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ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフはバルト海で艦対空ミサイルの発射試験を行なった

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『タス通信』より
2017年1月16日18時38分配信
【フリゲート「アドミラル・マカロフ」はバルト海で射撃を実施した】
カリーニングラード、1月16日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ

第3のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、国家受領試験の枠組みにおいてバルト海での射撃を実施した。

『タス通信』バルト艦隊の公式代理人ローマン・マルトフより伝えられた。

「バルト艦隊の海洋射爆場で、フリゲート"アドミラル・マカロフ"は、仮想敵の有翼ミサイルへの高射ミサイル複合体シチーリの試験射撃を実行しました」
マルトフ
は話した。
彼は、この段階の試験には同艦隊の約10隻の艦と支援船が参加した事を指摘した。

沿バルト造船工場『ヤンターリ』広報秘書官セルゲイ・ミハイロフは、射撃は2016年末の実施が計画されていたが、「バルト海の芳しくない水文気象条件」が故に延期されたと『タス通信』へ話した。

[艦について]
フリゲート「アドミラル・マカロフ」
『ヤンターリ』工場で2012年2月29日に起工され、2015年9月2日に進水した。
艦載兵装の点検に関する国家受領試験の北方ステージは、バレンツ海で実施された。
ロシア海軍への引き渡しは2016年末までに実行されなければならなかった。

「アドミラル・マカロフ」は、『ヤンターリ』で建造されたプロジェクト11356の3番艦である。
このシリーズの最初の2隻の艦~フリゲートのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」は、それぞれ2016年3月11日と6月7日に海軍へ引き渡された。

同プロジェクト艦は、単独で、そして連合部隊の一員として、水上艦潜水艦へ対抗し、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
排水量は約4000トン、全長125メートル、速力30ノットである。

それは、有翼ミサイル「カリブル-NK」、自衛ミサイル複合体「シチーリ-1」、口径100mmのA-190砲、高射砲、反応爆弾発射機、魚雷で武装しており、更には艦上ヘリコプターKa-27を搭載できる。



[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

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プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工されました。
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]

それから3年半後の2015年9月2日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは進水した]

2016年4月1日、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの係留試験が始まった]

2016年7月9日に『ヤンターリ』造船所からバルチースク海軍基地へ移動しました。
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7月29日、工場航行試験が開始されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの航行試験が始まった]

工場航行試験は9月下旬までに終了し、10月7日からは最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの国家受領試験が始まった]

10月16日、「アドミラル・マカロフ」は、有翼ミサイル「カリブル」などの兵装試験を実施する為、バレンツ海方面の移動を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にバレンツ海へ向かった]

10月24日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にセヴェロモルスクへ到着した]

11月初頭にはバレンツ海で沿岸目標への有翼ミサイル「カリブル」発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も各種兵装の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのバレンツ海における兵装試験は完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・マカロフ」は、11月25日にバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフは北方での兵装試験を終えてバルチースクへ戻った]

12月8日からバルト海で最終洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバルト海で最終洋上試験を行なう]

この試験が終わった後、2016年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、年末までに試験は終了せず、2017年1月以降も試験は続けられる事になりました。
[第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのロシア海軍への引き渡しは延期された]


そして1月16日までにバルト海高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の発射試験が実施されました。
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートの為の対空ミサイルは2014年から受領される]
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]


現在の所、「アドミラル・マカロフ」は、2017年3月末頃までにロシア海軍への引き渡しが見込まれています。
[第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは2017年春にロシア海軍へ引き渡される]


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、2隻が就役しています。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月31日納入/2016年6月7日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2017年春就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工


ただし、4番艦と5番艦は、現在、工事が中断されています。


2016年10月15日、インドゴアロシアインドによる各種兵器輸出協定が締結されました。
この中には、プロジェクト11356フリゲートの売却も含まれています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月15日13時12分配信
【プロジェクト11356フリゲートは「ブラーモス」ミサイルを装備できる】

ロシアインドへ4隻のプロジェクト11356フリゲートを売却しますが、この内の2隻はロシアの造船所で建造し、あとの2隻はインドの造船所でライセンス建造するとの事です。

ロシアで「建造」される2隻が、工事が中断された「アドミラル・ブタコフ」「アドミラル・イストミン」である可能性は高いでしょう。

イギリス海軍はロシア海軍空母部隊の追跡を準備する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年1月16日9時44分配信
【メディア:ブリテンの艦は航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の追跡を準備している】
モスクワ、1月16日-ロシア通信社ノーボスチ

ブリテンの戦闘艦は、シリアから戻り、スコットランド沖を通り過ぎるロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の追跡を準備している。
新聞『テレグラフ』は報じた。

ブリテン警備艦潜水艦は、NATO同盟国の支援下でロシア艦の動向を注意深く監視していると同紙は指摘した。

フィリップ・ジョーンズ提督が言ったように、王立海軍は、冷戦終結以来のロシア海軍の最も高水準な活発化に対処しなければならない。

ブリテン海軍の情報筋は、ロシア水上艦の移動は、スコットランド北方海域でのロシア潜水艦の活動が急激に増加した事に比べれば、不安の原因は非常に少ないと同紙へ伝えた。

以前、ロシア国防省の公式代理人イーゴリ・コナシェンコフ少将は、巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」と40機以上の艦上航空隊航空機を含むロシア空母群は、シリアでの対テロリスト作戦への参加を終え、セヴェロモルスク基地へ戻ると話した。



[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航して地中海東部へ向かい、11月中旬にはシリア沖へ到着、11月15日からシリアへの空爆作戦へ参加しました。

2017年1月6日以降にシリア沖を離れ、帰路に就きました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]


「ロシア空母部隊」は、地中海東部へ向かう途中でブリテン本土付近へ接近した為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

当然ながら、帰路もブリテン本土付近へ接近する事になると予想される為、ブリテン海軍は、再び同部隊を監視する為の艦の派遣を準備しているようです。

近代化されるシリアのタルトゥースのロシア海軍基地は巡洋艦の寄港が可能になる

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『インタファクス』より
2017年1月15日12時40分配信
【近代化されるタルトゥースのロシア連邦海軍の拠点は巡洋艦の寄港が可能になる】
モスクワ、1月15日、インタファクス-ロシア

シリアロシア軍グループの削減を背景にしたタルトゥースロシア連邦海軍の拠点の近代化計画は、巡洋艦の寄港が可能なレベルになる。
『インタファクス』は日曜日に情報筋より伝えられた。

「これは、様々なクラスの艦船:掃海艇から巡洋艦のタルトゥースへの寄港、更には、日常及び定期修理の実施の保障を可能にします」
彼は話した。

彼によると、ロシア海軍の専門家は、タルトゥース港の港内水路の掘り下げと拡張の為の作業の準備を進めている。
「今後、ロシア海軍の使用領域には、排水量10000トン以上の艦の係留の為に意図されている新たな桟橋が2ヶ所、更には、複合住居と管理ビルが建設されます」
対談者は指摘した。

情報提供者が伝えたように、現在、タルトゥースでは、1等艦(註:巡洋艦、大型対潜艦、駆逐艦)は外部泊地に居るだけであり、保守や整備は補助艦隊の船の支援下で行なわれている。

以前、タルトゥースロシア海軍の恒久基地の作成が決定された事が知られるようになった。

2016年12月30日からシリアでの新たな停戦の発効が開始された。

ロシア軍当局は、シリアロシア連邦軍グループの削減を発表した。
ロシア航空打撃艦グループ地中海を去る。

国防省の公式データによると、ロシア領へ最初に6機のSu-24が移動し、他の航空機の撤収も計画されている。



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現在、シリアタルトゥースには、ロシア海軍第720物資-技術供給所が置かれています。
元々は、ソ連邦海軍時代の1971年に設立されたものです。

これは、地中海東部で行動するロシア海軍の艦船へ各種物資を供給し、更には、技術の供給~艦船の整備や簡単な修理を行なう為のものです。

「技術の供給」の為、タルトゥースには黒海艦隊工作船1隻が交代で常駐しています。
最近は、工作船PM-56PM-138が交代で派遣されています。
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ロシア海軍は2013年初頭から地中海東部へ艦船を常時展開させており、同年6月1日には、地中海ロシア海軍艦船を統一指揮する為、「地中海作戦連合部隊」が創設されました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]


2015年10月には、タルトゥース港内の浚渫作業が行なわれました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥース港の浚渫作業を行なった]

2016年10月、ロシア国防省は、タルトゥースへ恒常的な海軍基地を作成する意向を示しました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥースへ恒常的な基地を作る]

2016年12月23日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、タルトゥースの海軍基地の拡張に関するシリアロシアの協定に関する法令へ署名しました。
[シリアのタルトゥース港のロシア海軍基地は拡張される]

今後、拡張工事が行なわれるタルトゥースは、排水量1万トン以上の水上艦の入港が可能となり、更には、修理・整備施設(浮きドック?)も設置されるようです。

ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサの近代化改装は2017年に完了する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年1月12日20時29分配信
【「アルローサ」は2017年には復帰するだろう】

2014年夏からセヴァストーポリの第13艦船修理工場で行なわれている潜水艦B-871「アルローサ」の修理と近代化は、2017年の完了が計画されている。

発注者への納入時期は2016年から2017年に移動した。
『海軍産業』(フロートプロム)特派員は、セヴァストーポリ造船所の広報秘書官セルゲイ・ゴルバチョフより伝えられた。

「作業は、工場にとっては、これまでに実行した事が無かった多くのユニークな特性を有しております」
ゴルバチョフ
は付け加えた。

ニジニ・ノヴゴロド造船所『クラースノエ・ソルモヴォ』で1989年に建造された「アルローサ」は、最近にプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」艦が引き渡されるまでは黒海艦隊で唯一の戦闘可能な潜水艦だった。
「アルローサ」は修理完了後、黒海艦隊へ復帰すると見られている。
また、メディアから発表された情報によると、近代化された「アルローサ」は、魚雷発射管から発射される有翼ミサイル「カリブル-PL」で武装する。



[ポンプジェット潜水艦アルローサ(旧ブログ)]

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ロシア黒海艦隊潜水艦B-871「アルローサ」(1990年就役)は、2014年6月からセヴァストーポリ第13艦船修理工場(黒海艦隊直営)で修理及び近代化が行なわれています。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサは近代化改装を行なっている]

「アルローサ」は、2016年4月18日までに第13艦船修理工場の浮きドックへ入渠しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは2015年12月末までに復帰する]
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは浮きドックへ入った]

「アルローサ」の近代化改装作業は2016年末にも完了せず、海軍への引き渡しは2017年に延期されました。


記事中で触れられているように、B-871「アルローサ」は、長年~1990年代末から2010年代前半まで~に渡り、ロシア黒海艦隊で唯一の行動可能な潜水艦でした。

しかし、2014年以降、黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦が就役し、この問題は解消されました。
[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦は、2014年に2隻、2015年に2隻が、2016年に2隻が就役し、この内の3隻が黒海艦隊基地へ回航されています。

