交換は摩耗の具合に依る」
「一定の割合(間隔)でケーブルを交換すべき」

と言っております。

つまり、これらの事を怠った為に事故が起こった可能性が高いでしょう。

ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた


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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年12月5日13時26分配信
【Su-33は「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際に甲板を越えて飛び出した】
モスクワ、12月5日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアSu-33シリアでの戦闘任務を遂行した後、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦する際、甲板を越えて飛び出した。
(ロシア)国防省は発表した。
事故の原因は、航空拘束装置のケーブルが切断された事に起因する。

戦闘機パイロットは脱出に成功し、彼は捜索救助サービスにより艦上へ送り届けられた。
飛行士の健康状態は、如何なる危険にも晒されていない事を当局は指摘した。

国防省は更に、遠距離計画の下に地中海で行動しているロシア空母グループは、甲板からの航空機のフライトは任務に沿って継続すると伝えた。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」率いる北方艦隊艦船グループは、11月中旬に地中海への移動を完了し、シリア沖で演習を始めた。
11月15日、航空母艦戦闘機Su-33は、初めてテロリストへ打撃を与えた。

11月14日、航空母艦へ着艦の為に進入していた戦闘機MiG-29が事故の為に失われた。
技術的障害が故に航空機巡洋艦から数キロメートルで墜落した。
MiG-29を操縦していた飛行士はタイミングよく脱出し、被害は無かった。



[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた]

ロシア海軍艦上戦闘機Su-33は、北方艦隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」にのみ配備されており、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を母艦としています。
(普段はセヴェロモルスク-3飛行場に駐留)
現在の総保有機は21機であり、少なくとも16機程度が稼働状態に在ります。
(機体番号60、62、66、67、68、71、76、77、78、79、80、84、85、86、87、88)
15-0320d.jpg

稼動状態に在る16機のSu-33は寿命延長近代化改修が行なわれており、少なくとも2025年までは運用されることになります。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]

第279連隊Su-33は、2016年4月26日から6月24日までクリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」で「発着艦」訓練を行ないました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカでの発着訓練を完了した]


その後、7月1日からは母艦「アドミラル・クズネツォフ」での飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の飛行訓練が始まった]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア海軍空母機動部隊は、2016年10月15日に地中海へ向けて出航し、現在はシリア沖に展開しています。
Su-33は、10機程度が搭載されています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機シリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルKh-101を発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

元々は空対空専門のSu-33でしたが、今回の地中海遠征へ出発する前に、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24-33が装備されました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]


11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

そして12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のワイヤーを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しており、今回の地中海遠征において2度目の事故です。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]


なお、11年前の2005年9月5日、大西洋上に居た「アドミラル・クズネツォフ」において、全く同様の事故が起こっています。




「アドミラル・クズネツォフ」着艦拘束装置サンクトペテルブルクプロレタリア工場で製造されており、ロシア海軍だけでは無く、インド海軍でも使用されています。
[ロシアは着艦拘束装置の製造を再開した]
もしも着艦拘束装置に欠陥(設計ミスや製造ミス)が有るのならば、インド海軍でも同様の事故が多発しているでしょう。

空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している


『タス通信』より
2016年12月5日11時34分配信
【(ロシア海軍)総司令官:地中海のロシア連邦海軍空母グループは完全に自立している】
モスクワ、12月5日/タス通信

ロシア唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」率いるロシア連邦海軍航空艦グループは完全に自立しており、港へ寄港する必要は無い。
月曜日、テレビ局『ロシア 24』の生放送で海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフは述べた。

「航空艦グループを含め、我々のグループの全ての航海は、当初から全部こんな感じです。
即ち、海上において、全ての兵站拠点からのリソース供給からの絶対的な自立が可能です。
従いまして、何ら問題は発生しておらず、干渉も無く、生じてもいません。
それにも関わらず、我々はマルタとセウタへ寄港しませんでした。
この事により、何ら彷徨う事は無く、与えられた任務を果たす事にも影響はありません」
コロリョーフ
は話した。