艦齢25年のベテラン潜水艦「アルローサ」は、新造潜水艦6隻と共に黒海艦隊潜水艦部隊で勤務する事になります。
[ロシア黒海艦隊は2017年に7隻の潜水艦を有する]

ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2020年までの完了が予定されている

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省(ロシア連邦海軍)情報・マスコミュニケーション部発表
2017年1月13日9時15分配信
【重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の修理と近代化は2020年までの完了が計画されている】

重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の修理と高度な近代化は2020年までの完了が計画されている。
現在、全ての必要な作業は造船企業『セヴマシュ』(セヴェロドヴィンスク)で進められている。

工場の専門技術者は、艦の居住保障システム、電波技術兵装、艦内動力の交換と更新を行なっている。

近代化計画では、更に、巡洋艦のミサイル複合体及び砲兵装の交換が規定されている。

『セヴマシュ』は、国家契約に沿って重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の修理と近代化を行なっている。

作業実施スケジュールの各段階における報告を、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は定期的に受けている。

近代化の結果、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は、完全に新しい戦術-技術的特性を有する事になり、ロシア海軍水上戦力のポテンシャルを大幅に向上させる。

[参照]
プロジェクト1144「オルラーン」重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」
は、1992年まで「カリーニン」の名を持っていた。
同艦は『バルト造船工場』で1983年5月17日に起工された。
1986年4月25日に進水した。
1988年12月30日にロシア海軍の戦闘編制へ補充された。
1992年4月22日、「アドミラル・ナヒーモフ」と改名された。



プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」(1989年4月21日就役、旧名「カリーニン」)は、1999年8月にオーバーホールの為、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所へ回航されましたが、実際には殆ど作業は行なわれず、岸壁に係留されていました。
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近代化改装の為の契約は2013年6月に締結され、以後、近代化改装工事が行なわれています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2018年に復帰する]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2019年に完了する]
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2014年10月24日からは「セヴマシュ」の屋外ドック(貯水池)へ入渠しています。
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[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはセヴマシュ造船所の屋外ドックへ入渠した]

近代化改装に当たり、「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装やレーダー等を含む古い各種機器を撤去、解体しました。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの古い各種機器の解体・撤去は2015年中に完了する]

既にタービンエンジンの修理も始まっています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフのタービンエンジンの修復が開始された]

2015年8月末までに「アドミラル・ナヒーモフ」の古い各種機器の撤去、解体作業は完了し、続いて艦の清掃や洗浄などが行なわれました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの機器の解体・撤去作業は完了した]

「アドミラル・ナヒーモフ」の船体の清掃などと並行して行なわれていた船体構造の点検では特に問題点は見つからず、ショットピーニングなどの作業が終わった後、新たな各種機器の設置作業へ取り掛かります。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは船体構造の点検を終えた]

「アドミラル・ナヒーモフ」へ設置される新たな各種機器(兵装)は既に発注されています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為、『セヴマシュ』は新たなガントリークレーン「ヴィーチャズィ」を導入しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]

「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化改装により新たな情報管理システムが装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装により新たな情報管理システムを受け取る]

新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」も装備されます。
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mは近代化される重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフに搭載される]

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兵装や電子機器類の殆ど全てを入れ替える「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は、以前には2018年末~2019年前半頃に完了すると伝えられていましたが、今回、ロシア海軍広報部は、2020年までに完了すると発表しました。

ロシア海軍太平洋艦隊艦船は韓国の釜山港を訪れた

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『タス通信』より
2017年1月13日4時57分配信
【太平洋艦隊艦船支隊は、南朝鮮(大韓民国)の釜山港を訪問する為に到着した】
ウラジオストク、1月13日/タス通信

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、金曜日に南朝鮮(大韓民国)釜山港へ到着した。
太平洋艦隊広報サービスは発表した。

係留された艦船は、参謀長チェ・ソンモク准将率いる大韓民国海軍作戦司令部の代表、儀仗隊、オーケストラに出迎えられ、「スラブ娘の別れ」「百万本の真っ赤な薔薇」を含む数々のロシアの楽曲が演奏された。


太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊副司令官エドゥアルド・ミハイロフ少将は、歓迎式典中に韓国側の暖かい歓迎に感謝の意を表した。

釜山へのロシア艦船の寄港の主な目的は、食料、水の補充とチームの休養にある。
更に、一連の儀礼行事~ロシア総領事館への訪問、海辺の都市の市長と韓国海軍作戦司令部司令官チョン・ジンソブ中将への訪問と会談が計画されている。
また、ロシア船員は、韓国最大の都市の1つを見学し、韓国の同僚とサッカーをプレイし、韓国海軍フリゲート「江原道」を視察する。
地元住民は、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の艦上へ上がる機会を得て、ロシア連邦軍事船員の勤務と生活条件についての知識を得る。

ロシア艦船は1月18日に釜山を去り、海上での捜索救助の国際演習へ参加する為、日本へ向かう。

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」は、ロシア軍太平洋艦隊の一員である。
2隻の艦船は昨年10月にウラジオストク港から出航して以来、インド洋及び太平洋海域で任務を遂行し、航海中に1800海里を航行した。
以前、彼等はインドフィリピンの港を訪問した。
インドで彼等は合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加した。

マニラ港への寄港中に「アドミラル・トリブツ」艦上をフィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテが訪れた。
その後、彼は、ロシア艦フィリピンへ停泊できると述べた。
「何時でも、演習を行なう為、物資を補充する為、或いは、我々の同盟国として行動する事が有るときに」



[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』(2016年12月)]

太平洋艦隊艦船支隊は2016年10月15日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインド洋へ向かった]

[太平洋艦隊艦船支隊](指揮官:沿海地方小艦隊副司令官エドゥアルド・ミハイロフ少将)
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
駆逐艦「ブイストルイ」
大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」
救助曳船「アラタウ」


支隊は10月20日午後5時頃に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年10月21日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月1日にインドネシアタンジュンプリオク港を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアのタンジュンプリオク港を訪問した]

11月6日にタンジュンプリオク港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアを去った]


その後、駆逐艦「ブイストルイ」救助曳船「アラタウ」の2隻は本隊と別れ、11月17日午後3時頃には対馬海峡を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年11月18日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月21日までに駆逐艦「ブイストルイ」ウラジオストクへ帰港しました。
救助曳船「アラタウ」も帰港したようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイはウラジオストクへ帰投した]


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一方、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」の2隻となった太平洋艦隊艦船支隊は12月初頭にタイ王国サッタヒープ港を訪れ、12月6日に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイ訪問を終えた]

太平洋艦隊艦船支隊は、12月14日から21日までヴィシャーカパトナムベンガル湾で実施されるロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加します。
(ベンガル湾での実際の海上演習は12月18日から21日まで)
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加する]

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12月14日、太平洋艦隊艦船支隊ヴィシャーカパトナムへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインドのヴィシャーカパトナム港へ到着した]


12月15日には合同演習の打ち合わせが行なわれました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア軍管区(艦隊)広報サービス発表
2016年12月15日13時40分配信
【ロシア-インド海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2016』の参加者は合同実地行動の準備を行なう】

12月16日には、両国の演習参加艦の相互訪問と手旗信号の伝達訓練が行われました。
[ロシア海軍とインド海軍は互いの艦を相互訪問した]

12月17日には、殉職したインド海軍将兵の記念碑へ献花しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2016年12月17日6時7分配信
【演習『インドラ・ネイヴィー-2016』の参加者は死亡した船員の記憶に敬意を表した】

12月18日には、合同演習における海軍歩兵部隊の行動についての最終打ち合わせと、両国海軍将兵のスポーツ競技会が行なわれました。
[ロシア海軍とインド海軍の代表は合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』での行動についての最終打ち合わせを行なった]

12月19日、ロシア海軍インド海軍の演習参加艦は、演習実施海域ベンガル湾へ出航しました。
[合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加するロシア海軍とインド海軍の艦船はベンガル湾へ向かった]


その後、ロシア海軍インド海軍の艦はベンガル湾で砲撃訓練や通信訓練、夜間の機動訓練を行ないました。
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』を実施する]

12月20日もベンガル湾で対潜戦闘、対空戦闘、海賊船撃退訓練が行なわれました。
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同砲撃訓練を行なった]
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『インドラ・ネイヴィー-2016』は12月21日に終了し、太平洋艦隊艦船支隊は、海上でインド海軍艦船部隊と別れました。
[ロシア海軍とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』は終了した]

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その後、太平洋艦隊艦船支隊は帰路に就き、南シナ海で2017年の新年を迎えました。
[インド海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は南シナ海で新年(2017年)を迎える]

2017年1月3日にフィリピンマニラ港を訪問しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊艦船はフィリピンのマニラを訪問した]

1月6日、フィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏は大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」を視察しました。
[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツを視察した]

太平洋艦隊艦船支隊は1月7日にマニラ港訪問を終えて出航し、1月13日には韓国釜山港へ到着しました。
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太平洋艦隊艦船支隊釜山訪問は1月18日まで続き、その後は「海上での捜索救助の国際演習へ参加する為に日本へ向かう」との事です。

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年1月12日13時6分配信
【地中海からセヴェロモルスクへ戻ってくる空母群は40機以上の飛行装置(航空機)を有する-ロシア連邦国防省】
モスクワ、1月12日、インタファクス-AVN

北方艦隊航空打撃艦グループは、40機以上の飛行装置(航空機)と共に地中海からロシア連邦へ戻ってくる。
ロシア連邦国防省の公式代理人イーゴリ・コナシェンコフ少将は発表した。

「常時駐留地点セヴェロモルスクへ1月6日に戻る事になった北方艦隊の航空打撃艦グループには、重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと40機以上の艦上航空隊飛行装置が含まれており、国際テロリストグループへ打撃を与えるために使用されました」
イーゴリ・コナシェンコフ
は話した。

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」率いる航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスクを去った。

2016年11月15日、ロシア軍首脳は、「アドミラル・クズネツォフ」航空隊が歴史上初めて戦闘へ使用されたと発表した~艦上戦闘機は、シリア領内の軍事作戦へ関与していた。

「アドミラル・クズネツォフ」航空団は、艦上戦闘機MiG-29Su-33多目的ヘリコプターKa-27、電波位置特定巡視ヘリコプターKa-31で構成されている。
加えて、「アドミラル・クズネツォフ」の為に、新世代の艦上配置偵察-打撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(Ka-52「アリガートル」の艦載ヴァージョン)が用意されたと以前に『インタファクス』は報じた。
「カトラン」は、12月のロシアのテレビ番組で見られた。

「アドミラル・クズネツォフ」は、地中海で2機の戦闘機MiG-29Su-33を失った。
事故は着艦の際に発生し、飛行士は射出により脱出した。

2016年12月29日、ロシア国防相セルゲイ・ショイグは、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンとの会談において、シリアでの新たな停戦を背景にして、この国のロシア軍グループを削減する機会が作られると述べた。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]

10月17日にはノルウェートロンヘイム沖を航行していました。
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「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]

「ロシア海軍空母機動部隊」ブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月24日にはポルトガル沖を航行していました。


10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。


その後、ロシア航空艦グループ北アフリカスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

更には、地中海中部マルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。
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[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]

11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]

その後、ロシア海軍空母部隊地中海を東へ進みました。


11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」ロシア海軍空母機動部隊へ加わりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島シリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]

11月9日、ロシア海軍空母機動部隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

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ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」シリア有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」Su-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95MSシリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、その後もシリアタルトゥース沖に留まりました。
[空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアではロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

これを受け、ロシア海軍空母部隊は、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは2017年1月に地中海を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は2016年11月中旬から12月末頃までにシリアテロ組織(イスラム国アル=ヌスラ戦線)の施設1252を破壊しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

ロシア海軍空母部隊は、1月10日にはクレタ島西方海域へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは地中海東部を去る]

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1月11日にはリビア沖(おそらくはリビア東部沖)へ到達した「アドミラル・クズネツォフ」を、リビア国民軍司令官ハリーファ・ベルカシム・ハフタル元帥が訪れました。
[リビア国民軍司令官はロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフを訪れた]


そして今回、ロシア国防省広報部長イーゴリ・コナシェンコフ少将は、航空打撃艦グループ(空母部隊)には「40機以上の航空機」が有ると発表しました。

航空打撃艦グループの構成艦の内、「アドミラル・クズネツォフ」以外の艦の搭載機は、Ka-27ヘリコプターが数機(2~3機)程度です。

従いまして、「アドミラル・クズネツォフ」だけでも、ほぼ40機程度は搭載している事になります。
この機数は1月12日現在の数字ですから、2016年11月と12月に事故で失われた艦上戦闘機2機は含まれていないでしょう。

今回の地中海遠征において、「アドミラル・クズネツォフ」には、少なくとも以下の機体が搭載されています。

艦上戦闘機Su-33:機体番号62、66、67、71、76、77、78、84、85、88
艦上戦闘機MiG-29K:機体番号41、46、47、49
艦上戦闘機MiG-29KUB:機体番号50、52、53
救難ヘリコプターKa-27PS:機体番号52、55、57、60
対潜ヘリコプターKa-27PL:機体番号32
輸送戦闘ヘリコプターKa-29:機体番号23、75
早期警戒ヘリコプターKa-31:機体番号90
艦上攻撃ヘリコプターKa-52K:試作機2機


これ以外にも10機以上の各種航空機が搭載されているようです。

リビア国民軍司令官はロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフを訪れた


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年1月11日17時46分配信
【リビア国民軍司令官は「アドミラル・クズネツォフ」を訪れた】
モスクワ、1月11日-ロシア通信社ノーボスチ

リビア国民軍司令官ハリーファ・ベルカシム・ハフタル元帥航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」を訪れ、更には、ロシア国防省のトップ、セルゲイ・ショイグとのビデオ会議中に、中近東におけるテロリストとの戦いについて議論した。
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発は発表した。

「2017年1月11日、リビア国民軍司令官ハリーファ・ベルカシム・ハフタル元帥は、北方艦隊航空群の一員として主要駐留地点への移動を行なっている重航空巡洋艦アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフを訪れました」
声明では、こう述べられた。

航空巡洋艦の艦上では、航海指揮官ソコロフ中将、同艦の艦長と乗組員がリビア国民軍司令官を歓迎した事が伝えられた。

「同艦の小規模な見学旅行の後、ハリーファ・ハフタル元帥とロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグとのビデオ会議が開催され、その中で、中近東の国際テロリストグループとの戦いに関する当面の問題が議論されました」
プレスリリースは指摘した。

ハフタル元帥巡洋艦への訪問を完了した後、リビアの軍人と民間人の為に先ず必要な大口の医療薬品が移送された事が発表された。

以前の水曜日、アラブテレビ局は、シリア紛争ゾーンから戻ってくるロシア航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」リビア領海へ入った事を報じた。
テレビ局『スカイニュースアラビア』によると、艦上でリビア国民軍司令官ハリーファ・ハフタル元帥との会談が行なわれる事になった。

ハフタルイスラム主義者の敵として知られており、彼の指揮下の軍は『イスラム国』グループ(ロシア連邦では非合法)と戦っている。
ハフタルは、ロシア外務省並びに国防省、更には国連安全保障理事会事務局のトップとの会合の為、2016年の6月と11月にモスクワを訪問している。
司令官によると、ロシアリビアに対する国連の兵器輸出禁止措置に従っているので、兵器の供給については議論されなかった。

リビア国民軍は、国連が支援する首都トリポリの政府に従属していない。
司令官ハリーファ・ハフタルと同盟議会は、同国のトブルク市東方に拠点を置いている。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]

10月17日にはノルウェートロンヘイム沖を航行していました。
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「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]

「ロシア海軍空母機動部隊」ブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月24日にはポルトガル沖を航行していました。


10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。

その後、ロシア航空艦グループ北アフリカスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

更には、地中海中部マルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。
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[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]

11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]

その後、ロシア海軍空母部隊地中海を東へ進みました。


11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」ロシア海軍空母機動部隊へ加わりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島シリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]

11月9日、ロシア海軍空母機動部隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

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ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」シリア有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」Su-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95MSシリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、その後もシリアタルトゥース沖に留まりました。
[空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアではロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

これを受け、ロシア海軍空母部隊は、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは2017年1月に地中海を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は2016年11月中旬から12月末頃までにシリアテロ組織(イスラム国アル=ヌスラ戦線)の施設1252を破壊しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

ロシア海軍空母部隊は、1月10日にはクレタ島西方海域へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは地中海東部を去る]

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1月11日にはリビア沖(おそらくはリビア東部沖)へ到達した「アドミラル・クズネツォフ」を、リビア国民軍司令官ハリーファ・ベルカシム・ハフタル元帥が訪れました。
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公益財団法人『中東調査会』公式サイトより
2015年3月3日配信
【リビア:ハリーファ・ハフタルが国軍総司令官に就任】

2016年12月2日配信
【リビア:東部勢力とロシアの接近】

第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは2017年春にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年1月11日14時3分配信
【フリゲート「アドミラル・マカロフ」は2017年第1クオーター(1月-3月)に(ロシア)海軍へ引き渡される】
モスクワ、1月11日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト11356フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、高射ミサイル「シチーリ」の発射成功により国家試験プログラムが完了した後、2017年第1クオーター(1-3月)にロシア海軍へ引き渡される。
水曜日、『ロシア通信社ノーボスチ』は、造船工場『ヤンターリ』広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「アドミラル・マカロフ」プロジェクト11356フリゲートシリーズの3隻目であり、『ヤンターリ』工場で2012年12月に起工され、2015年9月に進水した。

「フリゲート"アドミラル・マカロフ"に関する我々の計画は差し迫っておりますが、国家試験の枠組みを完了させる為、更なるものを必要としております。
特に、高射ミサイル複合体シチーリの発射試験を実施しなければならず、それが行なわれた後でのみ、同艦の国家受領試験プログラムは完了し、海軍へ引き渡す用意が整います。
私共は、可能な限り早期の実行を願っており、今年の第1クオーター(1月~3月)には海軍へ引き渡せるものと見込んでおります」
ミハイロフ
は話した。

彼は、同艦の国家試験プログラムにおける複合体「シチーリ」からの高射ミサイル発射は、2016年には気象条件の為に出来なかったと説明した。

プロジェクト11356艦は、単独或いは連合部隊の一員として水上艦及び潜水艦へ対抗し、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
それは、有翼ミサイル「カリブル-NK」を含む汎用ミサイル砲兵装と、対潜及び対空防衛の為の現代的な電波技術装置を有している。
同シリーズ艦の排水量は約4000トン、全長125メートル、30ノットの速力を発揮する。

プロジェクト11356のトップ艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2016年3月11日に発注者へ引き渡された。
シリーズ第2のフリゲート「アドミラル・エッセン」は6月7日に海軍へ引き渡され、双方の艦は黒海艦隊の戦闘編制へ加わった。



[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

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プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工されました。
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]

それから3年半後の2015年9月2日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは進水した]

2016年4月1日、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの係留試験が始まった]

2016年7月9日に『ヤンターリ』造船所からバルチースク海軍基地へ移動しました。
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7月29日、工場航行試験が開始されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの航行試験が始まった]

工場航行試験は9月下旬までに終了し、10月7日からは最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの国家受領試験が始まった]

10月16日、「アドミラル・マカロフ」は、有翼ミサイル「カリブル」などの兵装試験を実施する為、バレンツ海方面の移動を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にバレンツ海へ向かった]

10月24日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にセヴェロモルスクへ到着した]

11月初頭にはバレンツ海で沿岸目標への有翼ミサイル「カリブル」発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も各種兵装の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのバレンツ海における兵装試験は完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・マカロフ」は、11月25日にバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフは北方での兵装試験を終えてバルチースクへ戻った]

12月8日からバルト海で最終洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバルト海で最終洋上試験を行なう]

この試験が終わった後、2016年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、年末までに試験は終了せず、2017年1月以降も試験は続けられる事になりました。
[第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのロシア海軍への引き渡しは延期された]


今回、建造元の沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、2016年末までに高射ミサイル複合体「シチーリ」の試験が完了しなかった為、今年に改めて試験を実施した後にロシア海軍へ引き渡す予定であることを明らかにしました。

現在の所、「アドミラル・マカロフ」は、2017年3月末頃までにロシア海軍への引き渡しが見込まれています。


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、2隻が就役しています。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月31日納入/2016年6月7日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2017年春就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工


ただし、4番艦と5番艦は、現在、工事が中断されています。


2016年10月15日、インドゴアロシアインドによる各種兵器輸出協定が締結されました。
この中には、プロジェクト11356フリゲートの売却も含まれています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月15日13時12分配信
【プロジェクト11356フリゲートは「ブラーモス」ミサイルを装備できる】

ロシアインドへ4隻のプロジェクト11356フリゲートを売却しますが、この内の2隻はロシアの造船所で建造し、あとの2隻はインドの造船所でライセンス建造するとの事です。

ロシアで「建造」される2隻が、工事が中断された「アドミラル・ブタコフ」「アドミラル・イストミン」である可能性は高いでしょう。

ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験は2017年春に再開される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年1月11日15時0分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は次の段階の試験の為、今春に出航する】
モスクワ、1月11日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」は、今春に工場航行試験の次の段階の為、海上へ向かう。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、造船工場『ヤンターリ』広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