彼によると、現在、空母グループの構成には3隻の給油船が含まれている。

10月末、スペイン外務省は、マドリードモスクワの要請を受け、10月28日から11月2日までセウタ港への3隻のロシア艦船の寄港を許可したが、ロシア側が、この要請を取り下げたと発表した。
ロシア国防省は、セウタへの「アドミラル・クズネツォフ」訪問の許可を求めた事は無いと表明し、ただ1つ考えられる可能性は「個々の艦あるいは支援船の業務寄港である」
当局の公式代理人イーゴリ・コナシェンコフは、ロシアのグループは「必要な物資を完全に確保しており」、全体の状況は「移動計画に何ら影響を与えない」と表明した。

[単一情報界]
ウラジーミル・コロリョーフ
は更に、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海ロシア連邦海軍空母グループに属している艦船は、単一情報界で行動していると述べた。

「航空艦グループは、単一情報界で作業を行なっており、全ての艦船は、単一の構想及び計画下で行動し、複合戦闘訓練任務の目的を遂行します」
彼は話した。

コロリョーフが説明したように、この複合(任務)には、対空及び対潜防衛任務、更には航海中の物資補充及び投錨も含まれる。

「これらの活動は、予定海域へ移動する際と、予定海域において直接に取り組みが行なわれます」
総司令官は付け加えた。

北方艦隊艦船グループは、10月15日に大西洋北東部及び地中海への航海に出発した。
11月15日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、シリアイドリブ県及びホムス県テロリストへ打撃を与えたと大統領ウラジーミル・プーチンへ報告した。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]

今回の「ロシア海軍空母機動部隊」は、以下の艦で構成されています。

[北方艦隊航空艦グループ](指揮官:北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将)
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」
重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
中型海洋給油船「カーマ」
救助曳船「ニコライ・チケル」

(註:大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は2016年11月下旬にグループより離脱)

10月17日にはノルウェートロンヘイム沖を航行していました。
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「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]

「ロシア海軍空母機動部隊」ブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月24日にはポルトガル沖を航行していました。


10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。


その後、ロシア航空艦グループ北アフリカスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

更には、地中海中部マルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。
[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]

11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]

その後、ロシア海軍空母部隊地中海を東へ進みました。


11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」も、現在はロシア海軍空母機動部隊へ加わっているようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島シリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]

11月9日、ロシア海軍空母機動部隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

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ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」シリア有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」Su-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95MSシリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]


そして12月4日、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ提督ロシアテレビ局に出演し、「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア空母群は、外国の港へ寄港する必要は無く、完全に自立して行動していると述べました。

コロリョーフ提督は、ロシア空母群には3隻の給油船が属していると述べていますが、これは「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」の事でしょう。

ロシア海軍航空隊の為のヘリコプター型無人航空複合体が開発される

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『タス通信』より
2016年12月3日10時0分配信
【ロシアは海軍航空隊の為の無人偵察ヘリコプターを作成する】
モスクワ、12月3日/タス通信

ヘリコプター型偵察用無人飛行装置ロシア連邦海軍航空隊のニーズの為に作成される。
土曜日にタス通信ロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「偵察及び目標指示の為に意図されるヘリコプター型無人航空複合体は、ロシア連邦海軍航空隊の要求により作成されます」
対談者は話した。

彼によると、複合体は、攻撃手段への目標指示、射撃の調整、更には地形の地図作成、遭難した航空機および船舶の乗組員の発見が可能である。
その構成には、複数の無人飛行装置、制御手段、自動化手段、輸送手段、更には技術的サービス拠点が含まれる。

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雑誌『無人航空機』編集長デニス・フェドゥチコフは、この情報についてのタス通信特派員へのコメントで指摘した。
彼の知識では、この開発は、かつてロシア連邦国防省の要求により、テーマ「ローレル」の枠組みで作成されたが、失敗に終わった装置と寸法が非常に良く似る物になるかもしれない。

専門家によると、海軍の要求により、そのような無人機を使用する事は非常に有望であり、偵察ヴァーションは状況認識の向上を可能とするものの、更に限定的な打撃能力を持つ可能性は排除されない。



[ロシア海軍航空隊の為の有人/無人航空機が開発される]

ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦ブヤン-Mの6番艦以降は中国製ディーゼルエンジンを装備する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年12月2日20時7分配信
【中国製ディーゼルは遅れることなく小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」へ設置される】

制裁下のMTUに代わって採用される中国製ディーゼルエンジンCHD622V20は、同様のタイプのディーゼルの「ブヤン-M」シリーズの建造中の艦へ初めて設置される。

高速船舶用ディーゼルエンジンCHD622V20プロジェクト21631艦への取り付けはスケジュールに沿って実行される。
『海軍産業』(フロートプロム)特派員は『ゼレノドリスク工場』より伝えられた。

最初の中国製ディーゼルの取り付けの為、造船所の発注を受け、クルイロフ国立科学センターは艦のシャフトラインの振動のねじり振動の計算作業を行なっている。

当初のプロジェクトによれば、建造される「ブヤン-M」シリーズ艦の9隻全てにディーゼルエンジンMTU 16V4000M90が設置されることになっていた。
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しかしながら、制裁故に供給は中止され、MTUディーゼルは、2014年~2015年に納入された5隻の艦のみに設置された。

海軍総司令部は、残りのシリーズ艦へ中国で製造されたエンジンを設置する事を決定した。
この20気筒ディーゼルエンジンCHD622V20の出力は3200キロワットである。
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「河南の会社から提示されるエンジンとは、どのようなものかですって?
これは既に高速船舶用ディーゼルの市場からは消え去っているドイツの会社ドゥーツ-MWMのエンジンのライセンス品です」
中国製品
について、『ズヴェズダー』工場ディーゼルエンジンM150「プリサール」の設計主任アレクサンドル・アルヒポフはコメントした。
「基本的に、これは、1980年代末に設計されたドゥーツ TBD622と呼ばれるものです。
現在も河南では生産が続けられています。
彼等が、どのようなアップグレードを行なったのか否か、これは大きな問題です」


彼は更に、MTUHNDの間には、品質面で根本的な如何なる差異も無く、唯一異なるのは燃料消費量であると付け加えた。
アルヒポフによると、実際の消費量に関しては、中国側の方が優れている。

プロジェクト21631艦の排水量は949トン、最大速力は25ノット。
艦の兵装は、口径100mmの砲、口径14.5mmの機関銃と口径7.62mmの機関銃である。
これに加え、艦は対艦ミサイル「カリブル」発射機と砲複合体「ドゥエト」で武装する。



[新世代小型ロケット艦「ブヤン-M」]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の6番艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は2013年8月29日に起工され、2016年8月22日に進水しました。

ロシア海軍への引き渡しは2017年に予定されており、就役後は黒海艦隊へ配備されます。
[6隻目のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは2017年にロシア海軍へ引き渡される]


今回の記事で取り上げられているように、「ブヤン-M」の1~5番艦はドイツMTU社製ディーゼルエンジンを装備していましたが、ヨーロッパ連合対ロシア制裁により以後の供給が停止した為、6番艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」以降は、ドイツ製ディーゼルをライセンス生産した中国製ディーゼルエンジンが装備されます。

仮にロシア製ディーゼルエンジンを搭載するとなると、もともとMTU製エンジンの搭載を前提に設計されている「ブヤン-M」の機関部の設計を変更しなければならず、その分、更に建造工事が遅れる事になります。
そこで、最も手っ取り早い代替案として、中国で生産されている同系列のエンジンを載せる事になりました。


なお、同じくドイツ製ディーゼルの搭載を予定していたプロジェクト20385コルベットは、ロシア製ディーゼルを搭載しています。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの設置は完了した]
ただ、この為の機関室周辺の設計変更も有り、就役は当初予定よりも数年遅れる事になりましたが。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に9隻が起工され、この内の5隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造されています。
[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年8月22日進水/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2019年就役予定
黒海艦隊へ配備予定



今後、更に3隻が追加建造されます。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦3隻(10-12番艦)の建造契約が締結された]


プロジェクト21631の主要兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

これまで、このようなタイプの水上艦は、対艦攻撃のみに特化していましたが、「ブヤン-M」は対地攻撃用の有翼ミサイルを搭載する事により、地上への戦力投射にも使用できるようになりました。