以前、「イワン・グレン」は2016年末までに海軍へ引き渡されなければならないと報じられていた。

「現在、同艦は工場に在り、試験の第1段階中に見つかった問題点を取り除く作業を行なっております。
この作業が終わった後でのみ、今春にイワン・グレンは海上での工場試験を続けます。
全ては、それが、どの程度順調に進むのかに依ります」
ミハイロフ
は話した。

彼は、更新された計画に沿って、同艦の引き渡しは2017年に実施されなければならないと付け加えた。

大型揚陸艦「イワン・グレン」プロジェクト11711のトップ艦であり、公開株式会社『ネフスキー計画設計局』により開発された。
同艦は『ヤンターリ』工場で2004年12月に起工され、2012年5月に進水した。
ロシア連邦国防省の発注により、沿バルト造船工場『ヤンターリ』では、もう1隻の同プロジェクト艦-大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」が建造されており、2018年には海軍へ引き渡されなければならない。

プロジェクト11711大型揚陸艦は5000トンの排水量を有しており、自立航海は30日までであり、18ノットの速力を発揮できる。
艦の全長は120メートル、幅16.5メートル、乗員数は100名である。
兵装は、2基の6銃身30mm砲AK-630Mと、更に2機の戦闘輸送ヘリコプターKa-29である。
大型揚陸艦は、揚陸部隊の上陸、軍用車両及び機材の輸送のために意図されている。



[新型揚陸艦イワン・グレン]

プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
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その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]

フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]

しかし、その後に不具合が発覚し、航行試験は中断されました。

「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。

「イワン・グレン」の航行試験は、2017年春に再開されます。


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2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦は『2018-2025年の国家軍備プログラム』において建造される]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]

ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは地中海東部を去る

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『ロスビジネスコンサルティング』より
2017年1月10日16時4分配信
【メディアは巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が居る場所についての情報を得た】

原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が加わっているロシア空母グループは、ギリシャクレタ島の西方に滞在しており、シリア沿岸から離れ続けている。
通信社『インタファクス』は報じた。

空母グループセヴェロモルスクへ戻す指示は、1月6日にロシア軍参謀本部総長ヴァレリー・ゲラシモフより出された。
彼は、与えられた任務を成功裏に果たした要員へ感謝の意を表し、「主要駐留地点」への移動を行なうように命じた。

同日、グループは、撤収と主要駐留地点への移動の為の準備を始めた。

艦船グループには、「アドミラル・クズネツォフ」「ピョートル・ヴェリキー」の他に、大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、更には支援船が加わっている。

2016年12月、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はグループを離れ、12月初頭にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した。
12月13日、同艦はセヴェロモルスク基地へ戻った。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]

10月17日にはノルウェートロンヘイム沖を航行していました。
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「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]

「ロシア海軍空母機動部隊」ブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月24日にはポルトガル沖を航行していました。


10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。


その後、ロシア航空艦グループ北アフリカスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

更には、地中海中部マルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。
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[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]

11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]

その後、ロシア海軍空母部隊地中海を東へ進みました。


11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」ロシア海軍空母機動部隊へ加わりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島シリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]

11月9日、ロシア海軍空母機動部隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

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ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」シリア有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」Su-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95MSシリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、その後もシリアタルトゥース沖に留まりました。
[空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアではロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

これを受け、ロシア海軍空母部隊は、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは2017年1月に地中海を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は2016年11月中旬から12月末頃までにシリアテロ組織(イスラム国アル=ヌスラ戦線)の施設1252を破壊しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

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そしてロシア海軍空母部隊は、1月10日にはクレタ島西方海域へ到達しました。

新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2017年前半にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年1月10日2時44分配信
【太平洋艦隊は多目的警備艦「ソヴェルシェーンヌイ」を軍備採用する】
ウラジオストク、1月10日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊は2017年前半に近海ゾーンで行動する多目的警備艦~コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」を軍備採用する。
火曜日に東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフは報道陣へ伝えた。

「現在、同艦は、太平洋艦隊の兵装、通信、対空防衛、電波電子戦闘の軍事専門家、そして他の分野の専門家の監督下で試験が行われています」
マトヴェーエフ
は伝えた。

プロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、近海ゾーンで行動し、誘導ロケット兵器を有する多目的警備艦であり、敵の水上艦並びに潜水艦との戦闘、更には海洋揚陸部隊の砲撃支援の為に意図されている。

コルベットの全長は100メートル以上、排水量2220トン。
コルベットは距離4000海里の航海を行なう事が出来る。
兵装は、対艦ミサイル複合体「ウラン」高射ミサイル複合体「リドゥート」魚雷、強力な電波位置特定装備(レーダー)、電波電子兵装、大口径機関銃、投擲装置である。
艦尾には、ヘリコプターKa-27対潜ヴァージョンを駐留させる為の格納庫ヘリコプター甲板が配置されている。
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[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で起工され、2012年10月にはサンクトペテルブルクで製造された上部構造物が海路でコムソモリスク・ナ・アムーレまで運ばれました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]

しかし、「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は大幅に遅延しました。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]
[ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する]

その主な原因は、コルベットの建造価格に関するロシア国防省アムール造船工場の対立に有ったのですが、2014年4月、国防省造船所側の要求を受け入れ、建造費用の増額に同意しました。
[ロシア太平洋艦隊向けの新型コルベットの建造費用は130億ルーブルに増額された]

その後、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は進み、2015年1月~3月には「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員がバルト艦隊プロジェクト20380コルベット「ソーブラジテルヌイ」で実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"乗組員はバルト海での訓練を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]

2015年5月22日に進水式典が開催されました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は進水した]

進水した「ソヴェルシェーンヌイ」は、2015年7月末にコムソモリスク・ナ・アムーレから沿海地方ボリショイ・カーメニへ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2015年7月下旬に沿海地方へ回航される]

ボリショイ・カーメニへ回航後、艤装工事が進められました。
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2016年11月初頭から消磁作業が始まりました。
舷側番号は「333」となりました。
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そして2017年1月初頭より試験が開始されました。
試験の具体的な内容には触れられていませんが、太平洋艦隊の各分野の専門家の監督下で行なわれているとの事ですから、出航前の点検でしょうか。

「ソヴェルシェーンヌイ」は、2017年前半にロシア海軍へ引き渡され、太平洋艦隊へ編入されるとの事です。
「前半」とは言ってますが、早くても2017年6月下旬でしょう。


ロシア海軍新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、現在までに計12隻が起工され(20380が10隻、20385が2隻)、このうち4隻がロシア海軍へ引き渡されています。

20380/20385は、サンクトペテルブルク北方造船所(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)コムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で建造されています。

[「北方造船所」建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号530)
バルト艦隊に配備

「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備

「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備

「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備

「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2018年就役予定

「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2019年就役予定

「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

[「アムール造船工場」建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2017年前半就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2017年末以降就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(プロジェクト20380、建造番号2103)
2015年7月22日起工/2018年以降就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「リェーズキー」Резкий(プロジェクト20380、建造番号2104)
2016年7月1日起工/2019年就役予定
太平洋艦隊に配備予定



プロジェクト20380/20385に続き、更なる改良発展型であるプロジェクト20386の建造も始まっており、1番艦「ジェルズキ―」は2016年10月28日に起工されました。
[プロジェクト20386コルベット(ジェルズキ―型)]

ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦コヴロヴェツは再びシリア沖へ派遣された

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『タス通信』より
2017年1月9日11時32分配信
【黒海艦隊の掃海艦「コヴロヴェツ」 は地中海の海軍グループの一員として加わった】
モスクワ、1月9日/タス通信

黒海艦隊掃海艦「コヴロヴェツ」は、地中海ロシア連邦海軍常設グループの一員として加わった。
同艦隊の広報サービス部長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐は発表した。

「対機雷艦の計画ローテーションに基づき、グループの一員として遠距離作戦ゾーンで4ヶ月以上に渡り行動した同型の海洋掃海艦イワン・ゴルベツと交代します」
彼は話した。

「コヴロヴェツ」は新年の前にセヴァストーポリから出航し、既に意図された任務の遂行に着手している。



ロシア海軍は、2016年2月から交代で黒海艦隊掃海艦1隻をシリア沖へ展開させています。
[ロシア海軍黒海艦隊の掃海艦はシリア沖で活動する]

先ず初めに、海洋掃海艦「コヴロヴェツ」(913)が2016年2月中旬に地中海東部へ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルと海洋掃海艦コヴロヴェツは地中海へ入った]

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2016年5月下旬には海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」(770)と交代し、「コヴロヴェツ」は5月27日にボスポラス海峡を北上してセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ワレンチン・ピクリはシリア沖に到着した]

その後、「ワレンチン・ピクリ」は8月17日にボスポラス海峡を北上してセヴァストーポリへ帰港し、交代で海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」(911)が派遣されました。
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そして、「イワン・ゴルべツ」と交代する為に再び「コヴロヴェツ」が派遣されることになり、2016年12月末にセヴァストーポリを出航し、12月27日にボスポラス海峡を南下しました。

今回の黒海艦隊広報部発表では触れられていませんが、海洋曳船MB-304も同時に地中海東部へ派遣されています。

「コヴロヴェツ」は、1月9日までにシリア沖へ到着しました。


この他、以下のロシア海軍艦船が最近に地中海東部へ派遣されています。

大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」:2016年12月30日にボスポラス海峡南下。
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」(バルト艦隊所属、2016年8月下旬に同艦隊の「ミンスク」と交代):2017年1月3日にボスポラス海峡南下。
軍用輸送船「ドヴィンツィヤ-50」:2017年1月5日にボスポラス海峡南下。

この3隻は「シリア・エクスプレス」(黒海沿岸からシリアタルトゥースへの物資・貨物・人員輸送)として派遣されました。

更には、2016年11月初頭に地中海へ派遣された大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」、10月末に派遣された警備艦「スメトリーヴイ」、10月下旬に派遣された偵察艦「リマン」、9月初頭に派遣された工作船PM-56も、未だ地中海へ留まっているようです。
(工作船PM-56タルトゥースに駐留)


なお、シリア沖には、北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母群が最近まで展開していましたが、2017年1月6日以降に帰路へ就きました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

ロシア海軍太平洋艦隊は2017年6月~9月にクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年3時47分配信
【マトゥア島の第2次探検計画の作成は完了した】
ウラジオストク、1月7日-ロシア通信社ノーボスチ

2017年6月~9月に実施されるクリル列島マトゥア島の第2次探検計画の詳細の作成は完了した。
土曜日、東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は報道陣へ伝えた。

「太平洋艦隊司令部では、2017年6月から9月に実施されるマトゥア島の科学研究探検の準備が続いております。
現在、クリル諸島調査計画の詳細の作成は完了しており、調査作業の為の要員と必要な機材が定められました」
マトヴェーエフ
は話した。

彼によると、太平洋艦隊副司令官アンドレイ・リャブヒン中将の指揮下の200名から成るロシア連邦国防省、ロシア地理学協会、太平洋艦隊の探検隊は、2016年にマトゥア島で大規模な調査を実施した。
島にはキャンプが設置され、野外浴場、医療所、ベーカリー、食堂、衛生疫学研究室が稼働していた。

「専門家は1000以上の物理-化学、生物学のデータを研究室で調査しました。
更に、200以上の外部環境の測定を行ないました。
放射線と化学的探査が120km以上のルートに渡り実施され、島の全ての要塞と100以上の歴史的施設が調査されました。
潜水士は、島の入り江と湾の水中調査を実施しました」
太平洋艦隊
の代理人は説明した。

2016年9月、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴャキャンツ大将は、マトゥア島の学術探検は1813年以来行なわれており、長期の中断の後、2016年4月~9月に初めてロシア地理学協会の学者と軍人は島を調査したと述べた。

日本マトゥア島の調査を1930年代に開始し、軍事的な意義のみが付与された。
「島は、更なる拡張とカムチャツカ半島奪取の為の前進基地として役立ちました。
ユニークな地下構造システム、接続された単一トンネルシステムが作成されました。
地下建造物~これは、深い研究を必要とする別のテーマです」
アヴャキャンツ
は指摘した。

彼によると、地下建造物は2種類に分けられる:要塞と、意図不明の建造物~長さ150mの長方形、正方形、円形。
彼は更に、探検中に、皇室の為の特徴的なシンボル~星(註:菊の御紋章)が刻まれた食器が発見されたと述べた。
それは、島を日本の軍事及び政治の最高指導者が戦争中に訪れ、駐屯地への関心が増加したという事である。

「日本の全ての島の駐屯地では、兵士は最後まで激しく戦いましたが、最後に降伏したマトゥア島は、戦うことなく降伏しました。
駐屯部隊は7500名から成り、日本軍としての特徴は無く、何の抵抗も見せませんでした。
我々は、駐屯部隊が、その主要任務を果たしていたという結論に達しました~全ての痕跡と全ての事実を整理すれば、この島での活動の本質を明らかにする事が出来るでしょう」

提督は強調した。

彼は、おそらくはマトゥア地下トンネルと繋がっていると推察されるトポルコフ島の更なる調査が必要である事を指摘した。
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「ロシア地理学協会総裁(ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ)の許可と指示により、2017年に我々は、幅広い専門家の参加~科学アカデミー、ロシア地理学協会、モスクワ国立大学~を得て第2の探検を行ないます。
この島の動物相、植物相火山活動、給水システム、水中を含めた地下建造物の更なる調査が必要です、
そしてまた、考古学的調査の実施も必要となるでしょう」
太平洋艦隊
司令官は締め括った。



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現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍沿岸ミサイル部隊は駐留していますが、ロシア海軍「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。

2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島ロシア海軍「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]


2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」サルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊ウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。

以後、マトゥア島太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれました。
[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]

マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められました。
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[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]


2016年5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]

これと並行して旧日本軍の地下施設(掩体壕など)の本格的な調査(重機による掘削)も行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する]
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける]

2016年6月下旬には、ドヴォイナヤ湾旧日本海軍零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見されました。
[クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見された]

2016年6月末までにマトゥア島の調査は全て完了し、調査隊は一旦撤収しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を全て完了した]


そして2017年も、6月~9月に掛けてマトゥア島の第2次調査が実施される事になります。

フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツを視察した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年1月6日13時25分配信
【ドゥテルテはマニラ港のロシア艦「アドミラル・トリブツ」を視察した】
モスクワ、1月6日-ロシア通信社ノーボスチ

金曜日、フィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテは、現在、マニラ港に滞在しているロシア海軍大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」を視察した。
『ロシア通信社ノーボスチ』フィリピンロシア連邦大使館より伝えられた。

「本日(1月6日)、ドゥテルテ大統領は軍艦アドミラル・トリブツを視察のために訪問しました。
彼に同行したのは、航海を指揮する太平洋艦隊の副司令官ミハイロフ少将、更にはフィリピンのロシア大使イーゴリ・ホワエフでした」

大使館は伝えた。

ロシア艦「アドミラル・トリブツ」給油船「ボリス・ブトマ」は、食料の補充、チームの休養、更にはフィリピン軍の代表への親善訪問のためにマニラ港へ到着した。
艦船は1月7日まで同港に滞在する。

以前、ドゥテルテは、海上での協力を強化する目的でロシアとの合同軍事演習を実施すると公表した。

外国のメディアは、ロシア連邦フィリピンと合同演習を実施するかもしれないと報じた。
また、ロイターは、マニラロシア連邦大使イーゴリ・ホワエフの談話を引用し、ロシアフィリピン航空機潜水艦を含む現代的な兵器を供給する用意があると報じた。


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年1月6日14時18分配信
【ドゥテルテはロシアがフィリピンを護る同盟国となる事を望む】
モスクワ、1月6日-ロシア通信社ノーボスチ

フィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテは、ロシアが自国を護る同盟国となる事を望むと表明した。
彼は、マニラ港ロシア艦「アドミラル・トリブツ」を視察した際に発言したと『ロイター』は報じた。

「我々は、ロシアの友人を歓迎します。
貴方達は、何時でも、如何なる目的~演習、物資補充の為、或いは我々を護る事が有る時~でも、ここへ停泊できます」
フィリピン大統領
は話した。

報道では、外国のトップが太平洋艦隊の副司令官エドゥアルド・ミハイロフ少将と握手した事が指摘された。

ロシア艦「アドミラル・トリブツ」給油船「ボリス・ブートマ」は、食料の補充、チームの休養、更にはフィリピン軍の代表への親善訪問のためにマニラ港へ到着した。
艦船は1月7日まで同港に滞在する。

以前、ドゥテルテは、海上での協力を強化する目的でロシアとの合同軍事演習を実施すると公表した。



[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』(2016年12月)]

太平洋艦隊艦船支隊は2016年10月15日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインド洋へ向かった]

[太平洋艦隊艦船支隊](指揮官:沿海地方小艦隊副司令官エドゥアルド・ミハイロフ少将)
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
駆逐艦「ブイストルイ」
大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」
救助曳船「アラタウ」


支隊は10月20日午後5時頃に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年10月21日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月1日にインドネシアタンジュンプリオク港を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアのタンジュンプリオク港を訪問した]

11月6日にタンジュンプリオク港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアを去った]


その後、駆逐艦「ブイストルイ」救助曳船「アラタウ」の2隻は本隊と別れ、11月17日午後3時頃には対馬海峡を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年11月18日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月21日までに駆逐艦「ブイストルイ」ウラジオストクへ帰港しました。
救助曳船「アラタウ」も帰港したようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイはウラジオストクへ帰投した]


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一方、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」の2隻となった太平洋艦隊艦船支隊は12月初頭にタイ王国サッタヒープ港を訪れ、12月6日に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイ訪問を終えた]

太平洋艦隊艦船支隊は、12月14日から21日までヴィシャーカパトナムベンガル湾で実施されるロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加します。
(ベンガル湾での実際の海上演習は12月18日から21日まで)
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加する]

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12月14日、太平洋艦隊艦船支隊ヴィシャーカパトナムへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインドのヴィシャーカパトナム港へ到着した]


12月15日には合同演習の打ち合わせが行なわれました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア軍管区(艦隊)広報サービス発表
2016年12月15日13時40分配信
【ロシア-インド海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2016』の参加者は合同実地行動の準備を行なう】

12月16日には、両国の演習参加艦の相互訪問と手旗信号の伝達訓練が行われました。
[ロシア海軍とインド海軍は互いの艦を相互訪問した]

12月17日には、殉職したインド海軍将兵の記念碑へ献花しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2016年12月17日6時7分配信
【演習『インドラ・ネイヴィー-2016』の参加者は死亡した船員の記憶に敬意を表した】

12月18日には、合同演習における海軍歩兵部隊の行動についての最終打ち合わせと、両国海軍将兵のスポーツ競技会が行なわれました。
[ロシア海軍とインド海軍の代表は合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』での行動についての最終打ち合わせを行なった]

12月19日、ロシア海軍インド海軍の演習参加艦は、演習実施海域ベンガル湾へ出航しました。
[合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加するロシア海軍とインド海軍の艦船はベンガル湾へ向かった]


その後、ロシア海軍インド海軍の艦はベンガル湾で砲撃訓練や通信訓練、夜間の機動訓練を行ないました。
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』を実施する]

12月20日もベンガル湾で対潜戦闘、対空戦闘、海賊船撃退訓練が行なわれました。
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同砲撃訓練を行なった]
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『インドラ・ネイヴィー-2016』は12月21日に終了し、太平洋艦隊艦船支隊は、海上でインド海軍艦船部隊と別れました。
[ロシア海軍とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』は終了した]

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その後、太平洋艦隊艦船支隊は帰路に就き、南シナ海で2017年の新年を迎えました。
[インド海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は南シナ海で新年(2017年)を迎える]

2017年1月3日にフィリピンマニラ港を訪問しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊艦船はフィリピンのマニラを訪問した]

そして1月6日、フィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏が大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」を視察しました。
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太平洋艦隊艦船支隊マニラ港訪問は1月7日まで続きます。


ロシア海軍の艦船は、2012年と2016年にもマニラを訪問しています。

2012年1月31日-2月2日には、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「フォーチー・クルイロフ」から成るアデン湾海賊対処部隊ウラジオストクへ戻る途中に寄港しました。

[ロシア太平洋艦隊第6次海賊対処部隊はウラジオストクへ戻ってきた]

2016年5月19日-23日には、水路測量船「マルシャル・ゲオルヴァニ」マニラへ寄港しています。
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それより前には、黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」沿海地方へ来航した2010年の5月14-16日と、7月29-31日にマニラへ寄港しています。
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ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した


『インタファクス』より
2017年1月6日11時46分配信
【ロシア連邦国防省は、シリアでの2ヶ月間の海軍航空隊の活動を報告した】
モスクワ、1月6日、インタファクス・ロシア

ロシア航空艦グループが参加していた2ヶ月間に、海軍航空隊の飛行士はシリアで420回の戦闘飛行を行ない、1252のテロリスト施設を破壊した。
シリアロシア軍グループ司令官アンドレイ・カルタポロフ大将は発表した。

「この2ヶ月間の戦闘活動への参加中に海軍航空隊の飛行士は420回の戦闘飛行を行ない、この内の117回は夜間でした。
実際には、全てのフライトは困難な気象条件下で行なわれました。
1252のテロリスト施設へ打撃を与えました」
カルタポロフ
は語った。

彼は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、更には黒海艦隊の艦と支援船で構成される北方艦隊航空艦グループが、2016年11月8日からシリア領内のテロリストとの戦闘任務を遂行していた事を想い起した。

「インフラ施設へ打撃を与え、戦闘員及び軍用車両、非合法武装組織の火器陣地と拠点を無力化しました。
地中海に滞在する黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2016年11月15日に有翼ミサイル"カリブル"によりシリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国、ロシア連邦では非合法)の施設へミサイル攻撃を加えました。
全ての目標は破壊されました」