2015年10月7日、カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻(「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」)は、カスピ海からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻は、11月21日にも「カリブル」による攻撃を行なっています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2016年8月19日には、黒海艦隊「ブヤン-M」2隻が地中海東部(シリア沖)からシリア領内のテロ組織「アル=ヌスラ戦線」の施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]

新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフは2016年12月9日にロシア海軍へ就役する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年12月1日21時50分配信
【掃海艦のトップ「アレクサンドル・オブホフ」は12月9日に(ロシア)海軍へ引き渡される】

プロジェクト12700掃海艦のトップ「アレキクサンドル・オブホフ」は12月9日にロシア海軍へ引き渡される。
聖アンドレイ旗掲揚式典の日について『海軍産業』(フロートプロム)は『中部ネヴァ川造船工場』より伝えられた。


「私共は式典(聖アンドレイ旗掲揚)を12月9日に予定しております」
『海軍産業』
は同社より伝えられた。

プロジェクト12700掃海艦のトップ「アレキクサンドル・オブホフ」は、2014年6月に進水し、同艦の係留試験は2015年7月に完了した。
『中部ネヴァ川造船工場』は、同プロジェクト艦を合計4隻建造する。

雑誌『国家防衛』の編集長イーゴリ・コロチェンコは、海軍へ1隻の現代的な掃海艦が現れる事によって海軍の対機雷戦の準備は基本的には成長するわけでは無く、ロシアは、このクラスの艦の大規模な建造が必要であると考える。
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「機雷の脅威は、以前のまま存在しております。特に、現代の戦闘活動において予見できる条件特性でも。
僕達は、バルト艦隊のロシア艦の基地の封鎖と、その後の破壊の課題に取り組んだこの夏に行われた最新のNATOの演習を見てきました」

専門家は強調した。
「機雷の脅威は、ロシア領海付近、更には、ロシア海軍基地付近への直接の機雷敷設を含め、考慮すべき現実です」

基地掃海艦「アレクサンドル・オブホフ」は、中央海洋設計局『アルマーズ』により設計された。
艦の排水量は890トン、速力は16.5ノット、乗組員は44名。
機雷を探知し、無力化する為に、「アレクサンドル・オブホフ」は様々な種類の掃海具自動無人潜水装置を使用できる。
これらに加え、艦にはフランス製の無人艇「インスペクトル Mk2」が設置される。




ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日にサンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で起工されました。

プロジェクト12700の船体はガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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起工から約3年後の2014年6月27日に進水しました。
[ロシア海軍の新世代掃海艦アレクサンドル・オブホフは進水した]


進水後に艤装工事が行なわれ、2015年2月から係留試験が始まりました。

2015年7月26日の「ロシア海軍の日」には、他の新型艦と共にバルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]

2015年12月25日、当初の予定よりも大幅に遅れて工場航行試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新掃海艦アレクサンドル・オブホフは洋上試験を開始した]


当初、「アレクサンドル・オブホフ」は2015年11月にロシア海軍へ納入される予定でしたが、2016年に延期される事になりました。
[最新掃海艦アレクサンドル・オブホフは2015年11月にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

2016年7月26日にはサンクトペテルブルクへ入港しました。


2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクの記念行事へ参加しました。
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8月1日にサンクトペテルブルクを出航しました。


9月22日、最終洋上試験となる国家受領試験がようやく始まりました。
[ロシア海軍新世代掃海艦アレクサンドル・オブホフは国家受領試験を開始した]


国家受領試験は11月末までには完了したらしく、今回、建造元の『中部ネヴァ川造船工場』は、2016年12月9日に聖アンドレイ旗掲揚式典、即ちロシア海軍への就役式典が予定されている事を明らかにしました。
当然ながら、同日か、それよりも前に、造船工場からロシア海軍への納入証書への署名も行なわれるようです。

記事中で触れられていますが、「アレクサンドル・オブホフ」には、フランス無人艇「インスペクトル Mk2」が搭載されます。

『ECAグループ』公式サイトより
【無人水上艇インスペクトル Mk2】

無人艇「インスペクトル Mk2」は、フランスからロシアへの輸出が禁止されている品目に含まれていなかったので、現在でも普通に輸入できたようです。
ただし、プロジェクト12700の2番艦以降には、別の無人艇が搭載されることになります。

サンクトペテルブルクのネヴァ川で試験中の「インスペクトル Mk2」
(試験中の為に人が乗っています)

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プロジェクト12700の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工されています。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]
しかし、建造中の2016年6月7日に火災事故を起こしました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]

2016年6月27日には3番艦の船体形成作業が開始されました。
[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった]

2016年8月30日には4番艦の船体形成作業が開始されました。
[ロシア海軍の為の第4のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった]

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはカリブ海を去り、母港への帰路に就いた

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年12月2日12時50分配信
【警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はカリブ海における全ての任務を果たした】
カリーニングラード、12月2日-ロシア通信社ノーボスチ

バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」の乗組員は、カリブ海における計画任務の遂行を完了し、母国の沿岸へ進路を取った。
西方軍管区下のバルト艦隊広報サービス・情報供給部長ローマン・マルトフ1等海佐は報道陣へ伝えた。

「遠距離航海に在る警備艦ヤロスラフ・ムードルイの乗組員は、カリブ海における計画任務の遂行を完了し、母国の沿岸へ進路を取りました」
マルトフ
は話した。

彼は、「ヤロスラフ・ムードルイ」が6月1日にバルト艦隊主要基地バルチースク港から出航し、9月初頭には地中海を去ってインド洋へ入り、数週間に渡り対海賊ミッションを遂行した事を指摘した。
10月前半、警備艦地中海を横断し、大西洋へ出た。

10月、警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」給油船「レナ」で構成されるバルト艦隊艦船支隊大西洋を横断し、カリブ海へ入り、海軍の現代史上初めてキューバハバナ港トリニダード・トバゴ共和国ポイント・フォーティン港を業務寄港の為に訪れた。

「ヤロスラフ・ムードルイ」は最新の多目的警備艦であり、2009年に海軍へ加わっている。
それは、敵潜水艦の捜索、探知、追尾、海上における戦闘艦の対艦及び対潜防衛の保障、陸上部隊の戦闘活動の支援、海上揚陸部隊の上陸の支援の為に意図されている。



バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(2009年7月24日就役)は、2016年6月1日にバルチースクを出航し、6月11日には地中海中部マルタ島を訪問、6月14日にマルタを出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイ、マルタ島訪問(2016年6月11日)]
[バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはロシア海軍地中海作戦連合部隊へ参加する]

その後、地中海東部へ到着し、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の一員として行動していました。

6月17日にはアメリカ海軍駆逐艦「ニアミス」を起こしました。
[地中海東部でアメリカ海軍駆逐艦はロシア海軍の警備艦ヤロスラフ・ムードルイへ接近した]

その後の動向は一切明らかにされていませんでしたが、地中海を出て紅海へ移動し、ジブチ港へ寄港していました。
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8月18日にジブチを出航し、アフリカの角(アデン湾)海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾で海賊対処任務に就いた]

9月初頭にオマーンサラーラ港へ寄港し、9月6日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾で海賊対処任務を続ける]

「ヤロスラフ・ムードルイ」は、以前にも2014年9月~10月にアデン湾海賊対処任務に就いており、今回で2度目になります。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

その後、「ヤロスラフ・ムードルイ」海賊対処任務を終えて地中海東部へ戻り、9月20日にキプロスリマソール港へ寄港しました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはキプロスを訪れた]

10月7日に北アフリカスペイン領セウタへ寄港しました。


その後、大西洋を横断してカリブ海へ行き、10月26日にはキューバハバナ港へ寄港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはキューバを訪れた]
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11月17日にはトリニダード・トバゴポイント・フォーティン港を訪れました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはトリニダード・トバゴを訪れた]
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ロシア海軍の艦船がトリニダード・トバゴを訪問するのは初めてです。