司令官は強調した。

彼は、艦から地上施設へ直接に打撃を与える戦闘任務が、(ロシア)海軍の歴史上初めて艦上航空隊航空機により果たされた事を付け加えた。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]

10月17日にはノルウェートロンヘイム沖を航行していました。
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「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]

「ロシア海軍空母機動部隊」ブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月24日にはポルトガル沖を航行していました。


10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。

その後、ロシア航空艦グループ北アフリカスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

更には、地中海中部マルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。
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[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]

11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]

その後、ロシア海軍空母部隊地中海を東へ進みました。


11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」ロシア海軍空母機動部隊へ加わりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島シリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]

11月9日、ロシア海軍空母機動部隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

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ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」シリア有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」Su-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95MSシリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、その後もシリアタルトゥース沖に留まりました。
[空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアではロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。


これを受け、ロシア海軍空母部隊シリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは2017年1月に地中海を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]


そして、シリア駐留ロシア軍司令官アンドレイ・カルタポロフ大将は、この約2ヶ月間で「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は420回の戦闘飛行を行ない、シリア領内テロリストの1252の施設を破壊したと発表しました。

シリア駐留ロシア軍司令官の発言ですから、「420回の戦闘飛行」は、「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機シリア領土の上空を飛行した回数でしょう。
(つまり、「アドミラル・クズネツォフ」の周辺海域をパトロールするヘリコプターなどのフライト回数はカウントされていない)

ただ、カルタポロフ大将は、「アドミラル・クズネツォフ」航空隊が11月8日から戦闘任務を遂行していると言っていますが(「420回の戦闘飛行」も、おそらくは11月8日からカウントしたもの)、初めてヌスラ戦線の施設を爆撃したのが11月15日ですから、それより以前の1週間のフライトは、作戦の事前調査の為の偵察飛行でしょう。

ロシア国防省から発表された「アドミラル・クズネツォフ」航空隊による空爆は、2016年11月15日と17日の2回のみですが、この2回の攻撃で1252の施設を破壊したとも考えられないので、これ以降にも出撃し、実質1ヶ月半程度に渡りシリア領内テロ組織を空爆していたようです。

今回、「アドミラル・クズネツォフ」には、少なくとも以下の機体が搭載されています。
この内、1機のSu-33と1機のMiG-29Kが事故で失われました。

艦上戦闘機Su-33:機体番号62、66、67、71、76、77、78、84、85、88
艦上戦闘機MiG-29K:機体番号41、46、47、49
艦上戦闘機MiG-29KUB:機体番号50、52、53
救難ヘリコプターKa-27PS:機体番号52、55、57、60
対潜ヘリコプターKa-27PL:機体番号32
輸送戦闘ヘリコプターKa-29:機体番号23、75
早期警戒ヘリコプターKa-31:機体番号90
艦上攻撃ヘリコプターKa-52K:試作機2機

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る


『タス通信』より
2017年1月6日11時38分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」はシリアの紛争地帯を去る】
モスクワ、1月6日/タス通信

ロシア連邦国防省は、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンの決定に従い、シリア(ロシア)軍グループの削減へ着手する。
最初に、紛争地帯から航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」率いるロシア連邦海軍空母グループが去る。

これは、ロシア連邦軍参謀本部総長ヴァレーリー・ゲラシモフ上級大将より発表された。

「ロシア連邦軍最高司令官ウラジーミル・プーチンの決定に従い、ロシア国防省は、シリアの軍グループの削減へ着手します」
彼は話した。
彼によると、最初に、ロシア唯一の航空母艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる北方艦隊航空艦グループが紛争地帯を去る。

ゲラシモフは、「アドミラル・クズネツォフ」率いる空母グループは、1月6日・金曜日に地中海からセヴェロモルスクへの移動の準備を始めると述べた。

「僕は、与えられた任務を成功裏に果たした航空艦グループの要員全てに、心から感謝します。
航海を指揮するヴィクトール・ソコロフ中将は、今日、航空艦グループの撤収を開始し、以前に承認された計画に沿って主要駐留地点セヴェロモルスクへの移動を行ないます」

彼は話した。

ゲラシモフは、モスクワ時間で2016年12月30日0時0分からシリア全土での戦闘行動の一時停止体制が発動している事を想い起した。
これは、国際テロリストグループ「イスラム国」と「アル=ヌスラ戦線」(ロシア連邦では非合法)には適用されない。

次に、シリアロシア軍グループの司令官アンドレイ・カルタポロフ大将は、航空艦グループは与えられた任務を遂行し、更なる行動を準備している事を強調した。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]

今回の「ロシア海軍空母機動部隊」は、以下の艦で構成されています。

[北方艦隊航空艦グループ](指揮官:北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将)
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」
重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
中型海洋給油船「カーマ」
救助曳船「ニコライ・チケル」

(註:大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は2016年11月下旬にグループより離脱)

10月17日にはノルウェートロンヘイム沖を航行していました。
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「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]

「ロシア海軍空母機動部隊」ブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月24日にはポルトガル沖を航行していました。


10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。


その後、ロシア航空艦グループ北アフリカスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

更には、地中海中部マルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。
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[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]

11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]

その後、ロシア海軍空母部隊地中海を東へ進みました。


11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」も、現在はロシア海軍空母機動部隊へ加わっているようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島シリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]

11月9日、ロシア海軍空母機動部隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

16-1113c.jpg
ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」シリア有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」Su-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95MSシリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、今もシリアタルトゥース沖に居ます。
[空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアではロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。


これを受け、ロシア海軍空母部隊シリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは2017年1月に地中海を去る]


以前に報じられたように、「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年2月9日にセヴェロモルスクへ帰港が予定されているようです。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2017年2月9日にセヴェロモルスクへ帰投する?]

ロシア海軍北方艦隊は2017年に6機の近代化された艦上ヘリコプターKa-27Mを受け取る

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『タス通信』より
2017年1月6日6時37分配信
【北方艦隊は2017年に6機の近代化されたヘリコプターKa-27Mを受け取る】
ムルマンスク、1月6日/タス通信

北方艦隊のヘリコプター飛行士は2017年に6機の新たなヘリコプターKa-27Mを受け取る。
同艦隊の広報サービスは発表した。

「2017年に北方艦隊のヘリコプター飛行士は、新たに近代化された多目的ヘリコプターKa-27Mをマスターします。
6機の新たな機体は北方艦隊の航空・防空軍部隊へ軍備採用されます」

広報サービスは伝えた。

パイロットは、エイスク海軍航空隊飛行士訓練センター北方艦隊の沿岸飛行場、更には、艦上にヘリコプターを搭載できる戦闘艦の甲板上で訓練を実施する。

広報サービスが指摘したように、ヘリコプターは、クメルタウ航空機製造事業で近代化が実施された。
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Ka-27は、ソヴィエト時代の艦載多目的ヘリコプターである。
北方艦隊水上艦連合部隊において、対潜及び捜索救助モデルが使用されている。

艦載ヘリコプターは、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、プロジェクト1155大型対潜艦、プロジェクト956駆逐艦の艦上に搭載されている。



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現在、ロシア海軍は、艦載対潜ヘリコプターKa-27PLを約50機程度保有しており、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊海軍航空隊で運用されています。
これらのKa-27PLは、電子機器を換装する近代化改装が行なわれ、Ka-27Mへアップグレードされます。
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27PLとKa-27PSが近代化される]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]

Ka-27PLの近代化型Ka-27Mは、2012年5月に第一次発注が行なわれると発表されました。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]

【Ka-27M試作機(0909号機)】
その後、Ka-27M試作機(0909号機)は、北方艦隊での試験が行なわれました。
[艦載ヘリコプターKa-27Mの試験は北方艦隊で行なわれている]

2014年12月には、北方艦隊所属の4機のKa-27PLが近代化改修を行なう事になりました。
[ロシア海軍の対潜ヘリコプターKa-27PLの近代化改修が始まる]

近代化改装されたKa-27Mの最初の8機は、2015年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でした。
[ロシア海軍の8機の対潜ヘリコプターKa-27が2015年に近代化される]

しかし、引き渡しは1年遅れて2016年12月になりました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化改装された艦載対潜ヘリコプターKa-27Mを2016年12月に受領する]

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2016年12月19日、近代化されたKa-27Mの第1号機がロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mの第1号機を受領した]

その後、残りの7機も2016年12月末~2017年1月初頭までに引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]


今回の記事によると、この8機のKa-27Mの内の6機が北方艦隊へ配備されるようです。

ロシア海軍の4艦隊の内、北方艦隊には、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を筆頭にヘリコプター搭載能力を有する水上艦が最も多く配備されているので、Ka-27Mも優先的に回される事になるようです。


なお、太平洋艦隊には、Ka-27の派生型であり、予備役として保管されていた戦闘輸送ヘリコプターKa-29がオーバーホールを終えて引き渡されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

Ka-27の後継機となる将来艦上ヘリコプター「ミノーガ」の開発も始まっています。
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"は2025年頃から生産を開始する]

ロシア海軍航空隊は8機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した

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『タス通信』より
2017年1月5日9時55分配信
【8機の近代化された艦上ヘリコプターKa-27Mはロシア連邦海軍航空隊へ受領された】
モスクワ、1月5日/タス通信

最初の8機の近代化された艦上ヘリコプターKa-27Mロシア海軍航空隊へ受領された。
木曜日にロシア連邦国防省は報道機関へ伝えた。

「海軍航空隊の飛行装置(航空機)集団の更新計画に沿って、最初の8機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mが受領されました。
ヘリコプターは機上電波電子機器が大幅に更新され、新たな探索システムが設置されており、新たな探知手段を用いて様々なクラスの潜水艦を撃破する事が可能となります。
ヘリコプターKa-27Mは、最新の電波音響探知機器を装備しています」

軍当局は話した。

近代化されたヘリコプターKa-27Mの搭乗員は、エイスク海軍航空隊戦闘動作・飛行再訓練センターで特別コースの訓練を行なう事を国防省は付け加えた。
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多目的機Ka-27の様々な派生型は、今日における海軍航空隊ヘリコプター部隊の基礎となっている。
これらは、海上の空中偵察、艦船グループの対潜防護、潜水艦及び水上艦の捜索と探知を提供する。
また、彼等は、海上で遭難した航空機、艦船の乗組員の捜索と救助に従事している。



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現在、ロシア海軍は、艦載対潜ヘリコプターKa-27PLを約50機程度保有しており、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊海軍航空隊で運用されています。
これらのKa-27PLは、電子機器を換装する近代化改装が行なわれ、Ka-27Mへアップグレードされます。
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27PLとKa-27PSが近代化される]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]

Ka-27PLの近代化型Ka-27Mは、2012年5月に第一次発注が行なわれると発表されました。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]