その後もカリブ海に居たようですが、今回の記事の通り、母港(バルチースク)への帰路に就きました。


なお、「ヤロスラフ・ムードルイ」の舷側番号は、就役以降一貫して「727」でしたが、最近、「777」に変更されました。

「ヤロスラフ・ムードルイ」は、2012年4月からロシア皇帝家(ロマノフ家)の後援を受けています。
[ロマノフ家は警備艦ヤロスラフ・ムードルイを後援する]

ロシア海軍太平洋艦隊の2017年度の予定

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『タス通信』より
2016年12月1日5時3分配信
【太平洋艦隊の艦船は新年度に7つの国際演習へ参加する】
ウラジオストク、12月1日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクーリナ

太平洋艦隊の艦船は、木曜日(12月1日)から始まる新年度に7つの国際演習へ参加し、クリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)への第2の科学研究探検を行ない、更に、幾つかの外国港を訪問する。
タス通信は、東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐より伝えられた。

「本日(12月1日)、太平洋艦隊の部隊は、ロシア軍の新年度開始の為の会合を開催しました。
太平洋艦隊将兵は、7つの国際演習への参加を計画しています。
今日は、12月にヴィシャカ―パトナム港(インド)及びインド洋海域で実施されるロシア-インド演習『インドラ ネイヴィー-2016』への参加準備が完了しました」
マトヴェーエフ
は伝えた。

彼によると、太平洋艦隊全てに、新年度の充実した戦闘演習、構成員の基礎的な海上、野外、飛行訓練が待ち受けている。
艦隊の艦船は、世界の大洋の様々な地点での任務遂行を続け、外国港への業務寄港および訪問を行なう。
現在、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、「アドミラル・パンテレーエフ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」が、指示された任務を海上で遂行している。

それに加え、(2017年)6月~9月に太平洋艦隊将兵は、国防省ロシア地理学協会の後援下でマトゥア島への第2の科学研究探検へ参加する。
現在、島の調査の為の計画の詳細が纏められ、人員及び調査委業務に必要な機材の選択が進められている。

更に、太平洋艦隊の基地では、2017年の国際軍事競技の枠組みにおいて、海上と野外で2つの国際競争「海洋杯」「海上揚陸」が実施されるとマトヴェーエフは付け加えた。



ロシア連邦軍の新年度は、12月1日から始まります。
つまり、2016年12月1日から2017年11月30日までが「2017年度」という事になります。

今回は、この「2017年度」太平洋艦隊の大まかな予定が発表されました。

まず、2016年12月には、インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』が実施されます。
この他に6つの国際演習へ参加するとの事ですが、その中の1つには、当然、中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』が有るでしょう。

太平洋艦隊は、2016年5月~6月にクリル諸島(千島列島)中部のマトゥア島(松輪島)の調査を行ないましたが、2017年6月~9月には2回目の調査が行なわれるとの事です。
[クリル諸島マトゥア島(松輪島)のロシア海軍基地建設]

現在、太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、「アドミラル・パンテレーエフ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」が遠距離航海を行なっているとの事です。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインド洋へ向かった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイはウラジオストクへ帰投した]

この他、太平洋艦隊は2つの国際軍事競技会へ参加するとの事です。
2016年の「海洋杯」黒海及びカスピ海で、「海上揚陸」バルト海で実施されましたが、2017年は2つとも太平洋艦隊の基地で実施されるようです。

新型原子力空母の建造はロシア海軍の将来計画に含まれている

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『インタファクス』より
2016年12月1日9時32分配信
【(ロシア)海軍の将来プログラムには海洋航空機搭載複合体も加えられている】
モスクワ、12月1日、インタファクス-ロシア

海洋航空機搭載複合体ロシア海軍の将来発展計画に示されており、それは、予見できる将来の国家安全保障の課題の解決に関与する。
ロシア連邦軍事産業委員会参与会のメンバーであるウラジーミル・ポスペロフは伝えた。
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「私共が将来の為に形成するこのプログラムには、このクラスの艦が在ります。
ロシア海軍により解決される目標と課題は、確実に、将来的には、このクラスの艦が解決するでしょう」
ポスペロフ
は木曜日に『インタファクス』へ話した。

将来海洋航空機搭載複合体プロジェクト23000E(コード名「シトルム」)は、未だ模型でのみ存在している。
艦のコンセプトは、クルイロフ科学センター(サンクトペテルブルク)ネヴァ川計画設計局と共同で開発した。

予備データによると、艦の全長は330メートル、幅40メートル、吃水11メートル。
航空母艦の速力は30ノットに達する。

最新の海洋航空機搭載複合体の建造が、どのような方向性となるのかという話で、ポスペロフ「複数の選択肢が考慮されている」と言い、このクラスの艦は、如何なる国にとっても高い値打が有る事を指摘した。
「特に、一部の課題を解決できる他の効果的な海洋手段を考慮すれば」
これは特に、最近に海軍へ加わったロケット艦を意味する。

9月にロシア連邦産業貿易相デニス・マントゥロフは、ロシアは新たな航空母艦の建造が可能であると発言し、この問題は、ロシア連邦国防省側からの需要に対し、より良い方向性を示している事を指摘した。
5月にロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフは、海軍の為の新たな航空母艦は2025年以降にロシアで建造できると報道陣へ語った。
今、ロシアには、ただ1隻の航空母艦重航空機搭載巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が在る。



[ロシア将来航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]
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ロシア将来正規空母Перспективный Авианосецは、現在の所、3種類のヴァリエーションが検討されています。
重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t未満)

建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]

将来正規空母の建造開始時期は、今のところは未定です。
[ロシア海軍の為の将来原子力空母の起工は2018年までの予定表には無い]

将来正規空母の艦載機は、数年後に配備予定のロシア空軍第5世代重戦闘機PAK FA(T-50)の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]

将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]

将来正規空母アイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]

将来正規空母の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]

2016年1月下旬、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ氏は、将来正規空母の1番艦は2030年末に就役する見込みであると述べました。
更には、将来正規空母の機関が「特別な動力装置」、つまり原子力になるとも言いました。
[ロシア海軍の将来原子力空母は2030年に就役する]

将来正規空母は、「2018-2025年の国家軍備プログラム」の枠組みにおいて建造が始まります。
[ロシア海軍将来正規空母の建造契約は2025年末までに締結される]

将来正規空母は、2016年6月16日にサンクトペテルブルク『バルト工場』で進水した新型原子力砕氷船「アルクチカ」と同型の原子炉RITM-200を搭載するようです。
[ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない]
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将来正規空母の最終設計案は2020年以降に固められ、2030年頃の完成が予定されています。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]



将来正規空母を何処で建造するのかは未だ正式に決定されていませんが、候補となるのは、ロシア国内全長300メートル以上の艦の建造が可能な乾ドックを有するセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』サンクトペテルブルク『バルト工場』です。
[ロシアの2つの造船所はロシア海軍の為の将来正規空母を建造できる]

『セヴマシュ』
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『バルト工場』
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現在の所、将来正規空母建造の中核となる可能性が最も高いのはセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」であり、同社は、造船設備の近代化を進めています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は生産設備を近代化した後にロシア海軍の為の将来正規空母を建造できるようになる]
[ロシア造船業界は2019年にはロシア海軍の為の将来正規空母の建造が可能となる]

この他、サンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)ドックの拡張工事を行なっており、完了後は全長350メートルまでの艦の建造が可能となります。
無論、将来正規空母の建造も可能になります。
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[サンクトペテルブルクの造船所はロシア海軍の将来原子力空母の建造に参加できる]

ロシア海軍の為の将来原子力駆逐艦リデル級の設計が始まる

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『インタファクス』より
2016年12月1日10時53分配信
【ロシアは原子力駆逐艦「リデル」の設計を開始した】
モスクワ、12月1日、インタファクス-ロシア

新世代の将来駆逐艦プロジェクト「リデル」の外観が形成される。
『インタファクス』は木曜日にロシア連邦軍事産業委員会参与会のメンバーであるウラジーミル・ポスペロフより伝えられた。
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「我々の新たな駆逐艦~この艦の本質は大洋ゾーンです。
それは外観が形成されます。
技術的プロジェクトの承認に関する問題は事実上解決されています」
ポスペロフ
は話した。