【Ka-27M試作機(0909号機)】

その後、Ka-27M試作機(0909号機)は、北方艦隊での試験が行なわれました。
[艦載ヘリコプターKa-27Mの試験は北方艦隊で行なわれている]

2014年12月には、北方艦隊所属の4機のKa-27PLが近代化改修を行なう事になりました。
[ロシア海軍の対潜ヘリコプターKa-27PLの近代化改修が始まる]

近代化改装されたKa-27Mの最初の8機は、2015年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でした。
[ロシア海軍の8機の対潜ヘリコプターKa-27が2015年に近代化される]

しかし、引き渡しは1年遅れて2016年12月になりました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化改装された艦載対潜ヘリコプターKa-27Mを2016年12月に受領する]

12月19日、近代化されたKa-27Mの第1号機がロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mの第1号機を受領した]

その後、残りの7機も2016年12月末~2017年1月初頭までに引き渡されたようです。

ロシア海軍太平洋艦隊艦船はフィリピンのマニラを訪問した

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『Malaya Business Insigt』より
2014年1月4日配信
【モスクワはロシア軍艦のマニラ訪問に伴い海軍演習を求める】

エドゥアルド・ミハイロフ少将は、昨日(1月3日)、ロシア海軍フィリピン海軍と共に対テロ、対海賊へ焦点を当てた演習を実施する事を楽しみにしていると語った。

ロシア太平洋艦隊小艦隊の副司令官であるミハイロフは、2隻のロシア艦船が5日間の親善訪問の為にマニラ南湾へ停泊した後に発言した。
艦船は対潜艦「アドミラル・トリブツ」海上給油船「ボリス・ブートマ」である。

彼等の訪問は、ドゥテルテ政権下において初めてとなる。
最後にロシア艦船フィリピンを訪問したのは昨年(2016年)の5月であった。

ミハイロフは、両国が直面している2つの問題~テロリズムと海賊の脅威へ対処する為、ロシア海軍は、これらの海軍演習を通してフィリピン海軍を手助けできると述べた。

「我々は、これら(の脅威)と戦った経験を持っており、今後の演習で我々は貴方達を手助けする事を望んでおります。
私共は、海賊及びテロリズムへの対処法について、この問題に関する我々の知識を貴方達と共有します」
ミハイロフ
は話した。

ミハイロフは更に、南シナ海あるいは西フィリピン海の紛争エリアをパトロールする為の資産を欠いているフィリピン海軍へのロシアの援助を約束した。

2ヶ国の国防当局は、このよう演習の為の道筋を開く事が出来る防衛協力の協定へ取り組んでいる。
協定は、昨年8月のマニラでの非公式会合の時に提案された。

最近の声明では、(フィリピン)国防省は、双方は合意案を最終決定しており、4月のドゥテルテ大統領ロシアへの訪問中に署名されるかもしれないと述べた。



[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』(2016年12月)]

太平洋艦隊艦船支隊は2016年10月15日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインド洋へ向かった]

[太平洋艦隊艦船支隊](指揮官:沿海地方小艦隊副司令官エドゥアルド・ミハイロフ少将)
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
駆逐艦「ブイストルイ」
大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」
救助曳船「アラタウ」


支隊は10月20日午後5時頃に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年10月21日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月1日にインドネシアタンジュンプリオク港を訪れました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアのタンジュンプリオク港を訪問した]

11月6日にタンジュンプリオク港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインドネシアを去った]


その後、駆逐艦「ブイストルイ」救助曳船「アラタウ」の2隻は本隊と別れ、11月17日午後3時頃には対馬海峡を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年11月18日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月21日までに駆逐艦「ブイストルイ」ウラジオストクへ帰港しました。
救助曳船「アラタウ」も帰港したようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイはウラジオストクへ帰投した]


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一方、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」の2隻となった太平洋艦隊艦船支隊は12月初頭にタイ王国サッタヒープ港を訪れ、12月6日に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイ訪問を終えた]

太平洋艦隊艦船支隊は、12月14日から21日までヴィシャーカパトナムベンガル湾で実施されるロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加します。
(ベンガル湾での実際の海上演習は12月18日から21日まで)
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加する]

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12月14日、太平洋艦隊艦船支隊ヴィシャーカパトナムへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインドのヴィシャーカパトナム港へ到着した]


12月15日には合同演習の打ち合わせが行なわれました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア軍管区(艦隊)広報サービス発表
2016年12月15日13時40分配信
【ロシア-インド海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2016』の参加者は合同実地行動の準備を行なう】

12月16日には、両国の演習参加艦の相互訪問と手旗信号の伝達訓練が行われました。
[ロシア海軍とインド海軍は互いの艦を相互訪問した]

12月17日には、殉職したインド海軍将兵の記念碑へ献花しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2016年12月17日6時7分配信
【演習『インドラ・ネイヴィー-2016』の参加者は死亡した船員の記憶に敬意を表した】

12月18日には、合同演習における海軍歩兵部隊の行動についての最終打ち合わせと、両国海軍将兵のスポーツ競技会が行なわれました。
[ロシア海軍とインド海軍の代表は合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』での行動についての最終打ち合わせを行なった]

12月19日、ロシア海軍インド海軍の演習参加艦は、演習実施海域ベンガル湾へ出航しました。
[合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加するロシア海軍とインド海軍の艦船はベンガル湾へ向かった]


その後、ロシア海軍インド海軍の艦はベンガル湾で砲撃訓練や通信訓練、夜間の機動訓練を行ないました。
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』を実施する]

12月20日もベンガル湾で対潜戦闘、対空戦闘、海賊船撃退訓練が行なわれました。
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同砲撃訓練を行なった]
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『インドラ・ネイヴィー-2016』は12月21日に終了し、太平洋艦隊艦船支隊は、海上でインド海軍艦船部隊と別れました。
[ロシア海軍とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』は終了した]

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その後、太平洋艦隊艦船支隊は帰路に就き、南シナ海で2017年の新年を迎えました。
[インド海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は南シナ海で新年(2017年)を迎える]


そして2017年1月3日にフィリピンマニラ港を訪問しました。


太平洋艦隊艦船支隊マニラ港訪問は1月7日まで続きます。


ロシア海軍の艦船は、2012年と2016年にもマニラを訪問しています。

2012年1月31日-2月2日には、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「フォーチー・クルイロフ」から成るアデン湾海賊対処部隊ウラジオストクへ戻る途中に寄港しました。

[ロシア太平洋艦隊第6次海賊対処部隊はウラジオストクへ戻ってきた]

2016年5月19日-23日には、水路測量船「マルシャル・ゲオルヴァニ」マニラへ寄港しています。
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それより前には、黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」沿海地方へ来航した2010年の5月14-16日と、7月29-31日にマニラへ寄港しています。
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ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは2017年1月に地中海を去る

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『インタファクス』より
2017年1月3日12時41分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」と「ピョートル・ヴェリキー」は地中海への航海を完了するかもしれない】
モスクワ、1月3日、インタファクス・ロシア

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、今月に地中海への遠距離航海を終え、セヴェロモルスク(ロシア北方艦隊主要基地)へ進路を取る事になるかもしれない。
『インタファクス』は火曜日に情報提供者より伝えられた。

「1月にアドミラル・クズネツォフとピョートル・ヴェリキーは遠距離航海を終え、祖国の沿岸へ行く事になるでしょう」
対談者は話した。

2016年12月29日、ロシア国防相セルゲイ・ショイグは、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンとの会談において、シリアでの新たな停戦を背景にして、この国のロシア軍グループを削減する機会が作られると述べた。

昨年11月15日、ロシア軍首脳は、史上初めて「アドミラル・クズネツォフ」航空団が戦闘に使用されたと発表した~艦上戦闘機は、シリア領域での軍事作戦へ関与している。

「ピョートル・ヴェリキー率いる航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスクを去った。

ロシア連邦海軍総参謀長ヴィクトール・クラフチェンコ提督は、以前、シリアでの「アドミラル・クズネツォフ」の使用は成功し、海軍は新たな航空母艦を必要としていると『インタファクス』へ語った。

「最初の戦闘での使用は、我々の現代の海軍が、航空母艦を使用できることを示しました。
我々には、前世紀に開発された、ただ1隻のアドミラル・クズネツォフが有ります」

彼は話した。
「新たな要素をベースとした新たな航空母艦が必要です」

前日、ロシア北方艦隊は、2017年にも北方艦隊の艦船は、世界の大洋海域における海軍の存在を提供すると表明した。

「一連の水上艦連合部隊の乗組員は、北氷洋、への遠距離航海を目的とした準備に取り掛かっております」
同艦隊の公式声明では、こう述べられた。
「大西洋の様々な海域、更には地中海プールへ」



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

ロシア海軍北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]

今回の「ロシア海軍空母機動部隊」は、以下の艦で構成されています。

[北方艦隊航空艦グループ](指揮官:北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将)
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」
重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
中型海洋給油船「カーマ」
救助曳船「ニコライ・チケル」

(註:大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は2016年11月下旬にグループより離脱)

10月17日にはノルウェートロンヘイム沖を航行していました。
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「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]

「ロシア海軍空母機動部隊」ブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]

10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月24日にはポルトガル沖を航行していました。


10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。


その後、ロシア航空艦グループ北アフリカスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

更には、地中海中部マルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。
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[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]

11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]

その後、ロシア海軍空母部隊地中海を東へ進みました。


11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」も、現在はロシア海軍空母機動部隊へ加わっているようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島シリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]

11月9日、ロシア海軍空母機動部隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

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ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」シリア有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」Su-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95MSシリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]

12月5日、1機のSu-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、今もシリアタルトゥース沖に居ます。
[空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している]

「アドミラル・クズネツォフ」は2017年2月9日にセヴェロモルスクへの帰港が予定されているという情報もあります。
(ただし非公式筋の未確認情報)
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2017年2月9日にセヴェロモルスクへ帰投する?]