彼によると、駆逐艦の作成は「ロシア連邦の共通の単一造船発展プログラムの枠組みと、国家防衛発注の現在の課題の枠組みにおいて決定されます」

以前、遠海ゾーン用将来駆逐艦プロジェクト23560(コード名「リデル」)の建造は、2018年の開始が計画されていると報じられた。

専門家の見方によると、これは「見えない」駆逐艦であり、「ステルス」技術により建造され、遠海ゾーンで任務を遂行する海軍の能力を強化し、最も現代的な電波技術兵装、新たな高精度兵器と並々ならぬ機動特性が備えられる。



[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]
[ロシア海軍将来駆逐艦概念設計案・プロジェクト23560E「シクヴァル」]

ロシア海軍は、2000年代後半以降、新世代多用途駆逐艦(将来駆逐艦Перспективный Эсминец)の建造計画について何度も表明して来ました。
[ロシア海軍新世代原子力駆逐艦建造計画]
[ロシア海軍新世代駆逐艦の建造計画は現司令部に承認された]
[ロシアは「超駆逐艦」を建造する]

将来駆逐艦「リデル」は、原子力推進通常動力(ガスタービン)の2タイプの設計が進められていました。
[ロシア新世代駆逐艦は通常動力と核動力の2種類が設計される]

しかし2015年2月20日、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、「リデル」の機関が原子力推進にほぼ確定したと述べました。
[ロシア海軍の為の将来駆逐艦リデルは原子力推進となる]

ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、「リデル」の排水量は、前のクラス(プロジェクト956駆逐艦、約8000トン)よりも遥かに大きくなり、その打撃力は巡洋艦に匹敵すると述べています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルは巡洋艦に匹敵する攻撃力を有する]

将来駆逐艦「リデル」の動力は、ほぼ原子力推進に決まっています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級は原子力推進となる]

「リデル」の上部構造物には複合材料の使用も検討されています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級の上部構造物は非金属複合材料で造られるかもしれない]

2015年6月、ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、「リデル」の建造は2019年から開始されると述べました。
[ロシア海軍の為の将来駆逐艦リデル級の建造は2019年に開始される]

2015年7月、『統合造船業営団』国家防衛発注局取締役アナトーリー・シレモフ氏は、「リデル」の設計原案は2016年には纏まり、起工は早くて2018-2019年になると述べています。
[ロシア海軍の新型駆逐艦プロジェクト23560リデルの設計原案は2016年に出来上がる]

2015年12月、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、2018年に「リデル」建造の為のプレートカットが開始されると発言しました。
[ロシア海軍の将来駆逐艦リデル級は2018年から建造を開始する]

「リデル」は、ロシア連邦『2018-2025年の国家軍備プログラム』の枠組みにおいて起工されます。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級は『2018-2025年の国家軍備プログラム』において建造される]
[ロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデル級の1番艦は2019年に起工される]

「リデル」の設計を担当する『北方計画設計局』は、実際にロシア海軍向けとして建造される艦の設計へ着手します。
(これまでに公開されている模型は、「リデル」の概念設計案「シクヴァル」のものであり、このままの形で建造されるわけではない)
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級の本格的な設計作業が始まる]
[ロシア海軍の将来原子力駆逐艦リデル級の本格的な設計作業は2017年に始まる]

「リデル」級駆逐艦は8隻の調達が予定されています。
[ロシア海軍は太平洋艦隊と北方艦隊の為に合計8隻の新世代原子力駆逐艦リデル級を発注する]

『統合造船業営団』副総裁イーゴリ・ポノマリョフ氏は、ロシアの造船所は、複数(2隻以上)の「リデル」級駆逐艦を同時に建造する事が可能であると発言しています。
[ロシアの造船所はロシア海軍の為の将来原子力駆逐艦リデル級を複数同時に建造できる]


そして今回、ロシア政府軍事産業委員会のメンバーであるウラジーミル・ポスペロフ氏は、「リデル」級駆逐艦「技術的プロジェクトの承認に関する問題は、事実上解決されている」と発言しました。
つまり、「リデル」級駆逐艦の主要目は、ほぼ決まったという事でしょう。