現在のロシア海軍空母部隊は、この7隻で構成されています。
[北方艦隊航空艦グループ](指揮官:北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将)
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」
重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
中型海洋給油船「カーマ」
救助曳船「ニコライ・チケル」
救助曳船「アルタイ」


「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]


記事中でも触れられていますが、シリアではロシアトルコ主導による停戦が成立し、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

『CNN』より
2016年12月30日14時20分配信
【ロシア、シリア停戦合意を発表 和平協議入りも】

『朝日新聞デジタル』より
2017年1月1日11時50分配信
【国連安保理、ロシア主導の停戦を支持 シリア内戦】


セルゲイ・ショイグ国防相は、シリア駐留ロシア軍を削減すると言っており、その一環として、ロシア海軍空母部隊シリア沖を離れる事になるようです。


テレビ局『ズヴェズダー』の特集番組

【アドミラル・クズネツォフ~初めての戦闘出航・第1部】


【アドミラル・クズネツォフ~初めての戦闘出航・第2部】


【アドミラル・クズネツォフ~初めての戦闘出航・第3部】

第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのロシア海軍への引き渡しは延期された

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『タス通信』より
2017年1月3日11時5分配信
【フリゲート「アドミラル・マカロフ」は2017年に国家試験を継続する】
カリーニングラード、1月3日/タス通信

2016年末の納入が計画されていた第3のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、今年(2017年)も国家受領試験を継続する。
バルト艦隊の公式代理人ローマン・マルトフ1等海佐は発表した。

「新年及びクリスマスの休日の後、直ちにバルト艦隊海洋射爆場で最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"の国家受領試験が継続されます。
国家受領試験の実施中には、艦の航行性能のデータ、主動力装置、艦載システム及び装置の動作が点検されます」
マルトフ
は話した。

彼によると、動力装置、操舵装置、補助機械、通信装置、探知及び航法装置、投錨装置の動作に特別な注意が払われる。
更には、艦の速力及び機動性、その兵装及び航空複合体の試験も実行される。

以前、フリゲートロシア海軍への引き渡しは2016年末までに実行しなければならないと報じられた。

プロジェクト11356フリゲートは、単独で、そして連合部隊の一員として、水上艦や潜水艦へ対抗し、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
それは、汎用ミサイル砲兵装と、対潜及び対空防衛の為の現代的な電波技術装置を有している。
このシリーズ艦の排水量は約4000トン、全長125メートル、速力30ノットである。

「アドミラル・マカロフ」プロジェクト11356の3番艦である。
このシリーズの最初の2隻のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」は、それぞれ2016年3月11日と6月7日に引き渡された。



[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

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プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工されました。
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]

それから3年半後の2015年9月2日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは進水した]

2016年4月1日、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの係留試験が始まった]

2016年7月9日に『ヤンターリ』造船所からバルチースク海軍基地へ移動しました。
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7月29日、工場航行試験が開始されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの航行試験が始まった]

工場航行試験は9月下旬までに終了し、10月7日からは最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの国家受領試験が始まった]

10月16日、「アドミラル・マカロフ」は、有翼ミサイル「カリブル」などの兵装試験を実施する為、バレンツ海方面の移動を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にバレンツ海へ向かった]

10月24日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にセヴェロモルスクへ到着した]

11月初頭にはバレンツ海で沿岸目標への有翼ミサイル「カリブル」発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も各種兵装の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのバレンツ海における兵装試験は完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・マカロフ」は、11月25日にバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフは北方での兵装試験を終えてバルチースクへ戻った]

12月8日からバルト海で最終洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバルト海で最終洋上試験を行なう]


この試験が終わった後、2016年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、年末までに試験は終了しなかったらしく、今回の記事の通り、2017年1月にも試験は続けられる事になりました。

当然、「アドミラル・マカロフ」の引き渡しも延期されることになりましたが、現在の所、いつロシア海軍へ引き渡すのかは明確にされていません。


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、2隻が就役しています。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月31日納入/2016年6月7日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2017年就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工


ただし、4番艦と5番艦は、現在、工事が中断されています。


2016年10月15日、インドゴアロシアインドによる各種兵器輸出協定が締結されました。
この中には、プロジェクト11356フリゲートの売却も含まれています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月15日13時12分配信
【プロジェクト11356フリゲートは「ブラーモス」ミサイルを装備できる】

ロシアインドへ4隻のプロジェクト11356フリゲートを売却しますが、この内の2隻はロシアの造船所で建造し、あとの2隻はインドの造船所でライセンス建造するとの事です。

ロシアで「建造」される2隻が、工事が中断された「アドミラル・ブタコフ」「アドミラル・イストミン」である可能性は高いでしょう。

ロシア海軍の為の対潜/対魚雷ロケットの生産が再開される

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『イズベスチヤ』より
2017年1月1日20時16分配信
【(ロシア)海軍は一斉射撃噴射推進火力システム「ウダフ」と「ザーパド」を受領する】

複合体は、水上艦の潜水艦からの防護、更には、艦船へ向かう魚雷を撃破する為に意図されている。

ロシア海軍は再び一斉射撃噴射推進火力システム「ウダフ」「ザーパド」の受領を開始する。
科学生産合同『スプラフ』のトップ、ウラジーミル・レピンは述べた。

「『スプラフ』は、海軍の為の一斉射撃噴射推進火力システム~複合体ウダフとザーパド~の生産を、ほぼ20年ぶりに再開します」
『インタファクス』
は彼の談話を伝えた。

艦載対魚雷防御噴射推進複合体「ウダフ-1M」は、艦へのロケット攻撃を撃破および回避する為に作成されている。
更には、潜水艦を攻撃する事も出来る。
口径は300mm、最大射程は3000m。

対潜ロケット複合体RPK-8「ザーパド」は、水上艦潜水艦からの防護、更には、艦の進路上の魚雷及び水中工作員を撃破する為に意図されている。
口径は213mm、射程は400~4300m。



【科学生産合同『スプラフ』公式サイト】

対魚雷ロケット発射機RBU-12000「ウダフ-1」は、ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」に搭載されています。
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対潜ロケット複合体RPK-8「ザーパド」は、RBU-6000という名の方が知られており、こちらは「ウダフ-1」よりも多くのロシア海軍水上艦に搭載されています。
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これらの対潜/対魚雷ロケットソ連邦時代に開発されたものであり、ロシア海軍の新世代艦~プロジェクト22350フリゲートプロジェクト20380/20385コルベットでは採用されていません。

しかし、今なおロシア海軍の多くの水上艦で現役であり、更に、今後も近代化改装を行なって現役に留まる搭載艦も少なくない為、生産が再開されることになりました。

ロシア海軍北方艦隊の艦船は2017年も北極圏や地中海へ展開する

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『タス通信』より
2017年1月2日6時37分配信
【北方艦隊の艦船は2017年に北極や地中海への航海を行なう】
セヴェロモルスク、1月2日/タス通信

北方艦隊の艦船は2017年に地中海、北極、大西洋への遠距離航海を行なう。
同艦隊司令官ニコライ・エフメノフ中将は述べた。

「一連の水上艦連合部隊の乗組員は、北氷洋、大西洋の様々な海域、更には地中海への遠距離航海を目的とした準備に取り掛かっております」
彼は話した。

2016年度には、水上艦、原子力潜水艦、支援船の乗組員は30以上の遠距離航海を実行した。

現在、ロシア唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」と数隻の支援船が含まれる北方艦隊航空艦グループは、地中海東部海域で任務を遂行している。



大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を中核とするロシア北方艦隊艦船部隊は、2016年8月30日から10月7日まで北極圏遠征を行ない、ノヴォシビルスク諸島まで進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

太平洋艦隊の艦船もノヴォシビルスク諸島まで進出し、北方艦隊との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北極圏遠征へ行く前の2016年初頭(正確には2015年12月下旬から2016年3月下旬まで)には地中海へ滞在しています。
[ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-2016年4月)]

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、2016年10月15日に地中海遠征へ出発し、現在もシリア沖に居ます。
(この部隊には「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」も参加)
2016年11月にはシリアへの空爆も実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]

この他に、「シリア・エクスプレス」(黒海沿岸からシリアへの貨物・物資輸送任務)の為、北方艦隊大型揚陸艦1隻が交代で地中海(黒海)へ派遣されています。

現在は、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」が派遣されています。
(2016年5月に「アレクサンドル・オトラコフスキー」と交代)
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そして、2017年にも、北方艦隊の艦船は北極圏地中海へ積極的に展開します。

どの艦が何処へ行く事になるのか、現時点では明らかにされていませんが、2016年12月末、北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」が近代化改装を終えて復帰しており、おそらくは地中海へ行く事になるでしょう。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]

ロシア海軍航空隊は装備の更新を進める

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『タス通信』より
2017年1月2日7時35分配信
【ロシア連邦海軍の為に艦上配置無人機が作成される】
モスクワ、1月2日/タス通信

ロシア海軍航空隊の為の艦上配置無人機の開発が始まる。
海軍航空隊司令官イーゴリ・コジン少将は述べた。

「主要な設計局の作業の将来の方向性の1つは、艦上配置無人飛行装置の分野における研究と開発に在ります」
彼は、作業時期は明らかにせずに、こう話した。

コジンは、今後数年の間に、海軍航空隊には、現行の飛行装置(航空機)集団の大掛かりな近代化と、段階的な将来航空複合体への交換が控えている事を指摘した。

「特に、航空隊の艦上戦闘機部隊には、2017年~2020年に戦闘機MiG-29KとMiG-29KUBが補充されます。
更に、海軍航空隊の打撃ヘリコプター集団の大掛かりな近代化が計画されております。
今の軍備として在るヘリコプターKa-29の代わりに、最新の戦闘偵察打撃艦上ヘリコプターKa-52Kカトランが加入を開始します」

海軍航空隊司令官は付け加えた。

[2020年までの計画]
約100機の新たな飛行装置(航空機)をロシア海軍航空隊は2020年までに受領するとコジンは述べた。

「海軍航空隊の航空機集団の近代化及び更新に関する現行のプログラムに沿って、海軍航空隊の軍備として、2020年までに約100機の飛行装置を受領します」
彼は話した。

以前に報じられたように、ロシア海軍航空隊は2016年に様々なクラスの10機以上の航空機と20機の近代化された艦上ヘリコプターKa-27を受領した。



現在、ロシア海軍航空隊は、既存機の近代化改修と新型機の導入を並行して進めています。

現用の対潜ヘリコプターKa-27は近代化改修されます
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mの第1号機を受領した]

この他、戦闘輸送ヘリコプターKa-29もオーバーホールを行なって現役復帰しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

更には、新たな艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」の量産も始まります。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]

対潜哨戒機Il-38の近代化改修も進められています。
[ロシア海軍航空隊は2機の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]

艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBは、機体そのものは2015年末までに計24機が引き渡されておりますが、パイロットの錬成は途上であり、保有機全てを空母で運用出来るレベルには達していないようです。
コジン少将が言っているのは、おそらくは、2020年までに保有機全てを空母で運用出来るレベルにするという事でしょう。
[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]

陸上基地航空隊への多用途複座戦闘機Su-30SMの導入も進められています。
[多用途複座戦闘機Su-30SM]

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今回、イーゴリ・コジン少将は、2020年頃までに約100機の航空機を受領すると述べていますが、これは新造機と近代化改修機を合わせた数字でしょう。


更にコジン少将は、無人艦載機の開発にも言及しています。

無人艦載機の具体的な内容には触れていませんが、例えば、昨年に1番艦が起工されたプロジェクト20386(ジェルズキ―型)コルベットには無人ヘリコプターが搭載されます。
[プロジェクト20386コルベット(ジェルズキ―型)]

そして、将来的には空母への無人機の搭載も構想されています。
[ロシア海軍航空隊の為の有人/無人航空機が開発される]